JP2003267571A - 紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法 - Google Patents

紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法

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JP2003267571A
JP2003267571A JP2002067505A JP2002067505A JP2003267571A JP 2003267571 A JP2003267571 A JP 2003267571A JP 2002067505 A JP2002067505 A JP 2002067505A JP 2002067505 A JP2002067505 A JP 2002067505A JP 2003267571 A JP2003267571 A JP 2003267571A
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take
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separation
separation roller
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Takeshi Aoki
毅 青木
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性が高く、処理効率を向上することが可能
な紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】分離部32は、紙幣Pを送り出すピックア
ップローラ5と、このピックアップローラ5により送り
出された紙幣Pを回転することにより取り出す取出ロー
ラ30と、この取出ローラ30に圧接され紙幣Pの取出
方向と逆方向の逆転トルクが付与されることにより紙幣
Pを1枚ずつ分離する分離ローラ31とを具備してい
る。分離ローラ31は、揺動レバー59の揺動端に配置
されている。揺動レバー59の支点60において、揺動
レバー59の回転角を検知する回転角センサ201が設
けられている。この回転角センサ201からの出力信号
に基づいて、回転角がしきい値を超えた場合には、各ロ
ーラの駆動を停止するよう制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紙葉類取出装置
及び紙葉類取出方法に係り、特に、積層された紙幣等の
紙葉類を1枚ずつ分離して取り出す紙葉類取出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の紙葉類取出装置としては、例え
ば、ゴムローラの摩擦力で紙葉類を取り出す摩擦式のも
のが知られている。この紙葉類取出装置においては、紙
葉類を確実に分離して取り出すことができ、かつ、スキ
ューすることなく取り出せることが求められている。ま
た、紙葉類の厚さや摩擦係数の影響を受けにくい安定し
た取り出しを可能とし、さらに、紙幣等の場合にはその
種類や、サイズの違いの影響を受けないものが望まれて
いる。一方、紙葉類取出装置の処理能力の観点から、単
位時間内で多数枚の紙葉類の取り出しを可能とするもの
が望まれている。
【0003】ところで、紙葉類の取出方式には、分離部
の構造からゲートローラ方式のもの、或いは圧接ローラ
方式のものがあり、一般に前者が多用されている。ゲー
トローラ方式の取出装置は、取出ローラを備え、この取
出ローラに対向してゲートローラが設けられている。取
出ローラとゲートローラとは、櫛歯状に入れ子状をな
し、両者間には立体的なギャップが形成されている。
【0004】紙葉類は、積層状態で供給部に投入されて
送出ローラであるピックアップローラに押し付けられる
ことにより送り出される。この送り出された紙葉類は、
取出ローラとゲートローラとの間のギャップに通されて
ゲートローラの摩擦力により、順次分離されて取り出さ
れる。取出ローラの周面には、部分的にゴム部が設けら
れ、1回転で一枚ずつ紙葉類を取り出す。ピックアップ
ローラの周面は、全面ゴムで形成され、1枚ずつ必要な
量だけ間欠駆動する。
【0005】また、取出ローラの取出方向には、ドライ
ブローラが設けられ、このドライブローラには、ピンチ
ローラが当接されている。取出ローラにより取り出され
た紙葉類は、ドライブローラとピンチローラとにより挟
持搬送される。ドライブローラ及びピンチローラは、紙
葉類の取出中においては常時所定の速度で回転してい
る。
【0006】しかしながら、ゲートローラ方式のもの
は、ギャップによって生じる摩擦力で紙葉類を分離する
構造のため、紙葉類の厚さの影響を受けやすい。すなわ
ち、紙葉類の厚さに対して最適なギャップが存在する
が、このギャップより厚い紙葉類や薄い紙葉類では分離
不良を生じ易い。これは、厚い紙葉類と薄い紙葉類とで
は取出ローラと分離ローラとの間で発生する紙葉類に対
する押付力が異なるためで、通常、ギャップが広すぎる
と分離力が低下して2枚取りが発生し易い。逆に、ギャ
ップが狭いと、通過抵抗が増すため、ピックアップロー
ラで紙葉類を送り込めなくなり、スキップして取り出し
不良が発生する。
【0007】また、取り出された紙葉類の搬送速度は、
紙葉類の取出速度と等しいか、若しくは速くすることが
多い。このため、ギャップを通過中の紙葉類をドライブ
ローラとピンチローラとで引き抜くときに、ギャップが
小さいと抵抗が大きくなって紙葉類の停滞やスキュー等
の取り出し不良の原因になる。
【0008】さらに、紙幣のように印刷による厚さの分
布があるものでは、その左右で抵抗の差が生じスキュー
が発生し易い。また、ゲートローラは、常に紙葉類と滑
っているので摩耗し易く、摩耗すればギャップが広が
る。ギャップは、調整式になっているが、常に調整など
で最適な値に保つようにしなければならず、手間取るも
のとなる。
【0009】このような問題を解決するために、圧接ロ
ーラ方式のものが開発されている。この圧接ローラ方式
のものは、取出ローラと、この取出ローラに圧接された
分離ローラとによって構成されている。分離ローラは、
支点を中心にして揺動自在に設けられた揺動レバーの揺
動端に取り付けられている。揺動レバーは、分離ローラ
を弾性的に取出ローラに圧接するよう付勢されている。
【0010】これにより、分離ローラは、取出ローラと
の間で紙葉類を挟持した際に、取出ローラに対して任意
の変位量で離間する。この分離ローラには、紙葉類の取
出方向と逆方向の逆回転トルクが付与されている。これ
により、挟持された紙葉類が1枚ずつ分離され、取り出
される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た圧接ローラ方式では、1枚ごとに分離できずに複数枚
を取り出してしまった場合や、ステイプルによって複数
枚を束ねた紙葉類の束を誤って供給部にセットしてしま
った場合などには、これらの紙葉類は、通常通り、取出
ローラと分離ローラとの間から取り出されてしまう。
【0012】このため、後段の処理において、紙葉類が
詰まるといったジャムなどの搬送不良を発生するおそれ
がある。また、搬送経路上に配置されたセンサなどの精
密部品に対して再生困難な損傷を与えてしまうおそれが
ある。この結果、信頼性の低下を招くとともに、紙葉類
の処理効率が著しく低下するといった不具合が生じる。
【0013】そこで、この発明は、上述した課題に鑑み
なされたものであって、信頼性が高く、処理効率を向上
することが可能な紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の様態に
よる紙葉類取出装置は、紙葉類を取り出す取出ローラ
と、前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ロ
ーラと、前記取出ローラから離間した前記分離ローラの
変位量が所定のしきい値を超えたのに基づいて前記各ロ
ーラの駆動を停止する制御手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0015】この発明の第2の様態による紙葉類取出方
法は、取出ローラにより紙葉類を取り出し、前記取出ロ
ーラに圧接された分離ローラにより紙葉類を分離し、前
記取出ローラから離間した前記分離ローラの変位量が所
定のしきい値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆動
を停止する、ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
係る紙葉類取出装置及び紙葉類取出方法について図面を
参照して詳細に説明する。図1に示すように、この実施
の形態に係る紙幣分類処理機は、筐体1と、制御ユニッ
ト100とを備えて構成されている。制御ユニット10
0は、係員操作に基づいて筐体1における各部の動作を
制御するものである。
【0017】この筐体1の一側中央部には、テーブル部
1Aが設けられている。このテーブル部1Aには、紙幣
供給部2が設けられている。この紙幣供給部2には、紙
葉類の有無に基づいた出力信号を出力する紙幣検知セン
サSが設けられている。このような紙幣供給部2には、
紙葉類としての紙幣Pが立位状態で複数枚収容されてい
る。
【0018】この紙幣Pは、バネ3で付勢されたバック
アップ板4によって送出ローラとしてのピックアップロ
ーラ5に押し付けられている。この紙幣Pは、ピックア
ップローラ5の回転により下方部に配設された、後で詳
述する紙葉類取出装置を構成する分離部32及び搬送部
37(図2に示す)に送り出される。搬送部37から搬
出された紙幣Pは、ベルト6とローラ7とにより構成さ
れるクランプ式の搬送機構Hにより搬送される。
【0019】この搬送機構Hには、取り出された紙幣P
のシフトとスキューを自動補正する姿勢補正装置8が設
けられている。搬送手段Hの紙幣搬送方向下流側には、
判別部9が設けられている。この判別部9は、ローラ対
10で搬送される紙幣Pの面から各種情報を読み取り、
それを論理演算し、基準になる情報と比較することによ
って、汚れや、破損の有無、金額、天地及び表裏の4方
向を判別するものである。
【0020】判別部9の紙幣搬送方向下流側には、第1
の分岐装置11が設けられている。第1の分岐装置11
は、判別部9の判定によって2枚取りや、一定以上の大
スキーの紙幣等、正紙幣Pと判定されなかったものをリ
ジェクト箱12に導き、正紙幣Pと判定されたものを第
2の分岐装置13に導くものである。
【0021】第2の分岐装置13は、紙幣Pの搬送方向
を第1及び第2の方向に分けるものである。第1の方向
には、左右反転パス14が設けられている。この左右反
転パス14は、紙幣Pを左右180度反転するヒネリベ
ルト15を有している。第2の方向には、単なるベルト
搬送部16が設けられ、紙幣Pをそのままの状態で搬送
する。第1及び第2の方向に分岐されて搬送された紙幣
Pは、合流部17で合流する。この合流部17までの経
路長は、等しくされ、紙幣合流後の間隔がズレないよう
に構成されている。
【0022】合流部17の紙幣搬送方向下流側には、第
3の分岐装置18が設けられている。この第3の分岐装
置18により、紙幣Pの搬送方向が第3及び第4の方向
に分岐される。第3の方向には、スイッチバックパス部
19が設けられている。スイッチバックパス部19に
は、紙幣Pを導入させる反転箱20、及び、この反転箱
20に導かれた紙幣Pの後端を反転ローラ21aに押し
付けるタタキ車21が設けられている。紙幣Pは、反転
箱20から送り出されることにより、その天地が反転さ
れて搬送される。
【0023】第4の方向には、単なるベルト搬送部22
が設けられ、紙幣Pは、そのままの姿勢を維持して搬送
される。第3及び第4の方向に分岐されて搬送された紙
幣Pは、合流部23で合流する。この合流部23までの
分岐パスの経路長は、等しくされ、合流後の間隔がズレ
ないように構成されている。
【0024】合流部23の紙幣搬送方向下流側には、水
平搬送路24が設けられている。この水平搬送路24に
は、区分すべき部分の数より一つ少ない数の分岐装置2
5a〜25dが配設されている。これら分岐装置25a
〜25dの下方部には、集積部として第1乃至第4の種
類別ポケット部26a〜26dが配設され、これら種類
別ポケット部26a〜26dに紙幣Pが水平状態に積み
重ねて集積されるように構成されている。
【0025】第1の分岐装置25aの下方部には、10
0枚施封装置27が設けられている。100枚施封装置
27は、紙幣Pを100枚づつ集積して区分する集積部
28と、この集積部28から紙幣Pを搬送する搬送部2
8aと、この搬送部28aにより搬送されてくる紙幣P
を紙帯29aで結束する帯巻部29と、を有している。
【0026】制御ユニット100は、CPU101と、
メモリ部103と、表示部105と、入力部107とを
備えて構成されている。すなわち、CPU101は、各
部の駆動を制御する制御手段として機能する。メモリ部
103は、種々の制御データを記憶している。表示部1
05は、種々の情報を表示して係員に報知する報知手段
として機能する。入力部107は、種々の情報を入力す
るために用いられる。
【0027】図2に示すように、紙葉類取出装置として
の紙幣取出装置は、ピックアップローラ5,5、分離部
32及び搬送部37によって構成されている。これらピ
ックアップローラ5,5、分離部32及び搬送部37
は、上下方向に沿って配設されている。
【0028】分離部32は、取出ローラ30,30を備
えている。これら取出ローラ30,30には、分離ロー
ラ31,31が押し付けられている。搬送部37は、取
出ローラ30,30の下方部に位置してドライブローラ
34,34を備えている。このドライブローラ34,3
4には、ピンチローラ35,35が転接されている。
【0029】ドライブローラ34,34とピンチローラ
35,35とにより、紙幣Pが引き抜かれて搬送方向下
流側に向けて搬送される。ピックアップローラ5、取出
ローラ30、分離ローラ31、ドライブローラ34及び
ピンチローラ35は、左右に1個ずつ配設されており、
紙幣Pを短手方向に沿って取り出すように構成されてい
る。
【0030】分離部32の取出ローラ30の周面は、ゴ
ムで形成されている。取出ローラ30は、ワンウェイク
ラッチ30aを介して軸36に取り付けられている。こ
の取出ローラ30は、紙幣Pの取出方向に自由に回転で
き、紙幣Pがドライブローラ34及びピンチローラ35
で引き抜かれるときに抵抗を減らすように工夫されてい
る。
【0031】軸36は、軸受け38を介してフレーム3
9に取り付けられている。軸36の一端部には、プーリ
40a、タイミングベルト40b及びプーリ40cを介
して取出モータ41が接続されている。なお、この実施
の形態では、ワンウェイクラッチ30aを取出ローラ3
0に設けたが、取出ローラ30を軸36に固定してワン
ウェイクラッチ30aをタイミングプーリ40aに設
け、軸36とプーリ40aの間で回転できるようにして
もよい。
【0032】ピックアップローラ5の軸43は、プーリ
45a、タイミングベルト45b、プーリ45cを介し
て軸46に接続されている。軸46の両端部は、フレー
ム39,39に支持されている。軸46の一端部には、
プーリ48a、タイミングベルト48b、プーリ48c
を介してピックアップモータ49が接続されている。軸
43は、ブラケット51に回転自在に取り付けられてい
る。ブラケット51は、軸52を介してブラケット53
に取り付けられている。
【0033】ブラケット53は、軸46を介してフレー
ム39,39に取り付けられ、左右に回動できるように
構成されている。ブラケット51とステイ55との間に
は、圧縮スプリング56が設けられている。これによ
り、左右にあるピックアップローラ5,5は、僅かに前
後左右に位置を変えて紙幣Pに対して左右均一の押し付
け力が発生するように構成されている。
【0034】分離ローラ31は、全周がゴムで形成さ
れ、紙幣Pに対する摩擦係数が紙幣P間の摩擦係数より
高いものが使用されている。分離ローラ31は、軸58
を介して揺動レバー59の上端部(揺動端)に回転可能
に取り付けられている。
【0035】揺動レバー59は、支点を中心にして揺動
自在に設けられている。すなわち、揺動レバー59は、
その下端部が支点としての軸60に回動可能に支持され
ている。揺動レバー59は、スプリング62により、分
離ローラ31を取出ローラ30に圧接するよう付勢され
ている。
【0036】揺動レバー59の軸60には、分離ローラ
31の変位量を検知する検知手段として機能する回転角
センサ201が設けられている。この回転角センサ20
1は、取出ローラ30と分離ローラ31との間に挟持さ
れた紙幣Pの厚さを検知するのに必要な出力信号、また
は、揺動レバー59の変位角を検知するのに必要な出力
信号を出力する。この回転角センサ201は、例えばポ
テンシオメータを含んで構成されている。
【0037】分離ローラ31の軸58には、プーリ63
a、タイミングベルト63b、プーリ63cを介して駆
動手段として機能するリバースモータ64が接続されて
いる。リバースモータ64には、分離ローラ31を紙幣
Pの取出方向に対して逆方向に回転させるよう逆転トル
クが付与されている。後述するように、分離ローラ31
は、取出ローラ30に連れ回って取出方向に回転する
が、逆転トルクは、常に逆転方向にかかっていて紙幣P
に対して分離力を発生する。
【0038】分離ローラ31の軸58に固定されたタイ
ミングプーリ63aと、リバースモータ64の駆動軸6
4aに取り付けられたタイミングプーリ63cとのピッ
チ径は、同じになっている。また、リバースモータ64
は、その駆動軸64aの軸心上に揺動レバー59の軸6
0の軸心が位置するようにステイ67に固定されてい
る。
【0039】ドライブローラ34は、軸69を介してフ
レーム39,39に揺動されている。軸69は、プーリ
70a、タイミングベルト70b、プーリ70cを介し
て搬送モータ71に接続されている。ピンチローラ35
は、軸73に回転自在に支持されている。軸73の両端
部は、フレーム39,39の水平長孔39aに支持さ
れ、スプリング74によって付勢されている。この付勢
により、ピンチローラ35は、ドライブローラ34に押
圧されて搬送力を発生する。
【0040】取出ローラ30及び分離ローラ31の近傍
には、取出ローラ30及び分離ローラ31から送り出さ
れる紙幣Pを検出する第1の検知センサ76が設けられ
ている。ドライブローラ34及びピンチローラ35の近
傍には、ドライブローラ34及びピンチローラ35から
送り出される紙幣Pを検出する第2の検知センサ77が
設けられている。
【0041】第1及び第2の検知センサ76,77は、
例えば光透過型の光センサによって構成され、ブラケッ
ト79に取り付けられている。第1の検知センサ76の
光軸は、取出ローラ30と分離ローラ31との接触部
と、ドライブローラ34とピンチローラ35との接触部
との間の搬送路を通過する。第2の検知センサ77の光
軸は、ドライブローラ34とピンチローラ35との接触
部の直後の搬送路を通過する。
【0042】取出モータ41、ピックアップモータ4
9、搬送モータ71には、それぞれドライバ81,8
2,83が接続されている。これらのドライバ81,8
2,83は、CPU101に接続されている。なお、取
出モータ41、ピックアップモータ49は、間欠駆動制
御が必要とされ、パルスモータが用いられている。
【0043】左右のリバースモータ64には、ドライバ
89a,89bが接続されている。これらのドライバ8
9a,89bは、CPU101に接続されている。リバ
ースモータ64は、電流制御可能なDCモータであり、
電流の設定によって所要の発生トルクが得られるように
構成されている。
【0044】第1及び第2の検知センサ76,77、及
び、回転角センサ201には、駆動アンプ90が接続さ
れている。これらの第1及び第2の検知センサ76,7
7、及び、回転角センサ201は、紙幣Pの通過を検出
するのに必要な出力信号を出力する。回転角センサ20
1は、分離ローラ31の取出ローラ30からの変位量に
対応した出力信号を出力する。
【0045】駆動アンプ90は、CPU101に接続さ
れ、第1及び第2の検知センサ76,77、及び、回転
角センサ201からの出力信号をCPU101に与える
ように構成されている。図3乃至図6は、分離部32の
模式図であり、分離力の発生原理を示すものである。
【0046】図3は、取出ローラ30と分離ローラ31
との間に紙幣Pがないときを示すものであり、取出ロー
ラ30の回転に伴って分離ローラ31が搬送方向に連れ
回っている。分離ローラ31は、所定の押圧力Hで取出
ローラ30に押し付けられているとともに、リバースモ
ータ64によって逆転トルクTがかけられている。しか
し、取出ローラ30との摩擦力である接線力によるトル
クの方が高いため、リバースモータ64が滑って分離ロ
ーラ31が搬送方向に回転している。
【0047】図4は、取出ローラ30と分離ローラ31
との間に紙幣Pが1枚介在されたときを示すものであ
り、紙幣Pと分離ローラ31との摩擦力で発生する接線
力により、分離ローラ31にかかるトルクよりも逆転ト
ルクTが小さく設定されているため、紙幣Pを介して分
離ローラ31が搬送方向に連れ回りしている。
【0048】図5は、取出ローラ30と分離ローラ31
との間に紙幣Pが2枚に介在されたときを示すものであ
り、紙幣P1,P2の間で生じる摩擦力が小さいため、
リバースモータ64のトルクTの方が勝って搬送方向に
対して逆転し始めている。
【0049】図6は、リバースモータ64の逆転によっ
て2枚目の紙幣P2が引き戻された状態を示す。図6の
状態は、図4の状態とほぼ同じであり、1枚目の紙幣P
1が搬送される。このように、紙幣を2枚取り出そうと
しても、2枚目の紙幣P2が引き戻されて1枚目の紙幣
P1のみが取り出される。実際には、図5及び図6に示
した状態が紙幣Pが1枚取り出される毎に振動的に小刻
みに繰り返され、1枚ずつ分離されて取り出される。
【0050】2枚目の紙幣P2が分離ローラ31から受
ける接線力は、分離力として作用する。この接線力と押
圧力とから分離ローラ31の見かけの摩擦係数は、以下
の通りとなる。(逆転トルク/分離ローラ半径)/分離ロー
ラの押圧力分離ローラ31の押圧力は、スプリング力で
一定なので、逆転トルクを一定に制御することで、逆転
トルクの見かけの摩擦係数を一定に保つことができ、安
定した分離力を与えることができる。
【0051】また、逆転トルクを変えることで、見かけ
上の任意の摩擦係数を設定できる。取出ローラ30、分
離ローラ31は、摩擦係数が紙幣P1,P2間の摩擦係
数より高ければよい。取出ローラ30と分離ローラ31
の摩擦係数が高ければ、送り力や分離力を安定に保つこ
とができる。
【0052】分離ローラ31は、ゲートローラのように
摩擦係数を中程度に保つ必要はなく、材料の選択の幅が
広がる。また、ゲートローラのように常に紙幣Pと滑り
を生じているわけではなく、原理的には紙幣との滑りは
ないので、耐摩耗性について有利である。分離ローラ3
1は、取出ローラ30や紙幣Pに対して実際は滑りを生
じているが、これを考慮して耐久性のよい材料を選択す
ればよい。
【0053】図7及び図8は、紙幣取出装置における各
ローラのレイアウトを示す図である。ピックアップロー
ラ5は、バックアップ4により押圧された紙幣Pに接触
して、これを分離部32に送り込み、取出ローラ30と
協調して紙幣Pを繰り出す。分離ローラ31の逆転トル
クは、取出動作時には逆転トルクがかかっているが、紙
幣Pがないときには取出ローラ30の回転に連れ回るよ
うに逆転トルクが設定されている。モータリバースロー
ラ(MRR)分離方式では、分離ローラ31に対し押圧
力とリバースモータ64で発生した逆転トルクとを安定
して与える必要がある。
【0054】ところで、紙幣Pや発生トルクの影響を受
けずに安定した押圧力を得るためには、ローラのレイア
ウトが重要で、次のことが考慮されている。すなわち、
図7において、ピックアップローラ5に紙幣Pが接触す
る接触部と、取出ローラ30と分離ローラ31との接触
部33との間を結ぶ線分をK1、取出ローラ30の中心
と分離ローラ31の中心との間を結ぶ線分をK2、分離
ローラ31の中心と揺動レバー59の回動中心60を結
ぶ直線をK3とする。
【0055】この場合、線分K1と線分K2とは略90
°の角度で交差している。すなわち、取出ローラ30と
分離ローラ31との共通接線方向が紙幣Pの搬送方向と
なっている。これは、取出ローラ30と分離ローラ31
との接触部33に紙幣Pを送り込み易くするためと、分
離ローラ31によって戻された紙幣Pが積層する紙幣P
から受ける抵抗を抑えるためである。
【0056】また、線分K2と線分K3とは略90°の
角度で交差している。これは、分離部32で発生する摩
擦力が分離ローラ31の押圧力に影響しないようにする
ためである。分離ローラ31の表面で作用する摩擦力f
によって分離ローラに発生するモーメントは、タイミン
グベルト63bを介して接続されるリバースモータ64
のトルクと釣り合う。結局、揺動レバー59には軸58
を介して摩擦力fと同じ大きさの力f'として作用す
る。
【0057】線分K2と線分K3との交差角度を90°
にしておくと、この力f'のベクトルは、回動中心60
を通るので、揺動レバー59を回動することがない。し
たがって、取出ローラ30と分離ローラ31との接触部
33で発生する押圧力を一定に保つことができる。ま
た、リバースモータ64をステイ67に固定して、分離
ローラ31とともに揺動させないこともポイントであ
る。
【0058】なお、取出ローラ30と分離ローラ31と
の接触圧力は、スプリング62のバネ力とスプリング6
2の取付位置とによって決定され、リバースモータ64
の回転や、ローラ表面の摩擦力の影響を受けずに一定に
なる。図9は、取出ローラ30と分離ローラ31との圧
接状態を示すものである。
【0059】リバースモータ64から分離ローラ31ヘ
駆動を伝達するタイミングプーリ63c,63aの直径
をリバースモータ64側と分離ローラ31側とで同じに
して、タイミングベルト63bの張力ベクトルTと押圧
ベクトルNとが直交するように工夫している。ここで、
押圧ベクトルNの大きさを導いてみる。
【0060】揺動レバー59にかかる力の釣り合いによ
り、以下の関係式が導ける。
【0061】 N−F+Rx=0 式(1) −μN−T/e+Ry=0 式(2) 揺動レバー59にかかる揺動支点周りのモーメントの釣
り合いでは、μN,T/eは、分離ローラ31の軸58
を介して作用し、そのベクトルは、支点60を通るので
ゼロとなって、 −Nb+Fc=0 式(3) N=(c/b)F 式(4) となる。
【0062】したがって、摩擦係数μやトルクTによら
ず一定の押圧力Nを与えることができる。ここで、N:
押圧力、a:ローラ半径、μN:接線力、b:支点から押
圧部までの距離、F:スプリング力、C:支点からスプリ
ングまでの距離、T/e:タイミングベルトの張力(正し
くは張力差)、e:タイミングプーリのピッチ半径、T:
モータの逆転トルク、Rx,Ry:揺動レバーが支点か
ら受ける力の水平、垂直成分である。
【0063】ところで、この種の装置では、大量の小口
入金を扱うことが多く、特に、海外の場合、図10に示
すように、慣習的に10枚程度の紙幣をステイプルで留
める場合が多い。通常、このような紙幣の束は、供給部
へのセット時にチュックされ、ステイプルを除去され
る。
【0064】しかしながら、誤ってステイプルを除去す
ることなく紙幣の束をセットしてしまった場合、分離ロ
ーラが揺動自在に設けられているため、紙幣の厚さに基
づいて紙幣の搬送を規制することができず、紙幣の束
は、分離されることなく束の状態で内部に取り込まれ
る。
【0065】装置内部に規定された搬送路における搬送
高さは、紙幣の状態を規制するために、任意量の高さに
規制されている。このため、判別部9のように紙幣の情
報を読み取り判別するために光学センサが設けられた部
分においては、特に搬送高さを規制されていることが多
い。
【0066】このように、紙幣を束のまま装置の内部に
取り込んだ場合、搬送路中でジャムが発生し、ジャム処
理も含めて処理効率を落とすばかりでなく、ステイプル
などの異物によって光学センサなどの精密部品に対して
再生困難な損傷を与えてしまうおそれがある。
【0067】また、このような異物付き紙幣ばかりでな
く、図11に示すように、1枚の紙幣の先端を次以降の
紙幣の下に折り込んでセットしてしまった場合や、何ら
かの要因(例えばリバースモータの故障など)で分離力
が働かなくなった場合には、圧接方式ゆえに束の状態で
紙幣を取り込んでしまうおそれがある。
【0068】そこで、図12及び図13に示したよう
に、分離ローラ31を保持する揺動レバー59の支点6
0に揺動レバー59の回転角を検出する回転角センサ2
01が設けられている。
【0069】制御ユニット100のメモリ部103は、
例えば分離ローラ31が取出ローラ30に圧接されてい
る状態(取出ローラ30と分離ローラ31との間に紙幣
を挟持していない状態)での揺動レバー59の回転角を
フィード単位毎に記憶している。また、このメモリ部1
03は、例えば7枚程度の紙幣の厚さに相当する揺動レ
バー59の回転角に対応したしきい値を記憶している。
【0070】次に、図14及び図15に示したフローチ
ャートを参照して紙幣取出動作の制御方法について説明
する。すなわち、制御ユニット100のCPU101
は、入力部107を介した操作により紙幣Pの取出動作
の開始が要求されたか否かを判断する(ステップS
1)。CPU101は、取出動作の開始が要求されたと
判断した場合には(ステップS1、YES)、駆動アン
プ90を介して紙幣検知センサSからの出力信号に基づ
いて、紙幣供給部2に取り出す紙幣Pが有るか否かを判
断する(ステップS2)。
【0071】CPU101は、取り出す紙幣Pが有ると
判断した場合(ステップS2、YES)、ドライバを制
御して各ローラのモータを駆動して紙幣Pの取出動作を
行う。
【0072】まず、CPU101は、ドライバ89a,
89bを制御し、リバースモータ64を駆動する(ステ
ップS3)。これにより、分離ローラ31が逆方向に回
転駆動する。このとき、ピックアップローラ5及び取出
ローラ30は、停止している。このため、分離ローラ3
1は、取出ローラ30から受ける抵抗力で回転すること
はない。
【0073】続いて、CPU101は、ドライバ81及
び82を制御し、取出モータ41及びピックアップモー
タ49を駆動する(ステップS4)。これにより、取出
ローラ30及びピックアップローラ4が所定の回転速度
で回転駆動される。
【0074】取出モータ41及びピックアップモータ4
9は、ほぼ同じ立ち上げ曲線で速度を増加して所定の速
度まで立ち上げられる。取出ローラ30を分離ローラ3
1とが接触する分離部32へ紙幣Pの先端が入りこむま
でに少し時間のロスが発生するため、取出ローラ30の
速度をピックアップローラ5の速度よりも若干速くした
方が、紙幣Pが座屈しない。このため、取出モータ41
とピックアップモータ49との間、及び、取出ローラ3
0とピックアップローラ5との間の減速比を変えてい
る。
【0075】また、紙幣Pの取出速度は、搬送速度より
も小さい値に設定されている。これは、取出動作中にお
いて、常時回転している搬送ローラ34よりも速い速度
で紙幣Pが送りこまれると、紙幣Pが座屈するためであ
る。さらに、紙幣Pの取出速度を小さく設定すること
は、モータ41の速度を立ち上げることを考慮すると有
利である。ただし、あまり速度差をつけると、紙幣Pが
搬送ローラ34及びピンチローラ35に引きぬかれる際
にスキューを生じるおそれがあるので、適当な値に設定
される。また、通常、紙幣Pの先端が搬送ローラ34及
びピンチローラ35にさしかかるまでに、所定の取出速
度に達するよう設定される。
【0076】続いて、CPU101は、駆動アンプ90
を介して回転角センサから出力された出力信号に基づい
て、揺動レバー59の回転角を検知する(ステップS
5)。すなわち、リバースモータ64、取出モータ4
1、及びピックアップモータ49の駆動に基づいてそれ
ぞれ回転駆動された分離ローラ31、取出ローラ30、
及びピックアップローラ5は、紙幣供給部2にセットさ
れた紙幣Pを取り出す。このとき、取出ローラ30と分
離ローラ31との間に紙幣Pが挟持されたのに基づい
て、分離ローラ31が取出ローラ30から離間し、取出
ローラ30に圧接されていた所定位置から変位する。
【0077】この分離ローラ31の変位に伴って、分離
ローラ31を揺動端に取り付けた揺動レバー59が支点
60を中心として回転する。回転角センサ201は、揺
動レバー59の回転角に対応した信号を出力する。CP
U101は、この回転角センサ201からの出力信号に
基づいて、分離ローラ31の変位量、すなわち、取出ロ
ーラ30と分離ローラ31との間に挟持された紙幣の厚
さに対応した揺動レバー59の回転角を検知する。
【0078】続いて、CPU101は、検知した揺動レ
バー59の回転角が所定のしきい値以下であるか否かを
判断する(ステップS6)。すなわち、CPU101
は、メモリ部103に記憶されている揺動レバー59の
回転角に対応したしきい値を参照し、回転角センサ20
1からの出力信号に基づいて検知した揺動レバー59の
回転角と比較する。
【0079】続いて、CPU101は、揺動レバー59
の回転角が所定のしきい値以下であると判断した場合に
は(ステップS6、YES)、第1検知センサ76から
の出力信号に基づいて、ピックアップローラ5と取出ロ
ーラ30とによって送り出された1枚目の紙幣Pの先端
が第1検知センサ76の位置まで取り出されたか否かを
判断する(ステップS7)。
【0080】続いて、CPU101は、紙幣Pの先端を
検知したのに基づいて(ステップS7、YES)、ドラ
イバ82を制御し、ピックアップモータ49の駆動を停
止する(ステップS8)。これにより、ピックアップロ
ーラ5のみ駆動が停止される。このとき、紙幣Pは、取
出ローラ30の搬送力だけで搬送される。1枚目の紙幣
Pには、停止したピックアップローラ5から抵抗を受け
るが、取出ローラ30の搬送力の方が上回るようになる
ので、1枚目の紙幣Pは、搬送され続ける。
【0081】続いて、CPU101は、第2検知センサ
77からの出力信号に基づいて、ピックアップローラ5
と取出ローラ30とによって送り出された紙幣Pの先端
が第2検知センサ77の位置まで取り出されたか否かを
判断する(ステップS9)。
【0082】続いて、CPU101は、紙幣Pの先端を
検知したのに基づいて(ステップS9、YES)、ドラ
イバ81を制御し、取出モータ41の駆動を停止する
(ステップS10)。取出ローラ30は、ワンウェイク
ラッチ30aを内蔵しているため、取出モータ41が停
止しても、搬送ローラ34で搬送される紙幣Pに連れ回
り、1枚目の紙幣Pに抵抗を与えるようなことはない。
これにより、紙幣Pは、搬送ローラ34の搬送力だけで
搬送される。
【0083】続いて、CPU101は、第1センサ76
からの出力信号に基づいて、ピックアップローラ5と取
出ローラ30とによって送り出された紙幣Pの後端が第
1検知センサ76の位置まで取り出されたか否かを判断
する(ステップS11)。
【0084】続いて、CPU101は、紙幣Pの後端を
検知した場合には(ステップS11、YES)、紙幣検
知センサSからの出力信号に基づいて、紙幣供給部2に
取り出す紙幣Pがあるか否かを判断する(ステップS1
2)。そして、CPU101は、取り出す紙幣Pが有る
と判断した場合には(ステップS12、YES)、適当
なディレイをとってステップS4に戻って次の紙幣(2
枚目の紙幣)Pの取り出しを開始する。
【0085】CPU101は、取り出す紙幣Pがないと
判断した場合(ステップS12、NO)、ドライバ89
a及び89bを制御して、リバースモータの駆動を停止
する(ステップS13)。これにより、分離ローラ31
の回転が停止されて、紙幣Pの取り出し動作が終了す
る。
【0086】以上のようにして1枚ずつの紙幣Pに対し
て、取出ローラ30とピックアップローラ5とを間欠駆
動して紙幣Pを取り出していく。前の紙幣Pの後端を検
知した後に、次の紙幣の取り出しに入るので、紙幣Pと
紙幣Pのギャップ(隙間の大きさ)が一定になるように取
り出される(定ギャップ取り出し)。したがって、紙幣
Pの短手方向の長さが短い場合は、処理速度すなわち単
位時間当たりの取り出し枚数は大きく、紙幣Pの短手長
さが長い場合は、処理速度が小さくなる。
【0087】このような紙幣の取出動作は、上述したよ
うな定ギャップ取り出し制御の他に、紙幣Pの先端を検
知したのに基づいて適当なディレイをとって取出モータ
30及びピックアップモータ5を駆動し始めることによ
り紙幣Pの先端のピッチを一定にする「定ピッチ取り出
し」制御に適用しても良い。
【0088】図14及び図15に示したような紙幣取出
動作の制御により、ピックアップローラ5と搬送ローラ
34の距離は、一番短い紙幣Pに対して大きくとること
が出きる。また、紙幣Pの後端を第1検知センサ76で
検知することによって、より速い段階で2枚目の取り出
しに入ることが出きる。
【0089】これは、「定ギャップ取り出し」において
は、ギャップをより小さくして、処理速度を上げること
もできる。「定ピッチ取り出し」においても、ピッチを
小さくすることができる。ギャップやピッチを小さくす
る観点のほかに、モータの立ち上がりを緩やかにするこ
とも可能になる。
【0090】なお、この実施の形態では、紙幣Pの後端
を第1検知センサ76で検知しているが、処理速度を上
げるなどの要求がないときは、第2検知センサ77で紙
幣Pの後端を検知して次の紙幣Pの取り出しを開始して
もよい。
【0091】一方で、CPU101は、ステップS6に
おいて、揺動レバー59の回転角が所定のしきい値を上
回ったと判断した場合には(ステップ6、NO)、ドラ
イバ81、82、83、89a及び89bを制御して、
取出モータ41、ピックアップモータ49、搬送モータ
71、及び、リバースモータ64の駆動を停止する(ス
テップS14)。
【0092】これにより、取出ローラ30、ピックアッ
プローラ5、搬送ローラ34、及び、分離ローラ31の
回転駆動が停止される。このため、取出ローラ30と分
離ローラ31との間に紙幣Pを挟持した状態で分離部3
2の駆動が停止され、紙幣供給部2からの紙幣の供給も
停止される。
【0093】すなわち、揺動レバー59の回転角が所定
のしきい値を上回った場合は、取出ローラ30と分離ロ
ーラ31の間に複数枚の紙幣Pの束が供給された場合に
相当する。このため、分離ローラ31が取出ローラ30
から大きく変位し、揺動レバー59の回転角がしきい値
よりも大きくなる。
【0094】このような場合には、分離部32における
すべてのローラ、すなわちピックアップローラ5、取出
ローラ30、分離ローラ31、及び、搬送ローラ34の
回転駆動を停止する。これにより、同時に供給された複
数枚の紙幣Pを装置内部に取り込むことを未然に防止す
ることが可能となる。
【0095】このため、装置内部において、複数の紙幣
を同時に取り込んだことによって生じるジャムなどの搬
送不良の発生を抑制することが可能となる。また、紙幣
の厚さが規制されている各部において、高額な精密部品
等に対して再生困難な損傷を与えることを防止すること
が可能となる。
【0096】続いて、CPU101は、分離部32にお
いて不具合が発生した旨、すなわち取出ローラ30と分
離ローラ31との間に複数枚の紙幣が同時に挟持された
ために分離部32の各ローラの駆動を停止した旨を報知
する(ステップS15)。すなわち、CPU101は、
制御ユニット100の表示部105にエラーメッセージ
を表示して、紙幣取出動作を終了する。
【0097】これにより、信頼性を向上することができ
るとともに、しかも処理効率を向上することが可能とな
る。
【0098】上述したように、この実施の形態に係る紙
葉類取出装置及び紙葉類取出方法によれば、取出ローラ
30に分離ローラ31を圧接させ、この分離ローラ31
に紙幣Pの取出方向と逆方向のトルクを付与して紙幣P
を分離するため、分離ローラ31と紙幣Pの摩擦係数が
紙幣間の摩擦係数より高ければ紙幣の分離が可能とな
る。また、分離ローラ31は、取出ローラ30に連れ回
りするため、紙幣Pとの摩擦が少なく、特に紙幣Pが1
枚のときは微小な滑りのみになるため、摩耗が起こりに
くい。
【0099】さらに、ゲートローラ方式や、従来の圧接
方式では、分離部32を2枚の紙幣Pが通過してしまえ
ば分離することは殆どできないが、本方式では、2枚目
の紙幣を分離ローラ31の逆回転により引き戻すことが
でき、確実な分離が可能になる。
【0100】なお、この発明は、上述した実施の形態に
限定されるものではなく、種々変更可能である。例え
ば、上述した実施の形態では、回転角センサ201によ
り検出した揺動レバー59の回転角に基づいて分離部3
2の駆動を制御しているが、分離ローラ31の変位量を
直接検出して、取出ローラ30と分離ローラ31との間
に挟持した紙幣の厚さを検出し、この検出結果に基づい
て分離部32の駆動を制御しても良い。
【0101】また、分離ローラ31が規定量だけ変位し
た位置、すなわち揺動レバー59の回転可能なしきい値
に対応した回転角だけ変位した位置に、揺動レバー59
のさらなる変位を規制するための規制手段として機能す
るストッパを設け、規定厚さ以上、例えば紙幣3枚分以
上の厚さを有する紙幣の束を物理的に装置内部に取り込
まない機構としても良い。
【0102】さらに、回転角センサ201からの出力信
号に基づいて分離部32の搬送駆動形を止める際の処理
として、分離部32において供給された紙幣の異常を検
知したタイミングで、分離部32の後段まで搬送された
すべての紙幣の搬送を停止してしまうと、種類別ポケッ
ト部26a〜26dに一時保留された入金取り引き完了
前の紙幣を持ち帰り、再計数する必要が生じてしまい、
運用上処理効率が大きく低下してしまう。
【0103】これを回避するために、異常を検知したタ
イミングでそれ以前に取り出した紙幣が種類別ポケット
26a〜26dまで通常に搬送された場合には、これら
の紙幣は持ち帰りとせずに、分離部32で搬送駆動を停
止した紙幣を取り除いたタイミングで追加係数可能とす
ることも可能である。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、信頼性が高く、処理効率を向上することが可能な紙
葉類取出装置及び紙葉類取出方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る紙幣分
類処理機の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した紙幣分類処理機における
紙幣の分離機構の構造を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示した分離機構を構成する取出
ローラ及び分離ローラの回転状態を示す図である。
【図4】図4は、取出ローラと分離ローラとの間に紙幣
が1枚送り込まれた状態を示す図である。
【図5】図5は、取出ローラと分離ローラとの間に紙幣
が2枚送り込まれた状態を示す図である。
【図6】図6は、取出ローラと分離ローラとの間に送り
込まれた紙幣が分離された状態を示す図である。
【図7】図7は、紙幣の分離機構を構成する各ローラの
配置構成を概略的に示す正面図である。
【図8】図8は、紙幣の分離機構を構成する各ローラの
配置構成を概略的に示す側面図である。
【図9】図9は、取出ローラと分離ローラとの圧接状態
を概略的に示す正面図である。
【図10】図10は、ステイプル留めされた紙幣の様子
を示す図である。
【図11】図11は、取り込み不良を招くおそれのある
紙幣の束を示す図である。
【図12】図12は、図2に示した揺動レバーと回転角
センサとの配置関係を概略的に示す正面図である。
【図13】図13は、図2に示した揺動レバーと回転角
センサとの配置関係を概略的に示す側面図である。
【図14】図14は、紙葉類取出方法の一実施の形態に
係る紙幣取出動作の制御方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図15】図15は、紙葉類取出方法の一実施の形態に
係る紙幣取出動作の制御方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【符号の説明】
P…紙幣(紙葉類) 5…ピックアップローラ(送出ローラ) 30…取出ローラ 31…分離ローラ 59…揺動レバー 60…支持部(支点) 64…リバースモータ(駆動手段) 101…CPU(制御手段) 103…メモリ部 105…表示部(報知手段) 201…回転角センサ(検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G07D 1/00 321 G07D 1/00 321D Fターム(参考) 3E040 AA01 CA02 DA06 DA08 FD02 FD05 3F048 AA06 AB03 BA06 BB02 BC03 CA02 DA06 DC17 EA02 3F343 FA04 FB07 FC01 GC01 GD01 JD04 JD09 JD34 JD35 JD40 KB05 KB20 LA04 LA15 LA16 LC17 LC20 LC22 LC25 LC27 MA04 MA14 MA27 MA34 MA35 MB04 MB13 MB14 MB19 MC10 MC28

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉類を取り出す取出ローラと、 前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ローラ
    と、 前記取出ローラから離間した前記分離ローラの変位量が
    所定のしきい値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆
    動を停止する制御手段と、 を備えたことを特徴とする紙葉類取出装置。
  2. 【請求項2】紙葉類を取り出す取出ローラと、 前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ローラ
    と、 前記取出ローラと前記分離ローラとの間に挟持された紙
    葉類の厚さが所定のしきい値を超えたのに基づいて前記
    各ローラの駆動を停止する制御手段と、 を備えたことを特徴とする紙葉類取出装置。
  3. 【請求項3】紙葉類を取り出す取出ローラと、 前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ローラ
    と、 前記取出ローラと前記分離ローラとの間に挟持された紙
    葉類の厚さを検知する検知手段と、 前記検知手段によって検知された紙葉類の厚さが所定の
    しきい値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆動を停
    止する制御手段と、 を備えたことを特徴とする紙葉類取出装置。
  4. 【請求項4】紙葉類を取り出す取出ローラと、 前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ローラ
    と、 支点を中心にして揺動自在に設けられ、揺動端に前記分
    離ローラを取り付けた揺動レバーと、 前記揺動レバーの変位角が所定のしきい値を超えたのに
    基づいて前記各ローラの駆動を停止する制御手段と、 を備えたことを特徴とする紙葉類取出装置。
  5. 【請求項5】紙葉類を取り出す取出ローラと、 前記取出ローラに圧接され紙葉類を分離する分離ローラ
    と、 支点を中心にして揺動自在に設けられ、揺動端に前記分
    離ローラを取り付けた揺動レバーと、 前記揺動レバーの変位角を検知する検知手段と、 前記検知手段によって検知された変位角が所定のしきい
    値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆動を停止する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする紙葉類取出装置。
  6. 【請求項6】前記分離ローラの所定量を超えた変位を規
    制する規制手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれか1項に記載の紙葉類取出装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段により前記各ローラの駆動を
    停止した旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載の紙葉類取出装
    置。
  8. 【請求項8】前記分離ローラに前記紙葉類の取出方向と
    逆方向の逆転トルクを付与する駆動手段を備えたことを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の紙葉
    類取出装置。
  9. 【請求項9】取出ローラにより紙葉類を取り出し、 前記取出ローラに圧接された分離ローラにより紙葉類を
    分離し、 前記取出ローラから離間した前記分離ローラの変位量が
    所定のしきい値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆
    動を停止する、 ことを特徴とする紙葉類取出方法。
  10. 【請求項10】取出ローラにより紙葉類を取り出し、 前記取出ローラに圧接された分離ローラにより紙葉類を
    分離し、 前記取出ローラと前記分離ローラとの間に挟持された紙
    葉類の厚さが所定のしきい値を超えたのに基づいて前記
    各ローラの駆動を停止する、 ことを特徴とする紙葉類取出方法。
  11. 【請求項11】取出ローラにより紙葉類を取り出し、 前記取出ローラに圧接された分離ローラにより紙葉類を
    分離し、 前記取出ローラと前記分離ローラとの間に挟持された紙
    葉類の厚さを検知し、 検知された紙葉類の厚さが所定のしきい値を超えたのに
    基づいて前記各ローラの駆動を停止する、 ことを特徴とする紙葉類取出方法。
  12. 【請求項12】取出ローラにより紙葉類を取り出し、 前記取出ローラに圧接された分離ローラにより紙葉類を
    分離し、 支点を中心にして揺動自在に設けられ揺動端に前記分離
    ローラを取り付けた揺動レバーの変位角が所定のしきい
    値を超えたのに基づいて前記各ローラの駆動を停止す
    る、 ことを特徴とする紙葉類取出方法。
  13. 【請求項13】取出ローラにより紙葉類を取り出し、 前記取出ローラに圧接された分離ローラにより紙葉類を
    分離し、 支点を中心にして揺動自在に設けられ揺動端に前記分離
    ローラを取り付けた揺動レバーの変位角を検知し、 検知された変位角が所定のしきい値を超えたのに基づい
    て前記各ローラの駆動を停止する、 ことを特徴とする紙葉類取出方法。
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