JP2003341866A - 紙葉類取出装置 - Google Patents
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Abstract
も、長期間にわたって紙葉類を安定して確実に1枚ずつ
取出すことができる紙葉類取出装置を提供する。 【解決手段】取出ローラ30に圧接され、紙幣Pの取出
方向と逆方向の回転トルクが付与されることにより紙幣
Pを1枚ずつ分離する分離ローラ31の直径の変化を、
分離ローラ31を支持する揺動アーム59および検出器
91,92を介して複数段階の分解能で検出し、この検
出した直径に対応した新品での分離条件と同じ接線力F
1が得られるように、分離ローラ31を駆動するリバー
スモータの駆動電流値(すなわち、分離ローラ31に与
える逆転トルク)をあらかじめ定められたテーブルデー
タから取得し、この取得した駆動電流値を上記リバース
モータの駆動電流値として設定する。
Description
どの紙葉類を分類整理する紙葉類分類整理機などにおい
て、積層された紙幣などの紙葉類を1枚ずつ分離して取
出す紙葉類取出装置に関する。
えば、ゴムローラの摩擦力で紙葉類を取出す摩擦式のも
のが知られている。このような紙葉類取出装置において
は、紙葉類を確実に分離して取出すことができ、かつ、
スキューすることなく取出せることが求められている。
また、紙葉類の厚さや摩擦係数の影響を受けにくい安定
した取出しを可能とし、さらに、紙幣などの場合には、
その種類やサイズの違いの影響を受けないものが望まれ
ている。一方、取出装置の処理能力の観点から、単位時
間内で多数枚の紙葉類の取出しを可能とするものが望ま
れている。
ローラを用いた紙葉類取出装置が開発されている。この
紙葉類取出装置は、供給部の紙葉類を送り出す送出ロー
ラと、送り出された紙葉類を回転することにより取出す
取出ローラと、この取出ローラに圧接され、紙葉類の取
出方向と逆方向の逆転トルクが付与されることにより紙
葉類を1枚ずつ分離する分離ローラとを備えている。
紙葉類取出装置は、紙葉類の取出方向と逆方向の逆転ト
ルクが付与される分離ローラを用いているので、分離ロ
ーラは徐々に摩耗していく。分離ローラが摩耗すると、
分離ローラの直径が小さくなり、分離ローラが取出ロー
ラと接触している点における逆転方向の接線力は大きく
なる。すなわち、新品ローラで最適に設定されていた値
に対して、取出ローラと分離ローラとの接触圧は減少
し、分離ローラの接線力は増加する。
ラは紙葉類の搬送方向に連れ回るはずが、連れ回る回数
が減少していき、やがて連れ回ることができなくなり、
逆転と停止を繰り返す動作となる。これは、紙葉類が取
出されるとき、分離ローラとすべり摩擦が発生する回数
が増加し、分離ローラの摩耗が加速度的に進行すること
になり、やがて取出し不能となってしまう。
ーラの直径が変化しても、長期間にわたって紙葉類を安
定して確実に1枚ずつ取出すことができる紙葉類取出装
置を提供することを目的とする。
は、紙葉類を送り出す送出ローラと、この送出ローラに
より送り出された前記紙葉類を回転することにより取出
す取出ローラと、この取出ローラに圧接され、前記紙葉
類の取出方向と逆方向の回転トルクを付与することによ
り前記紙葉類を1枚ずつ分離する分離ローラと、この分
離ローラを支持していて、当該分離ローラの直径の変化
に応じて揺動する揺動アームと、この揺動アームの位置
を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に応じ
て前記分離ローラに付与する前記回転トルクを制御する
制御手段とを具備している。
を送り出す送出ローラと、この送出ローラにより送り出
された前記紙葉類を回転することにより取出す取出ロー
ラと、この取出ローラに圧接され、前記紙葉類の取出方
向と逆方向の回転トルクを付与することにより前記紙葉
類を1枚ずつ分離する分離ローラと、この分離ローラの
回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手
段の検出結果に応じて前記分離ローラに付与する前記回
転トルクを制御する制御手段とを具備している。
て図面を参照して説明する。まず、第1の実施の形態に
ついて説明する。図1は、第1の実施の形態に係る紙幣
分類整理機を模式的に示す内部構成図である。図1にお
いて、1は筐体で、この筐体1の一側中央部にはテーブ
ル部1Aが設けられ、このテーブル部1Aには紙幣供給
部2が設けられている。この紙幣供給部2には、紙葉類
としての紙幣Pが立位状態で複数枚収容されている。こ
の紙幣Pは、ばね3で付勢される押込手段としてのバッ
クアップ板4によって送出ローラとしてのピックアップ
ローラ5に押し付けられている。これにより、紙幣P
は、ピックアップローラ5の回転により下方に向かって
送り出される。ピックアップローラ5の下方部には、後
で詳述する紙葉類取出装置を構成する分離部32および
搬送部37(図2に示す)が配設されている。
ト6aとローラ6bとにより構成されるクランプ式の搬
送手段7により搬送される。この搬送手段7には、取出
された紙幣Pのシフトとスキューを自動補正する姿勢補
正装置8が設けられている。搬送手段7の紙幣搬送方向
下流側には、判別手段としての判別部9が設けられてい
る。この判別部9は、ローラ対10で搬送される紙幣P
の面から各種情報を読取り、それを論理演算などするこ
とにより、基準になる情報と比較することによって、2
枚取りや、汚れ、破損の有無、金額、天地および表裏の
4方向をそれぞれ判別するものである。
手段としての第1の分岐装置11が設けられている。第
1の分岐装置11は、判別部9の判定によって2枚取り
や、一定以上の大スキューの紙幣など、正紙幣Pと判定
されなかったものをリジェクト箱12に導き、正紙幣P
と判定されたものを切換手段としての第2の分岐装置1
3に導くものである。
を第1および第2の方向に分けるものである。第1の方
向には左右反転パス14が設けられ、この左右反転パス
14は紙幣Pを左右180度反転するひねりベルト15
を有している。第2の方向には単なるベルト搬送部16
が設けられ、紙幣Pをそのままの状態で搬送する。第1
および第2の方向に分岐されて搬送された紙幣は合流部
17で合流する。この合流部17までの経路長は等しく
され、紙幣合流後の間隔がずれないようになっている。
換手段としての第3の分岐装置18が設けられ、この第
3の分岐装置18により紙幣Pの搬送方向が第3および
第4の方向に分岐される。第3の方向には、スイッチバ
ックパス部19が設けられている。スイッチバックパス
部19には、紙幣Pを導入させる反転箱20、この反転
箱20に導かれた紙幣Pの後端を反転ローラ21aに押
し付ける叩き車21が設けられている。紙幣Pは、反転
箱20から送り出されることにより、その天地が反転さ
れて搬送される。
設けられ、紙幣Pはそのままの姿勢を維持して搬送され
る。第3および第4の方向に分岐されて搬送された紙幣
は合流部23で合流する。この合流部23までの分岐パ
スの経路長は等しくされ、合流後の間隔がずれないよう
になっている。
平搬送路24が設けられ、この水平搬送路24には区分
すべき部分の数より1つ少ない数の分岐装置25a〜2
5dが配設されている。これら分岐装置25a〜25d
の下方部には、集積部として第1乃至第4の種類別ポケ
ット部26a〜26が配設され、これら種類別ポケット
部26a〜26に紙幣Pが水平状態に積み重ねて集積さ
れるようになっている。
0枚施封装置27が設けられている。100枚施封装置
27は、紙幣Pを100枚ずつ集積して区分する集積部
28、この集積部28から紙幣Pを搬送する搬送部28
a、および、この搬送部28aにより搬送されてくる紙
幣Pを紙帯29aで結束する帯巻部29を有している。
装置の構成を示すものである。この紙幣取出装置は、上
記したピックアップローラ5,5、分離部32および搬
送部37によって構成され、これらピックアップローラ
5,5、分離部32および搬送部37は上下方向に沿っ
て配設されている。
え、これら取出ローラ30,30には、分離ローラ(逆
転ローラ)31,31が押し付けられている。搬送部3
7は、取出ローラ30,30の下方部に位置して、搬送
ローラとしてのドライブローラ34,34を備え、この
ドライブローラ34,34には、同じく搬送ローラとし
てのピンチローラ35,35が転接されている。ドライ
ブローラ34,34とピンチローラ35,35とによ
り、紙幣Pが引き抜かれて搬送される。ピックアップロ
ーラ5、取出ローラ30、分離ローラ31、ドライブロ
ーラ34およびピンチローラ35は、左右に1個ずつ配
設され、紙幣Pを短手方向に沿って取出すようになって
いる。
で形成され、ワンウェイクラッチ30aを介して軸36
に取り付けられている。取出ローラ30は、紙幣Pの取
出方向に自由に回転でき、紙幣Pがドライブローラ34
およびピンチローラ35で引き抜かれるときに抵抗を減
らすように工夫されている。軸36は、軸受け38を介
してフレーム39に取り付けられている。軸36の一端
部には、プーリ40a、タイミングベルト40bおよび
プーリ40cを介して取出モータ41が接続されてい
る。
ラッチ30aを取出ローラ30に設けたが、取出ローラ
30を軸36に固定して、ワンウェイクラッチ30aを
タイミングプーリ40aに設け、軸36とプーリ40a
との間で回転できるようにしてもよい。
45a、タイミングベルト45b、プーリ45cを介し
て軸46に接続されている。軸46の両端部は、フレー
ム39,39に支持されている。軸46の一端部には、
プーリ48a、タイミングベルト48b、プーリ48c
を介してピックアップモータ49が接続されている。軸
43はブラケット51に回転自在に取り付けられ、ブラ
ケット51は軸52を介してブラケット53に取り付け
られている。
ム39,39に取り付けられ、左右に回動できるように
なっている。ブラケット51とステイ55との問には、
圧縮スプリング56が設けられている。これにより、左
右にあるピックアップローラ5,5は、僅かに前後左右
に位置を変えて紙幣Pに対して左右均一の押し付け力が
発生するように工夫されている。
紙幣Pに対する摩擦係数が紙幣P間の摩擦係数より高い
ものが使用されている。分離ローラ31は、軸58を介
して揺動アーム59の上端部に回転可能に取り付けら
れ、揺動アーム59の中途部は、支持部としての軸60
(図示しない)により回動可能に支持されている。揺動
アーム59は、スプリング62(図示しない)により付
勢され、分離ローラ31を取出ローラ30に押圧させて
いる。なお、揺動アーム59については後で図7を用い
て詳細に説明する。
a、タイミングベルト63b、プーリ63cを介してリ
バースモータ64が接続されている。リバースモータ6
4は、分離ローラ31を紙幣Pの取出し方向に対して逆
方向に回転させるようになっている。後述するように、
分離ローラ31は取出ローラ30に連れ回って取出方向
に回転するが、逆転トルクは常に逆転方向にかかってい
て、紙幣Pに対して分離力を発生する。
ミングプーリ63aと、リバースモータ64の駆動軸6
4aに取り付けられたタイミングプーリ63cのピッチ
径は同じになっている。また、リバースモータ64は、
その駆動軸64aの軸心上に揺動アーム59の軸60の
軸心が位置するようにステイ67に固定されている。
レーム39,39に揺動されている。軸69は、プーリ
70a、タイミングベルト70b、プーリ70cを介し
て搬送モータ71に接続されている。ピンチローラ35
は、軸73に回転自在に支持されている。軸73の両端
部は、フレーム39,39の水平長孔39aに支持さ
れ、スプリング74によって付勢されている。この付勢
により、ピンチローラ35はドライブローラ34に押圧
されて搬送力を発生する。
の間には、取出ローラ30および分離ローラ31から送
出される紙幣Pを検知する検知手段としての第1の検知
器76が設けられている。搬送ローラ34,35の搬出
側近傍には、搬送ローラ34,35から送り出される紙
幣Pを検知する第2の検知手段としての第2の検知器7
7が設けられている。第1、第2の検知器76,77
は、たとえば、光透過形の光センサであり、それぞれブ
ラケット79に取り付けられている。さらに、紙幣供給
部2のピックアップローラ5の近傍には、紙幣供給部2
内に紙幣Pが存在するか否かを検知するための光学的な
第3の検知器75が設けられている。
ローラ30と分離ローラ31との接触部とドライブロー
ラ34とピンチローラ35との接触部の間の搬送路を通
過し、第2の検知器77の光軸は、ドライブローラ34
とピンチローラ35との接触部の直後の搬送路を通過す
るようになっている。
9、搬送モータ71には、それぞれドライバー81,8
2,83が接続されている。ドライバー81,82,8
3は、それぞれコントローラ85に接続されている。な
お、取出モータ41、ピックアップモータ49は間欠駆
動制御が必要とされ、そのためパルスモータが用いられ
ている。
ー89a,89bがそれぞれ接続されている。ドライバ
ー89a,89bは、それぞれコントローラ85に接続
されている。リバースモータ64は、駆動電流制御可能
な直流モータで、駆動電流値の設定によって所要の発生
トルクが得られるようになっている。第1および第2の
検知器76,77には駆動アンプ90が接続され、紙幣
Pの通過を検出してその情報をコントローラ85に送る
ようになっている。
て、分離力の発生原理を示すものである。まず、図3
は、取出ローラ30と分離ローラ31との間に紙幣Pが
ないときで、取出ローラ30の回転に分離ローラ31が
搬送方向に連れ回っている。分離ローラ31は、所定の
押圧力Hで取出ローラ30に押し付けられ、リバースモ
ータ64によって逆転トルクTがかけられている。しか
し、取出ローラ30との摩擦力である接線力によるトル
クの方が高いため、リバースモータ64が滑って分離ロ
ーラ31が搬送方向に回転している。
ラ31との間に紙幣Pが1枚介在されたときで、紙幣P
と分離ローラ31の摩擦力で発生する接線力により、分
離ローラ31にかかるトルクよりも逆転トルクTが小さ
く設定されているため、紙幣Pを介して分離ローラ31
が搬送方向に連れ回りしている。
ラ31との間に紙幣Pが2枚に介在された場合で、紙幣
P1,P2の間で生じる摩擦力が小さいため、リバース
モータ64のトルクの方が勝って、分離ローラ31が搬
送方向に対して逆転し始めている。
によって2枚目の紙幣P2が引き戻された状態を示す。
図6の状態は図4の状態とほぼ同じで、1枚目の紙幣P
1が搬送される。このように、紙幣Pを2枚取出そうと
しても、2枚目の紙幣P2が引き戻されて、1枚目の紙
幣P1のみが取出されていく。実際には、図5と図6の
状態が紙幣Pが1枚取出されるごとに振動的に小刻みに
繰り返され、1枚ずつ分離されて取出される。
ける接線力は、分離力として作用する。この接線力と押
圧力とから、分離ローラ31の見かけの摩擦係数は(逆
転トルク/分離ローラ半径)/分離ローラの押圧とな
る。分離ローラ31の押圧力は、スプリング力で一定な
ので、逆転トルクを一定に制御することで、逆転トルク
の見かけの摩擦係数を一定に保つことができ、安定した
分離力を与えることができる。
上任意の摩擦係数を設定できる。取出ローラ30、分離
ローラ31は、摩擦係数が紙幣P1,P2間の摩擦係数
よりも高ければよい。取出ローラ30と分離ローラ31
の摩擦係数が高ければ、送り力や分離力を安定に保つこ
とができる。
摩擦係数を中程度に保つ必要はなく、材料の選択の幅が
広がる。また、ゲートローラのように常に紙幣Pと滑り
を生じているわけではなく、原理的には紙幣Pとの滑り
はないので、耐摩耗性について有利である。分離ローラ
31は、取出ローラ30や紙幣Pに対して実際は滑りを
生じているが、これを考慮して耐久性のよい材料を選択
すればよい。
59の詳細と各ローラのレイアウトを示すものである。
分離ローラ31は、前述したように、軸58を介して揺
動アーム59の上端部に回転可能に取り付けられている
とともに、揺動アーム59の中途部は、分離ローラ31
の回転軸中心と同一直線上に位置する支持部としての軸
60により回動可能に支持されている。そして、揺動ア
ーム59は、スプリング62により付勢されることによ
り、分離ローラ31を取出ローラ30に押圧させてい
る。このような構成により、揺動アーム59は、分離ロ
ーラ31の直径の変化に応じて、軸60を支点として図
示矢印方向(搬送方向と直交する図面に対し左右方向)
Xに揺動するようになっている。
その揺動方向Xに長いスリット部59aが形成されてい
て、このスリット部59aには、複数(この例では2
個)の揺動方向Xに長いスリット孔(透孔)S1,S2
が揺動方向Xに所定間隔おいて並設されている。このス
リット孔S1,S2は、揺動アーム59の位置を検出す
るために用いられるものである。
向する近傍には、複数(この例では2個)の検出器9
1,92が揺動方向Xに所定間隔おいて並設されてい
る。この検出器91,92は、スリット部59aを間に
して相対向配設された光源と受光素子とから構成されて
いて、揺動アーム59が揺動すると、検出器91,92
の光軸がスリット孔S1,S2を通過したり遮断された
りするようになっている。検出器91,92の各出力
は、それぞれ駆動アンプ90を介してコントローラ85
に供給される。
揺動すると、検出器91,92の検出状態は図8(a)
〜(d)に示すように変化する。すなわち、分離ローラ
31が新品のときは、図8(a)のように、検出器91
の光軸はスリット部59aで遮断されており、検出器9
2の光軸はスリット孔S2を通過している。分離ローラ
31の直径が摩耗などにより減少すると、図8(b)の
ように、検出器91,92の各光軸は共にスリット孔S
1,S2を通過する。さらに、分離ローラ31の直径が
減少すると、図8(c)のように、検出器91の光軸は
スリット孔S1を通過しており、検出器92の光軸はス
リット部59aで遮断される。さらに、分離ローラ31
の直径が減少すると、図8(d)のように、検出器9
1,92の各光軸は共にスリット部59aで遮断され
る。
けることで、分離ローラ31の直径の変化を4段階に検
出することができる。そして、後で詳細を説明するが、
それぞれの段階における最適なモータ64の駆動電流値
をあらかじめ決めてテーブルを作成しておき、検出器9
1,92の検出結果に対応してテーブルから最適な駆動
電流値を指示することで、分離ローラ31の直径が変化
しても最適分離条件を維持することができる。すなわ
ち、分離ローラ31が磨耗しても、分離ローラ31の逆
転トルクを変化させることで、長期間にわたって安定し
て確実に1枚ずつ紙葉類を取出すことが可能となる。
4により押圧された紙幣Pに接触して、これを分離部3
2に送り込み、取出ローラ30と協調して紙幣Pを繰り
出す。分離ローラ31の逆転トルクは、取出動作時には
逆転トルクがかかっているが、紙幣Pがないときは取出
ローラ30の回転に連れ回るように逆転トルクが設定さ
れている。MRR分離方式では、分離ローラ31に対し
押圧力とモータ64で発生した逆転トルクを安定して与
える必要がある。
けずに安定した押圧力を得るためには、ローラのレイア
ウトが重要で、次のことが考慮されている。すなわち、
ピックアップローラ5に紙幣Pが接触する接触部と、取
出ローラ30と分離ローラ31との接触部33との間を
結ぶ線分をK1、取出ローラ30の回転軸中心と分離ロ
ーラ31の回転軸中心との間を結ぶ線分をK2、分離ロ
ーラ31の回転軸中心と揺動アーム59の回動軸中心と
を結ぶ直線をK3とした場合、線分K1と線分K2とは
略90°の角度で交差している。
1の共通接線方向が紙幣Pの搬送方向となっている。こ
れは、取出ローラ30と分離ローラ31との接触部33
に紙幣Pを送り込み易くするためと、分離ローラ31に
よって戻された紙幣Pが積層する紙幣Pから受ける抵抗
を抑えるためである。
角度で交差している。これは、分離部32で発生する摩
擦力が分離ローラ31の押圧力に影響しないようにする
ためである。分離ローラ31の表面で作用する摩擦力f
によって分離ローラ31に発生するモーメントは、タイ
ミングベルト63bを介して接続されるリバースモータ
64のトルクと釣り合う。結局、揺動アーム59には、
軸58を介して摩擦力fと同じ大きさの力f′として作
用する。
にしておくと、上記力f′のベクトルは回動軸60の中
心を通るので、揺動アーム59を回動することがない。
したがって、取出ローラ30と分離ローラ31との接触
部33で発生する押圧力Nを一定に保つことができる。
また、リバースモータ64をステイ67に固定して、分
離ローラ31とともに揺動させないこともポイントであ
る。ここで、取出ローラ30と分離ローラ31との接触
圧力は、スプリング62のばねカとスプリング62の取
付位置とから決定され、リバースモータ64の回転や、
ローラ表面の摩擦力の影響を受けずに一定になる。
方向長さ(搬送方向長さ)、L1はピックアップローラ
5の回転軸中心と取出ローラ30の回転軸中心との距
離、L2は取出ローラ30の回転軸中心とドライブロー
ラ34の回転軸中心との距離、L3は第1の検知器76
の設置点とドライブローラ34の回転軸中心との距離、
L4はドライブローラ34の回転軸中心と第2の検知器
77の設置点との距離、Nは取出ローラ30と分離ロー
ラ31との接触部33における押圧力、をそれぞれ示し
ている。
出動作について図9に示すフローチャートを参照して説
明する。紙幣Pの取出しが開始されると、第3の検知器
75の出力信号に基づき、紙幣供給部2に取出すべき紙
幣Pが存在するか否かが判別される(ステップS1)。
この判別の結果、紙幣Pが存在する場合、分離ローラ3
1がリバースモータ64によって逆方向に回転駆動され
る(ステップS2)。このとき、取出ローラ30は停止
しているので、取出ローラ30から受ける抵抗力で分離
ローラ31が回転することはない。しかる後、取出モー
タ41とピックアップモータ49が回転駆動され(ステ
ップS3)、紙幣Pの取出しが開始される。
枚目の紙幣Pの先端部が取出ローラ30を過ぎて、第2
の検知器77で検知されたか否かを判別し(ステップS
4)、第2の検知器77が先端部を検知すると、取出モ
ータ41とピックアップモータ49の動作を停止する
(ステップS5)。このとき、取出ローラ30は、ワン
ウェイクラッチ30aを内蔵しているため、取出モータ
41が停止しても、搬送ローラ34で搬送される紙幣P
に連れ回り、1枚目の紙幣Pに抵抗を与えるようなこと
はない。1枚目の紙幣Pの先端が、第2の検知器77に
到達した後、紙幣Pの後端がピックアップローラ5から
外れる。
端がまだピックアップローラ5にかかっている場合は、
1枚目の紙幣Pに抵抗になって作用する。しかし、搬送
ローラ34とピンチローラ35との押圧力は、ピックア
ップローラ5における紙幣Pへの押圧力よりも大きく設
定されているので、紙幣Pは、ピックアップローラ5に
対して滑って搬送される。1枚目の紙幣Pがピックアッ
プローラ5から外れて、2枚目の紙幣がピックアップロ
ーラ5に接触すると、ピックアップローラ5は、2枚目
に対してブレーキとして働き、紙幣Pの連れ出しが防止
される。
枚目の紙幣Pの後端が第2の検知器77で検知されたか
否かを判別し(ステップS6)、第2の検知器77が後
端部を検知すると、取出モータ41を逆回転駆動する
(ステップS7)。このとき、取出ローラ30は、ワン
ウェイクラッチ30aを介して軸36に取り付けられて
いるために、逆転している分離ローラ31との摩擦力に
よって逆転する。すなわち、取出ローラ30および分離
ローラ31は、ともに逆回転される。
タ41の駆動を制御して、取出ローラ30を所定角度、
すなわち、360度を割り切れない角度、たとえば、7
度だけ回転させる。この取出ローラ30の回転に伴っ
て、分離ローラ31は同様に所定角度だけ回転される。
角度だけ分離ローラ31を回転させることにより、分離
ローラ31の偏磨耗を防止することができ、長期間にわ
たって安定した分離動作を行なうことが可能となる。コ
ントローラ85は、取出モータ41の駆動を制御して取
出ローラ30を所定角度だけ回転させた後、取出モータ
41の駆動を停止する(ステップS8)。
92の各出力信号により、揺動アーム59に位置変化が
あるか否かを判別し(ステップS9)、位置変化がなけ
ればステップS10に進み、位置変化があればリバース
モータ64の駆動電流値を最適値に変更して(ステップ
S11)、ステップS10に進む。
モータ64の駆動電流値の変更方法について具体的に説
明する。たとえば、コントローラ85内のメモリ(図示
しない)には、検出器91,92により検出される揺動
アーム59の4段階の位置、すなわち、分離ローラ31
の4段階の直径における最適なモータ64の駆動電流値
をあらかじめ記憶した制御テーブルが格納されていて、
検出器91,92の検出結果に対応する最適な駆動電流
値を上記制御テーブルから取出し、この取出した駆動電
流値をリバースモータ64の駆動電流値として設定する
ものである。
85は、第3の検知器75の出力信号に基づき、紙幣P
が紙幣供給部2にあるか否かを判別する。この判別の結
果、紙幣Pがあると判別された場合、ステップS3に戻
って、2枚目の紙幣Pの取出しに入る。また、紙幣Pが
ないと判別された場合、分離ローラ31(リバースモー
タ64)が停止される(ステップS12)。しかる後、
全てのモータが停止して取出し動作が終了される。
アーム59の位置検出(分離ローラ31の直径検出)を
行ない、位置(直径)が変化していなければ次の紙幣取
出ステップに進む。位置(直径)が変化していれば、検
出位置(直径)に応じてあらかじめ設定してあるモータ
64の駆動電流値に変更してから、次の紙幣取出ステッ
プに進むものである。
を1枚取出すごとに行なう必要はなく、あらかじめ設定
された所定枚数取出すごとに行なうようにしてもよい。
その場合、紙幣取出動作は図10に示すフローチャート
のようになる。図10のフローチャートは、図9フロー
チャートに対しステップS8とS9との間にステップS
13〜S15の処理が追加された点が異なり、その他は
図9と同様である。以下、ステップS13〜S15の処
理について説明する。
カウントする計数手段としての枚数カウンタ(図示しな
い)を「+1」する。ステップS14では、枚数カウン
タのカウント値があらかじめ設定された所定値になった
か否かを判定し、所定値になっていなければステップS
10に進み、所定値になっていればステップS15に進
む。ステップS15では、枚数カウンタを「0」にクリ
アした後、ステップS9に進む。このような動作によ
り、揺動アーム59の位置(分離ローラ31の直径)
を、紙幣をあらかじめ設定された所定枚数取出すごとに
検出することができる。
態によれば、摩耗などにより分離ローラ31の直径が変
化しても、長期間にわたって紙幣Pを安定して確実に1
枚ずつ取出すことができる。すなわち、前述したよう
に、逆転ローラ31の偏磨耗を防止することができて
も、逆転ローラ31の磨耗をなくすことはできないため
に、磨耗が進行するにつれて逆転ローラ31の直径は小
さくなる。図8(a)〜(d)に、分離ローラ31の直
径が小さくなったときの各ローラのレイアウトを示す。
図7に比較して、分離ローラ31の直径が減少した分、
揺動レバー59は支点60を中心に傾斜する。
少した分、取出ローラ30と分離ローラ31との接触圧
力が減少する。また、分離ローラ31に発生するトルク
は、タイミングベルト63bを介して接続されるリバー
スモータ64のトルクによって与えられている。したが
って、分離ローラ31が取出ローラ30と接触している
点における逆転方向の接線力F1は、 F1=Te/a となる。ここに、Tはリバースモータ64のトルク、e
はタイミングプーリ63cのピッチ半径、aは分離ロー
ラ31のピッチ半径を示す。
と、分離ローラ31の直径が小さくなる。すなわち、接
線力F1は大きくなる。つまり、新品ローラで最適に設
定された値に対して、取出ローラ30と分離ローラ31
との接触圧は減少し、分離ローラ31の接線力は増加す
る。この分離条件の変化により、分離原理を説明した図
6の状態では、本来分離ローラ31は図4で示すよう
に、紙幣Pが搬送される方向に連れまわるはずが、連れ
まわる回数が減少していき、やがて連れまわることがで
きなくなり、逆転と停止を繰り返す動作となる。これ
は、紙幣P1が繰り出されるとき、分離ローラ31とす
べり摩擦が発生する回数が増加し、分離ローラ31の磨
耗が加速度的に進行することになる。
出ローラ30との接触圧が減少し、接線力F1は増大し
ていくということは、分離原理を説明した図4で示す状
態において、分離ローラ31が連れ回りにくくなってい
くことになる。これは、紙幣Pの繰り出しが遅れ、紙幣
間のピッチが広がるという現象となり、単位時間におけ
る処理枚数が減少する。やがて、連れ回り不可能な状態
まで接線力F1が増大してしまうと、取出し不能とな
る。
の直径の変化を揺動アーム59および検出器91,92
を介して複数段階の分解能で検出して、それに対応した
新品での分離条件と同じ接線力F1が得られるように、
リバースモータ64の駆動電流値、すなわち、分離ロー
ラ31に与える逆転トルクをあらかじめ定められたテー
ブルデータから与えることで、長期間にわたって安定し
て確実に1枚ずつ取出すことが可能となるものである。
ームの位置を検出する検出器を2個用いた場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、検
出器の数を増やすことで、分離ローラの直径変化の検出
分解能をより細かくすることができる。分解能が上がる
ほど、リバースモータの駆動電流値を細かく設定できる
ため、分離状態をより安定させることができる。
ち、分離ローラの直径変化限界(摩耗限界)を検出した
ら、操作部に警告を発するようにすることで、分離ロー
ラの交換時期をオペレータに知らせることができる。
る。なお、第1の実施の形態と同一部分については図示
および説明は省略し、異なる部分についてだけ図示して
説明する。図11は、第2の実施の形態に係る紙葉類取
出装置としての紙幣取出装置の構成を示すものである。
この紙幣取出装置は、前述した第1の実施の形態と同
様、ピックアップローラ5,5、分離部32および搬送
部37によって構成され、これらピックアップローラ
5,5、分離部32および搬送部37は上下方向に沿っ
て配設されている。
え、これら取出ローラ30,30には、分離ローラ(逆
転ローラ)31,31が押し付けられている。搬送部3
7は、取出ローラ30,30の下方部に位置して、搬送
ローラとしてのドライブローラ34,34を備え、この
ドライブローラ34,34には、同じく搬送ローラとし
てのピンチローラ35,35が転接されている。ドライ
ブローラ34,34とピンチローラ35,35とによ
り、紙幣Pが引き抜かれて搬送される。ピックアップロ
ーラ5、取出ローラ30、分離ローラ31、ドライブロ
ーラ34およびピンチローラ35は、左右に1個ずつ配
設され、紙幣Pを短手方向に沿って取出すようになって
いる。
で形成され、ワンウェイクラッチ30aを介して軸36
に取り付けられている。取出ローラ30は、紙幣Pの取
出方向に自由に回転でき、紙幣Pがドライブローラ34
およびピンチローラ35で引き抜かれるときに抵抗を減
らすように工夫されている。軸36は、軸受け38を介
してフレーム39に取り付けられている。軸36の一端
部には、プーリ40a、タイミングベルト40bおよび
プーリ40cを介して取出モータ41が接続されてい
る。
ラッチ30aを取出ローラ30に設けたが、取出ローラ
30を軸36に固定して、ワンウェイクラッチ30aを
タイミングプーリ40aに設け、軸36とプーリ40a
との間で回転できるようにしてもよい。
45a、タイミングベルト45b、プーリ45cを介し
て軸46に接続されている。軸46の両端部は、フレー
ム39,39に支持されている。軸46の一端部には、
プーリ48a、タイミングベルト48b、プーリ48c
を介してピックアップモータ49が接続されている。軸
43はブラケット51に回転自在に取り付けられ、ブラ
ケット51は軸52を介してブラケット53に取り付け
られている。
ム39,39に取り付けられ、左右に回動できるように
なっている。ブラケット51とステイ55との問には、
圧縮スプリング56が設けられている。これにより、左
右にあるピックアップローラ5,5は、僅かに前後左右
に位置を変えて紙幣Pに対して左右均一の押し付け力が
発生するように工夫されている。
紙幣Pに対する摩擦係数が紙幣P間の摩擦係数より高い
ものが使用されている。分離ローラ31は、軸58を介
して揺動アーム59の上端部に回転可能に取り付けら
れ、揺動アーム59の中途部は、支持部としての軸60
(図示しない)により回動可能に支持されている。揺動
アーム59は、スプリング62(図示しない)により付
勢され、分離ローラ31を取出ローラ30に押圧させて
いる。
a、タイミングベルト63b、プーリ63cを介してリ
バースモータ64の駆動軸64aが連結されている。こ
れにより、リバースモータ64は、分離ローラ31を紙
幣Pの取出し方向に対して逆方向に回転させるようにな
っている。後述するように、分離ローラ31は取出ロー
ラ30に連れ回って取出方向に回転するが、逆転トルク
は常に逆転方向にかかっていて、紙幣Pに対して分離力
を発生する。リバースモータ64の駆動軸64aには、
当該駆動軸64a(回転軸)の回転数(つまり、分離ロ
ーラ31の回転数)を検出する回転数検出手段としての
エンコーダ65が装着されている。
ミングプーリ63aと、リバースモータ64の駆動軸6
4aに取り付けられたタイミングプーリ63cのピッチ
径は同じになっている。また、リバースモータ64は、
その駆動軸64aの軸心上に揺動アーム59の軸60の
軸心が位置するようにステイ67に固定されている。ド
ライブローラ34は、軸69を介してフレーム39,3
9に支持されている。軸69は、プーリ70a、タイミ
ングベルト70b、プーリ70cを介して搬送モータ7
1に接続されている。ピンチローラ35は、軸73に回
転自在に支持されている。軸73の両端部は、フレーム
39,39の水平長孔39aに支持され、スプリング7
4によって付勢されている。この付勢により、ピンチロ
ーラ35はドライブローラ34に押圧されて搬送力を発
生する。
の間には、取出ローラ30および分離ローラ31から送
出される紙幣Pを検知する検知手段としての第1の検知
器76が設けられている。搬送ローラ34,35の搬出
側近傍には、搬送ローラ34,35から送り出される紙
幣Pを検知する第2の検知手段としての第2の検知器7
7が設けられている。第1、第2の検知器76,77
は、たとえば、光透過形の光センサであり、それぞれブ
ラケット79に取り付けられている。さらに、紙幣供給
部2のピックアップローラ5の近傍には、紙幣供給部2
内に紙幣Pが存在するか否かを検知するための光学的な
第3の検知器75が設けられている。
ローラ30と分離ローラ31との接触部とドライブロー
ラ34とピンチローラ35との接触部の間の搬送路を通
過し、第2の検知器77の光軸は、ドライブローラ34
とピンチローラ35との接触部の直後の搬送路を通過す
るようになっている。
9、搬送モータ71には、それぞれドライバー81,8
2,83が接続されている。ドライバー81,82,8
3は、それぞれコントローラ85に接続されている。な
お、取出モータ41、ピックアップモータ49は間欠駆
動制御が必要とされ、そのためパルスモータが用いられ
ている。
ー89a,89bがそれぞれ接続されている。ドライバ
ー89a,89bは、それぞれ制御手段としてのコント
ローラ85に接続されている。リバースモータ64は、
駆動電流制御可能な直流モータで、駆動電流値の設定に
よって所要の発生トルクが得られるようになっている。
第1および第2の検知器76,77には駆動アンプ90
が接続され、紙幣Pの通過を検出してその情報をコント
ローラ85に送るようになっている。
理は前述した第1の実施の形態と同様であるので、説明
は省略する。
ダ65の詳細と各ローラのレイアウトを示すものであ
る。分離ローラ31は、前述したように、軸58を介し
て揺動アーム59の上端部に回転可能に取り付けられて
いるとともに、揺動アーム59の中途部は、分離ローラ
31の回転軸中心と同一直線上に位置する支持部として
の軸60により回動可能に支持されている。そして、揺
動アーム59は、スプリング62により付勢されること
により、分離ローラ31を取出ローラ30に押圧させて
いる。
0と同軸上にあるリバースモータ64の駆動軸64aに
取付けられている。すなわち、エンコーダ65は、リバ
ースモータ64の駆動軸64aに固定された円板状のス
リット板95、および、スリット板95の外周部に一定
間隔で設けられた多数のスリット孔95aを光学的に検
出する検出器96から構成されている。
で、リバースモータ64の駆動軸64aの回転数を検出
することができる。図2で示したように、分離ローラ3
1の軸58とリバースモータ64の駆動軸64aとはプ
ーリ63a、タイミングベルト63b、プーリ63cを
介して連結されているから、駆動軸64aの回転数を検
出することは、すなわち、分離ローラ31の軸58の回
転数を検出することである。
おいて、取出ローラ30と分離ローラ31との間に紙葉
類Pが1枚介在しており、分離ローラ31は搬送方向に
連れ回りしている。このとき、紙葉類Pの取出される速
度をV[m/s]、分離ローラ31の半径をr[m
m]、分離ローラ31の回転数をN[rpm]としたと
き、取出速度Vは下記数1で表わされる。
少する。取出速度Vは一定なので、連れ回りしている分
離ローラ31の回転数Nは増加する。すなわち、分離ロ
ーラ31の直径が変化すると分離ローラ31の回転数が
変化することになる。
化を検出することで、分離ローラ31の直径の変化を検
出することができる。そして、後で詳細を説明するが、
分離ローラ31の直径のそれぞれの段階における最適な
モータ64の駆動電流値をあらかじめ決めてテーブルを
作成しておき、検出器96の検出結果に対応してテーブ
ルから最適な駆動電流値を指示することで、分離ローラ
31の直径が変化しても最適分離条件を維持することが
できる。すなわち、分離ローラ31が磨耗しても、分離
ローラ31の逆転トルクを変化させることで、長期間に
わたって安定して確実に1枚ずつ紙葉類を取出すことが
可能となる。
出動作について図13に示すフローチャートを参照して
説明する。紙幣Pの取出しが開始されると、第3の検知
器75の出力信号に基づき、紙幣供給部2に取出すべき
紙幣Pが存在するか否かが判別される(ステップS
1)。この判別の結果、紙幣Pが存在する場合、分離ロ
ーラ31がリバースモータ64によって逆方向に回転駆
動される(ステップS2)。このとき、取出ローラ30
は停止しているので、取出ローラ30から受ける抵抗力
で分離ローラ31が回転することはない。しかる後、取
出モータ41とピックアップモータ49が回転駆動され
(ステップS3)、紙幣Pの取出しが開始される。
枚目の紙幣Pの先端部が取出ローラ30を過ぎて、第2
の検知器77で検知されたか否かを判別し(ステップS
4)、第2の検知器77が1枚目の紙幣Pの先端部を検
知すると、エンコーダ65を構成する検出器96の出力
信号に基づき分離ローラ31の回転数を検出する(ステ
ップS16)。この検出した回転数は図示しないメモリ
に記憶される。
1とピックアップモータ49の動作を停止する(ステッ
プS5)。このとき、取出ローラ30は、ワンウェイク
ラッチ30aを内蔵しているため、取出モータ41が停
止しても、搬送ローラ34で搬送される紙幣Pに連れ回
り、1枚目の紙幣Pに抵抗を与えるようなことはない。
1枚目の紙幣Pの先端が、第2の検知器77に到達した
後、紙幣Pの後端がピックアップローラ5から外れる。
端がまだピックアップローラ5にかかっている場合は、
1枚目の紙幣Pに抵抗になって作用する。しかし、搬送
ローラ34とピンチローラ35との押圧力は、ピックア
ップローラ5における紙幣Pへの押圧力よりも大きく設
定されているので、紙幣Pは、ピックアップローラ5に
対して滑って搬送される。1枚目の紙幣Pがピックアッ
プローラ5から外れて、2枚目の紙幣がピックアップロ
ーラ5に接触すると、ピックアップローラ5は、2枚目
に対してブレーキとして働き、紙幣Pの連れ出しが防止
される。
枚目の紙幣Pの後端が第2の検知器77で検知されたか
否かを判別し(ステップS6)、第2の検知器77が1
枚目の紙幣Pの後端部を検知すると、取出モータ41を
逆回転駆動する(ステップS7)。このとき、取出ロー
ラ30は、ワンウェイクラッチ30aを介して軸36に
取り付けられているために、逆転している分離ローラ3
1との摩擦力によって逆転する。すなわち、取出ローラ
30および分離ローラ31は、ともに逆回転される。
タ41の駆動を制御して、取出ローラ30を所定角度、
すなわち、360度を割り切れない角度、たとえば、7
度だけ回転させる。この取出ローラ30の回転に伴っ
て、分離ローラ31は同様に所定角度だけ回転される。
角度だけ分離ローラ31を回転させることにより、分離
ローラ31の偏磨耗を防止することができ、長期間にわ
たって安定した分離動作を行なうことが可能となる。コ
ントローラ85は、取出モータ41の駆動を制御して取
出ローラ30を所定角度だけ回転させた後、取出モータ
41の駆動を停止する(ステップS8)。
6で検出した今回の分離ローラ31の回転数と、図示し
ないメモリに記憶されている前回検出した分離ローラ3
1の回転数とを比較することにより、分離ローラ31の
回転数に変化があるか否かを判別する(ステップS
9)。この判別の結果、分離ローラ31の回転数に変化
がなければステップS10に進み、回転数に変化があれ
ばリバースモータ64の駆動電流値を最適値に変更して
(ステップS11)、ステップS10に進む。なお、ス
テップS11におけるリバースモータ64の駆動電流値
の変更方法は、前述した第1の実施の形態と同様でよ
い。
85は、第3の検知器75の出力信号に基づき、紙幣P
が紙幣供給部2にあるか否かを判別する。この判別の結
果、紙幣Pがあると判別された場合、ステップS3に戻
って、2枚目の紙幣Pの取出しに入る。また、紙幣Pが
ないと判別された場合、分離ローラ31(リバースモー
タ64)が停止される(ステップS12)。しかる後、
全てのモータが停止して取出し動作が終了される。
離ローラ31の回転数検出(分離ローラ31の直径検
出)を行ない、回転数(直径)が変化していなければ次
の紙幣取出ステップに進む。分離ローラ31の回転数が
変化していれば、回転数に応じてあらかじめ設定してあ
るリバースモータ64の駆動電流値に変更してから、次
の紙幣取出ステップに進むものである。
幣Pを1枚取出すごとに行なう必要はなく、あらかじめ
設定された所定枚数取出すごとに行なうようにしてもよ
い。その場合、紙幣取出動作は図14に示すフローチャ
ートのようになる。図14のフローチャートは、図13
フローチャートに対しステップS8とS9との間にステ
ップS13〜S15の処理が追加された点が異なり、そ
の他は図13と同様である。以下、ステップS13〜S
15の処理について説明する。
カウントする計数手段としての枚数カウンタ(図示しな
い)を「+1」する。ステップS14では、枚数カウン
タのカウント値があらかじめ設定された所定値になった
か否かを判定し、所定値になっていなければステップS
10に進み、所定値になっていればステップS15に進
む。ステップS15では、枚数カウンタを「0」にクリ
アした後、ステップS9に進む。このような動作によ
り、分離ローラ31の回転数(分離ローラ31の直径)
を、紙幣Pをあらかじめ設定された所定枚数取出すごと
に検出することができる。
態によれば、摩耗などにより分離ローラ31の直径が変
化しても、長期間にわたって紙幣Pを安定して確実に1
枚ずつ取出すことができる。すなわち、前述したよう
に、逆転ローラ31の偏磨耗を防止することができて
も、逆転ローラ31の磨耗をなくすことはできないため
に、磨耗が進行するにつれて逆転ローラ31の直径は小
さくなる。図15(a)〜(d)に、分離ローラ31の
直径が小さくなったときの各ローラのレイアウトを示
す。図12に比較して、分離ローラ31の直径が減少し
た分、分離ローラ31の回転数は大きくなる。
少した分、取出ローラ30と分離ローラ31との接触圧
力が減少する。また、分離ローラ31に発生するトルク
は、タイミングベルト63bを介して接続されるリバー
スモータ64のトルクによって与えられている。したが
って、分離ローラ31が取出ローラ30と接触している
点における逆転方向の接線力F1は、 F1=Te/a となる。ここに、Tはリバースモータ64のトルク、e
はタイミングプーリ63cのピッチ半径、aは分離ロー
ラ31のピッチ半径を示す。
と、分離ローラ31の直径が小さくなる。すなわち、接
線力F1は大きくなる。つまり、新品ローラで最適に設
定された値に対して、取出ローラ30と分離ローラ31
との接触圧は減少し、分離ローラ31の接線力は増加す
る。この分離条件の変化により、分離原理を説明した図
6の状態では、本来分離ローラ31は図4で示すよう
に、紙幣Pが搬送される方向に連れまわるはずが、連れ
まわる回数が減少していき、やがて連れまわることがで
きなくなり、逆転と停止を繰り返す動作となる。これ
は、紙幣P1が繰り出されるとき、分離ローラ31とす
べり摩擦が発生する回数が増加し、分離ローラ31の磨
耗が加速度的に進行することになる。
出ローラ30との接触圧が減少し、接線力F1は増大し
ていくということは、分離原理を説明した図4で示す状
態において、分離ローラ31が連れ回りにくくなってい
くことになる。これは、紙幣Pの繰り出しが遅れ、紙幣
間のピッチが広がるという現象となり、単位時間におけ
る処理枚数が減少する。やがて、連れ回り不可能な状態
まで接線力F1が増大してしまうと、取出し不能とな
る。
の回転数をエンコーダ65で検出することで、分離ロー
ラ31の直径の変化を複数段階の分解能で検出して、そ
れに対応した新品での分離条件と同じ接線力F1が得ら
れるように、リバースモータ64の駆動電流値、すなわ
ち、分離ローラ31に与える逆転トルクをあらかじめ定
められたテーブルデータから与えることで、長期間にわ
たって安定して確実に1枚ずつ取出すことが可能となる
ものである。
板95のスリット孔95aの数を増やすことで、分離ロ
ーラ31の回転数変化の検出分解能をより細かくするこ
とができる。分解能が上がるほど、リバースモータ64
の駆動電流値を細かく設定できるため、分離状態をより
安定させることができる。
なわち、分離ローラ31の直径変化限界(摩耗限界)を
検出したら、操作部に警告を発するようにすることで、
分離ローラ31の交換時期をオペレータに知らせること
ができる。
スモータ64の駆動軸64aの回転数をエンコーダ65
で検出することで、分離ローラ31の回転数を検出する
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のでなく、分離ローラ31の回転数をエンコーダ65で
直接検出する場合にも同様に適用できる。その場合、た
とえば、分離ローラ31の軸58にエンコーダ65を装
着すればよい。
耗などにより分離ローラの直径が変化しても、長期間に
わたって紙葉類を安定して確実に1枚ずつ取出すことが
できる紙葉類取出装置を提供できる。
的に示す内部構成図。
詳細に示す斜視図。
ラの回転状態を示す図。
り込まれた状態を示す図。
り込まれた状態を示す図。
紙幣が分離された状態を示す図。
揺動アームの詳細と各ローラおよび検知器類の配置構成
を示す側面図。
化に対する各ローラのレイアウトと揺動アームの位置を
示す側面図。
るフローチャート。
例を説明するフローチャート。
を詳細に示す斜視図。
るエンコーダの詳細と各ローラの配置構成を示す側面
図。
するフローチャート。
例を説明するフローチャート。
変化状態を示す側面図。
部)、5…ピックアップローラ(送出ローラ)、30…
取出ローラ、31…分離ローラ、34…ドライブローラ
(搬送ローラ)、35…ピンチローラ(搬送ローラ)、
59…揺動アーム、59a…スリット部、S1,S2…
スリット孔(検出手段)、60…支持部、62…スプリ
ング、64…リバースモータ、65…エンコーダ(回転
数検出手段)、85…コントローラ(制御手段)、9
1,92…検出器(検出手段)、95…検出器、96…
スリット板、96a…スリット孔。
Claims (12)
- 【請求項1】 紙葉類を送り出す送出ローラと、 この送出ローラにより送り出された前記紙葉類を回転す
ることにより取出す取出ローラと、 この取出ローラに圧接され、前記紙葉類の取出方向と逆
方向の回転トルクを付与することにより前記紙葉類を1
枚ずつ分離する分離ローラと、 この分離ローラを支持していて、当該分離ローラの直径
の変化に応じて揺動する揺動アームと、 この揺動アームの位置を検出する検出手段と、 この検出手段の検出結果に応じて前記分離ローラに付与
する前記回転トルクを制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とする紙葉類取出装置。 - 【請求項2】 前記検出手段は、前記揺動アームの位置
を複数段階の分解能で検出し、 前記制御手段は、前記検出手段が検出した前記揺動アー
ムの複数段階の位置に応じて前記分離ローラに付与する
前記回転トルクを複数段階に制御することを特徴とする
請求項1記載の紙葉類取出装置。 - 【請求項3】 前記分離ローラに前記紙葉類の取出方向
と逆方向の回転トルクを付与するモータを有し、 前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記
モータの駆動電流を可変することにより、前記分離ロー
ラに付与する前記回転トルクを制御することを特徴とす
る請求項1または請求項2記載の紙葉類取出装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、前記分離ローラの直径
に対する最適な前記モータの駆動電流値を格納したテー
ブルを備えていて、前記検出手段の検出結果に応じて、
その検出結果に対応する前記分離ローラの直径に対する
前記モータの駆動電流値を前記テーブルから取出し、こ
の取出した駆動電流値を前記モータの駆動電流値として
設定することを特徴とする請求項3記載の紙葉類取出装
置。 - 【請求項5】 前記取出ローラにより取出された前記紙
葉類を計数する計数手段を有し、 前記検出手段は、前記計数手段の計数値があらかじめ定
められた所定値に達するごとに前記揺動アームの位置を
検出することを特徴とする請求項1または請求項2記載
の紙葉類取出装置。 - 【請求項6】 前記検出手段が前記揺動アームの揺動限
界位置を検出したとき、前記分離ローラの交換時期をオ
ペレータに報知する報知手段を有することを特徴とする
請求項1記載の紙葉類取出装置。 - 【請求項7】 紙葉類を送り出す送出ローラと、 この送出ローラにより送り出された前記紙葉類を回転す
ることにより取出す取出ローラと、 この取出ローラに圧接され、前記紙葉類の取出方向と逆
方向の回転トルクを付与することにより前記紙葉類を1
枚ずつ分離する分離ローラと、 この分離ローラの回転数を検出する回転数検出手段と、 この回転数検出手段の検出結果に応じて前記分離ローラ
に付与する前記回転トルクを制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とする紙葉類取出装置。 - 【請求項8】 前記制御手段は、前記回転数検出手段が
検出した前記分離ローラの回転数に応じて前記分離ロー
ラに付与する前記回転トルクを複数段階に制御すること
を特徴とする請求項7記載の紙葉類取出装置。 - 【請求項9】 前記分離ローラに前記紙葉類の取出方向
と逆方向の回転トルクを付与するモータを有し、 前記制御手段は、前記回転数検出手段の検出結果に応じ
て前記モータの駆動電流を可変することにより、前記分
離ローラに付与する前記回転トルクを制御することを特
徴とする請求項7または請求項8記載の紙葉類取出装
置。 - 【請求項10】 前記制御手段は、前記分離ローラの回
転数に対する最適な前記モータの駆動電流値を格納した
テーブルを備えていて、前記回転数検出手段の検出結果
に応じて、その検出結果に対応する前記分離ローラの回
転数に対する前記モータの駆動電流値を前記テーブルか
ら取出し、この取出した駆動電流値を前記モータの駆動
電流値として設定することを特徴とする請求項9記載の
紙葉類取出装置。 - 【請求項11】 前記取出ローラにより取出された前記
紙葉類を計数する計数手段を有し、 前記回転数検出手段は、前記計数手段の計数値があらか
じめ定められた所定値に達するごとに前記分離ローラの
回転数を検出することを特徴とする請求項7または請求
項8記載の紙葉類取出装置。 - 【請求項12】 前記回転数検出手段が前記分離ローラ
の回転数限界を検出したとき、前記分離ローラの交換時
期をオペレータに報知する報知手段を有することを特徴
とする請求項7記載の紙葉類取出装置。
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