JP2021182099A - マスクブランクスの製造方法、マスクブランクス、フォトマスク - Google Patents

マスクブランクスの製造方法、マスクブランクス、フォトマスク Download PDF

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Abstract

【課題】アミンによるレジストパターン形状への影響を抑制する。【解決手段】透明基板11に積層されたマスク層12,13と、化学増幅型のレジスト層15とを備えたマスクブランクス10Dの製造方法であって、透明基板の上に所定の光学特性を有するマスク層を形成する成膜工程S12と、透明基板に形成されたマスク層表面のアミンを除去するアミン除去工程S13と、アミン除去工程によってアミンの除去された前記マスク層にレジスト層を積層するレジスト形成工程S14と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明はマスクブランクスの製造方法、マスクブランクス、フォトマスクに関し、特に化学増幅型レジストを備えたフォトマスクブランクスに用いて好適な技術に関する。
FPD(flat panel display,フラットパネルディスプレイ)や、半導体デバイス製造等におけるフォトリソグラフィ工程で用いられるフォトマスクを形成するため、フォトマスクブランクス(マスクブランクス)が利用されている。フォトマスクブランクスは、ガラス基板の一方の主面に、被処理体をなす薄膜とレジスト膜とを順に重ねて配置したものからなる。
マスクブランクスの製造では、透明基板上に、遮光層等、所定の光学特性を有するマスク層である膜を形成する。このマスク層は、単層または複数が積層されていてもよい。マスク層上にレジスト膜を形成する。そしてこのマスクブランクスにおいて、レジストの選択的露光を行い、露光後のベーク処理、現像処理を経て、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、マスク層を選択的にエッチング除去して、所定のマスクパターンを形成することでフォトマスクが製造される。
マスクブランクスに形成されるマスク層としては、酸化クロム膜およびクロム膜からなるものなどが知られている。また、マスクブランクスに形成されるレジストとしては、化学増幅型レジスト(CAR ;Chemical-amplified Resist)が知られている(特許文献1)。
化学増幅型レジストからなるレジスト膜(以下、化学増幅型レジスト膜とも呼ぶ)は、一般的に、極性変換基を導入した高分子化合物と、光酸発生剤の混合物を用いる。たとえば、露光部分がアルカリ水性現像液に溶解するように変化するポジ型レジストにおいては、アルカリ水溶性の高分子化合物の末端にある水酸基に酸分解性基を化学結合させ、光酸発生剤と混合してレジスト膜を形成する。
このような化学増幅型レジスト膜を露光させることにより酸を発生させ、加熱することにより酸が拡散、反応し、導入した酸分解性基を分裂させて元の水酸基に変換する。その後、アルカリ水性現像液を用いて現像することにより、ポジ型のレジストパターンを得る。レジスト中に発生した酸は、加熱することによって拡散し、多くの領域を可溶性に変質させる。このように、光に反応して自ら酸を発生させ、薬品への可溶性を増幅することにより、高感度なフォトリソグラフィを実現している。
国際公開第2016/181753号
しかし、化学増幅型レジスト(CAR)の膜は酸を触媒としてレジスト膜の溶解性を変化させるため、微量の塩基性物質の存在によってパターン形状が大きく変化してしまう。また、酸性物質の存在によっても感度変化が生じる場合がある。
特に、雰囲気中に含まれる、Airborn Ammine(空中に浮遊しているアンモニア分子を含む配位化合物)がレジストを形成する表面に付着していることにより、化学増幅型レジスト(CAR)の膜内にある酸発生剤と反応を起こし、化学増幅型レジスト(CAR)の感度が低下するといった感度変化が発生するという問題があった。
アミンなどのコンタミネーションによる感度変化は、化学増幅型レジスト(CAR)のにおけるレジストパターンの形状劣化の原因となる。
レジストパターンの形状劣化の例としては、裾引きと呼ばれる現象がある。裾引きとは、フッティングともいい、現像処理において、化学増幅型レジスト層の底部(マスク層近傍のレジスト膜)に突起部が発生した状態である。
このような裾引き状突起部は、本来現像処理により完全に除去されるべき露光部分の不要な残さであり、マスク層に形成されるパターンのエッジ部にギザつきを発生させ著しくパターン寸法均一性を損ない、あるいは場合によっては、隣り合ったレジストパターンどうしをレジスト底部の一部あるいは全てで連結して、マスク層が全くエッチングされない解像不良または解像性劣化を引き起こす。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.レジスト感度をコントロールすること。
2.化学増幅型レジスト層を形成したマスクブランクスにおいて、裾引きの発生を抑制すること。
3.正確な形状のパターニングが可能なマスクブランクスを提供可能とすること。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、透明基板に積層されたマスク層と、化学増幅型のレジスト層とを備えたマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板の上に所定の光学特性を有する前記マスク層を形成する成膜工程と、
前記透明基板に形成された前記マスク層表面のアミンを除去するアミン除去工程と、
前記アミン除去工程によってアミンの除去された前記マスク層に前記レジスト層を積層するレジスト形成工程と、
を備える、
ことにより上記課題を解決した。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程において、前記マスク層表面のアミンを、前記アミン除去工程前に比べて0.82以下とする
ことができる。
本発明のマスクブランクスの製造方法において、前記アミン除去工程が、ベーク処理であることが好ましい。
本発明のマスクブランクスの製造方法には、前記アミン除去工程におけるベーク処理温度が、120℃〜300℃とされる
ことが可能である。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程におけるベーク処理温度を設定することで、前記レジスト層のレジスト感度を制御する
ことができる。
また、本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を上昇させることで、前記レジスト層のレジスト感度を高感度化し、
前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を下降させることで、前記レジスト層のレジスト感度を低感度化する
ことができる。
また、本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程におけるベーク処理時間を10〜15分とする
ことが好ましい。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記アミン除去工程におけるベーク処理雰囲気を常圧大気雰囲気とする
ことができる。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記レジスト形成工程によって前記レジスト層の積層された前記透明基板を加熱するプリベーク工程を備え、
前記プリベーク工程におけるプリベーク温度に対する前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度の比が、0.83〜2.07の範囲とされる
ことができる。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記プリベーク工程におけるプリベーク時間に対する前記アミン除去工程におけるベーク処理時間の比が、0.67〜1.00の範囲とされる
ことができる。
本発明のマスクブランクスにおいては、上記のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
前記マスク層表面のアミンが、前記アミン除去工程前に比べて0.82以下である
ことができる。
本発明のマスクブランクスにおいては、上記のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
前記マスク層表面のアミンが、アミン量1.39×10−2(規格値)以下である
ことができる。
本発明のフォトマスクにおいては、上記のマスクブランクスから製造されることができる。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、透明基板に積層されたマスク層と、化学増幅型のレジスト層とを備えたマスクブランクスの製造方法であって、
前記透明基板の上に所定の光学特性を有する前記マスク層を形成する成膜工程と、
前記透明基板に形成された前記マスク層表面のアミンを除去するアミン除去工程と、
前記アミン除去工程によってアミンの除去された前記マスク層に前記レジスト層を積層するレジスト形成工程と、
を備える。
これにより、アミン除去工程によってマスク層表面のアミンを除去して、化学増幅型のレジスト層にレジストパターンを形成する際に、酸を触媒としてレジストの溶解性を変化させるアミンのレジスト層に対する影響を防止することが可能となる。これにより、パターン形成されたレジスト層における断面形状、線幅等の制御性を向上して、より高精細なレジストパターン形成を可能とすることができる。
同時に、レジスト層におけるパターン形成において、裾引きと呼ばれるレジストを除去する領域である除去領域のパターン境界付近で、レジスト残渣が発生する裾引きと呼ばれるという状態を防止することができる。これにより、パターン形成後にレジスト残渣を除去する工程における処理時間を短くするか、あるいは、処理強度を弱くして、レジストを除去しない部分に対する悪影響を防止することが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程において、前記マスク層表面のアミンを、前記アミン除去工程前に比べて0.82(1.39/1.7)以下とする
ことができる。
これにより、アミンによる化学増幅型のレジスト層におけるレジスト感度の低下を防止し、レジストパターン形成における裾引きの発生を防止することが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法において、前記アミン除去工程が、ベーク処理である。
これにより、化学増幅型のレジストをマスク層の形成された透明基板表面に塗布してレジスト層を形成するレジスト形成工程より前に、レジストを塗布する表面に付着したアミンをベークにより除去して、アミンがレジスト層のレジスト感度に影響することを防止することができる。
これにより、レジストパターンを形成する際に、裾引きが発生することを防止して、レジスト形状を所定の状態にすることが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法には、前記アミン除去工程におけるベーク処理温度が、120℃〜300℃とされる。
これにより、化学増幅型のレジストをマスク層の形成された透明基板表面に塗布してレジスト層を形成するレジスト形成工程より前に、レジストを塗布する表面に付着したアミンをベークにより除去するとともに、アミン除去工程におけるベーク処理温度に対応して、アミンの除去状態を所望の状態に設定することが可能となる。
したがって、レジスト層におけるレジストパターン形成におけるレジスト感度に影響するアミンの量を制御することが可能となり、レジスト感度の高低を制御することが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程におけるベーク処理温度を設定することで、前記レジスト層のレジスト感度を制御する。
これにより、アミン除去工程におけるベーク処理温を上記の範囲から選択してこれを所定の値に設定することで、マスク層表面におけるアミンの除去状態を所定の状態に設定することが可能となる。レジスト層におけるレジストパターン形成におけるレジスト感度に影響するアミンの量を制御することが可能となり、ベーク処理温度によって、レジスト感度の高低を制御することが可能となる。
また、本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を上昇させることで、前記レジスト層のレジスト感度を高感度化し、
前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を下降させることで、前記レジスト層のレジスト感度を低感度化する。
これにより、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を高い温度に設定することで、レジストパターン形成におけるレジスト層のレジスト感度を高い状態に設定するか、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を低い温度に設定することで、レジストパターン形成におけるレジスト層のレジスト感度を低い状態に設定すること、さらに、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を中程の温度に設定することで、レジストパターン形成におけるレジスト層のレジスト感度を中程の状態に設定すること、を適宜選択して設定することが可能となる。
また、本発明のマスクブランクスの製造方法は、前記アミン除去工程におけるベーク処理時間を10〜15分とする。
これにより、アミン除去工程におけるベーク処理温度を上昇させてレジスト層のレジスト感度を高感度化し、ベーク処理温度を下降させてレジスト層のレジスト感度を低感度化する際に、ベーク処理時間を長くすることでレジスト層のレジスト感度を高感度化し、また、ベーク処理時間を短くすることでレジスト層のレジスト感度を低感度化することが可能となる。
しかも、アミン除去工程におけるベーク処理温度とベーク処理時間とを、組み合わせて、レジスト層のレジスト感度を設定することが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記アミン除去工程におけるベーク処理雰囲気を常圧大気雰囲気とする。
これにより、マスク層表面におけるアミンの除去状態を所定の状態に設定することが可能となる。また、所定の光学特性から外れてしまうことを防止できる。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記レジスト形成工程によって前記レジスト層の積層された前記透明基板を加熱するプリベーク工程を備え、
前記プリベーク工程におけるプリベーク温度に対する前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度の比が、0.83(120/145)〜2.07(300/145))の範囲とされる。
これにより、化学増幅のレジストによって規定されるプリベーク工程におけるプリベーク温度に対して、アミン除去工程におけるベーク処理温度を所定の範囲に設定して、アミン除去をおこない、レジスト層におけるパターン形成時のレジスト感度を所望の状態に設定することが可能となる。
本発明のマスクブランクスの製造方法においては、前記プリベーク工程におけるプリベーク時間に対する前記アミン除去工程におけるベーク処理時間の比が、0.67(10/15)〜1.00(15/15)の範囲とされる。
これにより、化学増幅のレジストによって規定されるプリベーク工程におけるプリベーク温度に対して、アミン除去工程におけるベーク処理温度を所定の範囲に設定して、アミン除去工程におけるベーク処理温度を上昇させてレジスト層のレジスト感度を高感度化し、ベーク処理温度を下降させてレジスト層のレジスト感度を低感度化する際に、ベーク処理時間を長くすることでレジスト層のレジスト感度を高感度化し、また、ベーク処理時間を短くすることでレジスト層のレジスト感度を低感度化することが可能となる。
しかも、プリベーク温度に対して、アミン除去工程におけるベーク処理温度とベーク処理時間とを、組み合わせて、レジスト層のレジスト感度を設定することが可能となる。
本発明のマスクブランクスにおいては、上記のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
前記マスク層表面のアミンが、前記アミン除去工程前に比べて0.82(1.39/1.7)以下である。
これにより、アミンの除去されたマスク層表面を有し、レジスト感度を所望の状態とすることが可能なマスクブランクスを提供することが可能となる。
本発明のマスクブランクスにおいては、上記のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
前記マスク層表面のアミンが、アミン量1.39×10−2(規格値)以下である。
これにより、アミンの除去されたマスク層表面を有し、レジスト感度を所望の状態とすることが可能なマスクブランクスを提供することが可能となる。
本発明のフォトマスクにおいては、上記のマスクブランクスから製造されることができる。
本発明によれば、マスク層表面におけるアミンを除去して、レジスト感度をコントロールそし、化学増幅型レジスト層を形成したマスクブランクスにおいて、裾引きの発生を抑制し、正確な形状のパターニングが可能なマスクブランクスを提供可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの製造方法の第1実施形態におけるベーク装置を示す模式図である。 本発明に係るマスクブランクスの第1実施形態を用いたフォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。 本発明に係るマスクブランクスの第1実施形態を用いたフォトマスクの製造方法を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの第1実施形態を用いたフォトマスクの製造方法を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの第1実施形態を用いたフォトマスクの製造方法を示す断面工程図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。 本発明に係るマスクブランクスの実施例を示す図である。
以下、本発明に係るマスクブランクス、位相シフトマスクおよびその製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるマスクブランクスの製造方法を示すフローチャートであり、図2〜図7は、本実施形態におけるマスクブランクスの製造工程を示す断面工程図であり、図において、符号10A〜10Dは、マスクブランクスである。
本実施形態に係るマスクブランクス10Dは、露光処理の活性線として電子ビームやKrFレーザーやArFレーザーが使用される位相シフトマスク(フォトマスク)に供されるものが例示される。
本実施形態に係るマスクブランクス10Dは公知のものが採用され、例えば図7に示すように、ガラス基板(透明基板)11と、このガラス基板11上に形成されて所定の光学特性を有するマスク層12,13と、マスク層12,13上に形成されたレジスト層15と、で構成される。
マスク層12,13は、フォトマスクとして必要な光学特性として成膜されている。マスク層12,13は、透過率、消衰係数、反射率、膜厚、材質、含有物質、組成比等が所定の値に設定されている。マスク層12,13は、例えば、位相シフト層12、反射防止層13等を積層した構成を有することができる。この場合、マスク層12,13は、ガラス基板11上に形成された位相シフト層12と、位相シフト層12上に形成された反射防止層13と、を有することができる。反射防止層13は、位相シフト層12よりもガラス基板11から離間する位置に設けてもよい。
本実施形態に係るマスクブランクス10D、マスク層12,13に対して、図7に示すように、あらかじめレジスト層(フォトレジスト層)15が成膜された構成とすることもできる。
なお、本実施形態に係るマスクブランクス10Dは、マスク層12,13として位相シフト層、反射防止層、密着層、耐薬層、保護層、遮光層、エッチングストッパー層、等から選択された一層または多層を、所定の順番で積層した構成とされてもよい。積層膜あるいは積層順はフォトマスクとしての光学特性および用途によって、設定することができる。さらに、これらの積層膜の上に、図7に示すように、フォトレジスト層15が形成されていてもよい。
本実施形態におけるマスクブランクスの製造方法は、図1に示すように、基板準備工程S11と、成膜工程S12と、アミン除去工程S13と、レジスト形成工程S14と、プリベーク工程S15と、を有する。
図1に示す基板準備工程S11においては、図2に示すように、例えば、所定の寸法を有する石英ガラス製のガラス基板(透明基板)11を準備する。
基板準備工程S11においては、透明性および光学的等方性に優れたガラス基板(透明基板)11に対して、研磨、HF洗浄等の表面処理をおこなうことができる。
図1に示す成膜工程S12においては、ガラス基板(透明基板)11にマスク層12,13を成膜する。マスク層12,13が多層膜である場合には、積層順に従って順番に成膜する。
成膜工程S12によって、マスク層12,13が形成されたマスクブランクス10Aには、図4に示すように、搬送等の工程において雰囲気中に含まれる、エアボーンアミン(空中に浮遊しているアンモニア分子を含む配位化合物)などのアミンAmがマスク層12,13の表面に付着している。
図1に示すアミン除去工程S13においては、マスク層12,13の成膜されたマスクブランクス10Aに対して、表面に付着したアミンAmを除去するために、ベーク処理をおこなう。
図8は、本実施形態におけるマスクブランクスのベーク装置を示す模式図である。
本実施形態におけるアミン除去工程S13において、マスクブランクス10Aに対するアミンAm除去は、図8に示すベーク装置により処理される。
図8に示すベーク装置120は、加熱処理可能なベーク室121を有するものとされる。
ベーク室121には、外部から搬入されたマスクブランクス10Aを載置して加熱するホットプレート121aが設けられる。なお、ベーク室121内を所定の雰囲気にする雰囲気調整機構121fが設けられていてもよい。さらに、ベーク室121には、ホットプレート121a以外の加熱手段が設けられていてもよい。ベーク室121は、密閉機構127を介して外部に接続されていてもよい。
図8に示すベーク装置120においては、マスク層12,13の成膜されたマスクブランクス10Aをベーク室121に搬入する。ベーク室121ではマスクブランクス10Aをホットプレート121a上に載置する。そして、ベーク室121を所定の雰囲気状態とし、載置したマスクブランクス10Aに対して、ホットプレート121aによって加熱処理をおこなう。これにより、マスク層12,13表面のアミンAmを除去してマスクブランクス10Bとする。その後、ベーク室121からベーク処理の終了したマスクブランクス10Bを外部に搬出する。
ここで、本実施形態におけるアミン除去工程S13では、ベーク処理温度が、120℃〜300℃、好ましくは120℃〜210℃の範囲に設定され、ベーク処理時間が、10〜15分の範囲に設定され、ベーク処理雰囲気が、例えば常圧の大気雰囲気に設定される。
ここで、プリベーク工程S15のプリベークに対して、このアミン除去工程S13におけるアミン除去ベークは、次のように設定される。
ベーク処理温度を上昇させてレジスト層のレジスト感度を高感度化し、ベーク処理温度を下降させてレジスト層のレジスト感度を低感度化する。同時に、ベーク処理時間を長くすることでレジスト層のレジスト感度を高感度化し、また、ベーク処理時間を短くすることでレジスト層のレジスト感度を低感度化する。さらに、ベーク処理雰囲気を酸素含有雰囲気、例えば常圧の大気雰囲気とする。
このように、アミン除去工程S13におけるアミン除去ベークにおいて、レジスト感度、および、レジストパターン形成後のレジスト断面形状(レジストフッティング)を所望の状態に制御して、裾引き(レジスト残渣)の発生を抑制可能なように、ベーク処理温度、ベーク処理温度等のベーク処理条件を調整する。
また、本実施形態におけるアミン除去工程S13では、プリベーク工程S15におけるプリベーク温度に対するベーク処理温度の比が、0.83(120/145)〜2.07(300/145)、好ましくは0.83(120/145)〜1.45(210/145)の範囲とされる。
アミン除去工程S13によって処理されたマスク層表面のアミンAmは、アミン除去工程S13前に比べて、0.82(1.39/1.7)以下とする。
またアミン除去工程S13によって処理されたマスク層12,13表面のアミンAmは、アミン量1.39×10−2(規格値)以下であることができる。
このように、アミン除去工程S13によって、図5に示すように、マスク層12,13の表面に付着していたアミンAmを除去したマスクブランクス10Bとする。
図1に示すレジスト形成工程S14においては、アミンAmを除去したマスクブランクス10Bの最外面上にレジスト層15を形成し、図6に示すように、マスクブランクス10Cとする。レジスト層15は、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。レジスト層15としては、いわゆるクロム系材料へのエッチングや、モリブデンシリサイド系材料へのエッチングに対応可能なものとされる。レジスト層15としては、液状レジストを用いることができる。
レジスト液は、化学増幅型のレジストとされてよい。
ここで、化学増幅型のレジストとしては、特に限定されないが、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤などからなる化学増幅型レジストなどを用いることができる。あるいは、ポリマー(Polymer)とPAG(Photo Acid Generator)とクエンチャー(Quencher)とを含む複数の構成物質から成る化学増幅型レジストとすることや、1−メトキシー2−プロパノールアセタート、1−メトキシー2−プロパノール、ポリスチレン樹脂誘導体、光酸発生剤、ピリジン、等を含有するものを採用することができる。
本実施形態におけるレジスト形成工程S14において、マスクブランクス10Bに対するレジスト層15の塗布は、公知のスピンコーターやCAPコーターなどの塗布装置により処理される。
図1に示すプリベーク工程S15においては、レジスト層15の塗布されたマスクブランクス10Cを加熱処理する。
本実施形態におけるプリベーク工程S15において、マスクブランクス10Cに対するプリベーク処理は、図8に示すベーク装置120により処理される。なお、図8に示すベーク装置120とは異なる装置によって処理することも可能である。
プリベーク工程S15においては、レジスト形成工程S14で塗布された化学増幅型レジストのレジスト感度を決めるプロセス因子として、プリベーク温度およびプリベーク時間を設定する。特に、プリベーク温度およびプリベーク時間を調整することで感度の微調整が可能である。
ここで、プリベーク温度を高くすると感度が高くなり、低くすると鈍くなる。また、プリベーク温度を高くするほど現像後のレジスト断面形状にフッティング(レジスト裾引き)、つまり、マスク層とレジスト層15との界面におけるレジスト残渣の発生が生じる。
そのため、レジスト感度・レジスト断面形状はトレードオフの関係にあることを考慮して、プリベーク温度およびプリベーク時間を設定する。
具体的には、化学増幅型レジストの特性に応じた条件として、例えば、アミン除去工程S13におけるベーク処理温度に対するプリベーク温度の比が、0.83(120/145)〜2.07(300/145)の範囲となるように設定される。
このように、レジスト層15から余分な溶剤等を飛ばすベークをおこなって、図7に示すように、マスクブランクス10Dが製造される。
なお、マスクブランクスの製造方法においては、マスク層として、位相シフト層、反射防止層、密着層、保護層、遮光層、耐薬層、エッチングストッパー層、等を積層する場合には、レジスト層15の形成前に、これらの積層工程を有することができる。
図9は、本実施形態におけるマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法を示すフローチャートであり、図10〜図12は、本実施形態におけるマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造工程を示す断面工程図である。
本実施形態における位相シフトマスク(フォトマスク)10は、図12に示すように、積層されたマスク層12,13とレジスト層15とを有するマスクブランクス10Dから、露光パターン12P,13Pを形成したものとされる。
以下、本実施形態のマスクブランクス10Dから位相シフトマスク10を製造する製造方法について説明する。
本実施形態におけるマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法は、図9に示すように、レジストパターン形成工程S21と、マスクパターン形成工程S22と、を有する。
図9に示すレジストパターン形成工程S21において、図10に示すように、レジスト層15を露光及び現像することで、マスク層12,13よりも外側にレジストパターン15Pが形成される。レジストパターン15Pは、マスク層12,13のエッチングマスクとして機能する。
レジストパターン形成工程S21は、化学増幅型のレジスト層15に対して、選択的に露光処理し、潜像を形成させる。この露光処理は、活性線を照射することによっておこなうことができる。
ここで、露光処理の活性線は、電子ビーム、KrFレーザー、ArFレーザー等を採用することができる。
次に、光照射により潜像を形成させたレジスト層15をPEB処理する。このPEB処理は、通常70〜150℃程度の温度で30秒ないし150秒間おこなわれる。
次に、現像処理として、露光後加熱したレジスト層15をリソグラフィー用現像液と接触させ潜像としてのレジストパターン15Pを顕出させる。
レジストパターン15Pは、マスク層12,13とのエッチングパターンに応じて適宜形状が定められる。一例として、位相シフト領域においては、形成する位相シフトパターンの開口幅寸法に対応した開口幅を有する形状に設定される。
ここで、アミン除去工程S13およびプリベーク工程S15における条件設定により、レジストパターン15Pは、断面形状が所定の状態となるように形成される。また、裾引きの発生が抑制される。
本実施形態においては、レジストパターン形成工程S21後に、裾引き等の除去処理工程をおこなわないこともできる。したがって、この裾引き等の除去工程によって、レジストパターン15Pの形状、あるいは、表面状態に悪影響を与えることを抑制できる。
次いで、公知のマスクパターン形成工程S22によって、図11に示すように、所定のマスクパターンを形成する。
マスクパターン形成工程S22終了後に、レジストパターン15Pを除去する。
以上により、露光パターン12P,13Pとしての反射防止パターン13Pおよび位相シフトパターン12Pを有する位相シフトマスク10が、図12に示すように得られる。
なお、マスク層12,13より形成される露光パターン12P,13Pは、フォトマスク10の用途等によって、図11に示す構成とは異なるものとすることもできる。
本実施形態のマスクブランクスにおいては、アミン除去工程S13によって処理されたマスク層表面のアミンAmが、アミン除去工程S13前に比べて、0.82(1.39/1.7)以下とすることができる。このようにマスク層表面のアミンAmを除去して、化学増幅型のレジスト層15にレジストパターンを形成する際に、酸を触媒としてレジストの溶解性を変化させるアミンAmのレジスト層15に対する影響を防止することが可能となる。これにより、形成されたレジストパターン15Pにおける断面形状、線幅等の制御性を向上して、より高精細なレジストパターン15P形成を可能とすることができる。
同時に、レジストパターン15P形成において、レジストを除去する領域である除去領域のパターン境界付近で、レジスト残渣が発生する裾引きと呼ばれるという状態の発生を防止することができる。これにより、レジストパターン15P形成後にレジスト残渣を除去する工程における処理時間を短くするか、あるいは、処理強度を弱くして、レジストパターン15Pに対する悪影響を防止することが可能となる。
本実施形態のマスクブランクスの製造方法は、アミン除去工程S13におけるベーク処理温度を設定することで、レジスト層15におけるレジスト感度を制御することができる。
これにより、アミン除去工程S13におけるベーク処理温を上記の範囲から選択して所定の値に設定することで、マスク層表面におけるアミンAmの除去状態を所定の状態に設定することが可能となる。
具体的には、アミン除去工程S13におけるベーク処理温度を上昇させることで、アミンAmの除去量を増加し、ベーク処理温度を下降させることで、アミンAmの除去量を低下することができる。
したがって、レジスト層15におけるレジストパターン15P形成におけるレジスト感度に影響するアミンAmの量を制御することが可能となり、ベーク処理温度によって、レジスト感度の高低を制御することが可能となる。
さらに、本実施形態のマスクブランクスの製造方法は、アミン除去工程S13におけるベーク処理温度を上昇させることで、レジストパターン15P形成におけるレジスト感度を高感度化し、ベーク処理温度を下降させることで、レジストパターン15P形成におけるレジスト感度を低感度化することができる。
これにより、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を高い温度に設定することで、レジストパターン15P形成におけるレジスト感度を高い状態に設定するか、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を低い温度に設定することで、レジストパターン15P形成におけるレジスト感度を低い状態に設定すること、さらに、設定した範囲内のうちでベーク処理温度を中程の温度に設定することで、レジストパターン15P形成におけるレジスト感度を中程の状態に設定すること、を適宜選択して設定することが可能となる。
本実施形態においては、位相シフトマスク10を製造するマスクブランクスとして説明したが、バイナリーマスク、あるいは、ハーフトーンマスクとすることもできる。
また、本実施形態においては、アミン除去工程S13をベーク処理としたが、薬液による処理とすることもできる。この場合、マスク層に対する影響を低減するか除去することが重要である。
さらに、上記の実施形態における各構成を個別にあるいは組み合わせて、用いることもできる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
なお、本発明におけるマスクブランクスの具体例として、裾引き確認試験について説明する。
<実験例1>
成膜工程S12として、ガラス基板上に、スパッタリング法により、位相シフト層たるMo系の膜を90nm程度の厚さで成膜し、遮光層たるクロム主成分の層で構成される膜を105nm程度の厚さで成膜して、マスク層12,13を有するマスクブランクス10Aを得た。
次いで、アミン除去工程S13として、ベーク処理温度を120℃、ベーク処理時間を10min、ベーク処理雰囲気を常圧大気雰囲気として、ベーク処理をおこなった。
次いで、レジスト形成工程S14として、表面にレジスト層15を形成してマスクブランクス10Dとした。これを実験例1とした。
レジスト液に含まれるレジストおよび溶剤は、下記のものを用いた。
レジスト:ポジ型化学増幅型レジストFEP171(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)
溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルアセテート)とPGME(プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル)の混合溶剤
さらに、プリベーク工程S15として、プリベーク温度を145℃、プリベーク時間を15min、ベーク処理雰囲気を常圧大気雰囲気として、ベーク処理をおこなった。
レジストパターン形成工程S21として、電子ビーム描画で露光し、現像によってレジストパターン15Pを形成した。
<実験例2>
実験例1と同様に、マスクブランクス10Aを製造するとともに、アミン除去工程S13としてのベーク処理をおこなわないで、レジスト形成工程S14として、表面にレジスト層15を形成してマスクブランクス10Dとした。これを実験例2とした。
<実験例3>
実験例1と同様に、マスクブランクス10Aを製造し、レジスト層15を形成して、レジストパターン15Pを形成した。このとき、アミン除去工程S13として、ベーク処理温度を170℃とした。これを実験例3とした。
<実験例4>
実験例1と同様に、マスクブランクス10Aを製造し、レジスト層15を形成して、レジストパターン15Pを形成した。このとき、アミン除去工程S13として、ベーク処理温度を210℃とした。これを実験例4とした。
<アミン汚染状況確認(TOF−SIMS)>
実験例1〜4において、アミン除去工程S13でのベーク処理の前後における基板表面のアミン汚染状況をTOF−SIMS分析によって調べた。
ここで、TOF−SIMS分析は、検出ピーク強度をCrのピークで規格化し、その数値を比較した。
なお、TOF−SIMS分析における規格化による比較としては、検出ピーク強度を上記以外の任意のピークで規格化し、その数値を比較してもよい。
その結果を図13に示す。なお、図において実験例2は、ベーク処理をおこなっていない。
この結果から、ベーク処理をおこなった後のほうが、アンモニアイオン量が少なく、かつ、ベーク処理温度が高いほうがよりアンモニアイオン量が少ないことがわかる。
また、アミン除去工程S13をおこなうことで、アミン除去工程S13としてのベーク処理前に比べて、アミン量を0.82(1.39/1.7)以下とすることができることがわかる。
また、この結果から、アミン除去工程S13によって処理されたマスク層12,13表面のアミンAmは、アミン量1.39×10−2(規格値)以下にできることがわかった。
<裾引き確認>
実験例1〜43において、裾引き発生の状態を確認した。
実験例1におけるレジストパターン15Pの断面をSEMにより観察した。
その結果を図14および図15に示す。なお、図15は、図14の拡大図である
実験例3におけるレジストパターン15Pの断面をSEMにより観察した。
その結果を図16および図17に示す。なお、図17は、図16の拡大図である
実験例4におけるレジストパターン15Pの断面をSEMにより観察した。
その結果を図18および図19に示す。なお、図19は、図18の拡大図である
これらの図14から図19に示す結果から、ベーク処理温度を高くすることで、パターン断面の裾引きが小さくなっていくことがわかる。また、レジスト抜きパターン部のレジスト残さが少ないことがわかる。
この結果から、図20に示すように、マスクブランクス表面にアミン成分(アンモニアイオン)が残留していることで、レジスト断面形状・レジスト感度に影響を及ぼすことがわかる。
さらに、アミン除去工程S13のベーク処理温度調整により、マスクブランクス表面のアミン量をコントロールできると考えられる。アミン除去工程S13のベーク処理温度を、120〜210℃の範囲に設定することで、マスクブランクス表面のアミン量を調整し、所望のレジスト感度・断面形状を得ることができることがわかった。
つまり、化学増幅型レジストのレジスト感度を決めるプロセス因子として、塗布後のベーク(プリベーク)温度・時間が影響するためプリベーク温度・時間を調整することで感度の微調整が可能である。プリベーク温度を高くすると感度が高くなり、低くすると鈍くなる。しかし、プリベーク温度を高くするほど現像後のレジスト断面形状にフッティング(レジスト裾引き)、つまり、マスク層とレジスト層との界面にレジスト残渣が発生する。そのため、プリベーク温度によるレジスト感度とレジスト断面形状とは、トレードオフの関係にある。
プリベーク温度の上昇:高感度化−レジストフッティングによる断面形状悪化。
プリベーク温度の低下:低感度化−断面形状改善。
本願発明者らは、ベーク処理温度を変化させることで、この問題を解決できることを見出した。
本実施例において、プリベーク温度を一定とし、ベーク処理温度を120℃、170℃、210℃の3水準で変更して、このレジスト感度評価、レジスト断面形状評価を行った。
その結果、ベーク処理温度が高くなるにつれレジスト感度が高くなることが確認できた。また、レジスト断面形状はベーク処理温度が高くなるにつれフッティング(レジスト裾引き)が小さくなり、レジスト残さも少なくなりレジスト断面形状がきれいになった。
本実施例により、ベーク処理温度の調整によって、レジスト感度・レジスト断面形状(レジストフッティング)に差が出ることが分かった。
ベーク処理温度上昇:高感度化−断面形状改善。
ベーク処理温度低下:低感度化−レジストフッティングによる断面形状悪化。
なお、レジスト感度の高感度化により、断面形状の改善以外にも、マスク作製プロセスにおけるCD−MTTのコントロールが可能となるという効果を挙げることができる。
さらに、レジスト感度の低感度化により、レジストフッティングによる断面形状の悪化はあるものの、レジスト感度の高感度化同様にCD−MTTのコントロールが可能となるという効果を挙げることができる。
このように、本発明では、ベーク温度を調節することでレジスト感度を調整できる、という効果を奏することができる。ここで、レジスト感度はマスク作製プロセス、パターンレイアウトで要求される値が変わってくるため、レジスト感度を高感度化のみならず低感度化できることも重要なメリットである。
また、アミン除去工程S13の効果を確認するため、マスクブランクス表面のTOF−SIMS分析を行った。その結果、ベーク処理温度を高くすることでマスクブランクス表面上のNH が減少していることがわかった。NHなどアミン類は、化学増幅型レジストの感度悪化の原因となる。また、Cr膜表面にそれらがあることでCr−レジスト界面にレジスト残渣を生成することがわかった。
10…位相シフトマスク(フォトマスク)
10A〜10D…マスクブランクス
11…ガラス基板(透明基板)
12,13…マスク層
12P,13P…露光パターン
15…レジスト層(フォトレジスト層)
15P…レジストパターン
120…ベーク装置
Am…アミン
S11…基板準備工程
S12…成膜工程
S13…アミン除去工程
S14…レジスト形成工程
S15…プリベーク工程
S21…レジストパターン形成工程
S22…マスクパターン形成工程

Claims (13)

  1. 透明基板に積層されたマスク層と、化学増幅型のレジスト層とを備えたマスクブランクスの製造方法であって、
    前記透明基板の上に所定の光学特性を有する前記マスク層を形成する成膜工程と、
    前記透明基板に形成された前記マスク層表面のアミンを除去するアミン除去工程と、
    前記アミン除去工程によってアミンの除去された前記マスク層に前記レジスト層を積層するレジスト形成工程と、
    を備える、
    ことを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
  2. 前記アミン除去工程において、前記マスク層表面のアミンを、前記アミン除去工程前に比べて0.82以下とする
    ことを特徴とする請求項1記載のマスクブランクスの製造方法。
  3. 前記アミン除去工程が、ベーク処理である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクスの製造方法。
  4. 前記アミン除去工程におけるベーク処理温度が、120℃〜300℃とされる
    ことを特徴とする請求項3記載のマスクブランクスの製造方法。
  5. 前記アミン除去工程におけるベーク処理温度を設定することで、前記レジスト層のレジスト感度を制御する
    ことを特徴とする請求項3または4記載のマスクブランクスの製造方法。
  6. 前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を上昇させることで、前記レジスト層のレジスト感度を高感度化し、
    前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度を下降させることで、前記レジスト層のレジスト感度を低感度化する
    ことを特徴とする請求項5記載のマスクブランクスの製造方法。
  7. 前記アミン除去工程におけるベーク処理時間を10〜15分とする
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法。
  8. 前記アミン除去工程におけるベーク処理雰囲気を常圧大気雰囲気とする
    ことを特徴とする請求項3から7のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法。
  9. 前記レジスト形成工程によって前記レジスト層の積層された前記透明基板を加熱するプリベーク工程を備え、
    前記プリベーク工程におけるプリベーク温度に対する前記アミン除去工程における前記ベーク処理温度の比が、0.83〜2.07の範囲とされる
    ことを特徴とする請求項4から8のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法。
  10. 前記プリベーク工程におけるプリベーク時間に対する前記アミン除去工程におけるベーク処理時間の比が、0.67〜1.00の範囲とされる
    ことを特徴とする請求項9記載のマスクブランクスの製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
    前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
    前記マスク層表面のアミンが、前記アミン除去工程前に比べて0.82以下である
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  12. 請求項1から10のいずれか記載のマスクブランクスの製造方法によって製造され、
    前記透明基板と前記マスク層と前記レジスト層とを備え、
    前記マスク層表面のアミンが、アミン量1.39×10−2(規格値)以下である
    ことを特徴とするマスクブランクス。
  13. 請求項11または12記載のマスクブランクスから製造される
    ことを特徴とするフォトマスク。
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