JP2012195608A - 基板吸着離脱方法及び基板処理方法 - Google Patents

基板吸着離脱方法及び基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の表面にパーティクルが付着するのを防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置10はチャンバ11内にウエハWを載置するサセプタ12を備え、該サセプタ12には下部高周波電源20が接続され、サセプタ12の上部には電極板23を内部に有する静電チャック42が配置され、電極板23には直流電源24が接続され、下部高周波電源20がサセプタ12に所定の高周波電力を印加した後、直流電源24が電極板23に負電圧を印加することによって静電チャック42がクーロン力等によりウエハWを吸着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板処理装置に関し、特に、基板を吸着する静電チャックを有する基板処理装置に関する。
基板としてのウエハにプラズマ処理、例えば、エッチング処理を施す基板処理装置は、ウエハを収容する収容室と、該収容室内に配置された、ウエハを載置する載置台とを備える。この基板処理装置は収容室内にプラズマを発生させ、該プラズマによってウエハにエッチング処理を施す。
載置台は電極板を内部に有する絶縁性部材からなる静電チャックを上部に備え、ウエハは静電チャック上に載置される。ウエハにエッチング処理が施される間、電極板には直流電圧が印加され、該直流電圧によって発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力により、静電チャックはウエハを吸着する。
通常、静電チャックとしては2つ以上の電極板を内部に有する双極型のものと、1つの電極板を内部に有する単極型のものとがある。双曲型の静電チャックは2つ以上の電極板の間に電位差を与え(例えば、特許文献1及び2参照。)、単極型の静電チャックは電極板とウエハとの間に電位差を与えることによってウエハを吸着する。
特開平5−190654号公報 特開平10−270539号公報
しかしながら、静電チャックがウエハを吸着する際に、電極板に過剰な正の直流電圧を印加すると、吸着されたウエハの周縁部(エッジ)や静電チャックの周りを囲むように配置されるフォーカスリングから局所的な直流放電であるアーク放電が発生することがある。アーク放電では放電先、例えば、収容室の内壁面にエネルギーが集中するため、収容室の内壁面に付着した堆積物が剥離・飛散してパーティクルとなる。該パーティクルはウエハの表面に付着し、ウエハから製造される半導体デバイスの欠陥の原因となる。
本発明の目的は、基板の表面にパーティクルが付着するのを防止することができる基板処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の基板処理装置は、基板に処理を施す基板処理装置であって、前記基板を収容する収容室と、該収容室内に配置され且つ前記基板を載置する載置台とを備え、該載置台は電極板を内部に有する絶縁性部材からなる静電チャックを上部に有し、前記電極板には直流電源が接続される基板処理装置において、前記静電チャックが前記基板を吸着するときに前記直流電源は前記電極板に負電圧を印加することを特徴とする。
請求項1記載の基板処理装置によれば、静電チャックが基板を吸着するときに直流電源は電極板に負電圧を印加する。電極板に負電圧が印加されると、静電チャックが吸着する基板の周縁部や基板の周りに配置された収容室内部品からの放電形態は局所的な直流放電ではないグロー放電となる。グロー放電は放電先でエネルギーが集中しないので、収容室の内壁面から堆積物が剥離・飛散することがなく、パーティクルが発生しない。また、電極板に負電圧が印加されると、基板における静電チャックと反対側の面である表面の電位は負となる。パーティクルが負に帯電している場合、該パーティクルは基板の表面から斥力を受ける。したがって、基板の表面にパーティクルが付着するのを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1の基板処理装置における電極板に印加される正電圧の値とカウントされたパーティクルの数との関係を示すグラフである。 実施の形態にかかる基板吸着方法としての高周波電力及び直流電力の印加シーケンスを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す断面図である。この基板処理装置は基板としての半導体ウエハ上に形成されたポリシリコン層にエッチング処理を施すように構成されている。
図1において、基板処理装置10は、例えば、直径が300mmの半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを収容するチャンバ11(収容室)を有し、該チャンバ11内にはウエハを載置する載置台としての円柱状のサセプタ12が配置されている。基板処理装置10では、チャンバ11の内側壁とサセプタ12の側面とによって、サセプタ12上方のガスをチャンバ11の外へ排出する流路として機能する側方排気路13が形成される。この側方排気路13の途中にはバッフル板14が配置される。チャンバ11の内壁面は石英やイットリア(Y2O3)で覆われる。
バッフル板14は多数の孔を有する板状部材であり、チャンバ11を上部と下部に仕切る仕切り板として機能する。バッフル板14によって仕切られたチャンバ11の上部(以下、「反応室」という。)17には、後述するプラズマが発生する。また、チャンバ11の下部(以下、「排気室(マニホールド)」という。)18にはチャンバ11内のガスを排出する粗引き排気管15及び本排気管16が開口する。粗引き排気管15にはDP(Dry Pump)(図示しない)が接続され、本排気管16にはTMP(Turbo Molecular Pump)(図示しない)が接続される。また、バッフル板14は反応室17の後述する処理空間Sにおいて発生するイオンやラジカルを捕捉又は反射してこれらのマニホールド18への漏洩を防止する。
粗引き排気管15、本排気管16、DP及びTMP等は排気装置を構成し、粗引き排気管15及び本排気管16は反応室17のガスをマニホールド18を介してチャンバ11の外部へ排出する。具体的には、粗引き排気管15はチャンバ11内を大気圧から低真空状態まで減圧し、本排気管16は粗引き排気管15と協働してチャンバ11内を大気圧から低真空状態より低い圧力である高真空状態(例えば、133Pa(1Torr)以下)まで減圧する。
サセプタ12には下部高周波電源20が整合器(Matcher)22を介して接続されており、該下部高周波電源20は所定の高周波電力をサセプタ12に印加する。これにより、サセプタ12は下部電極として機能する。また、整合器22は、サセプタ12からの高周波電力の反射を低減して高周波電力のサセプタ12への供給効率を最大にする。
サセプタ12の上部には、電極板23を内部に有する絶縁性部材からなる円板状の静電チャック42が配置されている。サセプタ12がウエハWを載置するとき、該ウエハWは静電チャック42上に配される。電極板23には直流電源24が電気的に接続されている。電極板23に負の高直流電圧(以下、「負電圧」という。)が印加されると、ウエハWにおける静電チャック42側の面(以下、「裏面」という。)には正電位が発生し、さらに、静電チャック42とは反対側の面(以下、「表面」という。)には負電位が発生する。そして、電極板23及びウエハWの裏面の間に電位差が生じ、該電位差に起因するクーロン力又はジョンソン・ラーベック力によってウエハWは静電チャック42の上面に吸着保持される。
また、サセプタ12の上部には、静電チャック42の上面に吸着保持されたウエハWの周りを囲うように円環状のフォーカスリング25が配設される。このフォーカスリング25は、処理空間Sに露出し、該処理空間SにおいてプラズマをウエハWの表面に向けて収束し、エッチング処理の効率を向上させる。
また、サセプタ12の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室26が設けられる。この冷媒室26には、チラーユニット(図示しない)から冷媒用配管27を介して所定温度の冷媒、例えば、冷却水やガルデンが循環供給され、当該冷媒の温度によって静電チャック42の上面に吸着保持されたウエハWの処理温度が制御される。
静電チャック42の上面のウエハWが吸着保持される部分(以下、「吸着面」という。)には、複数の伝熱ガス供給孔28が開口している。これら複数の伝熱ガス供給孔28は、伝熱ガス供給ライン30を介して伝熱ガス供給部(図示しない)に接続され、該伝熱ガス供給部は伝熱ガスとしてのヘリウム(He)ガスを、伝熱ガス供給孔28を介して吸着面及びウエハWの裏面の間隙に供給する。吸着面及びウエハWの裏面の間隙に供給されたヘリウムガスはウエハWの熱をサセプタ12に伝熱する。
また、サセプタ12の吸着面には、静電チャック42の上面から突出自在なリフトピンとしての複数のプッシャーピン33が配置されている。これらのプッシャーピン33は、モータとボールねじ(いずれも図示しない)を介して接続され、ボールねじによって直線運動に変換されたモータの回転運動に起因して吸着面から自在に突出する。ウエハWにエッチング処理を施すためにウエハWを吸着面に吸着保持するときには、プッシャーピン33はサセプタ12に収容され、エッチング処理が施されたウエハWをチャンバ11から搬出するときには、プッシャーピン33は静電チャック42の上面から突出してウエハWをサセプタ12から離間させて上方へ持ち上げる。
チャンバ11の天井部には、サセプタ12と対向するようにガス導入シャワーヘッド34が配置されている。ガス導入シャワーヘッド34には整合器35を介して上部高周波電源36が接続されており、上部高周波電源36は所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド34に印加するので、ガス導入シャワーヘッド34は上部電極として機能する。なお、整合器35の機能は上述した整合器22の機能と同じである。
ガス導入シャワーヘッド34は、多数のガス穴37を有する天井電極板38と、該天井電極板38を着脱可能に支持する電極支持体39とを有する。また、該電極支持体39の内部にはバッファ室40が設けられ、このバッファ室40には処理ガス導入管41が接続されている。ガス導入シャワーヘッド34は、処理ガス導入管41からバッファ室40へ供給された処理ガス、例えば、臭素系ガス又は塩素系ガスにO2ガス及びHe等の不活性ガスを添加した混合ガスをガス穴37を経由して反応室17内へ供給する。
また、チャンバ11の側壁には、プッシャーピン33によってサセプタ12から上方へ持ち上げられたウエハWの高さに対応する位置にウエハWの搬出入口43が設けられ、搬出入口43には、該搬出入口43を開閉するゲートバルブ44が取り付けられている。
この基板処理装置10の反応室17内では、上述したように、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド34に高周波電力を印加して、サセプタ12及びガス導入シャワーヘッド34の間の処理空間Sに高周波電力を印加することにより、該処理空間Sにおいてガス導入シャワーヘッド34から供給された処理ガスを高密度のプラズマにしてイオンやラジカルを発生させ、該イオン等によってウエハWにエッチング処理を施す。
上述した基板処理装置10の各構成部品の動作は、基板処理装置10が備える制御部(図示しない)のCPUがエッチング処理に対応するプログラムに応じて制御する。
なお、上述した基板処理装置10の構成は、従来の基板処理装置の構成と同じである。
本発明者は、本発明に先立ち、電極板に印加される直流電圧の極や大きさとパーティクルの発生数との関係を探るべく、基板処理装置10において、ガス導入シャワーヘッド34やその他のパージ管(図示しない)から反応室17へ多量のN2ガスを導入しつつ、直流電源24によって電極板23に正の高直流電圧(以下、「正電圧」という。)及び負電圧を交互に印加した。このとき、負電圧の値を−3000Vに設定し、正電圧の値を変化させた。また、サセプタ12上にウエハWを載置しなかった。
発明者は、このとき、反応室17にて発生し且つ粗引き排気管15によってチャンバ11の外部へ排出されるパーティクルの数をパーティクルモニタ(ISPM)によってカウントした。また、チャンバ11の側壁に設けられた観察窓(図示しない)から静電チャック42やフォーカスリング25からチャンバ11の内壁面を覆う石英やイットリアに向けた直流放電の放電形態を観察した。そして、観察された放電形態を表1に示し、計測されたパーティクルの数を図2のグラフに示した。
Figure 2012195608
表1に示すように、正電圧の値を小さくすると、正電圧印加時の放電形態が局所的な直流放電であるアーク放電から局所的な直流放電ではないグロー放電に移行することが分かった。また、負電圧印加時の放電形態が局所的な直流放電ではないグロー放電であることが分かった。さらに、図2のグラフに示すように、正電圧の値を小さくすると、排気管15によってチャンバ11の外部へ排出されるパーティクルの数、すなわち、反応室17において発生するパーティクルの数が減少することが分かった。具体的には正電圧の値が1500V以下であれば、ほぼパーティクルが反応室17において発生しないことが分かった。
正電圧の値を小さくすると発生するパーティクルの数が減少するメカニズムについて、正電圧印加時における放電形態の観察の結果、本発明者は、以下に説明する仮説を類推するに至った。
すなわち、正電圧の値を小さくすると、静電チャック42等からチャンバ11の内壁面に向けた直流放電の放電形態がグロー放電に移行する。グロー放電は放電先であるチャンバ11の内壁面でエネルギーが集中しないので、内壁面に付着した堆積物が剥離・飛散することがない。したがって、反応室17において発生するパーティクルの数が減少する。
さらに、本発明者は負電圧印加時の放電形態がグロー放電であることから、電極板23に負電圧を印加することによって静電チャック42にウエハWを吸着させれば、例え、ウエハWの周縁部等からチャンバ11の内壁面への直流放電が生じても、反応室17においてパーティクルの発生を抑制できると推定した。
本発明は以上得られた知見に基づくものである。
以下、本発明の実施の形態に係る基板吸着方法について説明する。
図3は、本実施の形態に係る基板吸着方法としての高周波電力及び直流電力の印加シーケンスを示す図である。
図3において、表面にポリシリコン層が形成されたウエハWをチャンバ11内に搬入してサセプタ12の静電チャック42上に載置し、上述した排気装置がチャンバ11内を大気圧から高真空状態まで減圧すると、まず、上部高周波電源36が所定の高周波電力(上部RF)をガス導入シャワーヘッド34に印加し、時間T1経過後に、下部高周波電源20が所定の高周波電力(下部RF)をサセプタ12に印加する。このとき、ガス導入シャワーヘッド34及びサセプタ12から高周波電力が処理空間Sに印加され、該処理空間Sにおいて処理ガスからプラズマが発生する。プラズマ中では電荷が中性であるため、電子と正イオン数が同数になるが、電子の方が正イオンより軽いため静電チャック42上のウエハW近傍では電子がウエハWに早く到達する。その結果、ウエハWの近くに電子の非常に少ない領域であるシースが発生する。シースは電子が少ない領域であるため、全体として正に帯電する。また、パーティクルは一般に負に帯電するものが多いことが知られている。したがって、シースはウエハWに向かうパーティクルに斥力を作用させて該パーティクルを減速し、ウエハWの上方から排斥する。
さらに、時間T2経過後に、直流電源24が電極板23に負電圧(−HV:negative High Voltage)、例えば、−2500Vを印加する。このとき、ウエハWの裏面には正電位が発生するため、電極板23及びウエハWの裏面の間に電位差が生じ、該電位差に起因するクーロン力又はジョンソン・ラーベック力によってウエハWは静電チャック42の上面に吸着保持される。電極板23に負電圧を印加すると、ウエハWの周縁部等からの放電形態はグロー放電となり、放電先であるチャンバ11の内壁面においてエネルギーが集中することがないので、内壁面に付着した堆積物が剥離・飛散することがない。また、ウエハWの表面には負電位が発生するため、負に帯電するパーティクルはウエハWの表面からも斥力を受け、ウエハWの上方から排斥される。
次いで、ウエハWのポリシリコン層にエッチング処理が施されている間、直流電源24は電極板23に負電圧を印加し続ける。エッチング処理が終了すると、直流電源24は電極板23に正電圧(+HV:positive High Voltage)、例えば、+1200Vを印加する。ウエハWの裏面には正電位が発生しているため、ウエハW及び電極板23の間に斥力が作用してウエハWは静電チャック42から離脱する。また、ウエハWが静電チャック42から離脱する際の電極板23に印加される正電圧の値が+1200Vであるため、殆どアーク放電は発生せず(表1参照。)、反応室17においてパーティクルが発生することがない(図2参照。)。
そして、時間T3経過後に、直流電源24は電極板23への電圧印加を停止する。
図3の印加シーケンスによれば、静電チャック42がウエハWを吸着するときに直流電源24は電極板23に負電圧を印加する。電極板23に負電圧が印加されると、ウエハWの周縁部やフォーカスリング25からの放電形態はグロー放電となる。グロー放電は放電先でエネルギーが集中しないので、放電先であるチャンバ11の内壁面から堆積物が剥離・飛散することがなく、パーティクルが発生しない。また、電極板23に負電圧が印加されると、ウエハWの表面には負電位が発生するため、負に帯電するパーティクルはウエハWの表面から斥力を受ける。したがって、静電チャック42がウエハWを吸着するときに、ウエハWの表面にパーティクルが付着するのを防止することができる。
図3の印加シーケンスでは、静電チャック42がウエハWを離脱させるときに直流電源24は電極板23に正電圧を印加し、該正電圧の値は+1200Vである。正電圧の値が1500V以下であれば、放電形態は殆ど局所的な直流放電であるアーク放電とならないので、ほぼパーティクルが反応室17において発生しない。したがって、ウエハWが静電チャック42から離脱するときにも、ウエハWの表面にパーティクルが付着するのを防止することができる。
また、図3の印加シーケンスでは、サセプタ12に接続された下部高周波電源20は、直流電源24が電極板23に正電圧を印加する前に、サセプタ12に高周波電力を印加する。サセプタ12に高周波電力が印加されると、サセプタ12上にシースが発生する。該シースは負に帯電するパーティクルをウエハWの上方から排斥する。したがって、反応室17内においてパーティクルが発生しても、該パーティクルがウエハWの表面に付着するのを確実に防止することができる。
なお、上述したプラズマ処理装置10においてエッチング処理等が施される基板は半導体ウエハに限られず、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等に用いる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であってもよい。
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、装置に供給し、その装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
実施例
まず、パーティクルカウント用のウエハ(以下、「パーティクルウエハ」という。)を準備し、基板処理装置10のチャンバ11内に搬入してサセプタ12の静電チャック42上に載置した。次いで、上部高周波電源36によって所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド34に印加し、さらに、下部高周波電源20によって所定の高周波電力をサセプタ12に印加することにより、処理空間Sにおいてプラズマを発生させた。
その後、直流電源24によって電極板23に−2500Vの負電圧を印加して静電チャック42にパーティクルウエハを吸着させ、所定の時間の経過後、直流電源24によって電極板23に+1200Vの正電圧を印加して静電チャック42からパーティクルウエハを離脱させた。
次いで、該パーティクルウエハをチャンバ11から搬出し、さらに、サーフスキャン方式のパーティクルカウンタに搬入した。その後、パーティクルウエハの表面における単位面積当たりのパーティクル数をカウントした。カウントされたパーティクル数の平均値は31個であった。
比較例
実施例と同様に、パーティクルウエハを静電チャック42上に載置し、上部高周波電源36及び下部高周波電源20によって所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド34及びサセプタ12にそれぞれ印加することにより、処理空間Sにおいてプラズマを発生させた。
その後、直流電源24によって電極板23に+2500Vの正電圧を印加して静電チャック42にパーティクルウエハを吸着させ、所定の時間の経過後、直流電源24によって電極板23に−1200Vの負電圧を印加して静電チャック42からパーティクルウエハを離脱させた。
次いで、実施例と同様に、パーティクルウエハの表面における単位面積当たりのパーティクル数をカウントした。カウントされたパーティクル数の平均値は328個であった。
実施例と比較例とを比較した結果、電極板23に負電圧を印加して静電チャック42にウエハを吸着させると、ウエハの表面にパーティクルが付着するのを防止することができることが分かった。
S 処理空間
W 半導体ウエハ
10 基板処理装置
11 チャンバ
12 サセプタ
20 下部高周波電源
23 電極板
24 直流電源
34 ガス導入シャワーヘッド
36 上部高周波電源
42 静電チャック
本発明は、基板吸着離脱方法及び基板処理方法に関し、特に、基板を吸着する静電チャックを有する基板処理装置を用いた基板吸着離脱方法及び基板処理方法に関する。
本発明の目的は、基板の表面にパーティクルが付着するのを防止することができる基板吸着離脱方法及び基板処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の基板吸着離脱方法は、収容室内でプラズマを生成させ、該プラズマを用いて静電チャックの基板載置面に吸着された基板に所定の処理を施す基板処理装置を用いた基板吸着離脱方法であって、前記基板処理装置は、前記基板を収容する収容室と、該収容室内に処理ガスを供給するガス導入部と、前記収容室内に配置され、前記基板を載置し、下部電極として機能する載置台と、該載置台に第1の高周波電力を印加する第1の高周波電源と、前記載置台の上部に配置され、内部に電極板を有する絶縁性部材で構成され、前記基板を載置する静電チャックと、該静電チャックの前記電極板に直流電圧を印加して前記基板を前記基板載置面に吸着させる直流電源と、を備え、前記基板吸着離脱方法は、前記基板を前記収容室内に搬入して前記静電チャックの基板載置面に載置する工程と、前記収容室内を減圧する工程と、前記収容室内に前記ガス導入部を介して処理ガスを導入し、前記第1の高周波電源から前記載置台に第1の高周波電力を印加する工程と、前記直流電源から前記電極板に負電圧を印加して前記基板を前記静電チャックの基板載置面に吸着させる工程と、前記基板が前記プラズマでエッチングされている間、前記電極板に前記負電位を印加し続け、前記エッチング終了後、前記第1の高周波電力を印加した状態で前記負電位から正電位に切り替えて、前記電極板に所定の時間前記正電位を印加して前記基板を離脱させる工程と、前記電極板に前記正電位を所定時間印加した後、前記正電位を停止する工程と、を有し、前記静電チャックの基板載置面に前記基板を静電吸着する際、前記電極板に−2500Vから−3000Vの負電位を印加して前記基板周縁からの放電形態をグロー放電とすることにより、前記収容室の内壁面におけるエネルギーの集中を抑制して前記収容室の内壁面に付着した堆積物の剥離、飛散を防止し、且つ、前記基板を前記静電チャックの基板載置面から離脱させる際に、前記電極板に+1000Vを超えて+1500V以下の正電位を印加することにより、グロー放電の生成によってパーティクルの発生を抑制することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項2記載の基板処理方法は、基板処理装置の収容室内でプラズマを生成させ、該プラズマを用いて静電チャックの基板載置面に吸着された基板に対し、所定の処理を施す基板処理方法であって、前記基板処理装置は、前記基板を収容する収容室と、該収容室内に処理ガスを供給するガス導入部と、前記収容室内に配置され、前記基板を載置し、下部電極として機能する載置台と、該載置台に第1の高周波電力を印加する第1の高周波電源と、前記載置台の上部に配置され、内部に電極板を有する絶縁性部材で構成され、前記基板を載置する静電チャックと、該静電チャックの前記電極板に直流電圧を印加して前記基板を前記基板載置面に吸着させる直流電源と、前記収容室内を排気する排気装置を接続する排気管と、を備え、前記基板処理方法は、前記基板を前記収容室内に搬入する工程と、前記搬入した基板を静電チャックの基板載置面に載置する工程と、
前記収容室内を減圧する工程と、前記収容室内に前記ガス導入部を介して処理ガスを導入して高周波電力によりプラズマを生成する工程と、前記第1の高周波電源から前記載置台に第1の高周波電力を印加する工程と、前記直流電源から前記電極板に負電圧を印加して前記基板を前記静電チャックの基板載置面に吸着させる工程と、前記基板に対し、前記プラズマを用いてエッチング処理を施す工程と、前記エッチング終了後、前記電極板に前記負電圧を印加し続け、前記載置台に前記第1の高周波電力を印加した状態で前記電極板への前記負電圧の印加から正電圧の印加に切り替えて、所定の時間正電位を前記電極板に印加して前記基板を離脱させる工程と、前記基板を離脱させた後、前記載置台への前記第1の高周波電力の印加を停止する工程と、前記基板を収容室内から搬出する工程と、を有し、前記静電チャックの基板載置面に前記基板を静電吸着する際、前記電極板に−2500Vから−3000Vの負電位を印加して前記基板周縁からの放電形態をグロー放電とすることにより、前記収容室の内壁面におけるエネルギーの集中を抑制して前記収容室の内壁面に付着した堆積物の剥離、飛散を防止し、且つ、前記基板を前記静電チャックの基板載置面から離脱させる際に、前記電極板に+1000Vを超えて+1500V以下の正電位を印加することにより、グロー放電の生成によってパーティクルの発生を抑制することを特徴とする。
請求項3記載の基板処理方法は、請求項2記載の基板処理方法において、前記プラズマは、上部電極として機能する前記ガス導入部に第2の高周波電力を印加して生成されることを特徴とする。
請求項4記載の基板処理方法は、請求項3記載の基板処理方法において、前記プラズマは、前記載置台に第1の高周波電力を供給する前に、前記第2の高周波電力を前記ガス導入部に印加して生成されることを特徴とする。
請求項5記載の基板処理方法は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の基板処理方法において、前記基板の表面にはポリシリコン層が形成され、前記所定の処理は前記ポリシリコン層にエッチング処理を施すプラズマエッチング処理であることを特徴とする。
本発明によれば、静電チャックが基板を吸着するときに直流電源は電極板に−2500Vから−3000Vの負電圧を印加する。電極板に負電圧が印加されると、静電チャックが吸着する基板の周縁部や基板の周りに配置された収容室内部品からの放電形態は局所的な直流放電ではないグロー放電となる。グロー放電は放電先でエネルギーが集中しないので、収容室の内壁面から堆積物が剥離・飛散することがなく、パーティクルが発生しない。また、電極板に負電圧が印加されると、基板における静電チャックと反対側の面である表面の電位は負となる。パーティクルが負に帯電している場合、該パーティクルは基板の表面から斥力を受ける。したがって、基板の表面にパーティクルが付着するのを防止することができる。

Claims (1)

  1. 基板に処理を施す基板処理装置であって、前記基板を収容する収容室と、該収容室内に配置され且つ前記基板を載置する載置台とを備え、該載置台は電極板を内部に有する絶縁性部材からなる静電チャックを上部に有し、前記電極板には直流電源が接続される基板処理装置において、
    前記静電チャックが前記基板を吸着するときに前記直流電源は前記電極板に負電圧を印加することを特徴とする基板処理装置。
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