JP4436630B2 - 選択的レーザー焼結のための焼結粉末、その製造方法、成形体の製造方法および成形体 - Google Patents

選択的レーザー焼結のための焼結粉末、その製造方法、成形体の製造方法および成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド、有利にはポリアミド12をベースとし、金属石鹸(粒子)を含有するレーザー焼結粉末、該粉末の製造方法ならびに該粉末の選択的レーザー焼結により製造される成形体に関する。
【0002】
プロトタイプの円滑な製造は最近しばしば問題となる課題である。ラピッド・プロトタイピング(Rapid Prototyping)の目的のために特に好適な方法は、選択的レーザー焼結である。この方法の場合、プラスチック粉末をチャンバ中で短時間、選択的にレーザービームで照射し、このことによりレーザービームがあたった粉末粒子が溶融する。溶融した粒子は相互に流れ、かつふたたび迅速に固体の材料へと硬化する。常に新たに導入される層を繰り返し照射することにより、この方法で複雑な形状の立体造形品を容易かつ迅速に製造することができる。
【0003】
粉末状のポリマーからなる成形体を製造するためのレーザー焼結法(ラピッド・プロトタイピング)は、特許文献US6,136,948およびWO96/06881(いずれもDTM Corporation社)に記載されている。多数のポリマーおよびコポリマー、たとえばポリアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、イオノマーおよびポリアミドがこの適用のために請求されている。
【0004】
実地ではレーザー焼結の際に特にポリアミド12の粉末(PA12)が成形体、特に工業用の構造部材の製造のために有利であることが証明されている。PA12粉末から製造される部材は、機械的負荷に関して課される要求を満足し、ひいてはその特性において特に、押出成形または射出成形により製造されるその後の大量生産部材に近いものである。
【0005】
この場合、たとえばDE19708946またはDE4421454に記載されているようにして得られる平均粒径(d50)50〜150μmを有するPA12の粉末が好適である。
【0006】
この場合、有利にはポリアミド12は、EP0911142に記載されているように、185〜189℃の溶融温度、112kJ/モルの溶融エンタルピーおよび138〜143℃の硬化温度を有する粉末である。
【0007】
目下使用されているポリアミド粉末における欠点は、未焼結材料を再使用する際に現れるへこみ箇所(Einfallstellen)ならびに成形体の粗雑な表面である。従って前記の作用を回避するために、未使用粉末、いわゆる新しい粉末を高い割合で添加しなくてはならなくなる。
【0008】
この作用は特に、大量の使用済み粉末、つまりすでに一度使用したが、しかしその使用の際に溶融しなかったレーザー焼結粉末を高い割合で使用する場合に観察される。表面欠陥はしばしば、特に成形体が粗雑な表面を有している場合には、機械的特性の劣化を伴う。この損傷はたとえば弾性率の低下、破断点伸びの低下またはノッチ付衝撃挙動の劣化により顕著である。
【0009】
【特許文献1】
US6,136,948
【特許文献2】
WO96/06881
【特許文献3】
DE19708946
【特許文献4】
DE4421454
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、レーザー焼結の際の熱的な負荷に対して改善された抵抗性および改善された老化特性を有し、ひいてはより良好に再使用することができるレーザー焼結粉末を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
意外なことに、金属石鹸をポリアミドに添加することにより、レーザー焼結によって成形体を製造することができ、従来の焼結粉末からなる成形体よりも明らかに熱的な負荷に対して不感受性である焼結粉末を製造できることが判明した。このことによりたとえば補充率(Auffrischrate)、つまり使用済粉末を使用する際に添加しなくてはならない未使用粉末の量を明らかに低減することができる。成形部材を構成することにより消費される量のみを補充することを必要とする場合が特に有利であり、これは本発明による粉末により(ほぼ)達成することができる。
【0012】
従って本発明の対象は選択的レーザー焼結のための焼結粉末であり、該粉末の特徴は、粉末が少なくとも1種のポリアミドと炭素原子を少なくとも10個有する脂肪酸、モンタン酸もしくは二量体酸の塩から選択される少なくとも1種の金属石鹸とを含有していることである。
【0013】
本発明の対象は同様に、本発明による焼結粉末を製造するための方法であり、この方法は、少なくとも1種のポリアミド粉末を乾燥状態で金属石鹸粒子と混合するか、または別の実施態様として、金属石鹸がその中で少なくともわずかな溶解度を有する溶剤の存在下で金属石鹸粒子と混合し、かつ分散剤/溶剤を引き続きふたたび除去することを特徴とする。使用すべき金属石鹸の溶融温度は両方の実施態様で室温を上回っていなくてはならないことは自明である。
【0014】
さらに本発明の対象は、レーザー焼結により製造される成形体であり、これは金属石鹸と少なくとも1種のポリアミドとを含有することを特徴とする。
【0015】
本発明による焼結粉末は、該焼結粉末からレーザー焼結により製造される成形体が、再使用可能な材料からも製造することができるという利点を有する。従って、過剰の粉末を複数回にわたり再使用した後でもへこみ箇所を有していない成形体が得られる。へこみ箇所以外にしばしば極めて粗雑な表面が生じる。というのも、材料の老化が生じるからである。本発明による成形体はこのような老化プロセスに対して明らかにより高い安定性を示し、このことはわずかな脆化、良好な破断点伸びおよび/または良好なノッチ付衝撃挙動により顕著となる。
【0016】
本発明による焼結粉末はさらに、熱老化の後でも極めて良好に焼結粉末として使用することができるという利点を有する。これは特に、本発明による粉末の熱老化の際に意外にも再結晶温度の低下が確認されず、それどころか多くの場合、再結晶温度の上昇を確認することができるために極めて良好に可能である(同じことがしばしば、結晶化エンタルピーに関しても該当する)。このことにより、老化した本発明による粉末を使用する際に、新しい粉末とほぼ同じ結晶化挙動が達成される。従来通例の老化粉末は、新しい粉末よりも明らかにより低い温度で結晶化し、従って古い粉末を使用する場合にはへこみ箇所が生じる。
【0017】
本発明による焼結粉末のもう1つの利点は、任意の量(0〜100部)で、同じ化学構造のポリアミドをベースとする従来のレーザー焼結粉末と混合することができることである。得られる粉末混合物は従来の焼結粉末に対して同様に、レーザー焼結の際の熱負荷に対して改善された安定性を示す。
【0018】
さらに意外なことに、本発明による焼結粉末から製造された成形体は何度も再使用しても、良好な機械的安定性を、特に弾性率、引張強さ、密度および破断点伸びに関して変わることなく有していることが確認された。
【0019】
本発明による焼結粉末ならびにその製造方法を以下に記載するが、本発明はこれらに限定すべきでない。
【0020】
選択的レーザー焼結のための本発明による焼結粉末は、粉末が少なくとも1種のポリアミドおよび、有利には少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸、モンタン酸または二量体酸の塩から選択される少なくとも1種の金属石鹸を含有することを特徴とする。ポリアミドとして本発明による焼結粉末は有利にはカルボンアミド基あたり少なくとも8個の炭素原子を有するポリアミドを含有する。有利には本発明による焼結粉末はカルボンアミド基あたり9個以上の炭素原子を有するポリアミドを少なくとも1種含有する。殊に有利には該焼結粉末はポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)およびポリアミド12(PA12)から選択されるポリアミドを少なくとも1種含有する。
【0021】
本発明による「焼結粉末」は、有利には平均粒径10〜250μm、有利には45〜100μmおよび特に有利には50〜80μmの平均粒径を有する。
【0022】
レーザー焼結のために特に、185〜189℃、有利には186〜188℃の溶融温度、112±17kJ/モル、有利には100〜125kJ/モルの溶融エンタルピーおよび133〜148℃、有利には139〜143℃の硬化温度を有するポリアミド12焼結粉末が適切である。本発明による焼結粉末を製造するための方法のベースとなっているポリアミド粉末は一般に公知であり、かつPA12の場合、たとえば本発明の開示内容に属すべき文献DE2906647、DE3510687、DE3510691およびDE4421454から読みとることができる。必要とされるポリアミド顆粒は異なった製造元から得られ、たとえばポリアミド12顆粒はデグッサAG社からVESTAMIDの商品名で提供されている。
【0023】
本発明による焼結粉末は粉末中に存在するポリアミドの合計に対して少なくとも1種の金属石鹸を有利には0.01〜30質量%、好ましくは金属石鹸を0.1〜20質量%、特に有利には金属石鹸を0.5〜15質量%、およびとりわけ有利には金属石鹸を1〜10質量%、そのつど有利に粒子として含有している。本発明による焼結粉末は金属石鹸粒子およびポリアミド粒子の混合物を含有しているか、あるいはまた、埋め込まれた金属石鹸を含有するポリアミド粒子もしくは粉末を含有していてもよい。金属石鹸の割合が、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して0.01質量%を下回ると、熱安定性および黄変抵抗の所望の効果は明らかに低下する。金属石鹸の割合が粉末中に存在するポリアミドの合計に対して30質量%を上回ると、該粉末から製造される成形体の機械的特性、たとえば破断点伸びは明らかに劣化する。
【0024】
本発明による焼結粉末中に含有されている金属石鹸は有利にはC10〜C44の鎖長を有する(10〜44個の炭素原子を有する)、好ましくはC24〜C36を有している直鎖状の飽和アルカンモノカルボン酸の塩である。飽和脂肪酸またはモンタン酸のカルシウム塩またはナトリウム塩が特に有利に使用される。これらの塩が有利に得られ、かつ最も容易に得られる。
【0025】
焼結すべき層の上への粉末塗布のために、金属石鹸が微粒子の形のポリアミド粒子を包んでいる場合に有利であり、これは微粒子状の金属石鹸をポリアミド粉末上へと乾式混合するか、またはその中で金属石鹸が少なくともわずかな残留溶解度を有する溶剤中のポリアミド分散液を湿式混合することにより行うことができる。というのも、こうして処理した粒子は特に良好な流動性を有し、かつ流動助剤の添加をほとんど、またはそれどころか完全に省略することができるからである。しかしまた、たとえば流動助剤を混合することにより他の方法で流動性を保証する場合には、塊状で配合された金属石鹸と共に粉末を使用することもできる。適切な流動助剤、たとえば熱分解法酸化アルミニウム、熱分解法二酸化ケイ素または熱分解法二酸化チタンは当業者に公知である。
【0026】
従って本発明による焼結粉末はこれらの、および/またはその他の助剤および/または充填材を含有していてもよい。このような助剤はたとえば前記の流動助剤、たとえば熱分解法二酸化ケイ素または沈降シリカであってもよい。熱分解法二酸化ケイ素はたとえば商品名Aerosil (R)で異なった規格でデグッサAG社により提供されている。有利には本発明による焼結粉末は存在するポリアミドの合計に対して、このような助剤を3質量%より少なく、有利には0.001〜2質量%および特に有利には0.05〜1質量%含有している。充填材はたとえばガラス、金属またはセラミックの粒子、たとえば中実もしくは中空ガラスビーズ、鋼球または金属粉または着色顔料、たとえば遷移金属酸化物であってもよい。
【0027】
その際、充填材粒子は有利にはポリアミドの粒子よりも小さいか、またはほぼ同じ大きさの平均粒径を有している。有利には充填材の平均粒径d50は、ポリアミドの平均粒径d50を20%以上、有利には15%以上および特に有利には5%以上上回るべきではない。粒径は特にレーザー焼結装置における認容可能な構造高さもしくは層厚さにより制限される。
【0028】
有利には本発明による焼結粉末は、存在するポリアミドの合計に対してこのような充填材を75質量%以下、有利には0.001〜70質量%、特に有利には0.05〜50質量%およびとりわけ有利には0.5〜25質量%含有している。
【0029】
助剤および/または充填材に関して記載の最大値を上回る場合、使用される充填材または助剤に応じて、このような焼結粉末を用いて製造した成形体の機械的特性の明らかな劣化が生じる。超過はさらに、焼結粉末によるレーザービームの固有吸収の妨げにつながりうるので、このような粉末は選択的レーザー焼結のためにもはや使用することができない。
【0030】
本発明による焼結粉末は有利には粉末の熱老化後に、再結晶温度(DSC中での再結晶ピーク)および/または結晶化エンタルピーは新しい粉末と比較してより小さい値にシフトしていない。この場合、熱老化とは粉末を数分間〜数日間、再結晶温度から溶融温度よりも数度低い範囲の温度にさらすことと理解する。典型的な人工的な老化はたとえば再結晶温度の約±5Kの相違に相応する温度で、5〜10日、有利には7日間行うことができる。粉末を使用する際に老化は一般に、溶融温度を1〜15K、有利には3〜10K下回る温度で、それぞれの構造部材のための造形時間に応じて数分間〜2日間行う。熱老化はレーザー焼結の場合、立体造形品を層状に構成する際にレーザービームによりとらえられない粉末を造形室中で造形工程の間、溶融温度よりも数度低い温度に曝露することを意味する。有利な本発明による焼結粉末は粉末の熱老化の後で、再結晶温度(再結晶ピーク)および/または結晶化エンタルピーが、より大きな値へとシフトする。有利には再結晶温度も、結晶化エンタルピーもより大きな値へとシフトする。殊に有利であるのは、新しい粉末として138℃を越える再結晶温度を有し、135℃で7日間老化することにより得られた古い粉末として再結晶温度が新しい粉末の再結晶温度を0〜3K、有利には0.1〜1K上回っている本発明による粉末である。
【0031】
本発明による焼結粉末の製造は容易に可能であり、かつ有利には少なくとも1種のポリアミドを少なくとも1種の金属石鹸と、有利には金属石鹸粒子と混合することを特徴とする本発明による焼結粉末を製造するための本発明による方法により行う。たとえば再沈殿または粉砕により得られるポリアミド粉末を有機溶剤中に溶解するか、または懸濁させ、かつ金属石鹸粒子と混合するか、あるいはまたポリアミド粉末を塊状で金属石鹸粒子と混合することを特徴とする。溶剤中での作業の場合、有利には、少なくとも部分的に溶剤中に溶解して存在している少なくとも1種の金属石鹸または金属石鹸粒子を、ポリアミドを含有する溶液と混合し、その際、ポリアミドを含有する溶液はポリアミドを溶解して含有していてもよく、かつレーザー焼結粉末は金属石鹸含有の溶液からポリアミドを沈澱させることにより得られるか、または溶液がポリアミドを粉末として懸濁して含有していてもよく、かつレーザ焼結粉末は溶剤の除去により得られてもよい。
【0032】
微粒子状の混合物は、本発明による方法の最も簡単な実施態様では、種々の公知の方法により得られる。従って混合はたとえば微粉状の金属石鹸を乾燥したポリアミド粉末上へと高速で運転される機械的なミキサー中で混合することにより行うか、または湿式混合として低速運転される撹拌機、たとえば翼型乾燥器または回転スクリュー型ミキサー(いわゆるノータミキサー(Nautamischer))中で、または有機溶剤中での金属石鹸およびポリアミド粉末の分散および引き続き蒸留による溶剤の除去により行うことができる。この実施法の場合、有機溶剤が金属石鹸を少なくとも低い濃度で溶解している場合に有利である。というのも、乾燥の際に金属石鹸は微粒子の形で晶出し、かつポリアミドを被覆するからである。この変法にとって適切な溶剤はたとえば1〜3個の炭素原子を有する低級アルコールであり、有利にはエタノールを溶剤として使用することができる。
【0033】
ポリアミド粉末は本発明による方法のこの第一の変法の場合、すでにレーザー焼結粉末として適切なポリアミド粉末であってもよく、ここへ単に微粒子状の金属石鹸粒子を添加する。この場合、金属石鹸粒子は有利にはポリアミドの粒子よりも小さいか、またはほぼ同じ大きさの平均粒径を有する。有利には金属石鹸粒子の平均粒径d50はポリアミド粉末の平均粒径d50を20%以上、有利には15%以上、および特に有利には5%以上上回るべきではない。粒径は特にレーザー焼結装置中の認容可能な構造高さまたは層厚さにより制限されている。
【0034】
従来の焼結粉末を本発明による焼結粉末と混合することも同様に可能である。この方法で機械的および光学的特性の最適な組合せを有する焼結粉末を製造することができる。このような混合物を製造するための方法はたとえばDE3441708から読みとることができる。
【0035】
別のプロセス変法では、1種もしくは数種の金属石鹸を配合することにより1種の、有利には溶融したポリアミドと混合し、かつ得られた金属石鹸含有のポリアミドを(冷間)粉砕または再沈殿によりレーザー焼結粉末へと加工する。通常、コンパウンディングの場合、その後に焼結粉末へ加工される顆粒が得られる。この再加工はたとえば粉砕または再沈殿により行うことができる。金属石鹸を配合するプロセス変法は純粋な混合法と比較して、焼結粉末中での金属石鹸の、より均質な分散が達成されるという利点を有する。
【0036】
この場合、流動挙動の改善のために、適切な流動助剤、たとえば熱分解法酸化アルミニウム、熱分解法二酸化ケイ素または熱分解法二酸化チタンを沈澱もしくは冷間粉砕した粉末に添加する。
【0037】
もう1つの有利なプロセス変法では、ポリアミドのエタノール性溶液の金属石鹸をすでに沈澱工程でポリアミドに混合する。このような沈澱工程は、たとえばDE3510687およびDE2906647に記載されている。この方法によりたとえばポリアミド12をエタノール溶液から制御された冷却により適切な温度プログラムに従って沈澱させることができる。金属石鹸はこの方法の場合、同様にポリアミド粒子の微粒子状の被覆であり、これは前記で懸濁液による変法で記載した。沈澱法の詳細な記載に関しては、DE3510687もしくはDE2906647を参照されたい。
【0038】
当業者はこのプロセス変法を変更した形でその他のポリアミドに応用することができ、その際、ポリアミドおよび溶剤は、ポリアミドが高めた温度で溶剤中に溶解し、かつポリアミドがより低い温度で、および/または溶剤を除去する際に溶液から沈澱するように選択しなくてはならない。金属石鹸、有利には粒子の形の金属石鹸をこの溶液に添加し、かつ引き続き乾燥させることにより、相応する本発明によるポリアミド−レーザー焼結粉末が得られる。
【0039】
金属石鹸としてたとえば、市販の製品であり、かつたとえばClariant社から商品名Licomont (R)で市販されているモノカルボン酸の塩を使用することができる。
【0040】
加工性を改善するため、または焼結粉末をさらに変性するために、該粉末に無機着色顔料、たとえば遷移金属酸化物、安定剤、たとえばフェノール、特に立体障害フェノール、レベリング剤および流動助剤、たとえば熱分解法シリカならびに充填材粒子を添加することができる。有利には焼結粉末中のポリアミドの全質量に対して、充填材および/または助剤について本発明による焼結粉末に関して記載した濃度が維持されるような量でこれらの物質をポリアミドに添加する。
【0041】
本発明の対象はまた、ポリアミドと金属石鹸、つまりアルカンモノカルボン酸の塩を有利には粉末の形で含有する本発明による焼結粉末を使用する選択的レーザー焼結により成形体を製造する方法でもある。特に本発明の対象は、ポリアミド12をベースとし、185〜189℃の溶融温度、112±17J/gの溶融エンタルピーおよび136〜145℃の硬化温度を有し、かつその使用がUS6,245,281に記載されている金属石鹸含有の沈降粉末の選択的レーザー焼結により成形体を製造する方法である。
【0042】
この方法は周知であり、かつポリマー粒子の選択的な焼結に基づいており、その際、ポリマー粒子の層を短時間、レーザービームに曝露し、かつこうしてレーザービームに曝露されたポリマー粒子が相互に結合する。ポリマー粒子の層を連続的に焼結することにより立体造形物を製造することができる。選択的レーザー焼結法に関する詳細はたとえば刊行物US6,136,948およびWO96/06881から読みとることができる。
【0043】
選択的レーザー焼結により製造される本発明による成形体は金属石鹸含有のポリアミドを含有することを特徴とする。有利には本発明による成形体は、カルボンアミド基あたり少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のポリアミドを含有する。殊に有利には本発明による成形体は少なくとも1種のポリアミド612、ポリアミド11および/またはポリアミド12および少なくとも1種の金属石鹸を含有する。
【0044】
本発明による成形体中に存在する金属石鹸は、C10〜C44、有利にはC24〜C36の鎖長を有する直鎖状の飽和アルカンモノカルボン酸をベースとする。有利には金属石鹸は飽和脂肪酸またはモンタン酸のカルシウム塩またはナトリウム塩である。有利には本発明による成形体は、成形体中に存在するポリアミドの合計に対して、金属石鹸を0.01〜30質量%、有利には0.1〜20質量%、特に有利には0.5〜15質量%およびとりわけ有利には1〜10質量%含有する。
【0045】
成形体はさらに充填材および/または助剤、たとえば熱安定化剤および/または酸化安定剤、たとえば立体障害フェノール誘導体を含有していてもよい。充填材はたとえばガラス粒子、セラミック粒子および金属粒子、たとえば鉄球、もしくは相応する中空球であってもよい。有利には本発明による成形体はガラス粒子、とりわけ有利にはガラス球を含有する。有利には本発明による成形体は存在するポリアミドの合計に対してこのような助剤を3質量%以下、有利には0.01〜2質量%およびとりわけ有利には0.05〜1質量%含有する。同様に有利には本発明による成形体は存在するポリアミドの合計に対してこのような充填材を75質量%以下、有利には0.001〜70質量%、特に有利には0.05〜50質量%およびとりわけ有利には0.5〜25質量%含有している。
【0046】
本発明による成形体は特に、本発明による焼結粉末を老化した材料(老化は上記のとおり)として使用することにより製造することもでき、その際、該粉末はそれぞれ、老化していない材料よりも小さくない再結晶ピークおよび結晶化エンタルピーを有する。有利には本発明による成形体は、老化していない材料よりも高い再結晶ピークおよびより高い結晶化エンタルピーを有する老化材料を使用して製造される。該成形体は古い粉末を使用するにも関わらず、新しい粉末から製造した材料とほぼ同じ特性を有している。
【0047】
【実施例】
次の実施例は、本発明による焼結粉末ならびにその使用を記載するものであるが、しかしその際、本発明をこれらの実施例に限定するものではない:
次の例において実施したBET−表面積の測定はDIN66131の記載により行った。かさ密度はDIN53466により記載される装置により確認した。レーザー回折の測定値はマルベルン・マスター・サイザー(Malvern Mastersizer)S、バージョン2.18を用いて得られた。
【0048】
例1:再沈殿によるモンタン酸ナトリウムの混合
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性化したm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12(このようなポリアミドの製造はたとえばDE2152194、DE2545267またはDE3510690に記載されている)40kgを、IRGANOX (R)1098 0.3kgおよびモンタン酸ナトリウム0.8kg(Licomont (R) NAV101)ならびに2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lと共に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(d=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈澱が開始され、これは熱の発生により認識することができる。25分後に内部温度は低下し、このことは沈澱の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールは運転中の撹拌機において70℃および400ミリバールでここから留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバールおよび85℃で3時間、後乾燥させた。得られた生成物からふるい分析を実施し、次の結果が得られた:
Figure 0004436630
【0049】
例2:コンパウンディングおよび再沈殿によるモンタン酸ナトリウムの混合
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性化したm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12 40kgを、IRGANOX (R)245 0.3kgおよびモンタン酸ナトリウム0.8kg(Licomont (R) NAV101)と共に225℃で二軸スクリュー混合機(Bersttorf ZE25)中で押出成形し、かつストランドとして造粒した。引き続きこのコンパウンドを、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lと共に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(D=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈澱が開始され、これは熱の発生により認識することができる。25分後に内部温度は低下し、このことは沈澱の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールはここから運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールで留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。得られた生成物からふるい分析を実施し、次の結果が得られた:
Figure 0004436630
【0050】
例3:エタノール性懸濁液中のモンタン酸ナトリウムの混合
例1に記載されているとおりに実施するが、ただし、金属石鹸を開始時に添加するのではなく、モンタン酸ナトリウム(Licomont (R) NAV101)0.4kgを75℃で沈澱後に初めて、翼型乾燥器中の沈澱したばかりの懸濁液に添加する。乾燥ならびにその後の後処理は、例1に記載されているとおりに行う:
Figure 0004436630
【0051】
例4:エタノール性懸濁液中のモンタン酸カルシウムの混合
例3に記載されているとおりに実施するが、ただしモンタン酸カルシウム(Licomont (R) CAV102P)0.4kgを75℃で、翼型乾燥器中の沈澱したばかりの懸濁液に添加し、かつ例1に記載されているとおりに最後まで乾燥させる:
Figure 0004436630
【0052】
例5:エタノール性懸濁液中のステアリン酸マグネシウムの混合
例3に記載されているとおりに実施するが、ただし、ステアリン酸マグネシウム(1質量%)0.4kgを75℃で、沈澱後に翼型乾燥器中の沈澱したばかりの懸濁液の添加し、かつ例1に記載されているとおりに最後まで乾燥させる:
Figure 0004436630
【0053】
例6:再沈殿によるモンタン酸ナトリウムの混合
例1からの重合調整されていないPA12 40kgを、Lowinox BHT (R)(=2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル−フェノール) 0.2kgおよびモンタン酸ナトリウム(Licomont (R) NAV101)0.4kg(1質量%)と共に、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lを一緒に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(d=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=89rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を125℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を110℃にした。この温度で沈澱が開始され、これは熱の発生により認識することができる。20分後に内部温度は沈澱の終了と共に低下した。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールはここから運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールで留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。
【0054】
Figure 0004436630
【0055】
例7:再沈殿によるモンタン酸カルシウムの混合
例1からの重合調整されていないPA12 40kgを、Lowinox TBP6 (R)(=4,4′−チオ−ビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)0.2kgおよびモンタン酸カルシウム(Licomont (R) CAV102P)0.4kgと共に、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lを一緒に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(D=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=90rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を125℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を110℃にした。この温度で沈澱が開始され、これは熱の発生により認識することができる。20分後に内部温度は低下し、沈澱は終了した。該懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールは運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールでここから留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。
【0056】
Figure 0004436630
【0057】
例8:ドライブレンド中へのステアリン酸亜鉛の混合
DE2906647により製造され、57μmの平均粒径d50(レーザー回折)およびDIN53466によるかさ密度460g/lを有するポリアミド12の粉末2kg(100部)に、ヘンシェルミキサーFML10/KM23を使用して700回転/分、50℃でドライブレンド法によりステアリン酸亜鉛20g(1部)を3分間混合した。引き続きアエロジル200を2g(0.1部)、室温および500回転/分で3分間混合した。
【0058】
例9:ドライブレンド中へのモンタン酸カルシウムの混合
DE2906647により製造され、65μmの平均粒径d50(レーザー回折)およびDIN53466によるかさ密度472g/lを有するポリアミド12の粉末2kg(100部)に、ヘンシェルミキサーFML10/KM23を使用して400回転/分、室温でドライブレンド法によりモンタン酸カルシウム60g(3部)をアエロジル200 1g(0.05部)と共に3分間混合した。
【0059】
例10:ドライブレンド中へのステアリン酸カルシウムの混合
DE2906647により製造され、48μmの平均粒径d50(レーザー回折)およびDIN53466によるかさ密度450g/lを有するポリアミド12の粉末2kg(100部)に、ヘンシェルミキサーFML10/KM23を使用して400回転/分、室温でドライブレンド法によりステアリン酸カルシウム10g(0.5部)を5分間混合した。
【0060】
例11:比較例(本発明によらない):
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性化したm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12 40kgを、IRGANOX (R) 1098 0.3kgと共に、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350l中、5時間以内に0.8mの撹拌反応器(D=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈澱が開始され、これは熱の発生により認識される。25分後に内部温度は低下し、これは沈澱の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールは運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールでここから留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。
【0061】
Figure 0004436630
【0062】
その後の加工および老化試験:
例1〜7および11からの全ての試料にミキサコ(Mixaco)ミキサーCM50D中、150回転/分で、1分間、0.1質量%のアエロジル200を添加した。例1〜11から得られた粉末の部分を真空乾燥室中、135℃で7日間、人工的に老化させ、かつ引き続き新たな粉末を添加しないでレーザー焼結装置に供給した。構成部材に応じて、機械的な値をEN ISO 527による引張試験により確認した(第1表)。簡素化した内部法により密度を確認した。このためにISO 3167により製造した引張試験片(多目的試験体)を測定し、かつここから体積を算出し、引張試験片の質量を測定し、かつ体積と質量から密度を算出した。ISO 3167による試験棒および構成部材は比較の目的のために新しい粉末(老化していない粉末)から製造した。製造はそのつど、EOS社のレーザー焼結装置EOSINT P360により行った。
【0063】
【表1】
Figure 0004436630
【0064】
第1表から明らかなように、金属石鹸を混合することにより以下に記載の改善が達成される。老化後の密度は、変性により新しい粉末の場合とほぼ同じレベルであった。機械的特性、たとえば破断点伸びおよび弾性率は粉末の老化に関わらず高いレベルを維持していた。
【0065】
循環加工のための試験
例3により製造した粉末および比較例により製造した比較粉末(その際、それぞれ人工的な老化は行わなかった)を、さらにレーザー焼結装置(EOS社のEOSINT P360)で循環させて、つまり使用されたが、焼結されなかった粉末を次の造形プロセスでふたたび使用して加工した。それぞれの通過の後、20%の未使用粉末の添加により再使用粉末を補充した。構造部材における機械的な特性値はEN ISO 527による引張試験により確認した。密度は上記のとおり、簡素化された内部法により実施した。第2表には、循環加工により得られた構造部材の測定値が記載されている。
【0066】
【表2】
Figure 0004436630
【0067】
6回目の通過の際にも本発明による粉末から製造された構造部材は、その密度も機械的特性も低減していないことが第2表からわかる。これに対して比較例により製造した構造部材の密度および機械的特性は通過の数と共に明らかに低下した。
【0068】
本発明による粉末のさらなる試験のために本発明により製造した粉末と構造部材の試料とに、DSC装置(Perkin Elmer DSC7)を用いてDIN53765によるDSC試験を実施した。この試験の結果は第3表にまとめられている。「次の方法による」の欄にはどの方法で粉末を製造したかが記載されており、その際、そのつど、欄「金属石鹸」には、粉末を製造する際にどの金属石鹸をどのくらい使用したかを記載した。構造部材はふたたび、ISO3167に相応し、かつ上記のとおりに得られた。本発明による粉末もしくは本発明による粉末から製造した構造部材にとって特徴的であるのは、変性していない粉末に対して高められた溶融エンタルピー、ならびに明らかに高められた再結晶温度である。結晶化エンタルピーは同様に上昇した。これらの値は上でさらに記載したとおり、人工的に老化した粉末もしくはこの老化粉末から製造した構造部材に関する。
【0069】
【表3】
Figure 0004436630
【0070】
表から読みとれるように、本発明により変性した老化粉末からなる構造部材は、その結晶特性に関して未使用の粉末からなる構造部材に類似しており、その一方で老化した比較粉末(標準材料)からなる構造部材は明らかに相違する特性を有する。再結晶温度および結晶化エンタルピーに関してさらに、金属石鹸を含有する粉末は古い粉末として、未処理の新しい粉末と比較して、同じか、またはそれどころかより高い再結晶温度および結晶化エンタルピーを有していることを確認することができた。これに対して未処理の古い粉末の場合、再結晶温度および結晶化エンタルピーは新しい粉末と比較して低下する。

Claims (17)

  1. 選択的レーザー焼結のための焼結粉末において、該粉末がポリアミドを少なくとも1種および少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸、モンタン酸もしくは二量体酸の塩から選択される金属石鹸を少なくとも1種含有することを特徴とする、選択的レーザー焼結のための焼結粉末。
  2. カルボンアミド基あたり少なくとも8個の炭素原子を有するポリアミドを含有する、請求項1記載の焼結粉末。
  3. ポリアミド612、ポリアミド11またはポリアミド12または前記のポリアミドをベースとするコポリアミドを含有する、請求項1または2記載の焼結粉末。
  4. 粉末は、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して金属石鹸を0.01〜30質量%含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  5. 粉末は、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して金属石鹸を0.5〜15質量%含有する、請求項4記載の焼結粉末。
  6. 粉末は、微粒子状の金属石鹸粒子とポリアミド粒子とからなる混合物を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  7. 粉末は、ポリアミド粒子中に混合された金属石鹸を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  8. 金属石鹸は、ベースとなるアルカンモノカルボン酸または二量体酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である、請求項1から7までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  9. 金属石鹸は、ベースとなるアルカンモノカルボン酸または二量体酸のナトリウム塩またはカルシウム塩である、請求項1から8までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  10. 付加的な助剤および/または充填材を含有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  11. 助剤として流動助剤を含有する、請求項10記載の焼結粉末。
  12. 充填材としてガラス粒子を含有する、請求項10または11記載の焼結粉末。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項記載の焼結粉末の製造方法において、少なくとも1種のポリアミドを金属石鹸と混合することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の焼結粉末の製造方法。
  14. 再沈殿または粉砕により得られるポリアミド粉末を有機溶剤中に溶解するか、または懸濁するか、または塊状で金属石鹸粒子と混合する、請求項13記載の方法。
  15. 金属石鹸をポリアミドの溶融物中に配合し、かつ得られる金属石鹸含有のポリアミドを沈澱させるか、または粉砕することによりレーザー焼結粉末へと加工する、請求項13記載の方法。
  16. 金属石鹸または金属石鹸粒子少なくとも1種を、ポリアミドを含有する溶液と混合し、その際、ポリアミドを含有する溶液はポリアミドを溶解して含有しており、かつレーザー焼結粉末が沈澱により得られるか、または該溶液はポリアミドを粉末として懸濁させて含有しており、かつレーザー焼結粉末が溶剤の除去により得られる、請求項13記載の方法。
  17. 請求項1から12までのいずれか1項記載の焼結粉末を選択的にレーザー焼結することにより成形体を製造する方法。
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