JP2004040046A - 処理装置及び静電チャックの脱離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電チャックから被処理体(被吸着体)を脱離させるにあたり、脱離異常の発生を防ぐと共に、当該脱離に要する時間の短縮化を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被処理体Wに対して所定の処理を行うための処理容器の処理容器内に設けられ、チャック電極46に電圧を印加することにより被処理体Wを静電吸着する載置台4に静電吸着された前記被処理体Wの裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を供給し、載置台4から脱離するようにする。この場合、電荷が素早く動き回れる被処理体Wの、その裏面部に発生している電荷が速やかに打ち消されるので、被処理体Wを脱離させる適切なタイミングを作り出すことができ、被処理体Wの脱離異常が抑えられる。また除電がスムーズに行えるので高いスループットを維持することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被処理体Wに対して所定の処理を行うための処理容器の処理容器内に設けられ、チャック電極46に電圧を印加することにより被処理体Wを静電吸着する載置台4に静電吸着された前記被処理体Wの裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を供給し、載置台4から脱離するようにする。この場合、電荷が素早く動き回れる被処理体Wの、その裏面部に発生している電荷が速やかに打ち消されるので、被処理体Wを脱離させる適切なタイミングを作り出すことができ、被処理体Wの脱離異常が抑えられる。また除電がスムーズに行えるので高いスループットを維持することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電チャックを有する載置台に被処理体を載置して例えば真空処理を行う処理装置及び静電チャックの脱離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程の中には、例えばエッチングやCVD(chemical vapor deposition)による成膜処理等のように基板の処理を真空雰囲気にて行うものが多数あり、このような処理を行う真空処理装置に用いられる基板の載置台には一般に静電チャックが用いられている。
【0003】
この静電チェックの一例について図4を参照しながら説明する。図中1は半導体ウエハ(以下ウエハという)Wの載置台であり、載置台支持部11の上面に静電チャック12と、この静電チャック12の側方を囲むように設けられるリング体13とを設けた構成とされている。この静電チャック12は導電性を有するシート状のチャック電極14の表裏を例えばポリイミド等からなる誘電体15にて挟んだ構成とされており、直流電源16からチャック電極14に直流電圧(チャック電圧)を印加することで生じるクーロン力によりウエハWを吸着保持できるようになっている。
【0004】
また載置台1の内部には、静電チャック12からウエハWを脱離させるための支持ピン17(周方向に沿って3本存在する)が突没自在に設けられており、例えばウエハWに対する処理が終了し、静電チャック12からウエハWを脱離させようとするときには、スイッチ部SWAの接続をアース側に切り替え、チャック電極14へのチャック電圧例えば正電圧の印加を停止すると共に静電チャック12の表面部に存在する電荷の除去を行って当該表面部におけるウエハWへの吸着力を弱め、しかる後支持ピン17を上昇させて、ウエハWを静電チャック12の表面部から脱離させる。このときスイッチSWBを閉じると、ウエハW側の残留電荷の一部は支持ピン17を介してアースに逃がされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにウエハWを静電チャック12から脱離させるときには当該静電チャック12の表面部の除電が行われているが、ウエハWの反り、絶縁層15のうねり等の要因により、電荷が強く引き合う部位がウエハWと静電チャック12(絶縁層15)の表面部に局在し、除電が十分行われないことがあった。係る状態でウエハWの脱離を行うと、支持ピン17がウエハWを静電チャック12から強制的に剥がすこととなり、その結果例えばウエハWの片側が跳ね上がってしまったり、支持ピン17から落下してしまうといった脱離異常の問題が生じていた。更には、この手法にて除電を確実に行わせようとすると、長い時間が必要であり、スループットが低下してしまう場合がある。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、静電チャックから被処理体(被吸着体)を脱離させるにあたり、脱離異常の発生を防ぐと共に、脱離に要する時間の短縮化を図ることができる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の処理装置は、少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被処理体に対して所定の処理を行うための処理容器と、
この処理容器内に設けられ、チャック電極に電圧を印加することにより被処理体を静電吸着する載置台と、
前記被処理体を載置台から脱離させる脱離部材と、
載置台に静電吸着されているときに被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体の裏面部に供給するための電荷供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
導体または半導体内は電荷が自由に動き回れるので被処理体の裏面部に逆電荷を供給することにより、この供給された逆電荷が被処理体の裏面部を素早く動き回わり、局所的に集まっている電荷を速やかに打ち消すことができる。このため逆電荷の供給制御が容易となり、被処理体を脱離させる適切なタイミングを作り出すことができるので被処理体の脱離異常が抑えられる。また除電がスムーズに行えるので高いスループットを維持することができる。
【0009】
本発明の処理装置では例えば前記脱離部材を介して前記電荷供給部からの電荷を被処理体に供給することができる。更にまた、載置台の残留電荷を監視する残留電荷監視手段と、この残留電荷監視手段により検出される残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後、被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えた構成であってもよく、あるいは逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えた構成であってもよい。
【0010】
本発明の静電チャックの脱離方法は、チャック電極を備えた静電チャックに静電吸着され、少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被吸着体を当該静電チャックから脱離させる静電チャックの脱離方法において、
チャック電極への電圧の印加を停止する工程と、
その後、静電チャックに静電吸着されている被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体に供給する工程と、
次いで脱離部材が被吸着体を静電チャックから脱離させる工程と、を含むことを特徴とする。また静電チャック上の被処理体に脱離部材を接触させる工程を含み、この脱離部材を介して電荷供給部からの電荷を被処理体に供給するようにしてもよい。更にまた、例えば静電チャックの残留電荷を監視し、当該残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後に被処理体を静電チャックから脱離させてもよく、逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体を静電チャックから脱離させるようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る処理装置を、真空処理装置であるエッチング装置に適用した実施の形態について、図1を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る処理装置の全体構造を示す縦断面図である。図中2は処理容器をなす真空チャンバであり、例えばアルミニウムにより気密構造をなすように形成されており、接地されている。この真空チャンバ2内には上部電極を兼用し、接地されたガスシャワーヘッド3と、下部電極を兼ねる載置台4とが対向して設けられており、底面には例えばターボ分子ポンプやドライポンプなどからなる真空排気手段21と連通する真空排気路である排気管22が接続されている。また真空チャンバ2の側壁部には被処理体例えばウエハWを搬入出するための開口部23が形成されており、ゲートバルブGにより開閉自在とされている。この側壁部の外方には開口部23を上下に挟む位置に、例えば夫々リング状をなす永久磁石24、25が設けられている。
【0012】
ガスシャワーヘッド3は、載置台4上のウエハWに対向する位置に多数の孔部31が形成され、上部のガス供給管32から送られる処理ガスを当該孔部31を介してウエハWの表面へ均一に供給するように構成されている。
【0013】
また載置台4は例えばアルミニウムからなり、真空チャンバ2に対して絶縁部材41aにより絶縁された円柱状の本体部41と、この本体部41の上面に設けられた静電チャック42と、この静電チャック42の周囲を囲むリング状の導電部材である導電リング43と、この導電リング43と本体部41との間に設けられたリング状の絶縁部材である絶縁リング43aとを備えた構成とされている。載置台4の例えば本体部41には、コンデンサC1及びコイルL1を介して高周波電源40が接続されている。なお導電リング43はウエハWの周縁及びその近傍の濃いプラズマを拡散させ、プラズマの均一性を高める役割を果たすものである。また載置台4の側壁部には、排気時においてウエハWの周方向に均一な排気流を形成するためのバッフル板44が設けられている。
【0014】
静電チャック42は例えばポリイミド、アルミナ、あるいは窒化アルミニウムなどからなる誘電体45内に箔状のチャック電極46を設けてなり、チャック電極46は、スイッチ部SW1を介して直流電源47とアースとの間で切り換え接続できるように構成されている。なお、誘電体45の表面とチャック電極46との距離は例えば0.25mm程度である。
【0015】
また前記載置台4の内部には、外部の図示しない搬送アームとの間でウエハWの受け渡しを行うための脱離部材例えば昇降部材である昇降ピン51が複数例えば3本突没自在に設けられており、この昇降ピン51は連結部材52を介して駆動機構53により昇降できるように構成されている。54は昇降ピン51の貫通孔と大気側との間の気密を保持するベローズである。なお、昇降ピン51、連結部材52および駆動機構53には、例えばアルミニウム、ステンレスなどの導体から選択される材質が用いられる。
【0016】
更に前記昇降部材には、載置台4に静電吸着されているウエハWの裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該昇降ピン51を介してウエハWに供給するための電荷供給部6が接続されている。この電荷供給部6は、抵抗61および直流電源62とを備えており、スイッチ部SW2の切り替えにより直流電源62およびアースとの切り替え接続が可能なように構成されている。
【0017】
また静電チャック42と直流電源47とを結ぶ回路の途中には残留電荷監視手段である残留電荷モニタ7が接続されており、静電チャック42の除電を行う際に、その進行具合を把握できるように構成されている。この残留電荷モニタ7は、例えばスイッチ部SW1を直列に接続したときに流れる電荷量を記憶しておき、スイッチ部SW1をアース側に切り替えたときに流れる電荷量および前記した電荷供給部6の供給する電荷量を差し引くことにより、静電チャック42に残留している電荷を求めるものである。
【0018】
なお図中8は制御部であり、この制御部8は駆動機構53の動作、スイッチ部SW1、SW2の切り替え動作などを制御する機能を有する。
【0019】
次いで本実施の形態の作用について説明する。先ずゲートバルブGを開き、図示しない隣接する、例えば真空雰囲気になっているロードロック室から図示しない搬送アームにより被処理体、この例では半導体ウエハであるシリコンウエハWを真空チャンバ2内に搬入し、昇降ピン51との協働動作により載置台4の上につまり静電チャック42の上に載置される。そしてスイッチSW1を直流電源47側に切り替えて静電チャック42をオンにし、ウエハWを載置台4の表面に吸着する。
【0020】
ウエハWが載置台4に吸着された後、真空チャンバ2内はゲートバルブGを閉じて例えば一旦排気管22を介して真空引きが行われ、次いでガスシャワーヘッド3から処理ガスをウエハWに供給して内部圧力が例えば30mTorr〜100mTorr(約4〜13.3Pa)に維持されるように調節を行う。そして高周波電源40により下部電極をなす載置台4と上部電極をなすガスシャワーヘッド3との間に高周波電圧を印加して、処理ガスをプラズマ化すると共に磁石24、25によりプラズマを高密度化し、ウエハW表面の例えばシリコン酸化膜をエッチングする。そしてエッチングが終了すると、高周波電源40を停止すると共に、静電チャック42からウエハWを脱離させる工程へと移行する。
【0021】
ここで静電チャック42からウエハWを脱離させる工程について図2を用いて説明する。先ずスイッチ部SW1をアース側に切り替えて静電チャック42の除電が行われ、そして図2のステップS1に示すように、駆動機構53により昇降ピン51の上昇を開始する。次いで図2のステップS2に示すように、例えば予め設定した昇降量になると昇降ピン51の上昇動作を停止する。この場合、昇降ピン51の先端がある程度の接触圧でウエハWに押し付けられて確実に接触する昇降量を予め試験を行って決めておくのが好ましい。なお昇降ピン51の上昇動作を停止するタイミングは前記したものに限られず、例えば圧力センサを用いて所定の接触圧になるまで上昇させるようにしてもよく、あるいは例えばタイマを用いて予め設定した時間上昇するようにしてもよい。
【0022】
更に図2のステップS3に示すように、スイッチ部SW2を直流電源62側に切り替えてウエハWへ逆電荷の供給を開始する。即ち、チャック電極46に正の電荷が注入されたことによりウエハWの裏面部に発生した負の電荷の逆の電荷である正の電荷を昇降ピン51を介してウエハWに供給する。これによりウエハWの裏面側に残留している負電荷が、注入された正電荷に中和される。このとき図2のステップS4に示すように、残留電荷モニタ7により残留電荷を監視し、この残留電荷が予め決めておいた設定値になると、図2のステップS5に示すように、駆動機構53により昇降ピン51を再び上昇させ、ウエハWを突き上げるようにして載置台4から脱離させる。ここで前記した残留電荷の設定値とは、ウエハWの裏面部の負の電荷が完全に中和されるか、あるいは昇降ピン51で突き上げても脱離異常が生じない程度の吸着力を残す程度に除電されたときの残留電荷あるいは、後述するようにウエハWの裏面部に僅かに正の電荷が溜まって静電チャック42との間で微小な斥力が発生するレベルをいう。
【0023】
ここでウエハWを脱離する際の電気的なメカニズムについて図3の模式図を用いて説明する。先ず図3(a)に示すように、チャック電極46に正電圧が印加されると、誘電体45表面(静電チャック42表面)は正電荷を帯びる。このメカニズムは完全に把握されていないが、絶縁体であれば分極化が起こり、また誘電体45内に僅かな低抵抗体が含まれている場合にはチャック電極46の正電荷が表面まで移動して正電荷を帯びると考えられる。ウエハWの裏面、静電チャック42の表面は微視的にみると研磨精度の限界から実際には凹凸が形成されており、そのためウエハWと静電チャック42とが接触あるいは極めて接近している部位(吸着部位)においてウエハW側では負の電荷が集まっている。そして静電チャック42の正電荷とウエハWの負電荷が互いに引き合うクーロン力(引力)が作用してウエハWは静電チャック42に静電吸着されている。そして前記したようにウエハWのエッチングが終わるとアースを介して静電チャック42の除電が行われるが、残留電荷が残っているので静電吸着力は弱くなっているものの電気的には図3(a)と同様の状態になっている。
【0024】
一方、図3(b)に示すように、電荷供給部6から昇降ピン51を介してウエハWに正の電荷を徐々に注入すると、この正の電荷は半導体であるウエハWの内部を自由に動き回る。そして吸着部位に集まっている負の電荷に引き寄せられて吸着部位に集まることにより、当該負電荷を電気的に中和するように作用する。このためウエハWの負電荷は注入された正の電荷に打ち消され、また引き合う相手がいなくなった静電チャック42の正の電荷は、チャック電極46に接続されたアースから逃げて残留電荷が減っていく。そのため静電チャック42とウエハWとの間に作用する静電吸着力が弱められる。
【0025】
以上のように本実施の形態によれば、半導体ウエハWに逆電荷を供給することにより、静電吸着力を弱めてウエハWを脱離することができる。即ち、ウエハWは半導体であるのでその内部を電荷が自由に動き回ることができ、そのため静電吸着時には吸着部位に負の電荷が集中しており、また逆電荷の注入時には当該負電荷の集中している箇所に注入電荷が流れ込む。このため中和量(打ち消す負電荷量)と注入量とが対応するので逆電荷の注入制御が容易であり、更にはウエハWの脱離に適切なタイミングを作り出すことができる。その結果、ウエハWの脱離動作が安定し、ウエハWが昇降ピン51から落下したり位置ずれなどの脱離異常を抑えることができる。更にまた、微小な電流でも中和量と注入量とが対応するので除電がスムーズに行われ、このためスループットの向上を図ることができる。
【0026】
これに対し静電チャック42に逆電荷を注入して残留電荷を打ち消すようにする場合には、静電吸着時に誘電体45の内部がどのような分極状態になのか明確に把握されておらず、更には逆電荷を注入しても、その電荷が誘電体45内を移動して吸着部位までたどり着く保証がない。また注入した電荷以外にも結晶内から出てくる電荷が存在する可能性もある。吸着部位の正の電荷を打ち消さなければ脱離異常を起こさずにウエハWを脱離することが困難である。このような理由から徐々に電荷を注入してもなかなか脱離しない。一方単位時間あたりの電荷供給量(電流)を大きくすると電気的に中和される状態を直ぐに過ぎて表面に負の電荷が溜まり、ウエハWを再度吸着してしまう。このように静電チャック42に逆電荷を供給する場合には、逆電荷の供給制御が難しい問題がある。
【0027】
また本発明においては、逆電荷の供給方法は上述のもの限られず、例えば残留電荷モニタ7で検出される残留電荷の単位時間あたりの変化量に応じて、つまり変化量が大きいときは例えば電圧を下げて逆電荷の供給量を小さくし、また変化量が小さいときは逆電荷の供給量を大きくするといった制御(フィードバック制御)を行ってもよい。この場合、各処理毎に残留電荷量がばらついていても、その残留電荷に見合う微小電荷を供給できるので短時間で静電吸着力を弱めることができ、かつ上述の場合と同様の効果を得ることができる。更には例えばパルスジェネレータを用いてパルス状に逆電荷を供給するようにしてもよい。
【0028】
更に本発明においては、逆電荷を供給して完全にウエハWの吸着部位に集まっている負の電荷を完全に打ち消した後、更に逆電荷の供給を続けるようにしてもよい。この場合、ウエハWが正電荷を帯びるので静電チャック42の正電荷との間で互いに反発するクーロン力(斥力)が作用し、昇降ピン51の押し上げ力を要せずウエハWを脱離することができる。なお逆電荷の供給量が多すぎると斥力が強く作用してウエハWが所定の載置位置から外れてしまう場合があるので、予め試験を行って逆電荷の供給を停止するタイミング(残留電荷の設定値)を決めておくのが好ましい。
【0029】
更にまた、本発明においては、昇降部材の昇降ピン51を介して電荷を供給する手法に限られず、例えば電荷供給用の例えば低抵抗の電荷供給部材を別途設けるようにしてもよい。このような構成であっても上述と同様の効果を得ることができる。
【0030】
また更に本発明においては、逆電荷の供給を停止して脱離動作へ移行するタイミングは、残留電荷モニタ7によるものに限定されず、例えば予め測定しておいた時間になると脱離動作が開始されるように例えばタイマーを設けた構成としてもよい。
【0031】
更に本発明においては、被処理体は半導体ウエハWに限られず、少なくとも裏面側が導体また半導体である被処理体にも適用することができる。また上述の例では、処理の一例としてエッチングを挙げているが、CVDやアッシング、スパッタ処理などの処理を行う場合にも適用できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、静電チャックから被処理体(被吸着体)を脱離させるにあたり、脱離異常の発生を防ぐとともに、脱離に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施の形態における全体構成を示す縦断面図である。
【図2】前記実施の形態の作用を説明するための工程図である。
【図3】前記実施の形態の作用を説明するため、被処理体と静電チャック内部の電気的な状態を示す説明図である。
【図4】従来の技術に係る処理装置の載置台を示す縦断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ
SW1,SW2 スイッチ部
2 真空チャンバ
21 上部電極
22 排気管
3 ガスシャワーヘッド
33 高周波電源
4 載置台
41 本体部
42 静電チャック
45 誘電体
46 チャック電極
51 昇降ピン
53 昇降機構
6 電荷供給部
7 残留電荷モニタ
8 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電チャックを有する載置台に被処理体を載置して例えば真空処理を行う処理装置及び静電チャックの脱離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程の中には、例えばエッチングやCVD(chemical vapor deposition)による成膜処理等のように基板の処理を真空雰囲気にて行うものが多数あり、このような処理を行う真空処理装置に用いられる基板の載置台には一般に静電チャックが用いられている。
【0003】
この静電チェックの一例について図4を参照しながら説明する。図中1は半導体ウエハ(以下ウエハという)Wの載置台であり、載置台支持部11の上面に静電チャック12と、この静電チャック12の側方を囲むように設けられるリング体13とを設けた構成とされている。この静電チャック12は導電性を有するシート状のチャック電極14の表裏を例えばポリイミド等からなる誘電体15にて挟んだ構成とされており、直流電源16からチャック電極14に直流電圧(チャック電圧)を印加することで生じるクーロン力によりウエハWを吸着保持できるようになっている。
【0004】
また載置台1の内部には、静電チャック12からウエハWを脱離させるための支持ピン17(周方向に沿って3本存在する)が突没自在に設けられており、例えばウエハWに対する処理が終了し、静電チャック12からウエハWを脱離させようとするときには、スイッチ部SWAの接続をアース側に切り替え、チャック電極14へのチャック電圧例えば正電圧の印加を停止すると共に静電チャック12の表面部に存在する電荷の除去を行って当該表面部におけるウエハWへの吸着力を弱め、しかる後支持ピン17を上昇させて、ウエハWを静電チャック12の表面部から脱離させる。このときスイッチSWBを閉じると、ウエハW側の残留電荷の一部は支持ピン17を介してアースに逃がされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにウエハWを静電チャック12から脱離させるときには当該静電チャック12の表面部の除電が行われているが、ウエハWの反り、絶縁層15のうねり等の要因により、電荷が強く引き合う部位がウエハWと静電チャック12(絶縁層15)の表面部に局在し、除電が十分行われないことがあった。係る状態でウエハWの脱離を行うと、支持ピン17がウエハWを静電チャック12から強制的に剥がすこととなり、その結果例えばウエハWの片側が跳ね上がってしまったり、支持ピン17から落下してしまうといった脱離異常の問題が生じていた。更には、この手法にて除電を確実に行わせようとすると、長い時間が必要であり、スループットが低下してしまう場合がある。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、静電チャックから被処理体(被吸着体)を脱離させるにあたり、脱離異常の発生を防ぐと共に、脱離に要する時間の短縮化を図ることができる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の処理装置は、少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被処理体に対して所定の処理を行うための処理容器と、
この処理容器内に設けられ、チャック電極に電圧を印加することにより被処理体を静電吸着する載置台と、
前記被処理体を載置台から脱離させる脱離部材と、
載置台に静電吸着されているときに被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体の裏面部に供給するための電荷供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
導体または半導体内は電荷が自由に動き回れるので被処理体の裏面部に逆電荷を供給することにより、この供給された逆電荷が被処理体の裏面部を素早く動き回わり、局所的に集まっている電荷を速やかに打ち消すことができる。このため逆電荷の供給制御が容易となり、被処理体を脱離させる適切なタイミングを作り出すことができるので被処理体の脱離異常が抑えられる。また除電がスムーズに行えるので高いスループットを維持することができる。
【0009】
本発明の処理装置では例えば前記脱離部材を介して前記電荷供給部からの電荷を被処理体に供給することができる。更にまた、載置台の残留電荷を監視する残留電荷監視手段と、この残留電荷監視手段により検出される残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後、被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えた構成であってもよく、あるいは逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えた構成であってもよい。
【0010】
本発明の静電チャックの脱離方法は、チャック電極を備えた静電チャックに静電吸着され、少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被吸着体を当該静電チャックから脱離させる静電チャックの脱離方法において、
チャック電極への電圧の印加を停止する工程と、
その後、静電チャックに静電吸着されている被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体に供給する工程と、
次いで脱離部材が被吸着体を静電チャックから脱離させる工程と、を含むことを特徴とする。また静電チャック上の被処理体に脱離部材を接触させる工程を含み、この脱離部材を介して電荷供給部からの電荷を被処理体に供給するようにしてもよい。更にまた、例えば静電チャックの残留電荷を監視し、当該残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後に被処理体を静電チャックから脱離させてもよく、逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体を静電チャックから脱離させるようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る処理装置を、真空処理装置であるエッチング装置に適用した実施の形態について、図1を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る処理装置の全体構造を示す縦断面図である。図中2は処理容器をなす真空チャンバであり、例えばアルミニウムにより気密構造をなすように形成されており、接地されている。この真空チャンバ2内には上部電極を兼用し、接地されたガスシャワーヘッド3と、下部電極を兼ねる載置台4とが対向して設けられており、底面には例えばターボ分子ポンプやドライポンプなどからなる真空排気手段21と連通する真空排気路である排気管22が接続されている。また真空チャンバ2の側壁部には被処理体例えばウエハWを搬入出するための開口部23が形成されており、ゲートバルブGにより開閉自在とされている。この側壁部の外方には開口部23を上下に挟む位置に、例えば夫々リング状をなす永久磁石24、25が設けられている。
【0012】
ガスシャワーヘッド3は、載置台4上のウエハWに対向する位置に多数の孔部31が形成され、上部のガス供給管32から送られる処理ガスを当該孔部31を介してウエハWの表面へ均一に供給するように構成されている。
【0013】
また載置台4は例えばアルミニウムからなり、真空チャンバ2に対して絶縁部材41aにより絶縁された円柱状の本体部41と、この本体部41の上面に設けられた静電チャック42と、この静電チャック42の周囲を囲むリング状の導電部材である導電リング43と、この導電リング43と本体部41との間に設けられたリング状の絶縁部材である絶縁リング43aとを備えた構成とされている。載置台4の例えば本体部41には、コンデンサC1及びコイルL1を介して高周波電源40が接続されている。なお導電リング43はウエハWの周縁及びその近傍の濃いプラズマを拡散させ、プラズマの均一性を高める役割を果たすものである。また載置台4の側壁部には、排気時においてウエハWの周方向に均一な排気流を形成するためのバッフル板44が設けられている。
【0014】
静電チャック42は例えばポリイミド、アルミナ、あるいは窒化アルミニウムなどからなる誘電体45内に箔状のチャック電極46を設けてなり、チャック電極46は、スイッチ部SW1を介して直流電源47とアースとの間で切り換え接続できるように構成されている。なお、誘電体45の表面とチャック電極46との距離は例えば0.25mm程度である。
【0015】
また前記載置台4の内部には、外部の図示しない搬送アームとの間でウエハWの受け渡しを行うための脱離部材例えば昇降部材である昇降ピン51が複数例えば3本突没自在に設けられており、この昇降ピン51は連結部材52を介して駆動機構53により昇降できるように構成されている。54は昇降ピン51の貫通孔と大気側との間の気密を保持するベローズである。なお、昇降ピン51、連結部材52および駆動機構53には、例えばアルミニウム、ステンレスなどの導体から選択される材質が用いられる。
【0016】
更に前記昇降部材には、載置台4に静電吸着されているウエハWの裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該昇降ピン51を介してウエハWに供給するための電荷供給部6が接続されている。この電荷供給部6は、抵抗61および直流電源62とを備えており、スイッチ部SW2の切り替えにより直流電源62およびアースとの切り替え接続が可能なように構成されている。
【0017】
また静電チャック42と直流電源47とを結ぶ回路の途中には残留電荷監視手段である残留電荷モニタ7が接続されており、静電チャック42の除電を行う際に、その進行具合を把握できるように構成されている。この残留電荷モニタ7は、例えばスイッチ部SW1を直列に接続したときに流れる電荷量を記憶しておき、スイッチ部SW1をアース側に切り替えたときに流れる電荷量および前記した電荷供給部6の供給する電荷量を差し引くことにより、静電チャック42に残留している電荷を求めるものである。
【0018】
なお図中8は制御部であり、この制御部8は駆動機構53の動作、スイッチ部SW1、SW2の切り替え動作などを制御する機能を有する。
【0019】
次いで本実施の形態の作用について説明する。先ずゲートバルブGを開き、図示しない隣接する、例えば真空雰囲気になっているロードロック室から図示しない搬送アームにより被処理体、この例では半導体ウエハであるシリコンウエハWを真空チャンバ2内に搬入し、昇降ピン51との協働動作により載置台4の上につまり静電チャック42の上に載置される。そしてスイッチSW1を直流電源47側に切り替えて静電チャック42をオンにし、ウエハWを載置台4の表面に吸着する。
【0020】
ウエハWが載置台4に吸着された後、真空チャンバ2内はゲートバルブGを閉じて例えば一旦排気管22を介して真空引きが行われ、次いでガスシャワーヘッド3から処理ガスをウエハWに供給して内部圧力が例えば30mTorr〜100mTorr(約4〜13.3Pa)に維持されるように調節を行う。そして高周波電源40により下部電極をなす載置台4と上部電極をなすガスシャワーヘッド3との間に高周波電圧を印加して、処理ガスをプラズマ化すると共に磁石24、25によりプラズマを高密度化し、ウエハW表面の例えばシリコン酸化膜をエッチングする。そしてエッチングが終了すると、高周波電源40を停止すると共に、静電チャック42からウエハWを脱離させる工程へと移行する。
【0021】
ここで静電チャック42からウエハWを脱離させる工程について図2を用いて説明する。先ずスイッチ部SW1をアース側に切り替えて静電チャック42の除電が行われ、そして図2のステップS1に示すように、駆動機構53により昇降ピン51の上昇を開始する。次いで図2のステップS2に示すように、例えば予め設定した昇降量になると昇降ピン51の上昇動作を停止する。この場合、昇降ピン51の先端がある程度の接触圧でウエハWに押し付けられて確実に接触する昇降量を予め試験を行って決めておくのが好ましい。なお昇降ピン51の上昇動作を停止するタイミングは前記したものに限られず、例えば圧力センサを用いて所定の接触圧になるまで上昇させるようにしてもよく、あるいは例えばタイマを用いて予め設定した時間上昇するようにしてもよい。
【0022】
更に図2のステップS3に示すように、スイッチ部SW2を直流電源62側に切り替えてウエハWへ逆電荷の供給を開始する。即ち、チャック電極46に正の電荷が注入されたことによりウエハWの裏面部に発生した負の電荷の逆の電荷である正の電荷を昇降ピン51を介してウエハWに供給する。これによりウエハWの裏面側に残留している負電荷が、注入された正電荷に中和される。このとき図2のステップS4に示すように、残留電荷モニタ7により残留電荷を監視し、この残留電荷が予め決めておいた設定値になると、図2のステップS5に示すように、駆動機構53により昇降ピン51を再び上昇させ、ウエハWを突き上げるようにして載置台4から脱離させる。ここで前記した残留電荷の設定値とは、ウエハWの裏面部の負の電荷が完全に中和されるか、あるいは昇降ピン51で突き上げても脱離異常が生じない程度の吸着力を残す程度に除電されたときの残留電荷あるいは、後述するようにウエハWの裏面部に僅かに正の電荷が溜まって静電チャック42との間で微小な斥力が発生するレベルをいう。
【0023】
ここでウエハWを脱離する際の電気的なメカニズムについて図3の模式図を用いて説明する。先ず図3(a)に示すように、チャック電極46に正電圧が印加されると、誘電体45表面(静電チャック42表面)は正電荷を帯びる。このメカニズムは完全に把握されていないが、絶縁体であれば分極化が起こり、また誘電体45内に僅かな低抵抗体が含まれている場合にはチャック電極46の正電荷が表面まで移動して正電荷を帯びると考えられる。ウエハWの裏面、静電チャック42の表面は微視的にみると研磨精度の限界から実際には凹凸が形成されており、そのためウエハWと静電チャック42とが接触あるいは極めて接近している部位(吸着部位)においてウエハW側では負の電荷が集まっている。そして静電チャック42の正電荷とウエハWの負電荷が互いに引き合うクーロン力(引力)が作用してウエハWは静電チャック42に静電吸着されている。そして前記したようにウエハWのエッチングが終わるとアースを介して静電チャック42の除電が行われるが、残留電荷が残っているので静電吸着力は弱くなっているものの電気的には図3(a)と同様の状態になっている。
【0024】
一方、図3(b)に示すように、電荷供給部6から昇降ピン51を介してウエハWに正の電荷を徐々に注入すると、この正の電荷は半導体であるウエハWの内部を自由に動き回る。そして吸着部位に集まっている負の電荷に引き寄せられて吸着部位に集まることにより、当該負電荷を電気的に中和するように作用する。このためウエハWの負電荷は注入された正の電荷に打ち消され、また引き合う相手がいなくなった静電チャック42の正の電荷は、チャック電極46に接続されたアースから逃げて残留電荷が減っていく。そのため静電チャック42とウエハWとの間に作用する静電吸着力が弱められる。
【0025】
以上のように本実施の形態によれば、半導体ウエハWに逆電荷を供給することにより、静電吸着力を弱めてウエハWを脱離することができる。即ち、ウエハWは半導体であるのでその内部を電荷が自由に動き回ることができ、そのため静電吸着時には吸着部位に負の電荷が集中しており、また逆電荷の注入時には当該負電荷の集中している箇所に注入電荷が流れ込む。このため中和量(打ち消す負電荷量)と注入量とが対応するので逆電荷の注入制御が容易であり、更にはウエハWの脱離に適切なタイミングを作り出すことができる。その結果、ウエハWの脱離動作が安定し、ウエハWが昇降ピン51から落下したり位置ずれなどの脱離異常を抑えることができる。更にまた、微小な電流でも中和量と注入量とが対応するので除電がスムーズに行われ、このためスループットの向上を図ることができる。
【0026】
これに対し静電チャック42に逆電荷を注入して残留電荷を打ち消すようにする場合には、静電吸着時に誘電体45の内部がどのような分極状態になのか明確に把握されておらず、更には逆電荷を注入しても、その電荷が誘電体45内を移動して吸着部位までたどり着く保証がない。また注入した電荷以外にも結晶内から出てくる電荷が存在する可能性もある。吸着部位の正の電荷を打ち消さなければ脱離異常を起こさずにウエハWを脱離することが困難である。このような理由から徐々に電荷を注入してもなかなか脱離しない。一方単位時間あたりの電荷供給量(電流)を大きくすると電気的に中和される状態を直ぐに過ぎて表面に負の電荷が溜まり、ウエハWを再度吸着してしまう。このように静電チャック42に逆電荷を供給する場合には、逆電荷の供給制御が難しい問題がある。
【0027】
また本発明においては、逆電荷の供給方法は上述のもの限られず、例えば残留電荷モニタ7で検出される残留電荷の単位時間あたりの変化量に応じて、つまり変化量が大きいときは例えば電圧を下げて逆電荷の供給量を小さくし、また変化量が小さいときは逆電荷の供給量を大きくするといった制御(フィードバック制御)を行ってもよい。この場合、各処理毎に残留電荷量がばらついていても、その残留電荷に見合う微小電荷を供給できるので短時間で静電吸着力を弱めることができ、かつ上述の場合と同様の効果を得ることができる。更には例えばパルスジェネレータを用いてパルス状に逆電荷を供給するようにしてもよい。
【0028】
更に本発明においては、逆電荷を供給して完全にウエハWの吸着部位に集まっている負の電荷を完全に打ち消した後、更に逆電荷の供給を続けるようにしてもよい。この場合、ウエハWが正電荷を帯びるので静電チャック42の正電荷との間で互いに反発するクーロン力(斥力)が作用し、昇降ピン51の押し上げ力を要せずウエハWを脱離することができる。なお逆電荷の供給量が多すぎると斥力が強く作用してウエハWが所定の載置位置から外れてしまう場合があるので、予め試験を行って逆電荷の供給を停止するタイミング(残留電荷の設定値)を決めておくのが好ましい。
【0029】
更にまた、本発明においては、昇降部材の昇降ピン51を介して電荷を供給する手法に限られず、例えば電荷供給用の例えば低抵抗の電荷供給部材を別途設けるようにしてもよい。このような構成であっても上述と同様の効果を得ることができる。
【0030】
また更に本発明においては、逆電荷の供給を停止して脱離動作へ移行するタイミングは、残留電荷モニタ7によるものに限定されず、例えば予め測定しておいた時間になると脱離動作が開始されるように例えばタイマーを設けた構成としてもよい。
【0031】
更に本発明においては、被処理体は半導体ウエハWに限られず、少なくとも裏面側が導体また半導体である被処理体にも適用することができる。また上述の例では、処理の一例としてエッチングを挙げているが、CVDやアッシング、スパッタ処理などの処理を行う場合にも適用できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、静電チャックから被処理体(被吸着体)を脱離させるにあたり、脱離異常の発生を防ぐとともに、脱離に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施の形態における全体構成を示す縦断面図である。
【図2】前記実施の形態の作用を説明するための工程図である。
【図3】前記実施の形態の作用を説明するため、被処理体と静電チャック内部の電気的な状態を示す説明図である。
【図4】従来の技術に係る処理装置の載置台を示す縦断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ
SW1,SW2 スイッチ部
2 真空チャンバ
21 上部電極
22 排気管
3 ガスシャワーヘッド
33 高周波電源
4 載置台
41 本体部
42 静電チャック
45 誘電体
46 チャック電極
51 昇降ピン
53 昇降機構
6 電荷供給部
7 残留電荷モニタ
8 制御部
Claims (8)
- 少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被処理体に対して所定の処理を行うための処理容器と、
この処理容器内に設けられ、チャック電極に電圧を印加することにより被処理体を静電吸着する載置台と、
前記被処理体を載置台から脱離させる脱離部材と、
載置台に静電吸着されているときに被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体の裏面部に供給するための電荷供給部と、を備えたことを特徴とする処理装置。 - 前記脱離部材を介して前記電荷供給部からの電荷を被処理体に供給することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
- 載置台の残留電荷を監視する残留電荷監視手段と、この残留電荷監視手段により検出される残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後、被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の処理装置。
- 逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体が載置台から脱離するように脱離部材を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の処理装置。
- チャック電極を備えた静電チャックに静電吸着され、少なくとも裏面部が導体または半導体からなる被吸着体を当該静電チャックから脱離させる静電チャックの脱離方法において、
チャック電極への電圧の印加を停止する工程と、
その後、静電チャックに静電吸着されている被処理体の裏面部に発生している電荷とは逆の電荷を当該被処理体に供給する工程と、
次いで脱離部材が被吸着体を静電チャックから脱離させる工程と、を含むことを特徴とする静電チャックの脱離方法。 - 静電チャック上の被処理体に脱離部材を接触させる工程を含み、この脱離部材を介して電荷供給部からの電荷を被処理体に供給することを特徴とする請求項5記載の静電チャックの脱離方法。
- 静電チャックの残留電荷を監視し、当該残留電荷の検出値が予め定めたレベルを下回った後に被処理体を静電チャックから脱離させることを特徴とする請求項5又は6記載の静電チャックの脱離方法。
- 逆電荷を被処理体に供給してから予め設定した時間経過後に被処理体を静電チャックから脱離させることを特徴とする請求項5又は6記載の静電チャックの脱離方法。
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