JP2004014350A - コネクタ - Google Patents
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- Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)
Abstract
【課題】シェルの全体強度を保ち、基板に対してシェルを確実に保持する。
【解決手段】インシュレータ３３を保持し基板５１に固定するシェル１１は、シェル本体１３と、複数のシェル端子部１５ａ，１５ｂとを有し、前記シェル本体１３のシェル嵌合部１７は、シェルベース板部１９ａ，１９ｂを有し、該シェル端子部１５ａ，１５ｂが嵌合側及び前記嵌合側から一方へ延びている側板部１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄに形成されており、前記嵌合側の前記シェル端子部１５ａは、前記シェル嵌合部１７の端縁から前記シェル嵌合部１７の外側面に折り返されて対向しかつ前記外側面から前記シェルベース板部１９ａ，１９ｂを越える位置まで前記シェル本体１３の外方へ延びている。
【選択図】 図５
【解決手段】インシュレータ３３を保持し基板５１に固定するシェル１１は、シェル本体１３と、複数のシェル端子部１５ａ，１５ｂとを有し、前記シェル本体１３のシェル嵌合部１７は、シェルベース板部１９ａ，１９ｂを有し、該シェル端子部１５ａ，１５ｂが嵌合側及び前記嵌合側から一方へ延びている側板部１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄに形成されており、前記嵌合側の前記シェル端子部１５ａは、前記シェル嵌合部１７の端縁から前記シェル嵌合部１７の外側面に折り返されて対向しかつ前記外側面から前記シェルベース板部１９ａ，１９ｂを越える位置まで前記シェル本体１３の外方へ延びている。
【選択図】 図５
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されて相手コネクタと嵌合するコネクタに属し、特に、嵌合時に相手コネクタの相手シェルと接触し、基板と相手シェルとの間のアース回路を構成するシェルを備えているコネクタに属する。
【０００２】
【従来の技術】
図６及び図７は、従来のコネクタにおけるシェルを示している。図８は、図６及び図７に示したシェルを備えているコネクタと、このコネクタと嵌合して接続する相手コネクタの一部を示している。
【０００３】
従来のコネクタは、図６及び図７に示す導電性のシェル１１１を備えている。シェル１１１は、シェル本体１１３と、シェル本体１１３から延びている複数のシェル端子部１１５ａ，１１５ｂとを有している。
【０００４】
シェル本体１１３は、略筒形状に形成されているシェル嵌合部１１７を有している。シェル嵌合部１１７は、平板形状の天板部１１７ａと、天板部１１７ａの平行な二辺から曲げられて相対向している一対の側板部１１８ａ，１１８ｂと、一対の側板部１１８ａ，１１８ｂの端辺から天板部１１７ａに対して平行に曲げられて形成されているシェルベース板部１１９ａ，１１９ｂとを有している。
【０００５】
さらに、シェル本体１１３は、シェル嵌合部１１７を嵌合側とすると、天板部１１７ａ及び一対の側板部１１８ａ，１１８ｂを嵌合側から嵌合方向で後方側へ延びている後方側の天板部１１７ｃ及び後方側の側板部１１８ｃ，１１８ｄを有している。
【０００６】
シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂは、端辺が互いに合わされるように曲げられている。シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂのそれぞれには、シェル嵌合部１１７の嵌合端側に自由端部をもつ接触バネ片１２１ａ，１２１ｂが形成されている。接触バネ片１２１ａ，１２１ｂは、シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部１２２ａ，１２２ｂを有している。接点部１２２ａ，１２２ｂは、シェル嵌合部１１７の内側へ突出している。
【０００７】
また、嵌合側の側板部１１８ａ，１１８ｂには、シェル嵌合部１１７の後方側に自由端部をもつ接触バネ片１２５ａ，１２５ｂが形成されている。接触バネ片１２５ａ，１２５ｂは、側板部１１８ａ，１１８ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部１２６ａ，１２６ｂを有している。接点部１２６ａ，１２６ｂは、シェル嵌合部１１７の内側へ突出している。
【０００８】
シェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、シェル嵌合部１１７を除く後方側に各一対を有している。シェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、側板部１１８ｃ，１１８ｄからシェル本体１１３よりも外方へ延びている。
【０００９】
コネクタは、図８に示すように、導電性のコンタクト１３１と、コンタクト１３１を保持したインシュレータ１３３とを有している。シェル１１１は、インシュレータ１３３を保持しかつプリント回路基板のような基板１５１に固定するものである。
【００１０】
インシュレータ１３３は、相手コネクタ１４１との嵌合時に相手コネクタ１４１の相手嵌合部１４３と嵌合する嵌合部１３３ａを有している。嵌合部１３３ａには相手嵌合部１４３に設けられている導電性の相手コンタクト１４５に接触するようにコンタクト１３１の接触部１３１ａが設けられている。
【００１１】
嵌合時には、嵌合側のシェル嵌合部１１７の接触バネ片１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂの接点部１２２ａ，１２２ｂ，１２６ａ，１２６ｂに相手コネクタ１４１の相手嵌合部１４３を覆っている相手シェル１４７が接触する。シェル本体１１３は、相手嵌合部１４３を嵌合する嵌合部１３３ａの嵌合端面を除き嵌合部１３３ａに離間して覆いインシュレータ１３３の外面を覆っている。
【００１２】
図８に示したように、シェル１１１のシェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、基板１５１に形成されている複数の穴（スルーホール）に一対一に挿入されて固定される。この状態では、嵌合側のシェル端子部１１５ａと後方側のシェル端子部１１５ｂとの間で寸法Ｌ２をもって配置されていることが分かる。
【００１３】
なお、シェルを備えているコネクタの参考例としては、特開平１１−２６１０５号公報において開示されている。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シェル１１１は、嵌合部１３３ａに相手コネクタ１４１とが嵌合するときに接触バネ片１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂと干渉しないように、後方側のスペースを使用してシェル端子部１１５ａ，１１５ｂを形成しているので、シェル嵌合部１１７の近傍に位置するシェル端子部１１５ａと後方側のシェル端子部１１５ｂとの間の長さ寸法（図８に示した寸法Ｌ２）が短くなっている。
【００１５】
したがって、シェル嵌合部１１７は、相手コネクタ１４１との嵌合時において支える部分がないので、相手嵌合部１４３を嵌合するとき不正な角度でシェル嵌合部１１７に嵌合した場合に無理なあおり力がシェル嵌合部１１７に加わり、このあおり力に対して弱く、基板１５１に対してシェル１１１を確実に保持することができなくなるという問題がある。
【００１６】
さらに、シェル嵌合部１１７の嵌合側にシェル端子部１１５ａを形成しようとすれば、シェル嵌合部１１７に接触バネ部１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂを切り欠き、シェル端子部１１５ａを、シェル嵌合部１１７を切り出すことによって形成するので、切り出し穴が多くなってしまい、シェル嵌合部１１７に多くの空間が生じるのでシェル１１１そのものの強度が低下するという問題がある。
【００１７】
それ故に本発明の課題は、シェル全体の強度を保ち、あおり力にも強く、基板に対してシェルを確実に保持することができるコネクタを提供することにある。
【００１８】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導電性のコンタクトと、該コンタクトを保持したインシュレータと、前記インシュレータを保持する導電性のシェルとを含み、前記インシュレータは、相手コネクタとの嵌合時に該相手コネクタの相手嵌合部と嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合時に前記嵌合部を覆っている前記シェルに前記相手コネクタの相手シェルが接触するコネクタにおいて、前記シェルは、少なくとも前記嵌合部の嵌合側の端面を除き前記インシュレータの外面を覆っているシェル本体と、基板に前記シェルを固定する複数のシェル端子部とを有し、前記シェル本体は、前記嵌合時に前記相手シェルに接触するシェル嵌合部を有し、該シェル嵌合部は、前記基板に対向させるシェルベース板部を有し、該シェル端子部は、前記シェル本体の前記嵌合側の側板部と前記嵌合側から一方へ延びている後方側の側板部とにそれぞれ接続されており、前記嵌合側の前記シェル端子部は、前記シェル嵌合部の前記嵌合側の端縁に接続されておりかつ前記シェル嵌合部の前記外側面に沿って対向しつつ前記シェルベース板部側で前記シェル本体を越えるよう延びていることを特徴とするコネクタが得られる。
【００１９】
【作用】
本発明によると、嵌合側のシェル端子部を、嵌合側のシェル本体の端縁からシェル本体の外側面へ対向するように折り返し、外側面からシェルベース板部を越えてシェル本体の外へ延びるようにすることによって、相手シェルとシェルとを接触させ、シェル及び基板の接続・固定を嵌合側と後方側とで別々に形成することによって、シェルの全体強度を保ち、かつ基板に対してシェルを確実に保持する。
【００２０】
また、嵌合側のシェル端子部と後方側のシェル端子部とは、相手コネクタを嵌合する際の、あおり力に対して十分な強度をもったシェルとなる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４は、本発明に係る電気コネクタの一実施の形態例におけるシェルを示している。図５は、図１乃至図４に示したシェルを備えている電気コネクタと、このコネクタと嵌合して接続する相手コネクタの一部を示している。
【００２２】
コネクタは、図１乃至図４に示す導電性のシェル１１を備えている。シェル１１は、シェル本体１３と、シェル本体１３から延びている複数のシェル端子部１５ａ，１５ｂとを有している。シェル１１は、平板形状の金属板材をプレス打ち抜き加工した後に、曲げ加工を施すことによって作られている。
【００２３】
シェル本体１３は、略筒形状に形成されているシェル嵌合部１７を有している。シェル嵌合部１７は、平板形状の天板部１７ａと、この天板部１７ａの互いに平行な二辺から曲げられて相対向している一対の側板部１８ａ，１８ｂと、一対の側板部１８ａ，１８ｂの端辺から天板部１７ａに対して平行に曲げられて形成されているシェルベース板部１９ａ，１９ｂとを有している。
【００２４】
さらに、シェル本体１３は、シェル嵌合部１７を嵌合側とすると、天板部１７ａ及び一対の側板部１８ａ，１８ｂを嵌合側から嵌合方向で後方側へ延びている後方側の天板部１７ｃ及び後方側の側板部１８ｃ，１８ｄを有している。後方側の側板部１８ｃ，１８ｄ間は、後板部１８ｈによって接続されている。
【００２５】
シェルベース板部１９ａ，１９ｂは、端辺が互いに合わされるように曲げられている。シェルベース板部１９ａ，１９ｂのそれぞれには、シェル嵌合部１７の嵌合端側の近傍に自由端部をもつ複数の接触バネ片２１ａ，２１ｂが形成されている。接触バネ片２１ａ，２１ｂは、シェルベース板部１９ａ，１９ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部２２ａ，２２ｂを有している。接点部２２ａ，２２ｂは、シェル嵌合部１７の内側へ突出している。
【００２６】
また、シェル嵌合部１７の嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂには、シェル嵌合部１７の後方側に自由端部をもつ接触バネ片２５ａ，２５ｂが形成されている。接触バネ片２５ａ，２５ｂは、嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部２６ａ，２６ｂを有している。接点部２６ａ，２６ｂは、シェル嵌合部１７の内側へ突出している。
【００２７】
シェル端子部１５ａ，１５ｂは、嵌合側と後方側とのそれぞれに各一対を有している。少なくとも嵌合側の一対のシェル端子部１５ａは、嵌合端の縁から曲げ部１９ｅ，１９ｆを介して嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂの外側面へ向けて折り返されて外側面に対向している。さらにシェル端子部１５ａ，１５ｂは、側板部１８ａ，１８ｂからシェルベース板部１９ａ，１９ｂを越えるようにシェル本体１３よりも外方へ延びている。
【００２８】
コネクタは、図５に示すように、導電性のコンタクト３１と、コンタクト３１を保持したインシュレータ３３とを有している。シェル１１は、インシュレータ３３を保持しかつプリント回路基板のような基板５１に固定するものである。そして、シェル端子部１５ａ，１５ｂは、嵌合時に相手シェル４７と接触することによって、相手シェル４７、シェル端子部１５ａ，１５ｂ、基板５１によってアース回路を構成する。
【００２９】
インシュレータ３３は、相手コネクタ４１との嵌合時に相手コネクタ４１の相手嵌合部４３と嵌合する嵌合部３３ａを有している。また、インシュレータ３３は、シェル本体１１の後方側で保持されている。
【００３０】
嵌合部３３ａには相手嵌合部４３に設けられている導電性の相手コンタクト４５に接触するようにコンタクト３１の接触部３１ａが設けられている。この実施の形態例における嵌合部３３ａは板形状を呈しており、この嵌合部３３ａの板面に接触部３１ａが設けられている。また、図示しないが、コンタクト３１は、端子部を有し、端子部がインシュレータ３３の外に導出されて基板５１の回路に接続される。
【００３１】
嵌合時には、嵌合側のシェル嵌合部１７の接触バネ片２１ａ，２１ｂ，２５ａ，２５ｂの接点部２２ａ，２２ｂ，２６ａ，２６ｂに相手コネクタ４１の相手嵌合部４３を覆っている相手シェル４７が接触する。シェル本体１３は、少なくとも相手嵌合部４３を嵌合する嵌合部３３ａの嵌合端面を除き嵌合部３３ａに離間してインシュレータ３３の外面上を覆っている。
【００３２】
図５に示したように、シェル１１のシェル端子部１５ａ，１５ｂは、基板５１に形成されている複数の穴（スルーホール）に一対一に圧入するなどして挿入され固定される。この状態では、嵌合側のシェル端子部１５ａがシェル嵌合部１７の外側面に対向しており、後方側のシェル端子部１５ｂとの間で十分に大きな寸法Ｌ１（図５を参照）をもって安定した状態で配置されていることが理解できるであろう。
【００３３】
したがって、コネクタは、シェル１１のシェル嵌合部１７に、相手コネクタ４１の相手嵌合部４３が嵌合するときに、基板５１面に平行な一軸を交叉する方向（不正な角度）で相手コネクタ４１が嵌合されていく場合において、シェル１１に加わる、あおり力に対して嵌合側のシェル端子部１５ａが、シェル嵌合部１７のあおり力を受けるので、十分な強度をもったシェル１１の構成とすることが可能となる。
【００３４】
なお、シェル１１の後方側のシェル端子部１５ｂは、嵌合側のシェル端子部１５ａと同様に側板部１８ｃ，１８ｄの後端から曲げて後方側の側板部１８ｃ，１８ｄの外側面に対向するようにするように形成してもよい。
【００３５】
本実施の形態例では、シェル端子部が基板の穴に接続する場合について説明したが、基板の表面に設けた導電パッドと接続する場合、すなわち、シェル端子部の先端部を折り曲げるなどする表面実装タイプの接続に用いてもよいことは言うまでもない。
【００３６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明におけるコネクタでは、嵌合側のシェル端子部を、嵌合側のシェル本体の端縁からシェル本体の外側面へ対向するように折り返し、外側面からシェルベース板部を越えるようにシェル本体の外方へ延びるように構成し、相手シェル及びシェルとの接触と、シェル及び基板の接続・固定とを別々に構成できるので、シェル全体の強度を保ち、かつ基板に対してシェルを確実に保持することができる。
【００３７】
また、シェル端子部を嵌合側に構成し、後方側のシェル端子部との間で十分な長さ寸法が採れ、相手コネクタを嵌合する際の、あおり力に対して十分な強度をもったシェルとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るコネクタにおけるシェルを示す斜視図である。
【図２】図１に示したシェルの底面図である。
【図３】図１に示したシェルの平面図である。
【図４】図１に示したシェルの正面図である。
【図５】本発明に係るコネクタの断面図である。
【図６】従来のコネクタにおけるシェルを示す斜視図である。
【図７】図６のシェルを底面から見た斜視図である。
【図８】従来のコネクタの断面図である。
【符号の説明】
１１，１１１ シェル
１３，１１３ シェル本体
１５ａ，１５ｂ，１１５ａ，１１５ｂ シェル端子部
１７，１１７ シェル嵌合部
１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄ，１１８ａ，１１８ｂ，１１８ｃ，１１８ｄ 側板部
１９ａ，１９ｂ，１１９ａ，１１９ｂ シェルベース板部
２１ａ，２１ｂ，２５ａ，２５ｂ，１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂ 接触バネ片
３３，１３３ インシュレータ
３３ａ，１３３ａ 嵌合部
４１，１４１ 相手コネクタ
４３，１４３ 相手嵌合部
５１，１５１ 基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されて相手コネクタと嵌合するコネクタに属し、特に、嵌合時に相手コネクタの相手シェルと接触し、基板と相手シェルとの間のアース回路を構成するシェルを備えているコネクタに属する。
【０００２】
【従来の技術】
図６及び図７は、従来のコネクタにおけるシェルを示している。図８は、図６及び図７に示したシェルを備えているコネクタと、このコネクタと嵌合して接続する相手コネクタの一部を示している。
【０００３】
従来のコネクタは、図６及び図７に示す導電性のシェル１１１を備えている。シェル１１１は、シェル本体１１３と、シェル本体１１３から延びている複数のシェル端子部１１５ａ，１１５ｂとを有している。
【０００４】
シェル本体１１３は、略筒形状に形成されているシェル嵌合部１１７を有している。シェル嵌合部１１７は、平板形状の天板部１１７ａと、天板部１１７ａの平行な二辺から曲げられて相対向している一対の側板部１１８ａ，１１８ｂと、一対の側板部１１８ａ，１１８ｂの端辺から天板部１１７ａに対して平行に曲げられて形成されているシェルベース板部１１９ａ，１１９ｂとを有している。
【０００５】
さらに、シェル本体１１３は、シェル嵌合部１１７を嵌合側とすると、天板部１１７ａ及び一対の側板部１１８ａ，１１８ｂを嵌合側から嵌合方向で後方側へ延びている後方側の天板部１１７ｃ及び後方側の側板部１１８ｃ，１１８ｄを有している。
【０００６】
シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂは、端辺が互いに合わされるように曲げられている。シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂのそれぞれには、シェル嵌合部１１７の嵌合端側に自由端部をもつ接触バネ片１２１ａ，１２１ｂが形成されている。接触バネ片１２１ａ，１２１ｂは、シェルベース板部１１９ａ，１１９ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部１２２ａ，１２２ｂを有している。接点部１２２ａ，１２２ｂは、シェル嵌合部１１７の内側へ突出している。
【０００７】
また、嵌合側の側板部１１８ａ，１１８ｂには、シェル嵌合部１１７の後方側に自由端部をもつ接触バネ片１２５ａ，１２５ｂが形成されている。接触バネ片１２５ａ，１２５ｂは、側板部１１８ａ，１１８ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部１２６ａ，１２６ｂを有している。接点部１２６ａ，１２６ｂは、シェル嵌合部１１７の内側へ突出している。
【０００８】
シェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、シェル嵌合部１１７を除く後方側に各一対を有している。シェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、側板部１１８ｃ，１１８ｄからシェル本体１１３よりも外方へ延びている。
【０００９】
コネクタは、図８に示すように、導電性のコンタクト１３１と、コンタクト１３１を保持したインシュレータ１３３とを有している。シェル１１１は、インシュレータ１３３を保持しかつプリント回路基板のような基板１５１に固定するものである。
【００１０】
インシュレータ１３３は、相手コネクタ１４１との嵌合時に相手コネクタ１４１の相手嵌合部１４３と嵌合する嵌合部１３３ａを有している。嵌合部１３３ａには相手嵌合部１４３に設けられている導電性の相手コンタクト１４５に接触するようにコンタクト１３１の接触部１３１ａが設けられている。
【００１１】
嵌合時には、嵌合側のシェル嵌合部１１７の接触バネ片１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂの接点部１２２ａ，１２２ｂ，１２６ａ，１２６ｂに相手コネクタ１４１の相手嵌合部１４３を覆っている相手シェル１４７が接触する。シェル本体１１３は、相手嵌合部１４３を嵌合する嵌合部１３３ａの嵌合端面を除き嵌合部１３３ａに離間して覆いインシュレータ１３３の外面を覆っている。
【００１２】
図８に示したように、シェル１１１のシェル端子部１１５ａ，１１５ｂは、基板１５１に形成されている複数の穴（スルーホール）に一対一に挿入されて固定される。この状態では、嵌合側のシェル端子部１１５ａと後方側のシェル端子部１１５ｂとの間で寸法Ｌ２をもって配置されていることが分かる。
【００１３】
なお、シェルを備えているコネクタの参考例としては、特開平１１−２６１０５号公報において開示されている。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シェル１１１は、嵌合部１３３ａに相手コネクタ１４１とが嵌合するときに接触バネ片１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂと干渉しないように、後方側のスペースを使用してシェル端子部１１５ａ，１１５ｂを形成しているので、シェル嵌合部１１７の近傍に位置するシェル端子部１１５ａと後方側のシェル端子部１１５ｂとの間の長さ寸法（図８に示した寸法Ｌ２）が短くなっている。
【００１５】
したがって、シェル嵌合部１１７は、相手コネクタ１４１との嵌合時において支える部分がないので、相手嵌合部１４３を嵌合するとき不正な角度でシェル嵌合部１１７に嵌合した場合に無理なあおり力がシェル嵌合部１１７に加わり、このあおり力に対して弱く、基板１５１に対してシェル１１１を確実に保持することができなくなるという問題がある。
【００１６】
さらに、シェル嵌合部１１７の嵌合側にシェル端子部１１５ａを形成しようとすれば、シェル嵌合部１１７に接触バネ部１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂを切り欠き、シェル端子部１１５ａを、シェル嵌合部１１７を切り出すことによって形成するので、切り出し穴が多くなってしまい、シェル嵌合部１１７に多くの空間が生じるのでシェル１１１そのものの強度が低下するという問題がある。
【００１７】
それ故に本発明の課題は、シェル全体の強度を保ち、あおり力にも強く、基板に対してシェルを確実に保持することができるコネクタを提供することにある。
【００１８】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導電性のコンタクトと、該コンタクトを保持したインシュレータと、前記インシュレータを保持する導電性のシェルとを含み、前記インシュレータは、相手コネクタとの嵌合時に該相手コネクタの相手嵌合部と嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合時に前記嵌合部を覆っている前記シェルに前記相手コネクタの相手シェルが接触するコネクタにおいて、前記シェルは、少なくとも前記嵌合部の嵌合側の端面を除き前記インシュレータの外面を覆っているシェル本体と、基板に前記シェルを固定する複数のシェル端子部とを有し、前記シェル本体は、前記嵌合時に前記相手シェルに接触するシェル嵌合部を有し、該シェル嵌合部は、前記基板に対向させるシェルベース板部を有し、該シェル端子部は、前記シェル本体の前記嵌合側の側板部と前記嵌合側から一方へ延びている後方側の側板部とにそれぞれ接続されており、前記嵌合側の前記シェル端子部は、前記シェル嵌合部の前記嵌合側の端縁に接続されておりかつ前記シェル嵌合部の前記外側面に沿って対向しつつ前記シェルベース板部側で前記シェル本体を越えるよう延びていることを特徴とするコネクタが得られる。
【００１９】
【作用】
本発明によると、嵌合側のシェル端子部を、嵌合側のシェル本体の端縁からシェル本体の外側面へ対向するように折り返し、外側面からシェルベース板部を越えてシェル本体の外へ延びるようにすることによって、相手シェルとシェルとを接触させ、シェル及び基板の接続・固定を嵌合側と後方側とで別々に形成することによって、シェルの全体強度を保ち、かつ基板に対してシェルを確実に保持する。
【００２０】
また、嵌合側のシェル端子部と後方側のシェル端子部とは、相手コネクタを嵌合する際の、あおり力に対して十分な強度をもったシェルとなる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４は、本発明に係る電気コネクタの一実施の形態例におけるシェルを示している。図５は、図１乃至図４に示したシェルを備えている電気コネクタと、このコネクタと嵌合して接続する相手コネクタの一部を示している。
【００２２】
コネクタは、図１乃至図４に示す導電性のシェル１１を備えている。シェル１１は、シェル本体１３と、シェル本体１３から延びている複数のシェル端子部１５ａ，１５ｂとを有している。シェル１１は、平板形状の金属板材をプレス打ち抜き加工した後に、曲げ加工を施すことによって作られている。
【００２３】
シェル本体１３は、略筒形状に形成されているシェル嵌合部１７を有している。シェル嵌合部１７は、平板形状の天板部１７ａと、この天板部１７ａの互いに平行な二辺から曲げられて相対向している一対の側板部１８ａ，１８ｂと、一対の側板部１８ａ，１８ｂの端辺から天板部１７ａに対して平行に曲げられて形成されているシェルベース板部１９ａ，１９ｂとを有している。
【００２４】
さらに、シェル本体１３は、シェル嵌合部１７を嵌合側とすると、天板部１７ａ及び一対の側板部１８ａ，１８ｂを嵌合側から嵌合方向で後方側へ延びている後方側の天板部１７ｃ及び後方側の側板部１８ｃ，１８ｄを有している。後方側の側板部１８ｃ，１８ｄ間は、後板部１８ｈによって接続されている。
【００２５】
シェルベース板部１９ａ，１９ｂは、端辺が互いに合わされるように曲げられている。シェルベース板部１９ａ，１９ｂのそれぞれには、シェル嵌合部１７の嵌合端側の近傍に自由端部をもつ複数の接触バネ片２１ａ，２１ｂが形成されている。接触バネ片２１ａ，２１ｂは、シェルベース板部１９ａ，１９ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部２２ａ，２２ｂを有している。接点部２２ａ，２２ｂは、シェル嵌合部１７の内側へ突出している。
【００２６】
また、シェル嵌合部１７の嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂには、シェル嵌合部１７の後方側に自由端部をもつ接触バネ片２５ａ，２５ｂが形成されている。接触バネ片２５ａ，２５ｂは、嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂを切り欠くことによって形成されており、自由端部に接点部２６ａ，２６ｂを有している。接点部２６ａ，２６ｂは、シェル嵌合部１７の内側へ突出している。
【００２７】
シェル端子部１５ａ，１５ｂは、嵌合側と後方側とのそれぞれに各一対を有している。少なくとも嵌合側の一対のシェル端子部１５ａは、嵌合端の縁から曲げ部１９ｅ，１９ｆを介して嵌合側の側板部１８ａ，１８ｂの外側面へ向けて折り返されて外側面に対向している。さらにシェル端子部１５ａ，１５ｂは、側板部１８ａ，１８ｂからシェルベース板部１９ａ，１９ｂを越えるようにシェル本体１３よりも外方へ延びている。
【００２８】
コネクタは、図５に示すように、導電性のコンタクト３１と、コンタクト３１を保持したインシュレータ３３とを有している。シェル１１は、インシュレータ３３を保持しかつプリント回路基板のような基板５１に固定するものである。そして、シェル端子部１５ａ，１５ｂは、嵌合時に相手シェル４７と接触することによって、相手シェル４７、シェル端子部１５ａ，１５ｂ、基板５１によってアース回路を構成する。
【００２９】
インシュレータ３３は、相手コネクタ４１との嵌合時に相手コネクタ４１の相手嵌合部４３と嵌合する嵌合部３３ａを有している。また、インシュレータ３３は、シェル本体１１の後方側で保持されている。
【００３０】
嵌合部３３ａには相手嵌合部４３に設けられている導電性の相手コンタクト４５に接触するようにコンタクト３１の接触部３１ａが設けられている。この実施の形態例における嵌合部３３ａは板形状を呈しており、この嵌合部３３ａの板面に接触部３１ａが設けられている。また、図示しないが、コンタクト３１は、端子部を有し、端子部がインシュレータ３３の外に導出されて基板５１の回路に接続される。
【００３１】
嵌合時には、嵌合側のシェル嵌合部１７の接触バネ片２１ａ，２１ｂ，２５ａ，２５ｂの接点部２２ａ，２２ｂ，２６ａ，２６ｂに相手コネクタ４１の相手嵌合部４３を覆っている相手シェル４７が接触する。シェル本体１３は、少なくとも相手嵌合部４３を嵌合する嵌合部３３ａの嵌合端面を除き嵌合部３３ａに離間してインシュレータ３３の外面上を覆っている。
【００３２】
図５に示したように、シェル１１のシェル端子部１５ａ，１５ｂは、基板５１に形成されている複数の穴（スルーホール）に一対一に圧入するなどして挿入され固定される。この状態では、嵌合側のシェル端子部１５ａがシェル嵌合部１７の外側面に対向しており、後方側のシェル端子部１５ｂとの間で十分に大きな寸法Ｌ１（図５を参照）をもって安定した状態で配置されていることが理解できるであろう。
【００３３】
したがって、コネクタは、シェル１１のシェル嵌合部１７に、相手コネクタ４１の相手嵌合部４３が嵌合するときに、基板５１面に平行な一軸を交叉する方向（不正な角度）で相手コネクタ４１が嵌合されていく場合において、シェル１１に加わる、あおり力に対して嵌合側のシェル端子部１５ａが、シェル嵌合部１７のあおり力を受けるので、十分な強度をもったシェル１１の構成とすることが可能となる。
【００３４】
なお、シェル１１の後方側のシェル端子部１５ｂは、嵌合側のシェル端子部１５ａと同様に側板部１８ｃ，１８ｄの後端から曲げて後方側の側板部１８ｃ，１８ｄの外側面に対向するようにするように形成してもよい。
【００３５】
本実施の形態例では、シェル端子部が基板の穴に接続する場合について説明したが、基板の表面に設けた導電パッドと接続する場合、すなわち、シェル端子部の先端部を折り曲げるなどする表面実装タイプの接続に用いてもよいことは言うまでもない。
【００３６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明におけるコネクタでは、嵌合側のシェル端子部を、嵌合側のシェル本体の端縁からシェル本体の外側面へ対向するように折り返し、外側面からシェルベース板部を越えるようにシェル本体の外方へ延びるように構成し、相手シェル及びシェルとの接触と、シェル及び基板の接続・固定とを別々に構成できるので、シェル全体の強度を保ち、かつ基板に対してシェルを確実に保持することができる。
【００３７】
また、シェル端子部を嵌合側に構成し、後方側のシェル端子部との間で十分な長さ寸法が採れ、相手コネクタを嵌合する際の、あおり力に対して十分な強度をもったシェルとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るコネクタにおけるシェルを示す斜視図である。
【図２】図１に示したシェルの底面図である。
【図３】図１に示したシェルの平面図である。
【図４】図１に示したシェルの正面図である。
【図５】本発明に係るコネクタの断面図である。
【図６】従来のコネクタにおけるシェルを示す斜視図である。
【図７】図６のシェルを底面から見た斜視図である。
【図８】従来のコネクタの断面図である。
【符号の説明】
１１，１１１ シェル
１３，１１３ シェル本体
１５ａ，１５ｂ，１１５ａ，１１５ｂ シェル端子部
１７，１１７ シェル嵌合部
１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄ，１１８ａ，１１８ｂ，１１８ｃ，１１８ｄ 側板部
１９ａ，１９ｂ，１１９ａ，１１９ｂ シェルベース板部
２１ａ，２１ｂ，２５ａ，２５ｂ，１２１ａ，１２１ｂ，１２５ａ，１２５ｂ 接触バネ片
３３，１３３ インシュレータ
３３ａ，１３３ａ 嵌合部
４１，１４１ 相手コネクタ
４３，１４３ 相手嵌合部
５１，１５１ 基板
Claims (3)
- 導電性のコンタクトと、該コンタクトを保持したインシュレータと、前記インシュレータを保持する導電性のシェルとを含み、前記インシュレータは、相手コネクタとの嵌合時に該相手コネクタの相手嵌合部と嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合時に前記嵌合部を覆っている前記シェルに前記相手コネクタの相手シェルが接触するコネクタにおいて、
前記シェルは、少なくとも前記嵌合部の嵌合側の端面を除き前記インシュレータの外面を覆っているシェル本体と、基板に前記シェルを固定する複数のシェル端子部とを有し、前記シェル本体は、前記嵌合時に前記相手シェルに接触するシェル嵌合部を有し、該シェル嵌合部は、前記基板に対向させるシェルベース板部を有し、該シェル端子部は、前記シェル本体の前記嵌合側の側板部と前記嵌合側から一方へ延びている後方側の側板部とにそれぞれ接続されており、前記嵌合側の前記シェル端子部は、前記シェル嵌合部の前記嵌合側の端縁に接続されておりかつ前記シェル嵌合部の前記外側面に沿って対向しつつ前記シェルベース板部側で前記シェル本体を越えるよう延びていることを特徴とするコネクタ。 - 請求項１記載のコネクタにおいて、前記シェル端子部と前記シェル嵌合部の端縁とは、前記シェル嵌合部の前記端縁から前記シェル嵌合部の外側面に対向するよう折り返されている曲げ部によって接続されていることを特徴とするコネクタ。
- 請求項１記載のコネクタにおいて、前記シェル嵌合部には、前記相手シェルに接触する接触バネ片が形成されていることを特徴とするコネクタ。
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