JP2003346318A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2003346318A
JP2003346318A JP2002149407A JP2002149407A JP2003346318A JP 2003346318 A JP2003346318 A JP 2003346318A JP 2002149407 A JP2002149407 A JP 2002149407A JP 2002149407 A JP2002149407 A JP 2002149407A JP 2003346318 A JP2003346318 A JP 2003346318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
magnetic
film
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2002149407A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Moriwaki
健一 森脇
Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002149407A priority Critical patent/JP2003346318A/ja
Priority to US10/442,940 priority patent/US6875505B2/en
Priority to EP03253283A priority patent/EP1365390B1/en
Priority to DE60306582T priority patent/DE60306582T2/de
Publication of JP2003346318A publication Critical patent/JP2003346318A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/66Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers
    • G11B5/676Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers having magnetic layers separated by a nonmagnetic layer, e.g. antiferromagnetic layer, Cu layer or coupling layer
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/66Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers
    • G11B5/672Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers having different compositions in a plurality of magnetic layers, e.g. layer compositions having differing elemental components or differing proportions of elements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7369Two or more non-magnetic underlayers, e.g. seed layers or barrier layers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/90Magnetic feature
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/12All metal or with adjacent metals
    • Y10T428/12465All metal or with adjacent metals having magnetic properties, or preformed fiber orientation coordinate with shape

Abstract

(57)【要約】 【課題】高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量磁
気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 可撓性支持体の少なくとも一方の面に、
第1記録層、中間層、第2記録層をこの順に形成した磁
気記録媒体であって、上記第2記録層はCo、Pt及び
Crを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる
ことを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル情報の記
録に使用する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットの普及により、パ
ーソナル・コンピュータを用いて大容量の動画情報や音
声情報の処理を行う等、コンピュータの利用形態が変化
してきている。これに伴い、ハードディスク等の磁気記
録媒体に要求される記憶容量も増大している。
【0003】ハードディスク装置においては、磁気ディ
スクの回転に伴い、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面か
らわずかに浮上し、非接触で磁気記録を行っている。こ
のため、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触によって磁
気ディスクが破損するのを防止している。高密度化に伴
って磁気ヘッドの浮上高さは次第に低減されており、鏡
面研磨された超平滑なガラス支持体上に磁気記録層等を
形成した磁気ディスクを用いることにより、現在では1
0nm〜20nmの浮上高さが実現されている。媒体に
おいては、一般的にCoPtCr系磁性層/Cr下地層
が用いられており、200℃〜500℃の高温にするこ
とで、Cr下地層によりCoPtCr系磁性層の磁化容
易方向が膜面内となるよう制御している。さらに、Co
PtCr系磁性層中のCrの偏析を促し、磁性層中の磁
区を分離している。この様なヘッドの低浮上量化、ヘッ
ド構造の改良、ディスク記録膜の改良等の技術革新によ
ってハードディスクドライブの面記録密度と記録容量は
ここ数年で飛躍的に増大してきた。
【0004】取り扱うことができるデジタルデータ量が
増大することによって、動画データの様な大容量のデー
タを可換型媒体に記録して、移動させるというニーズが
生まれてきた。しかしながら、ハードディスクは支持体
が硬質であって、しかも上述のようにヘッドとディスク
の間隔が極わずかであるため、フレキシブルディスクや
書き換え型光ディスクの様に可換媒体として使用しよう
とすると、動作中の衝撃や塵埃の巻き込みによって故障
を発生する懸念が高く、使用できない。また、現在一般
に普及している面内記録媒体では、さらなる高密度記録
化において、熱揺らぎによる記録信号の不安定性の課題
がある。
【0005】上記の課題を解決する手段として、交換層
構造上に磁性層を設ける磁気記録媒体が提案されてい
る。該磁性層に記録された信号は、通常の面内記録媒体
に記録された信号に比べて、交換結合による磁気信号の
安定化がなされているために、より高密度記録において
も、熱揺らぎの影響を少なくすることができる。このよ
うな手法は、例えば特開2001−56921に記載さ
れているものを用いることができる。しかし、支持体を
可撓性高分子支持体とした場合には、磁性層成膜時に高
温にすることができないばかりか、交換層に用いている
Ru等は膜応力が大きく、支持体が変形してしまう。
【0006】さらに、媒体製造において高温スパッタ成
膜法を用いた場合、生産性が悪いばかりでなく、大量生
産時のコスト上昇につながり、安価に生産できない。
【0007】一方、フレキシブルディスクは支持体がフ
レキシブルな高分子フィルムであり、接触記録可能な媒
体であるため可換性に優れており、安価に生産できる
が、現在市販されているフレキシブルディスクは記録膜
が磁性体を高分子バインダーや研磨剤とともに高分子フ
ィルム上に塗布した構造であるため、スパッタ法で磁性
膜を形成しているハードディスクと比較すると、磁性層
の高密度記録特性が悪く、ハードディスクの1/10以
下の記録密度しか達成できていない。そこで記録膜をハ
ードディスクと同様のスパッタ法で形成する強磁性金属
薄膜型のフレキシブルディスクも提案されているが、ハ
ードディスクと同様の磁性層を高分子フィルム上に形成
しようとすると、高分子フィルムの熱ダメージが大き
く、実用化が困難である。また、ヘッドとメディアの接
触は避けられないため、硬質な保護層が必要不可欠とな
っている。このため高分子フィルムとして耐熱性の高い
ポリイミドや芳香族ポリアミドフィルムを使用する提案
もなされているが、これらの耐熱性フィルムが非常に高
価であり、実用化が困難となっている。また高分子フィ
ルムに熱ダメージを生じないように、高分子フィルムを
冷却した状態で磁性膜を形成しようとすると、磁性層の
磁気特性が不十分となり、記録密度の向上が困難となっ
ている。
【0008】それに対し、強磁性金属合金と非磁性酸化
物からなる強磁性金属薄膜を用いた場合、室温で成膜し
た場合においても、200℃〜500℃の高温条件下で
成膜したCoPtCr系磁性層とほぼ同等の磁気特性を
得られることがわかってきた。このような強磁性金属合
金と非磁性酸化物からなる強磁性金属薄膜はハードディ
スクで提案されているいわゆるグラニュラ構造であり、
特開平5−73880号公報や特開平7−311929
号公報に記載されているものが使用できる。それでも、
さらなる高密度記録化においては、熱揺らぎ等の問題が
未解決のままである。
【0009】DVD−R/RWに代表される追記型およ
び書き換え型光ディスクは磁気ディスクのようにヘッド
とディスクが近接していないため、可換性に優れてお
り、広く普及している。しかしながら光ディスクは、光
ピックアップの厚みとコストの問題から、高容量化に有
利な磁気ディスクのように両面を記録面としたディスク
構造を用いることが困難であるといった問題がある。さ
らに、磁気ディスクと比較すると面記録密度が低く、デ
ータ転送速度も低いため、書き換え型の大容量記録媒体
としての使用を考えると、未だ十分な性能とはいえな
い。
【0010】上記の通り、大容量の書き換え可能な可換
型記録媒体は、その要求が高いものの、性能、信頼性、
コストを満足するものが存在しない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、
高性能で高信頼性を有し、かつ安価な高容量磁気記録媒
体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の磁気記録媒体は、可撓性支持体の少なくと
も一方の面に、第1記録層、中間層、第2記録層をこの
順に形成した磁気記録媒体であって、上記第2記録層は
Co、Pt及びCrを含有する強磁性金属合金と非磁性
酸化物からなることを特徴とする。
【0013】つまり、本発明の磁気記録媒体は、Co、
Pt及びCrを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物
からなる強磁性金属薄膜記録層を備えているので、ハー
ドディスクのような高記録密度記録が可能となり、高容
量化が可能となる。このようなCo、Pt及びCrを含
有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる強磁性金
属薄膜はハードディスクで提案されているいわゆるグラ
ニュラ構造であり、特開平5−73880号公報や特開
平7−311929号公報に記載されているものが使用
できる。
【0014】さらに、本発明の膜応力の小さい中間層を
第1記録層と第2記録層の間に導入することで微小ドッ
ト記録信号の安定性が高まり、高密度記録において課題
とされている熱揺らぎの問題を解決することができる。
【0015】この様な第1記録層、中間層、第2記録層
を使用することによって、従来のような支持体加熱が不
要となり、支持体温度が室温であっても、良好な磁気特
性を達成することができ、かつ熱揺らぎの問題を解決で
きる磁気記録媒体を得ることが可能となる。このため、
支持体がガラス支持体やAl支持体でなく、高分子フィ
ルムであっても熱ダメージを生じることなく、接触記録
に耐性のある、平坦な磁気テープやフレキシブルディス
クも提供することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0017】本実施の形態に係る磁気記録媒体の支持体
は、可撓性支持体であり、可撓性高分子フィルムを用い
ることが生産性の点で、より好ましい。本実施はテープ
形状でもフレキシブルディスク形状でも用いることがで
きる。可撓性高分子フィルム支持体を用いた本実施フレ
キシブルディスクは、中心部にセンターホールが形成さ
れた構造であり、プラスチック等で形成されたカートリ
ッジ内に格納されている。なお、カートリッジには、通
常、金属性のシャッタで覆われたアクセス窓を備えてお
り、このアクセス窓を介して磁気ヘッドが導入されるこ
とにより、フレキシブルディスクへの信号記録や再生が
行われる。
【0018】磁気記録媒体は可撓性支持体に、第1記録
層、中間層、第2記録層を有するものであるが、支持体
に、表面性とガスバリア性を改善する下塗り層、密着性
・結晶配向性・導電性の機能を有する導電性層、磁性層
の結晶配向性を制御するための下地層、第1記録層、中
間層、第2記録層、磁性層を腐食や磨耗から保護する保
護層、及び走行耐久性および耐食性を改善する潤滑層
が、この順に積層されて構成されていることが好まし
い。ディスク状磁気記録媒体は、通常、可撓性支持体の
両面に上記各層が設けられる。テープ状媒体は、通常、
支持体の片面に上記各層が設けられるが、両面に設けて
も構わない。尚、第1記録層及び第2記録層を総称して
記録層とも言う。
【0019】記録層は、現在のハードディスクやテープ
で主流となっている面内磁気記録膜を用いるため、シス
テムを組む際にも好適である。この磁化容易軸の方向は
下地層や中間層の材料や結晶構造および磁性膜の組成と
成膜条件によって制御することができる。
【0020】記録層は前記の通り、Coを含有する強磁
性金属合金と非磁性酸化物からなるものである。強磁性
金属合金と非磁性酸化物はマクロ的には混合されている
が、ミクロ的には磁性金属合金微粒子を非磁性酸化物が
被覆するような構造もしくは島状に分離した構造となっ
ている。記録層を面内に平行に切断した時の切断面の一
部を模式的に図1に示した。強磁性金属合金粒子の大き
さ(最大長)Raは1nmから110nm程度であり、
また、両者間の距離Lは、1〜110nm程度である。
ただし、局所的にLが0である場合も許容される。この
様な構造となることで、高い保持力を達成でき、また磁
性粒子サイズの分散性が均一となるため、低ノイズ媒体
を達成することができる。
【0021】Co、Pt及びCrを含有する強磁性金属
合金としてはCo、Cr、PtとNi、Fe、B、S
i、Ta、Nb、Ru等の元素との合金が使用できる
が、記録特性を考慮するとCo−Pt−Cr、Co−P
t−Cr−Ta、Co−Pt−Cr−B、Co−Ru−
Cr等が特に好ましい。
【0022】非磁性酸化物としてはSi、Zr、Ta、
B、Ti、Al、Cr、Ba、Zn、Na、La、I
n、Pb等の酸化物が使用できるが、記録特性を考慮す
るとケイ素の酸化物が最も好ましい。
【0023】Co、Pt及びCrを含有する強磁性金属
合金と非磁性酸化物の存在比は、強磁性金属合金:非磁
性酸化物=95:5〜80:20(原子比)の範囲であ
ることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であ
ることが特に好ましい。これよりも強磁性金属合金が多
くなると、磁性粒子間の分離が不十分となり、保持力が
低下してしまう。逆にこれよりも少なくなると、磁化量
が減少するため、信号出力が著しく低下してしまう。
【0024】Co、Pt及びCrを含有する強磁性金属
合金と非磁性酸化物からなる第2記録層、あるいは更に
第1記録層の厚みとしては好ましくは10nm〜60n
m、さらに好ましくは20nm〜40nmの範囲であ
る。これよりも厚みが厚くなるとノイズが著しく増加し
てしまい、逆に厚みが薄くなると、出力が著しく減少し
てしまう。
【0025】Co、Pt及びCrを含有する強磁性金属
合金と非磁性酸化物からなる記録層を形成する方法とし
ては真空蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用で
きる。中でもスパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可
能であることから、本発明に好適である。スパッタ法と
しては公知のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれ
も使用可能である。スパッタ法は連続フィルム上に連続
して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、ハー
ドディスクの製造に使用されるような枚様式スパッタ装
置や通過型スパッタ装置も使用可能である。
【0026】スパッタ時のスパッタガスとしては一般的
なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガスを使用
しても良い。また非磁性酸化物の酸素含有率の調整や表
面酸化の目的で微量の酸素ガスを導入してもかまわな
い。
【0027】スパッタ法でCo、Pt及びCrを含有す
る強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる磁性層を形成
するためには強磁性金属合金ターゲットと非磁性酸化物
ターゲットの2種を用い、これらの共スパッタ法を使用
することも可能であるが、磁性粒子サイズの分散性を改
善し、均質な膜を作成するため、Co、Pt及びCrを
含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物の合金ターゲッ
トを用いることが好ましい。この合金ターゲットはホッ
トプレス法で作成することができる。
【0028】第1記録層/中間層/第2記録層という層
構成にすることで、ヘッドにより直接記録再生される第
2記録層に対して、中間層で隔てられた第1記録層には
磁化反転された信号が記録される。つまり、第1記録層
と第2記録層で反強磁性結合を形成するため、記録信号
が交換相互作用によって安定に保たれる。そのため、隣
接する信号による磁化揺らぎが起こりにくく、高密度記
録された信号においても、充分な記録特性を得ることが
できる。
【0029】上記中間層としては、高透磁率の組成が好
ましく、例えば、IrMn、PdMn、PtMn、Fe
Mn、NiMn等のMn合金、RuCr、RuPt、R
uCo等のRu合金、Rh合金、Re合金、Os合金、
Cu合金、Ni酸化物、Fe酸化物、Cr酸化物、Cu
酸化物、Pt、Pd、Ta等を用いることができるが、
記録特性上、Mn合金、Ru合金、Cu酸化物、Cr酸
化物、Pt、Pd、Ta等が特に好ましい。
【0030】中間層として膜応力の大きい材料を用いた
場合、支持体変形を伴うとともに、記録層との密着も悪
くなる。そのため、膜応力が5GPa/μm以下である
ことが望ましい。
【0031】中間層の厚みは、1nmから30nmが好
ましく、3nmから10nmが特に好ましい。これより
も厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、記録層
との密着が悪くなることや、第1記録層と第2記録層の
間で反強磁性結合が得られなくなるという問題があり、
逆にこれよりも厚みが薄くなると、中間層効果が得られ
ず、見かけ上の磁性層膜厚が大きくなるため、ノイズ増
大の要因となる。
【0032】中間層を成膜する方法としては真空蒸着
法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でも
スパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であること
から、本発明に好適である。スパッタ法としては、公知
のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能
である。スパッタ法は、可撓性高分子フィルムを支持体
としたフレキシブルディスクの場合、連続フィルム上に
連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、
Al支持体やガラス支持体を用いる場合に使用されるよ
うな枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用で
きる。
【0033】中間層スパッタ時のスパッタガスとしては
一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガス
を使用しても良い。また、中間層の格子定数制御および
膜応力緩和の目的で、微量の酸素ガスを導入してもかま
わない。
【0034】下地層は記録層の結晶配向性を制御する目
的で設けることが望ましい。そのような下地層として
は、Cr系、Ru系、Ti系合金を用いることができる
が、その他の元素を含む合金も用いることができる。こ
の様な下地層を用いることによって、記録層の配向性を
改善できるため、記録特性が向上する。
【0035】上記Cr系合金としては、CrとCo、B
e、Os、Re、Ti、Zn、Ta、Al、Ru、M
o、V、W、Fe、Sb、Ir、Rh、Pt、Pd、S
iおよびZrから選択される少なくとも1種の元素を有
する合金が望ましいが、それ以外の元素を含有するCr
合金を用いても構わない。上記Cr合金において、Cr
と他の元素の混合比は、Cr:他の元素=99:1〜5
0:50(原子比)の範囲であることが望ましい。上記
Ru系合金としては、RuとCo、Be、Os、Re、
Ti、Zn、Ta、Al、Cr、Mo、W、Fe、S
b、Ir、Rh、Pt、Pd、SiおよびZrから選択
される少なくとも1種の元素を有する合金が望ましい
が、それ以外の元素を含有するRu合金を用いても構わ
ない。上記Ru合金において、Ruと他の元素の混合比
は、Ru:他の元素=99:1〜50:50(原子比)
の範囲であることが望ましい。上記Ti系合金として
は、TiとCo、Be、Os、Re、Cr、Zn、T
a、Al、Mo、W、V、Fe、Sb、Ir、Ru、R
h、Pt、Pd、SiおよびZrから選択される少なく
とも1種の元素を有する合金が望ましいが、それ以外の
元素を含有するTi合金を用いても構わない。上記Ti
合金において、Tiと他の元素の混合比は、Ti:他の
元素=99:1〜50:50(原子比)の範囲であるこ
とが望ましい。
【0036】下地層の厚みは10nm〜200nmが好
ましく、10nm〜100nmが特に好ましい。これよ
りも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるとともに、結晶
粒の肥大化によりノイズが増加してしまい、逆にこれよ
りも厚みが薄くなると、下地層効果による磁気特性の向
上が得られない。
【0037】下地層を成膜する方法としては真空蒸着
法、スパッタ法などの真空成膜法が使用できる。中でも
スパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能であること
から、本発明に好適である。スパッタ法としては、公知
のDCスパッタ法、RFスパッタ法のいずれも使用可能
である。スパッタ法は、可撓性高分子フィルムを支持体
としたフレキシブルディスクの場合、連続フィルム上に
連続して成膜するウェブスパッタ装置が好適であるが、
Al支持体やガラス支持体を用いる場合に使用されるよ
うな枚様式スパッタ装置や通過型スパッタ装置も使用で
きる。
【0038】下地層スパッタ時のスパッタガスとしては
一般的なアルゴンガスが使用できるが、その他の希ガス
を使用しても良い。また、下地層の格子定数制御の目的
で、微量の酸素ガスを導入してもかまわない。
【0039】導電性層は、通常、下塗り層と下地層の間
に設けられる。導電性層としては、磁気記録媒体の導電
性確保に加えて、下地層、ひいては記録層の密着性の改
善や同層の結晶配向制御の目的等で、電気抵抗率が0Ω
・mから5Ω・mの導電性層を用いることができる。電
気抵抗率は、4端子電気抵抗率測定器で計測することが
できる。
【0040】このような導電性層としては、Ti、A
l、Cu、Ag、Ni、Pd、Pt、Mn、Zn、G
e、Sn、PbおよびAuから選択される少なくとも1
種の元素を有する合金を使用することができるが、それ
以外の元素を含有する合金を用いてもかまわない。
【0041】上記導電性層の厚みは10nm〜200n
mが好ましく、10nm〜100nmが特に好ましい。
これよりも厚みが厚くなると、生産性が悪くなるととも
に、結晶粒の肥大化によりノイズが増加してしまい、逆に
これよりも厚みが薄くなると、導電性層効果による磁気
特性の向上、およびCVD法で硬質な保護層を成膜する
際に必要な導電性が得られない。
【0042】導電性層を形成する方法としては、真空蒸
着法、スパッタ法などの真空成膜法が使用でき、中でも
スパッタ法は良質な超薄膜が容易に成膜可能である。
【0043】可撓性支持体は、磁気ヘッドと磁気ディス
クとが接触した時の衝撃を回避することができる。可撓
性支持体は、可撓性を備えた樹脂フィルム(可撓性高分
子支持体)で構成されていることが好ましい。このよう
な樹脂フィルムとしては、芳香族ポリイミド、芳香族ポ
リアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポ
リサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチ
レンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、トリアセテートセルロース、フッ素樹脂
等からなる樹脂フィルムが挙げられる。本発明では支持
体を加熱することなく良好な記録特性を達成することが
できるため、価格や表面性の観点からポリエチレンテレ
フタレートまたはポリエチレンナフタレートが特に好ま
しい。
【0044】また、可撓性支持体として樹脂フィルムを
複数枚ラミネートしたものを用いてもよい。ラミネート
フィルムを用いることにより、支持体自身に起因する反
りやうねりを軽減することができ、磁気記録層の耐傷性
を著しく改善することがきる。
【0045】ラミネート手法としては、熱ローラによる
ロールラミネート、平板熱プレスによるラミネート、接
着面に接着剤を塗布してラミネートするドライラミネー
ト、予めシート状に成形された接着シートを用いるラミ
ネート等が挙げられる。接着剤の種類は、特に限定され
ず、一般的なホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、U
V硬化型接着剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気
性接着剤などを使用することがきる。
【0046】可撓性支持体の厚みは、10μm〜200
μm、好ましくは20μm〜150μm、さらに好まし
くは30μm〜100μmである。可撓性支持体の厚み
が10μmより薄いと、高速回転時の安定性が低下し、
面ぶれが増加する。一方、可撓性支持体の厚みが200
μmより厚いと、回転時の剛性が高くなり、接触時の衝
撃を回避することが困難になり、磁気ヘッドの跳躍を招
く。
【0047】可撓性支持体の腰の強さは、下記式で表さ
れ、b=10mmでの値が0.5kgf/mm2〜2.
0kgf/mm2(≒4.9〜19.6MPa)の範囲
にあることが好ましく、0.7kgf/mm2〜1.5
kgf/mm2(≒6.9〜14.7MPa)がより好
ましい。可撓性支持体の腰の強さ=Ebd3/12な
お、この式において、Eはヤング率、bはフィルム幅、
dはフィルム厚さを各々表す。
【0048】可撓性支持体の表面は、磁気ヘッドによる
記録を行うために、可能な限り平滑であることが好まし
い。可撓性支持体表面の凹凸は、信号の記録再生特性を
著しく低下させる。具体的には、後述する下塗り層を使
用する場合では、光学式の表面粗さ計で測定した表面粗
さが中心面平均粗さSRaで5nm以内、好ましくは2
nm以内、触針式表面粗さ計で測定した突起高さが1μ
m以内、好ましくは0.1μm以内である。また、下塗
り層を用いない場合では、光学式の表面粗さ計で測定し
た表面粗さが中心面平均粗さSRaで3nm以内、好ま
しくは1nm以内、触針式表面粗さ計で測定した突起高
さが0.1μm以内、好ましくは0.06μm以内であ
る。
【0049】可撓性支持体表面には、平面性の改善とガ
スバリア性を目的として下塗り層を設けることが好まし
い。磁性層をスパッタリング等で形成するため、下塗り
層は耐熱性に優れることが好ましく、下塗り層の材料と
しては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を使用することが
できる。熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコーン
樹脂は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り層の
厚みは、0.1μm〜3.0μmが好ましい。可撓性支
持体に他の樹脂フィルムをラミネートする場合には、ラ
ミネート加工前に下塗り層を形成してもよく、ラミネー
ト加工後に下塗り層を形成してもよい。
【0050】熱硬化性ポリイミド樹脂としては、例え
ば、丸善石油化学社製のビスアリルナジイミド「BAN
I」のように、分子内に末端不飽和基を2つ以上有する
イミドモノマーを、熱重合して得られるポリイミド樹脂
が好適に用いられる。このイミドモノマーは、モノマー
の状態で可撓性支持体表面に塗布した後に、比較的低温
で熱重合させることができるので、原料となるモノマー
を可撓性支持体上に直接塗布して硬化させることができ
る。また、このイミドモノマーは汎用溶剤に溶解させて
使用することができ、生産性、作業性に優れると共に、
分子量が小さく、その溶液粘度が低いために、塗布時に
凹凸に対する回り込みが良く、平滑化効果が高い。
【0051】熱硬化性シリコーン樹脂としては、有機基
が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重
合したシリコーン樹脂が好適に用いられる。このシリコ
ーン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換
した構造からなりシリコンゴムよりも大幅に耐熱性に優
れると共に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるた
め、可撓性フィルムからなる可撓性支持体上に樹脂膜を
形成しても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料と
なるモノマーを可撓性支持体上に直接塗布して硬化させ
ることができるため、汎用溶剤を使用することができ、
凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。更
に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加に
より比較的低温から進行するため、短時間で硬化させる
ことができ、汎用の塗布装置を用いて樹脂膜を形成する
ことができる。また熱硬化性シリコーン樹脂はガスバリ
ア性に優れており、磁性層形成時に可撓性支持体から発
生する磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害する
ガスを遮蔽するガスバリア性が高く、特に好適である。
【0052】下塗り層の表面には、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を改善する
ことを目的として、微小突起(テクスチャ)を設けるこ
とが好ましい。また、微小突起を設けることにより、可
撓性支持体のハンドリング性も良好になる。微小突起を
形成する方法としては、球状シリカ粒子を塗布する方
法、エマルジョンを塗布して有機物の突起を形成する方
法などが使用できるが、下塗り層の耐熱性を確保するた
め、球状シリカ粒子を塗布して微小突起を形成するのが
好ましい。
【0053】微小突起の高さは5nm〜60nmが好ま
しく、l0nm〜30mmがより好ましい。微小突起の
高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシング
ロスによって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が
低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起
の密度は0.1〜100個/μm2が好ましく、1〜1
0個/μm2がより好ましい。微小突起の密度が少なす
ぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎる
と凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生
特性が劣化する。
【0054】また、バインダーを用いて微小突起を可撓
性支持体表面に固定することもできる。バインダーに
は、十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好まし
く、耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミ
ド樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコーン
樹脂を使用することが特に好ましい。
【0055】保護層は、磁性層に含まれる金属材料の腐
蝕を防止し、磁気ヘッドと磁気ディスクとの擬似接触ま
たは接触摺動による摩耗を防止して、走行耐久性、耐食
性を改善するために設けられる。保護層には、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化Co、酸化ニッ
ケルなどの酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ
素などの窒化物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素
等の炭化物、グラファイト、無定型カーボンなどの炭素
等の材料を使用することができる。
【0056】保護層としては、磁気ヘッド材質と同等ま
たはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼
き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、
摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にピンホ
ールが少ないものが、耐食性に優れておりより好まし
い。このような保護膜としては、CVD法で作製される
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)と呼ばれる硬質
炭素膜が挙げられる。
【0057】充分な導電性を有する導電性層を用いるこ
とで、CVD法でバイアス電圧をかけながら、DLC保
護層を成膜することが可能となる。
【0058】保護層は、性質の異なる2種類以上の薄膜
を積層した構成とすることができる。例えば、表面側に
摺動特性を改善するための硬質炭素保護膜を設け、磁気
記録層側に耐食性を改善するための窒化珪素などの窒化
物保護膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次元
で両立することが可能となる。
【0059】保護層上には、走行耐久性および耐食性を
改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、公
知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等
の潤滑剤が使用される。
【0060】炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン
酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル
等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン
酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコ
ール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、
ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。
【0061】フッ素系潤滑剤としては、前記炭化水素系
潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキ
ル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤
滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基として
は パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフル
オロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)C
2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的に
は、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン
−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、
商品名「FOMBLIN Z−DOL」)等が挙げられ
る。
【0062】極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル
等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リ
ン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチ
オ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジ
ベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
【0063】前記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用し
て使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶
液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布す
るか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよ
い。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m2が好
ましく、2〜20mg/m2が特に好ましい。
【0064】また、耐食性をさらに高めるために、防錆
剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、
潤滑剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を
塗布する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布
してもよい。防錆剤の塗布量としては、0.1〜10m
g/m2が好ましく、0.5〜5mg/m2が特に好まし
い。
【0065】以下に、可撓性高分子支持体を用いた磁気
記録媒体の作製方法の一例について説明する。成膜装置
を用いた可撓性高分子支持体上への記録層等の層の形成
方法を説明する。成膜装置は、真空室を有し、真空ポン
プによって所定の圧力に減圧された状態でアルゴンガス
がスパッタリング気体供給管から所定の流量で供給され
ている。可撓性高分子支持体は、巻だしロールから巻き
だされ、張力調整ロールによって張力を調整されて、成
膜ロールに沿って搬送された状態で、導電性層、下地
層、第1記録層、中間層または第2記録層の各々の形成
用スパッタリング装置のターゲットを用いて、該支持体
上に順次、導電性層、下地層、第1記録層、中間層また
は第2記録層の各々の層が成膜される。次に、記録層が
形成された面を第2の成膜ロールに沿わせた状態で、上
記と同様に各々の層が成膜される。
【0066】以上の工程によって、可撓性高分子支持体
の両面に記録層が形成されて、巻き取りロールによって
巻き取られる。また、以上の説明では、可撓性高分子支
持体の両面に記録層を形成する方法について説明をした
が、同様の方法で一方の面のみに形成することも可能で
ある。記録層を形成した後に、記録層上にダイヤモンド
状炭素をはじめとした保護層がCVD法によって形成さ
れる。
【0067】本発明に適用可能な高周波プラズマを利用
したCVD装置の一例を説明する。記録層を形成した可
撓性高分子支持体は、ロールから巻き出され、パスロー
ラによってバイアス電源からバイアス電圧が記録層に給
電され成膜ロールに沿わせた状態で搬送される。一方、
炭化水素、窒素、希ガス等を含有する原料気体は、高周
波電源から印加された電圧によって発生したプラズマに
よって、成膜ロール上の記録層上に窒素、希ガスを含有
した炭素保護膜が形成され、巻き取りロールに巻き取ら
れる。また、炭素保護膜の作製の前に記録層表面を希ガ
スや水素ガスによるグロー処理などによって清浄化する
ことでより大きな密着性を確保することができる。ま
た、記録層表面にシリコン中間層等を形成することによ
って密着性をさらに高めることができる。
【0068】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例について説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)厚み63μm、表面粗さRa=1.4nm
のポリエチレンナフタレートフィルム上に3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、塩酸、アルミニウムアセチルアセトネート、
エタノールからなる下塗り液をグラビアコート法で塗布
した後、100℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.0μm
のシリコーン樹脂からなる下塗り層を作成した。この下
塗り層上に粒子径25nmのシリカゾルと前記下塗り液
を混合した塗布液をグラビアコート法で塗布して、下塗
り層上に高さ15nmの突起を10個/μm2の密度で
形成した。この下塗り層は可撓性支持体フィルムの両面
に形成した。次に図に示したウェブスパッタ装置にこの
原反を設置し、水冷したキャン上にフィルムを密着させ
ながら搬送し、下塗り層上に、DCマグネトロンスパッ
タ法で、Tiからなる導電性層を30nmの厚みで、
{(Cr:Ru=90:10原子比)、即ち(Cr90
10)と記す。以下同様}からなる下地層を40nmの
厚みで、{(Co:Pt:Cr=70:20:10原子
比):SiO2=88:12(原子比)、即ち(Co7 0
Pt20Cr1088−(SiO212と記す}からなる第
1記録層を10nmの厚みで形成し、その上にRu90
10からなる中間層、(Co70Pt20Cr1088−(S
iO212からなる第2記録層を20nmの厚みで形成
した。この導電性層、下地層、第1記録層、中間層、第
2記録層はフィルムの両面に成膜した。次にこの原反を
ウェブ式のCVD装置に設置し、エチレンガス、窒素ガ
ス、アルゴンガスを反応ガスとして用いたRFプラズマ
CVD法でC:H:N=62:29:7mol比からな
る窒素添加DLC保護膜を10nmの厚みで形成した。
なおこのとき磁性層には−500Vのバイアスを印加し
た。この保護層もフィルムの両面に成膜した。次にこの
保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテル系潤滑剤(モンテフルオス社製FOMBLI
N Z−DOL)をフッ素系潤滑剤(住友スリーエム社
製HFE−7200)に溶解した溶液をグラビアコート
法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。この潤滑
層もフィルムの両面に形成した。次にこの原反から3.
7inchサイズのディスクを打ち抜き、これをテープ
バーニッシュした後、樹脂製カートリッジ(富士写真フ
イルム社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブ
ルディスクを作製した。
【0069】(実施例2)実施例1において下塗り層を
形成した原反から直径130mmの円盤状シートを打ち
抜き、これを円形のリングに固定した。このシートに対
してバッチ式スパッタ装置を用いて、実施例1と同一組
成の導電性層、下地層、記録層を両面に形成し、さらに
CVD装置でDLC保護膜を形成した。このシート状に
ディップコート法で実施例1と同一の潤滑層を形成し
た。次にこのシートから3.7inchサイズのディス
クを打ち抜き、これをテープバーニッシュした後、樹脂
製カートリッジ(富士写真フイルム社製Zip100
用)に組み込んで、フレキシブルディスクを作製した。
【0070】(実施例3−11)実施例1において下表
に示す中間層を形成した以外は実施例1と同様にフレキ
シブルディスクを作製した。
【0071】
【表1】
【0072】(比較例1)実施例1において可撓性支持
体に代えて鏡面研磨した3.7inchガラス支持体を
用いた以外は実施例1と同様にハードディスクを形成し
た。但し、下塗りは付与せず、カートリッジにも組み込
まなかった。
【0073】(比較例2)実施例1において第1および
第2記録層の組成(Co70Pt20Cr1088−(SiO
212をCo70Pt20Cr10とした以外は実施例1と同
様にフレキシブルディスクを作製した。
【0074】(比較例3)実施例1において中間層、第
2記録層を除いた以外は実施例1と同様にフレキシブル
ディスクを作製した。
【0075】得られた上記試料を以下により評価した。
結果を表1に示す。 磁気特性 保磁力HcをVSMで測定した。 面ぶれ フレキシブルディスクおよびハードディスクを3000
rpmで回転させ、半径位置35mmの位置における面
ぶれをレーザー変位計で測定した。 C/N 再生トラック幅1.3μm、再生ギャップ0.26μm
のMRヘッドを用いて、線記録密度130kFCIの記
録再生を行い、再生信号/ノイズ(C/N)比を測定し
た。なおこのとき回転数は3000rpm、半径位置は
35mm、ヘッド加重は3gfとした。なお、C/N値
は実施例1での値を基準として、その値からの増減を示
した。 モジュレーション(MDN) 前記C/N測定の際の再生出力をディスク一周について
計測(エンベロープ)し、この出力のMin/Max比
を計測した。 熱揺らぎによる信号出力低下 トラック幅0.8μmの信号記録したフレキシブルディ
スクを、60℃50%環境下で1週間保存した後、MR
ヘッドで再生し、信号出力の低下を測定した。
【0076】
【表2】
【0077】上記結果からわかるように、本発明のフレ
キシブルディスクは記録特性と熱揺らぎの低減の両方と
もに優れていることがわかる。一方、可撓性支持体に代
えてガラス支持体を用いた比較例1では、同様に作製し
たフレキシブルディスクである実施例1に対してC/N
が若干低下している。これは出力が相対的に低下してい
るためであり、ハードディスクの方がフレキシブルディ
スクよりもヘッドの浮上量が高いためと考えられる。ま
た記録層に非磁性酸化物(SiO2)を使用しなかった
比較例2では保磁力が低下し、記録特性が低下してい
る。中間層、第2記録層を除いた比較例3は、熱揺らぎ
の影響を受けてしまい、大幅な出力低下が見られた。
【発明の効果】本発明によると、高密度磁気記録装置に
用いて好適な、強磁性体間の相互作用が小さく、低ノイ
ズでかつ、信号安定性の高い磁気記録媒体を室温成膜で
安価に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録層の一例を面内に平行に切断した時の切断
面の一部を模式的に示したものである。
【符号の説明】
1 記録層、2 非磁性酸化物、3 磁性金属合金微粒
フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 CA01 CA02 DA02 EA03 FA00 5E049 AA04 BA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持体の少なくとも一方の面に、
    第1記録層、中間層、第2記録層をこの順に形成した磁
    気記録媒体であって、上記第2記録層はCo、Pt及び
    Crを含有する強磁性金属合金と非磁性酸化物からなる
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
JP2002149407A 2002-05-23 2002-05-23 磁気記録媒体 Abandoned JP2003346318A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002149407A JP2003346318A (ja) 2002-05-23 2002-05-23 磁気記録媒体
US10/442,940 US6875505B2 (en) 2002-05-23 2003-05-22 Magnetic recording medium
EP03253283A EP1365390B1 (en) 2002-05-23 2003-05-23 Magnetic recording medium
DE60306582T DE60306582T2 (de) 2002-05-23 2003-05-23 Magnetisches Aufzeichnungsmedium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002149407A JP2003346318A (ja) 2002-05-23 2002-05-23 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003346318A true JP2003346318A (ja) 2003-12-05

Family

ID=29397907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002149407A Abandoned JP2003346318A (ja) 2002-05-23 2002-05-23 磁気記録媒体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6875505B2 (ja)
EP (1) EP1365390B1 (ja)
JP (1) JP2003346318A (ja)
DE (1) DE60306582T2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030134151A1 (en) * 2001-09-14 2003-07-17 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium
JP2003346317A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Fuji Photo Film Co Ltd 垂直磁気記録媒体
JP2005004919A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
US7429427B2 (en) * 2004-12-06 2008-09-30 Seagate Technology Llc Granular magnetic recording media with improved grain segregation and corrosion resistance
US20070184308A1 (en) * 2006-02-08 2007-08-09 Imation Corp. Magnetic recording medium with reservoirs and method of manufacture
US20080057350A1 (en) * 2006-09-01 2008-03-06 Heraeus, Inc. Magnetic media and sputter targets with compositions of high anisotropy alloys and oxide compounds
JP5383050B2 (ja) * 2008-01-11 2014-01-08 昭和電工株式会社 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
WO2010029607A1 (ja) * 2008-09-09 2010-03-18 株式会社 東芝 情報記録再生装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58125232A (ja) * 1982-01-21 1983-07-26 Hitachi Condenser Co Ltd 磁気記録媒体
JP2748014B2 (ja) * 1989-03-31 1998-05-06 コニカ株式会社 磁気記録媒体、その製造方法及び製造装置
JPH087859B2 (ja) 1991-09-06 1996-01-29 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH07311929A (ja) 1994-03-22 1995-11-28 Asahi Komagu Kk 磁気記録媒体とその製造方法
US5843565A (en) * 1996-10-31 1998-12-01 Ampex Corporation Particulate magnetic medium utilizing keeper technology and methods of manufacture
JPH1166548A (ja) * 1997-08-07 1999-03-09 Kao Corp 磁気記録媒体
JP3476739B2 (ja) 1999-06-08 2003-12-10 富士通株式会社 磁気記録媒体
US6723450B2 (en) * 2002-03-19 2004-04-20 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic recording medium with antiparallel coupled ferromagnetic films as the recording layer

Also Published As

Publication number Publication date
EP1365390A2 (en) 2003-11-26
US20030219629A1 (en) 2003-11-27
EP1365390B1 (en) 2006-07-05
DE60306582T2 (de) 2007-06-28
US6875505B2 (en) 2005-04-05
EP1365390A3 (en) 2005-03-16
DE60306582D1 (de) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003346317A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2003208710A (ja) 磁気記録媒体
JP2003346318A (ja) 磁気記録媒体
JP2005092991A (ja) 磁気記録媒体
JP2006286115A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2005004899A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2005353191A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2004171604A (ja) 小型可換型磁気記録媒体
JP3907178B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2006318535A (ja) 磁気記録媒体
JP2004234826A (ja) 磁気記録媒体
JP2005004807A (ja) フレキシブル磁気ディスク媒体
JP2005004843A (ja) 磁気記録媒体
JP2004227621A (ja) 磁気記録媒体の製造方法およびその製造装置
JP2004192711A (ja) 磁気記録媒体
JP2003346314A (ja) 磁気記録媒体
JP2003346325A (ja) 磁気記録媒体
JP2005259325A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP2005353140A (ja) 磁気記録媒体
JP2005018913A (ja) 磁気記録媒体
JP2003099917A (ja) 磁気記録媒体
JP2005004919A (ja) 磁気記録媒体
JP2005158130A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2004220656A (ja) 磁気記録媒体
JP2005158091A (ja) 磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050201

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061025

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20061215