JP2003099917A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003099917A
JP2003099917A JP2001288946A JP2001288946A JP2003099917A JP 2003099917 A JP2003099917 A JP 2003099917A JP 2001288946 A JP2001288946 A JP 2001288946A JP 2001288946 A JP2001288946 A JP 2001288946A JP 2003099917 A JP2003099917 A JP 2003099917A
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Kenichi Moriwaki
健一 森脇
Kazuyuki Usuki
一幸 臼杵
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度記録が可能なフレキシブルディスク等
の磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に、
コバルト、ベリリウム、オスミウム、レニウム、チタ
ン、亜鉛、タンタル、アルミニウム、モリブデン、タン
グステン、バナジウム、鉄、アンチモン、イリジウム、
ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム、ケイ素、ジ
ルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種
と、クロムとを含有する下地層、少なくともコバルト、
白金、クロムを含有する強磁性金属合金と非磁性物質か
ら構成された磁性層を有する磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
し、特に高密度磁気記録が可能な磁気記録媒体に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年、インターネット等の普及による大
容量の画像情報の取り扱いに対応して、パーソナルコン
ピュータには大容量のハードディスクが装着されてい
る。ハードディスクに蓄積した大量の情報をバックアッ
プしたり、あるいは他のコンピュータで利用するために
は、各種のリムーバブル型の記録媒体が用いられてい
る。磁気テープ、フレキシブルディスク等の可撓性の磁
気記録媒体は、ハードディスクと同様に情報の記録、読
み出しに要する時間が短く、また情報の記録、読み出し
に必要な装置も小型である等の多くの特徴を有してい
る。このため、磁気テープ、フレキシブルディスクは代
表的なリムーバブル型の記録媒体として、コンピュータ
のバックアップ、大量のデータの保存に用いられてい
る。そして、少ない個数の磁気テープ、フレキシブルデ
ィスクで大量のデータを保存可能な磁気記録媒体が求め
られており、記録密度の更なる向上が求められている。 【0003】フレキシブルディスク等の可撓性高分子支
持体を用いた磁気記録媒体には、基体上に、鉄、クロ
ム、コバルト等の金属を含有する磁性微粒子を高分子バ
インダーに分散させて塗布した塗布型磁気記録媒体とコ
バルト系合金を真空中で蒸着によって成膜した蒸着型磁
気記録媒体が用いられている。塗布型磁気記録媒体に比
べて、蒸着型磁気記録媒体はより高密度の記録が可能で
あるという特徴を有しているものの、蒸着によって金属
薄膜を形成した可撓性の磁気記録媒体の磁性層はハード
ディスクで使用されているコバルト系合金のスパッタリ
ングで成膜した強磁性金属薄膜と比較するとノイズが大
きく、磁気抵抗素子を用いた高密度記録用のヘッドにお
いては、十分な電磁変換特性が得られず、高記録密度特
性には適していない。そこでハードディスクと同様にス
パッタリングによる強磁性金属薄膜を有するフレキシブ
ルディスクを作製しようとする試みはいくつか報告され
ているものの、実用化には至っていない。 【0004】これはハードディスクの製造ではスパッタ
リング時に基板を200℃程度まで加熱しているが、こ
れと同様の製造方法をフレキシブルディスクに適用しよ
うとすると、フレキシブルディスク用の基材として一般
的なポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートでは耐熱性が不足し変形してしまうためである。
また耐熱性に優れている芳香族ポリアミドフィルムを使
用しても、製造工程中でフィルムの熱膨張、熱収縮、湿
度膨張などの寸法変化が生じるため、変形の少ないフレ
キシブルディスクを作製することが困難であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、高密度記録
が可能な磁気記録媒体を提供することを課題とするもの
であり、また、高密度記録が可能なフレキシブルディス
ク型磁気記録媒体を提供することを課題とするものであ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は、磁気記
録媒体において、非磁性支持体の少なくとも一方の面
に、コバルト、ベリリウム、オスミウム、レニウム、チ
タン、亜鉛、タンタル、アルミニウム、モリブデン、タ
ングステン、バナジウム、鉄、アンチモン、イリジウ
ム、ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム、ケイ
素、ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも
1種と、クロムとを含有する下地層、少なくともコバル
ト、白金、クロムを含有する強磁性金属合金と非磁性物
質から構成された磁性層を有する磁気記録媒体によって
解決することができる。また、非磁性支持体が可撓性高
分子支持体である前記の磁気記録媒体である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上の少なくとも一方の面に、少なくともクロムを
含有する下地層上に、少なくともコバルト、白金、クロ
ムを含有する強磁性金属合金と非磁性物質から構成され
た磁性層を形成したので、室温であってもスパッタリン
グ法等によって形成することが可能であり、高温度に加
熱した場合には変形等が生じる可撓性高分子支持体を基
体とした場合であっても特性が優れた磁気記録媒体を製
造することができる。 【0008】以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す図であり、断面図であ
る。図1(A)に示す磁気記録媒体はフレキシブルディ
スクである場合を説明する図である。フレキシブルディ
スク11は、可撓性高分子支持体12上の両面に、クロ
ム含有下地層15が設けられ、クロム含有下地層15上
に磁性層16が形成されたものである。磁性層16は少
なくともコバルト、白金、クロムを含有する強磁性金属
合金19と非磁性物質20から構成されている。磁性層
16上には、磁性層の酸化等による劣化を防止し、ヘッ
ドや摺動部材との接触による摩耗から保護する保護層1
7が形成されている。また、保護層17上には、走行耐
久性および耐食性等を改善する目的で潤滑層18が設け
られている。また、中心部には、フレキシブルディスク
ドライブに装着するための係合手段21が装着されてい
る。 【0009】また、図1(B)に示す磁気記録媒体は、
可撓性高分子支持体12上の表面に、可撓性高分子支持
体12の表面性を調整するとともに、可撓性高分子支持
体12から生じた気体が、クロム含有下地層15あるい
は磁性層16に到達するのを防止するために下塗り層1
3を設け、更に、クロム含有下地層15の結晶配向性を
制御するシード層14を設けたものである。図1(B)
に示したものは図1(A)に示したものに比べて、シー
ド層が設けられているので、下地層の結晶配向性の調整
が優れ、それによって下地層上に形成される強磁性金属
の結晶配向性が優れたものとなり磁気特性がより優れた
磁性層が得られる。また、本発明のフレキシブルディス
クは、機器に装着した際にヘッドのアクセス用の窓を設
けた合成樹脂等で作製されたカートリッジ内に装着され
る等の形態で使用される。 【0010】本発明の磁気記録媒体に形成する磁性層
は、少なくともコバルト、白金、クロムを含有する強磁
性金属合金と非磁性物質から構成された強磁性金属薄膜
磁性層を備えているので、ハードディスクと同様に高記
録密度記録が可能となり、リムーバブル型の磁気記録媒
体の高容量化が可能となる。また、このコバルトを含有
する強磁性金属合金と非磁性の金属酸化物からなる強磁
性金属薄膜はハードディスクで提案されている、特開平
5−73880号公報や特開平7−311929号公報
等に記載されているものと同様の方法によって製造した
ものが使用できる。 【0011】本発明の磁気記録媒体における磁性層は、
磁性層面に対して垂直方向に磁化容易軸を有するいわゆ
る垂直磁気記録膜でも、水平方向に磁化容易軸をを有す
る面内磁気記録膜でも良い。この磁化容易軸の方向はク
ロム含有下地層の材料や結晶構造および磁性膜の組成と
成膜条件によって制御することができる。本発明の磁気
記録媒体に用いる磁性層は、コバルト、白金、クロムを
含有する強磁性金属合金と非磁性物質から形成された磁
性層である。 【0012】図2は、本発明の磁性層を説明する図であ
り、断面図である。図2(A)は、可撓性高分子支持体
12からなる非磁性支持体上に、クロム含有下地層15
が設けられ、クロム含有下地層15上に磁性層16が形
成されたものである。磁性層16は、少なくともコバル
ト、白金、クロムを含有する強磁性金属合金19と非磁
性物質20から構成されている。強磁性金属合金19と
非磁性物質20は見かけ上は混合して存在しているが、
図に示す強磁性金属合金19は、全体組成に比べて強磁
性金属合金の存在量が多い部分であり、非磁性物質20
は、全体組成に比べて非磁性物質が多い部分である。ま
た、強磁性金属合金の存在量が多い部分は、相互に0.
01nm〜10nmの間隔を設けて形成されている。 【0013】本発明の磁性層16は、クロム含有下地層
15の結晶配向を反映して結晶成長が起こり、図2に示
すような柱状構造を形成することが望ましい。この様な
構造とすることで、非磁性物質に富んだ領域による磁性
金属合金に富んだ領域間の分離構造が安定となり、高い
保持力を達成できるとともに、強磁性金属合金に富んだ
部分では磁化量が増えるため、高出力化が可能となり、
しかも強磁性金属合金に富んだ部分の分散性が均一とな
るため、ノイズも小さくすることが可能なる。 【0014】コバルト、白金、クロムを含有する強磁性
金属合金としてはCo、Cr、PtとNi、Fe、B、
Si、Ta、Nb等の元素との合金が使用できるが、記
録特性を考慮するCo−Pt−Cr、Co−Pt−Cr
−Ta、Co、Pt−Cr−B等が特に好ましい。 【0015】非磁性物質としてはSi、Zr、Ta、
B、Ti、Al、Cr、Ba、Zn、Na、La、I
n、Pb等の酸化物、炭化物、窒化物が使用できるが、
記録特性を考慮するとSiOx が最も好ましい。 【0016】コバルト、白金、クロムを含有する強磁性
金属合金と非磁性物質の混合比は、強磁性金属合金:非
磁性物質=95:5〜80:20(原子比)の範囲であ
ることが好ましく、90:10〜85:15の範囲であ
ることが特に好ましい。これよりも強磁性金属合金が多
くなると、磁性粒子間の分離が不十分となり、保持力が
低下してしまう。逆にこれよりも少なくなると、磁化量
が減少するため、信号出力が著しく低下してしまう。 【0017】コバルト、白金、クロムを含有する強磁性
金属合金と非磁性物質の混合物からなる磁性層の厚みと
しては好ましくは10nm〜60nm、さらに好ましく
は20nm〜40nmの範囲である。これよりも厚みが
厚くなるとノイズが著しく増加してしまい、逆に厚みが
薄くなると、出力が著しく減少してしまう。 【0018】コバルト、白金、クロムを含有する強磁性
金属合金と非磁性物質からなる磁性層を形成する方法と
しては真空蒸着法、スパッタリング法などの真空成膜法
が使用できる。なかでもスパッタリング法は良質な薄膜
が容易に成膜可能であることから、本発明に好適であ
る。スパッタリング法としてはDCスパッタリング法、
RFスパッタリング法のいずれも使用可能である。スパ
ッタリング法は連続フィルム上に連続して成膜するウェ
ブスパッタリング装置、枚葉式スパッタリング装置を用
いることができるがウェブスパッタリング装置を用いる
ことが好ましい。スパッタリング時の雰囲気に使用する
気体はアルゴンが使用できるが、その他の希ガスを使用
しても良い。また非磁性物質の酸素含有率や表面粗さを
調整するために微量の酸素を導入しても良い。 【0019】とくに、本発明のようにスパッタリング法
でコバルト、白金、クロムを含有する強磁性金属合金
と、非磁性物質からなる磁性層を形成するためには強磁
性金属合金ターゲットと非磁性物質ターゲットの2種を
用い、これらの共スパッタリング法を使用することも可
能であるが、形成すべき強磁性金属合金と非磁性物質の
組成比に合致した強磁性金属合金と非磁性物質を均質に
混合した混合物ターゲットを用いると、強磁性金属合金
が均一に分散した磁性層を形成することができる。ま
た、この混合物ターゲットはホットプレス法等で作製す
ることができる。 【0020】下地層は、少なくともクロムを含んだもの
である。そのようなクロム下地層としては、磁性層結晶
配向制御すなわち、格子定数制御、密着性の向上を目的
として、Li、Be、Mg、Al、Si、P、S、K、
Ca、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、
Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、I
n、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、Hf、Ta、W、
Re、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Pb、Biから
なる群から少なくとも一種が選ばれる。これらのなかで
も、Co、Be、Os、Re、Ti、Zn、Ta、A
l、Mo、W、V、Fe、Sb、Ir、Ru、Rh、P
t、Pd、SiおよびZrからなる群から選択される少
なくとも1種の元素を含有するクロム含有合金を用いる
ことが好ましいが、格子定数制御および密着性向上の観
点からは、Tl、Be、Ru、Si、Zrを用いること
が好ましい。これらの下地層を用いることによって、磁
性層の配向性を改善できるため、記録特性が向上する。 【0021】下地層を形成するクロム合金において、ク
ロムと他の元素の混合比は、クロム:他の元素=99:
1〜70:30(原子比)の範囲であることが望まし
く、95:5〜80:20の範囲であることが特に好ま
しい。これよりもクロムの割合が多くても、少なくて
も、磁性層結晶配向制御が難しく、磁気特性が悪くなる。 【0022】クロム合金からなる下地層の厚みは10n
m〜200nmが好ましく、10nm〜100nmが特
に好ましい。これよりも厚みが厚くなると、生産性が悪
くなるとともに、結晶粒の肥大化により記録情報の読み
取り時のノイズが増加してしまい、逆にこれよりも厚み
が薄くなると、下地層効果による磁気特性の向上が得ら
れない。 【0023】クロム含有下地層を成膜する方法としては
真空蒸着法、スパッタリング法などの真空成膜法が使用
できる。中でもスパッタリング法は良質な超薄膜が容易
に成膜可能であることから、本発明に好適である。スパ
ッタリング法としては、DCスパッタリング法、RFスパ
ッタリング法のいずれも使用可能である。スパッタリン
グ法は、可撓性高分子フィルムを支持体としたフレキシ
ブルディスクの場合、連続フィルム上に連続して成膜す
るウェブスパッタ装置が好適であるが、アルミニウム基
板やガラス基板を用いる場合には枚様式スパッタ装置や
通過型スパッタリング装置も使用できる。 【0024】クロム含有下地層をスパッタリングによっ
て成膜する際にはスパッタリングガスとしてはアルゴン
が使用できるが、その他の希ガスを使用しても良い。ま
た、下地層の格子定数制御の目的で、微量の酸素ガスを
導入しても良い。 【0025】スパッタリング法で、クロム含有下地層を
形成するためには、クロムターゲットと他元素ターゲッ
トとの複数個を用い、これらの共スパッタリング法を使
用することもできるが、格子定数等を精密に制御し、かつ
均質な膜を作製するためには、クロムと他の元素による
クロム合金ターゲットを用いることが好ましい。この合
金ターゲットはホットプレス法等で作製することができ
る。 【0026】また、下地層と可撓性高分子支持体との間
に、密着性の向上、結晶配向性の改善等を目的としてシ
ード層を設けることがより好ましい。シード層として
は、Ta、Ta−Si、Ta−Al、Ta−C、Ta−
W、Ta−Ti、Ta−N、Ta−Ni、Ta−O、T
a−P、Ni−P、Ni−Al、Ni−C、Ni−T
i、Ni−W、Ni−Si、Ni−N、Ni−O、Ti
−W、Ti−C、Ti−N、Ti−Si、Ti−O、T
i−P、Al−Ti、Mg−O、Mg−W、Mg−C、
Mg−N、Mg−Ti、Mg−Ni、Mg−Al、Mg
−Si、Mg−P、Zn−Si、Zn−Al、Zn−
C、Zn−W、Zn−Ti、Zn−N、Zn−Ni、Z
n−O、Zn−P等を使用することができる。なかで
も、Ta、Ta−Si、Ta−C、Ni−P、Ni−A
l、Ti−W、Ti−C、Mg−O、Zn−Si等が密
着性の向上、結晶配向性の改善という点で、特に好適で
ある。 【0027】シード層を形成する方法としては、真空蒸
着法、スパッタリング法などの真空成膜法が使用でき、
なかでもスパッタリング法は良質な超薄膜が容易に成膜
可能である。 【0028】本発明の磁気記録媒体は、支持体として
は、磁気ヘッドと磁気ディスクとが接触した時の衝撃を
回避することが可能である合成樹脂フイルムからなる可
撓性高分子支持体が挙げられる。このような合成樹脂フ
ィルムとしては、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミ
ド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、トリアセテートセルロース、フッ素樹脂等からなる
合成樹脂フィルムが挙げられる。本発明では基板を加熱
することなく良好な記録特性を達成することができるた
め、表面性が良好で、また入手も容易なポリエチレンテ
レフタレートまたはポリエチレンナフタレートが特に好
ましい。 【0029】また、可撓性高分子支持体として合成樹脂
フィルムを複数枚を積層したものを用いても良い。複数
枚を積層した積層フィルムを用いることにより、可撓性
高分子支持体自身に起因する反りやうねりを軽減するこ
とができる。その結果、磁気記録媒体の表面が磁気ヘッ
ドと衝突による磁気記録層の耐傷性を著しく改善するこ
とがきる。可撓性フイルムを積層する方法としては、熱
ロールによるロール積層、平板熱プレスによる平板積
層、接着面に接着剤を塗布してラミネートするドライ積
層、予めシート状に成形された接着シートを用いる積層
方法等が挙げられる。積層に接着剤を用いる場合には、
ホットメルト接着剤、熱硬化性接着剤、UV硬化型接着
剤、EB硬化型接着剤、粘着シート、嫌気性接着剤など
を使用することがきる。 【0030】可撓性高分子支持体の厚みは、10μm〜
200μm、好ましくは20μm〜150μm、さらに
好ましくは30μm〜100μmである。可撓性高分子
支持体の厚みが10μmより薄いと、高速回転時の安定
性が低下し、面ぶれが増加する。一方、可撓性高分子支
持体の厚みが200μmより厚いと、回転時の剛性が高
くなり、接触時の衝撃を回避することが困難になり磁気
ヘッドの跳躍を招く。 【0031】また、下記式で表される可撓性高分子支持
体の腰の強さは、b=10mmでの値が4.9MPa〜
19.6MPa(0.5kgf/mm2 〜2.0kgf
/mm2 )の範囲にあることが好ましく、6.9MPa
〜14.7MPa(0.7kgf/mm2 〜1.5kg
f/mm2 )がより好ましい。 可撓性高分子支持体の腰の強さ=Ebd3/12 なお、この式において、Eはヤング率、bはフィルム
幅、dはフィルム厚さを各々表す。 【0032】可撓性高分子支持体の表面は、磁気ヘッド
による記録を行うために、可能な限り平滑であることが
好ましい。支持体表面の凹凸は、信号の記録再生特性を
著しく低下させる。具体的には、後述する下塗り層を使
用する場合では、光干渉式の表面粗さ計で測定した表面
粗さが中心面平均粗さSRaで5nm以内、好ましくは
2nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが1μm
以内、好ましくは0.1μm以内である。また、下塗り
膜を用いない場合では、光干渉式の表面粗さ計で測定し
た表面粗さが中心面平均粗さSRaで3nm以内、好ま
しくは1nm以内、触針式粗さ計で測定した突起高さが
0.1μm以内、好ましくは0.06μm以内である。 【0033】可撓性高分子支持体表面には、平面性の改
善と気体遮断性を高めるために下塗り層を設けることが
好ましい。磁性層をスパッタリング等で形成するため、
下塗り層は耐熱性に優れることが好ましく、下塗り層の
材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を使用するこ
とができる。熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコ
ーン樹脂は、平滑化効果が高く、特に好ましい。下塗り
層の厚みは、0.1μm〜3.0μmが好ましい。支持
体に他の樹脂フィルムを積層する場合には、積層加工前
に下塗り層を形成してもよく、積層加工後に下塗り層を
形成してもよい。 【0034】熱硬化性ポリイミド樹脂としては、ビスア
リルナジイミド(丸善石油化学社製BANI)のよう
に、分子内に末端不飽和基を2つ以上有するイミドモノ
マーを、熱重合して得られるポリイミド樹脂が好適に用
いられる。このイミドモノマーは、モノマーの状態で支
持体表面に塗布した後に、比較的低温で熱重合させるこ
とができるので、原料となるモノマーを支持体上に直接
塗布して硬化させることができる。また、このイミドモ
ノマーは一般的な有機溶剤に溶解させて使用することが
でき、生産性、作業性に優れると共に、分子量が小さ
く、その溶液粘度が低いために、塗布時に凹凸に対する
回り込みが良く、平滑化効果が高い。 【0035】熱硬化性シリコーン樹脂としては、有機基
が導入されたケイ素化合物を原料としてゾルゲル法で重
合したシリコーン樹脂が好適に用いられる。このシリコ
ーン樹脂は、二酸化ケイ素の結合の一部を有機基で置換
した構造からなりシリコーンゴムよりも大幅に耐熱性に
優れると共に、二酸化ケイ素膜よりも柔軟性に優れるた
め、可撓性フィルムからなる支持体上に樹脂膜を形成し
ても、クラックや剥離が生じ難い。また、原料となるモ
ノマーを可撓性高分子支持体上に直接塗布して硬化させ
ることができるため、汎用溶剤を使用することができ、
凹凸に対する回り込みも良く、平滑化効果が高い。更
に、縮重合反応は、酸やキレート剤などの触媒の添加に
より比較的低温から進行するため、短時間で硬化させる
ことができ、汎用の塗布装置を用いて樹脂膜を形成する
ことができる。また熱硬化性シリコーン樹脂は気体遮断
性に優れており、磁性層形成時に可撓性高分子支持体か
ら発生し、磁性層または下地層の結晶性、配向性を阻害
する気体を遮蔽する気体遮蔽性が高く、特に好適であ
る。 【0036】下塗り層の表面には、磁気ヘッドとフレキ
シブルディスクとの真実接触面積を低減し、摺動特性を
改善することを目的として、微小突起(テクスチャ)を
設けることが好ましい。また、微小突起を設けることに
より、可撓性高分子支持体の取り扱い性も良好になる。
微小突起を形成する方法としては、球状シリカ粒子を塗
布する方法、エマルジョンを塗布して有機物の突起を形
成する方法などが使用できるが、下塗り層の耐熱性を確
保するため、球状シリカ粒子を塗布して微小突起を形成
するのが好ましい。 【0037】微小突起の高さは5nm〜60nmが好ま
しく、l0nm〜30mmがより好ましい。微小突起の
高さが高すぎると記録再生ヘッドと媒体のスペーシング
損失によって信号の記録再生特性が劣化し、微小突起が
低すぎると摺動特性の改善効果が少なくなる。微小突起
の密度は0.1〜100個/μm2 が好ましく、1〜1
0個/μm2 がより好ましい。微小突起の密度が少なす
ぎる場合は摺動特性の改善効果が少なくなり、多過ぎる
と凝集粒子の増加によって高い突起が増加して記録再生
特性が劣化する。また、バインダーを用いて微小突起を
支持体表面に固定することもできる。バインダーには、
十分な耐熱性を備えた樹脂を使用することが好ましく、
耐熱性を備えた樹脂としては、溶剤可溶型ポリイミド樹
脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、熱硬化型シリコン樹脂を
使用することが特に好ましい。 【0038】磁性層の表面には保護層が設けられる。保
護層は、磁性層に含まれる金属材料の腐蝕を防止し、磁
気ヘッドと磁気ディスクとの擬似接触または接触摺動に
よる摩耗を防止して、走行耐久性、耐食性を改善するた
めに設けられる。保護層には、シリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの
酸化物、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒
化物、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化
物、グラファイト、無定型カーボンなどの炭素等の材料
を使用することができる。 【0039】保護層としては、磁気ヘッド材質と同等ま
たはそれ以上の硬度を有する硬質膜であり、摺動中に焼
き付きを生じ難くその効果が安定して持続するものが、
摺動耐久性に優れており好ましい。また、同時にピンホ
ールが少ないものが、耐食性に優れておりより好まし
い。このような保護膜としては、CVD法で作製される
ダイヤモンド状炭素(DLC)と呼ばれる硬質炭素膜が
挙げられる。保護層は、性質の異なる2種類以上の薄膜
を積層した構成とすることができる。例えば、表面側に
摺動特性を改善するための硬質炭素保護膜を設け、磁気
記録層側に耐食性を改善するための窒化ケイ素などの窒
化物保護膜を設けることで、耐食性と耐久性とを高い次
元で両立することが可能となる。 【0040】保護層上には、走行耐久性および耐食性を
改善するために、潤滑層が設けられる。潤滑層には、炭
化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、極圧添加剤等の潤滑
剤が使用される。炭化水素系潤滑剤としては、ステアリ
ン酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチ
ル等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホ
ン酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル
類、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のア
ルコール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド
類、ステアリルアミン等のアミン類などが挙げられる。 【0041】フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系
潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキ
ル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤
滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基として
は パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフル
オロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)C
2O)n、またはこれらの共重合体等である。具体的に
は、分子量末端に水酸基を有するパーフルオロメチレン
−パーフルオロエチレン共重合体(アウジモント社製、
商品名:FOMBLIN Z-DOL)等が挙げられる。 【0042】極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル
等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リ
ン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチ
オ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジ
ベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。 【0043】上記の潤滑剤は単独もしくは複数を併用し
て使用することができ、潤滑剤を有機溶剤に溶解した溶
液を、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法、ディップコート法等で保護層表面に塗布す
るか、真空蒸着法により保護層表面に付着させればよ
い。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m2 が好
ましく、2〜20mg/m2 が特に好ましい。 【0044】また、耐食性をさらに高めるために、防錆
剤を併用することが好ましい。防錆剤としては、ベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジ
ン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキル
側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メル
カプトベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、
チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類お
よびこの誘導体等が挙げられる。これら防錆剤は、潤滑
剤に混合して保護層上に塗布してもよく、潤滑剤を塗布
する前に保護層上に塗布し、その上に潤滑剤を塗布して
もよい。防錆剤の塗布量としては、0.1〜10mg/
2が好ましく、0.5〜5mg/m2が特に好ましい。 【0045】以下に、可撓性高分子支持体を用いた磁気
記録媒体の作製方法について説明する。図3は、可撓性
高分子支持体上への磁性層の形成方法を説明する図であ
る。成膜装置1は、真空室2を有し、巻だしロール3か
ら巻だされた可撓性高分子支持体4は、張力調整ロール
5A、5Bによって張力を調整されて、成膜室6へ送ら
れる。成膜室6は真空ポンプによって所定の減圧度に減
圧された状態でアルゴンがスパッタリング気体供給管7
Aないし7Dから所定の流量で供給されている。可撓性
高分子支持体4は、成膜室6に設けた成膜ロール8Aに
巻つきながら搬送された状態で、下地層スパッタリング
装置9AのターゲットTAから下地層形成用の原子が飛
び出して可撓性高分子支持体上に成膜される。 【0046】次いで、成膜された下地層上に成膜ロール
8Aにおいて、磁性層スパッタリング装置9Bに装着し
た強磁性金属合金と非磁性物質を均一に分散したターゲ
ットTBから、磁性層形成用原子が放出されて下地層上
に磁性層が形成される。次に、磁性層が形成された面を
成膜ロール8Bに巻きつけながら移動した状態で、下地
層スパッタリング装置9CのターゲットTCから下地層
形成用の原子が飛び出して可撓性高分子支持体の先に磁
性層が形成された面とは反対側が成膜される。更に、成
膜ロール8B上において、磁性層スパッタリング装置9
Dに装着した強磁性金属合金と非磁性物質を均一に分散
したターゲットTDから、磁性層形成用原子が放出され
て下地層上に磁性層が形成される。 【0047】以上の工程によって、可撓性高分子支持体
の両面に磁性層が形成されて、巻き取りロール10によ
って巻き取られる。また、以上の説明では、可撓性高分
子支持体の両面に磁性層を形成する方法について説明を
したが、同様の方法で一方の面のみに形成することも可
能である。磁性層を形成した後に、磁性層上にダイヤモ
ンド状炭素をはじめとした保護層がCVD法によって形
成される。 【0048】図4は、本発明に適用可能な高周波プラズ
マを利用したCVD装置の一例を説明する図である。磁
性層31を形成した可撓性高分子支持体32は、ロール
33から巻き出され、パスローラ34によってバイアス
電源35からバイアス電圧が磁性層31に給電され成膜
ロール36に巻きつけられた状態で走行する。一方、炭
化水素、窒素、希ガス等を含有する原料気体37は、高
周波電源38から印加された電圧によって発生したプラ
ズマによって、成膜ロール36上の金属薄膜上に窒素、
希ガスを含有した炭素保護膜39が形成され、巻き取り
ロール40に巻き取られる。また、炭素保護膜の作製の
前に磁性膜表面を希ガスや水素ガスによるグロー処理な
どによって清浄化することでより大きな密着性を確保す
ることができる。また、磁性層表面にシリコン中間層等
を形成することによって密着性をさらに高めることがで
きる。 【0049】 【実施例】以下に実施例、比較例を示し、本発明を説明
する。 実施例1 厚み63μm、表面粗さRa=1.4nmのポリエチレ
ンナフタレートフィルム上に3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、塩
酸、アルミニウムアセチルアセトネート、エタノールか
らなる下塗り液をグラビアコート法で塗布した後、10
0℃で乾燥と硬化を行い、厚み1.0μmのシリコーン
樹脂からなる下塗り層を作製した。この下塗り層上に粒
子径25nmのシリカゾルと前記下塗り液を混合した塗
布液をグラビアコート法で塗布して、下塗り層上に高さ
15nmの突起を10個/μm2 の密度で形成した。ま
た、この下塗り層は可撓性高分子支持体フィルムの両面
に形成した。得られた可撓性高分子支持体フィルムを原
反としてスパッタリング装置に装着した。 【0050】次に図3に示したウェブスパッタリング装
置に得られた原反を装着し、水冷した成膜ロール上にフ
ィルムを密着させながら搬送し、下塗り層上に、DCマ
グネトロンスパッタリング法でCr:Ti=80:20
(原子比)からなる下地層を60nmの厚みで形成し、
引き続き、CoPtCr合金(Co:Pt:Cr=7
0:20:10原子比):SiO2 =88:12(原子
比)からなる組成の磁性層を25nmの厚みで形成し
た。この下地層、磁性層はフィルムの両面に成膜した。
次に磁性層を形成した原反を図4に示したウェブ式のC
VD装置に設置し、エチレン、窒素、アルゴンを反応ガ
スとして用いたRFプラズマCVD法でC:H:N=6
2:29:7(mol比)からなる窒素添加ダイヤモン
ド状炭素からなる保護膜を10nmの厚みで形成した。
なおこのとき磁性層には−400Vのバイアス電圧を印
加した。保護層もフィルムの両面に成膜した。次に、両
面の保護層表面に分子末端に水酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテル系潤滑剤(アウジモント社製FOMBL
IN Z−DOL)をフッ素系溶剤(住友スリーエム社
製HFE−7200)に溶解した溶液をグラビアコート
法で塗布し、厚み1nmの潤滑層を形成した。得られた
原反から直径94mmの円盤を打ち抜き、これをテープ
研磨した後、フレキシブルディスク用合成樹脂製カート
リッジ(富士写真フイルム社製Zip100用)に組み
込んで、フレキシブルディスクを作製した。得られたフ
レキシブルディスクを以下に示した評価方法によって特
性の評価を行い、その結果を表2に示す。 【0051】実施例2 実施例1において下塗り層を形成した原反から直径13
0mmの円盤状シートを打ち抜き、これを円形のリング
に固定した。このシートに対してバッチ式スパッタ装置
を用いて、実施例1と同一組成の下地層、磁性層を両面
に形成し、さらにCVD装置で保護膜を形成した。この
シート状にディップコート法で実施例1と同一の潤滑層
を形成した。次にこのシートから直径94mmのディス
クを打ち抜き、これをテープ研磨した後、フレキシブル
ディスク用合成樹脂製カートリッジ(富士写真フイルム
社製Zip100用)に組み込んで、フレキシブルディ
スクを作製した。得られたフレキシブルディスクを以下
に示した評価方法によって特性の評価を行い、その結果
を表2に示す。 【0052】実施例3〜25 下地層の組成、および厚みを表1に示した点を除き実施
例1と同様にフレキシブルディスクを作製した。得られ
たフレキシブルディスクを以下に示した評価方法によっ
て特性の評価を行い、その結果を表2に示す。 【0053】 【表1】 下地層実施例 合金元素1(原子比) 合金元素2(原子比) 膜厚(nm) 実施例3 Cr(80) Ti(20) 30 実施倒4 Cr(80) Ti(20) 40 実施例5 Cr(90) Ti(10) 60 実施例6 Cr(95) Ti(5) 60 実施例7 Cr(80) Be(20) 60 実施例8 Cr(80) Si(20) 60 実施例9 Cr(80) Zr(20) 60 実施例10 Cr(80) Co(20) 60 実施倒11 Cr(80) Os(20) 60 実施例12 Cr(80) Re(20) 60 実施例13 Cr(80) Ru(20) 60 実施例14 Cr(80) Zn(20) 60 実施例15 Cr(80) Ta(20) 60 実施例16 Cr(80) Al(20) 60 実施例17 Cr(80) Mo(20) 60 実施例18 Cr(80) W(20) 60 実施例19 Cr(80) V(20) 60 実施例20 Cr(80) Fe(20) 60 実施例21 Cr(80) Sb(20) 60 実施例22 Cr(80) Ir(20) 60 実施例23 Cr(80) Rh(20) 60 実施例24 Cr(80) Pt(20) 60 実施例25 Cr(80) Pd(20) 60 【0054】実施例26 実施例1において下塗り層とCr−Ti下地層の間にT
aシード層を導入した以外は、実施例1と同様にフレキ
シブルディスクを作製した。得られたフレキシブルディ
スクを以下に示した評価方法によって特性の評価を行
い、その結果を表2に示す。 【0055】実施例27 基板として鏡面研磨した直径94mmガラス基板を用い
ると共に、下塗り層を形成せずに実施例1と同様の磁性
層、保護層、潤滑層を形成した磁気記録媒体を作製し
た。得られた磁気記録媒体を以下に示した評価方法によ
って特性の評価を行い、その結果を表2に示す。 【0056】比較例1 実施例1において磁性層の組成をCo:Pt:Cr=7
0:20:10(原子比)とした以外は実施例1と同様
にフレキシブルディスクを作製した。得られたフレキシ
ブルディスクを以下に示した評価方法によって特性の評
価を行い、その結果を表2に示す。 【0057】比較例2 実施例1において下地層をクロムとした以外は実施例1
と同様にフレキシブルディスクを作製した。得られたフ
レキシブルディスクを以下に示した評価方法によって特
性の評価を行い、その結果を表2に示す。 【0058】比較例3 比較例2において、下塗り層とクロムからなる下地層の
間にタンタルからなるシード層を形成した以外は、比較
例2と同様にフレキシブルディスクを作製した。得られ
たフレキシブルディスクを以下に示した評価方法によっ
て特性の評価を行い、その結果を表2に示す。 【0059】(評価方法) 1.磁気特性 保磁力Hcを試料振動型磁力計(VSM)で測定して磁
気特性とした。 2.面ぶれ フレキシブルディスクおよびハードディスクを3000
rpmで回転させ、中心から半径35mmの位置におけ
る面ぶれをレーザー変位計で測定した。 3.C/N 再生トラック幅2.2μm、再生ギャップ0.26μm
のMRヘッドを用いて、線記録密度130kFCIの記
録再生を行い、再生信号/ノイズ(C/N)比を測定し
た。なおこのとき回転数は3000rpm、ヘッドは半
径は35mmに設けて測定した。ヘッド加重は29.4
mN(3gf)とした。 4.モジュレーション 前記C/N測定の際の再生出力をディスク一周について
計測し、この出力の最小値の最大値に対する比を100
分率で表した。 5.耐久性 ハードディスクを除く、フレキシブルディスクをフレキ
シブルディスク用ドライブ(富士写真フイルム社製Zi
p100用ドライブ)で記録再生を繰り返し行いながら
走行させ、出力が初期値よりも3dB低下した時点で走
行を中止し、耐久時間とした。なお環境は23℃50%
RHとし、試験は最大300時間とした。 【0060】 【表2】 Hc 面ぶれ C/N モシ゛ュレーション 耐久時間 (kA/m) (μm) (dB) (%) (h) 実施例1 231 25 0 95 >300 実施例2 239 30 +1.0 92 >300 実施例3 199 30 −3.0 94 >300 実施例4 215 35 −1.4 92 >300 実施例5 191 25 −3.4 96 >300 実施例6 175 40 −4.2 91 >300 実施例7 227 20 −0.5 96 >300 実施例8 211 15 −1.0 97 >300 実施例9 208 17 −1.4 96 >300 実施例10 238 35 −0.1 90 >300 実施例11 223 30 −0.3 94 >300 実施例12 227 35 −0,2 93 >300 実施例13 247 35 +0.2 91 >300 実施例14 231 30 −0.1 92 >300 実施例15 227 35 −0.5 92 >300 実施例16 215 40 −1.4 90 >300 実施例17 231 30 −0.2 93 >300 実施例18 219 40 −1.0 90 >300 実施例19 215 40 −1.2 91 >300 実施例20 223 40 −0.6 90 >300 実施例21 221 30 −0.2 94 >300 実施例22 225 35 −0.1 93 >300 実施例23 207 35 −0.9 92 >300 実施例24 239 40 −0.2 93 >300 実施例25 223 30 −0.4 92 >300 実施例26 247 20 +1.2 97 >300実施例27 231 10 −1.0 98 −− 比較例1 143 30 −8.2 90 >300 比較例2 167 30 −6.4 92 >300 比較例3 187 20 −3.4 90 >300 【0061】前記結果からわかるように本発明のフレキ
シブルディスクは、記録特性と耐久性ともに優れている
ことがわかる。更に、下地層の下層にTaシード層を設
けた実施例26においては、密着性向上により静磁気特
性の向上およびC/N特性の向上が得られている。一
方、基板にガラスを基板を用いた実施例27では、同様
に作製したフレキシブルディスクである実施例1に対し
てC/Nが若干低下している。これは出力が相対的に低
下しているためであり、ハードディスクの方がフレキシ
ブルディスクよりもヘッドの浮上量が大きいためと考え
られる。また、磁性層に非磁性物質(Si02 )を使用
しなかった比較例1では保磁力が低下し、記録特性が低
下している。さらにCr下地層を用いた比較例2、およ
びCr下地層/Taシード層の両者を用いた比較例3で
は、ある程度の保磁力は得られたものの、充分な記録特
性を得ることができなかった。 【0062】 【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
上に、クロム含有下地層を設け、下地層上には、コバル
ト、白金、クロムを含有する強磁性金属合金と非磁性物
質から構成された磁性層を形成したので、室温等の低温
度において可撓性高分子支持体上にも特性が優れた磁性
層を形成することができるので、高密度記録が可能なフ
レキシブルディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本発明の一実施例を示す図であり、断
面図である。 【図2】図2は、本発明の磁気記録媒体の磁性層を説明
する図であり、断面図である。 【図3】図3は、可撓性高分子支持体上への磁性層の形
成方法を説明する図である。 【図4】図4は、本発明に適用可能な高周波プラズマを
利用したCVD装置の一例を説明する図である。 【符号の説明】 1…成膜装置、2…真空室、3…巻だしロール、4…可
撓性高分子支持体、5A,5B…張力調整ロール、6…
成膜室、7A,7B,7C,7D…スパッタリング気体
供給管、8A,8B…成膜ロール、9A,9B,9C,
9D…下地層スパッタリング装置、TA,TB,TC,
TD…ターゲット、10…巻き取りロール、11…フレ
キシブルディスク、12…可撓性高分子支持体、13…
下塗り層、14…シード層、15…クロム含有下地層、
16…磁性層、17…保護層、18…潤滑層、19…強
磁性金属合金、20…非磁性物質、17…保護層、18
…潤滑層、21…係合手段、31…磁性層、32…可撓
性高分子支持体、33…ロール、34…パスローラ、3
5…バイアス電源、36…成膜ロール、37…原料気
体、38…高周波電源、39…炭素保護膜、40…巻き
取りロール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 磁気記録媒体において、非磁性支持体の
    少なくとも一方の面に、クロムと、コバルト、ベリリウ
    ム、オスミウム、レニウム、チタン、亜鉛、タンタル、
    アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウ
    ム、鉄、アンチモン、イリジウム、ルテニウム、ロジウ
    ム、白金、パラジウム、ケイ素、ジルコニウムからなる
    群から選択される少なくとも1種とを含んだ、クロム含
    有下地層、少なくともコバルト、白金、クロムを含有す
    る強磁性金属合金と非磁性物質から構成された磁性層を
    有することを特徴とする磁気記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4975647B2 (ja) 2006-01-13 2012-07-11 Jx日鉱日石金属株式会社 非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット
JP2016180182A (ja) * 2012-01-24 2016-10-13 エスエムアール・パテンツ・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ クロムをベースとする反射被膜
JP2018538571A (ja) * 2015-11-27 2018-12-27 プランゼー エスエー 被覆された可撓性部品

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