JP4487267B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents
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Description
また、何れの場合においても、鍵盤楽器の演奏中において鍵盤蓋は実用的な機能をほとんど発揮しないものであった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、演奏時においても鍵盤蓋の実用価値を高めることができる鍵盤楽器を提供することを第1の目的としている。さらに、鍵盤の操作時においても演奏者の視界を妨げることなく、スピーカから放音される楽音を良好な音質で演奏者に到達させる鍵盤楽器を提供することを第2の目的としている。
請求項1記載の鍵盤楽器にあっては、2枚の側板(10−1)間に配設された複数の鍵から成る鍵盤部(22)と、前記鍵盤部(22)の後方に回転中心(P)を有し平板状に形成された鍵盤蓋平面部(20−1)を有するとともに蓋閉時に前記鍵盤部(22)を覆う回動自在の鍵盤蓋(20)と、該鍵盤部(22)の後方上部に位置する天板部(34)とを備えた鍵盤楽器であって、前記天板部(34)の前方であって前記鍵盤部(22)の後方に設けられる収納部(30)であって、前記鍵盤部(22)の蓋開時に前記2枚の側板(10−1)の上面と前記鍵盤蓋(20)の裏面(20−11)とを露出させつつ、鍵盤蓋平面部(20−1)がその裏面を上方に向け水平になるように前記鍵盤蓋(20)を収納する収納部(30)と、前記天板部(34)に装着されたスピーカ(36,36)とを具備し、前記鍵盤蓋(20)の蓋開時において該鍵盤蓋(20)の先端部(20−10)の高さが前記天板部(34)の高さ以下になることを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の鍵盤楽器において、前記収納部(30)は、前記2枚の側板(10−1)間に設けられた凹部(30−1,30−2)を有し、前記鍵盤蓋(20)は、前記鍵盤蓋平面部(20−1)から前方に突出し蓋閉時に前記鍵盤部(22)の前方を覆う鍵盤蓋前方部(20−2)を有し、蓋開時に前記鍵盤蓋(20)を前記凹部(30−1,30−2)に収納したとき、前記鍵盤蓋平面部(20−1)の裏面(20−11)が、前記2枚の側板上面(10−1a)と同一高か該側板上面(10−1a)よりも低くなるように前記凹部(30−1,30−2)を形成し、前記鍵盤蓋前方部(20−2)の高さ(hc)は、前記天板部(34)の高さと前記凹部の底面部(30−1)の高さとの差(hv)以下であって、前記鍵盤部(22)の露出部分の高さ(hk)以上に設定されていることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載の鍵盤楽器において、前記鍵盤蓋前方部(20−2)は、蓋閉時に前記鍵盤蓋平面部(20−1)から、その先端が下方向に向くように円弧状に湾曲しつつ前方に突出していることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項2記載の鍵盤楽器において、前記凹部(30−1,30−2)は、該凹部の底面部(30−1)と前記天板部(34)との間に、蓋開時に前記鍵盤蓋前方部(20−2)に重なる立上り縁部(30−2)を有し、前記2枚の側板(10−1)の上面のうち該立上り縁部(30−2)に隣接する部分の上面(10−1b)は、該立上り縁部(30−2)に沿った形状に形成されていることを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項1記載の鍵盤楽器において、前記収納部(30)は、前記2枚の側板(10−1)間に設けられた凹部(30−1,30−2)を有し、前記凹部(30−1,30−2)は所定高(hv)の段差を成す立上り縁部(30−2)と、該立上り縁部(30−2)の下端に接合された平坦な底面部(30−1)とを有し、前記側板の上面(10−1a)は前記鍵盤部(22)の側方位置から後方に向かって延設され、前記所定高(hv)よりも低い段差(hs)を有しつつ前記凹部の底面部(30−1)の奥行き方向に向かって設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項6記載の構成にあっては、請求項1ないし5の何れかに記載の鍵盤楽器において、前記回転中心(P)に沿って前記鍵盤蓋(20)に形成され、蓋開時において上方に向かって突出する突条部(20−4)をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項7記載の構成にあっては、請求項1ないし6の何れかに記載の鍵盤楽器において、前記スピーカ(36,36)は複数設けられ、前記天板部(34)上に、前記鍵盤部(22)の鍵並び方向に沿って配列されていることを特徴とする。
さらに、鍵盤蓋平面部から湾曲しつつ突出し蓋閉時に前記鍵盤の前方を覆う鍵盤蓋前方部を有する構成によれば、鍵盤蓋に譜面等を載置したとき譜面等が斜めになるから、譜面等が読みやすくなる。
さらに、2枚の側板の上面のうち立上り縁部に隣接する部分を該立上り縁部に沿った形状に形成した構成によれば、譜面等を側板まではみ出して載置することができるようになる。
さらに、蓋開時に鍵盤蓋を収納する収納部を天板部と鍵盤部との間に設ける構成によれば、鍵盤の操作時においても演奏者の視界を妨げることなく、スピーカから放音される楽音を良好な音質で演奏者に到達させることができる。
また、側板の上面が凹部の成す所定高よりも低い段差を有する構成によれば、この低い段差部分によって側面視がほぼフラットになるために圧迫感がなくなり、演奏者と観客との一体感が得られる。
次に、本発明の一実施例の電子ピアノの全体構成を図1を参照し説明する。
図において10は楽器本体部であり、横長の略直方体状に構成されている。12,14は柱状の支持脚であり、楽器本体部10の前方部の左右両端付近から下方に向かって突出している。16は横長の略長方形板状の中央支持部であり、楽器本体部10の後方部中央から下方に突出している。そして、これら支持脚12,14および中央支持部16によって、楽器本体部10が支持される。18はペダル群であり、中央支持部16の下部正面から前方に向かって突出している。
次に、鍵盤蓋20および鍵盤蓋収納部30の詳細構成を図3を参照し説明する。
図3に示す側板10−1は、楽器本体部10の左側の側板である。42は回転軸であり、略直方体状に形成され、鍵盤蓋20を軸支するために側板10−1から内側に向かって突出している。なお、図3においては、左側の側板10−1から突出した回転軸42を図示しているが、右側の側板からも同様の回転軸が突出している(図示せず)。各回転軸の長さは10センチメートル程度である。40は制動部であり、側板10−1の内部に埋設されるとともに固定され、回転軸42を回動自在に支持する。また、制動部40は、鍵盤蓋20が完全に蓋開状態または蓋閉状態になる前の所定範囲において、演奏者の指挟みを防止するために回転軸42の回動動作を制動する。
上記構成において、演奏者が切欠部19に手を入れて鍵盤蓋20を持ち上げると、鍵盤蓋20は鍵盤蓋平面部20−1が水平になる位置、すなわち図4の一点鎖線で示す蓋開位置Aまで回動する。蓋開位置Aにおいては、収納本体部30−1が鍵盤蓋平面部20−1に重なり、鍵盤蓋前方部20−2が立上り縁部30−2に重なるため、鍵盤蓋20は広い面積に渡って鍵盤蓋収納部30に支持される。従って、鍵盤蓋20を図4に示すような薄い素材で形成したとしても、鍵盤蓋20がきわめて安定し、鍵盤蓋20に力を加えても鍵盤蓋20が撓みにくくなる。従って、かかる蓋開状態においては、鍵盤蓋平面部20−1にメトロノーム、筆記具、譜面など様々な物品を安定して載置することができる。さらに、この蓋開状態においても、突条部20−4は鍵盤蓋平面部20−1よりも上方向に向かって突出する。これにより、蓋開状態において鍵盤蓋20に譜面や筆記具等を載置したとき、これらが鍵盤22に落下することを防止することができる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、蓋開状態において鍵盤蓋先端部20−10と天板部34とが同一の高さになるように、鍵盤蓋20の寸法が設定されたが、蓋開状態において鍵盤蓋先端部20−10が天板部34よりも低くなるようにしてもよい。このように、鍵盤蓋先端部20−10の高さが天板部34の高さ以下になるようにしておくと、スピーカ36,36から放音された音が反射されることなく演奏者に届くため、音質が良好になるという効果が得られる。また、天板部34に紙を置いて文字などを書く際には、天板部34よりも手前側に障害になるものがないから、文字などが書きやすくなるという利点もある。
本発明には、以下のような実施態様がある。
(1)蓋開時における前記鍵盤蓋前方部(20−2)の先端部(20−10)の高さが、前記天板部(34)の高さ以上になるように前記鍵盤蓋(20)を構成したことを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。
(2)蓋開時における前記鍵盤蓋前方部(20−2)の先端部(20−10)の高さが、前記天板部(34)の高さ以下になるように前記鍵盤蓋(20)を構成したことを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。
(3)蓋閉時における前記鍵盤蓋前方部(20−2)の先端部(20−10)に衝合するとともに、空隙(19)を形成するように水平方向に隔てられた一対の口棒(17,17)をさらに有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の鍵盤楽器。
(4)前記2枚の側板(10−1)の内部の前記回転中心(P)の位置に埋設され、前記鍵盤蓋(20)の回動動作を制動する制動部(40)をさらに有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の鍵盤楽器。
Claims (7)
- 2枚の側板間に配設された複数の鍵から成る鍵盤部と、前記鍵盤部の後方に回転中心を有し平板状に形成された鍵盤蓋平面部を有するとともに蓋閉時に前記鍵盤部を覆う回動自在の鍵盤蓋と、該鍵盤部の後方上部に位置する天板部とを備えた鍵盤楽器であって、
前記天板部の前方であって前記鍵盤部の後方に設けられる収納部であって、前記鍵盤部の蓋開時に前記2枚の側板の上面と前記鍵盤蓋の裏面とを露出させつつ、鍵盤蓋平面部がその裏面を上方に向け水平になるように前記鍵盤蓋を収納する収納部と、
前記天板部に装着されたスピーカと
を具備し、
前記鍵盤蓋の蓋開時において該鍵盤蓋の先端部の高さが前記天板部の高さ以下になる
ことを特徴とする鍵盤楽器。 - 前記収納部は、前記2枚の側板間に設けられた凹部を有し、
前記鍵盤蓋は、前記鍵盤蓋平面部から前方に突出し蓋閉時に前記鍵盤部の前方を覆う鍵盤蓋前方部を有し、
蓋開時に前記鍵盤蓋を前記凹部に収納したとき、前記鍵盤蓋平面部の裏面が、前記2枚の側板上面と同一高か該側板上面よりも低くなるように前記凹部を形成し、
前記鍵盤蓋前方部の高さは、前記天板部の高さと前記凹部の底面部の高さとの差以下であって、前記鍵盤部の露出部分の高さ以上に設定されていること
を特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。 - 前記鍵盤蓋前方部は、蓋閉時に前記鍵盤蓋平面部から、その先端が下方向に向くように円弧状に湾曲しつつ前方に突出していることを特徴とする請求項2記載の鍵盤楽器。
- 前記凹部は、該凹部の底面部と前記天板部との間に、蓋開時に前記鍵盤蓋前方部に重なる立上り縁部を有し、
前記2枚の側板の上面のうち該立上り縁部に隣接する部分の上面は、該立上り縁部に沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の鍵盤楽器。 - 前記収納部は、前記2枚の側板間に設けられた凹部を有し、
前記凹部は所定高の段差を成す立上り縁部と、該立上り縁部の下端に接合された平坦な底面部とを有し、
前記側板の上面は前記鍵盤部の側方位置から後方に向かって延設され、前記所定高よりも低い段差を有しつつ前記凹部の底面部の奥行き方向に向かって設けられていること
を特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。 - 前記回転中心に沿って前記鍵盤蓋に形成され、蓋開時において上方に向かって突出する突条部をさらに有することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の鍵盤楽器。
- 前記スピーカは複数設けられ、前記天板部上に、前記鍵盤部の鍵並び方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の鍵盤楽器。
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