JP2004151595A - 鍵盤楽器の鍵盤蓋装置 - Google Patents

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昌基 森口
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Abstract

【課題】製造コストを上昇させることなく、鍵盤蓋の外観を向上させることができる鍵盤楽器の鍵盤蓋装置を提供する。
【解決手段】鍵盤蓋4は、演奏部2の前部を開閉するための前鍵盤蓋11と、前鍵盤蓋11の後ろ側に配置され、演奏部2の後部を開閉するための後鍵盤蓋12と、前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12との間に、互いに左右方向に間隔を隔てて設けられ、前鍵盤蓋11および後鍵盤蓋12を、左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に連結する複数のヒンジ13と、を備えており、前鍵盤蓋11は、ヒンジ13により、後鍵盤蓋12の前端に連なりかつ前方に延びる閉鎖位置と、後鍵盤蓋12に対して上側に所定角度回動した開放位置との間で回動可能に構成され、複数のヒンジ13の各々は、鍵盤蓋4の閉鎖状態において、前鍵盤蓋11および後鍵盤蓋12の一方の下側に位置するように配置されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子オルガンなどの鍵盤楽器に適用され、鍵盤を含む演奏部を開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置として、鍵盤蓋が前後2枚で構成されるとともに、それらが一体に回動しながら演奏部を開閉するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。図5は、従来の鍵盤蓋装置を適用した電子オルガンの上部を示す側断面図である。同図に示すように、この電子オルガン41は、演奏部42を有する楽器本体43と、これに回動自在に取り付けられ、演奏部42を開閉する鍵盤蓋44とを備えている。楽器本体43は、互いに左右方向に所定間隔を隔て、前後方向(図5の左右方向)に延びる腕木45、45(図5では1つのみ図示)を有しており、これらの腕木45、45間に演奏部42が設けられている。演奏部42は、前後にそれぞれ、鍵盤および操作パネル(いずれも図示せず)を有しており、これらの鍵盤および操作パネルが、楽器本体43の上部の外殻を構成する楽器本体上部ケース46上に設けられている。この楽器本体上部ケース46は、腕木45、45間で左右方向に延びており、鍵盤や操作パネルを支持する斜め後ろ上がりの鍵盤・操作パネル支持部46aと、その上端から斜め後ろ下がりに若干延び、さらに後方に向かって水平に延びる譜面受け部46bと、この譜面受け部46bの後端から斜め後ろ下がりに延び、鍵盤蓋44の開閉時に、その後端部を下方から支持しながら、鍵盤蓋44を案内する蓋案内部46cとにより、側断面がほぼ山形に形成されている。
【0003】
また、鍵盤蓋44は、前鍵盤蓋51および後鍵盤蓋52を有しており、これらが、複数のヒンジ53を介して、互いに回動自在に連結されている。前鍵盤蓋51は、平面形状が横長矩形状に形成された前鍵盤蓋本体と、この前鍵盤蓋本体の後ろ側縁部に、これに沿って組み付けられた取付アダプタ54とを有している。各ヒンジ53は、図6に示すように、左右方向に延びるヒンジピン55と、これに回動自在に係合したカール状の係合部56aを有する2つのヒンジプレート56、56とで構成されている。そして、各ヒンジ53が、互いに間隔を隔てた状態で、前鍵盤蓋51の後端部と後鍵盤蓋52の前端部との間に取り付けられている。具体的には、図6に示すように、両ヒンジプレート56、56の係合部56a、56aの上半部が上方に臨んだ状態で、一方のヒンジプレート56が、前鍵盤蓋51の取付アダプタ54の上部後端面にねじ止めされるとともに、他方のヒンジプレート56が、後鍵盤蓋52の前端面にねじ止めされている。
【0004】
また、図5に示すように、前鍵盤蓋51の取付アダプタ54の左右両端部にはそれぞれ、回動軸57aを中心に回動自在の左右一対のアーム57(図5では1つのみ図示)が固定されている。
【0005】
このように構成された鍵盤蓋装置では、図5に示すように、前鍵盤蓋51および後鍵盤蓋52がほぼ一直線に前下がりに傾斜した状態で、楽器本体43の演奏部42を覆うように閉鎖する。この閉鎖状態から、前鍵盤蓋51を後方に回動させると、これに伴い、後鍵盤蓋52が、楽器本体上部ケース46の譜面受け部46bおよび蓋案内部46cに摺接しながら後方に移動する。そして、図7に示すように、アーム57、57がそれぞれ、図示しないアームストッパに当接すると、前鍵盤蓋51は、楽器本体上部ケース46の譜面受け部46bの上方で、後方に若干倒れた状態で起立する一方、後鍵盤蓋52は、蓋案内部46cの後方で、斜め後ろ下がりに傾斜した状態となる。これにより、楽器本体43の演奏部42が開放される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−276130号公報(図2、3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の鍵盤蓋装置では、鍵盤蓋44の閉鎖時に、ヒンジ53の係合部56a、56aの上半部が、前鍵盤蓋51と後鍵盤蓋52との隙間から上方に露出しているため、閉鎖時の鍵盤蓋44の外観を損ねてしまう。また、鍵盤蓋44上に物を一時的に置いた場合などには、露出したヒンジ53でその物に傷が付いてしまうおそれがある。
【0008】
また、前鍵盤蓋51と後鍵盤蓋52との間で且つ隣り合うヒンジ53、53同士の間には、上方に開口した隙間が生じる。その隙間の大きさは、ヒンジ53の係合部56aの外径と、ヒンジ53、53間の距離とによって定まり、比較的大きな隙間が形成されるので、そのような隙間を介して、塵や埃などが鍵盤蓋44の内部に入りやすいという問題もある。もちろん、前鍵盤蓋51と後鍵盤蓋52とを連結するヒンジとして、アコースティックピアノで用いられるような、前後鍵盤蓋51、52の左右方向全体にわたって連続する長尺のものを採用することで、鍵盤蓋44に上記のような隙間が生じないようにすることは可能である。しかし、長尺のヒンジは一般に製造コストが高く、そのようなヒンジを採用すると、その分、鍵盤蓋装置の製造コストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、製造コストを上昇させることなく、鍵盤蓋の外観を向上させることができる鍵盤楽器の鍵盤蓋装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る鍵盤楽器の鍵盤蓋装置は、鍵盤蓋が回動することにより、楽器本体の鍵盤を含む演奏部を開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置であって、鍵盤蓋は、演奏部の前部を開閉するための前鍵盤蓋と、この前鍵盤蓋の後ろ側に配置され、演奏部の後部を開閉するための後鍵盤蓋と、前鍵盤蓋と後鍵盤蓋との間に、互いに左右方向に間隔を隔てて設けられ、前鍵盤蓋および後鍵盤蓋を、左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に連結する複数のヒンジと、を備えており、前鍵盤蓋は、ヒンジにより、後鍵盤蓋の前端に連なりかつ前方に延びる閉鎖位置と、後鍵盤蓋に対して上側に所定角度回動した開放位置との間で回動可能に構成され、複数のヒンジの各々は、鍵盤蓋の閉鎖状態において、前鍵盤蓋および後鍵盤蓋の一方の下側に位置するように配置されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、鍵盤蓋が楽器本体の演奏部を閉鎖する閉鎖状態では、前鍵盤蓋は、後鍵盤蓋の前端に連なりかつ前方に延びる閉鎖位置に位置する。この閉鎖状態から、鍵盤蓋を開放する際には、鍵盤蓋全体を回動させながら、前鍵盤蓋を、後鍵盤蓋の上側に所定角度回動した開放位置まで回動させる。このような鍵盤蓋を構成する前鍵盤蓋と後鍵盤蓋とを回動自在に連結する複数のヒンジの各々は、鍵盤蓋の閉鎖状態において、前鍵盤蓋および後鍵盤蓋の一方の下側に配置されているので、ヒンジが外部から見えることがなく、ヒンジが外部に露出する従来に比べて、鍵盤蓋の外観を向上させることができる。また、複数のヒンジで前鍵盤蓋と後鍵盤蓋とを連結するので、前後鍵盤蓋の左右方向全体にわたって連続する長尺のヒンジを採用する場合に比べて、安価なヒンジを採用することができ、その分、鍵盤蓋を低コストで製造することができる。
【0012】
この場合、前鍵盤蓋および後鍵盤蓋の他方は、鍵盤蓋の閉鎖状態において、複数のヒンジを覆うための覆い部を有し、この覆い部は、前鍵盤蓋が回動する際に一方の他方側の先端が回り込むような円弧状の凹部を有していることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、前鍵盤蓋が回動する際に、前鍵盤蓋および後鍵盤蓋の上記一方の他方側の先端が、上記他方に設けられた覆い部の円弧状の凹部を回り込むように、すなわち凹部を逃げとしながら、前鍵盤蓋を回動させることができるので、前鍵盤蓋の円滑な回動を確保しながら、前鍵盤蓋と後鍵盤蓋との隙間を、小さくすることが可能となる。そうすることにより、その隙間を介しての塵や埃などの侵入を、従来に比べて大幅に低減できるとともに、鍵盤蓋の外観をより一層向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による鍵盤蓋装置を適用した電子オルガン(鍵盤楽器)を示している。同図に示すように、この電子オルガン1は、上部に演奏部2を有するオルガン本体3(楽器本体)と、このオルガン本体3の上部に回動自在に取り付けられ、演奏部2を開閉する鍵盤蓋4とを備えている。オルガン本体3は、互いに左右方向に所定間隔を隔てて設けられ、前後方向に延びる左右一対の腕木5、5を有しており、これらの腕木5、5間に演奏部2が設けられている。
【0015】
演奏部2は、上下2段の鍵盤6(上鍵盤6aおよび下鍵盤6b)と、上鍵盤6aの後方に斜め後ろ上がりの状態で設けられた操作パネル7とを有している。下鍵盤6bは、オルガン本体3の前端部に配置される一方、上鍵盤6aは、下鍵盤6bの後方斜め上に配置されている。また、操作パネル7は、多数の各種スイッチ8aおよび液晶ディスプレイ8bなどを有しており、これらがオルガン本体3の上部の外殻を構成するオルガン本体上部ケース9上に配置されている。なお、各種スイッチ8aが、演奏時に操作されることにより、図示しない音響装置から発生する音の音色やリズムなどが調整される。
【0016】
オルガン本体上部ケース9は、合成樹脂などからなり、左右の腕木5、5間で左右方向に延びている。このオルガン本体上部ケース9は、図2に示すように、斜め後ろ上がりに延び、鍵盤6や操作パネル7などを支持する鍵盤・操作パネル支持部9aと、その上端から斜め後ろ下がりに若干延び、さらに後方に所定長さ延びる譜面受け部9bと、その後端から斜め後ろ下がりに延び、鍵盤蓋4の開閉時に、その後端部を案内する蓋案内部9cとを有している。譜面受け部9bは、ほぼ水平な載置部9dと、この載置部9dと鍵盤・操作パネル支持部9aとの間に設けられ、斜め後ろ下がりに傾斜した係止部9eとで構成されている。この譜面受け部9bの載置部9dには、図示しない譜面が載置可能であり、係止部9eには、譜面の下端部が係止可能である。なお、係止部9eには、後方に開口した係止孔9fが形成されており、鍵盤蓋4の閉鎖時に、後述する後鍵盤蓋12の後端部が、その係止孔9fに係止されるようになっている。
【0017】
鍵盤蓋4は、主に演奏部2の鍵盤6を覆う前鍵盤蓋11と、主に操作パネル7を覆う後鍵盤蓋12と、これらの前鍵盤蓋11および後鍵盤蓋12を、互いに左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に連結する複数(例えば4個)のヒンジ13(1つのみ図示)とを有している。前鍵盤蓋11は、平面形状が横長矩形状に形成されるとともに、所定の厚さを有するアクリル製の前鍵盤蓋本体21と、この前鍵盤蓋本体21の後ろ側縁部に、これに沿って組み付けられた取付アダプタ22(覆い部)とを有している。この取付アダプタ22は、所定形状のアルミ押出し形材からなり、後端面が所定の段状に形成されている。
【0018】
具体的には、図3に示すように、取付アダプタ22の後端面は、取付アダプタ22の上面から連なり、後方に凹状に湾曲形成された円弧部22a(凹部)と、その下端から後方に所定長さ延び、後半部が一段高く形成された段部22bと、この段部22bの後端からほぼ直角に下方に所定長さ延びたヒンジ取付部22cと、その下端から後方に若干突出するように形成されたストッパ部22dとで構成されている。なお、段部22bの前半部およびストッパ部22dにはそれぞれ、発泡ウレタンなどからなる所定厚さのクッション22e、22fが接着されている。
【0019】
一方、後鍵盤蓋12は、前鍵盤蓋本体21と同様に、平面形状が横長矩形状で、前鍵盤蓋本体21に対し、前後方向の寸法が短くかつ左右方向の寸法が同じに形成された後鍵盤蓋本体23と、この後鍵盤蓋本体23の裏面前端部に固定されたヒンジ取付部材24とを有している。後鍵盤蓋本体23は、金属板などからなり、前側縁部が折り返されるとともに、左右両縁部が裏面側にほぼ直角に折り曲げ加工されている。また、後鍵盤蓋本体23の後端部は、図2に示すような鉤状に折り曲げ加工されており、その先端部が、鍵盤蓋4の閉鎖時に、前記オルガン本体上部ケース9の係止孔9fに係止されるようになっている。一方、ヒンジ取付部材24は、所定形状の金属板を折り曲げ加工することなどによって形成したものであり、後鍵盤蓋本体23の裏面前端部に、より具体的には、後鍵盤蓋本体23の前端部の折り返し位置よりも若干後ろ側の位置に、下方に凸に固定されている。
【0020】
以上のような前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12とを回動自在に連結する複数のヒンジ13は、互いに左右方向に適宜間隔を隔てて配置されている。各ヒンジ13は、図3に示すように、所定長さを有する金属製のヒンジピン31と、所定形状の金属板からなり、ヒンジピン31に回動自在に係合するとともに、前鍵盤蓋11および後鍵盤蓋12にそれぞれ取り付けられた2つのヒンジプレート32、33とを有している。両ヒンジプレート32、33の一端部にはそれぞれ、カール状の係合部32a、33aが形成されており、これらの係合部32a、33aを合致させた状態で、これらにヒンジピン31が遊挿されることにより、両ヒンジプレート32、33がヒンジピン31を中心に互いに回動できるようになっている。
【0021】
また、前鍵盤蓋11に取り付けられたヒンジプレート32は、前記取付アダプタ22の後端面、具体的には段部22bの後半部とヒンジ取付部22cに沿うように、L字状に形成されている。そして、このヒンジプレート32を段部22bの後半部およびヒンジ取付部22cに接触させた状態で、取付ねじ34を、ヒンジ取付部22cの後方から、ヒンジプレート32およびヒンジ取付部22cにねじ込むことによって、ヒンジプレート32が取付アダプタ22に取り付けられている。
【0022】
一方、後鍵盤蓋12に取り付けられたヒンジプレート33は、後鍵盤蓋本体23の裏面前端部およびヒンジ取付部材24の前半部に沿うように、所定の屈曲形状に形成されている。そして、ヒンジプレート33をヒンジ取付部材24の前半部に接触させた状態で、取付ねじ35を、ヒンジ取付部材24の下方から、ヒンジプレート33およびヒンジ取付部材24にねじ込むことによって、ヒンジプレート33がヒンジ取付部材24に取り付けられている。
【0023】
このように、ヒンジ13が、前鍵盤蓋11の取付アダプタ22と、後鍵盤蓋12のヒンジ取付部材24とに取り付けられ、鍵盤蓋4が閉鎖した状態では、図3に示すように、後鍵盤蓋12の前端が、取付アダプタ22の円弧部22aの上端部付近に、その円弧部22aから隙間Sだけ隔たって位置している。つまり、ヒンジ13は、後鍵盤蓋12の前端部の下側に位置し、その前端部と、前鍵盤蓋11の取付アダプタ22とにより、外部から見えないように覆われている。
【0024】
また、図1および図2に示すように、前鍵盤蓋11の取付アダプタ22の左右両端部は、オルガン本体3の上部に、回動軸14aを中心に回動自在に取り付けられた左右一対のアーム14、14にそれぞれ支持されている。各アーム14は、金属板などからなり、一部が腕木5とオルガン本体上部ケース9との隙間から外方に臨み、その部分が前鍵盤蓋11の取付アダプタ22に固定されている。
【0025】
このように構成された電子オルガン1では、鍵盤蓋4が閉鎖した状態のときには、図2に示すように、前鍵盤蓋11が後鍵盤蓋12とほぼ一直線に前下がりに傾斜した状態(閉鎖位置)となり、オルガン本体3の演奏部2を覆う。この閉鎖状態から、鍵盤蓋4を開放する場合には、前鍵盤蓋11を持ち上げながら、後方に回動させる。この場合、前鍵盤蓋11を若干持上げると、後鍵盤蓋12の後端部が係止孔9fから外れ、さらに前鍵盤蓋11を持ち上げると、後鍵盤蓋12が譜面受け部9bおよび蓋案内部9cに摺接しながら後方に移動する。またこの場合、前鍵盤蓋11の取付アダプタ22の円弧部22aが、後鍵盤蓋12の前端の逃げとなり、これにより、前鍵盤蓋11は、後鍵盤蓋12に対し、ヒンジ13を介して円滑に回動する。
【0026】
その後、アーム14、14が図示しないアームストッパにそれぞれ当接することにより、図4に示すように、前鍵盤蓋11は、後鍵盤蓋12に対して上側に所定角度回動し(開放位置)、オルガン本体上部ケース9の譜面受け部9bの上方で、後方に若干倒れた状態で起立する。この場合、上記アームストッパに加えて、取付アダプタ22の後端部のクッション22fが、譜面受け部9bの後端部に上方から当接する。これにより、前鍵盤蓋11をより一層安定した状態で起立させることができるとともに、譜面受け部9bの損傷なども防止することができる。そして、このように後方に傾斜した前鍵盤蓋11を、譜面立てとして利用することが可能となる。
【0027】
一方、後鍵盤蓋12は、図4に示すように、蓋案内部9c上に、これに沿って、斜め後ろ下がりに傾斜した状態となる。また、このような鍵盤蓋4の開放状態において、誤ってあるいはいたずらなどにより、後鍵盤蓋12の後端部が持ち上げられることで、後鍵盤蓋12が前鍵盤蓋11側に回動してしまうことがある。しかし、この場合、後鍵盤蓋12の前端部は、取付アダプタ22の段部22bのクッション22eに当たるので、後鍵盤蓋12の前端部や取付アダプタ22の損傷などを防止することができる。
【0028】
以上詳述したように、本実施形態によれば、鍵盤蓋4を構成する前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12とを回動自在に連結する複数のヒンジ13の各々は、鍵盤蓋4の閉鎖状態において、後鍵盤蓋12の前端部の下側に配置されるとともに、その前端部と前鍵盤蓋11の取付アダプタ22とにより、外部から見えないように覆われているので、各ヒンジ13が外部から見えることがなく、ヒンジが外部に露出する従来に比べて、鍵盤蓋4の外観を向上させることができる。また、複数のヒンジ13で前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12とを連結するので、前後鍵盤蓋11、12の左右方向全体にわたって連続する長尺のヒンジを採用する場合に比べて、安価なヒンジを用いることができ、その分、鍵盤蓋4を低コストで製造することができる。また、前鍵盤蓋11の取付アダプタ22と後鍵盤蓋12の前端との隙間Sが、極めて小さいので、その隙間Sを介しての塵や埃などの侵入を、従来に比べて大幅に低減することができる。
【0029】
さらに、ヒンジ13の2つのヒンジプレート32、33が、所定形状に屈曲形成されるとともに、所定方向から取付ねじ34、35でそれぞれねじ込まれるように構成されているので、前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12とをヒンジ13で連結する際の組立性および修理時の分解性を向上させることができる。
【0030】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、ヒンジ13を後鍵盤蓋12の前端部の下側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前鍵盤蓋11と後鍵盤蓋12との回動が確保されていれば、前鍵盤蓋11の後端部の下側にヒンジ13を配置するようにしてもよい。また、実施形態で示した前鍵盤蓋11、後鍵盤蓋12およびヒンジ13の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置は、製造コストを上昇させることなく、鍵盤蓋の外観を向上させることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による鍵盤蓋装置を適用した電子オルガンを示す斜視図であり、鍵盤蓋(前端部を一部省略)を開放した状態を示す。
【図2】図1の電子オルガンの上部を示す側断面図であり、鍵盤蓋を閉鎖した状態を示す。
【図3】図2の前鍵盤蓋と後鍵盤蓋とを連結するヒンジの周囲を拡大して示す側断面図である。
【図4】図1の電子オルガンの上部を示す側断面図であり、鍵盤蓋を開放した状態を示す。
【図5】従来の鍵盤蓋装置を適用した電子オルガンの上部を示す側断面図であり、鍵盤蓋を閉鎖した状態を示す。
【図6】図5の前鍵盤蓋と後鍵盤蓋とを連結するヒンジの周囲を拡大して示す側断面図である。
【図7】図5の電子オルガンの上部を示す側断面図であり、鍵盤蓋を開放した状態を示す。
【符号の説明】
1 電子オルガン(鍵盤楽器)
2 演奏部
3 オルガン本体(楽器本体)
4 鍵盤蓋
6 鍵盤
11 前鍵盤蓋
12 後鍵盤蓋
13 ヒンジ
14 アーム
14a 回動軸
21 前鍵盤蓋本体
22 取付アダプタ(覆い部)
22a 円弧部(凹部)
23 後鍵盤蓋本体
24 ヒンジ取付部材
31 ヒンジピン
32、33 ヒンジプレート

Claims (2)

  1. 鍵盤蓋が回動することにより、楽器本体の鍵盤を含む演奏部を開閉する鍵盤楽器の鍵盤蓋装置であって、
    前記鍵盤蓋は、前記演奏部の前部を開閉するための前鍵盤蓋と、
    この前鍵盤蓋の後ろ側に配置され、前記演奏部の後部を開閉するための後鍵盤蓋と、
    前記前鍵盤蓋と前記後鍵盤蓋との間に、互いに左右方向に間隔を隔てて設けられ、当該前鍵盤蓋および当該後鍵盤蓋を、左右方向に延びる軸線を中心に回動自在に連結する複数のヒンジと、
    を備えており、
    前記前鍵盤蓋は、前記ヒンジにより、前記後鍵盤蓋の前端に連なりかつ前方に延びる閉鎖位置と、前記後鍵盤蓋に対して上側に所定角度回動した開放位置との間で回動可能に構成され、
    前記複数のヒンジの各々は、前記鍵盤蓋の閉鎖状態において、前記前鍵盤蓋および前記後鍵盤蓋の一方の下側に位置するように配置されていることを特徴とする鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
  2. 前記前鍵盤蓋および前記後鍵盤蓋の他方は、前記鍵盤蓋の閉鎖状態において、前記複数のヒンジを覆うための覆い部を有し、
    この覆い部は、前記前鍵盤蓋が回動する際に前記一方の前記他方側の先端が回り込むような円弧状の凹部を有していることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の鍵盤蓋装置。
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