JP2004006337A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産収率が向上された高解像度・高開口率構造アクティブマトリックス型有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】アレー素子120と有機電界発光ダイオード素子Eを相異なる基板110,130に構成して、各基板に対する検査工程を経た後、アレー素子と有機電界発光ダイオード素子を伝導性物質層114で連結する構造として制作する。このために、製品不良率が低減し、アレー素子の薄膜トランジスタ設計に影響を受けることなく開口率を向上させることができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に係り、特に上部発光方式のアクティブマトリックス型有機電界発光素子に関する。
【0002】
新しい平板ディスプレー素子のうちの一つである有機電界発光素子は、自己発光型であるために、液晶表示装置に比べて視野角、コントラストなどが優秀でバックライトが要らないために軽量薄形が可能であって、消費電力側面でも有利である。そして、直流低電圧駆動が可能であって応答速度が速くて、全部固体であるために外部衝撃に強くて、使用温度範囲も広くて、特に製造費用側面でも低廉な長所を有している。
【0003】
特に、前記有機電界発光素子の製造工程には、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)と異なり蒸着装置及びカプセル封止装置が製造設備の殆ど全部ということができるために、工程が非常に単純である。
【0004】
【関連技術】
これまで、このような有機電界発光素子の駆動方式として別途のスイッチング素子を備えないパッシブマトリックス型が主に利用されていた。しかし、前記パッシブマトリックス方式においては走査線と信号線が交差しながらマトリックス状で素子を構成しており、各々のピクセルを駆動するために走査線を時間によって順次に駆動するので、要求される平均輝度を示すためには平均輝度にライン数を乗じただけの瞬間輝度を出さなければならない。
【0005】
しかし、アクティブマトリックス方式においては、ピクセルをオン/オフするスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が、画面が具現される最小単位領域に定義されるサブピクセル別に配置してあり、この薄膜トランジスタと連結された第1電極はサブピクセル単位でオン/オフされて、この第1電極と対向する第2電極は共通電極になる。前記アクティブマトリックス方式においてはピクセルに印加された電圧がストレージキャパシタに充電されていて、その次のフレーム信号が印加される時まで電源を印加することによって走査線数に関係なく1画面期間中引続き駆動する。したがってアクティブマトリックス方式によると低い電流を印加しても同一な輝度を示すので低消費電力、高精細、大型化が可能であるという長所を有する。
【0006】
以下、このようなアクティブマトリックス型有機電界発光素子の基本的な構造及び動作特性について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一般的なアクティブマトリックス型有機電界発光素子の基本ピクセル構造を示した回路図である。
【0007】
図示したように、第1方向に走査線GLが形成されていて、この第1方向と交差する第2方向に形成されて相互に一定間隔離隔された信号線DL及び電力供給ラインSLが形成されて一つのサブピクセル領域を定義する。前記走査線GLと信号線DLの交差地点にはアドレッシングエレメントであるスイッチング薄膜トランジスタT1が形成されていて、このスイッチング薄膜トランジスタT1及び電力供給ラインSLと連結されてストレージキャパシタCSTが形成されている。このストレージキャパシタCST及び電力供給ラインSLと連結されて電流源エレメントである駆動薄膜トランジスタT2が形成されていて、この駆動薄膜トランジスタT2と連結されて有機電界発光ダイオードDが構成されている。
【0008】
この有機電界発光ダイオードは、有機発光物質に順方向に電流を供給すれば、正孔提供層である陽極と電子提供層である陰極間のP−N接合部分を通して電子と正孔が移動しながら相互結合する。前記電子−正孔結合は前記電子と正孔が各々離れているときより小さいエネルギーを有するようになるので、電子と正孔が結合しながらエネルギーを発散するようになる。このとき発生するエネルギー差により光を放出する原理を利用するものである。すなわち、有機電界発光素子は電子と正孔の再結合により発生するエネルギーを利用して光を発散させるものである。
【0009】
前記有機電界発光素子は、有機電界発光ダイオードから発光された光の進行方向によって上部発光方式(top emission type)と下部発光方式(bottom emission type)に分けられる。
【0010】
図2は関連技術における下部発光方式有機電界発光素子についての概略的な断面図であって、赤、緑、青サブピクセルで構成される一つのピクセル領域を中心に図示した。
【0011】
図示したように、第1基板10及び第2基板30が相互に対向するように配置されていて、第1基板10、第2基板30の縁部はシールパターン40により封止されている。第1基板10の透明基板1上部にはサブピクセル別に薄膜トランジスタTが形成されていて、薄膜トランジスタTと連結されて第1電極12が形成されている。薄膜トランジスタT及び第1電極12上部には薄膜トランジスタTと連結されて第1電極12と対応するように配置される赤、緑、青カラーの発光物質を含む有機電界発光層14が形成されていて、有機電界発光層14上部には第2電極16が形成されている。前記第1電極12、第2電極16は有機電界発光層14に電界を印加する役割を有する。
【0012】
そして、前述したシールパターン40により第2電極16と第2基板30間は一定間隔離隔されており、図面に提示しなかったが、第2基板30の内部面には外部からの水分を遮断する吸湿剤及び該吸湿剤と第2基板30間の接着のための半透性テープが含まれる。
【0013】
一例として、下部発光方式構造において前記第1電極12を陽極として、第2電極16を陰極として構成する場合、第1電極12は透明導電性物質で構成し、第2電極16は仕事関数が低い金属物質で構成する。このような条件下で前記有機電界発光層14は第1電極12と接する層から正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14c、及び電子輸送層14dの順序とおり積層された構造をなす。このとき、前記発光層14cはサブピクセル別に赤、緑、青カラーを具現する発光物質が順序どおり配置された構造を有する。
【0014】
図3は、前記図2下部発光方式有機電界発光素子の一つのサブピクセル領域に対する拡大断面図である。
【0015】
図示したように、透明基板1上には半導体層62、ゲート電極68、ソース電極80及びドレイン電極82が順序どおり形成されて薄膜トランジスタ領域を形成しており、ソース電極80及びドレイン電極82には図示しなかった電源供給ラインから形成されたパワー電極72及び有機電界発光ダイオードEが各々連結されている。そして、前記パワー電極72に対応する下部には絶縁体が介在した状態で前記半導体層62と同一物質からなるキャパシタ電極64を配置して、これらが対応する領域はストレージキャパシタ領域をなす。前記有機電界発光ダイオードE以外の薄膜トランジスタ領域及びストレージキャパシタ領域に形成された素子はアレー素子Aをなす。
【0016】
前記有機電界発光ダイオードEは、有機電界発光層14が介在した状態で相互に対向した第1電極12及び第2電極16で構成される。前記有機電界発光ダイオードEは自己発光による光を外部に放出する発光領域に配置する。
【0017】
このように、既存の有機電界発光素子は、アレー素子Aと有機電界発光ダイオードEが同一基板上に積層された構造であることを特徴とした。
【0018】
図4は、これまでの有機電界発光素子の製造工程についての工程流れ図である。
【0019】
st1は、第1基板上にアレー素子を形成する段階である。前記第1基板は透明基板(図3の1)を指称するものであって、st1は第1基板上に走査線と、該走査線と交差して相互に一定間隔離隔される信号線及び電力供給線と、走査線及び信号線と交差する地点に形成されるスイッチング薄膜トランジスタ及び走査線及び電力供給線が交差する地点に形成される駆動薄膜トランジスタを含むアレー素子を形成する段階を含む。
【0020】
st2は、有機電界発光ダイオードの第1構成要素である第1電極を形成する段階である。第1電極は駆動薄膜トランジスタと連結されてサブピクセル別にパターン化される。
【0021】
st3は、前記第1電極上部に有機電界発光ダイオードの第2構成要素である有機電界発光層を形成する段階である。前記第1電極を陽極として構成する場合に、前記有機電界発光層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順で積層構成されうる。もしも第1電極が陰極である場合にはこのような積層順序は逆にすることができる。
【0022】
st4では前記有機電界発光層上部に有機電界発光ダイオードの第3構成要素である第2電極が形成される。前記第2電極は共通電極として基板全面に形成される。
【0023】
st5では、もう一方の基板である第2基板を利用して第1基板をカプセル封止する段階である。この段階では第1基板の外部衝撃から保護して外気流入による有機電界発光層の損傷を防止するために、第1基板の外郭を第2基板でカプセル封止するのに、前記第2基板の内部面には吸湿剤を含ませることができる。
【0024】
このように、既存の下部発光方式有機電界発光素子は、アレー素子及び有機電界発光ダイオードが形成された基板と別途のカプセル封止用基板の合着を通して素子を製作した。このような場合、アレー素子の収率と有機電界発光ダイオードの収率の積が有機電界発光素子の収率を決定するために、既存の有機電界発光素子構造では後半工程に該当する有機電界発光ダイオード工程により全体工程収率が大幅に制限される問題点があった。例えば、アレー素子が良好に形成されたとしても、1000Å程度の薄膜を用いる有機電界発光層の形成時に異物やその他ほかの要素により不良が発生するようになれば、有機電界発光素子は不良等級と判定される。これによって、良品のアレー素子を製造するのに要した諸般経費及び材料費の損失が招来されて、生産収率が低下する問題点があった。
【0025】
そして、下部発光方式は、カプセル封止による安全性及び工程の自由度が高い反面開口率の制限があって高解像度製品に適用し難い問題点がある。すなわち、前でも説明したように、第1基板には走査線及び信号線のような金属ラインと薄膜トランジスタが形成されているので、有機電界発光ダイオードから発生した光が遮断される場合が発生する。これに反し、上部発光方式は薄膜トランジスタ設計が容易であって開口率向上が可能であるために製品寿命側面で有利である。しかし、既存の上部発光方式構造においては有機電界発光層上部に通常的に陰極を配置することによって材料選択幅が狭まって、この制限的に選択された材料のために透過度が制限されて光効率が低下する問題点が発生する。光透過度の低下を最小化するために薄膜型保護膜を構成しなければならない場合も発生するので、このときは外気を十分に遮断できない問題点がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題点を解決するために、本発明では生産収率が向上された高解像度/高開口率構造アクティブマトリックス型有機電界発光素子を提供することを目的にする。
【0027】
このために、本発明ではアレー素子と有機電界発光ダイオードを相異なる基板に構成して各基板に対する検査工程を経て製品不良率を減らすようにして、このような構造下でアレー素子の薄膜トランジスタ設計に影響を受けなくて開口率を向上させることができる上部発光方式アクティブマトリックス型有機電界発光素子を提案する。
【0028】
さらに詳細に説明すれば、本発明ではアレー素子と有機電界発光ダイオード素子を相異なる基板に構成して、アレー素子と有機電界発光ダイオード素子を伝導性物質層で連結する構造として製作する。そして、伝導性物質層と有機電界発光ダイオードとの電気的連結時の合着圧力により有機電界発光ダイオード素子が損傷されることを防止するために、伝導性スペーサの第2電極と接触面の形状または伝導性スペーサ及び第2電極の積層構造を多様に変更させることができる。
【0029】
一例として、前記伝導性スペーサは、単一層または少なくとも二重層以上の多重層で構成することができ、前記第2電極には伝導性スペーサとの合着力を減らすために別途のバッファ電極を含むことができる。
【0030】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1特徴では、画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを有するアレー素子と;前記第2基板内部面に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;前記第1電極下部でサブピクセル単位境界部に配置された、絶縁物質からなる隔壁と;前記隔壁内サブピクセル単位で形成された有機電界発光層及び有機電界発光ダイオード素子用第2電極と;前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間でサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含む有機電界発光素子を提供する。
【0031】
本発明の第2特徴では、画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを含むアレー素子と;前記第2基板内部面に配置された、短波長を利用して赤、緑、青三原色を具現する色発光部と;前記色発光部下部に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;前記第1電極下部でサブピクセル単位境界部に配置する絶縁物質からなる隔壁と;前記隔壁内サブピクセル単位で順序どおり形成された短波長発光層を有する有機電界発光層及び有機電界発光ダイオード素子用第2電極と;前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間にサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含む有機電界発光素子を提供する。
【0032】
そして、本発明の第3特徴では、画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを含むアレー素子と;前記第2基板内部面に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;前記第1電極下部に配置する有機電界発光層と;前記有機電界発光層下部でシャドウマスクによりサブピクセル単位でパターン化された第2電極と;前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間にサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含む有機電界発光素子を提供する。
【0033】
本発明の第1ないし第3特徴による前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面は平らな面からなることを特徴とする。
【0034】
または、本発明の第1ないし第3特徴による前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面は凹凸部からなり、前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面はでこぼこしたエンボシングパターンからなることを特徴とする。
【0035】
そして、本発明の第1ないし第3特徴による前記伝導性スペーサは、サブピクセル単位で複数個形成され、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの断面は円形、楕円形のうちいずれか一つであることを特徴とする。
【0036】
前記薄膜トランジスタは、半導体層と、前記半導体層上の中央部に配置するゲート電極と、前記ゲート電極上部で半導体層の両側と各々連結されるソース電極及びドレイン電極からなり、前記ソース電極及びドレイン電極を覆う上部には前記ドレイン電極を一部露出させる第1ドレインコンタクトホールを有していて、上部面が凹凸部パターンでからなる第1伝導性スペーサ物質層と、前記第1伝導性スペーサ物質層上部で第1ドレインコンタクトホールと対応する位置において第2ドレインコンタクトホールを有する金属物質からなり第2伝導性スペーサ物質層からなる伝導性スペーサを含み、前記第1伝導性スペーサ物質層をなす物質は感光性高分子物質から選択されて、前記感光性高分子物質は、ポリアクリル酸エステル、ポリイミドのうちのいずれか一つに選択されることを特徴とする。
【0037】
そして、前記凹凸部パターンは、でこぼこしたエンボシングパターンであることを特徴とする。
【0038】
本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記第1電極は、正孔をキャリアとする陽極であって、前記第2電極は電子をキャリアとする陰極であり、前記有機電界発光層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が順序どおり積層された構造からなり、前記伝導性スペーサと接触する第2電極下部にはバッファ電極をさらに含むことを特徴とする。
【0039】
そして、本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記伝導性スペーサは、抵抗率値が低い金属物質から選択された第1伝導性スペーサ金属層と、前記第1伝導性スペーサ金属層上部に配置されており、前記第2電極と連結された、延性を有する金属物質から選択される第2伝導性スペーサ金属層からなり、前記バッファ電極はアルミニウムを含む金属物質から選択されて、スパッタリングを利用して形成された電極であり、多重層構造に構成されたことを特徴とする。
【0040】
本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記伝導性スペーサと接触する第2電極下部にはバッファ電極をさらに含み、前記伝導性スペーサは抵抗率値が低い金属物質から選択された第1伝導性スペーサ金属層と、前記第1伝導性スペーサ金属層上部に配置されていて、前記バッファ電極を通して第2電極と連結された、延性を有する金属物質から選択される第2伝導性スペーサ金属層からなり、前記バッファ電極はアルミニウムを含む金属物質から選択された、スパッタリングを利用して形成された電極であり、前記バッファ層は多重層構造からなることを特徴とする。
【0041】
本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記第1基板、第2基板の連結縁部にはシールパターンを配置する。
【0042】
そして、本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記伝導性スペーサは単一層、多重層のうちのいずれか一つの積層構造からなり、前記伝導性スペーサは第2電極と複数個の接触点タイプで連結されることを特徴とする。
【0043】
また、本発明の第1特徴ないし第3特徴による前記有機電界発光素子は、前記有機電界発光層を通して発光された光を第1電極の方に発光させることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による望ましい実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0045】
<実施例1>
図5は、本発明の実施例1による上部発光方式有機電界発光素子についての概略的な断面図であって、説明の便宜上一つのピクセル領域を中心に図示した。
【0046】
図示したように、相互に一定間隔離隔されるように第1基板110、第2基板130が配置されていて、第1基板110の透明基板100の内部面にはアレー素子120が形成されていて、第2基板130の透明基板100の内部面には有機電界発光ダイオード素子Eが形成されている。
【0047】
前記有機電界発光ダイオード素子Eには、共通電極として利用される第1電極132と、第1電極132下部でサブピクセル別境界部に配置する隔壁134と、該隔壁134内領域で有機電界発光層136及び第2電極138が順序どおりサブピクセル単位に分離されたパターンで形成されている。前記有機電界発光層136は第1キャリア伝達層136a、発光層136b、第2キャリア伝達層136cが順序どおり積層された構造からなり、前記第1、2キャリア伝達層136a、136cは発光層136bに電子または正孔を注入及び輸送する役割を有する。
【0048】
前記第1キャリア伝達層136a、2キャリア伝達層136cは、陽極及び陰極の配置構造によって定まるようになっている。一例として、前記発光層136bが高分子物質から選択されていて、第1電極132を陽極、第2電極138を陰極として構成する場合には、第1電極132と連接する第1キャリア伝達層136aは正孔注入層、正孔輸送層が順序どおり積層された構造からなり、第2電極138と連接する第2キャリア伝達層136cは電子注入層、電子輸送層が順序どおり積層された構造からなる。
【0049】
そして、前記アレー素子120は、薄膜トランジスタTを含む素子であって、前記有機電界発光ダイオード素子Eに電流を供給するために、サブピクセル単位で第2電極138と薄膜トランジスタTを連結する位置に柱状の伝導性スペーサ114を配置することを特徴とする。前記伝導性スペーサ114は一般的な液晶表示装置用スペーサと異なり、セルギャップ維持機能より二基板を電気的に連結させることを主目的にするものであって、二基板間の区間において柱状で一定高さを有する特性を有するので説明の便宜上スペーサと指称する。
【0050】
前記伝導性スペーサ114と薄膜トランジスタTの連結部位をさらに詳細に説明すれば、薄膜トランジスタTを覆う領域にドレイン電極112を一部露出させるドレインコンタクトホール122を有する保護層124が形成されていて、保護層124上部にはドレインコンタクトホール122を通してドレイン電極112と連結された伝導性スペーサ114を配置する。前記伝導性スペーサ114と実質的に連結される薄膜トランジスタTの電極はソース電極であるか、または別途の金属物質パターンで形成してもよい。前述した薄膜トランジスタTは、前記有機電界発光ダイオードEと連結される駆動用薄膜トランジスタに該当する。
【0051】
本発明において、前記伝導性スペーサ114は、伝導性物質から選択され、望ましくは延性を帯びて抵抗率値が少ない金属物質から選択されることが望ましくて、前記伝導性スペーサ114は第1基板110のアレー素子120の製造工程で形成されることが望ましい。
【0052】
そして、本発明では有機電界発光層134から発光された光を第2基板130の方に発光させる上部発光方式であることを特徴とする。
【0053】
これにより、前記第1電極132は、光透過性または半透過性を有する導電性物質から選択されることを特徴としており、前記第2電極136は不透明金属物質から選択されることが望ましい。また、前記第1基板110、第2基板130間の離隔空間Iは非活性気体または絶縁性液体で充填することができる。
【0054】
図面に提示していないが、前記アレー素子120は走査線と、該走査線と交差して相互に一定間隔離隔される信号線及び電力供給線と、走査線と信号線が交差する地点に配置するスイッチング薄膜トランジスタと、そして、ストレージキャパシタをさらに含む。
【0055】
本発明による有機電界発光素子では、アレー素子と有機電界発光ダイオード素子を相異なる基板上に構成するために、第一に既存のアレー素子と有機電界発光ダイオード素子を同一基板上に形成する場合と比較した場合、本発明による構造はアレー素子の収率に有機電界発光ダイオード素子が影響を受けない。それゆえ各素子の生産管理側面でも良好な特性を示すことができ、前述した条件下において上部発光方式で画面を具現するようになれば開口率を念頭に置かずに薄膜トランジスタを設計できるのでアレー工程効率を高めることができて、高開口率/高解像度製品を提供することができる。また、デュアルパネルタイプで有機電界発光ダイオード素子を形成するために、既存の上部発光方式より外気を効果的に遮断できて製品の安全性を高めることができる。
【0056】
また、これまでの下部発光方式製品で発生した薄膜トランジスタ設計の制限性においても、本発明では有機電界発光ダイオード素子が別途の基板に構成されることによって薄膜トランジスタ配置に対する自由度を十分に得ることができる。そして、有機電界発光ダイオード素子の第1電極を透明基板上に形成するために、既存のアレー素子上部に第1電極を形成する構造と比較してみる時、本発明による構造が第1電極に対する自由度を高めることができる長所を有する。
【0057】
そして、本発明による有機電界発光素子に適用される薄膜トランジスタは、図面のようなトップゲート型のほかにも多様な構造の薄膜トランジスタを適用することができる。
【0058】
図6は、本発明の実施例1による有機電界発光素子において第2電極と伝導性スペーサ間の接触部の配置構造を示した平面図である。
【0059】
図示したように、サブピクセル別境界部に隔壁134が形成されていて、該隔壁134内の領域に第2電極138が形成されており、該第2電極138と重畳される領域に伝導性スペーサ114が複数個形成されている。前記第2電極138と伝導性スペーサ114が連結された領域は接触部IIに定義することができる。前記伝導性スペーサ114は製造工程上厚さ偏差が発生する場合、一部サブピクセル領域で第2電極138と伝導性スペーサ114間に接触特性が落ちることがあるため、サブピクセル単位の接触部IIを複数個で構成することが望ましい。
【0060】
また、前記有機電界発光素子は、電流駆動素子であるために、第1基板、第2基板を、伝導性スペーサ114を通して連結するためには電気的接続抵抗が最小化されるべきであるが、第2電極138と伝導性スペーサ114が連結される接続部IIの抵抗が大きくなれば電流の自乗値及び抵抗値の倍に該当する熱が発生して有機電界発光素子の劣化を加速させるようになるので、前述した接続部IIは可能な限り広い面積で形成することが望ましい。接続部IIで伝導性スペーサ114がとがった角部を有するようになれば電流の集中現象により局部的な熱発生が起こるようになるので角部がない形状を有することが望ましくて、さらに望ましくは円形で形成することである。
【0061】
そして、第1基板、第2基板において伝導性スペーサ114は、サブピクセル単位の第2電極138の外郭部に配置されることが望ましい。なぜなら第1基板、第2基板の合着工程時に合着力により主要開口領域が損傷されることを防止するためである。
【0062】
<実施例2>
実施例2では前記実施例1のように、アレー素子と有機電界発光ダイオード素子を相異なる基板上に構成する。また、第2実施例は伝導性スペーサを通して有機電界発光ダイオード素子の第2電極とアレー素子の薄膜トランジスタを連結する構造において、第2電極と接触する伝導性スペーサの表面を凹凸部で構成して、有機電界発光ダイオードに加えられる合着力を分散させる実施例である。
【0063】
図7は、本発明の第2実施例による有機電界発光素子に対する断面図であって、前記実施例1と重複する部分に対する説明は簡略にする。
【0064】
図7に示したように、上部発光式有機電界発光素子には相互に一定間隔離隔された薄膜トランジスタTを含むアレー素子220が形成された第1基板210と、有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板230が配置されている。第1基板210、第2基板230間の区間にはサブピクセル単位で伝導性スペーサ214が形成されている構造である。前述した有機電界発光ダイオード素子Eは第1電極232と、第1電極232下部でサブピクセル別境界部に配置する隔壁234と、該サブピクセル単位隔壁234内領域に順序どおり形成された有機電界発光層236及び第2電極238からなる。前記アレー素子220は薄膜トランジスタTを含み、前述した伝導性スペーサ214はサブピクセル単位で薄膜トランジスタTと第2電極238を連結させることを特徴とする。特に第2電極238と接触する伝導性スペーサ214の表面は凹凸部パターンIIIを有することを主要な特徴とする。
【0065】
前記のように、前記第2電極238と接触する伝導性スペーサ214の表面を凹凸部パターンIIIで構成するによって、第2電極238は接触点状で伝導性スペーサ214と連結されるようになるのに、本実施例では第1基板210、第2基板230間の合着工程時に伝導性スペーサ214が第2電極238に加える合着力を分散させることができる長所を有する。
【0066】
前記伝導性スペーサ214の凹凸パターンIIIは、第一に感光性物質を利用してフォトエッチング工程を通して形成する方法で形成することができ、第二に凹凸パターンを有するシード(seed)及びコーティング膜を利用して形成する方法を用いることができ、第三に伝導性物質を利用して成形する方法等により構成することができる。このうち前述した第一、第二の方法と同じく別途の絶縁物質を利用してパターンを形成することが工程上最も容易であるので、実質的に前記伝導性スペーサ214は絶縁物質を含む多重層パターンで構成することが望ましい。
【0067】
図8は、本発明の第2実施例による有機電界発光素子の平面図であって、第2電極と伝導性スペーサ間に構成される接触部の配置構造を中心に図示した。
【0068】
図示したように、サブピクセル別境界部を囲む領域に隔壁234が形成されていて、該隔壁234内のサブピクセル領域に第2電極238が形成されており、該第2電極238と重畳される領域に伝導性スペーサ214が形成されている構造である。前記第2電極238と伝導性スペーサ214が重畳される領域で定義される接触部IVを構成するにおいて、本実施例では1接触部IVで複数個の接触点240を通して連結されていることを特徴とする。本実施例による伝導性スペーサ214の形状によると、伝導性スペーサ214と第2電極238間の合着力を分散させることができる。前記接触点240各々の形状は角部を有しないことが望ましく、さらに望ましくは円形とすることが望ましい。
【0069】
本実施例による構造は、有機電界発光ダイオードと薄膜トランジスタ間の安定した接触力及び合着力による有機電界発光ダイオードの損傷を最小化させることを主目的にする構造である。
【0070】
<実施例3>
実施例3は、アレー基板と有機電界発光ダイオード基板を、伝導性スペーサを利用して連結させるにおいて、有機電界発光ダイオード素子の第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面がでこぼこしたエンボシングパターンで構成されたことを特徴とする実施例である。
【0071】
図9は、本発明の第3実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、本発明の第3実施例による有機電界発光素子には薄膜トランジスタTを含むアレー素子320が形成された第1基板310と有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板が相互に対向するように配置されている。第1基板310、第2基板330間の区間にはサブピクセル単位で伝導性スペーサ314が介在していて、該伝導性スペーサ314によりアレー素子320の薄膜トランジスタTと有機電界発光ダイオード素子Eの第2電極338が電気的に連結される。
【0072】
本第3実施例は、前記実施例2で提示した伝導性スペーサの凹凸部パターンをさらに具体化したものであって、前記第2電極338と接触する伝導性スペーサ314の表面をでこぼこしたエンボシングパターンVで形成したことを特徴とする。前記エンボシングパターンVは第2電極338に加えられる圧力を最小化できるばかりでなく、第2電極338との接触点を増やすことができる長所を有する。
【0073】
図10は、本発明の第3実施例による伝導性スペーサのエンボシングパターン及び薄膜トランジスタの積層構造を詳細に示した断面図である。図示したように、第1基板310の透明基板300の内部面には多結晶シリコンからなる半導体層350及びキャパシタ電極352が各々形成されている。半導体層350の中央部にはゲート絶縁膜354及びゲート電極356が順序どおり形成されており、ゲート電極356を覆う基板全面には層間絶縁膜358が形成されている。層間絶縁膜358には半導体層350の両側を露出させる第1コンタクトホール360、第2コンタクトホール362が形成されている。層間絶縁膜358上部には第1コンタクトホール360、第2コンタクトホール362を通して半導体層350と各々連結されるソース電極364及びドレイン電極366と層間絶縁膜358上部のキャパシタ電極352と対応する領域にパワー電極368が形成されている。ソース電極364及びドレイン電極366とパワー電極368の全面には、これらを覆ってドレイン電極366を一部露出させる第3コンタクトホール370を有する第1伝導性スペーサ物質層372が形成されている。第1伝導性スペーサ物質層372上部には第3コンタクトホール370と対応する位置で第4コンタクトホール374を有し、第1スペーサ物質層372のでこぼこしたパターンに沿って上部面がエンボシングパターンVに構成された第2スペーサ物質層376が形成されている。前記第1スペーサ物質層372及び第2スペーサ物質層376は伝導性スペーサ314をなす。
【0074】
前記第1基板310と一定間隔離隔されるように配置された第2基板330の透明基板300下部には第1電極332、有機電界発光層336、第2電極338が順序どおり形成されている。第2電極338の下部面は前述した伝導性スペーサ314のエンボシングパターンVと接触している。
【0075】
このように、本実施例による伝導性スペーサ314は、エンボシングパターンVを具現するために、少なくとも二重層以上の多重層で構成することができ、前記第2スペーサ物質層376は第2電極338との接触特性を考慮して構成する。すなわち、第2スペーサ物質層は伝導性物質で構成して、第3コンタクトホール370を通してドレイン電極366と電気的に接触する。そうして第1基板310に形成された薄膜トランジスタと第2基板330に形成された有機電界発光ダイオード素子Eを連結する役割を遂行する。
【0076】
図面に提示しなかったが、前記図1で詳述したようにソース電極364はデータ配線と連結されていて、パワー電極368はデータ配線と同一方向に一定間隔離隔されるように配置された電力供給線と連結されている。
【0077】
前記第1スペーサ物質層372をなす物質は、感光性物質から選択されることが望ましくて、さらに望ましくはポリアクリル酸エステル、ポリイミドのうちのいずれか一つに選択されることである。
【0078】
<実施例4>
実施例4は、アレー素子と有機電界発光ダイオード素子を相異なる基板上に構成する構造にアレー素子と有機電界発光ダイオードを電気的に連結させる伝導性スペーサを備えるにおいて、伝導性スペーサと接触する有機電界発光ダイオードの電極面に別途のバッファ電極を追加する実施例である。
【0079】
図11は、本発明の第4実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、薄膜トランジスタTを含むアレー素子420が形成された第1基板410と、有機電界発光ダイオードEが形成された第2基板430とが相互に対向するように配置されている。また、第4実施例においても第1基板410、第2基板430間の区間に配置してアレー素子420と有機電界発光ダイオード素子Eを連結する伝導性スペーサ414が形成された構造からなる。しかし、第1実施例ないし第3実施例とは異なって、伝導性スペーサ414と実質的に接触する有機電界発光ダイオード素子Eが損傷されることを防止するために、第4実施例では伝導性スペーサ414と接触する有機電界発光ダイオード素子E領域にバッファ電極440が介在したことを特徴とする。
【0080】
さらに詳細に説明すれば、前記有機電界発光ダイオード素子Eは、第1電極432と、第1電極432下部のサブピクセル別境界部に配置する隔壁434と、隔壁434内サブピクセル領域に順序どおり形成された有機電界発光層436及び第2電極438で構成されており、特に第2電極438の下部面にバッファ電極440がさらに備わったことを特徴とする。
【0081】
一般的に、前記有機電界発光ダイオード素子Eをなす電極物質は、大部分は蒸着装置により形成されるが、蒸着装置を利用して形成された金属膜は若干の力でも容易に剥離または損傷されやすい短所を有している。そうして、本実施例では伝導性スペーサ414と実質的に接触する有機電界発光ダイオード素子Eの接触面特性を向上させるために、スパッタリング装置を利用してバッファ電極440を形成することを特徴とする。前記バッファ電極440をなす金属物質はアルミニウム(Al)を含む金属物質から選択されることが望ましく、さらに望ましくはアルミニウム−ネオジム(Al−Nd)で構成することである。第4実施例によると、第2基板430の有機電界発光ダイオード素子Eは何らの損傷なしに第1基板410の薄膜トランジスタTと伝導性スペーサ414を通して電気的に連結されうる。
【0082】
<実施例5>
実施例5は、前記実施例4に対する応用実施例である。本第5実施例では、伝導性スペーサを通して有機電界発光ダイオード素子とアレー素子を連結させる構造において、伝導性スペーサとの接触により有機電界発光ダイオード素子に加えられる損傷を最小化するために、伝導性スペーサを相異なる特性を有する二重層金属物質で構成する実施例である。
【0083】
図12は、本発明の第5実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、薄膜トランジスタTを含むアレー素子520が形成された第1基板510と、有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板530が相互に対向するように配置されている。また、第5実施例による有機電界発光素子ではアレー素子520と有機電界発光ダイオード素子Eは二重層構造の伝導性スペーサ514により連結されている。
【0084】
さらに詳細に説明すれば、前記伝導性スペーサ514は抵抗率値が低い金属物質から選択された第1伝導性スペーサ金属層514aと、第1伝導性スペーサ金属層514a上部に配置して実質的に有機電界発光ダイオード素子Eと連結された、延性を有する金属物質から選択された第2伝導性スペーサ金属層514bからなる。このように、本実施例による伝導性スペーサ514はアレー素子520と連結される部分では抵抗率値が低い金属物質で構成して、有機電界発光ダイオード素子Eと接触する部分では有機電界発光ダイオード素子Eに加えられる圧力を最小化できる金属物質から選択して形成される。そうすることによって、第1基板510、第2基板530の密着時に第2電極530の損傷を低めて、電気的抵抗を最小化できる。
【0085】
<実施例6>
実施例6は、前記実施例4と実施定例5の混合構造であって、伝導性スペーサと接触する有機電界発光ダイオード接触面にバッファ電極を備えて、伝導性スペーサを二重層金属物質で構成する実施例である。
【0086】
図13は、本発明の第6実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、薄膜トランジスタTを含むアレー素子620が形成された第1基板610と、有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板630が相互に対向するように配置されている。このとき、アレー素子620と有機電界発光ダイオード素子Eを伝導性スペーサ614で連結する構造において、伝導性スペーサ614と接触する有機電界発光ダイオード素子Eの接触面にはバッファ電極640が形成されている。また、伝導性スペーサ614は抵抗率値が低い金属物質からなる第1伝導性スペーサ金属層614aと、第1伝導性スペーサ金属層614a上部に配置して前述したバッファ電極640と実質的に接触された、延性を有する第2伝導性スペーサ金属層614bからなる二重層構造をもって構成されたことを特徴とする。前記実施例4または実施例6によるバッファ電極は単一層または多重層で構成されうる。
【0087】
<実施例7>
実施例7は、フルカラー有機電界発光素子を製作するためのいろいろカラー化方法のうち、工程が単純で光効率が比較的高いCCM(color changing medium)カラー化方法による有機電界発光素子を製作すると共に、本発明によるアレー素子と有機電界発光素子を相異なる基板に構成して伝導性スペーサを通して二基板を連結する構造を適用した実施例である。
【0088】
前述したCCM方式においては、短波長光を赤、緑、青三原色に変換させる色変換層及び短波長発光層を利用してフルカラーを具現することを特徴とする。
【0089】
図14は、本発明の第7実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、薄膜トランジスタTを含むアレー素子720が形成された第1基板710と、有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板730が相互に対向するように配置されている。第7実施例では、アレー素子720と有機電界発光ダイオード素子Eを伝導性スペーサ714で連結する構造において、前記第2基板730の透明基板700の内部面には赤、緑、青色変換層732a及び赤、緑、青色変換層732aのカラー別境界部に配置するブラックマトリックス732bを含む色変換部732が形成されている。色変換部732の下部には平坦化層734が形成されており、平坦化層734の下部に有機電界発光ダイオード素子Eが形成されている。
【0090】
特に前述した伝導性スペーサ714と接触する有機電界発光ダイオード素子Eの下部面には第6実施例と同じくバッファ電極740が備わっていて、伝導性スペーサ714は抵抗率値が低い金属物質からなる第1伝導性スペーサ金属層714aと、第1伝導性スペーサ金属層714a上部に配置した、延性を有する金属物質からなる実質的にバッファ電極740と接触する第2伝導性スペーサ金属層714bとからなる二重層構造を有することを特徴とする。
【0091】
これ以外にも、前記実施例7で提示したCCM方式有機電界発光素子に前記実施例1ないし実施例5による有機電界発光ダイオード素子用第2電極と伝導性スペーサ間の接触構造を適用することができる。
【0092】
<実施例8>
実施例8は、シャドウマスク工程により製作された有機電界発光ダイオード素子に、本発明によるアレー素子と有機電界発光ダイオード素子を相異なる基板に構成して、二基板を伝導性スペーサで連結する構造に適用した実施例である。
【0093】
図15は、本発明の第8実施例による有機電界発光素子の断面図である。図示したように、薄膜トランジスタTを含むアレー素子820が形成された第1基板810と、有機電界発光ダイオード素子Eが形成された第2基板830が相互に対向するように配置されている。前の実施例と同じく第8実施例においてもアレー素子820と有機電界発光ダイオード素子Eは伝導性スペーサ814で連結される構造である。
【0094】
しかし、第7実施例と異なり、有機電界発光ダイオード素子Eには前記第2基板830の透明基板800の内部面に第1電極832が形成されていて、第1電極832下部を覆う基板全面には第1キャリア伝達層834aが形成されており、第1キャリア伝達層834a下部にはサブピクセル単位で赤、緑、青発光層834bが順序どおり形成されていて、赤、緑、青発光層834b下部を覆う基板全面には第2キャリア伝達層834cが形成されている。前記第1キャリア伝達層834a、発光層834b、第2キャリア伝達層834cは有機電界発光層834をなすのに、有機電界発光層834下部にはサブピクセル単位で第2電極836及びバッファ電極838が順序どおり形成されている。すなわち、前記第1電極832、有機電界発光層834、第2電極836、バッファ電極838は有機電界発光ダイオード素子Eを構成する。
【0095】
特に、第8実施例においては前記発光層834b及び第2電極836そしてバッファ電極838はシャドウマスク工程によりサブピクセル単位でパターニングされたことを特徴とする。そして、前記伝導性スペーサ814は抵抗率値が低い金属物質からなる第1伝導性スペーサ金属層814aと、第1伝導性スペーサ金属層814a上部に配置した、延性を有する金属物質からなり実質的にバッファ電極838と接触する第2伝導性スペーサ金属層814bからなる二重層構造を有することを特徴とする。
【0096】
これ以外にも、前記実施例8で提示したシャドウマスク工程を利用する有機電界発光素子に前記実施例1ないし実施例5による有機電界発光ダイオード素子用第2電極と伝導性スペーサ間の接触構造を適用することができる。
【0097】
しかし、本発明は前記実施例に限らず、本発明の趣旨から外れない限度内で多様に変更して実施できる。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明による有機電界発光素子によると次のような効果を有するようになる。
【0099】
第一に、生産収率及び生産管理効率を向上させることができて、製品寿命を増やすことができる。
【0100】
第二に、上部発光方式であるために薄膜トランジスタ設計が容易になり高開口率/高解像度具現が可能である。
【0101】
第三に、基板上に有機電界発光ダイオード用電極を構成するために、材料選択幅を広めることができる。
【0102】
第四に、上部発光方式でありながらデュアルパネルタイプであるために、外気から安定した製品を提供することができる。
【0103】
第五に、有機電界発光ダイオード素子と伝導性スペーサ間の接触特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なアクティブマトリックス型有機電界発光素子の基本ピクセル構造を示した回路図。
【図2】関連技術における下部発光方式有機電界発光素子にの概略的な断面図。
【図3】前記図2有機電界発光素子の1サブピクセル領域に対する拡大断面図。
【図4】関連技術における有機電界発光素子の製造工程における工程流れ図。
【図5】本発明の実施例1による上部発光方式有機電界発光素子の概略的な断面図。
【図6】本発明の実施例1による有機電界発光素子において第2電極と伝導性スペーサ間の接触部の構造を示した平面図。
【図7】本発明の第2実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図8】本発明の第2実施例による有機電界発光素子において第2電極と伝導性スペーサ間の接触部の構造を示した平面図。
【図9】本発明の第3実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図10】本発明の第3実施例による伝導性スペーサのエンボシングパターン及び薄膜トランジスタの積層構造を詳細に示した断面図。
【図11】本発明の第4実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図12】本発明の第5実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図13】本発明の第6実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図14】本発明の第7実施例による有機電界発光素子の断面図。
【図15】本発明の第8実施例による有機電界発光素子の断面図。
【符号の説明】
100:透明基板
110:第1基板
112:ドレイン電極
114:伝導性スペーサ
120:アレー素子
122:ドレインコンタクトホール
124:保護層
130:第2基板
132:第1電極
134:隔壁
136:有機電界発光層
138:第2電極
140:シールパターン
E:有機電界発光ダイオード素子
I:離隔空間
T:薄膜トランジスタ

Claims (26)

  1. 画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;
    前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを有するアレー素子と;
    前記第2基板内部面に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;
    前記第1電極下部でサブピクセル単位境界部に配置し、絶縁物質でなされた隔壁と;
    前記隔壁内サブピクセル単位で形成された有機電界発光層及び有機電界発光ダイオード素子用第2電極と;
    前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間にサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;
    前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを含むアレー素子と;
    前記第2基板内部面に配置された、短波長を利用して赤、緑、青三原色を具現する色発光部と;
    前記色発光部下部に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;
    前記第1電極下部でサブピクセル単位で境界部に配置する、絶縁物質からなる隔壁と;
    前記隔壁内サブピクセル単位で順序どおり形成された短波長発光層を有する有機電界発光層及び有機電界発光ダイオード素子用第2電極と;
    前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間にサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 画面が具現される最小単位領域であるサブピクセルが定義されており、相互に一定間隔離隔されて対向するように配置された第1基板、第2基板と;
    前記第1基板内部面にサブピクセル単位で形成された薄膜トランジスタを含むアレー素子と;
    前記第2基板内部面に配置された、光透過性を有する金属物質からなる有機電界発光ダイオード素子用第1電極と;
    前記第1電極下部に配置する有機電界発光層と;
    前記有機電界発光層下部でシャドウマスクによりサブピクセル単位でパターン化された第2電極と;
    前記アレー素子と有機電界発光ダイオード素子間の区間にサブピクセル単位で配置された、前記薄膜トランジスタと第2電極を電気的に連結させる伝導性スペーサとを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  4. 前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面は平らな面からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  5. 前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面は凹凸部からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  6. 前記伝導性スペーサは、前記薄膜トランジスタ上部に形成されたパターンであり、前記第2電極と接触する伝導性スペーサの接触面はでこぼこしたエンボシングパターンからなることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記伝導性スペーサは、サブピクセル単位で複数個形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  8. 前記第2電極と接触する伝導性スペーサの断面は、円形及び楕円形のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  9. 前記薄膜トランジスタは、半導体層と、前記半導体層上の中央部に配置するゲート電極と、前記ゲート電極上部で半導体層の両側と各々連結されるソース及びドレイン電極からなり、
    前記伝導性スペーサは、前記ソース及びドレイン電極を覆う上部には前記ドレイン電極を一部露出させる第1ドレインコンタクトホールを有して上部面が凹凸部パターンからなる第1スペーサ物質層と、前記第1スペーサ物質層上部で第1ドレインコンタクトホールと対応する位置で第2ドレインコンタクトホールを有する金属物質からなる第2スペーサ物質層とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  10. 前記第1スペーサ物質層をなす物質は、感光性高分子物質から選択されることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記感光性高分子物質は、ポリアクリル酸エステル、ポリイミドのうちのいずれか一つから選択されることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記凹凸部パターンは、でこぼこしたエンボシングパターンであることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  13. 前記第1電極は、正孔をキャリアとする陽極であって、前記第2電極は電子をキャリアとする陰極であり、前記有機電界発光層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が順序どおり積層された構造からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  14. 前記伝導性スペーサと接触する第2電極下部にはバッファ電極をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  15. 前記伝導性スペーサは、抵抗率値が低い金属物質から選択された第1伝導性スペーサ金属層と、前記第1伝導性スペーサ金属層上部に配置して前記第2電極と連結された延性を有する金属物質から選択される第2伝導性スペーサ金属層とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  16. 前記バッファ電極は、アルミニウムを含む金属物質から選択されることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記バッファ電極は、スパッタリングを利用して形成された電極であることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記バッファ電極は、多重層構造からなることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  19. 前記伝導性スペーサと接触する第2電極下部にはバッファ電極をさらに含み、
    前記伝導性スペーサは、抵抗率値が低い金属物質から選択された第1伝導性スペーサ金属層と、前記第1伝導性スペーサ金属層上部に配置して前記バッファ電極を通して第2電極と連結された延性を有する金属物質から選択される第2伝導性スペーサ金属層とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  20. 前記バッファ電極は、アルミニウムを含む金属物質から選択されることを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光素子。
  21. 前記バッファ電極は、スパッタリングを利用して形成された電極であることを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光素子。
  22. 前記バッファ電極は、多重層構造からなることを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光素子。
  23. 前記第1基板、第2基板の連結縁部にはシールパターンを配置することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  24. 前記伝導性スペーサは、単一層、多重層のうちのいずれか一つの積層構造からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
  25. 前記伝導性スペーサは、第2電極と複数個の接触点タイプで連結されることを特徴とする請求項24に記載の有機電界発光素子。
  26. 前記有機電界発光素子は、前記有機電界発光層を通して発光された光を第1電極の方に発光させることを特徴とする請求項1ないし請求項3項のうちのいずれか一つに記載の有機電界発光素子。
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