JP2003342461A - 記憶媒体基板用樹脂組成物、それからなる記憶媒体用基板および記憶媒体 - Google Patents

記憶媒体基板用樹脂組成物、それからなる記憶媒体用基板および記憶媒体

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JP2003342461A JP2002152921A JP2002152921A JP2003342461A JP 2003342461 A JP2003342461 A JP 2003342461A JP 2002152921 A JP2002152921 A JP 2002152921A JP 2002152921 A JP2002152921 A JP 2002152921A JP 2003342461 A JP2003342461 A JP 2003342461A
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resin
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liquid crystalline
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Fumie Shinoda
文恵 篠田
Takahiro Kobayashi
隆弘 小林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた表面外観を有する記憶媒体基板用樹脂組
成物、それからなる記憶媒体基板およびそれを用いた記
憶媒体に関するものであり、さらに詳しくは、低ガス
性、表面平滑性、剛性に優れ、なかでもディスク表面に
信号を記録する基板に好適な記憶媒体基板用樹脂組成
物、それからなる記憶媒体基板および記憶媒体の取得を
課題とする。 【解決手段】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
50容量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50容量%を配
合してなることを特徴とする記録媒体基板用樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた表面特性を
有する記憶媒体基板用樹脂組成物、それからなる記憶媒
体基板および、それを用いた記憶媒体に関するものであ
り、さらに詳しくは、低ガス性、表面平滑性、剛性に優
れ、なかでも表面に信号を記録層を形成するディスク基
板に好適な記憶媒体基板用樹脂組成物、それからなる記
憶媒体基板およびそれを用いた記憶媒体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】記憶媒体の記録方式として、光記憶型、
光磁気記憶型、磁気記憶型などが開発されているが、記
憶容量の増大とともに、テープ形状のものよりディスク
形状のものがアクセス速度に優れることから注目されて
いる。例えば、CDのような光記録型のディスク形状の
記憶媒体では、微小な信号に肉厚0.6〜1.2mmの
透明基板を介してレーザー光を照射し、反射光量を検出
して信号を読みとるため、基板としてはポリカーボネー
ト、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポ
リマーなどの光学的に透明な樹脂が使用されている。一
方、ディスク基板表面の磁化を利用して信号を記録し磁
束の変化を読みとるハードディスクや、近年開発が進め
られているより短波長の光源であるブルーレーザーを使
用した光ディスク等の表面記録型ディスク基板に使用さ
れる樹脂は、光学的に透明である必要はないが、基板表
面の平滑性や平坦性が必要である。例えば、ハードディ
スクの場合、さらに記録膜を形成するためのNiPメッ
キやスパッタリング工程で耐熱性が必要なこと等から、
従来、基板材料としてアルミニウムや無機ガラスが使用
されている。
【0003】しかしながら、アルミニウムや無機ガラス
を使用する場合、製造工程が煩雑で生産性に劣り、価格
が高いという問題がある。将来、AV(Audio V
isual)機器やゲーム機等に普及していく場合に
は、データーの大容量化と共に、生産性に優れた低価格
の記憶媒体基板が強く望まれている。
【0004】そこでハードディスクのような記憶媒体基
板の樹脂化の検討がなされており、特開2001−60
316号公報には、記憶媒体基板にポリカーボネート樹
脂あるいはポリオレフィン系樹脂を用いることが開示さ
れている。しかしながらより高容量化・高アクセス化す
るに従い、ディスクが高速回転化するため、従来のCD
などの基板に用いられているポリカーボネート、シクロ
オレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー単体
では剛性が低く、振動や変形の影響により、基板のバタ
ツキが起こり、ヘッドと基板がクラッシュし、データー
の記録再生ができなくなる場合があることが判明した。
【0005】そこで上記問題を改善する方法として例え
ば、ディスク形状の基板の内周部と外周部において厚み
差を持たせる等の形状を変更する方法(特開2000−
235710号公報)が提案されている。
【0006】しかしながら、上記公報に開示されている
方法では、やはり基板の剛性が不十分なため、高速回転
時に基板のぶれが生じる。一方、基板剛性向上のために
無機フィラー等を添加する方法があるが、樹脂と無機フ
ィラーとの熱収縮の差から表面平滑性が低下してしまう
ことから、表面平滑性と剛性を両立する材料が熱望され
ている。
【0007】一方、特開2000−319467号公報
には、ポリカーボネート樹脂および液晶性樹脂を、ポリ
カーボネート樹脂のガラス転移温度の変化率が小さくな
るように配合することにより、成形時の流動性、計量安
定性及び成形品の耐衝撃特性、耐熱特性、耐薬品性、疲
労特性、異方性が改良できることが記載されているが、
表面平滑性については開示がなく、記憶媒体基板への適
用可否についても開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は上記の
問題を解決し、低ガス性、表面平滑性、剛性に優れ、な
かでもディスク表面に信号を記録する基板に好適な記憶
媒体基板用樹脂組成物、それからなる記憶媒体基板およ
びそれを用いた記憶媒体を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は(1)ポリカーボネー
ト系樹脂(A)99.5〜50容量%と液晶性樹脂
(B)0.5〜50容量%を配合してなる記録媒体基板
用樹脂組成物、(2)ポリカーボネート系樹脂(A)9
9.5〜50容量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50容
量%の樹脂組成物100重量部に対し、エポキシ化合物
0.05〜10重量部を配合してなる記憶媒体基板用樹
脂組成物、(3)記録媒体用組成物がASTM D79
0に従い測定した、成形品厚み1mmにおける曲げ弾性率
が3GPa以上であり、かつ、中心線平均粗さRa50
nm以下である表面平滑性を与え得るものである上記
(1)または(2)記載の記憶媒体基板用樹脂組成物、
(4)液晶性樹脂(B)が下記構造単位(I)、(II)、(II
I)および(IV)を有する液晶性樹脂(B)である上記
(1)〜(3)のいずれか記載の記憶媒体基板用樹脂組
成物、
【0011】
【化4】
【0012】(ただし式中のR1は
【0013】
【化5】
【0014】から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0015】
【化6】
【0016】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) (5)上記(1)〜(4)のいずれか記載の記憶媒体基
板用樹脂組成物を射出成形してなる記憶媒体基板、
(6)記憶媒体が表面記録型ディスクであることを特徴
とする(5)記載の記憶媒体基板、(7)上記(5)ま
たは(6)のいずれか記載の記憶媒体基板を用いた記憶
媒体、(8)記憶媒体が、音響および/または映像記録
・配信機器またはゲーム機に使用されることを特徴とす
る上記(7)記載の記憶媒体を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0018】本発明で用いるポリカーボネート系樹脂
(A)としては、カーボネート結合を有し、芳香族二価
フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエステル
などとを反応させることにより得られる芳香族ホモまた
はコポリカーボネートが挙げられる。
【0019】該芳香族ホモまたはコポリカーボネート
は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で20
℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、特に
0.3〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用いら
れる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。上記中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0020】なかでも本発明で添加する液晶性樹脂
(B)との極端なエステル交換反応による結晶性低下に
よる剛性低下を抑制するために、芳香族二価フェノール
系化合物とホスゲンを反応させることにより得られるフ
ェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端基(E
N)の当量比(EP)/(EN)が1/20以下であるポ
リカーボネート系樹脂を用いることが好ましく、より好
ましくは1/40以下であり、さらに好ましくは1/7
0以下である。
【0021】ポリカーボネート系樹脂の末端基の測定
は、例えば、ポリカーボネート系樹脂を酢酸酸性メチレ
ンクロライドに溶解し、四塩化チタンを加え、生成する
赤色錯体を546nmで測光定量して行なうことができ
る。
【0022】かかる末端基を有するポリカーボネートは
ホスゲン法により製造することができる。
【0023】本発明で用いられる液晶性樹脂(B)は、
異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を
有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル
単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪
族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから
選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成す
る液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香
族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族
イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、
かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミド
などである。
【0024】芳香族オキシカルボニル単位としては、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族ジオキシ
単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチル
ハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
から生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジ
カルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位、ア
ルキレンジオキシ単位としてはエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等から生成した構造単位(なかでもエチレングリコー
ルから生成した構造単位が好ましい。)、芳香族イミノ
オキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールな
どから生成した構造単位が挙げられる。
【0025】液晶性ポリエステルの具体例としては、p
−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位および6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位から
なる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から
生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸か
ら生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および
/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位から
なる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から
生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等
の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバ
シン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位か
らなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸か
ら生成した構造単位、エチレングリコールから生成した
構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる
液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成
した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単
位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造
単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息
香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生
成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルか
ら生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジ
ピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した
構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ
安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールか
ら生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生
成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸か
ら生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが
挙げられる。
【0026】なかでも異方性溶融相を形成する液晶性ポ
リエステルの例としては、下記(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、
または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からな
る液晶性ポリエステルなどが優れた表面平滑性と剛性を
両立させる観点から好ましく挙げられる。
【0027】特に好ましいのは(I)、(II)、(III)お
よび(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルであ
る。
【0028】
【化7】
【0029】(ただし式中のR1は
【0030】
【化8】
【0031】から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0032】
【化9】
【0033】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0034】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−
テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0035】
【化10】
【0036】であり、R2が
【0037】
【化11】
【0038】であるものが特に好ましい。
【0039】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)
からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であ
り、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合
量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるた
めには次の共重合量であることが好ましい。
【0040】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜90モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜10モル%がより好ましい。また、構
造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好まし
くは75/25〜95/5であり、より好ましくは78
/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単
位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであること
が好ましい。
【0041】一方、上記構造単位(II) を含まない場合
は、流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)およ
び(III)の合計に対して40〜90モル%であることが
好ましく、60〜88モル%であることが特に好まし
く、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルで
あることが好ましい。
【0042】ここで実質的に等モルとは、末端を除くポ
リマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端
を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らな
いことを意味する。
【0043】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0044】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液
晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめるこ
とができる。
【0045】本発明において使用する上記液晶性樹脂
(B)の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0046】例えば、上記液晶性ポリエステルの製造に
おいて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性
ポリエステルを製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを
製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する
方法。
【0047】また、本発明における液晶性樹脂(B)の
溶融粘度は0.5〜100Pa・sが好ましく、特に1〜5
0Pa・sがより好ましい。また、流動性により優れた組成
物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下と
することが好ましい。
【0048】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0049】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0050】本発明で用いる液晶性樹脂(B)は、ポリ
カーボネート樹脂(A)への分散性の点から融点が34
0℃以下であることが好ましく、330℃以下であるこ
とがより好ましい。下限については250℃以上が好ま
しい。さらに好ましくは285〜330℃である。
【0051】本発明で用いるポリカーボネート系樹脂
(A)と液晶性樹脂(B)の配合比は、表面平滑性、剛
性のバランスの点から、(A)と(B)の合計に対し、
(A)99.5〜50容量%、(B)0.5〜50容量
%、好ましくは(A)96〜65容量%、(B)4〜3
5容量%、より好ましくは(A)93〜70容量%、
(B)7〜30容量%である。
【0052】また、ポリカーボネート系樹脂(A)に対
し、液晶性樹脂(B)を配合すると一部交換反応が起こ
り、得られる組成物のガラス転移温度(℃)は液晶樹脂
配合前の(A)のガラス転移温度(℃)から変化する
が、本発明の効果を最大限に発揮するためには、(A)
に対する得られた組成物のガラス転移温度(℃)の変化
率が好ましくは5%未満、さらには3%未満であること
が、とりわけ優れた流動性を得る点で好ましい。これ
は、充填材を添加した場合も同様である。
【0053】ガラス転移温度(℃)の求め方は、示差熱
量測定において、20℃/分の昇温条件で測定した際に
観測される変曲点をガラス転移温度(℃)とする。樹脂
組成物が複数の樹脂成分からなる場合には複数の変曲点
が観察される場合があるが、対象とする変曲点はポリカ
ーボネート系樹脂(A)由来の変曲点とする。
【0054】本発明の記憶媒体基板用樹脂組成物には、
さらにエポキシ化合物を配合することにより、表面平滑
性をさらに改良することができる。なかでも分子内に2
つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を配合する
場合にその効果は顕著である。かかるエポキシ化合物と
しては、一般には、ビスフェノール化合物、フェノール
ノボラック、芳香族ジオールやジカルボン酸化合物、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールおよびこれらを基本構成単位とする
重合体とエピハロヒドリンとの縮合により得られるジグ
リシジルエーテル化合物、ジグリシジルエステル化合
物、さらにはヒダントイン系等のヘテロサイクリックエ
ポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
特に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールSジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシ
ジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、テ
レフタル酸ジグリシジルエーテル等の芳香族ジエポキシ
化合物、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒド
ロフタル酸グリシジルエステルが好ましい。
【0055】このエポキシ化合物の配合量は、ポリカー
ボネート系樹脂(A)と液晶性樹脂(B)の組成物10
0重量部に対し、0.05〜10重量部、好ましくは
0.07〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部
である。本発明の範囲内で添加することにより、表面平
滑性改良効果が現れるが、特に10重量部を越える場合
は、成形時のガス発生や成形加工性や熱安定性が低下す
ることに起因して、表面平滑性が低下する傾向がある。
【0056】本発明において表面平滑性を損なわない範
囲で記憶媒体基板用樹脂組成物の機械強度その他の特性
を付与するために一般的充填剤を使用することが可能で
あるが、その場合、フィラーの最大粒径が10μm以下
であることが好ましい。具体例には例えば、チタン酸カ
リウム、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウ
ム、チタン酸バリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウ
ム、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素、窒化
ケイ素ウィスカーなどの粒状、ウィスカー状充填剤、マ
イカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガ
ラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルー
ン、セラミックビーズ、クレー、二硫化モリブデン、ワ
ラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カル
シウム、グラファイト、カーボンブラックなどの粉状、
粒状あるいは板状の充填剤、カーボンナノチューブなど
の繊維状の充填材が挙げられる。なお、本発明に使用す
る上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例
えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いるこ
ともできる。
【0057】なお、フィラーの粒径の測定方法は、一般
的な方法であるレーザ回析/散乱法で行う。
【0058】上記の充填剤の添加量は(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して通常、0.05
〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜25重量部、特に好ましくは0.2〜5重量部
である。
【0059】さらに、本発明の記憶媒体基板用樹脂組成
物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダー
ドフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこ
れらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシ
ノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフ
ェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防
止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔
料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を
含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその
塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルア
ルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスな
ど)、導電剤、結晶核剤、可塑剤、その他の難燃剤(例
えばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエー
テル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、
メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、難燃
助剤、摺動性改良剤(フッ素樹脂)、帯電防止剤などの
通常の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与する
ことができる。
【0060】また、本発明においては、その他の特性を
付与させるために他の樹脂(例えばABS樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リエーテルスルフォン、アクリル樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、アイオノマー樹脂等)、好ましくはA
BS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂を配合すること
ができ、その量としては(A)および(B)の合計10
0重量部に対して60重量部以下、好ましくは50重量
部以下、特に好ましくは40重量部以下であることが好
ましい。
【0061】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などのオレフ
ィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマ
ー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラス
トマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加
して所定の特性をさらに付与することができる。
【0062】本発明の記憶媒体基板用樹脂組成物は、通
常公知の方法で製造される。例えば、ポリカーボネート
系樹脂(A)および液晶性樹脂(B)成分中、エポキシ
化合物およびその他の必要な添加剤を予備混合して、ま
たはせずに押出機などに供給して十分溶融混練すること
により調製される。
【0063】記憶媒体基板用樹脂組成物を製造するに際
し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた
単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混
練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成
物とすることができるが、本発明の効果をより鮮明に発
揮するためには溶融加工条件を制御することが好まし
い。
【0064】例えば、溶融混練温度については、配合す
る液晶性樹脂(B)の融点+20℃以下かつ液晶開始温
度以上で行うことが好ましく、より好ましくは液晶性樹
脂(B)の融点+15℃〜液晶開始温度であり、さらに
好ましくは液晶性樹脂(B)の融点+10℃〜液晶開始
温度である。かかる方法で溶融混練する場合には、組成
物のガラス転移温度(℃)の変化率を小さくし得る傾向
があり、ひいては発明の効果である表面平滑性と剛性の
バランスを特に効率よく発揮することができる。本発明
においては、溶融混練した組成物を直接成形してもよい
が、一旦ペレタイズなどして成形材料とした後、成形に
供することも可能である。
【0065】ここでいう溶融混練温度とは樹脂温度を指
す。例えば、溶融混練、溶融成形などの溶融加工時にお
いては一般的にせん断発熱により樹脂温度がシリンダー
設定温度より高温になるため、シリンダー設定温度を目
的の樹脂温度になるように若干低温に設定するか、ある
いはそれとともに、スクリュー回転数やスクリューアレ
ンジを制御して樹脂温度を上記範囲におさめること、あ
るいはサイドフィーダー備え付けの押出機を用いる場合
には、サイドから液晶性樹脂(B)を配合する全量の一
部もしくは全部を投入する方法が好ましく用いられる。
液晶開始温度の測定は、剪断応力加熱装置(CSS−4
50)により剪断速度1,000(1/秒)、昇温速度
5.0℃/分、対物レンズ60倍において測定し、視野
全体が流動開始する温度を液晶開始温度とした。
【0066】本発明の記憶媒体基板用樹脂組成物は、通
常、剛性の指標である曲げ弾性率が、1mm厚の成形品に
おいてASTMD790に従って測定した23℃におけ
る値で3GPa以上、より好ましくは、5GPa以上で
ある。この値が小さすぎると、充分な剛性が得られず、
ディスクが急回転、急停止した際にブレが起きるため好
ましくない。上限については特に制限はないが、実用
上、30GPa以下の範囲であればよい。
【0067】本発明の記憶媒体基板用樹脂組成物は、上
記剛性とともに優れた表面平滑性を有するものである。
使用するポリカーボネート系樹脂(A)および液晶性樹
脂(B)の組成を好ましい態様にすることにより、中心
線平均粗さRa50nm以下である表面平滑性を与え得
る記憶媒体基板用樹脂組成物が得られるが、上記好まし
い製造方法で製造することにより、記憶媒体基板の中心
線平均粗さRaをさらに低減させることができる。
【0068】かくして得られる記憶媒体基板用樹脂組成
物は、射出成形あるいは射出圧縮成形により成形するこ
とが好ましい方法として挙げられる。この成形技術は従
来の光ディスクの技術を活用できる。寸法精度や形状精
度等、高い精密成形技術、金型技術が必要となるが、射
出成形時に金型の圧縮機構を組み合わせることで、高い
精度の記憶媒体基板を得ることができる。本発明におい
て好ましい表面平滑性を有する記憶媒体基板を得るに
は、表面平滑性を得たい部位に相当する部位が面粗度R
a20nm以下の鏡面である金型を使用し、その金型使
用において最も半径方向のソリが最小となる条件で成形
することが好ましい。
【0069】樹脂製の記憶媒体基板の成形は、他の基板
材料であるアルミニウムやガラスに比較して、射出成形
により短時間に表面精度の良いディスク成形品を得られ
るため、基板の研削研磨工程を省略でき、安価にディス
ク基板を成形し得ることと、従来の光ディスクの成形技
術であるマスタリング技術を応用し、スタンパー等によ
り予め必要となる情報を記録し得ることで、より高い記
憶密度の記憶媒体基板を生産性よく、低コストで得るこ
とが可能となる。また、本発明の樹脂製記憶媒体はディ
スク基板を安価に製造する以外に、軽量化や静音性に優
れる点も利点として挙げられる。
【0070】本発明の記憶媒体は、上記の如く成形され
た記憶媒体基板の鏡面部分に着磁膜などの記録層や記録
信号を読みとる反射膜を形成せしめることにより得るこ
とができる。これらの着磁膜、反射膜の形成にはNiP
メッキやスパッタリングなどの各種方法を採用すること
が可能である。
【0071】本発明において、好ましい態様で製造した
記憶媒体基板用樹脂組成物を成形することにより、JI
SB0601に規定されている中心線平均粗さRaが5
0nm以下の優れた表面平滑性を有する記憶媒体基板が
得られ、より好ましい態様においては、中心線平均粗さ
Raが45nm以下、更に好ましい態様においては中心
線平均粗さRaが40nm以下の極めて優れた表面平滑
性を有する記憶媒体基板が得られる。なお、下限につい
ては0に近い程好ましい。なお、この表面平滑性は基板
の最外周から10mm内側の部分で2カ所測定し、とも
に満足していればよい。 本発明の記憶媒体基板および
記憶媒体は、鏡面鮮明性、表面平滑性、剛性に優れてい
ることから外観を要求される記憶媒体として使用され、
特に表面記録型のディスク用の基板に、中でも短波長レ
ーザーを用いた光ディスク基板あるいは、ハードディス
ク基板に好適であり、さらに軽量で静音性に優れること
から音響および/または映像記録・配信用機器やゲーム
用のディスク基板に極めて適している。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0073】参考例1(ポリカーボネート系樹脂) PC−1:三菱エンジニアリングプラスチックス社製”
ユーピロン”H4000(フェノール性末端基(EP)
と非フェノール性末端基(EN)の当量比 (EP)/
(EN)は、四塩化チタン錯体測光定量の結果1/10
0) PC−2:炭酸ジエステル法を用い、ビスフェノールA
とジフェニルカーボネートとの溶融重合により合成した
もの(メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で2
0℃で測定した対数粘度が0.35dl/g、(EP)
/(EN)=1/3) 参考例2(液晶性樹脂) LCP−1 p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、室温から1
50℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から
250℃まで2時間で昇温し、250℃から320℃ま
で1.5時間で昇温させた後、320℃、1.5時間で
0.5mmHg(67Pa)に減圧し、さらに約0.25時間
反応させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル
単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当
量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジ
カルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、液
晶開始温度293℃の18Pa・s(324℃、オリフィス
0.5mm直径×10mm、ずり速度1,000(1/
秒))のペレットを得た。
【0074】(1)加熱減量 樹脂組成物のペレット0.1gを120℃の雰囲気で4
時間予備乾燥し、TGA7(パーキンエルマー製)を用
いて330℃で30分滞留させた時のガス発生による加
熱減量を測定した。
【0075】(2)表面平滑性(中心線平均粗さRa) ディスク用成形機(J40ELIII−DK;日本製鋼所
社製)、金型鏡面部分の面粗度Ra0.69nmの2.
5インチ(63.5mm直径)×1.2mm厚の金型を用いて表1
中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金型温
度120℃で半径方向のソリが最も低くなる条件でディ
スク型成形品を作成し、得られたディスク基板の外周か
ら10mm内側の部分2箇所(1カ所測定点を決め、そこか
ら成形品中心を起点として90度の点を2点目とする)
を走査型プローブ顕微鏡 (セイコー電子社製 SPI 370
0)を用いて、中心線平均粗さRaを測定した。
【0076】(3)曲げ弾性率 住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友
重機械工業(株)製)を用いて表1中成形時樹脂温度と
して示したシリンダー温度、金型温度80℃で12.7
mm幅×127mm長×1mm厚の成形品を成形し、A
STM D790に従って曲げ弾性率を測定した。
【0077】(4)面ぶれ加速度 ディスク用成形機(J40ELIII−DK;日本製鋼所
社製)、金型鏡面部分の面粗度Ra0.69nmの2.
5インチ(63.5mm直径)×1.2mm厚の金型を用いてディ
スク型成形品を作成し、光ディスク 機械・光学特性検
査装置(DLD3000;ジャパンイーエム社製)を用
いて7500rpmで面ぶれ加速度(m/s2)を測定した。
【0078】実施例1〜4、比較例1、2 表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼
社製)を用いてポリカーボネート系樹脂(A)、液晶性
樹脂(B)をドライブレンドし、表1中押出時樹脂温度
として示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。
このペレットを上記評価方法ごとに成形品を得た。
【0079】実施例5、比較例3 表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼
社製)を用いてポリカーボネート系樹脂(A)、液晶性
樹脂(B)、エポキシ化合物(エポキシ基を分子内に2
つ有する“エピコート”191P;ジャパン エポキシ
レジン(株)製)をドライブレンドし、表1中押出時樹
脂温度として示した樹脂温度で溶融混練してペレットと
した。このペレットを上記評価方法ごとに成形品を得
た。
【0080】
【表1】
【0081】実施例6 上記(4)の評価で用いた実施例5記載の記憶媒体基板
用樹脂組成物を成形して得られた成形品を日立(株)製
真空蒸着装置にてアルミニウムの反射膜を蒸着した。つ
いで上記(4)に評価方法に従い、面ぶれ加速度を測定
した結果、0.8m/s2と成膜前と比べ、遜色ない基
板が得られた。
【0082】表1からも明らかなように本発明の組成物
は比較例に比べ、低ガス性、表面平滑性、剛性に優れ、
記憶媒体基板としてとして優れたものが得られることが
わかる。また、反射膜を蒸着した結果、記録媒体として
極めて実用性が高いことがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明の記憶媒体基板用樹脂組成物は、
低ガス性、表面平滑性、剛性に優れることから、それか
ら得られる記憶媒体基板および記憶媒体が極めて実用的
に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 C08L 63:00 63:00) Fターム(参考) 2H088 EA62 MA20 4F071 AA43 AA50 AF12 AH12 BB05 BC01 4J002 CF182 CG001 GS00 5D029 KA16 5D121 AA02 DD05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
    50容量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50容量%を配
    合してなる記録媒体基板用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
    50容量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50容量%の樹
    脂組成物100重量部に対し、エポキシ化合物0.05
    〜10重量部を配合してなる記憶媒体基板用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】記録媒体用組成物がASTM D790に
    従い測定した、成形品厚み1mmにおける曲げ弾性率が3
    GPa以上であり、かつ、中心線平均粗さRa50nm
    以下である表面平滑性を与え得るものである請求項1ま
    たは2記載の記憶媒体基板用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】液晶性樹脂(B)が下記構造単位(I)、(I
    I)、(III)および(IV)を有する液晶性樹脂(B)である
    請求項1〜3のいずれか記載の記憶媒体基板用樹脂組成
    物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の記憶媒体基
    板用樹脂組成物を射出成形してなる記憶媒体基板。
  6. 【請求項6】記憶媒体が表面記録型ディスクであること
    を特徴とする請求項5記載の記憶媒体基板。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の記憶媒体基板を用
    いた記憶媒体。
  8. 【請求項8】記憶媒体が、音響および/または映像記録
    ・配信機器またはゲーム機に使用されることを特徴とす
    る請求項7記載の記憶媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011140179A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 成形品の製造方法、成形品および熱可塑性樹脂組成物
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