JP2004014868A - 静電チャック及び処理装置 - Google Patents

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Munehiro Shibuya
澁谷 宗裕
Hideaki Yakushiji
薬師寺 秀明
Binmohammad Ariri Razak
ラザック ビンモハマド アリリ
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Abstract

【課題】試料を脱離させるときの脱離異常を防ぐと共に、当該脱離に要する時間を短縮する静電チャック及び処理装置を提供する。
【解決手段】チャック電極41と当該チャック電極の表面に設けた絶縁層42とで構成される静電チャック4において、絶縁層42における試料を吸着する載置面に全面に亘って導電層43を形成する。この導電層43の形成される面積は、試料よりも広いため、試料の載置時には周縁部が上方に露出する。また導電層43はポリシリコンなどの高抵抗体にて構成される。試料の脱離時には、先ず静電チャック4をアースと接続し、試料上方に除電用のプラズマを発生させる。すると吸着面部近傍の電荷が導電層43の周縁部からプラズマ側に放出され、除電がなされる。しかる後昇降ピン51により試料が載置面から脱離させられる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料を静電吸着することができる静電チャック、及び当該静電チャックを適用した試料の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程の中には、例えばエッチングやCVD(chemical vapor deposition)等の真空処理を行う場合、ウエハの載置台には通常静電チャックが用いられる。この静電チャックの一例について図7を参照しながら簡単に説明すると、図中1は試料であるウエハ(シリコンウエハ)Wの載置台であり、支持部11の上面に静電チャック12を設けた構成とされている。この静電チャック12は導電性を有するシート状のチャック電極13の表裏を誘電体である例えばポリイミド等からなる絶縁層14にて挟んだ構成とされており、絶縁層14の表面(載置面15)に試料を載置した後、直流電源16からチャック電極13に直流電圧(チャック電圧)を印加して当該チャック電極13と試料とで挟まれる領域にクーロン力を発生させ、このクーロン力によってウエハWを吸着保持する構成とされている。
【0003】
また載置台1の内部には、静電チャック12からウエハWを脱離させるための昇降ピン17(周方向に沿って例えば3本存在する)が突没自在に設けられており、例えばウエハWに対する処理の終了後、静電チャック12からウエハWを脱離させようとするときには、スイッチ部SWAの接続をアース側に切り替え、チャック電極13へのチャック電圧例えば正電圧の印加を解除すると共に静電チャック12の表面部近傍に存在する電荷の除去を行って当該表面部におけるウエハWへの吸着力を弱め、しかる後昇降ピン17を上昇させて、ウエハWを静電チャック12の表面部から脱離させ、点線にて示すW1の位置まで上昇させる。ウエハWの脱離時における昇降ピン17の上昇は、スイッチSWBを閉じた状態で行われ、ウエハW側の残留電荷の一部は昇降ピン17を介してアースに逃がされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手法では脱離時における除電を十分に行うことはできないため、ウエハWと載置面15との間に局所的に電荷が残ってしまい、両者の間に残留電荷同士が強く引き合う部位が生じてしまっていた。このため、昇降ピン17はいわば強制的にウエハWを載置面15から剥がすこととなり、例えば載置面15の端部100に強い吸着力が生じていた場合には、図8に示すように昇降ピン17が上昇する途中でウエハWが傾いてしまい、これにより当該ウエハWの片側が跳ね上がってしまったり、昇降ピン17から落下してしまうといった脱離異常が生じることがあった。また上述の手法にて除電を確実に行わせようとすると、長い時間が必要であり、スループットが低下してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、静電チャックから試料を脱離させるときの脱離異常を防ぐと共に、当該脱離に要する時間の短縮化を図ることができる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る静電チャックは、チャック電極の表面に絶縁層が設けられ、チャック電極に電圧を印加することにより試料を前記絶縁層に静電吸着させる静電チャックにおいて、
絶縁層の表面における試料の載置領域に導電層を形成し、この導電層の縁部の少なくとも一部は前記載置領域から外れた領域にて露出していることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、静電チャックに試料を載置しても、少なくとも導電層の一部分に試料に覆われない箇所が生じるため、静電チャックが試料の吸着を解除した後に、載置領域に留まる残留電荷を露出部位を介して速やかに放電することができる。導電層は、チャック電極に電圧を印加したときに電荷が留まって試料との間にクーロン力を発生するように、常温における体積固有抵抗値が10Ωcm以上の高抵抗体例えばシリコン、導電性ポリマー樹脂またはイオン注入セラミックス等を用いることが好ましい。
【0008】
導電層の材質を上記のものとすることで、仮に導電層を載置領域の全面に設けたとしても試料を吸着することが可能となるし、後述する処理装置への適用時に試料の面内温度均一性の低下を防ぐ効果も得ることができる。
【0009】
また本発明に係る処理装置は、上記の静電チャックと、試料に対して所定の処理を行うための処理容器と、を備えることを特徴とする。この処理装置については、試料に対する所定の処理を終了してチャック電極への電圧の印加を停止した後、導電層を介して静電チャックの除電を促すための除電用プラズマを処理容器内に発生させるプラズマ発生手段を備えた構成とすることが好ましい。この場合除電用プラズマとしてはアルゴンガスのプラズマが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、載置領域に留まる電荷をプラズマによって積極的に放電させることができるため、極めて短時間で除電を完了することができる。従って発明が解決しようとする課題で述べたような跳ねや位置ずれといった脱離異常を防ぐことができ、スループットも向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る処理装置の実施の形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本実施の形態の全体構造を示す縦断面図である。図中2は処理容器をなす真空チャンバであり、例えばアルミニウムにより気密構造をなすように形成され、接地されている。この真空チャンバ2の内部には、上部側に絶縁部材2aを介してガスシャワーヘッドを兼ねる上部電極21が設けられており、その下部側には上部電極21と対向するように下部電極を兼ねる載置台3が設けられている。なお上部電極21は接地されている。また、真空チャンバ2の底面には図示しない真空ポンプと連通する排気口20が、側壁部には試料であるウエハ(シリコンウエハ)Wを搬入出するための開口部22、23が夫々形成されており、開口部22、23についてはゲートバルブGにより開閉自在とされている。側壁部の外方には開口部22、23を上下に挟む位置に、例えば夫々リング状をなす永久磁石24、25が設けられている。
【0012】
上部電極21は、底面に多数の孔部26が形成されると共にその上面には図示しないガス供給源から延びるガス供給管27が接続されており、このガス供給管27から供給される処理ガスは、上部電極21内に形成される処理ガス流路28にて拡散し、孔部26を介して載置台3の表面(載置領域30)に載置されたウエハWの表面へと向かうように構成されている。
【0013】
次に載置台3について詳述する。載置台3は例えばアルミニウムからなる円柱状の支持部31と、この支持部31の上面に設けられる円柱状の静電チャック4と、僅かな隙間を介して静電チャック4の周囲を囲む絶縁体よりなる第1のリング体32と、この第1のリング体32の上面に設けられ、ウエハW上方にプラズマを発生させたときに当該プラズマを横方向に広げる役割を果たす導電体よりなる第2のリング体33と、を備えた構成とされている。
【0014】
静電チャック4は例えば金属よりなるシート状のチャック電極41と、このチャック電極41の表裏面を挟むように設けられる誘電体例えばアルミナ(Al2O3)よりなる絶縁層42とで構成されている。絶縁層42の上側表面全体には導電層43(作図の都合上図1では太線にて図示)が設けられており、その上面はウエハWの載置時において当該ウエハWを概ね水平に維持できるように形成されている。また導電層43は、チャック電極41に電圧を印加したときに電荷が留まってウエハWとの間にクーロン力を発生することができる程度の抵抗値を有する高抵抗体であり、且つプラズマ処理時において表面が汚染されにくい材質であることが好ましい。具体的には例えば常温における体積固有抵抗値が10Ωcm〜10Ωcmの例えばシリコン(例えばポリシリコン)、イオン注入セラミックス、導電性ポリマーといった物質が用いられる。イオン注入セラミックスとしては例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)を注入したAl2O3或いは酸化イットリウム(Y2O3)を挙げることができる。なお、絶縁層42の体積固有抵抗値は、10 Ωcm以上であることが好ましい。
【0015】
導電層43は図2及び図3に示すように絶縁層42の上面、即ちウエハWが載置される載置領域30の例えば全面に亘って設けられており、その周縁部は例えば図2に示すように載置領域30から外れて絶縁層42の側面部の途中まで延びている。
【0016】
絶縁層42の径はウエハWの載置領域30よりも僅かに大きいため、導電層43の周縁部はウエハWの外方に露出している。なお載置領域30とは、ウエハWが載置されるべき設定された領域であり、ある程度誤差が許容される場合にはその誤差を含んだ領域である。この実施の形態では導電層43の周縁部がプラズマに晒されることが重要であるが、例えば図2及び図3の鎖線にて示すようにウエハWを載置領域30に載置し、ウエハW上方にプラズマを発生させたとき、当該プラズマ中のイオンやラジカルが図2中Pにて示す隙間を通って導電層43の端部まで到達できるので導電層43はプラズマに晒されることになる。
【0017】
ここで図1に戻って説明を続けると、載置台3の側壁部には、排気時においてウエハWの周方向に均一な排気流を形成するためのバッフル板34が設けられており、このバッフル板34は載置台3から真空チャンバ2の内壁面近傍部位へと延びるリング状の板状部材により構成されている。また載置台3には、例えば支持部31にコンデンサC及びコイルLを介して高周波電源35が接続されている。この高周波電源35は、後述するウエハWの処理や脱離において載置台3の上方空間にプラズマを発生させるためのものであり、上部電極21及び載置台3と共にプラズマ発生手段を構成する。
【0018】
チャック電極41は、スイッチ部SW1を介して直流電源45と接続できるように構成されており、スイッチ部SW1の接続を切り替えることで、ウエハWの吸着を行うときには直流電源45からチャック電極41へ直流電界の印加を行い、ウエハWの吸着を解除するときには静電チャック4近傍の電荷をアースに逃がすようになっている。
【0019】
また載置台3の内部には、外部に設けられる図示しない搬送アームとの間でウエハWの受け渡しを行うための昇降部材5が設けられている。この昇降部材5は載置台3(静電チャック4及び支持部31)及び真空チャンバ2の底面を貫通して設けられる複数本例えば3本の昇降ピン51と、これら昇降ピン51を下端にて支持する支持部材52とで構成されており、支持部材52と真空チャンバ2との間には真空チャンバ2の気密性を確保するためのベローズ体53が、上下に挟まれるように設けられている。支持部材52は例えばエアシリンダまたはボールネジ機構等からなる駆動機構54の働きにより昇降するように構成されており、これに伴い昇降ピン51の先端が孔部44(図1及び図3参照)を介して突没する。
【0020】
昇降部材5は、ウエハWを静電チャック4から脱離させる際に、後述するプラズマによる除電を行った後において、ウエハWに電荷が残留していればその電荷を除去する役割をも有しており、例えば支持部材52から抵抗R1及びスイッチ部SW2を介して接地されている。また支持部31についてもウエハWの脱離時において載置台3側の電荷を除去できるように、抵抗R1及びスイッチ部SW2を介して接地されている。なおスイッチ部SW1、SW2の切り替え、駆動機構54の動作制御及び後述する高周波電源におけるプラズマ出力(電力量)の調節は制御部55から行うように構成されている。
【0021】
次いで本実施の形態の作用について図4(a)〜(c)を参照しながら順を追って説明していく。なお図4(a)〜(c)では作図の便宜上、一部ハッチングを省略している。先ず例えば開口部22を介して図示しない搬送アームが真空チャンバ1内に進入し、昇降ピン51(昇降部材5)との協働作業によりウエハWが静電チャック4の上面(載置領域30)に載置される。そして搬送アームが退出してゲートバルブGを閉じた後、排気口20を介して真空チャンバ2内の真空引きを行って、例えば内部圧力が10−2〜10−3Paに維持されるように調節を行う。このとき制御部55では、チャック電極41に正電圧が印加されるようにスイッチ部SW1の切り替えを行う。静電チャック4の吸着のメカニズムは正確には解明されていないのが実情であるが、本例の場合、チャック電極41に正電圧を印加すると絶縁層42が分極し、また導電層43は既述のように高抵抗体であるから導電層43も分極して載置領域30に正電荷が発生し、載置領域30とウエハWとの間でクーロン力が発生してウエハWが載置領域30に引き寄せられて吸着する、と考えられる(図4(a))。
【0022】
次いでウエハWに向けてエッチング用の処理ガス例えばC4F8ガスの供給を行うと共に下部電極をなす載置台3に高周波電源35から例えば13.56MHz、1000W〜1500Wの高周波電圧を印加することで、上部電極21及び載置台3の間に形成される電界により上記処理ガスがプラズマ化される。このとき発生するプラズマを後述する除電用プラズマと区別するため、便宜的に処理用プラズマと呼ぶこととすると、この処理用プラズマは永久磁石24,25の形成する磁場によりウエハWの上方に閉じこめられることで高密度化し、これに伴いウエハW表面のシリコン酸化膜のエッチングが進行する。所定時間経過後、処理ガスの供給及び高周波電圧の印加を停止する。
【0023】
そして処理済みのウエハWを静電チャック4から脱離させる工程へと移行するため、図4(b)に示すようにスイッチ部SW1をアース側に切り替えると共に除電用プラズマを発生させる。このプラズマは処理ガスとして例えばアルゴン(Ar),窒素(N2)等を真空チャンバ2内に供給すると共に高周波電源35により上部電極21、載置台(下部電極)3間に高周波電圧を印加することにより発生する。
【0024】
この除電用プラズマは静電チャック4内に残留する電荷を当該プラズマ側に引き寄せることで静電チャック4の除電を速やかに完了しようとするものであるが、当該除電用プラズマによって、既に処理が終了しているウエハWの表面が更にエッチングされることは避けなければならない。それゆえに除電用プラズマの発生に要する高周波のパワー(出力)は、除電に要する時間とウエハW表面への影響との兼ね合いから決定され、少なくとも前記出力の上限については処理用プラズマの出力よりも小さな値とされる。実際にはウエハW表面の材質やエッチング条件などによっても変わってくるが、例えば処理用プラズマの出力が1000W〜1500W程度である場合において、除電用プラズマの出力は100W〜600W程度であることが好ましい。
【0025】
このようにチャック電極4への接続を直流電源35からアースへと切り替え、除電プラズマを発生させると後述の実施例からも明らかなように速やかに除電を行うことができる。その理由については、次のように推察している。即ち、静電チャック4に存在する正電荷の一部はアースへと向かうが、静電チャック4の表面に存在する正電荷つまり導電層43の表面に蓄積されている電荷は導電層43内をある程度自由に動き回ることができるので、プラズマに晒されている周縁部へと向かい、このプラズマを介して真空チャンバ2へ放電される。なお導電層43の表面の正電荷が消失することにより、当該正電荷に引き寄せられていたウエハW側の負電荷はクーロン力の束縛から解放されるため、ウエハW内部を自由に動き回れるようになり、その結果一部分はプラズマを介して真空チャンバ2側へと放電される。
【0026】
除電用プラズマの発生時間と静電チャック4における残留電荷との関係については、例えば予め行っておいた試験等により把握されており、この結果に基づいて静電チャック4の残留電荷がなくなるか或いはウエハWを脱離させても異常が起こらないレベルまで低下する時間になると、制御部55のシーケンスプログラムにより処理ガスの供給及び高周波電源35による高周波電圧の印加が停止され、駆動機構54の働きにより昇降部材5によるウエハWの脱離が開始される。図4(c)に示すように昇降部材5が上昇すると、ウエハWは昇降ピン51により突き上げられて載置領域30から脱離するが、既述のように昇降部材5は接地されているため、ウエハWに残留する微量の電荷がアースへと逃がされる。そしてウエハWが所定の高さまで上昇すると昇降部材5の上昇が停止され、搬入時と逆の順序でウエハWが真空チャンバ2から搬出される。
【0027】
以上のように本実施の形態によれば、静電チャック4の載置領域30全体に高抵抗体からなる導電層43を設けてこの導電層43にウエハWを吸着させ、導電層43の周縁部をウエハWの載置領域の外側に位置させて除電用のプラズマに晒すようにしているため、静電チャック4への電圧の印加を停止した後、残留電荷は導電層43の周縁側の露出部位へと移動し、プラズマを介して真空チャンバ2に放電される。このため静電チャック4の除電に要する時間を著しく短縮することができ、発明が解決しようとする課題で述べたような跳ねや位置ずれといった脱離異常を起こすことなく速やかに脱離することができ、スループットを向上させることができる。
【0028】
更に、導電層43に電気抵抗の高い物質を用いているため、導電層43を載置領域30の全面に形成してもウエハWの吸着性を確保できるという利点もある。即ち、導電層43に例えばアルミニウムのような電気抵抗の低い物質を用いるとシリコーンウエハを保持するのに必要な吸着力を確保できないため、かかる吸着力を得るために載置領域30の一部に導電層43を形成し、他の部位については絶縁層42を露出させる構成とせざるを得ない。このような構成とすると導電性及び吸着性の確保は可能であるが、ウエハWの面内温度均一性が低下し、製品の歩留まりが低下してしまうおそれが生じるが、本実施の形態ではこのような問題は起きにくい。
【0029】
また高抵抗体からなる導電層を載置領域全体に設けずに、部分的に例えば放射状に設けても構わない。但し導電層43を部分的に設ける場合には、プロセス時におけるウエハWの面内温度均一性に影響を与えないような形状であることが好ましい。更に昇降ピン51を上昇させるタイミングを把握する手法は上述したものに限られず、例えば残留電荷モニタ等で残留電荷の監視を行い、一定レベルまで除電がなされたか否か判断する構成としてもよい。
【0030】
更にまた、載置台3の構成は例えば図5の縦断面図に示すようなものであってもよい。即ち、ここに示す静電チャック6(電極61,絶縁層62)はウエハWよりも径を小さく構成したものであり、第1,第2のリング体63,64は静電チャック6及びこれに載置されるウエハWとの間に僅かな隙間101が形成されるように設けられる。このような構成においても例えばウエハW上方に除電用プラズマを発生させたとき、導電層63の端部102(第1のリング体63と対向する部位)が隙間101を介して除電用プラズマの影響を強く受けることとなる。従って吸着面部103の電荷は、端部102から隙間101を介してプラズマ側へと向かい、隙間101を介してプラズマ側へ放電され、上述実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
以上において、載置台3における残留電荷の除電を積極的に促すための手段としては上述したプラズマ発生手段以外のものを用いることも可能である。一例としては、載置台3を振動させることで載置領域30に局在する残留電荷の吸着力を弱め、これにより積極的に除電を促す装置を挙げることができる。このような装置を用いた場合にも、振動により吸着力が低下した電荷は導電層43を通って周縁側に移動し、例えば真空チャンバ2側へ向かうこととなる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
上述実施の形態の効果を確認すべく、除電プラズマの出力(高周波電源35の出力)を変えながら各出力毎のプラズマ発生時間と試料であるウエハWが静電チャックの吸着から完全に解放されたときの高さ(以下脱離高さという)との関係を調べる試験を行った。ここでは処理ガスとして窒素(N2)ガスを500sccmの流量で供給すると共に真空チャンバ2内の圧力を150mTorr(39.95Pa)とし、除電プラズマの出力を300W、450W、600Wにしたときのデータを取得したところ図6(a)の特性図に示すような結果が得られた。横軸はプラズマの発生時間(秒)であり、縦軸は試料の脱離高さ(mm)を示している。ウエハWを昇降ピン51により突き上げると、通常、(1)先ず一方側が載置領域30から離れ、(2)その後載置領域30と繋がっている他方側が離れることから、この(2)の脱離時における高さを測定したものである。即ちこの値が大きいほどウエハWの片上がりが大きく、除電が十分でないことを意味し、小さければその逆である。
【0033】
そして結果は、図示するように300W、450W及び600Wのいずれのプラズマ出力においても時間が長いほど脱離高さが低くなり、除電が進んでいるということが分かった。図に示す横線は、ウエハWが脱離時に概ね位置ずれを起こさなくなる高さを示すものであり、例えば図中△にて示す600Wの場合には約7〜10秒で位置ずれが起こらなくないことが分かる。
【0034】
(実施例2)
次いで実施例1と同様の装置を用い、除電プラズマを発生させる際に使用する処理ガスを3種類(アルゴン(Ar),窒素(N2),酸素(O2))用意し、夫々の場合にプラズマ出力を変化させながら、脱離高さを測定した。但し酸素ガスについてはプラズマ出力が300Wのときの測定のみ行った。
【0035】
結果は図6(b)に示されるアルゴン及び窒素を用いたときの結果から、実施例1と同様にプラズマ出力を上げると脱離時間が短くなることが分かり、更に処理ガスの種類によって脱離に要する時間が変わってくることも判明した。酸素ガスを用いた場合についてはサンプルが少ないことから定かでないが、少なくとも窒素ガスよりはアルゴンガスを用いた方が脱離時間が短くなることが確認できた。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、静電チャックから試料を脱離させるときの脱離異常を防ぐと共に、当該脱離に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】上記処理装置に設けられる載置台の要部を示す部分拡大図である。
【図3】上記載置台を示す平面図である。
【図4】本実施の形態における作用を示す作用説明図である。
【図5】本発明に係る他の実施の形態を示す概略縦断面図である。
【図6】本実施の形態における効果を確認するための実験結果を示す特性図である。
【図7】従来技術を説明するための縦断面図である。
【図8】従来技術に係る装置における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
W     半導体ウエハ
SW1,SW2  スイッチ部
2     真空チャンバ
21    上部電極
24,25 永久磁石
27    ガス供給管
3     載置台(下部電極)
30    載置領域
31    支持部
35    高周波電源
4     静電チャック
41    チャック電極
42    絶縁層
43    導電層
45    直流電源
5     昇降部材
51    昇降ピン
55    制御部

Claims (7)

  1. チャック電極の表面に絶縁層が設けられ、チャック電極に電圧を印加することにより試料を前記絶縁層に静電吸着させる静電チャックにおいて、
    絶縁層の表面における試料の載置領域に導電層を形成し、この導電層の縁部の少なくとも一部は前記載置領域から外れた領域にて露出していることを特徴とする静電チャック。
  2. 導電層は常温における体積固有抵抗値が10Ωcm以上であることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
  3. 導電層は載置領域の全面に亘って形成されることを特徴とする請求項2記載の静電チャック。
  4. 導電層は、シリコン、導電性ポリマー樹脂またはイオン注入セラミックスから選択された材質が用いられることを特徴とする請求項2または3記載の静電チャック。
  5. 試料に対して所定の処理を行うための処理容器と、
    この処理容器内に設けられる請求項1ないし4のいずれかに記載の静電チャックと、を備えたことを特徴とする処理装置。
  6. 試料に対する所定の処理を終了してチャック電極への電圧の印加を停止した後、導電層を介して静電チャックの除電を促すための除電用プラズマを処理容器内に発生させるプラズマ発生手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の処理装置。
  7. 除電用のプラズマはアルゴンガスのプラズマであることを特徴とする請求項6記載の処理装置。
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