JP2004006765A - フォトマスクブランクの製造方法及び製造装置、並びに不要膜除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に光学薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜上にポジ型レジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程と、前記基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去するレジスト膜周縁部除去工程と、を有するフォトマスクブランクの製造方法において、前記レジスト膜周縁除去工程は、レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行い、レジスト膜周縁部除去工程で行う現像処理の際に、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにし、前記露光領域に選択的に現像液を供給することにより行われることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明基板上に位相シフト膜または遮光膜、あるいはそれらを積層した膜を形成し、その上にレジストを塗布したフォトマスク(レチクルを含む)製作用のフォトマスクブランクス(以下マスクブランクス)の製造方法及び製造装置に関し、特に、レジスト塗布により基板周縁部に形成される不要な塗布膜を除去したフォトマスクブランクスの製造方法及び製造装置、並びに、不要膜を除去する不要膜除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置等(LSI等)の製造方法である微細加工技術に用いられるマスク(レチクルを含む)の材料であるマスブランクス5は、例えば図1のように、まず合成石英等の透明な基板1の表面に、クロムを主成分とする遮光膜2を、続いて酸化クロムを主成分とする反射防止膜3をスパッタリング法等で断続あるいは連続して形成する。次いで、反射防止膜3上に回転塗布法などでレジストを塗布し、その後熱処理して(塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク処理)して)乾燥させ、レジスト膜4を形成して作製される。
上記レジスト塗布において、基板周縁部(即ち、基板主表面の四辺に沿った部位、及び、基板端面(側面))には、図1のA部の部分拡大図である図2に示すように、比較的厚膜なレジスト6が形成される。
この基板周縁部のレジストは、例えばマスクブランクスを容器に出し入れする際に容器との接触によって剥離・脱落しやすく、塵埃となってマスクブランクス自身あるいは各種処理装置に再付着し、最終的にマスクブランクスを原材料とする製品であるマスク(レチクルを含む)の欠陥の原因あるいはマスクの製造歩留低下の原因となる。
【0003】
上記の問題点を解決するため、基板周縁部に形成される不要なレジスト膜を除去する技術として、レジスト塗布後または塗布後のベーク処理まで行った後、基板周縁部の不要なレジスト膜を選択的に有機溶剤等で溶解除去する方法が広く一般に使用されている(例えば、特公昭57−13863:特許文献1、以下従来法1という)
。
しかしながら、この有機溶剤等による不要なレジスト膜の溶解除去方法では、図3に示すように、基板周縁部(基板端面7、面取り面8、主表面端9、主表面上の不要レジスト除去部(遮光膜露出部)10)に形成される不要なレジスト膜は除去されるが、レジスト膜12と不要レジスト除去部10との間に残ったレジスト膜の除去端部11(最端部)の凹凸が著しく、また、除去端部にレジスト膜の著しい盛り上がり13(図3右下のX1−X2断面図)が起こり、レジスト膜の除去品質に劣る。
【0004】
また、上記有機溶剤等で溶解除去する方法の問題点を解決するため、基板周縁部に形成される不要なレジスト膜を除去する別の技術として(この場合ポジ型レジストに限定されるが)、シリコンウエハでの例として、レジスト塗布及び塗布後のベーク処理を行った後、まず基板周縁部に形成された不要なレジスト膜を選択的にレジストが感度を持つ波長域の光(一般には、紫外線あるいは遠紫外線域)を光源にして露光し、次いで本パターンを露光し、これに次ぐ現像処理工程で本パターンの形成と不要なレジスト膜の現像除去を兼ねる方法が広く一般に使用されている(以下従来法2という)。
【0005】
また、レジスト塗布及び塗布後のベーク処理を行った後、不要なレジスト膜を選択的に露光し、その後直ちに当該露光部を選択的に現像除去処理する場合もある(例えば特開昭63−160332:特許文献2、以下従来法3という)。
特にマスクブランクスの製造工程及びマスクの製造工程のおいては、マスクブランクスは、その完成段階(即ち、レジスト塗布と塗布後のベーク処理が完了した段階)で、基板周縁の不要なレジスト膜の除去を完了しておく必要がある。即ち、輸送あるいは保管のためにマスクブランクスを保持容器に挿入充填するに先立ち、予め、基板周縁の不要なレジスト膜を除去して、マスク製造工程に送る必要がある。
そこで、上記従来法3の周縁露光技術を応用すれば、マスクブランクス製造でレジスト塗布及び塗布後ベーク処理を行った後に、基板周縁部の不要なレジスト膜を選択的に露光し、次いで当該露光部を選択的に現像除去処理することで、不要なレジスト膜を除去したマスクブランクスを作製することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】特公昭57−13863
【特許文献2】特開昭63−160332
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来法3の周縁露光技術では、レジスト塗布及び塗布後ベーク処理を行った後に、周辺露光を行っているため、以下に示す不都合がある。第1に、近年普及し始めた化学増幅型レジストの場合、レジスト塗布及び塗布後のベーク処理を行った後のマスクブランクについて、露光後に露光後ベーク処理(PEB:Post−Exposure Bake)を行うことで初めて露光部は現像液に対して十分な溶解性を示すようになる。従って、レジスト塗布及び塗布後のベーク処理を行った後のマスクブランクについて、選択的な露光を用いて基板周縁部の不要な化学増幅型レジスト膜を除去するには、不要なレジスト膜を選択的に露光する工程、露光後にベーク(PEB)処理する工程、そして現像除去処理する工程、それらを達成する装置機構が必要となって、レジスト塗布工程及び装置構成が大がかりに成らざるを得ず、多大な経費も必要とする(以下従来法4という)。
第2に、上述の通り、選択的な露光を用いて基板周縁部の不要な化学増幅型レジスト膜を除去するには、不要なレジスト膜を選択的に露光する工程の後、露光後にベーク(PEB)処理が必要となる。しかしながら、この露光後ベーク処理(PEB)を不要なレジスト膜部分のみに選択的に行うことは事実上不可能であり、従来一般のベーク処理装置(例えばホットプレート)を使用する限り、後に主パターンを形成する基板主表面の部分もベーク処理されてしまう。即ち、不要なレジスト膜を除去しないマスクブランクスに比べて、ベーク処理が一回多く行われることで、結果として、後に主パターンを形成する基板主表面部分のレジスト膜の感度及び形成されるパターンの品質(例えばコントラスト)が、変動劣化してしまう。
【0008】
ところで、高精度のマスク製造に用いられるのは主に電子線描画露光用レジストである。電子線描画露光用の化学増幅型レジストは一般に遠紫外線域に感度を持つので、上記従来法4に従って不要な化学増幅型レジスト膜を遠紫外線域を光源に選択的に露光して現像除去することは可能である。
一方、遠紫外線域にごくわずかな感度しか持たない高分子型電子線描画露光用レジストでは、不要なレジスト膜を遠紫外線域の露光源で選択的に露光することは実用的ではない。例えば、アルファメチルスチレンとアルファクロロアクリル酸の共重合体を塗布及び塗布後ベーク処理を行った後、化学増幅型レジストで実用的な露光条件で、遠紫外線ランプを用いて周縁露光しても全く現像液(有機溶剤)には溶解しないという第3の問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1) 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜上にポジ型レジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程と、前記基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去するレジスト膜周縁部除去工程と、を有するフォトマスクブランクの製造方法において、前記レジスト膜周縁除去工程は、レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行い、レジスト膜周縁部除去工程で行う現像処理の際に、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにし、前記露光領域に選択的に現像液を供給することにより行われることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
(構成2) 現像処理によるレジスト膜周縁部除去工程は、熱処理工程の前又は後に行うことを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成3) 少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うようにカバー部材によって覆い、前記フォトマスクブランク主表面における現像液を供給する領域は、フォトマスクブランク主表面とカバー部材との間隔を、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液による表面張力の作用により、現像液が前記間隙にのみ満たされるようにして、前記間隙に現像液を供給することにより、前記基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去することを特徴とする請求項1又は2記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成4) 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜上にポジ型レジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程と、を有するフォトマスクブランクの製造方法において、前記レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行い、フォトマスク製造工程における現像処理工程で、マスクパターンの形成とともに、前記露光処理を施した周縁部のレジスト膜も合わせて除去するようにしたことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
(構成5) 前記レジスト塗布工程は、角型の基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、前記主回転数よりも小さい回転数であって、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成6) 前記レジストは化学増幅型レジストであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
(構成7) フォトマスクブランク表面に形成されたポジ型レジスト膜のうち周縁部に形成された不要膜を除去する不要膜除去装置において、
前記不要膜除去装置は、周縁部のポジ型レジスト膜に対し露光処理を行う露光手段と、ポジ型レジスト膜を熱処理する熱処理手段と、ポジ型レジスト膜の除去領域に選択的に現像液を供給し、現像によって除去する除去手段と、を有することを特徴とする不要膜除去装置。
(構成8) 前記除去手段は、フォトマスクブランクを鉛直軸まわりに回転可能に水平保持する保持手段と、少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材には、フォトマスクブランク主表面とカバー部材との間隔が、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液が間隙にのみ満たされるように間隔調整部材が設けられ、前記間隙に現像液を供給する現像液供給手段と、を有することを特徴とする請求項7記載の不要膜除去装置。
(構成9) 前記露光手段は、フォトマスクブランクを水平保持する保持手段と、フォトマスクブランク周縁部に光を照射する光照射機構と、前記光照射機構がフォトマスクブランクの周縁部に沿って走査されるように前記光照射機構及び前記保持手段のいずれか一方又は双方を駆動する駆動手段と、を有することを特徴とする請求項7又は8記載の不要膜除去装置。
(構成10) 前記駆動手段は、フォトマスクブランクの周縁部に形成された不要膜の膜厚に応じて、前記光照射機構によって照射される積算光量を変化できるように走査速度を変化させる走査速度調整手段を備えていることを特徴とする請求項9記載の不要膜除去装置。
(構成11) 前記レジストは化学増幅型レジストであることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一に記載の不要膜除去装置。
(構成12) 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、ポジ型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、請求項7乃至11の何れか一に5記載の不要膜除去装置と、を有するフォトマスクブランク製造装置であって、前記不要膜除去装置は、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、除去手段、熱処理手段がこの順に配置されていることを特徴とするフォトマスクブランク製造装置。
(構成13) 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、ポジ型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、請求項7乃至11の何れか一に5記載の不要膜除去装置と、を有するフォトマスクブランク製造装置であって、前記不要膜除去装置は、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、熱処理手段、除去手段がこの順に配置されていることを特徴とするフォトマスクブランク製造装置。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
(ポジ型)化学増幅型レジストであっても、レジストを塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を選択的に露光処理することによって、この塗布後の露光処理だけで現像除去処理に対する露光部と未露光部の溶解選択性(溶解の速度差)が確保できることが我々の研究から明らかとなった。即ち、化学増幅型レジストに必須であると従来考えられていた露光後ベーク処理(PEB:Post−Exposure Bake)を行わなくても、現像による周辺膜除去が可能であることが判った。つまり、塗布後のベーク処理とは独立した露光後ベーク処理工程あるいは機構は不要であることが判った。
従って、化学増幅型レジストの場合、先に説明した一般的な化学増幅型レジストの処理工程に従って基板周縁部の不要レジストを除去する方法又は装置(従来法4)、即ち、図4(0)に示すレジスト塗布工程又は機構、塗布後のベーク処理工程又は機構、基板周縁部の不要なレジスト膜を選択的に露光する工程(周辺露光)又は機構、露光後にベーク(PEB)処理する工程又は機構、そして現像除去処理する工程又は機構、に対比して、露光後のベーク処理工程及び装置を必要とせず、工程及び装置構成の簡略化を実現でき、コスト低減を実現できる。
また、遠紫外線域にごくわずかな感度しか持たない高分子型電子線描画露光用レジストであっても、レジストを塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を遠紫外線で選択的に露光処理することによって、基板周縁部の不要なレジスト膜が実用的に除去可能であることが明らかとなった。なお、先に問題点3として説明したように、塗布後のベーク処理後に不要なレジスト膜を遠紫外線で選択的に露光処理する場合、高分子型電子線描画露光用レジストの基板周縁部の不要なレジスト膜を実用的に除去することは困難である。
さらに、レジスト(種類は問わず)を塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を選択的に露光処理することによって、塗布後のベーク処理後に露光処理する場合に対比して、少ない露光エネルギーで露光処理が可能であることが明らかとなった。
【0011】
なお、上記本発明に係るマスクブランクス製造方法では、従来技術として挙げた基板周縁部の不要なレジスト膜を選択的に有機溶剤で溶解除去する方法(従来法1)に対比して、露光・現像の化学反応を用いることから残ったレジストの端部で著しい膨潤が起こらず、従って、除去端部(エッジ)が著しく盛り上がることはなく、また、除去端部の凹凸が小さい。
【0012】
以上のことから、本発明の構成1に係るマスクブランクス製造方法においては、レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程(塗布したレジストを乾燥させる塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク))の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行うことを特徴としている。そして、このように、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行うことによって、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにしたことを特徴とする。
尚、構成1おいて、露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜とは、位相シフト膜(多層の場合を含む)または遮光膜(多層の場合を含む)、あるいは位相シフト膜と遮光膜とを積層した膜などを指す。
【0013】
上記構成2にあるように、現像処理によるレジスト膜周縁部除去工程は、熱処理工程の前又は後に行うことができる。つまり、レジストを塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に不要なレジスト膜を選択的に露光し、その後に現像除去処理によって選択的に露光された不要なレジスト膜を溶解除去し、その後に塗布後のベーク処理を行うことができる(以下本発明方法Aという)(図4(1))。本発明方法Aは、レジスト塗布とレジスト塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)との間に露光処理工程と現像処理工程とを備えることを特徴とするブランクス製造方法である。
また、レジストを塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に不要なレジスト膜を選択的に露光し、その後に塗布後のベーク処理を行い、その後に現像除去処理によって選択的に露光された不要なレジスト膜を溶解除去できる(以下本発明方法Bという)(図4(2))。本発明方法Bは、レジスト塗布とレジスト塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)との間に露光処理工程を、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)の後に現像処理工程を備えることを特徴とするブランクス製造方法である。本発明方法Bでは、塗布後のベーク処理で化学増幅型レジストにおける露光後ベーク処理(PEB:Post−Exposure Bake)を兼ねることができる。
本発明には、上記本発明方法A及びBによって得られる基板周縁部に形成される不要なレジスト塗布膜を除去したマスクブランクス14(図5)が含まれる。
【0014】
なお、本発明には、塗布後のベーク処理(塗布したレジストを乾燥させる塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク))を行う前に、基板周縁部に形成される不要なレジスト膜を選択的に露光処理し、その後塗布後のベーク処理を施しただけのマスクブランクスの製造方法(以下本発明方法Cという)(図4(3))、及び、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を選択的に露光処理し、その後塗布後のベーク処理を施しただけのマスクブランクス15(図6)が含まれる(構成4)。このマスクブランクス13は、マスクブランクス完成の段階で、後の本パターンの現像処理工程で不要なレジスト塗布膜も併せて除去されるよう十分な露光処理を終えているので、後のマスク製作における現像処理工程以降での輸送あるいは保管のために収容容器及び治具類等に出し入れする際のマスクブランクスと容器あるいは治具類等との接触による不要レジスト膜の剥離脱離を防止することが可能となる。
また、上記の露光領域に選択的に現像液を供給する方法としては、構成3にあるように、少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うようにカバー部材によって覆い、前記フォトマスクブランク主表面における現像液を供給する領域は、フォトマスクブランク主表面とカバー部材との間隔を、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液による表面張力の作用により、現像液が前記間隙にのみ満たされるようにして、前記間隙に現像液を供給することにより、現像液が供給される領域を厳密に制御できるので好ましい。
【0015】
また、構成5にあるように、上記のレジスト塗布工程は、角型の基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、前記主回転数よりも小さい回転数であって、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有することを特徴とする。
このようにすることで、角型の基板であっても、マスクパターン形成領域において、面内均一性が良好なレジスト膜が形成されるとともに、非常に膜厚が厚い領域(厚膜領域)を極限られた周縁部領域だけにすることができる。従って、本発明の不要膜除去方法により周縁部の不要膜を除去したときには、実質的に厚膜領域がないか、又は少ないマスクブランクスを得ることができる。
ここで、上記主回転数、主回転時間、乾燥回転数、乾燥回転時間は、レジストの種類、粘性(粘度)に応じて、以下の範囲内で適宜選定される。
主回転数:750〜2000rpm
主回転時間:1〜30sec
乾燥回転数:50〜450rpm
乾燥回転時間:10sec以上(レジスト膜が乾燥するまで)
また、構成6にあるように、上記レジストは化学増幅型レジストとすることにより、塗布後のベーク処理(プレベーク或いはソフトベーク)を一工程省略できるという利点がある。
【0016】
次に、本発明装置(不要膜除去装置、マスクブランク製造装置)について説明する。
本発明装置(不要膜除去装置)は、フォトマスクブランク表面に形成されたポジ型レジスト膜のうち基板周縁部に形成された不要膜を除去する不要膜除去装置において、前記不要膜除去装置は、基板周縁部のポジ型レジスト膜に対し露光処理を行う露光手段と、ポジ型レジスト膜を熱処理する熱処理手段と、ポジ型レジスト膜の除去領域に選択的に現像液を供給し、現像によって除去する除去手段と、を有することを特徴とする(構成7)。
また、本発明装置(不要膜除去装置)においては、前記除去手段は、フォトマスクブランクを鉛直軸まわりに回転可能に水平保持する保持手段と、少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材には、フォトマスクブランク表面とカバー部材との間隔が、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液が間隙にのみに満たされるように間隔調整部材が設けられ、前記間隙に現像液を供給する現像液供給手段と、を有することが好ましい(構成8)。
具体的には、例えば、図12に示すように、回転台70に載置保持された、レジスト膜4が形成された基板5の上面側をカバー部材30で覆い、このカバー部材30の上方からノズル40より溶媒50(現像液等)を供給してこの溶媒50をカバー部材30の所定部位に設けられた溶媒供給孔31を通じて不要なレジスト膜部分に供給してこれを溶解除去する不要膜除去装置(特開2001−259502号公報に記載の装置)が挙げられる。60は間隔調整部材である。
本発明装置(不要膜除去装置)においては、前記露光手段は、例えば、図10や図11に示すように、フォトマスクブランクを鉛直軸まわりに回転可能に水平保持する保持手段と、フォトマスクブランク周縁部に光を照射する光照射機構と、前記光照射機構を、フォトマスクブランクの周縁部に沿って走査させる走査手段と、を有することが好ましい(構成9)。なお、前記光照射機構がフォトマスクブランクの周縁部に沿って走査されるように前記光照射機構(露光窓)及び前記保持手段のいずれか一方又は双方を駆動する駆動手段によって、基板周縁部の部分露光を行うことができる。
また、本発明装置(不要膜除去装置)においては、前記駆動手段は、フォトマスクブランクの周縁部に形成された不要膜の膜厚に応じて、前記光照射機構によって照射される積算光量を変化できるように走査速度を変化させる走査速度調整手段を備えていることが好ましい(構成10)。角型の基板の場合、回転塗布方法で形成されたレジストは、基板の四隅が最もレジスト膜厚が厚くなる場合が多く、フォトマスクブランクの周縁部に対する光の照射光量を一定で走査した場合、露光部と未露光部の溶解選択性(溶解速度差)が得られず、レジスト残滓が発生することがある。その場合、比較的厚膜な領域に対する光照射機構による積算光量を多くするために、光照射機構に走査速度を変化させる走査速度調整手段を設けることで、比較的厚膜な領域における光照射機構の走査速度を遅くすることにより、レジスト残滓なく確実に不要膜を除去することができる。レジスト塗布条件によって、比較的厚膜な領域が予め予想できる場合は、フォトマスクブランクの周縁部の膜厚を測定する必要はないが、本発明装置(不要膜除去装置)にレジスト膜厚を測定する膜厚測定手段を設けても構わない。
また、本発明装置(不要膜除去装置)においては、前記熱処理手段としては、例えば、図13(a)に示すホットプレート、図13(a)に示す上下ホットプレート、図13(c)に示す密閉型焼成装置などが挙げられる。図13において、5はレジスト膜付き基板、80はホットプレート、81は周囲の密閉を示す。これらにおいては、レジスト膜付き基板1をホットプレート2上に直接載置せず、所定のプロキシィミティーギャップを設けて基板を載置している。なお、密閉型焼成装置は、図13(c)に示すように基板の下部にヒーターを設け周囲を密閉したタイプの装置の他、基板の下部にヒーターを設けるとともに基板の上方にヒーターあるいは反射板を設け周囲を密閉したタイプの装置であってもよい。
また、本発明のフォトマスクブランク製造装置は、角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、化学増幅型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、上述の不要膜除去装置とを有するものであって、構成12にあるように、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、除去手段、熱処理手段がこの順に配置されている構成とすることができる。(以下本発明装置Aという)(図4(1)、図10)。本発明装置Aは、レジスト塗布とレジスト塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)との間に露光処理機構を、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)の後に現像処理機構を備えることを特徴とするブランクス製造装置である。
また、別の本発明のフォトマスクブランク製造装置は、角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、化学増幅型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、上述の不要膜除去装置とを有するものであって、構成13にあるように、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、熱処理手段、除去手段がこの順に配置されている構成とすることができる(以下本発明装置Bという)(図4(2)、図11)。本発明装置Bは、レジスト塗布とレジスト塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)との間に露光処理機構と現像処理機構とを備えることを特徴とするブランクス製造装置である。
なお、本発明装置には、レジスト塗布とレジスト塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)との間に露光処理機構を備えることを特徴とするブランクス製造装置(図4(3))(以下本発明装置Cという)が含まれる。
【0017】
上記本発明の方法あるいは装置で製作した、基板周縁部に形成される不要なレジスト塗布膜を除去したマスクブランクスは、その完成段階(即ち、レジスト塗布と塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)が完了した段階)において、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去を完了している。即ち、従来一般の周縁露光技術(従来法2)のように、本パターンの形成(現像処理)と不要なレジスト膜の現像除去処理とを兼ねるものではない。従って、輸送あるいは保管のためにマスクブランクスを収容容器に出し入れする際のマスクブランクスと容器との接触による不要レジスト膜の剥離・脱離を防止することが可能となる。また、これ以降のマスク製造工程において、マスクブランクスと処理装置あるいは収容容器等との接触によるレジスト膜の剥離・脱離がない。
また、上記本発明の方法あるいは装置で製作した、基板周縁部に形成される不要なレジスト塗布膜を除去したマスクブランクスは、マスクブランクス周縁部の不要なレジスト膜が除去されているので、電子線描画露光時において、マスクブランクスのクロム膜の接地を確実に取ることが可能となり、描画時のチャージアップよるパターン位置のずれあるいは変形の問題が回避できる。従来一般に、この接地は接地用の針あるいはナイフ形状のものをレジスト膜上からマスクブランクスに押し当てて接地を取っており、従って、接地抵抗が大きいあるいはまた全く接地が取れない場合があった。
さらに、上記本発明の方法あるいは装置で製作した、基板周縁部に形成される不要なレジスト塗布膜を除去したマスクブランクスは、マスクブランクス周縁部の不要なレジスト膜が除去されているので、当該部分はクロム膜または位相シフト膜が露出している。従って、後のマスク製造工程におけるエッチング工程で当該露出部はエッチング除去されてしまうため、洗浄工程等のその後の工程あるいはマスク(レチクルを含む)の使用工程において、基板周縁部からのクロム膜または位相シフト膜の剥離や脱離がなく、剥離・脱離したクロム片がマスクに付着して欠陥を生ずる事態や、剥離・脱離したクロム片によって周囲環境を汚染することがない。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
まず、本発明方法A及び装置Aに係る実施例として、図1に示すように、適当に研磨した6インチ角(152.4mm×152.4mm)厚さ0.25インチ(6.35mm)の合成石英基板1の上にクロムを主成分とする遮光膜2を、続いて酸化クロムを主成分とする反射防止膜3をスパッタリング法で連続して形成した基板に、膜厚400nmとなるようにレジスト4(ポジ型化学増幅型電子線描画露光用レジストFEP171:フジフィルムアーチ社製)を以下の条件で回転塗布した。
レジスト濃度:6.2%(粘度:3cp)
均一化工程
主回転数:1500rpm
主回転時間:2sec
乾燥工程
乾燥回転数:300rpm
乾燥回転時間:20sec
次に、焦点距離10mmの集光レンズを先端に装着した石英ファイバー製ライトガイド(10mmφ)20を備えた水銀ランプ(HOYA−SCHOTT社製UL500L)を露光光源とし、焦点部に3mm×3mmの正方形の開口部を持つステンシルマスク21を取り付け、当該ステンシルマスク(露光窓)のうち約2mmが基板端から基板中心方向に重なるように、かつ、上記基板の上面3mmの位置に設置した(図7)。次いで、上記露光光源を点灯すると同時に、走査手段によって基板周縁部の辺に沿って毎秒約10mmの速度で上記露光窓を移動させた。一辺(152.4mm)の露光を終了した後、基板を90度回転させて次の辺を同様に露光し、同様に基板の四辺全てを同様に露光して、基板周縁の不要なレジスト膜を露光処理した。
次に、例えば、先に説明した特開2001−259502号公報に記載の装置(構成8)を用いて、上記の選択的に露光された部位に選択的に現像液が供給されるよう適宜調整して、基板を500rpmで回転させながら、標準現像液2.38%TMAH(東京応化工業(株)製NMD−3)を用い流量毎分100ccで30秒間処理を行った。その後直ちに現像液に代えて超純水を供給し、現像除去処理部をリンスし、次いで、基板を2000rpmで回転させて回転乾燥を行い、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去処理を終えた。
最後に、上記処理を終えた基板を150℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間、塗布後ベーク処理を行ってブランクス製作を終えた(試料1A)。
【0019】
次に、本発明方法B及び装置Bに係る実施例として、まず、上記試料1Aと同様にFEP171を塗布し、続いて、上述したのと同じ露光装置と方法を用いて、基板を毎秒約10mmの速度で移動させて基板周縁部の露光処理を行い、その後、露光後ベークとして150℃に設定したホットプレート(プロキシィギャップ0.2mm)を用いて10分間基板を処理した。最後に、特開2001−259502に記載の装置で露光部を選択的に現像除去処理し、基板周縁の不要なレジスト膜の除去処理を終えてブランクスを作製した(試料1B)。
【0020】
次に、比較対照として、一般的な化学増幅型レジストの処理工程(従来法4)に従って不要レジスト膜を露光し現像除去して試料1Cを製作した。具体的には、上記試料1A及び1Bと同様にFEP171を塗布し、続いて、試料1A及び1Bと同様に150℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間塗布後ベーク処理を行った。その後、基板を毎秒約7.5mmの速度で移動させて基板周縁部の露光処理を行い、次いで、露光後ベークとして150℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間基板を処理した。最後に、試料1A及び1Bと同様に露光部を選択的に現像除去処理し、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去処理を終え、ブランクスを作製した(試料1C)。ここで、基板周縁露光での露光量が試料1Aに対比して大きい(基板走査速度が小さい)のは、毎秒約7.5mmより早い走査速度では、不要なレジスト膜が除去できなかった(全く溶解しない、あるいは、残さが残った)ためである。
また同様に比較対照として、有機溶剤による除去法(従来法1)により試料1Dを作製した。具体的には、上記試料1Aから1Cと同様にFEP171を塗布し、その後、上記と同じ特開2001−259502号公報に記載の装置と有機溶剤アセトンを用い、基板周縁部の不要なレジスト膜を溶解除去し、その後、上記試料1Aから1Cと同様に150℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間、塗布後ベーク処理を行ってブランクスを製作した(試料1D)。
これら、試料1Aから1Dのマスクパターン形成領域を含むレジスト膜厚の面内均一性は50オンク゛ストローム以下と良好であった。尚、レジスト膜厚の面内均一性は、基板中央の有効領域132mm×132mm内の全体に均等に配置した11×11=121点で分光反射型膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製:AFT6100M)を用いて膜厚測定し、面内膜厚分布(各測定点における膜厚データ)を求め、この面内膜厚分布データから(膜厚の最大値)−(膜厚の最小値)=(面内膜厚均一性)とした。
【0021】
次に評価として、まず、基板周縁部の不要レジスト膜を除去した部位(除去端)の断面を触針式段差(膜厚)測定機で計測した。
試料1A、1B、1C及び1D、これらの除去部断面図を図8に示す。
試料1D(有機溶剤による不要レジスト除去:従来法1)では、除去端部に高さ約1.5μmの著しく厚膜な部分が形成されてしまった。
試料1C(一般的な化学増幅型レジストの処理法(従来法4)に従った不要レジスト除去)では、試料1Dに見られるような除去端部の著しい盛り上がりは全く認められず、除去部の側壁部は概ね垂直である。
試料1B(本発明方法Bに係る不要レジスト除去)では、1Cに対比し、除去部側壁の肩の部分(レジスト膜表面側)がなだらかに丸まってはいるが、除去部の側壁部の垂直度は概ね保たれている。
また、試料1A(本発明方法Aに係る不要レジスト除去)では、除去部側壁の肩の部分(レジスト膜表面側)がさらになだらかに丸まっており、また、除去部の側壁部の垂直度が僅かに劣っているものの、試料1Dに見られるような除去端部の著しい盛り上がりはなく、概ね良好な断面形状が得られている。
【0022】
上記4試料(1A、1B、1C、1D)の除去断面の傾斜を数値比較するために、レジスト膜底部(クロム膜上面)からのレジスト膜表面までの距離(即ちレジスト膜厚(0.4μm=400nm))の50%と75%の点を通過する直線とクロム表面(レジスト底面)との接線との角度を算出した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
試料1D(有機溶剤による不要レジスト除去:従来法1)では72度、試料1C(一般的な化学増幅型レジストの処理法に従った不要レジスト除去:従来法4)では84度であるのに対し、試料1B(本発明方法Bに係る不要レジスト除去)では83度と1Cと同程度、また、1A(本発明方法Aに係る不要レジスト除去)では78度と試料1Cには及ばないものの著しい遜色はない除去断面形状(除去端の傾斜度)であった。
【0024】
次の評価として、基板周縁部の不要レジスト膜を除去した部位の除去幅バラツキ(即ち、基板端から除去端までの距離のバラツキ)を各辺の全体に渡って測定した。測定には、レジスト膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製AFT6100M)を用い、基板の一辺について10mm間隔で除去幅バラツキを測定し、その平均値とレンジ値を求めた。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
試料1Dでは、除去幅の平均値が1.96mmであり、このバラツキが0.24mm(レンジ値)であった。試料1Cでは、除去幅の平均値が2.05mmであり、このバラツキが0.10mm(レンジ値)であった。
試料1A(除去幅の平均値が1.90mm)及び1B(除去幅の平均値が2.10mm)(以上、本発明による不要レジスト除去)では、そのバラツキは0.10mm(レンジ値)に抑えられており、試料1Cと全く同じ除去幅バラツキ品質が得られた。
本発明による不要レジスト除去では、一般的な手法に従った基板周縁部の不要レジスト除去法(従来法4)に対比し、同程度の除去幅バラツキ品質(換言すると安定性)が達成可能であった。有機溶剤による基板周縁部の不要レジスト除去に対比しては、除去幅のバラツクにおいて、大きな改善が認められた(バラツキ約6割低減)。
【0027】
次の評価として、基板周縁部の不要レジスト膜を除去した部位の除去幅バラツキ(即ち、基板端から除去端までの距離のバラツキ)を局所的に測定した。測定は、基板の一辺の中央付近について除去部の写真を光学顕微鏡(倍率100)で取り、その写真を元に画像処理ソフトウェファ(プラネトロン社製ImageProPlus)の測長機能を用いて、長さ1.5mmの範囲を0.075mm間隔で20回測定して、局所的な除去幅バラツキを測定してその平均値とレンジ値を求めた。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
試料1Dでは、除去幅の局所的なバラツキが60μm(レンジ値)であった。試料1Cでは、除去幅の局所的なバラツキが5μm(レンジ値)であった。
試料1A及び試料1B(本発明による不要レジスト除去)では、除去幅の局所的なバラツキがそれぞれ20μmと25μmであった。
本発明による不要レジスト除去では、一般的な手法に従った露光と現像処理による不要レジスト除去には及ばないものの、有機溶剤による除去に対比すると1/3程度の局所的な除去幅バラツキ(換言すると安定性)が達成可能である。
【0030】
上記の結果は、本発明によるマスクブランクス製造方法及び製造装置、並びに、これらの方法及び装置により製作されたマスクブランクスは、一般的な化学増幅型レジストの処理工程に従って基板周縁部の不要レジストを除去する方法(従来法4)及び装置並びにそれらによって製作されたマスクブランクスに対比して、露光後のベーク処理工程及び装置を必要とせず、少ない露光エネルギーで露光処理が可能であり、また、基板周縁部の不要レジストの除去品質に著しい遜色がないことを明示する。
また、本発明によるマスクブランクス製造方法及び製造装置、並びに、これら方法及び装置により製作されたマスクブランクスは、有機溶剤による基板周縁部の不要レジストを除去する方法及び装置並びにそれらによって製作されたマスクブランクスに対比して、基板周縁部の不要レジストの除去品質において明らかに優れていることを明示する。
【0031】
(実施例2)
次に、本発明方法A及び装置Aに係る第2の実施例として、ポジ型高分子型電子線描画露光用レジストZEP7000(日本ゼオン社製))を用いた例を以下に記す。
まず、上記実施例1の試料1Aと同様に、膜厚400nmとなるようにポジ型高分子型電子線描画露光用レジストZEP7000(日本ゼオン社製))を以下の条件で回転塗布した。
レジスト濃度:4.7%(粘度17cp)
均一化工程
主回転数:1100rpm
主回転時間:10sec
乾燥工程
乾燥回転数:250rpm
乾燥回転時間90sec
続いて、既述の露光装置と方法を用いて、基板を毎秒約10mmの速度で移動させて基板周縁部の露光処理を行い、その後、既述の現像除去処理装置と方法を用いて、上記の選択的に露光された部位に選択的に現像液が供給されるよう適宜調整して、標準現像液ZED400(日本ゼオン(株)製)を用い流量毎分100ccで60秒間処理を行った。その後直ちに現像液に代えて標準リンス液ZMD−B(日本ゼオン(株)製)を供給して現像除去処理部をリンスし、次いで、基板を2000rpmで回転させて回転乾燥を行い、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去処理を終えた。
最後に、上記処理を終えた基板を220℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間、塗布後ベーク処理を行ってブランクス製作を終えた(試料2A)。
【0032】
次に、本発明方法B及び装置Bに係る実施例として、まず、上記試料1Aと同様にZEP7000を塗布し、続いて、既述の露光装置と方法を用いて、走査手段によって基板周縁部の辺に沿って毎秒約10mmの速度で移動させて基板周縁部の露光処理を行い、その後、露光後ベークとして220℃に設定したホットプレート(プロキシィギャップ0.2mm)を用いて10分間基板を処理した。最後に、試料2Aと同様に露光部を選択的に現像除去処理し、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去処理を終えてブランクスを作製した(試料2B)。
【0033】
次に、比較対照として、一般的なレジストの処理工程(従来法3)に従って不要なレジスト膜を露光し現像処理して試料2Cを製作した。具体的には、上記試料2Aと同様にZEP7000を塗布し、続いて、試料2Aと同様に220℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間塗布後ベーク処理を行った。その後、走査手段によって基板周縁部の辺に沿って毎秒約10mmの速度で移動させて基板周縁部の露光処理を行い、最後に、試料2A及び2Bと同様に露光部を選択的に現像除去処理し、基板周縁の不要なレジスト膜の除去処理を終え、ブランクスを作製した(試料2C)。
また同様に比較対照として、有機溶剤による除去法(従来法1)により試料2Dを作製した。
具体的には、上記試料2Aと同様にZEP7000を塗布し、その後、既述の装置と有機溶剤ジグライムを用い、基板周縁部の不要なレジスト膜を溶解除去し、その後、上記試料2Aと同様に220℃に設定したホットプレート(プロキシィミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間塗布後ベーク処理を行ってブランクスを製作した(試料2D)。
これら、試料2Aから2Dのマスクパターン形成領域を含むレジスト膜厚の面内均一性は50オンク゛ストローム以下と良好であった。
【0034】
次に評価として、まず、基板周縁部の不要レジスト膜を除去した部位(除去端)の断面を触針式段差(膜厚)測定機で計測した。
試料2A及び2Dの除去部断面図を図9に示す。
試料2D(有機溶剤による不要レジスト除去)では、除去端部に高さ約0.05μmの厚膜な部分が形成されてしまったが、試料2A(本発明方法Aに係る不要レジスト除去)では2Dに見られる除去端部の著しい厚膜な部分はない。
また、除去部の側壁部の垂直度は、試料2D(有機溶剤による不要レジスト除去)の43度に対し、試料2A(本発明方法Aに係る不要レジスト除去)では56度であり、除去部側壁はより急峻であった(以上、実施例1の評価法に従う)。
【0035】
ところで、試料2B(本発明方法Bに係る実施例)及び試料2C(一般的なレジストの処理工程(従来法3))では、上述の露光及び現像処理では全く基板周縁の不要なレジスト膜が除去出来なかった。
そこで、既述の露光装置による基板周縁部の露光量を増加させ、前述の毎秒約10mmの速度から順次速度を低下させて上記露光窓を移動させて基板周縁部の露光処理を行い、その後は試料2Bあるいは2Cと同様に塗布後ベークと現像除去処理、あるいは現像除去処理のみを行った。
その結果、試料2B、2Cともに、基板周縁部の露光を毎秒約0.025mmの速度以下(即ち、2Aの600倍以上の露光量)で処理を行わないと(6インチ基板の周縁4辺を全て露光処理するのに7時間弱を要する)、その後の現像除去処理で不要なレジスト膜を除去できず、全く実用的でないことがが明らかとなった。
【0036】
上記の結果は、本発明、特に本発明方法A及び装置Aに係るマスクブランクス製造方法及び製造装置、並びに、これらの方法及び装置により製作されたマスクブランクスは、特に遠紫外線域に僅かにしか感度を持たない高分子型電子線描画露光用レジストにおける基板周縁部の不要なレジスト膜除去において、一般的なレジストの処理工程に従って基板周縁部の不要レジストを露光し現像除去する方法(従来法3)及び装置並びにそれらによって製作されたマスクブランクスに対比して、明らかに少ない露光エネルギーで露光処理が可能である。
また、有機溶剤による基板周縁部の不要レジストを除去する方法及び装置並びにそれらによって製作されたマスクブランクス(従来法1)に対比して、基板周縁部の不要レジストの除去品質において、優れていることを明示する。
しかし、上述の実施例1のポジ型化学増幅型レジストの場合と比較すると、化学増幅型レジストの方が、高分子型レジストよりも除去断面が良好であった。従って、本発明方法、製造装置は、特に化学増幅型レジストに対し有効であることが判る。
【0037】
本発明は上記の実施の形態及び実施例に限定されない。
例えば、上記実施例の露光工程及び装置には1本のライトガイドを備えた水銀灯を使用し基板の一辺ずつを露光したが、1本のライトガイドから2分岐又はそれ以上分岐して基板の2辺づつ又はそれ以上の複数辺を同時に露光しても良い。また、複数のライトガイド(あるいは複数の水銀灯)を用いて、複数の辺を同時に露光しても良い。また、基板周縁部の選択的に露光したい部分の形状に適当に合わせた形状にライトガイドを作製し、一括して四辺(即ち基板周縁部全て)を露光することも可能である。
また、比較的基板周縁部の辺に沿ってレジスト膜厚の変化が大きい場合は、上記実施例のライトガイドの走査手段に走査速度を変化させる走査速度調整手段を設けても構わない。
また、上記実施例の現像除去工程及び装置には露光部を選択的に現像除去する方法と機構を用いたが、主表面のレジスト膜(未露光部)の機能と品質を損なわない限り、全面を現像処理するものであっても構わない。
また、上記実施例は、レジストを回転塗布した後、直ちに基板周縁部の露光を行い、あるいはまた、それに引き続き現像除去処理を行ったが、レジストの回転塗布の後(露光の前、あるいは現像の前))に、例えば減圧乾燥工程あるいは装置を入れても良い。
また、上記実施例では、レジストは回転塗布したが、キャピラリー塗布、スキャン塗布等々、いかなる塗布方法であっても良い。
また、上記実施例では、基板周縁部を不要としてレジスト膜を除去したが、除去対象は周縁部以外であっても良い。
また、上記実施例は正方形基板を対象としたが、長方形やウエハ形状など他の形状の基板であっても、選択的な露光手段及び現像除去手段を備えることで適用可能である。
また、上記実施例では、フォトマスクブランクに対し、光照射機構を走査手段によって移動させたが、フォトマスクブランクを保持する保持手段に走査手段を接続して、光照射機構(固定)に対し、フォトマスクブランクを移動させてもかまわない。
また、上記実施例では、電子線描画露光用レジストを挙げたが、これに限らず、レーザー描画露光用レジストや、いかなる用途・種類のレジスト、又はいかなる露光光源用のレジストであってもかまわない。
以上のことから、本発明には、必要に応じ基板上に薄膜を形成する薄膜形成工程と、基板上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程(塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク))と、基板上に形成されたレジスト膜を選択的(部分的)に除去するレジスト膜除去工程と、を有するレジスト塗布基板の製造方法において、
レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程(塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク))の前に、レジスト膜に対し選択的(部分的)に露光処理を行い、レジスト膜除去工程で行う現像処理の際に、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにしたことを特徴とするレジスト塗布基板の製造方法、が含まれる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明方法によれば、化学増幅型レジストに必須であると従来考えられていた露光後ベーク処理(PEB:Post−Exposure Bake)を行わなくても、現像による周辺膜除去が可能である。つまり、塗布後のベーク処理とは独立した露光後ベーク処理工程あるいは機構は不要である。従って、化学増幅型レジストの塗布に関し、露光後のベーク処理工程及び装置を必要とせず、工程及び装置構成の簡略化を実現でき、コスト低減を実現できる。
また、本発明方法によれば、遠紫外線域にごくわずかな感度しか持たない高分子型電子線描画露光用レジストであっても、レジストを塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を遠紫外線で選択的に露光処理することによって、基板周縁部の不要なレジスト膜が実用的に除去可能である。
さらに、本発明方法によれば、レジスト(種類は問わず)を塗布した後であって、塗布後のベーク処理(プレベークあるいはソフトベーク)を行う前に、不要なレジスト膜を選択的に露光処理することによって、塗布後のベーク処理後に露光処理する場合に対比して、少ない露光エネルギーで露光処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスクブランクスの製造工程の概略図である。
【図2】マスクブランクス基板周縁部のレジスト膜の盛り上がりを説明するための概略断面図である。
【図3】有機溶剤により不要なレジスト膜を除去した除去端(エッジ)部の凹凸を説明するための模式図であり、右下の図は有機溶剤により不要なレジスト膜を除去した除去端(エッジ)部を説明するための概略断面図である。
【図4】本発明方法及び装置と従来法4との対比を示す図である。
【図5】基板周縁部に形成された不要なレジスト膜を除去したマスクブランクスを示す図である。
【図6】基板周縁部に形成された不要なレジスト膜を露光したマスクブランクスを示す図である。
【図7】基板周縁部を選択的に露光する装置の概略図である。
【図8】実施例1で得られた各試料の不要なレジスト膜の除去部の概略断面図である。
【図9】実施例2で得られた各試料の不要なレジスト膜の除去部の概略断面図である。
【図10】本発明方法装置Aを模式的に示す平面図である。
【図11】本発明方法装置Bを模式的に示す平面図である。
【図12】本発明装置における除去手段の一態様を示す部分断面図である。
【図13】本発明装置における熱処理手段の一態様を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 透明な基板
2 遮光膜
3 反射防止膜
4 レジスト膜
5 マスブランクス
Claims (13)
- 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜上にポジ型レジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程と、前記基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去するレジスト膜周縁部除去工程と、を有するフォトマスクブランクの製造方法において、
前記レジスト膜周縁除去工程は、レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行い、レジスト膜周縁部除去工程で行う現像処理の際に、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにし、前記露光領域に選択的に現像液を供給することにより行われることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。 - 現像処理によるレジスト膜周縁部除去工程は、熱処理工程の前又は後に行うことを特徴とする請求項1記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うようにカバー部材によって覆い、前記フォトマスクブランク主表面における現像液を供給する領域は、フォトマスクブランク主表面とカバー部材との間隔を、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液による表面張力の作用により、現像液が前記間隙にのみ満たされるようにして、前記間隙に現像液を供給することにより、前記基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去することを特徴とする請求項1又は2記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜上にポジ型レジストを塗布するレジスト塗布工程と、塗布したレジストを熱処理する熱処理工程と、を有するフォトマスクブランクの製造方法において、
前記レジスト塗布工程の後であって、熱処理工程の前に、周縁部のレジスト膜に対し露光処理を行い、フォトマスク製造工程における現像処理工程で、マスクパターンの形成とともに、前記露光処理を施した周縁部のレジスト膜も合わせて除去するようにしたことを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。 - 前記レジスト塗布工程は、角型の基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、前記主回転数よりも小さい回転数であって、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- 前記レジストは化学増幅型レジストであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
- フォトマスクブランク表面に形成されたポジ型レジスト膜のうち周縁部に形成された不要膜を除去する不要膜除去装置において、
前記不要膜除去装置は、周縁部のポジ型レジスト膜に対し露光処理を行う露光手段と、ポジ型レジスト膜を熱処理する熱処理手段と、ポジ型レジスト膜の除去領域に選択的に現像液を供給し、現像によって除去する除去手段と、を有することを特徴とする不要膜除去装置。 - 前記除去手段は、フォトマスクブランクを鉛直軸まわりに回転可能に水平保持する保持手段と、少なくともフォトマスクブランクの周縁部を覆うカバー部材と、を備え、前記カバー部材には、フォトマスクブランク主表面とカバー部材との間隔が、前記間隔により形成される間隙に現像液を供給したときに現像液が間隙にのみ満たされるように間隔調整部材が設けられ、前記間隙に現像液を供給する現像液供給手段と、を有することを特徴とする請求項7記載の不要膜除去装置。
- 前記露光手段は、フォトマスクブランクを水平保持する保持手段と、フォトマスクブランク周縁部に光を照射する光照射機構と、前記光照射機構がフォトマスクブランクの周縁部に沿って走査されるように前記光照射機構及び前記保持手段のいずれか一方又は双方を駆動する駆動手段と、を有することを特徴とする請求項7又は8記載の不要膜除去装置。
- 前記駆動手段は、フォトマスクブランクの周縁部に形成された不要膜の膜厚に応じて、前記光照射機構によって照射される積算光量を変化できるように走査速度を変化させる走査速度調整手段を備えていることを特徴とする請求項9記載の不要膜除去装置。
- 前記レジストは化学増幅型レジストであることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一に記載の不要膜除去装置。
- 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、ポジ型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、請求項7乃至11の何れか一に5記載の不要膜除去装置と、を有するフォトマスクブランク製造装置であって、
前記不要膜除去装置は、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、除去手段、熱処理手段がこの順に配置されていることを特徴とするフォトマスクブランク製造装置。 - 角型の基板上に露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜を形成されたフォトマスクブランクの表面に、ポジ型レジストを塗布するレジスト塗布装置と、請求項7乃至11の何れか一に5記載の不要膜除去装置と、を有するフォトマスクブランク製造装置であって、
前記不要膜除去装置は、フォトマスクブランクの搬送ラインに沿って、露光手段、熱処理手段、除去手段がこの順に配置されていることを特徴とするフォトマスクブランク製造装置。
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