JP2003320528A - 熱可塑性樹脂ペレット - Google Patents
熱可塑性樹脂ペレットInfo
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Abstract
し、特に品質の安定したフィルム及びモノフィラメント
を提供すること。 【解決手段】展着剤を用いて添加剤がドライブレンドさ
れた熱可塑性樹脂ペレットであって、該ペレットから下
記条件下振盪篩で分離した脱離微粉中の展着剤含有率
が、下式 3≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦20 を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂ペレット。 [分離条件] 1)振盪篩: JIS Z8801に規定されている、
針金径523μm、目開き850μmの平織り篩網を装
着した、直径300mmの篩 2)振盪・捕集操作: 上記篩に熱可塑性樹脂ペレット
1.0kgを入れ、振盪幅50mm、振盪速度192回
/分、温度25℃、相対湿度65%で、10分間篩い、
脱離微粉を捕集する
Description
可塑性樹脂ペレットに関するものである。
機を用いて、自動車、電気・電子、OA機器等の部品
や、フィルム、ボトル、繊維、モノフィラメント、シー
ト等に加工され広く用いられている。熱可塑性樹脂は、
通常、成形製品の商品価値を高める目的で、あるいは品
質を向上、維持する目的で種々の添加剤が添加されてい
る。これらの添加剤の熱可塑性樹脂への添加方法として
は、熱可塑性樹脂の重合中に添加・分散する方法、押出
機等を用いて熱可塑性樹脂ペレット内部に分散させる方
法が知られている(例えば、特開昭62−41315号
公報)が、これらの方法は添加剤の量が容易に変えられ
ないため少量他品種生産に向いていない、添加剤の組み
合わせの自由度が小さい、熱履歴が余分にかかり、樹脂
や添加剤の劣化、ひいては製品品質の低下を招くといっ
た欠点があった。
加剤を熱可塑性樹脂ペレット表面に直接付着させたもの
を、射出成形機や押出成形機を用いて成形する方法も知
られている(例えば、特開昭62−41315号公報)
が、添加剤が粉体の場合、単にペレットにまぶして付着
させただけでは、ペレット表面から粉体が脱離しやす
く、ペレットへの付着状態にむらが生じて、製品中の添
加剤含有量ひいては製品品質のばらつきを招くだけでな
く、場合によっては添加剤の凝集物が製品中に混入する
というトラブルを誘発する。また成形時の可塑化時間や
押出量を不安定にさせ安定した品質の製品が得られな
い、粉塵の飛散による作業性の低下を引き起こす等の問
題も生じている。
ている。ペレットを、添加剤の融点以上に加熱してか
ら、添加剤を添加すると、添加剤が溶融してペレット表
面に均一な添加剤の皮膜を形成することができるが(例
えば、特開平4−65464号公報)、この方法では高
温にさらされた熱可塑性樹脂ペレット自身が熱劣化して
着色等の品質低下を起こす恐れがある。その他にも、特
表平8−500549号公報には樹脂ペレットと高級脂
肪酸金属塩の添加剤とを容器内で高速で衝突させて、そ
の運動エネルギーを利用してペレット表面へ添加剤を均
一成膜する技術が開示されているが、これを商業規模で
実施するためには、多大のエネルギーを要する複雑な設
備が必要である。
表面に付着させるために、バインダー(展着剤)を用い
る方法も広く行われている(例えば、特開昭53−13
7253号公報)。この方法は、特に付着添加剤量が多
い場合に、添加剤の脱離を防止するという観点からは効
果を発揮するものの、しばしば成形時の可塑化時間や押
出量を不安定にしたり、添加剤の凝集物が製品中に混入
したりする等の問題が生じており、なお大きな改善の余
地を残している。これを解決するために、例えば、特開
2001−294669号公報には、展着剤と添加剤を
ペースト状にしてペレット表面に付着させる方法が開示
されており、添加剤の性質や添加順序等を規定しこの問
題の解決を図っている。しかし、添加剤のペレットへの
均一な付着・分散は、熱可塑性樹脂、添加剤、展着剤の
種類、ペレット形状、ブレンド装置、ブレンド温度、ブ
レンド時間等のブレンド条件、添加剤量等に左右され、
たとえペレット、添加剤、ブレンド温度等の条件を同一
にしたとしても、ブレンド装置が異なれば結果的に得ら
れた熱可塑性樹脂ペレットの成形性が異なることも多
く、ブレンド装置が代わる毎にこれらの条件を試行錯誤
で見直す必要があった。また、熱可塑性樹脂ペレットを
使用し成形する立場からは、成形性に優れたペレットと
成形性に劣るペレットが混在してある場合、これらを区
別して使用する必要があるが容易に見分ける方法はな
く、同様に試行錯誤を繰り返すしかなかった。
れた熱可塑性樹脂ペレットを提供し、特に品質の安定し
たフィルム及びモノフィラメントを提供することを目的
とする。
題を解決するために鋭意検討の結果、展着剤を用いて熱
可塑性樹脂ペレットに添加剤をドライブレンドさせたペ
レットから所定条件下浸透篩で分離した脱離微粉中の展
着剤含有率が、特定範囲内にある熱可塑性樹脂ペレット
が、成形安定性に優れ、ドライブレンドされる添加剤の
成形製品中での凝集や濃度のばらつきを抑制しうること
を見出し、本発明に至った。
て添加剤がドライブレンドされた熱可塑性樹脂ペレット
であって、該ペレットから下記条件下振盪篩で分離した
脱離微粉中の展着剤含有率が、下式 3≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦20 を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂ペレットに存
し、前述の欠点を解決するものである。 [分離条件] 1)振盪篩: JIS Z8801に規定されている、
針金径523μm、目開き850μmの平織り篩網を装
着した、直径300mmの篩 2)振盪・捕集操作: 上記篩に熱可塑性樹脂ペレット
1.0kgを入れ、振盪幅50mm、振盪速度192回
/分、温度25℃、相対湿度65%で、10分間篩い、
脱離微粉を捕集する
明する。熱可塑性樹脂 本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、公知のもの
が使用でき、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリイミド、ポリケトン、ポリス
ルホン、ポリエーテルケトン及びこれらの共重合体又は
ブレンド物が挙げられるが、中でも成形に高温を必要と
するポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリ
カーボネート、変性ポリフェニレンエーテル等のいわゆ
るエンジニアリングプラスチックスにおいて効果が顕著
であり、特にはポリアミドが好ましい。中でも重合終了
後に通常抽出操作を行う必要があるε−カプロラクタム
をモノマー成分として含むポリアミドにおいて特に効果
が顕著である。具体的にはε−カプロラクタムから成る
6ナイロン、ε−カプロラクタムと1,6−ジアミノヘ
キサン、アジピン酸から成る6/66ナイロン、ε−カ
プロラクタムとラウリルラクタムから成る6/12ナイ
ロン、ε−カプロラクタムと1,6−ジアミノヘキサ
ン、テレフタル酸から成る6/6Tナイロンが挙げら
れ、特にはε−カプロラクタムを構成成分として70重
量%以上含むポリアミドが好ましい。
る。具体的には、可塑剤、離型剤、滑剤、染料、顔料、
結晶核剤、撥水剤、防曇剤、耐衝撃性改良剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤等の安定剤、難燃剤、摺動性改良剤、
シリカ、カオリン、酸化チタン、ガラス繊維、ガラスフ
レーク、炭素繊維等の強化材、チタン酸カリウム、ホウ
酸アルミニウム等のウィスカー等を挙げることができる
が、中でも粒子の最大長が1mm以下の粉体である場合
に効果が顕著である。また、添加剤は、常温で固体であ
るものを使用した場合に効果が大きく、特には成形温度
が添加剤の融点もしくは流動開始温度、もしくはガラス
転移温度以上の場合に改良効果が大きい。添加剤の中で
も最も改良効果が大きいものは、可塑剤、滑剤、離型
剤、撥水剤として用いられる長鎖アルキル基を有する化
合物である。具体例としては、パラフィンワックス、ポ
リオレフィンワックス等の脂肪族炭化水素、ステアリン
酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール
等の高級脂肪族アルコール、ステアリン酸アミド、エル
カ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級
脂肪酸アミド、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸カルシウム、モンタン酸カルシウム等の高級脂肪酸金
属塩、ステアリルステアレート、モンタンワックス等の
高級脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも好
ましいのは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、メリシン
酸、オレイン酸、エルカ酸等の、炭素数9以上の高級脂
肪酸の金属塩、エステル及びアミドからなる群より選ば
れた少なくとも1種の誘導体であり、特に好ましいのは
ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスス
テアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、最適にはエチ
レンビスステアリン酸アミドである。これらの添加剤は
単独で用いてもよく、また二種以上のものを併用しても
よい。これらの添加剤の添加量に特に制限はないが、少
なすぎると添加剤の効果がなく、多すぎると成形不良を
招くため、好ましくはドライブレンドされる添加剤の量
は、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜1重量
部、より好ましくは0.03〜0.5重量部、特に好ま
しくは0.05〜0.3重量部である。
脂ペレット表面への付着を助ける働きをする物質で、好
適には室温で粘調な液体やクリーム状の形態を呈してい
るものが使用される。展着剤の具体例としては、牛脂、
鯨油等の動物油、菜種油、大豆油等の植物油、スピンド
ル油、エンジン油等の石油系潤滑油、ジメチルシリコー
ン、ペンタエリスリトールエステル、ポリ(α−オレフ
ィン)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリフェニルエーテル等の合成潤滑油、芳香族
スルホン酸エステル、芳香族スルホン酸アミド等の芳香
族スルホン酸誘導体、アルキルベンゼンスルホン酸塩等
のイオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキ
レン鎖を含む化合物、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、高級アルコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活
性剤、カプリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、デカノール
等の脂肪族アルコール、1,5ペンタンジオール、グリ
セリン等の多価アルコール、リノール酸アミド等の脂肪
酸アミド、ブチルステアレート等の脂肪酸エステル等が
挙げられる。実用上は、できるだけ成形時に熱劣化し難
く、添加剤や成形品の品質に悪影響を与えないものが好
ましく、中でも芳香族スルホン酸誘導体、ポリオキシア
ルキレン鎖を含む化合物が好適に用いられる。特に、N
−アルキルベンゼンスルホン酸アミド等の芳香族スルホ
ン酸アミド、又は、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンソルビタン(モノ、トリ)ステアリレー
ト、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル等のポリオキシアルキレン鎖を含むエステ
ル又はエーテル化合物を用いるのが好ましく、最適には
N−n−ブチルベンゼンスルホン酸アミド等のN−アル
キルベンゼンスルホン酸アミドが用いられる。これらの
展着剤は単独で用いてもよく、また2種以上のものを併
用してもよい。これらの展着剤の添加量に特に制限はな
いが、少なすぎると展着効果がなく、多すぎると樹脂ペ
レットどうしのブロッキングが起きるため、通常、熱可
塑性樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量
部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.3重量
部、特に好ましくは0.02〜0.15重量部である。
た熱可塑性樹脂ペレット」においては、後述の振盪篩に
よって分離される少量の脱離微粉を除いて、添加剤が、
展着剤を用いたドライブレンドによって、樹脂ペレット
表面に十分付着されていることが必要である。そのよう
な熱可塑性樹脂ペレットが得られる限り、添加剤と展着
剤の添加順序に特に制限はなく、ブレンダーの形状、条
件等を鑑み最適な順序が選択される。どちらかと言え
ば、熱可塑性樹脂ペレットと展着剤を混合した後、添加
剤を添加、混合する方法が、樹脂ペレット表面に均質な
展着剤皮膜を形成し易い点で、好ましい。また、ブレン
ド温度も特に制限はないが、好ましくは0〜100℃、
より好ましくは20〜90℃、特に好ましくは40〜8
0℃である。熱可塑性樹脂ペレットと展着剤、添加剤を
ブレンドする装置は、種々の公知のものが使用でき、具
体例としては、円筒形、V型、ダブルコーン型等の容器
回転型混合機、横型リボン型、縦型リボン型、水平スク
リュー型、縦型スクリュー型、パドル型、マラー型、遊
星運動型等の機械攪拌型混合機、エレメント等を用いて
混合する無攪拌型、重力型等の機械的攪拌を行わない混
合機、単軸ローター型、ヘンシェルミキサー、回転円盤
形等の高速攪拌型混合機、流動化型、気流攪拌型等の主
に気流を用いる混合機等が挙げられ、中でも混合効率の
点からはV型、ダブルコーン型等の容器回転型混合機が
好ましく、単位重量当たりの消費エネルギー、発熱の少
なさの点からは、遊星運動型混合機が好ましい。また、
上記の混合装置をジャケット方式にし、スチーム等でジ
ャケット部を加熱してペレットを加温することもでき
る。熱可塑性樹脂ペレット表面に存在する付着物は、一
般的にはカッティング等の工程で生成した熱可塑性樹脂
微粉、添加剤及び展着剤から構成されるが、この付着物
に占める展着剤の比率は成形性に影響を及ぼすため、所
定範囲内に調整するのがよい。本発明においては、熱可
塑性樹脂ペレットから洗浄により分離したペレット付着
物中の展着剤含有率が、下式 (ペレット付着物中の展着剤重量/ペレット付着物重
量)×100≦40 を満足することが好ましく、中でも 3≦(ペレット付着物中の展着剤重量/ペレット付着物
重量)×100≦30 特には 5≦(ペレット付着物中の展着剤重量/ペレット付着物
重量)×100≦25 を満足することが好適である。ここで、「熱可塑性樹脂
ペレットから洗浄により分離したペレット付着物」の量
は、展着剤は溶解するが、熱可塑性樹脂を溶解しない溶
媒、例えば熱可塑性樹脂が6ナイロン、展着剤がN−n
−ブチルベンゼンスルホン酸アミドの場合クロロホルム
を用いて、熱可塑性樹脂ペレットを洗浄して得られる洗
浄液から、溶媒クロロホルムを分離回収した残渣の重量
を測定することによって得られる。一方、ペレット付着
物中の展着剤重量は、後述の脱離微粉中の展着剤重量と
同様の方法で測定される。
から振盪篩で分離した脱離微粉」とは、熱可塑性樹脂ペ
レットを所定の振盪篩に収容し、所定条件で振盪した際
に、該ペレットが転動することにより、該ペレット表面
に存在する付着物の内、ペレット表面に付着した状態を
保持することができなくなり、該表面から脱離し、篩下
に分離される微粉を意味する。なお、脱離微粉重量を定
量する際には、下記の分離条件を選択する。 [分離条件] 1)振盪篩: JIS Z8801に規定されている、
針金径523μm、目開き850μmの平織り篩網を装
着した、直径300mmの篩 2)振盪・捕集操作: 上記篩に熱可塑性樹脂ペレット
1.0kgを入れ、振盪幅50mm、振盪速度192回
/分、温度25℃、相対湿度65%で、10分間篩い、
脱離微粉を捕集する 上記微粉の吸引捕集は、脱離微粉のペレットへの再付着
を抑止する目的で行われる。脱離微粉重量の熱可塑性樹
脂ペレット重量に対する比率は、添加剤量、添加剤種、
展着剤量、展着剤種、カッティング等の工程で生成した
熱可塑性樹脂微粉量、又はこれらの量比、静電気量等に
依存するが、多すぎると成形不良を招くため、好ましく
は150ppm以下、より好ましくは100ppm以
下、さらに好ましくは50ppm以下である。
満足することが必要で、 3≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦20 好ましくは、 4≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦17 より好ましくは、 5≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦13 特に好ましくは、 5≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦11 を満足することが好ましく、脱離微粉中の展着剤含有率
が多すぎても少なすぎても成形不良を引き起こす。脱離
微粉中の展着剤重量は、ガスクロマトグラフィー、液ク
ロマトグラフィー、ゲルパーミエイションクロマトグラ
フィー、核磁気共鳴(NMR)等の手段を用いて定量す
ることができる。例えば、NMRで定量する場合には、
展着剤を溶解する重水素化溶媒に脱離微粉を溶解させ、
樹脂粉、無機物等の不溶物がある場合には濾過等でこれ
らを除去した後、NMRを測定し、シグナル強度比より
求めることができる。重水素化溶媒にはあらかじめ定量
のための内部標準物質を入れておいてもよい。
形することができるが、特にフィルムやモノフィラメン
トに加工した場合に、透明性が良好で、凝集物がなく、
成形安定性に優れ、品質にムラのない製品が得られるた
め利用価値が大きい。例えば、フィルムではドライブレ
ンドされた添加剤に基づく凝集物が商品価値を大きく落
とすことはよく知られているが、その他にも、特に延伸
フィルムの場合では延伸加工時にこういった凝集物を起
点にした破断が起こり生産不能に陥るといった問題があ
る。また、モノフィラメントにおいても、一般的には成
型時に強度を上げる目的で延伸が行われ、凝集物がある
とそれを起点にした破断が起こり生産不能に陥るといっ
た問題があったが、本発明により大幅に改善することが
可能になった。
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は
「重量部」を示す。また、測定は以下の方法で行った。
着した、直径300mmの振盪篩に、ペレット1.0k
gを入れ、温度25℃、相対湿度65%の条件下、振盪
幅50mm、振盪速度192回/分で10分間篩った。
この振盪篩を通過した微粉を、650Wの掃除機で吸引
しながら受け篩(目開き0.106mm)上に捕集し
て、その重量を測定し脱離微粉重量とした。
クロロホルム300mLを入れ、100rpmで30分
間攪拌後、目開き0.85mmのメッシュでペレットを
濾別し、濾液をエバポレーターで乾固し、得られた固体
(以下、これを「ペレット付着物」という。)の重量を
測定し、ペレット付着物重量とした。
着剤重量 試料(脱離微粉又はペレット付着物)を10〜20mg
精秤し、内標としてテトラブロモエタンを既知量添加
し、重クロロホルム1mLに溶解させた。不溶物を孔径
0.5μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブラン
フィルターを用いて除去し、濾液を日本電子(株)製N
MR(JEOL−α400)を用いて 1HNMRを測定
し、あらかじめ求めた展着剤と内標のシグナル強度比を
元に、試料の各シグナルの強度比より求めた値を、展着
剤重量とした。
リュを持った単軸押出機の先端に、ギヤポンプ及び直径
1.5mm、孔数10個の紡糸用ノズルを装着した紡糸
用押出機にて、シリンダ設定温度260℃、ギヤポンプ
回転数30rpm、ギヤポンプ入り側樹脂圧力を15M
Paになるように、スクリュ回転数を自動制御設定して
直径0.8mmのストランド10本を溶融紡糸し、15
℃の冷却水槽に通して冷却固化させた後ワインダにて巻
き取った。この押出成形を60分継続する間に測定され
たスクリュ回転数から、成形安定性を評価する。すなわ
ち、平均スクリュ回転数が小さい方が成形機スクリュへ
の食い込みが良好なことを示し、スクリュ回転数の最大
振れ幅が小さい方が成形機への食い込みムラが少なく成
形性が安定していることを示す。
集や、添加剤凝集による気泡の有無を60分間目視で観
察した。凝集物が発生した場合は、発生までの時間及び
その程度を記録した。
リュを持った単軸押出機の先端に、ギヤポンプ及び直径
1.5mm、孔数10個の紡糸用ノズルを装着した紡糸
用押出機にて、シリンダ設定温度260℃、ギヤポンプ
回転数30rpm、ギヤポンプ入り側樹脂圧力を15M
Paになるようにスクリュ回転数を自動制御設定して溶
融紡糸し、15℃の冷却水槽に通して冷却固化させた
後、97℃、100%RH下にて3.5倍湿熱延伸を施
し、次に200℃熱風延伸槽にて総合延伸倍率5.9倍
にて2段目の延伸を行い、次に190℃熱風延伸槽にて
弛緩率0.95%の熱固定を行って、直径0.34mm
のモノフィラメントを成形した。上記成形工程での糸切
れの有無を60分間観察した。糸切れが起こった場合
は、速やかに成形・延伸を復帰し、成形開始から60分
後までの糸切れ回数及び糸切れ開始時間を記録した。
リュを持った単軸押出機の先端に、600mm幅のTダ
イを装着したフィルム成形機にて、シリンダ設定温度2
60℃、スクリュ回転数40rpmにて押出し、引き取
り速度2.2m/分、設定温度80℃のロールにキャス
トして、厚み100μmの単層フィルムを成形した。上
記成形工程にて得られるフィルムについて、添加剤凝集
や、添加剤凝集による気泡の有無を60分間目視で観察
した。凝集物が発生した場合は、発生までの時間及びそ
の程度を記録した。
し、セイコーインスツルメンツ社製DSC−6200を
用い、室温より昇温速度20℃/分で300℃まで昇温
し、300℃で3分保持した後、20℃/分で80℃ま
で降温、再度20℃/分で300℃まで昇温したときに
現れる融解ピークの頂点の温度を求めた。
1(商品名ノバミッド2420、三菱化学(株)製)6
00kgを、遊星運動型混合機(細川ミクロン(株)
製)に仕込み、展着剤としてN−n−ブチルベンゼンス
ルホンアミド0.6kgを添加、自転60rpm、公転
2rpmで30分間混合した後、エチレンビスステアリ
ン酸アミド1.41kgを添加し、さらに30分間混合
した後ドライブレンドされたペレットを取り出した。混
合時の平均内温は25℃であった。このペレットを用い
て脱離微粉の分析、成形安定性評価及び各種成形評価を
行い、結果を表−2に示した。成形性は良好で、添加剤
の凝集物は観察されなかった。
実施例1と同様にして添加剤がドライブレンドされたペ
レットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価及び各
種成形評価の結果を表−2に示した。成形性は良好で、
添加剤の凝集物は観察されなかった。
外は、実施例2と同様にして添加剤がドライブレンドさ
れたペレットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価
及び各種成形評価の結果を表−2に示した。成形性は良
好で、添加剤の凝集物は観察されなかった。
の通りにした以外は、実施例2と同様にして添加剤がド
ライブレンドされたペレットを得た。脱離微粉の分析、
成形安定性評価及び各種成形評価の結果を表−2に示し
た。成形性は良好で、添加剤の凝集物は観察されなかっ
た。
0gをクロスロータリー式粉体混合機(明和工業(株)
製)に仕込み、展着剤としてN−n−ブチルベンゼンス
ルホンアミド7.5gを添加、自転60rpm、公転6
0rpmで30分間混合した後、エチレンビスステアリ
ン酸アミド13.5gを添加し、さらに30分間混合し
た後ドライブレンドされたペレットを取り出した。混合
時の平均内温は75℃であった。このペレットを用いて
脱離微粉の分析、成型安定性評価及び各種成形評価の結
果を表−2に示した。成形性は良好で、添加剤の凝集物
は観察されなかった。
2(商品名ノバミッド1020、三菱化学(株)製)6
00kgを、遊星運動型混合機(細川ミクロン(株)
製)に仕込み、展着剤としてポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート0.3kgを添加、自転60rp
m、公転2rpmで30分間混合した後、エチレンビス
ステアリン酸アミドを0.81kg、熱安定剤として
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名イルガノッ
クス1098)を0.6kgを添加し、さらに30分間
混合した後ドライブレンドされたペレットを取り出し
た。混合時の平均内温は75℃であった。このペレット
を用いて脱離微粉の分析、成形安定性評価及び各種成形
評価の結果を表−2に示した。成形性は良好で、添加剤
の凝集物は観察されなかった。
外は、実施例6と同様にして添加剤がドライブレンドさ
れたペレットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価
及び各種成形評価の結果を表−2に示した。成形性は良
好で、添加剤の凝集物は観察されなかった。
は実施例2と同様にして、添加剤がドライブレンドされ
たペレットを得た。このペレットを用いて脱離微粉の分
析、成形安定性評価及び各種成形評価の結果を表−2に
示した。脱離微粉中の展着剤含有量が少なく、平均スク
リュ回転数、スクリュ回転数最大振れ幅が大きく成形性
が悪かった。40分後ストランド中、フィルム中に凝集
物が見られ、モノフィラメント成形中に糸切れが発生し
た。
は実施例2と同様にして、添加剤がドライブレンドされ
たペレットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価及
び各種成形評価の結果を表−2に示した。脱離微粉中の
展着剤含有量が多く、平均スクリュ回転数、スクリュ回
転数最大振れ幅が大きく成形性が悪かった。20分後ス
トランド中、フィルム中に凝集物が見られ、モノフィラ
メント成形中に糸切れが発生した。
外は実施例4と同様にして、添加剤がドライブレンドさ
れたペレットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価
及び各種成形評価の結果を表−2に示した。脱離微粉中
の展着剤含有量が多く、平均スクリュ回転数、スクリュ
回転数最大振れ幅が大きく成形性が悪かった。20分後
ストランド中、フィルム中に凝集物が見られ、モノフィ
ラメント成形中に糸切れが発生した。
の通りにした以外は実施例4と同様にして、添加剤がド
ライブレンドされたペレットを得た。脱離微粉の分析、
成形安定性評価及び各種成形評価の結果を表−2に示し
た。脱離微粉中の展着剤含有量が多く、平均スクリュ回
転数、スクリュ回転数最大振れ幅が大きく成形性が悪か
った。30分後ストランド中、フィルム中に凝集物が見
られ、モノフィラメント成形中に糸切れが発生した。
外は実施例5と同様にして、添加剤がドライブレンドさ
れたペレットを得た。脱離微粉の分析、成形安定性評価
及び各種成形評価の結果を表−2に示した。脱離微粉中
の展着剤含有量が多く、平均スクリュ回転数、スクリュ
回転数最大振れ幅が大きく成形性が悪かった。40分後
ストランド中、フィルム中に凝集物が見られ、モノフィ
ラメント成形中に糸切れが発生した。
Claims (10)
- 【請求項1】展着剤を用いて添加剤がドライブレンドさ
れた熱可塑性樹脂ペレットであって、該ペレットから下
記条件下振盪篩で分離した脱離微粉中の展着剤含有率
が、下式 3≦(脱離微粉中の展着剤重量/脱離微粉重量)×10
0≦20 を満足することを特徴とする熱可塑性樹脂ペレット。 [分離条件] 1)振盪篩: JIS Z8801に規定されている、
針金径523μm、目開き850μmの平織り篩網を装
着した、直径300mmの篩 2)振盪・捕集操作: 上記篩に熱可塑性樹脂ペレット
1.0kgを入れ、振盪幅50mm、振盪速度192回
/分、温度25℃、相対湿度65%で、10分間篩い、
脱離微粉を捕集する - 【請求項2】ドライブレンドされる添加剤が粉体である
ことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂ペレッ
ト。 - 【請求項3】熱可塑性樹脂ペレットから洗浄により分離
したペレット付着物中の展着剤含有率が、下式 (ペレット付着物中の展着剤重量/ペレット付着物重
量)×100≦40 を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱
可塑性樹脂ペレット。 - 【請求項4】熱可塑性樹脂100重量部に対し、ドライ
ブレンドされる添加剤の量が0.01〜1重量部である
ことを特徴をする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
熱可塑性樹脂ペレット。 - 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリアミドであることを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性
樹脂ペレット。 - 【請求項6】添加剤が、炭素数9以上の高級脂肪酸の金
属塩、エステル及びアミドからなる群より選ばれた少な
くとも1種の誘導体であることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂ペレット。 - 【請求項7】展着剤が、芳香族スルホン酸誘導体である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の
熱可塑性樹脂ペレット。 - 【請求項8】展着剤が、ポリオキシアルキレン鎖を含む
化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
1項に記載の熱可塑性樹脂ペレット。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可
塑性樹脂ペレットを用いたフィルム。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱
可塑性樹脂ペレットを用いたモノフィラメント。
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