JP6186859B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本技術は、可撓性を有する基体を含む磁気記録媒体に関する。
近年、データストレージ用磁気記録媒体としては、磁性粉を非磁性支持体上に塗布した塗布型の磁気記録媒体が主流となっている。カートリッジ1巻当たりの記録容量を増やすためには、磁性粉を微粒子化して面記録密度を向上させる必要があるが、現在用いられている塗布法では、10nm以下の微粒子で薄膜を形成することは困難である。
そこで、磁気異方性の高いCoCrPt系の金属材料をスパッタ法などの手法により、可撓性を有する基体上に成膜し、かつ、その材料を基体の表面に対して垂直方向に結晶配向させた磁気記録媒体が提案されている。この磁気記録媒体については、磁気記録層の配向性を改善し、磁気特性を向上することが望まれており、この要望に応えるための技術が、近年種々検討されている。例えば特許文献1では、その技術の一つとして、基体上に、少なくとも、アモルファス層、シード層、下地層、磁性層、および保護層が順次積層された磁気記録媒体が開示されている。また、シード層をTi、Cr、Mo、W、Zr、Ti合金、Cr合金、Zr合金のいずれかにより形成し、下地層をRuにより形成し、磁性層をグラニュラ構造とすることが開示されている。
特開2005−196885号公報
しかしながら、上述の磁気記録媒体では、媒体の作製時または使用時において、基体上に積層された積層膜にクラックが発生することがある。このようにクラックが発生すると、磁気記録媒体の耐久性や信頼性が低下する。
したがって、本技術の目的は、磁気特性を向上でき、かつ、クラックの発生を抑制できる磁気記録媒体を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本技術は、
可撓性を有する長尺状の基体と、
TiおよびCrを含む合金を含む、アモルファス状を有するシード層と、
Ruを含む下地層と、
グラニュラ構造を有する記録層と
を含み、
シード層は、基体と下地層との間に設けられ、
下地層の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲内である磁気記録媒体である。
以上説明したように、本技術によれば、磁気特性を向上でき、かつ、クラックの発生を抑制できる磁気記録媒体を提供できる。
図1は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の製造に用いられるスパッタ装置の構成の一例を示す概略図である。 図3は、クラックの評価方法を説明するための概略図である。 図4Aは、実施例1−1〜1−4、比較例1−1、実施例2−1〜2−4、比較例2−1、実施例3−1〜3−5の磁気テープにおける耐クラック荷重の下地層厚み依存性の評価結果を示す図である。図4Bは、実施例1−1〜1−4、比較例1−1、実施例2−1〜2−4、比較例2−1、実施例3−1〜3−5の磁気テープにおける垂直方向の抗磁力Hcの下地層厚み依存性の評価結果を示す図である。
本技術において、「耐クラック荷重」とは、以下の手順にて測定された荷重を意味する。まず、本技術に係る磁気記録媒体を幅12.75mmの長尺状のサイズに切り出す。次に、その長尺状の磁気記録媒体の一端を固定し、他端を引っ張ることにより、磁気記録媒体に荷重を加える。次に、この荷重を増加させて、基体表面の積層膜にクラックが発生したときの荷重を測定する。この測定荷重を「耐クラック荷重」と定義する。
本技術において、シード層、下地層および記録層は、単層構造および多層構造のいずれであってもよい。磁気記録媒体の磁気特性および/または記録再生特性をさらに向上する観点からすると、多層構造を有するものを採用することが好ましい。製造効率を考慮すると、多層構造のうちでも2層構造を採用することが好ましい。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 磁気記録媒体の構成
2 スパッタ装置の構成
3 磁気記録媒体の製造方法
4 効果
[1 磁気記録媒体の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る磁気記録媒体は、いわゆる単層垂直磁気記録媒体であり、図1に示すように、基体11と、基体11の表面に設けられたシード層12と、シード層12の表面に設けられた下地層13と、下地層13の表面に設けられた磁気記録層14と、磁気記録層14の表面に設けられた保護層15と、保護層15の表面に設けられたトップコート層16とを備える。なお、本明細書では、軟磁性裏打ち層を持たない磁気記録媒体を「単層垂直磁気記録媒体」と称し、軟磁性裏打ち層を有する磁気記録媒体を「二層垂直磁気記録媒体」という。
この磁気記録媒体は、今後ますます需要が高まることが期待されるデータアーカイブ用ストレージメディアとして用いて好適なものである。この磁気記録媒体は、例えば、現在のストレージ用塗布型磁気記録媒体の10倍以上の面記録密度、すなわち50Gb/in2の面記録密度を実現することが可能である。このような面記録密度を有する磁気記録媒体を用いて、リニア記録方式のデータカートリッジを構成した場合には、データカートリッジ1巻当たり50TB以上の大容量記録が可能になる。
(耐クラック荷重)
磁気記録媒体の耐クラック荷重は、好ましくは200[g/12.75mm]以上、より好ましくは200[g/12.75mm]以上730[g/12.75mm]以下、さらに好ましくは200[g/12.75mm]以上500[g/12.75mm]以下の範囲内である。耐クラック荷重が200[g/12.75mm]未満であると、磁気記録媒体を用いてデータカートリッジを製造者が作製する段階で、もしくはデータカートリッジをユーザが使用する段階で、クラックが発生し易くなる。このようにクラックが発生すると、磁気記録媒体の耐久性や信頼性が低下する。一方、耐クラック荷重が730[g/12.75mm]以下であると、基体11の材料として磁気記録媒体において一般的な可撓性高分子材料を用いることができる。
(基体)
基体11は、この基体11の表面に設けられる積層膜を支持する支持体である。基体11は、例えば、長尺状のフィルムである。基体11としては、可撓性を有する非磁性基体を用いることが好ましい。非磁性基体の材料としては、例えば、磁気記録媒体において一般的な可撓性高分子材料を用いることができる。このような高分子材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルを10質量%以上含む共重合体または混合体を用いることができる。
基体11のヤング率は、好ましくは6250N/mm2以上16000N/mm2以下、より好ましくは6250N/mm2以上7000N/mm2以下の範囲内である。基体11のヤング率が6250N/mm2以上であると、後述するように下地層13の厚さを50nm以下にすることで、耐クラック荷重を200[g/12.75mm]以上にすることができる。
一方、基体11のヤング率を16000N/mm2以下にすることで、基体11の材料として磁気記録媒体において一般的な可撓性高分子材料を用いることができる。このような可撓性高分子材料の具体例としては、上で例示したものが挙げられる。また、基体11のヤング率を7000N/mm2以下にすることで、磁気記録媒体において一般的な可撓性高分子材料のうちでも、特に安価なものを用いることができる。したがって、磁気記録媒体をさらに低廉化することができる。このような安価な可撓性高分子材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる
基体11の厚みは、好ましくは10.0μm以下、より好ましくは4.0μm以上10.0μm以下の範囲内である。基体11の厚みが10.0μmを超えると、本実施形態に係る磁気記録媒体を用いてリニア記録方式のデータカートリッジを構成した場合には、記録容量の低下が大きくなるからである。
(シード層)
シード層12は、基体11と下地層13との間に設けられている。シード層12は、アモルファス状態を有している。シード層12の状態が結晶状態であると、結晶成長に伴うカラム形状が明瞭となり、基体11の表面の凹凸が強調され、下地層13の結晶配向が悪化する。すなわち、アモルファス状態のシード層12には、基体11の表面の凹凸を緩和する働きがある。
シード層12は、TiおよびCrを含む合金を含み、アモルファス状態を有していることが好ましい。ここで、「シード層」とは、下地層13に類似した結晶構造を有し、結晶成長を目的として設けられる中間層ではなく、当該シード層12の平坦性およびアモルファス状態によって下地層13の垂直配向性を向上する中間層のことを意味する。「合金」とは、TiおよびCrを含む固溶体、共晶体、および金属間化合物などの少なくとも一種を意味する。「アモルファス状態」とは、電子線回折法により、ハローが観測され、結晶構造を特定できないことを意味する。
TiおよびCrを含む合金を含み、アモルファス状態を有するシード層12には、基体11の内部から放出された、もしくは基体11の表面に吸着されたO2ガスやH2Oなどが下地層13などの積層膜に影響を及ぼすことを抑制する働きがある。また、基体11の表面の微細な凹凸を緩和し、基体11の表面に金属性の平滑面を形成して、下地層13の垂直配向性を向上する働きがある。
シード層12に含まれるTi、CrおよびO(酸素)の総量に対するOの割合は、好ましくは15原子%(atomic%:at%)以下、より好ましくは10原子%以下である。酸素の割合が15原子%を超えると、TiO2結晶が生成することにより、シード層12の表面に形成される下地層13の結晶核形成に影響を与えるようになり、下地層13の配向性が大きく低下する。
シード層12に含まれるTiおよびCrの総量に対するTiの割合は、例えば10原子%以上、好ましくは30原子%以上100原子%未満、より好ましくは50原子%以上100原子%未満の範囲内である。Tiの比率が30%未満であると、Crの体心立法格子(Body-Centered Cubic lattice:bcc)構造の(100)面が配向するようになり、シード層12の表面に形成される下地層13の配向性が低下する。
なお、上記元素の割合は次のようにして求めることができる。磁気記録媒体のトップコート層16側からイオンビームによるエッチングを行い、エッチングされたシード層12の最表面についてオージェ電子分光法による解析を実施し、膜厚に対する平均の原子数比率をその元素の比率とする。具体的には、Ti、CrおよびOの3元素について解析を行い、その百分率比率による元素量を同定する。
シード層12に含まれる合金が、TiおよびCr以外の元素を添加元素としてさらに含んでいてもよい。この添加元素としては、例えば、Nb、Ni、Mo、AlおよびWなどからなる群より選ばれる1種以上の元素が挙げられる。シード層12の厚さは、例えば1.0nm以上10.0nm以下の範囲内である。
(下地層)
下地層13は、磁気記録層14と同様の結晶構造を有していることが好ましい。磁気記録層14がCo系合金を含んでいる場合には、下地層13は、Co系合金と同様の六方細密充填(hcp)構造を有する材料を含み、その構造のc軸が膜面に対して垂直方向(すなわち膜厚方向)に配向していることが好ましい。磁気記録層14の配向性を高め、かつ、下地層13と磁気記録層14との格子定数のマッチングを比較的良好にできるからである。六方細密充填(hcp)構造を有する材料としては、Ruを含む材料を用いることが好ましく、具体的にはRu単体またはRu合金が好ましい。Ru合金としては、例えば、Ru−SiO2、Ru−TiO2またはRu−ZrO2などのRu合金酸化物が挙げられる。下地層13におけるRuの含有量は、例えば10原子%以上である。
下地層13の厚さは、例えば3.0nm以上80.0nm以下、好ましくは5.0nm以上50.0nm以下、さらに好ましくは10.0nm以上50.0nm以下の範囲内である。下地層13の厚さが5.0nm未満であると、抗磁力Hcが著しく低下して、記録メディアとしての成立が困難となる。一方、下地層13の厚さが50.0nm以下であると、ヤング率が6250N/mm2以上の基体11を用いることで、耐クラック荷重を200[g/12.75mm]以上にすることができる。なお、耐クラック荷重が200[g/12.75mm]未満であると、磁気記録媒体を用いてデータカートリッジを製造者が作製する段階で、もしくはデータカートリッジをユーザが使用する段階で、クラックが発生し易くなる。このようにクラックが発生すると、上述したように、磁気記録媒体の耐久性や信頼性が低下する。下地層13の厚さは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いて、磁気記録媒体の断面TEM像を撮影し、この断面TEM像から測定することができる。
(磁気記録層)
磁気記録層14は、磁気記録材料が垂直方向に配向した垂直記録層である。磁気記録層14は、記録密度を向上する観点から、Co系合金を含むグラニュラ磁性層であることが好ましい。このグラニュラ磁性層は、Co系合金を含む強磁性結晶粒子と、この強磁性結晶粒子を取り巻く非磁性粒界(非磁性体)とから構成されている。より具体的には、このグラニュラ磁性層は、Co系合金を含むカラム(柱状結晶)と、このカラムを取り囲み、それぞれのカラムを磁気的に分離する非磁性粒界(例えばSiO2などの酸化物)とから構成されている。この構造では、それぞれのカラムが磁気的に分離した構造を有する磁気記録層14を構成することができる。磁気記録層14におけるCoの含有量は、例えば10原子%以上である。
Co系合金は、六方細密充填(hcp)構造を有し、そのc軸が膜面に対して垂直方向(膜厚方向)に配向している。Co系合金としては、少なくともCo、CrおよびPtを含有するCoCrPt系合金を用いることが好ましい。CoCrPt系合金は、特に限定されるものではなく、CoCrPt合金がさらに添加元素を含んでいてもよい。添加元素としては、例えば、NiおよびTaなどからなる群より選ばれる1種以上の元素が挙げられる。
強磁性結晶粒子を取り巻く非磁性粒界は、非磁性金属材料を含んでいる。ここで、金属には半金属を含むものとする。非磁性金属材料としては、例えば、金属酸化物および金属窒化物のうちのいずれかを用いることができ、グラニュラ構造をより安定に維持する観点からすると、金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物としては、Si、Cr、Co、Al、Ti、Ta、Zr、Ce、YおよびHfなどからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む金属酸化物が挙げられ、少なくともSi酸化物(すなわちSiO2)を含んでいる金属酸化物が好ましい。その具体例としては、SiO2、Cr23、CoO、Al23、TiO2、Ta25、ZrO2またはHfO2などが挙げられる。金属窒化物としては、Si、Cr、Co、Al、Ti、Ta、Zr、Ce、YおよびHfなどからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む金属窒化物が挙げられる。その具体例としては、SiN、TiNまたはAlNなどが挙げられる。グラニュラ構造をより安定に維持するためには、非磁性粒界が金属窒化物および金属酸化物のうち金属酸化物を含んでいることが好ましい。
SNR(Signal-Noise Ratio)の更なる向上を実現する観点からすると、強磁性結晶粒子に含まれるCoCrPt系合金と、非磁性粒界に含まれるSi酸化物とが、以下の式(1)に示す平均組成を有していることが好ましい。反磁界の影響を抑え、かつ、十分な再生出力を確保できる飽和磁化量Msを実現でき、これにより、高いSNRを確保できるからである。
(CoxPtyCr100-x-y100-z−(SiO2z ・・・(1)
(但し、式(1)中において、x、y、zはそれぞれ、69≦X≦72、12≦y≦16、9≦Z≦12の範囲内の値である。)
なお、上記組成は次のようにして求めることができる。磁気記録媒体のトップコート層16側からイオンビームによるエッチングを行い、エッチングされた磁気記録層14の最表面についてオージェ電子分光法による解析を実施し、膜厚に対する平均の原子数比率をその元素の比率とする。具体的には、Co、Pt、Cr、SiおよびOの5元素について解析を行い、その百分率比率による元素量を同定する。
本実施形態に係る磁気記録媒体は、軟磁性材料を含む裏打ち層(軟磁性裏打ち層)を有さない単層磁気記録媒体であるが、この種の磁気記録媒体では、磁気記録層14に起因する垂直方向への反磁界の影響が大きいと、垂直方向への十分な記録が困難となる傾向がある。反磁界は、磁気記録層14の飽和磁化量Msに比例して大きくなるので、反磁界を抑えるためには飽和磁化量Msを小さくすることが望ましい。しかしながら、飽和磁化量Msが小さくなると、残留磁化量Mrが小さくなり、再生出力が低下する。したがって、磁気記録層14に含まれる材料は、反磁界の影響の抑制(すなわち飽和磁化量Msの低減)と、十分な再生出力を確保できる残留磁化量Mrとを両立する観点から選択することが好ましい。上記(1)の平均組成においては、これらの特性を両立し、高いSNRを確保できる。磁気記録層14の厚さは、例えば3.0nm以上20.0nm以下の範囲内である。
(保護層)
保護層15は、例えば、炭素材料または二酸化ケイ素(SiO2)を含み、保護層15の膜強度の観点からすると、炭素材料を含んでいることが好ましい。保護層15における炭素材料の含有量は、例えば10%以上である。炭素材料としては、例えば、グラファイト、ダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)またはダイヤモンドなどが挙げられる。保護層15の厚さは、例えば1.0nm以上10.0nm以下の範囲内である。
(トップコート層)
トップコート層16は、例えば潤滑剤を含んでいる。潤滑剤としては、例えば、シリコーン系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤またはフッ素化炭化水素系潤滑剤などを用いることができる。
[2 スパッタ装置の構成]
図2は、本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体の製造に用いられるスパッタ装置の構成の一例を示す概略図である。このスパッタ装置は、シード層12、下地層13および磁気記録層14の成膜に用いられる連続巻取式スパッタ装置であり、図2に示すように、成膜室21と、ドラム22と、カソード23a〜23cと、供給リール24と、巻き取りリール25とを備える。スパッタ装置は、例えばDC(直流)マグネトロンスパッタリング方式の装置であるが、スパッタリング方式はこの方式に限定されるものではない。
成膜室21は、排気口26を介して図示しない真空ポンプに接続され、この真空ポンプにより成膜室21内の雰囲気が所定の真空度に設定される。成膜室21の内部には、回転可能な構成を有するドラム22、供給リール24および巻き取りリール25が配置されている。スパッタ時には、供給リール24から巻き出された基体11が、ドラム22を介して巻き取りリール25に巻き取られる。ドラム22には、図示しない冷却機構が設けられており、スパッタ時には、例えば−20℃程度に冷却される。成膜室21の内部には、ドラム22の円筒面に対向して複数のカソード23a〜23cが配置されている。これらのカソード23a〜23cにはそれぞれターゲットがセットされている。具体的には、カソード23a、23b、23cにはそれぞれ、シー層12、下地層13、磁気記録層14を成膜するためのターゲットがセットされている。これらのカソード23a〜23cにより複数の種類の膜、すなわちシー層12、下地層13および磁気記録層14が同時に成膜される。
スパッタ時の成膜室21の雰囲気は、例えば、1×10-5Pa〜5×10-5Pa程度に設定される。シート層12、下地層13および磁気記録層14の膜厚および特性(例えば磁気特性)は、基体11を巻き取るテープライン速度、スパッタ時に導入するArガスの圧力(スパッタガス圧)、および投入電力などを調整することにより制御可能である。
[3 磁気記録媒体の製造方法]
本技術の一実施形態に係る磁気記録媒体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、図2に示したスパッタ装置を用いて、シード層12、下地層13および磁気記録層14を基体11の上に形成する。具体的には以下のようにして成膜する。まず、成膜室21を所定の圧力になるまで真空引きする。その後、成膜室21内にArガスなどのプロセスガスを導入しながら、カソード23a〜23cにセットされたターゲットをスパッタして、基体11の表面にシード層12、下地層13および磁気記録層14を順次成膜する。
次に、磁気記録層14の表面に保護層15を形成する。保護層15の形成方法としては、例えば化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法または物理蒸着(physical vapor deposition:PVD)法を用いることができる。
次に、例えば潤滑剤を保護層15の表面に塗布し、トップコート層16を形成する。潤滑剤の塗布方法はとしては、例えば、グラビアコーティング、ディップコーティングなどの各種塗布方法を用いることができる。
以上により、図1に示した磁気記録媒体が得られる。
[4 効果]
一実施形態に係る磁気記録媒体では、可撓性を有する基体11の表面に、アモルファス状を有するシード層12と、Ruを含む下地層13、グラニュラ構造を有する磁気記録層14を積層している。そして、この積層構成において下地層の厚さを50.0nm以下の範囲内としている。したがって、磁気記録媒体に対して引張り応力または荷重などが加えられた場合に、もしくは磁気記録媒体が曲げられたりした場合に、基体11の表面の積層膜に対するクラックの発生を抑制できる。したがって、製品としての磁気記録媒体の信頼性を向上することができる。また、下地層13の厚さを5.0nm以上の範囲内としているので、磁気特性を向上することができる。
基体11と下地層13との間に、アモルファス状態を有し、TiおよびCrを含む合金を含んでいるシード層12が設けた場合には、基体11に吸着したO2ガスやH2Oなどが下地層13に対して及ぼす影響を抑制することができる。また、基体11の表面に金属性の平滑面を形成して、下地層13および磁気記録層14の配向性を改善できる。したがって、優れた磁気特性を達成し、高出力化および低ノイズ化といった媒体性能の向上を実現できる。
シード層12に含まれるTi、CrおよびOの総量に対するOの割合を、15原子%以下とし、シード層12に含まれるTiおよびCrの総量に対するTiの割合を、30原子%以上100原子%未満の範囲内とした場合には、磁気特性のさらなる向上を達成できる。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(ヤング率)
本実施例において、非磁性基体としての高分子フィルムのヤング率は、以下のように測定した。まず、高分子フィルムから幅10mm×試長50mmの試験片を切り出した。次に、この試験片のヤング率をテンシロン引張試験機用いて室温25°の環境下にて引張速度20mm/minで測定した。
(膜厚)
本実施例において、非磁性基体上に積層される各層の厚さは、以下のように測定した。まず、磁気テープをその主面に対して垂直に切り出し、その断面をTEMにより撮影した。次に、撮影したTEM写真から各層の厚さを求めた。
(実施例1−1〜1−4、比較例1−1)
(シード層の成膜工程)
まず、可撓性を有する非磁性基体として、ヤング率6250N/mm2の高分子フィルムを準備した後、以下の成膜条件にて、このフィルム上にTiCrシード層を厚さ5.0nm成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:Ti50Cr50ターゲット
到達真空度:1×10-5Pa
ガス種:Ar
ガス圧:0.5Pa
(下地層の成膜工程)
次に、以下の成膜条件にて、TiCrシード層上にRu下地層を厚さ5.0nm〜55.0nmの範囲で成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:Ruターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.5Pa
(磁気記録層の成膜工程)
次に、以下の成膜条件にて、Ru下地層上に(CoCrPt)−(SiO2)磁気記録層を厚さ20.0nm成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:(Co75Cr10Pt1590−(SiO210ターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.5Pa
(保護層の成膜工程)
次に、以下の成膜条件にて、(CoCrPt)−(SiO2)磁気記録層上にカーボンからなる保護層を厚さ5.0nm成膜した。
スパッタリング方式:DCマグネトロンスパッタリング方式
ターゲット:カーボンターゲット
ガス種:Ar
ガス圧:1.5Pa
(トップコート層の成膜工程)
次に、フッ素系潤滑剤を保護層上に塗布し、保護層上にトップコート層を成膜した。
以上により、垂直磁気記録媒体である磁気テープを得た。
(実施例2−1〜2−4、比較例2−1)
可撓性を有する非磁性基体として、ヤング率6680N/mm2の高分子フィルムを用いる以外は実施例1−1〜1−4、比較例1−1と同様にして、磁気テープを得た。
(実施例3−1〜3−5)
可撓性を有する非磁性基体として、ヤング率16000N/mm2の高分子フィルムを用いる以外は実施例−1〜、比較例1−1と同様にして、磁気テープを得た。
<比較例3>
アモルファス状態のTiCrシード層を非磁性基体とRu下地層との間に形成しないこと以外は実施例1−1と同様にして磁気テープを得た。
<比較例4>
結晶状態のTiCrシード層を非磁性基体とRu下地層との間に形成すること以外は実施例1−1と同様にして磁気テープを得た。
(特性評価)
上述のようにして得られた実施例1−1〜1−4、比較例1−1、実施例2−1〜2−4、比較例2−1、実施例3−1〜3−5の磁気テープについて、以下の(a)〜(d)の評価を行った。また、比較例3、4の磁気テープについて、以下の(c)、(d)の評価を行った。
(a)耐クラック荷重
図3を参照して、耐クラック荷重の評価方法について説明する。まず、磁気テープから幅12.75mm×試長500mmの試験片を切り出し、この試験片の長手方向の一端をステージの固定部に固定した。次に、試験片の長手方向の他端をばねばかり(プッシュプルゲージ)にくくりつけ、ばねばかりごと一方向に荷重をかけて引っ張り、磁気テープ表面を光学顕微鏡で観察した。そして、荷重を増加させていく段階で、基体表面の積層体にクラックが発生し始めたときの引張荷重をばねばかりの目盛で読み取り、この値を「耐クラック荷重」と定義した。その結果を表1および図4Aに示す。ここで、「耐クラック荷重」とは、クラックが発生し始めるときの引張荷重を意味する。なお、本評価は、ドライブなどの記録再生装置に磁気テープをセットした際に、磁気テープを走行させるメカ機構の引張り応力に磁気テープが耐え得るかどうかを想定した評価である。
(b)垂直方向の抗磁力Hc
磁気記録層の垂直方向の抗磁力Hcを振動試料磁力計(Vibrating Sample Magnetometer:VSM)を用いて調べた。その結果を表1および図4Bに示す。
(c)下地層の垂直配向性
X線回折装置によりθ/2θ特性を調査し、下地層に含まれるRuの垂直配向性を以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
垂直配向性が良好:(0002)のみのピークが観察された場合
垂直配向性が悪い:(0002)のピークの以外に、(10−10)、(10−11)のピークも観察された場合
ここで、上記結晶方位における「−1」は、オーバーラインが付された「1」を意味する。
(d)シード層の状態
電子線回折法によりTiCrシード層の状態を解析した。その結果を表1に示す。なお、電子線回折法では、TiCrシード層が結晶状態であれば電子線回折像としてドットが得られ、TiCrシード層が多結晶状態であれば電子線回折像としてリングが得られ、そして、TiCrシード層がアモルファス状態であれば電子線回折像としてハローが得られる。
表1は、実施例1−1〜1−4、比較例1−1の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0006186859
表2は、実施例2−1〜2−4比較例2−1の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0006186859
表3は、実施例3−1〜3−5の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0006186859
表4は、比較例3、4の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0006186859
<耐クラック荷重の下地層厚み依存性について(図4A参照)>
高分子フィルムのヤング率に関わらず、下地層の厚みの増加に従って、耐クラック荷重が低下する傾向がある。具体的には、下地層の厚みが5.0nm以上50.0nm以下の範囲内では、下地層の厚みの増加に従って、耐クラック荷重が緩やかに低下する傾向がある。一方、下地層の厚みが50.0nm以上55.5nm以下の範囲内では、下地層の厚みの増加に従って、耐クラック荷重が著しく低下する傾向がある。特に、この大きな低下の傾向は、ヤング率が最も大きい高分子フィルム(ヤング率:16000N/mm2)を用いた磁気テープほど顕著である。
ヤング率が最も小さい高分子フィルム(ヤング率:6250N/mm2)を用いた磁気テープでは、下地層の厚さが50nmを超えると、耐クラック荷重が200[g/12.75mm]未満となる傾向がある。なお、耐クラック荷重が200[g/12.75mm]未満であると、上述したように、データカートリッジの作製段階で、もしくはデータカートリッジの使用段階でクラックが発生し易くなる。
したがって、非磁性基体としてヤング率6250N/mm2以上の高分子フィルムを用いて、耐クラック荷重を200[g/12.75mm]以上とするためには、下地層の厚みを50nm以下とすることが好ましい。
ヤング率16000N/mm2の高分子フィルムを用いた場合には、ヤング率6250N/mm2、6680N/mm2の高分子フィルムを用いた場合に比して、下地層が同一厚さの条件において耐クラック荷重が高くなる。しかし、ヤング率16000N/mm2の高分子フィルムは高価であるために、この高分子フィルムを基体として用いると、製造コストの上昇を招くことになる。
したがって、製造コストの低廉化の観点からすると、非磁性基体としてヤング率が約6250N/mm2または約6680N/mm2である高分子フィルムを用いることが好ましい。なお、製造コストの低廉化の観点から使用可能な高分子フィルムは、上記高分子フィルムに限定されるわけではなく、ヤング率が6250N/mm2以上7000N/mm2以下の範囲内のフィルムであれば、製造コストの低廉化の観点から使用可能である。
<垂直方向の抗磁力Hcの下地層厚み依存性について(図4B参照)>
高分子フィルムのヤング率に関わらず、下地層の厚みの増加に従って、垂直方向の抗磁力Hcが増加する傾向がある。具体的には、下地層の厚みが5.0nm以上50.0nm以下の範囲内では、下地層の厚みの増加に従って、抗磁力Hcが著しく増加する傾向がある。一方、下地層の厚みが50.0nm以上55.5nm以下の範囲内では、下地層の厚みの増加に従って、抗磁力Hcが緩やかに増加する傾向がある。
高分子フィルム(ヤング率:6680N/mm2)を用いた磁気テープでは、下地層の厚みが5.0nm未満であると、抗磁力Hcが著しく低下して750Oe未満となる傾向がある。このように抗磁力Hcが著しく低下すると、書き込んだ記録信号を保持できなくなり、記録メディアとして成立しなくなる。
上記評価結果を総合すると、基体としてヤング率6250N/mm2以上のものを用いる場合には、下地層の厚さが5.0nm以上50.0nm以下の範囲内であることが好ましい。
<下地層の配向状態について>
上述の実施例1−1〜1−4、比較例1−1、実施例2−1〜2−4、比較例2−1、実施例3−1〜3−5では、Ru下地層の垂直配向性を調べた結果、(10−10)、(10−11)のピークが観察されず、六方細密充填(hcp)構造のc軸が垂直配向していることを示す(0002)のみのピークが観察された。これより、アモルファス状態のTiCrシード層を非磁性基体とRu下地層との間に設けた場合には、Ru下地層の垂直配向が大きく改善されることがわかった。
比較例3では、Ru下地層の垂直配向性を調べた結果、垂直配向を示す六方細密充填(hcp)構造の(0002)のピークは低く、それ以外に(10−10)、(10−11)のピークも観察された。これより、アモルファス状態のTiCrシード層を非磁性基体とRu下地層との間に設けない場合には、Ru下地層では結晶配向がランダムとなり、十分な垂直配向が得られないことがわかった。
比較例4では、Ru下地層の垂直配向性を調べた結果、垂直配向を示す六方細密充填(hcp)構造の(0002)のピークの以外に、(10−10)、(10−11)のピークが比較例3と同様に観察された。これにより、結晶状態のTiCrシード層を非磁性基体とRu下地層との間に設けた場合には、十分な垂直配向が得られないことがわかった。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本開示において用いた「含む(または含んでいる)」(comprising)という用語は、より制限的な用語である「から本質的になる」(consisting essentially of)および「からなる」(consisting of)を含んでいる。
また、上述の実施形態では、シード層の構成を単層構造とする場合を例として説明したが、シード層の構成を第1のシード層および第2のシード層を備える2層構造としてもよい。この場合、第1のシード層が下地層の側に設けられ、第2のシード層が基体の側に設けられる。第1のシード層は、上述の一実施形態におけるシード層と同様のものを用いることができる。第2のシード層は、例えば第1のシード層とは異なる組成の材料を含んでいる。この材料の具体例としては、NiWまたはTaなどが挙げられる。このように磁気記録媒体が2層構造のシード層を備える場合には、下地層および磁気記録層の配向性をさらに改善し、磁気特性をさらに向上させることが可能となる。なお、シード層の構成を3層以上の多層構造体としてもよい。
また、上述の実施形態では、下地層の構成を単層構造とする場合を例として説明したが、下地層の構成を第1の下地層および第2の下地層を備える2層構造としてもよい。この場合、第1の下地層が磁気記録層の側に設けられ、第2の下地層がシード層の側に設けられる。第1の下地層の厚さは、第2の下地層の厚さよりも厚いことが好ましい。磁気記録媒体の特性を向上できるからである。なお、下地層の構成を3層以上の多層構造体としてもよい。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
可撓性を有する基体と、
アモルファス状を有するシード層と、
Ruを含む下地層と、
グラニュラ構造を有する記録層と
を含み、
上記シード層は、上記基体と上記下地層との間に設けられ、
上記下地層の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲内である磁気記録媒体。
(2)
上記シード層は、TiおよびCrを含む合金を含んでいる(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)
上記シード層により上記基体の表面の凹凸が緩和されている(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)
上記基体のヤング率が、6250N/mm2以上16000N/mm2以下の範囲内である(1)から(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(5)
上記基体のヤング率が、6250N/mm2以上7000N/mm2以下の範囲内である(1)から(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(6)
上記基体の厚みが、10.0μm以下である(1)から(5)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(7)
耐クラック荷重が、200[g/12.75mm]以上500[g/12.75mm]以下の範囲内である(1)から(6)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(8)
上記記録層は、Co、PtおよびCrを含む粒子が酸化物で分離されたグラニュラ構造を有する(1)から(7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(9)
上記記録層は、以下の式(1)に示す平均組成を有している(8)に記載の磁気記録媒体。
(CoxPtyCr100-x-y100-z−(SiO2z ・・・(1)
(但し、式(1)中において、x、y、zはそれぞれ、69≦x≦72、12≦y≦16、9≦z≦12の範囲内の値である。)
11 非磁性基体
12 シード層
13 下地層
14 磁気記録層
15 保護膜
16 トップコート層
21 成膜室
22 ドラム
23a、23b、23c カソード
24 供給リール
25 巻き取りリール

Claims (12)

  1. 可撓性を有する長尺状の基体と、
    TiおよびCrを含む合金を含む、アモルファス状を有するシード層と、
    Ruを含む下地層と、
    グラニュラ構造を有する記録層と
    を含み、
    上記シード層は、上記基体と上記下地層との間に設けられ、
    上記下地層の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲内である磁気記録媒体。
  2. 上記シード層は、上記基体に隣接して設けられている請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 上記シード層により上記基体の表面の凹凸が緩和されている請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 上記基体のヤング率が、6250N/mm2以上16000N/mm2以下の範囲内である請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 上記基体のヤング率が、6250N/mm2以上7000N/mm2以下の範囲内である請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 上記基体の厚みが、10.0μm以下である請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 耐クラック荷重が、200[g/12.75mm]以上500[g/12.75mm]以下の範囲内である請求項1から6のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  8. 上記記録層は、Co、PtおよびCrを含む粒子が酸化物で分離されたグラニュラ構造を有する請求項1から7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 上記記録層は、以下の式(1)に示す平均組成を有している請求項8に記載の磁気記録媒体。
    (CoxPtyCr100-x-y100-z−(SiO2z ・・・(1)
    (但し、式(1)中において、x、y、zはそれぞれ、69≦x≦72、12≦y≦16、9≦z≦12の範囲内の値である。)
  10. 上記シード層に含まれるTiおよびCrの総量に対するTiの割合は、30原子%以上である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  11. 上記シード層は、酸素をさらに含んでいる請求項1に記載の磁気記録媒体。
  12. 上記シード層に含まれるTi、CrおよびOの総量に対するOの割合は、15原子%以下であり、
    上記シード層に含まれるTiおよびCrの総量に対するTiの割合は、30原子%以上である請求項11に記載の磁気記録媒体。
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