JP2003346317A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JP2003346317A
JP2003346317A JP2002149408A JP2002149408A JP2003346317A JP 2003346317 A JP2003346317 A JP 2003346317A JP 2002149408 A JP2002149408 A JP 2002149408A JP 2002149408 A JP2002149408 A JP 2002149408A JP 2003346317 A JP2003346317 A JP 2003346317A
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JP2002149408A
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Kenichi Moriwaki
健一 森脇
Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide

Abstract

(57)【要約】 【課題】室温成膜可能な記録層を用いることによって、
高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量垂直磁気記
録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面に、Coを
含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる記録層
を形成したことを特徴とする垂直磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル情報の記
録に使用する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットの普及により、パ
ーソナル・コンピュータを用いて大容量の動画情報や音
声情報の処理を行う等、コンピュータの利用形態が変化
してきている。これに伴い、ハードディスク等の磁気記
録媒体に要求される記憶容量も増大している。
【0003】ハードディスク装置においては、磁気ディ
スクの回転に伴い、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面か
らわずかに浮上し、非接触で磁気記録を行っている。こ
のため、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触によって磁
気ディスクが破損するのを防止している。高密度化に伴
って磁気ヘッドの浮上高さは次第に低減されており、鏡
面研磨された超平滑なガラス基板上に磁気記録層等を形
成した磁気ディスクを用いることにより、現在では10
nm〜20nmの浮上高さが実現されている。媒体にお
いては、一般的にCoPtCr系磁性層/Cr系下地層
が用いられており、200℃〜500℃の高温にするこ
とで、Cr系下地層によりCoPtCr系磁性層の磁化
容易方向が膜面内となるよう制御している。さらに、C
oPtCr系磁性層中のCrの偏析を促し、磁性層中の
磁区を分離している。この様なヘッドの低浮上量化、ヘ
ッド構造の改良、ディスク記録膜の改良等の技術革新に
よってハードディスクドライブの面記録密度と記録容量
はここ数年で飛躍的に増大してきた。
【0004】取り扱うことができるデジタルデータ量が
増大することによって、動画データの様な大容量のデー
タを可換型媒体に記録して、移動させるというニーズが
生まれてきた。しかしながら、ハードディスクは基板が
硬質であって、しかも上述のようにヘッドとディスクの
間隔が極わずかであるため、フレキシブルディスクや書
き換え型光ディスクの様に可換媒体として使用しようと
すると、動作中の衝撃や塵埃の巻き込みによって故障を
発生する懸念が高く、使用できない。また、さらなる高
密度記録を行う際には、現在広く普及している長手記録
方式では、記録ビットの微細化に伴う記録磁化の熱揺ら
ぎの問題や高保磁力媒体に対して記録ヘッドによる書き
込みが困難である等の問題が生じている。
【0005】さらに、媒体製造において高温スパッタ成
膜法を用いた場合、生産性が悪いばかりでなく、大量生
産時のコスト上昇につながり、安価に生産できない。
【0006】一方、フレキシブルディスクは基板がフレ
キシブルな高分子フィルムであるため可換性に優れてお
り、安価に生産できるが、ハードディスクと同様の磁性
層を高分子フィルム上に形成しようとすると、高分子フ
ィルムの熱ダメージが大きく、実用化が困難である。こ
のため高分子フィルムとして耐熱性の高いポリイミドや
芳香族ポリアミドフィルムを使用する提案もなされてい
るが、これらの耐熱性フィルムが非常に高価であり、実
用化が困難となっている。また高分子フィルムに熱ダメ
ージを生じないように、高分子フィルムを冷却した状態
で磁性膜を形成しようとすると、磁性層の磁気特性が不
十分となり、記録密度の向上が困難となっている。それ
に対し、強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる強磁性
金属薄膜を用いた場合、室温で成膜した場合において
も、200℃〜500℃の高温条件下で成膜したCoP
tCr系磁性層とほぼ同等の磁気特性を得られることが
わかってきた。このような強磁性金属合金と非磁性酸化
物からなる強磁性金属薄膜はハードディスクで提案され
ているいわゆるグラニュラ構造であり、特開平5−73
880号公報や特開平7−311929号公報に記載さ
れているものが使用できる。しかし、さらなる高密度記
録化に対しては、上記ハードディスクの場合と同様の課
題を有している。
【0007】そこで、これらの問題を解決し、面記録密
度を大幅に向上させる技術として、垂直磁気記録方式が
検討されている。垂直磁気記録方式は、記録媒体の厚さ
方向に磁化容易軸をもつ垂直磁化膜を有する垂直磁気記
録媒体と、同厚さ方向に強い磁化分布を発生させること
のできる垂直磁気記録用磁気ヘッドを用い、垂直磁化を
残留させる方式である。垂直磁気記録媒体としては、硬
質基板上に高透磁率の軟磁性層、高い垂直磁気異方性を
持つ垂直磁化膜を成膜したものが検討されている。
【0008】DVD−R/RWに代表される追記型およ
び書き換え型光ディスクは磁気ディスクのようにヘッド
とディスクが近接していないため、可換性に優れてお
り、広く普及している。しかしながら光ディスクは、光
ピックアップの厚みとコストの問題から、高容量化に有
利な磁気ディスクのように両面を記録面としたディスク
構造を用いることが困難であるといった問題がある。さ
らに、磁気ディスクと比較すると面記録密度が低く、デ
ータ転送速度も低いため、書き換え型の大容量記録媒体
としての使用を考えると、未だ十分な性能とはいえな
い。
【0009】上記の通り、大容量の書き換え可能な可換
型記録媒体は、その要求が高いものの、性能、信頼性、
コストを満足するものが存在しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の
目的は、室温成膜可能な記録層を用いることによって、
高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量垂直磁気記
録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の垂直磁気記録媒体は、支持体の少なくとも
一方の面に、Coを含有する強磁性金属合金と非磁性酸
化物からなる記録層を形成したことを特徴とする。そし
て、前記支持体としては、可撓性高分子が好ましい。
【0012】つまり、本発明の垂直磁気記録媒体は、C
oを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる強
磁性金属薄膜記録層を備えているので、室温成膜した場
合においても、充分な垂直磁気特性を得ることができ
る。
【0013】このような強磁性金属薄膜を使用すること
によって、基板温度が室温であっても、良好な磁気特性
を達成することができる。このため、ガラス基板やAl
基板だけでなく、支持体が高分子フィルムであっても熱
ダメージを生じることないため、変形が無く、平坦な磁
気テープやフレキシブルディスクも提供することが可能
となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本実施の形態に係る垂直磁気記録媒
体の基板は、Al基板、ガラス基板を用いることもでき
るが、可撓性高分子フィルムを用いることが生産性の点
で、より好ましい。本実施は、テープ形状でもフレキシ
ブルディスク形状でも用いることができる。可撓性高分
子フィルム基板を用いた本実施フレキシブルディスク
は、中心部にセンターホールが形成された構造であり、
プラスチック等で形成されたカートリッジ内に格納され
ている。なお、カートリッジには、通常、金属性のシャ
ッタで覆われたアクセス窓を備えており、このアクセス
窓を介して磁気ヘッドが導入されることにより、フレキ
シブルディスクへの信号記録や再生が行われる。
【0015】磁気記録媒体は、支持体に、Coを含有す
る強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる記録層を有す
るものであるが、支持体に、表面性とガスバリア性を改
善する下塗り層、軟磁性層、中間層、下地層、記録層、
記録層を腐食や摩耗から保護する保護層、及び走行耐久
性および耐食性を改善する潤滑層が、この順に積層され
て構成されていることが好ましい。ディスク状磁気記録
媒体は、通常、支持体の両面に上記各層が設けられる。
テープ状媒体は、通常、支持体の片面に上記各層が設け
られるが、両面に設けても構わない。
【0016】記録層は、ディスク面に対して垂直方向に
磁化容易軸を有するいわゆる垂直磁気記録膜である。こ
の磁化容易軸の方向は下地層の材料等や結晶構造および
磁性膜の組成と成膜条件によって制御することができ
る。
【0017】記録層は前記の通り、Coを含有する強磁
性金属合金と非磁性酸化物からなるものである。強磁性
金属合金と非磁性酸化物はマクロ的には混合されている
が、ミクロ的には磁性金属合金微粒子を非磁性酸化物が
被覆するような構造もしくは島状に分離した構造となっ
ている。記録層を面内に平行に切断した時の切断面の一
部を模式的に図1に示した。強磁性金属合金粒子の大き
さ(最大長)Raは1nmから110nm程度であり、
また、両者間の距離Lは、1〜110nm程度である。
ただし、局所的にLが0である場合も許容される。この
様な構造となることで、高い保持力を達成でき、また磁
性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体
を達成することができる。
【0018】Coを含有する強磁性金属合金としてはC
o、Cr、PtとNi、Fe、B、Si、Ta、Nb、
Ru等の元素との合金が使用できるが、記録特性を考慮
するとCo−Pt−Cr、Co−Pt−Cr−Ta、C
o−Pt−Cr−B、Co−Ru−Cr等が特に好まし
い。
【0019】非磁性酸化物としてはSi、Zr、Ta、
B、Ti、Al、Cr、Ba、Zn、Na、La、I
n、Pb等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮す
るとケイ素の酸化物が最も好ましい。
【0020】Coを含有する強磁性金属合金と非磁性酸
化物の存在比は、強磁性金属合金:非磁性酸化物=9
5:5〜80:20(原子比)の範囲であることが好ま
しく、90:10〜85:15の範囲であることが特に
好ましい。これよりも強磁性金属合金が多くなると、磁
性粒子間の分離が不十分となり、保持力が低下してしま
う。逆にこれよりも少なくなると、磁化量が減少するた
め、信号出力が著しく低下してしまう。
【0021】Coを含有する強磁性金属合金と非磁性酸
化物からなる記録層の厚みとしては好ましくは10nm
〜60nm、さらに好ましくは20nm〜40nmの範
囲である。これよりも厚みが厚くなるとノイズが著しく
増加してしまい、逆に厚みが薄くなると、出力が著しく
減少してしまう。
【0022】Coを含有する強磁性金属合金と非磁性酸
化物からなる記録層を形成する方法としては真空蒸着
法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でも
スパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であること
から、本発明に好適である。スパッタ法としては公知の
DCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能で
ある。スパッタ法は連続フィルム上に連続して成膜する
ウェブスパッタ装置が好適であるが、ハードディスクの
製造に使用されるような枚様式スパッタ装置や通過型ス
パッタ装置も使用可能である。
【0023】スパッタ時のスパッタガスとしては一般的
なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用
しても良い。また非磁性酸化物の酸素含有率の調整や表
面酸化の目的で微量の酸素ガスを導入してもかまわな
い。
【0024】スパッタ法でCoを含有する強磁性金属合
金と非磁性酸化物からなる記録層を形成するためには強
磁性金属合金ターゲットと非磁性酸化物ターゲットの2
種を用い、これらの共スパッタ法を使用することも可能
であるが、磁性粒子サイズの分散性を改善し、均質な膜
を作成するため、Coを含有する強磁性金属合金と非磁
性酸化物の合金ターゲットを用いることが好ましい。こ
の合金ターゲットはホットプレス法で作成することがで
きる。
【0025】下地層は、記録層の結晶配向、すなわち、
格子定数を制御し、記録層の磁気配向性を制御し、垂直
磁気記録媒体の性能を向上させることができる。そのた
めに、下地層として、その合金組成を選定することが挙
げられるが、中でもRu系、Ti系等の合金を用いるこ
とが特に好ましい。更に、当該下地層は、磁気記録媒体
全体の応力緩和に寄与する。
【0026】上記Ru系合金としては、RuとCo、B
e、Os、Re、Ti、Zn、Ta、Al、Cr、M
o、W、Fe、Sb、Ir、Rh、Pt、Pd、Siお
よびZrから選択される少なくとも1種の元素を有する
合金が望ましいが、それ以外の元素を含有するRu合金
を用いても構わない。
【0027】上記Ru合金において、Ruと他の元素の
混合比は、Ru:他の元素=99:1〜50:50(原
子比)の範囲であることが望ましく、95:5〜60:
40の範囲であることが特に好ましい。これよりもRu
の割合が多くても、少なくても、記録層結晶配向制御が
難しく、磁気特性が悪くなる。
【0028】上記Ti系合金としては、TiとCo、B
e、Os、Re、Cr、Zn、Ta、Al、Mo、W、
V、Fe、Sb、Ir、Ru、Rh、Pt、Pd、Si
およびZrから選択される少なくとも1種の元素を有す
る合金が望ましいが、それ以外の元素を含有するTi合
金を用いても構わない。
【0029】上記Ti合金において、Tiと他の元素の
混合比は、Ti:他の元素=99:1〜50:50(原
子比)の範囲であることが望ましく、95:5〜60:
40の範囲であることが特に好ましい。これよりもTi
の割合が多くても、少なくても、記録層結晶配向制御が
難しく、磁気特性が悪くなる。
【0030】この様な下地層を用いることによって、記
録層の配向性を改善できるため、記録特性が向上する。
【0031】下地層の厚みは10nm〜200nmが好
ましく、10nm〜100nmが特に好ましい。これよ
りも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、膜応
力が大きくなってしまい、逆にこれよりも厚みが薄くな
ると、下地層効果による磁気特性の向上が得られない。
【0032】下地層を成膜する方法としては真空蒸着
法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でも
スパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であること
から、本発明に好適である。スパッタ法としては、公知
のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能
である。スパッタ法は、可撓性高分子フィルムを支持体
としたフレキシブルディスクの場合、連続フィルム上に
連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、
Al基板やガラス基板を用いる場合に使用されるような
枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用でき
る。
【0033】下地層スパッタ時のスパッタガスとしては
一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガス
を使用しても良い。また、下地層の格子定数制御、膜応
力の緩和の目的で、微量の酸素ガスを導入してもかまわ
ない。
【0034】スパッタ法で、格子定数等を精密に制御し、
かつ均質な膜を作製するためには、合金ターゲットを用
いることが好ましい。この合金ターゲットはホットプレ
ス法で作成することができる。
【0035】軟磁性層は、FePt系やCoPt系、F
eC系、FeTa系、FeNi系、FePd系、等が使
用できる。垂直磁気記録の際に、軟磁性層の磁壁構造に
伴う、ノイズ増大の問題があるため、軟磁性層は軟磁性
体と非磁性体の混合体のようなグラニュラ構造をもつ軟
磁性層を用いることもできる。このようなグラニュラ軟
磁性層は、グラニュラ垂直記録層と結晶配向性や膜応力
の関係で非常に相性がよいとともに、一般的に言われて
いる磁壁移動によるノイズの低減にも有効なため、良好
な垂直磁気記録媒体を得ることができる。グラニュラ軟
磁性層に用いる非磁性体としては、Si、Zr、Ta、
B、Ti、Al、Cr、Ba、Zn、Na、La、I
n、Pb等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮す
るとケイ素の酸化物が最も好ましい。
【0036】上記軟磁性層の厚みは50〜500nmが
好ましく、100〜400nmが特に好ましい。これよ
りも厚みが厚くなると、生産性が悪くなってしまい、逆に
これよりも厚みが薄くなると、軟磁性層効果による垂直
磁気特性の向上が得られない。
【0037】上記軟磁性層を形成する方法としては、真
空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用でき、中
でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であ
る。
【0038】支持体は、磁気ヘッドと磁気ディスクとが
接触した時の衝撃を回避するために可撓性を備えた樹脂
フィルム(可撓性高分子支持体)で構成されていること
が好ましい。このような樹脂フィルムとしては、芳香族
ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポ
リエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、トリアセテートセ
ルロース、フッ素樹脂等からなる樹脂フィルムが挙げら
れる。本発明では基板を加熱することなく良好な記録特
性を達成することができるため、価格や表面性の観点か
らポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフ
タレートが特に好ましい。
【0039】また、支持体として樹脂フィルムを複数枚
ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネートフィル
ムを用いることにより、支持体自身に起因する反りやう
ねりを軽減することができ、磁気記録層の耐傷性を著し
く改善することがきる。
【0040】ラミネート手法としては、熱ローラによる
ロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接
着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネー
ト、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミ
ネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定され
ず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、U
V硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気
性接着剤などを使用することがきる。
【0041】支持体の厚みは、10μm〜200μm、
好ましくは20μm〜150μm、さらに好ましくは3
0μm〜100μmである。支持体の厚みが10μmよ
り薄いと、高速回転時の安定性が低下し、面ぶれが増加
する。一方、支持体の厚みが200μmより厚いと、回
転時の剛性が高くなり、接触時の衝撃を回避することが
困難になり、磁気ヘッドの跳躍を招く。
【0042】支持体の腰の強さは、下記式で表され、b
=10mmでの値が0.5kgf/mm2〜2.0kg
f/mm2(≒4.9〜19.6MPa)の範囲にある
ことが好ましく、0.7kgf/mm2〜1.5kgf
/mm2(≒6.9〜14.7MPa)がより好まし
い。 支持体の腰の強さ=Ebd3/12 なお、この式において、Eはヤング率、bはフィルム
幅、dはフィルム厚さを各々表す。
【0043】支持体の表面は、磁気ヘッドによる記録を
行うために、可能な限り平滑であることが好ましい。支
持体表面の凹凸は、信号の記録再生特性を著しく低下さ
せる。具体的には、後述する下塗り層を使用する場合で
は、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが中心面平
均粗さSRaで5nm以内、好ましくは2nm以内、触
針式表面粗さ計で測定した突起高さが1μm以内、好ま
しくは0.1μm以内である。また、下塗り層を用いな
い場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗さが
中心面平均粗さSRaで3nm以内、好ましくは1nm
以内、触針式表面粗さ計で測定した突起高さが0.1μ
m以内、好ましくは0.06μm以内である。
【0044】支持体表面には、平面性の改善とガスバリ
ア性を目的として下塗り層を設けることが好ましい。記
録層をスパッタリング等で形成するため、下塗り層は耐
熱性に優れることが好ましく、下塗り層の材料として
は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を使用することができ
る。熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコーン樹脂
は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り層の厚み
は、0.1μm〜3.0μmが好ましい。支持体14に
他の樹脂フィルムをラミネートする場合には、ラミネー
ト加工前に下塗り層を形成してもよく、ラミネート加工
後に下塗り層を形成してもよい。
【0045】熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例え
ば、丸善石油化学社製のビスアリルナジイミド「BAN
I」のように、分子内に末端不飽和基を2つ以上有する
イミドモノマーを、熱重合して得られるポリイミド樹脂
が好適に用いられる。このイミドモノマーは、モノマー
の状態で支持体表面に塗布した後に、比較的低温で熱重
合させることができるので、原料となるモノマーを支持
体上に直接塗布して硬化させることができる。また、こ
のイミドモノマーは汎用溶剤に溶解させて使用すること
ができ、生産性、作業性に優れると共に、分子量が小さ
く、その溶液粘度が低いために、塗布時に凹凸に対する
回り込みが良く、平滑化効果が高い。
【0046】熱硬化性シリコーン樹脂としては、有機基
が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重
合したシリコーン樹脂が好適に用いられる。このシリコ
ーン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換
した構造からなりシリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優
れると共に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるた
め、可撓性フィルムからなる支持体上に樹脂膜を形成し
ても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモ
ノマーを支持体上に直接塗布して硬化させることができ
るため、汎用溶剤を使用することができ、凹凸に対する
回り込みも良く、平滑化効果が高い。更に、縮重合反応
は、酸やキレート剤などの触媒の添加により比較的低温
から進行するため、短時間で硬化させることができ、汎
用の塗布装置を用いて樹脂膜を形成することができる。
また熱硬化性シリコーン樹脂はガスバリア性に優れてお
り、記録層形成時に支持体から発生する記録層または下
地層の結晶性、配向性を阻害するガスを遮蔽するガスバ
リア性が高く、特に好適である。
【0047】下塗り層の表面には、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を改善する
ことを目的として、微小突起(テクスチャ)を設けるこ
とが好ましい。また、微小突起を設けることにより、支
持体のハンドリング性も良好になる。微小突起を形成す
る方法としては、球状シリカ粒子を塗布する方法、エマ
ルジョンを塗布して有機物の突起を形成する方法などが
使用できるが、下塗り層の耐熱性を確保するため、球状
シリカ粒子を塗布して微小突起を形成するのが好まし
い。
【0048】微小突起の高さは5nm〜60nmが好ま
しく、l0nm〜30mmがより好ましい。微小突起の
高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシング
ロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が
低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起
の密度は0.1〜100個/μm2が好ましく、1〜1
0個/μm2がより好ましい。微小突起の密度が少なす
ぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎる
と凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生
特性が劣化する。
【0049】また、バインダーを用いて微小突起を支持
体表面に固定することもできる。バインダーには、十分
な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、耐熱
性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹脂、
熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコーン樹脂を使
用することが特に好ましい。
【0050】下地層は下に軟磁性層を導入することによ
って、初期成長層が乱れるため、記録層の結晶配向制御
が不充分となってしまうことがある。そこで、これら軟
磁性層と、下地層の効果を持たすためには、軟磁性層と
下地層の間に中間層を設け、初期成長層の乱れを遮蔽す
ることが有効である。中間層には、Ta、Ta−Si、
Al、Bi、Pd、Ti、Cu、Ni−P、Ni−A
l、Ru、W、Si、C、Pt、Mn、Ir、Ti−
W、Zn−Si、Al−Ti等を使用することができ
る。
【0051】中間層を形成する方法としては、真空蒸着
法、スパッタ法などの真空成膜法が使用でき、中でもス
パッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能である。
【0052】上記中間層の厚みは1〜100nmが好ま
しく、3〜50nmが特に好ましい。これよりも厚みが
厚くなると、生産性が悪くなってしまうとともに軟磁性
層の効果があらわれにくくなり、逆にこれよりも厚みが
薄くなると、中間層による初期成長層の乱れの遮蔽効果
が得られない。
【0053】保護層は、記録層に含まれる金属材料の腐
蝕を防止し、磁気ヘッドと磁気ディスクとの擬似接触ま
たは接触摺動による摩耗を防止して、走行耐久性、耐食
性を改善するために設けられる。保護層には、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化Co、酸化ニッ
ケルなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ
素などの窒化物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素
等の炭化物、グラファイト、無定型カーボンなどの炭素
等の材料を使用することができる。
【0054】保護層としては、磁気ヘッド材質と同等ま
たはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼
き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、
摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にピンホ
ールが少ないものが、耐食性に優れておりより好まし
い。このような保護膜としては、CVD法で作製される
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)と呼ばれる硬質
炭素膜が挙げられる。
【0055】保護層は、性質の異なる2種類以上の薄膜
を積層した構成とすることができる。例えば、表面側に
摺動特性を改善するための硬質炭素保護膜を設け、磁気
記録層側に耐食性を改善するための窒化珪素などの窒化
物保護膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次元
で両立することが可能となる。
【0056】保護層上には、走行耐久性および耐食性を
改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、公
知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等
の潤滑剤が使用される。
【0057】炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン
酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル
等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン
酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコ
ール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、
ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
【0058】フッ素系潤滑剤としては、前記炭化水素系
潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキ
ル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤
滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基として
は パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフル
オロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)C
2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的に
は、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン
−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、
商品名「FOMBLIN Z−DOL」)等が挙げられ
る。
【0059】極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル
等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リ
ン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチ
オ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジ
ベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
【0060】前記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用し
て使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶
液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布す
るか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよ
い。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m2が好
ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
【0061】また、耐食性をさらに高めるために、防錆
剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、
潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を
塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布
してもよい。防錆剤の塗布量としては、0.1〜10m
g/m2が好ましく、0.5〜5mg/m2が特に好まし
い。
【0062】以下に、可撓性高分子支持体を用いた磁気
記録媒体の作製方法の一例について説明する。成膜装置
を用いた可撓性高分子支持体上への記録層等の層の形成
方法を説明する。成膜装置は、真空室を有し、真空ポン
プによって所定の圧力に減圧された状態でアルゴンガス
がスパッタリング気体供給管から所定の流量で供給され
ている。可撓性高分子支持体は、巻だしロールから巻き
だされ、張力調整ロールによって張力を調整されて、成
膜ロールに沿って搬送された状態で、軟磁性層、中間
層、下地層または記録層の各々の形成用スパッタリング
装置のターゲットを用いて、該支持体上に順次、軟磁性
層、中間層、下地層または記録層の各々の層が成膜され
る。次に、記録層が形成された面を第2の成膜ロールに
沿わせた状態で、上記と同様に各々の層が成膜される。
【0063】以上の工程によって、可撓性高分子支持体
の両面に記録層が形成されて、巻き取りロールによって
巻き取られる。また、以上の説明では、可撓性高分子支
持体の両面に記録層を形成する方法について説明をした
が、同様の方法で一方の面のみに形成することも可能で
ある。記録層を形成した後に、記録層上にダイヤモンド
状炭素をはじめとした保護層がCVD法によって形成さ
れる。
【0064】本発明に適用可能な高周波プラズマを利用
したCVD装置の一例を説明する。記録層を形成した可
撓性高分子支持体は、ロールから巻き出され、パスロー
ラによってバイアス電源からバイアス電圧が記録層に給
電され成膜ロールに沿わせた状態で搬送される。一方、
炭化水素、窒素、希ガス等を含有する原料気体は、高周
波電源から印加された電圧によって発生したプラズマに
よって、成膜ロール上の記録層上に窒素、希ガスを含有
した炭素保護膜が形成され、巻き取りロールに巻き取ら
れる。また、炭素保護膜の作製の前に記録層表面を希ガ
スや水素ガスによるグロー処理などによって清浄化する
ことでより大きな密着性を確保することができる。ま
た、記録層表面にシリコン中間層等を形成することによ
って密着性をさらに高めることができる。
【0065】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例について説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)厚み63μm、表面粗さRa=1.4nm
のポリエチレンナフタレートフィルム支持体上に3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネ
ート、エタノールからなる下塗り液をグラビアコート法
で塗布した後、100℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.
0μmのシリコーン樹脂からなる下塗り層を作成した。
この下塗り層上に粒子径25nmのシリカゾルと前記下
塗り液を混合した塗布液をグラビアコート法で塗布し
て、下塗り層上に高さ15nmの突起を10個/μm2
の密度で形成した。この下塗り層は支持体フィルムの両
面に形成した。次にウェブスパッタ装置にこの原反を設
置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させながら搬
送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッタ法で、
{(Co:Pt:Cr=70:20:10原子比):S
iO2=88:12(原子比)、即ち(Co70Pt20
1088−(SiO212と記す}からなる記録層を2
5nmの厚みで形成した。この記録層はフィルムの両面
に成膜した。次にこの原反をウェブ式のCVD装置に設
置し、エチレンガス、窒素ガス、アルゴンガスを反応ガ
スとして用いたRFプラズマCVD法でC:H:N=6
2:29:7mol比からなる窒素添加DLC保護膜を
10nmの厚みで形成した。なおこのとき記録層には−
500Vのバイアスを印加した。この保護層もフィルム
の両面に成膜した。次にこの保護層表面に分子末端に水
酸基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(モン
テフルオス社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素
系潤滑剤(住友スリーエム社製HFE−7200)に溶
解した溶液をグラビアコート法で塗布し、厚み1nmの
潤滑層を形成した。この潤滑層もフィルムの両面に形成
した。次にこの原反から3.7inchサイズのディス
クを打ち抜き、これをテープバーニッシュした後、樹脂
製カートリッジ(富士写真フイルム社製Zip100
用)に組み込んで、フレキシブルディスクを作製した。
【0066】(実施例2)実施例1において下塗り層を
形成した原反から直径130mmの円盤状シートを打ち
抜き、これを円形のリングに固定した。このシートに対
してバッチ式スパッタ装置を用いて、実施例1と同一組
成の記録層を両面に形成し、さらにCVD装置で保護膜
を形成した。このシート状にディップコート法で実施例
1と同一の潤滑層を形成した。次にこのシートから3.
7inchサイズのディスクを打ち抜き、これをテープ
バーニッシュした後、樹脂製カートリッジ(富士写真フ
イルム社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブ
ルディスクを作製した。
【0067】(実施例3−24)実施例1において下塗
り層と記録層の間に、下記の表1に示すRu合金下地層
を形成した以外は実施例1と同様にフレキシブルディス
クを作製した。
【0068】
【表1】
【0069】(実施例25−47)実施例1において下
塗り層と記録層の間に、下記の表2に示すTi合金下地
層を形成した以外は実施例1と同様にフレキシブルディ
スクを作製した。
【0070】
【表2】
【0071】(実施例48)実施例3において下塗り層
と下地層の間にFe−Ta−Cからなる軟磁性層を導入
した以外は実施例3と同様にフレキシブルディスクを作
製した。
【0072】(実施例49−68)実施例48において
軟磁性層と下地層の間に下表に示す中間層を導入した以
外は実施例48と同様にフレキシブルディスクを作製し
た。
【0073】
【表3】
【0074】(実施例69)実施例1において支持体と
して鏡面研磨した3.7inchガラス基板を用いた以
外は実施例1と同様にハードディスクを形成した。但
し、下塗りは付与せず、カートリッジにも組み込まなか
った。
【0075】(比較例1)実施例1において記録層の組
成(Co70Pt20Cr1088−(SiO212をCo70
Pt20Cr10とした以外は実施例1と同様にフレキシブ
ルディスクを作製した。
【0076】(比較例2)比較例1において、Crから
なる下地層を記録層の下に設けた以外は比較例1と同様
にフレキシブルディスクを作製した。
【0077】(比較例3)比較例1において、FeTa
Cからなる軟磁性層を記録層の下に設けた以外は比較例
1と同様にフレキシブルディスクを作製した。
【0078】得られた上記試料を以下により評価した。
結果を表4及び5に示す。 (評価) 磁気特性 垂直方向の保磁力Hc⊥をVSMで測定した。 面ぶれ フレキシブルディスクおよびハードディスクを3000
rpmで回転させ、半径位置35mmの位置における面
ぶれをレーザー変位計で測定した。 C/N 再生トラック幅2.2μm、再生ギャップ0.26μm
のMRヘッドを用いて、線記録密度130kFCIの記
録再生を行い、再生信号/ノイズ(C/N)比を測定し
た。なおこのとき回転数は3000rpm、半径位置は
35mm、ヘッド加重は3gfとした。なお、C/N値
は実施例1での値を基準として、その値からの増減を示
した。 モジュレーション(MDN) 前記C/N測定の際の再生出力をディスク一周について
計測(エンベロープ)し、この出力のMin/Max比
を計測した。
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】上記結果からわかるように本発明のフレキ
シブルディスクは記録再生特性が非常に優れていること
がわかる。特に、下地層を導入することで高Hc化が達
成できているとともに、軟磁性層によるノイズ低減も得
られることがわかった。一方、記録層に非磁性酸化物
(SiO2)を使用しなかった比較例1では保磁力が低
下し、記録特性が低下している。これは、室温成膜した
場合Crの偏析が起こらないために、記録層中の磁気的
分離が不充分であったと考えられる。基板にガラス基板
を用いた実施例69では、同様に作製したフレキシブル
ディスクである実施例1に対してC/Nが若干低下して
いる。これは出力が相対的に低下しているためであり、
ハードディスクの方がフレキシブルディスクよりもヘッ
ドの浮上量が高いためと考えられる。
【0082】
【発明の効果】本発明によると、高密度垂直磁気記録装
置に用いて好適な、強磁性体間の相互作用が小さく、低
ノイズの磁気記録媒体を室温成膜で安価に生産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録層の一例を面内に平行に切断した時の切断
面の一部を模式的に示したものである。
【符号の説明】
1 記録層、2 非磁性酸化物、3 磁性金属合金微粒

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の面に、Coを
    含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる記録層
    を形成したことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
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