JP2003345357A - 鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構および鍵盤楽器 - Google Patents
鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構および鍵盤楽器Info
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Abstract
を必要としない鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構を提供するこ
と。 【解決手段】鍵盤蓋14を鍵盤楽器1の内部に折り畳ん
で収納するためには、移動中の鍵盤蓋14の下面が通過
するところに配された山型形成部42,42、連結溝壁
面38c,38cなどからなる回転支持部および連結溝
壁面36c,36cなどからなる鍵盤蓋停止部を備えれ
ばよい。したがって、鍵盤蓋14を開閉させるための構
成を単純にでき、またこれらは可動部分を有しないの
で、その設置には大きなスペースを必要としない。
Description
開閉機構に関する。
ような各種の鍵盤楽器においては、多種多様の演奏を実
現する際に用いる各種の操作子や表示器を操作パネル上
に配置する必要があるため、操作パネルが大型になって
きている。従って、こうした大型の操作パネルや鍵盤を
覆う鍵盤蓋もまた、当然のことながら大型化せざるを得
ないものであった。
者が演奏を行う際には、鍵盤や操作パネルを覆っている
大型化した鍵盤蓋をその鍵盤や操作パネル上から取り除
いて、鍵盤楽器の内部に収納するようになされていた。
なお、一般には、鍵盤や操作パネルを覆っている鍵盤蓋
を当該鍵盤や操作パネル上から取り除くことを「鍵盤蓋
を開く」と称し、鍵盤蓋により鍵盤や操作パネルを覆う
ことを「鍵盤蓋を閉じる」と称している。従って、本明
細書においても「鍵盤蓋の開閉」は上述した意味に用い
るものとする。
材で形成すると、鍵盤楽器の奥行き寸法が大きくなって
しまう。このため、上述したような従来の鍵盤楽器にお
いては、主蓋および副蓋というような複数の板状材を蝶
番などで連結して鍵盤蓋を形成し、その連結部で折り曲
げて鍵盤楽器内に収納するようにして鍵盤楽器全体の大
きさを小型化することが考えられている。例えば特開2
001−343976号公報に開示されている鍵盤楽器
の鍵盤蓋開閉機構は、腕木の内面に固定されたベースに
回動自在に支持された第1腕部と、第1腕部と同軸に回
動自在に支持され、且つ第1腕部に連動するように構成
された第2腕部とを有する支持機構を備えている。
わち、鍵盤蓋の開動作の際に、鍵盤蓋が鍵盤楽器本体内
に移動すると、鍵盤蓋が第1腕部に当接する。さらに鍵
盤蓋が移動すると第1腕部が鍵盤蓋に押されて回動す
る。すると、第2腕部が第1腕部に連動して回動し、そ
の先端部が鍵盤蓋を下方から押し上げる。この第2腕部
の作用により、鍵盤蓋は蝶番で連結された箇所から折り
曲げられる。さらに鍵盤蓋が移動すると、鍵盤蓋は鍵盤
楽器本体内に折り曲げられて収納される。
鍵盤蓋開閉機構はその構造が複雑であり、また回動部分
を有するためにその設置には大きなスペースが必要であ
った。本発明は、上記したような従来の技術の有する問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、その構造が単純であり、その設置に大きなスペー
スを必要としない鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構を提供しよ
うとするものである。
を解決するために、請求項1の鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機
構は、鍵盤楽器(1:この欄においては、発明への理解
の容易化のため、必要に応じて実施の形態中で用いた符
号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定するこ
とを意味するものではない。)内の前側左右両端付近に
対向配置された腕木(3,3)の間に配された鍵盤(1
0)の上方を覆うための前蓋(16)と、該前蓋の後端
部とその前端部とが連結部(20)により山型に折り畳
み可能に連結される後蓋(18)とから構成され、前記
鍵盤の上方を覆う位置(以下閉蓋位置)と鍵盤楽器内に
収納された位置(以下開蓋位置)との間を移動可能な鍵
盤蓋(14)と、前記閉蓋位置と前記開蓋位置との間で
前記鍵盤蓋を案内する鍵盤蓋案内部(36,38)とを
備える鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構において、前記閉蓋位
置から前記開蓋位置へ移動する前記鍵盤蓋を前記連結部
から山型に折り曲げる山型形成部(42)と、前記閉蓋
位置から前記開蓋位置へ移動する際に前記山型形成部に
よって前記連結部から山型に折れ曲がった鍵盤蓋の後蓋
を支持することにより、前記後蓋を、その支持部分を中
心にして回転させる回転支持部(38a,38c)と、
移動中の前記鍵盤蓋を前記開蓋位置で停止させる鍵盤蓋
停止部(36c)とを備えたことを特徴とする。
よれば、鍵盤の上方を覆う鍵盤蓋を演奏時などに開ける
には、この閉蓋位置にある鍵盤蓋を開蓋位置に向けて移
動させればよい。すなわち、前蓋を押すなどして鍵盤蓋
を鍵盤楽器本体内に向けて移動させる。この鍵盤蓋は、
閉蓋位置と開蓋位置との間を鍵盤蓋案内部に案内され
る。すると山型形成部が移動中の鍵盤蓋をその連結部か
ら山型に折り曲げる。この場合、山型形成部は、請求項
2のように移動中の鍵盤蓋の下面が通過するところに配
することが考えられる。続いて回転支持部が、この山型
に折れ曲がった鍵盤蓋の後蓋を支持する。すると、後蓋
の前端部が後端部への方向とは異なる方向へ押され、後
蓋がその支持部分を中心に回転して鍵盤蓋がさらに折れ
曲がっていく。最後に鍵盤蓋停止部が、鍵盤蓋を開蓋位
置で停止させ、鍵盤蓋を鍵盤楽器本体内に折り畳まれた
状態で収納させる。この場合、請求項3のように鍵盤蓋
停止部が、移動中の前蓋を停止させるように構成すれば
よい。
は、この開蓋位置にある鍵盤蓋を閉蓋位置に向けて移動
させればよい。すなわち、鍵盤楽器本体内に折り畳まれ
た状態で収納されていた鍵盤蓋を、前蓋を手前に引くな
どして鍵盤の上方に向けて移動させる。すると、鍵盤蓋
が鍵盤蓋停止部から離れ、さらに後蓋が鍵盤蓋を開ける
ときとは反対方向に回転する。この間、鍵盤蓋の山型が
平らに近づいていく。次に後蓋が回転支持部から離れ、
鍵盤蓋が鍵盤楽器本体内から引き出されていく。そし
て、鍵盤蓋が、鍵盤の上方を覆う閉鎖位置となる。
畳んで収納するためには、山型形成部、回転支持部およ
び鍵盤蓋停止部を備えればよく、したがって、鍵盤蓋を
開閉させるための構成を単純にでき、またこれらは可動
部分を有しないので、その設置には大きなスペースを必
要としない。
方に操作パネル(12)が傾斜して設置されているもの
もある。このような鍵盤楽器においては、閉蓋位置にあ
る鍵盤蓋が、鍵盤の上方と共に操作パネルの上方も覆
う。また、上述した鍵盤蓋案内部を、請求項4のよう
に、鍵盤蓋が閉蓋位置から開蓋位置へ移動する際に後蓋
を斜め下方に案内するように構成すれば、後蓋をコンパ
クトに回転させることができる。このときの鍵盤蓋を収
納するスペースの奥行き寸法は、鍵盤楽器本体内の後方
に略水平に案内する場合に比べて小さくてよい。したが
って、鍵盤楽器本体の奥行き寸法を小さくすることが出
来る。
方に向けて延出する後蓋突起部(32)を備え、一方、
鍵盤蓋案内部が、互いにほぼ平行な下側溝壁面(38
a)と上側溝壁面(38b)とを備え、下側溝壁面が、
後蓋が閉蓋位置と開蓋位置との間を移動する際には、後
蓋突起部を介して鍵盤蓋を下方から支えると共に、上側
溝壁面が、後蓋が閉蓋位置と開蓋位置との間を移動する
際には、後蓋突起部を介して鍵盤蓋が上方に外れるのを
防ぐように構成すれば、鍵盤蓋の安定した移動が可能と
なる。
を、下側溝壁面の後端近傍(38a)と、下側溝壁面の
後端部と上側溝壁面の後端部とを連結する連結溝壁面
(38c)とから構成するとよい。このような構成にす
れば、鍵盤蓋が閉蓋位置から開蓋位置に移動する際に
は、後蓋の後蓋突起部が、下側溝壁面の後端近傍と連結
溝壁面とに当接し、この後蓋突起部を中心にして後蓋が
回転する。したがって、後蓋をスムーズに回転させるこ
とができるまた、上述の鍵盤蓋の移動は、次のようにす
ればさらに安定する。すなわち、前蓋がその側方に向け
て延出する前蓋突起部(24)を備え、下側溝壁面(3
6a)が、前蓋が閉蓋位置と開蓋位置との間を移動する
際には、前蓋突起部を介して鍵盤蓋を下方から支えると
共に、上側溝壁面(36b)が、前蓋が閉蓋位置と開蓋
位置との間を移動する際には、前蓋突起部を介して鍵盤
蓋が上方に外れるのを防ぐように構成することである。
なわち、後蓋突起部が少なくとも2つあり、そのうちの
2つが同軸上で反対向きに延出し、一方、鍵盤蓋案内部
が少なくとも2つあり、そのうちの2つが、前記同軸上
にある2つの後蓋突起部をそれぞれ案内するように構成
することである。このような構成にすれば、鍵盤蓋案内
部が、少なくとも鍵盤蓋を両側から支持して案内するの
で、その姿勢や移動が安定する。
る2つの後蓋突起部の少なくとも一方を伸縮自在に構成
すると、鍵盤楽器本体に対する鍵盤蓋の取り付けおよび
取り外しが容易に行える。すなわち、後蓋を鍵盤楽器本
体に取り付けるには、まず、同軸上にある2つの後蓋突
起部のうち伸縮自在な方を縮ませた状態にし、これら後
蓋突起部が、それぞれを案内する2つの鍵盤蓋案内部の
間に位置するように後蓋を移動させる。そして、縮ませ
た状態の後蓋突起部を伸ばすと、これら後蓋突起部が2
つの鍵盤蓋案内部の間に入る。つまり鍵盤蓋が鍵盤楽器
本体に取り付けられる。
には、伸縮自在な後蓋突起部を縮ませた状態にする。こ
うすれば、同軸上にある2つの後蓋突起部を2つの鍵盤
蓋案内部の間から移動させることができ、つまり後蓋を
鍵盤楽器本体から取り外すことができる。
に収納する際に真っ直ぐ押さなかった場合には、案内軸
の両端には同程度の力が作用せず、これら両端のうちの
一方が空転したり滑ったりするなど鍵盤蓋をうまく移動
させられない事態が生じる。そこで、請求項8のよう
に、鍵盤蓋がその両端付近それぞれにピニオンギヤ(3
4)を有し、且つその移動方向に対して直交する方向に
沿って配されて回転可能な案内軸(30)を備えると共
に、鍵盤蓋が前記閉蓋位置と前記開蓋位置との間を移動
する際に、前記ピニオンギヤそれぞれに噛み合うように
配された一対のラック(40)を備える構成とすれば、
案内軸の両端のピニオンギヤとラックとが噛み合ってい
るので、上述のような空転や滑りが生じず、したがっ
て、鍵盤蓋の移動をさらに安定させることができる。
起部を備えるようにすれば、その構成が単純になる。と
ころで、上述の鍵盤蓋案内部、ラックおよび山型形成部
を、請求項9のように、一体に構成して腕木(3,3)
に対して取り付け・取り外し自在とすれば、腕木に対し
てビスなどで容易に取り付けることができ、したがっ
て、鍵盤楽器の組立工数を低減できる。
について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の
形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発
明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採りうるこ
とは言うまでもない。
であり、その鍵盤蓋14が閉蓋位置にあるところを示し
ている。なお、「閉蓋位置」については後述する。この
鍵盤楽器1は、鍵盤楽器1の内部の前側左右両端付近に
対向配置された腕木3,3、天板5、天板5の下方に配
された奥屋根6、底板8、背面板9および腕木3,3の
間に配された鍵盤10と操作パネル12等により形成さ
れている。このうち鍵盤10は白鍵および黒鍵を備えて
おり、腕木3,3の間の前方にある。また、操作パネル
12は、各種スイッチおよび電子回路を備えており、鍵
盤10の後方斜め上方において、背面板9に近づくに従
って上方に傾斜して配置されている。
0および操作スイッチ12の上方を覆うものであり、こ
れらのうち前方側を覆う板状の前蓋16および後方側を
覆う板状の後蓋18を備えている。これら前蓋16の後
端部と後蓋18の前端部とは、連結部としての蝶番20
により山型に折り畳み可能に連結されている。
10の前方を覆う前垂れ部22をその前端部に備えてい
る。さらに、前蓋16の側面からは、前蓋突起部24,
24がそれぞれ左右方向に向けて延出している。一方、
後蓋18の下面には、図2(a)に示すように、鍵盤蓋
軸ホルダー26が鍵盤蓋軸ホルダー取付金具28を介し
て取り付けられている。なお、鍵盤蓋軸ホルダー26
を、鍵盤蓋軸ホルダー取付金具28を介さずに後蓋18
に取り付ける構成としてもよい。この鍵盤蓋軸ホルダー
26は軸用穴26aを有しており、この軸用穴26aに
は、図2(b)に示すように案内軸30が通されてい
る。なお、この軸用穴26aは、案内軸30が回転可能
となるようにその形状が設定されている。そして、これ
ら鍵盤蓋軸ホルダー26および鍵盤蓋軸ホルダー取付金
具28は、図2(a)に示すように、案内軸30が鍵盤
蓋14の左右方向に沿って配されるように設定されてい
る。
に、案内軸30の両端には後蓋突起部32,32がそれ
ぞれ取り付けられている。具体的には、この後蓋突起部
32は円柱状であり、その一端からは、取付穴32aが
軸方向に沿って開けられている。また、後蓋突起部32
には、取付穴32aに連通するビス穴32bが後蓋突起
部32の直径方向に沿って開けられている。さらに、後
蓋突起部32には、ピニオンギヤ34がその周方向に沿
って設けられている。
けるには、まず図2(b)における左の後蓋突起部32
の取付穴32aに案内軸30の先端(図2(b)では左
の先端)を差し入れる。次に、図示しないビスをビス穴
32bからねじ入れ、ビスが案内軸30の側面を押圧
し、後蓋突起部32が案内軸30に対して動かなくなる
まで締めればよい(図2(b)における右の後蓋突起部
32)。このような手順にて案内軸30の両端それぞれ
に後蓋突起部32を取り付ける。一方、案内軸30に取
り付けられた後蓋突起部32を取り外すには、上述の取
り付け手順を逆に辿ればよい。
6,36および一対の後蓋案内部38,38をそれぞれ
腕木3,3に備えている。これら前蓋案内部36,36
および後蓋案内部38,38は、鍵盤蓋案内部に該当す
る。このうち前蓋案内部36,36は、腕木3,3の内
面に沿って配されて互いにほぼ平行な下側溝壁面36a
および上側溝壁面36bを備えている。これら下側溝壁
面36aおよび上側溝壁面36bは、背面板9に近づく
に従って上方に傾斜している。また、下側溝壁面36a
および上側溝壁面36bは、これらの前端部同士が連結
溝壁面により連結されており、且つこれらの後端部同士
が連結溝壁面36cにより連結されている。なお、上述
の下側溝壁面36aおよび上側溝壁面36bの後端部同
士が連結溝壁面36cで連結された部分が鍵盤蓋停止部
に該当する。さらに、これら前蓋案内部36,36には
それぞれ複数の取付穴が開けられており、前蓋案内部3
6,36は、これら取付穴にビスなどを通して腕木3,
3にそれぞれ固定されている。
3の内面に沿って配されて互いにほぼ平行な下側溝壁面
38aおよび上側溝壁面38bを備えている。これら下
側溝壁面38aおよび上側溝壁面38bは、略水平部分
と傾斜部分とからなり、このうち傾斜部分は、背面板9
に近づくに従って下方に傾斜している。これら下側溝壁
面38aおよび上側溝壁面38bは、これらの前端部同
士が連結溝壁面により連結されており、これらの後端部
同士が連結溝壁面38cにより連結されている。なお、
下側溝壁面38aの後端近傍および連結溝壁面38c
は、回転支持部に該当する。
の範囲におけるラックおよび山型形成部が一体に構成さ
れている。すなわち、後蓋案内部38の下部には、ラッ
ク40が下側溝壁面38aに沿って設けられている。こ
のラック40は、後蓋18を後蓋案内部38に取り付け
た際に、ピニオンギヤ34と噛み合うように設定されて
いる。そして、ラック40の前端部および後端部には、
山型形成部42がそれぞれ設けられている。このうち、
ラック40の前端部に設けられた山型形成部42は、鍵
盤楽器1に取り付けられた鍵盤蓋14が移動する際にそ
の下面が通過するところに配されている。
数の取付穴38dがそれぞれ開けられており、後蓋案内
部38,38は、これら取付穴38dにビスなどを通し
て腕木3,3にそれぞれ固定されている。なお、図1に
示した後蓋案内部38の形状は前後対称となっており、
左右の腕木3,3に同一の後蓋案内部38を用いてい
る。このことにより、左右の腕木3,3に対応した後蓋
案内部を個別に作らなくてもよい。また、左右の腕木
3,3それぞれに個別の形状の後蓋案内部を、鍵盤楽器
1の大きさ等に合わせて用いてもよい(図6の後蓋案内
部100,100)。
部24,24および後蓋18の後蓋突起部32,32を
介して鍵盤蓋案内部(前蓋案内部36,36および後蓋
案内部38,38)に取り付けられることにより鍵盤楽
器1に取り付けられる。それには、まず、図1に示すよ
うに前蓋16の前蓋突起部24,24をそれぞれ前蓋案
内部36,36に差し入れた状態とする。具体的には、
前蓋16の前蓋突起部24,24を、それぞれ下側溝壁
面36aと上側溝壁面36bとの間に差し入れた状態と
する。前蓋突起部24,24は、それぞれ下側溝壁面3
6aおよび上側溝壁面36bの前端部と、これらの後端
部との間を移動できる。この場合、下側溝壁面36a
は、前蓋16が移動する際には、前蓋突起部24を介し
て前蓋16を下方から支える。一方、上側溝壁面36b
は、前蓋16が移動する際には、前蓋突起部22を介し
て前蓋16が上方に外れるのを防ぐ。
起部32,32をそれぞれ後蓋案内部38,38に差し
入れた状態とする。この際、上述のように後蓋突起部3
2,32が案内軸30に対して伸縮自在に構成された後
蓋18は、次のように鍵盤楽器1に対して取り付け・取
り外しが可能である。すなわち、後蓋18を鍵盤楽器1
に取り付ける際には、まず案内軸30の両端を後蓋突起
部32,32の取付穴32b,32bの奥までそれぞれ
差し入れた状態にする。なお、この場合の後蓋突起部3
2,32の両端の間の距離は、後蓋案内部38,38の
間の距離よりも短くなるように、取付穴32bの深さお
よび案内軸30の長さが設定されている。
および案内軸30が後蓋案内部38,38の間に位置す
るように移動させる。そして、後蓋突起部32,32を
後蓋案内部38,38それぞれの下側溝壁面38aと上
側溝壁面38bとの間に差し入れるように移動させる。
この際、後蓋突起部32,32のピニオンギヤ34,3
4と後蓋案内部38,38のラック40,40とがそれ
ぞれ噛み合う。続いてビスを各ビス穴32bからねじ入
れ、後蓋突起部32が案内軸30に対して動かなくなる
まで締めると後蓋18が鍵盤楽器1に取り付けられる
(図2(c))。
れ下側溝壁面38aおよび上側溝壁面38bの前端部と
これらの後端部との間を、ピニオンギヤ34とラック4
0とを噛み合わせながら移動できる。この場合、下側溝
壁面38aは、後蓋18が移動する際には、後蓋突起部
32を介して後蓋18を下方から支える。一方、上側溝
壁面38bは、後蓋18が移動する際には、後蓋突起部
32を介して後蓋18が上方に外れるのを防ぐ。
られた状態の鍵盤蓋14を、鍵盤楽器1の前側に移動さ
せると、前蓋突起部24,24がそれぞれ前蓋案内部3
6,36の前端部に当接したり、または後蓋突起部3
2,32がそれぞれ後蓋案内部38,38の前端部に当
接したりすることにより、鍵盤蓋14が停止する。この
場合、鍵盤蓋14は、背面板9に近づくに従って上方に
傾斜し、鍵盤10および操作パネル12の上方を覆うよ
うに配置される(閉蓋位置)。
られた後蓋18を取り外すには、上述の取り付け手順を
逆に辿ればよい。すなわち、後蓋突起部32を案内軸3
0に固定しているビスを緩め、後蓋突起部32,32が
それぞれ案内軸30の軸方向に動くようにする。続いて
後蓋突起部32,32を動かし、後蓋突起部32,32
の両端の間の距離を、後蓋案内部38,38の間の距離
よりも短くする。そして、後蓋18を上方に移動させて
鍵盤楽器1より取り外す。
従っているので、詳細の説明は省略する。次に鍵盤蓋1
4の開閉動作について説明する。鍵盤10および操作パ
ネル12の上方を覆う鍵盤蓋14(図1、閉蓋位置)を
演奏時などに開けるには、まず前蓋16を押すなどして
鍵盤蓋14を鍵盤楽器1の内部に向けて移動させる。す
ると、鍵盤蓋14がその下面が通過するところに配され
た山型形成部42,42に当接する(図3)。この状態
から鍵盤蓋14をさらに移動させると、鍵盤蓋14は山
型形成部42,42に摺動して山型形成部42,42に
より蝶番20から山型に折り曲がり始める。
ると、後蓋18の後蓋突起部32,32がそれぞれ後蓋
案内部38,38の後端部に到着してそれぞれ連結溝壁
面38c,38cに当接する。その状態からさらに鍵盤
蓋14を移動させると、後蓋18の前端部が後端部への
方向とは異なる方向へ押される。すると、後蓋18が、
下側溝壁面38a,38aの各後端近傍および連結溝壁
面38c,38c(回転支持部)に支持された後蓋突起
部32,32および案内軸30を中心に回転し始め、鍵
盤蓋14がさらに折れ曲がっていく(図4)。
ると、前蓋突起部24,24がそれぞれ前蓋案内部3
6,36の各後端部に到着してそれぞれ連結溝壁面36
c,36c(鍵盤蓋停止部)に当接する。すると鍵盤蓋
14の移動が停止し(これは後蓋18の回転も停止する
ことを意味する)、鍵盤楽器1の内部に折り畳まれた状
態で収納される(図5、開蓋位置)。
るには、鍵盤楽器1の内部に折り畳まれた鍵盤蓋14
を、前蓋16を手前に引くなどして鍵盤10および操作
パネル12の上方に向けて移動させる。すると、鍵盤蓋
14の前蓋突起部24,24がそれぞれ前蓋案内部3
6,36の各後端部から離れ、さらに後蓋16が、鍵盤
蓋14を開けるときとは反対方向に回転する。この間、
鍵盤蓋14の山型が平らに近づいていく。
ると、後蓋18が後蓋案内部38の後端部(回転支持
部)から離れ、鍵盤蓋14が鍵盤楽器1の内部から引き
出されていく。その状態からさらに鍵盤蓋14を移動さ
せると、前蓋16の前蓋突起部24,24がそれぞれ前
蓋案内部36,36の各前端部に到着する。すると、鍵
盤蓋14が停止し、鍵盤10および操作パネル12の上
方を覆う(図1、閉鎖位置)。
ては、鍵盤蓋14を鍵盤楽器1の内部に折り畳んで収納
するためには、山型形成部42、回転支持部(下側溝壁
面38a,38aの各後端近傍および連結溝壁面38
c,38c)および鍵盤蓋停止部(連結溝壁面36c,
36c)を備えればよく、したがって、鍵盤蓋14を開
閉させるための構成を単純にでき、またこれらは可動部
分を有しないので、その設置には大きなスペースを必要
としない。
閉蓋位置から開蓋位置へ移動する後蓋18の後蓋突起部
32,32をそれぞれ後方斜め下方に導くので、後蓋1
8をコンパクトに回転させることができる。このときの
鍵盤蓋14を収納するスペースの奥行き寸法は、鍵盤楽
器1の後方に略水平に案内する場合に比べて小さくてよ
い。したがって、鍵盤楽器1の奥行き寸法を小さくする
ことが出来る。
水平に案内する場合には、奥屋根6を鍵盤蓋14の動作
に干渉しないように高い位置に設定する必要がある。こ
の点本実施例では、上述のように後蓋案内部38,38
が後蓋突起部32,32をそれぞれ後方斜め下方に導く
ので、後蓋18の回転の支点が相対的に低い位置となっ
てその軌跡も低いところとなる。したがって、奥屋根6
を低位置に設定することができ、鍵盤楽器1の全高を低
くできる。
れ案内軸30の両端に対して伸縮自在に構成したので、
鍵盤楽器1に対する鍵盤蓋14の取り付けおよび取り外
しが容易に行われる。また同様に、前蓋突起部24,2
4を前蓋16に対して伸縮自在に構成すれば、なおよ
い。
14を移動させる際において、例えば真っ直ぐ押さなか
った場合であっても、ピニオンギヤ34,34とラック
40,40とがそれぞれ噛み合っているので、これら両
端のうちの一方が空転したり滑ったりするような事態が
生じず、したがって、鍵盤蓋14の移動をさらに安定さ
せることができる。
が、3枚以上の蓋による構成としてもよい。この場合、
鍵盤蓋14をさらにコンパクトに折り畳むことが出来
る。 (2)上記実施例では、連結溝壁面36c,36cなど
の鍵盤蓋停止部により、閉蓋位置から開蓋位置に向けて
移動する鍵盤蓋14を開蓋位置にて停止させているが、
例えば、後蓋案内部38,38の連結溝壁面38c,3
8cなどにより鍵盤蓋14を開蓋位置にて停止させるよ
うに構成してもよい。 (3)上記実施例では、腕木3,3側に凹状の前蓋案内
部36,36および後蓋案内部38,38を備え、一
方、鍵盤蓋14側に凸状の前蓋突起部24,24および
後蓋突起部32,32を備えたが、腕木3,3側が凸状
の突起部をそれぞれ備え、一方、鍵盤蓋14側が凹状の
案内部をそれぞれ備える構成としてもよい。 (4)上記実施例では、案内軸30の両端付近にピニオ
ンギヤ34,34をそれぞれ備え、一方、後蓋案内部3
8,38にピニオンギヤ34,34に対応するラック4
0,40をそれぞれ備えているが、これらピニオンギヤ
34およびラック40による効果を奏するものであれ
ば、他の構成(例えば、ローラとレール、ゴム材など)
としてもよい。
蓋が閉蓋位置にあるところを示している。
は鍵盤蓋軸ホルダーおよび鍵盤蓋軸ホルダー取付金具を
示し、(b)は鍵盤蓋軸ホルダー、案内軸およびピニオ
ンギヤを示し、(c)は後蓋を後蓋案内部に取り付けた
状態を示している。
鍵盤楽器の側断面図(1)である。
鍵盤楽器の側断面図(2)である。
図である。
る。
底板、9…背面板、10…鍵盤、12…操作パネル、1
4…鍵盤蓋、16…前蓋、18…後蓋、20…蝶番、2
2…前垂れ部、24…前蓋突起部、26…鍵盤蓋軸ホル
ダー、26a…軸用穴、28…鍵盤蓋軸ホルダー取付金
具、30…案内軸、32…後蓋突起部、32a,38d
…取付穴、32b…ビス穴、34…ピニオンギヤ、36
…前蓋案内部、36a,38a…下側溝壁面、36b,
38b…上側溝壁面、36c,38c…連結溝壁面、3
8,100…後蓋案内部、40…ラック、42…山型形
成部
Claims (10)
- 【請求項1】鍵盤楽器内の前側左右両端付近に対向配置
された腕木の間に配された鍵盤の上方を覆うための前蓋
と、該前蓋の後端部とその前端部とが連結部により山型
に折り畳み可能に連結される後蓋とから構成され、前記
鍵盤の上方を覆う位置(以下閉蓋位置)と鍵盤楽器内に
収納された位置(以下開蓋位置)との間を移動可能な鍵
盤蓋と、 前記閉蓋位置と前記開蓋位置との間で前記鍵盤蓋を案内
する鍵盤蓋案内部と を備える鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構において、 前記閉蓋位置から前記開蓋位置へ移動する前記鍵盤蓋を
前記連結部から山型に折り曲げる山型形成部と、 前記閉蓋位置から前記開蓋位置へ移動する際に前記山型
形成部によって前記連結部から山型に折れ曲がった鍵盤
蓋の後蓋を支持することにより、前記後蓋を、その支持
部分を中心にして回転させる回転支持部と、 移動中の前記鍵盤蓋を前記開蓋位置で停止させる鍵盤蓋
停止部とを備えたことを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋開
閉機構。 - 【請求項2】請求項1記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構
において、 前記山型形成部は、前記鍵盤蓋が前記閉蓋位置から前記
開蓋位置へ移動する際に前記鍵盤蓋の下面が通過すると
ころに配されていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋
開閉機構。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋開
閉機構において、 前記鍵盤蓋停止部は、移動中の前記前蓋を停止させるこ
とにより、前記鍵盤蓋を前記開蓋位置で停止させるよう
に構成されていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋開
閉機構。 - 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の鍵盤楽器の
鍵盤蓋開閉機構において、 前記鍵盤蓋案内部は、前記鍵盤蓋が前記閉蓋位置から前
記開蓋位置へ移動する際に、前記後蓋を斜め下方に案内
することを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構。 - 【請求項5】請求項1〜4の何れかに記載の鍵盤楽器の
鍵盤蓋開閉機構において、 前記後蓋は、その側方に向けて延出する後蓋突起部を備
え、 一方、前記鍵盤蓋案内部は、互いにほぼ平行な下側溝壁
面と上側溝壁面とを備え、 前記下側溝壁面が、前記後蓋が前記閉蓋位置と前記開蓋
位置との間を移動する際には、前記後蓋突起部を介して
鍵盤蓋を下方から支えると共に、前記上側溝壁面が、前
記後蓋が前記閉蓋位置と前記開蓋位置との間を移動する
際には、前記後蓋突起部を介して鍵盤蓋が上方に外れる
のを防ぐように構成されていることを特徴とする鍵盤楽
器の鍵盤蓋開閉機構。 - 【請求項6】請求項5記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構
において、 前記回転支持部は、前記下側溝壁面の後端近傍と、前記
下側溝壁面の後端部と前記上側溝壁面の後端部とを連結
する連結溝壁面とから構成されていることを特徴とする
鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構。 - 【請求項7】請求項5又は6記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋開
閉機構において、 前記後蓋突起部は少なくとも2つあり、そのうちの2つ
が同軸上で反対向きに延出し、 一方、前記鍵盤蓋案内部は少なくとも2つあり、そのう
ちの2つが、前記同軸上にある2つの後蓋突起部をそれ
ぞれ案内しており、 前記同軸上にある2つの後蓋突起部の少なくとも一方
は、伸縮自在に構成されていることを特徴とする鍵盤楽
器の鍵盤蓋開閉機構。 - 【請求項8】請求項1〜7の何れかに記載の鍵盤楽器の
鍵盤蓋開閉機構において、 前記鍵盤蓋は、その両端付近それぞれにピニオンギヤを
有し、且つその移動方向に対して直交する方向に沿って
配されて回転可能な案内軸を備えると共に、 前記鍵盤蓋が前記閉蓋位置と前記開蓋位置との間を移動
する際に、前記ピニオンギヤそれぞれに噛み合うように
配された一対のラックを備えることを特徴とする鍵盤楽
器の鍵盤蓋開閉機構。 - 【請求項9】請求項8記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋開閉機構
において、 前記鍵盤蓋案内部、前記ラックおよび前記山型形成部
は、一体に構成されており、前記腕木に対して取り付け
・取り外し自在であることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤
蓋開閉機構。 - 【請求項10】請求項1〜9の何れかに記載の鍵盤楽器
の鍵盤蓋開閉機構を備えたことを特徴とする鍵盤楽器。
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