JP2003514742A - シリカゾルの製造方法 - Google Patents
シリカゾルの製造方法Info
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Abstract
Description
、ホスホン酸錯化剤を使用する高純度シリカゾルの製造方法に関する。
媒、滑り止め製品、電子産業などの様々な産業で用いられる研摩剤特にウエハ研
摩用研摩剤、といった非常に様々な用途に使用されている。多くの用途において
、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアルミニウム等の痕跡で汚
染されたシリカゾルを使用すると、しばしば問題が生じている。これら金属が存
在すると、微量でも妨害し、不十分な性能のシリカゾルとなる。
リ土類金属;例えばFe、Cu、Mn、Ni、Znといった遷移金属等のような
汚染金属がシリカゾルに存在すると悪影響がある。特に、アルミニウムは、シリ
カゾルに存在する時に苛酷な問題を引き起こすものであると認識されている。 従って、前記汚染金属の含量が低いシリカゾルを調製すべく様々な方法が努力
して生み出されてきている。
用してアルカリ金属ケイ酸塩から誘導されるケイ酸溶液とシュウ酸を処理し、前
述のような妨害する金属カチオン含量を軽減させている。
法を開示している。この方法では、最初にアルカリ金属ケイ酸塩が水中にて希釈
され、次に強力なカチオン交換樹脂に晒されてナトリウムイオンをケイ酸ナトリ
ウム溶液から除去してケイ酸溶液を形成し、これにシュウ酸が添加される。この
シュウ酸は、金属イオン特にケイ酸溶液中の鉄イオンを有するアニオン錯体を形
成すると考えられている。
の他のカチオン交換工程が、前記溶液から残存金属カチオンを除去するために必
要とされる。次にケイ酸溶液は重合され、シリカゾルを形成する。
といった金属カチオンをある程度軽減する。欧州特許第464289号明細書の
方法に伴う一つの欠点は、シュウ酸塩金属錯体を分離させるために強力なアニオ
ン樹脂を使わなければならないことである。これは、アニオン交換樹脂が再利用
され得る前にアニオン交換樹脂の再生を必要とする。さらに多段交換工程は汚染
の恐れを増大させる。
は知られている。しかしながら、融解石英およびケイ素金属は非常に高価な原材
料であり、高純度シリカゾル製造を非常に費用のかかるものとしてしまう。
供する。 本発明によって、高純度シリカゾルの新しい製造方法が提供される。この新し
い方法は、ケイ酸含有溶液にホスホン酸錯化剤を添加し、ホスホン酸錯化剤と金
属カチオンとの錯体沈殿物を形成し、前記錯体を除去することによってケイ酸含
有溶液を処理し、その後、ケイ酸を重合し得ることを含む。本発明は更に従属請
求項において定義される。
下の工程を含む: (a)ホスホン酸錯化剤を前記ケイ酸含有溶液へ添加して、前記溶液中に存在
する金属カチオンと錯体を形成する工程; (b)前記ケイ酸含有溶液中に、ホスホン酸錯化剤と金属カチオンを含む沈殿
物を形成する工程; (c)前記溶液から前記沈殿物を除去する工程;および (d)前記溶液中のケイ酸を重合してシリカゾルを得る工程。
約4〜約10重量%のSiO2 、最も好ましくは約5〜約7重量%のSiO2 を
含み、そしてpH約1〜約4.5、好ましくはpH約1.5〜約4、最も好まし
くはpH約2〜約3を有し、この溶液は、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸リチウムまたはこれらの混合物を含むあらゆるアルカリ金属ケイ酸塩から
あらゆる方法で調製できる。
な等級でもって利用できる。シリカゾル製造用に用いられるアルカリ金属ケイ酸
塩は、ケイ酸ナトリウムであることが好ましく、以下で更に詳述する。その他の
アルカリ金属ケイ酸塩を使用する場合も、同じ製造工程を適用できる。
〜約4のSiO2 :Na2 Oモル比を有することが適切である。前記ケイ酸含有
溶液は、ケイ酸塩溶液のSiO2 :Na2 Oモル比を増大させることで得ること
ができる。これは、アール・ラー(R.ller)著「シリカの化学」(The Chemistry
of Silica)(1979年)の第333〜334ページに記載されているように、
カチオン交換によって行うことができ、好ましくは、ケイ酸ナトリウム含有溶液
を強力なカチオン交換樹脂と接触させて、ケイ酸含有溶液を作り出すことによっ
て行うことができる。このケイ酸は、互いに結合したSi(OH)4 の、一つの
単位若しくは幾つかの単位の水溶液を含有すると推定される。
適切である。通常、カチオン交換工程はさらにアルカリ金属ケイ酸塩溶液を希釈
する。なぜならカチオン交換処理の間を通じて水を添加することができ、従って
さらに低いSiO2 濃度をもたらすからである。
である。このホスホン酸錯化剤は、ケイ酸含有溶液中に不純物として存在する例
えばAl、Ca、Cr、Fe、Ti、Zrのような悪影響を及ぼす金属カチオン
と錯体を形成することができる。
きる。 ホスホン酸錯化剤は、酸性形態で、塩としてまたは塩混合物として、ケイ酸含
有溶液に添加できる。
ホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレン
トリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノブタン−1,2,3−
トリカルボン酸、プロピレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、(N,N,N
’,N’−テトラ(ホスホノメチル)−1,2−ジアミノプロパン(PDTP)
、2−ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)、2−エチルヘキシ
ルイミノビス(メチレンホスホン酸)、n−オクチルイミノビス(メチレンホス
ホン酸)、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸
)、シクロヘキサン、1,2−ジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ペ
ンタエチレンヘキサミンオクタキス(メチレンホスホン酸)、N,N−ビス(3
−アミノプロピル)アミンヘキサキス(メチレンホスホン酸)、グリシン−N,
N−ジ(メチレンホスホン酸)、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジ(
メチレンホスホン酸)、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、アセトジホスホ
ン酸、およびこれらの塩が挙げられる。
ス(メチレンホスホン酸)という)およびアセトジホスホン酸(ADPA)(ま
たの名を1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)またはこれらホスホン
酸錯化剤の混合物が、ケイ酸含有溶液に添加されることが好ましい。
好ましくは約1.6〜約2、最も好ましくは約1.7〜約1.9において最適と
なることが見出された。通常、適切なpH値は、ホスホン酸錯化剤を適量加える
ことで得られるが、必要であればpH値は、例えばリン酸、ピロリン酸、三リン
酸、ホスホン酸、ジホスホン酸、トリホスホン酸およびその他の亜リン系酸のよ
うな、過程を妨害しないどのような酸や塩基でも加えて調節できる。
ができる。工程(b)における沈殿物の形成は、好ましいpH値を維持しながら
前記溶液を熟成することによって行われることが適切である。錯体の形成は、ほ
とんど直ちに始まる。
始まりは数分後に観察できる。この過程はホスホン錯体の沈殿が完了するまで行
うことができる。前記熟成は、形成された沈殿物が前記溶液から除去される前に
、好ましくは少なくとも約5分間、最も好ましくは少なくとも約2時間行われる
。通常は2、3時間だけで十分であるが、ホスホン酸錯化剤と金属カチオンとの
形成された錯体が除去される前に、さらなる時間例えば約10時間までまたはそ
れ以上まで、が必要となることもある。
l、Fe、CaおよびZrがホスホン酸錯化剤と一緒に沈殿し、精製されたケイ
酸含有溶液となる。
、遠心分離またはこれらの組み合わせのような公知の分離方法が挙げられるが、
当業界で知られている、形成した沈殿物を除去するその他の従来の分離方法もま
た考えられる。
えばイオン交換によって、適切には強力なカチオン交換樹脂によって除去される
ことが好ましい。
例えばイオン交換によって、適切には強力なアニオン交換樹脂によって、アニオ
ン交換樹脂、好ましくは強力なアニオン交換樹脂を用いた工程(c)の後に遂げ
ることができる。この除去工程を省略して、もっと多くのホスホン酸錯化剤をシ
リカゾル中に保有してもよい。
てもよい。カチオン交換工程およびアニオン交換工程は、カチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂の両方を含む調製されたカラムを用いて、統合されてもよいし同
時に実施されてもよい。 工程(a)−(c)の温度は通常、約5〜約40℃であり、好ましくは約15
〜約30℃である。
「シリカの化学」(1979年)の第174〜176ページに記載されているよ
うな、ケイ酸溶液をアルカリ溶液に添加する工程を含み、適切にはpHが約7〜
約11である、従来の重合方法に従って行うことができる。このような方法の例
は、米国特許第3,440,175号明細書に記載されており、本明細書に参考
として加えられる。
しくは約95〜約100℃まで加熱され、重合を開始する。重合過程は約10時
間までまたはそれ以上まで、好ましくは4〜5時間進行してもよい。
おける、Alの含量は好ましくは65ppmより小さく、最も好ましくは30p
pmより小さく、Caの含量は好ましくは15ppmより小さく、最も好ましく
は10ppmより小さく、Naの含量は好ましくは700ppmより小さく、最
も好ましくは100ppmより小さく、Feの含量は好ましくは15ppmより
小さく、最も好ましくは10ppmより小さく、Tiの含量は好ましくは15p
pmより小さく、最も好ましくは10ppmより小さく、そしてZrの含量は好
ましくは12ppmより小さく、最も好ましくは10ppmより小さい。これら
全ての値は重量ppmを示し、誘導結合高周波プラズマ(ICP)によって決定
できる。さらに濃縮した若しくは希釈したシリカゾルでは、不純物のレベルがS
iO2 含量に比例して増大したり減少したりする。
、好ましくは約100〜約10000ppm、最も好ましくは約1000〜約7
000ppmの量の少なくとも1つのホスホン酸錯化剤を含むシリカゾルに関す
る。ある用途例えばウエハ研摩においては、ホスホン酸錯化剤が存在することが
利点となる。
、沈殿物の分離後、前記溶液中にホスホン酸錯化剤が残存したままである。ホス
ホン酸錯化剤は前記溶液から除去されないかまたは前記溶液から部分的に除去さ
れるだけである。ホスホン酸錯化剤を含有するシリカゾルにおける不純物含量は
、好ましくは前述のように小さい。その他の適切で好ましいシリカゾルの特徴例
えばホスホン酸錯化剤の選択に関しては、前記方法の前記記載が参照される。
てもよいことは明らかである。このような変化は、本発明の主旨および範囲から
逸脱するとみなされるものではないし、当業者に自明であるような全ての変更は
本請求項の範囲内に包含されることを意図されている。以下の実施例がさらに限
定した反応の詳細を提供する一方で、以下の一般原理をここで開示する。以下の
実施例はさらに、記載した本発明の範囲を制限せずにどの程度記載した本発明が
実行できるかを説明している。 全ての部およびパーセンテージは、特に記述されない限り重量部および重量パ
ーセントを示す。
した。SiO2 含量は5.6重量%であった。前記溶液はスルホン酸塩型の強力
なカチオン交換樹脂で処理された。約5重量%SiO2 を含むケイ酸含有溶液が
得られた。pHは2.2であった。
液と共に混合しながら供給され、pH1.8を生じた。この実験において、AT
MP7gを5.5重量%ケイ酸1kgに添加した。
以内で濁り、数時間後、白い沈殿物がビーカーの底で観察され、透明相がその上
で観察された。
から沈殿物を分離した。この段階の後、ケイ酸溶液の金属含量が著しく減少した
。 得られた透明ろ過液は、スルホン酸塩型の強力なカチオン樹脂を備えたカラム
に通されて、さらに金属汚染を軽減した。
カゾル粒子を形成した。KOH溶液は、重合過程を通じて前記溶液をアルカリ化
するために用いられた。温度は95〜98℃に保たれた。pHは8〜8.5に保
たれた。得られたシリカゾルはpH8、濃度10重量%であった。平均粒径は、
アール・ラー著「シリカの化学」(1979年)の第465〜466ページに記
載されているような表面積測定に基づいて34nmであり、粒径分布は、動的光
散乱(Dynamic Light Scattering=DLS) によって決定されて15〜100n
mであった。得られた生成物は次に30重量%まで濃縮された。
た以外は、実施例1と同様に実施例2を実施した。アニオン交換工程は、第四級
アンモニウム型の強力なアニオン交換樹脂を用いて実施され、残存するホスホン
酸アニオンを除去した。第2カチオン交換工程はさらに金属カチオン含量を減少
させた。重合は実施例1と同様に行なった。得られた生成物はアンモニアによっ
て安定にされてpH9.5となり、そして限外ろ過によって50重量%にまで濃
縮された。高純度シリカゾルが製造された。
シリカゾルと比べて示している。理解できるであろうが、実施例に係る方法は、
シリカゾルの見事な純度をもたらしている。
Claims (14)
- 【請求項1】 ケイ酸含有水溶液から高純度のシリカゾルを製造する方法で
あって、この方法が、 (a)ホスホン酸錯化剤を前記ケイ酸含有水溶液へ添加して、前記溶液中に存
在する金属カチオンと錯体を形成する工程; (b)前記ケイ酸含有水溶液中に、ホスホン酸錯化剤と金属カチオンを含む沈
殿物を形成する工程; (c)前記溶液から前記沈殿物を除去する工程;および (d)前記溶液中のケイ酸を重合してシリカゾルを得る工程 を含むことを特徴とする前記方法。 - 【請求項2】 ホスホン酸錯化剤が、アミノトリス(メチレンホスホン酸)
、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸またはこれらの塩の少なくとも
1つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記工程(b)における沈殿物の形成を、前記溶液を熟成す
ることによって行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 熟成を少なくとも約5分間行うことを特徴とする請求項1〜
3のいずれか1つに記載の方法。 - 【請求項5】 前記溶液を少なくとも約2時間熟成することによって、前記
工程(b)における沈殿を行うことを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 前記工程(b)の間を通じて、前記ケイ酸含有水溶液のpH
が約1.2〜約2.2に維持されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か1つに記載の方法。 - 【請求項7】 前記工程(b)の間を通じて、前記ケイ酸含有水溶液のpH
が約1.7〜約1.9であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記
載の方法。 - 【請求項8】 前記工程(c)の後、残存するカチオンの少なくとも一部が
、イオン交換によって除去されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つ
に記載の方法。 - 【請求項9】 前記工程(c)の後、残存するホスホン酸錯化剤の少なくと
も一部が、イオン交換によって除去されることを特徴とする請求項1〜8のいず
れか1つに記載の方法。 - 【請求項10】 前記工程(b)の間を通じて温度が約5〜約40℃である
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。 - 【請求項11】 少なくとも1つのホスホン酸錯化剤を含む高純度シリカゾ
ル。 - 【請求項12】 前記シリカゾルが、シリカゾル10重量%を基準として少
なくとも1つのホスホン酸錯化剤を約10〜約50000ppm含むことを特徴
とする請求項11に記載の高純度シリカゾル。 - 【請求項13】 前記シリカゾルが、シリカゾル10重量%を基準として少
なくとも1つのホスホン酸錯化剤を約100〜約10000ppm含むことを特
徴とする請求項12に記載の高純度シリカゾル。 - 【請求項14】 シリカゾル10重量%を基準として、Al含量が30pp
mより小さく、Ca含量が10ppmより小さく、Fe含量が10ppmより小
さく、Na含量が100ppmより小さく、Ti含量が10ppmより小さく、
そしてZr含量が10ppmより小さいことを特徴とする請求項11〜13のい
ずれか1つに記載の高純度シリカゾル。
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