JP4518384B2 - 選択的レーザー焼結のための焼結粉末、その製法、成形体の製法、およびこの種の成形体 - Google Patents

選択的レーザー焼結のための焼結粉末、その製法、成形体の製法、およびこの種の成形体 Download PDF

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Description

本発明は金属塩(粒子)および脂肪酸誘導体を有するポリアミド、有利にポリアミド12をベースとするレーザー焼結粉末、該粉末の製法、並びに該粉末の選択的レーザー焼結により製造された成形体に関する。
プロトタイプの迅速な製造は、近年しばしば課題とされている。迅速なプロトタイピング(Prototyping)の目的のために特に著しく好適な方法は、選択的レーザー焼結である。この方法においては、プラスチック粉末を室中でレーザービームで短時間、選択的に照射し、これによりレーザービームが当たった粉末−粒子は溶融する。溶融した粒子は相互に混じりあって、再び迅速に硬化して固体の塊になる。常に新しく構成される層を繰り返し照射することにより、この方法で複雑な形状の立体造形品を簡単にかつ迅速に製造することができる。
粉末状のポリマーから成形体を製造するための、レーザー焼結(Rapid Prototyping)の方法は特許明細書US6136948およびWO96/06881(両者ともDTM Corporation)中に詳細に記載されている。多数のポリマーおよびコポリマー、例えばポリアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、イオノマーおよびポリアミドは、この適用のために請求されている。
実地においては、レーザー焼結において、特にポリアミド12−粉末(PA12)が成形体、特に工業用の構造部材の製造のために有利であることが証明されている。PA12粉末から製造される部材は、機械的負荷に関して課される要求を満足し、ひいてはその特性において特に、押出成形または射出成形により製造されるその後の大量生産部材に近いものである。
この場合、たとえばDE19708946またはDE4421454に記載されているようにして得られる平均粒径(d50)50〜150μmを有するPA12の粉末が好適である。この場合、有利にはポリアミド12は、EP0911142に記載されているように、185〜189℃の溶融温度、112J/gの溶融エンタルピーおよび138〜143℃の硬化温度を有する粉末である。
目下使用されているポリアミド粉末における欠点は、未焼結材料を再使用する際に現れるへこみ箇所(Einfallstellen)ならびに成形体の粗雑な表面である。従って前記の作用を回避するために、未使用粉末、いわゆる新しい粉末を高い割合で添加しなくてはならなくなる。
この作用は特に、大量の使用済み粉末、つまりすでに一度使用したが、しかしその使用の際に溶融しなかったレーザー焼結粉末を高い割合で使用する場合に観察される。表面欠陥はしばしば、特に成形体が粗雑な表面を有している場合には、機械的特性の劣化を伴う。この損傷はたとえば弾性率の低下、破断点伸びの低下またはノッチ付衝撃挙動の劣化により顕著である。
US6,136,948 WO96/06881 DE19708946 DE4421454
従って本発明の課題は、レーザー焼結の際の熱的な負荷に対して改善された抵抗性および改善された老化特性を有し、ひいてはより良好に再使用することができるレーザー焼結粉末を提供することである。
意外なことに、弱酸の金属塩および脂肪酸誘導体をポリアミドに添加することにより、レーザー焼結によって成形体を製造することができ、従来の焼結粉末からなる成形体よりも明らかに熱的な負荷に対して不感受性である焼結粉末を製造できることが判明した。このことによりたとえば補充率(Auffrischrate)、つまり使用済粉末を使用する際に添加しなくてはならない未使用粉末の量を明らかに低減することができる。成形部材を構成することにより消費される量のみを補充することを必要とする場合が特に有利であり、これは本発明による粉末により(ほぼ)達成することができる。
従って本発明の対象は選択的レーザー焼結のための焼結粉末であり、該粉末の特徴は、粉末が少なくとも1種のポリアミドおよび少なくとも1種の金属塩並びに脂肪酸誘導体を含有していることである。
本発明の対象は同様に、本発明による焼結粉末を製造するための方法であり、この方法は、少なくとも1種のポリアミド粉末を乾燥状態で金属塩粒子と混合して、焼結粉末とするか、または別の実施態様として、金属塩がその中で少なくともわずかな溶解度を有する溶剤の存在下で金属塩粒子と混合し、かつ分散剤/溶剤を引き続きふたたび除去することを特徴とする。使用すべき金属塩の溶融温度は両方の実施態様で室温を上回っていなくてはならないことは自明である。十分に微細な粉末を提供することが必要である場合には、金属塩を乾燥ブレンド中に混和する前に粉砕することが必要である。
脂肪酸誘導体の混和は同様に前記の両方の方法で行われるが、この際この混和は同時に、または順次、異なる方法で、行うことができる。
さらに本発明の対象は、レーザー焼結により製造される成形体であり、これは金属塩および脂肪酸誘導体と少なくとも1種のポリアミドとを含有することを特徴とする。
本発明による焼結粉末は、該焼結粉末からレーザー焼結により製造される成形体が、再使用可能な材料からも製造することができるという利点を有する。従って、過剰の粉末を複数回にわたり再使用した後でもへこみ箇所を有していない成形体が得られる。材料の老化が生じるので、へこみ箇所以外にしばしば極めて粗雑な表面が生じる。本発明による成形体はこのような老化プロセスに対して明らかにより高い安定性を示し、このことはわずかな脆化、良好な破断点伸びおよび/または良好なノッチ付衝撃挙動により顕著となる。
本発明による焼結粉末はさらに、熱老化の後でも極めて良好に焼結粉末として使用することができるという利点を有する。これは特に、本発明による粉末の熱老化の際に意外にも再結晶温度の低下が確認されず、それどころか多くの場合、再結晶温度の上昇を確認することができるために極めて良好に可能である(同じことがしばしば、結晶化エンタルピーに関しても該当する)。このことにより、老化した本発明による粉末を使用する際に、新しい粉末とほぼ同じ結晶化挙動が達成される。従来通例の老化粉末は、新しい粉末よりも明らかにより低い温度で結晶化し、従って古い粉末を使用する場合にはへこみ箇所が生じる。
本発明による焼結粉末のもう1つの利点は、任意の量(0〜100部)で、同じ化学構造のポリアミドをベースとする従来のレーザー焼結粉末と混合することができることである。得られる粉末混合物は従来の焼結粉末に対して同様に、レーザー焼結の際の熱負荷に対して改善された安定性を示す。
さらに意外なことに、本発明による焼結粉末から製造された成形体は何度も再使用しても、良好な機械的安定性を、特に弾性率、引張強さ、密度および破断点伸びに関して変わることなく有していることが確認された。
本発明による焼結粉末ならびにその製造方法を以下に記載するが、本発明はこれらに限定すべきでない。
選択的レーザー焼結のための本発明による焼結粉末は、粉末が少なくとも1種のポリアミドおよび少なくとも1種の弱酸の金属塩および少なくとも1種の脂肪酸誘導体、有利には脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミドから選択された脂肪酸誘導体を含有することを特徴とする。ポリアミドとして本発明による焼結粉末は有利にはカルボンアミド基あたり少なくとも8個の炭素原子を有するポリアミドを含有する。有利には本発明による焼結粉末はカルボンアミド基あたり9個以上の炭素原子を有するポリアミドを少なくとも1種含有する。殊に有利には該焼結粉末はポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)およびポリアミド12(PA12)から選択されるポリアミドを少なくとも1種含有する。
本発明による焼結粉末は、有利には平均粒径10〜250μm、有利には45〜100μmおよび特に有利には50〜80μmの平均粒径を有する。
レーザー焼結のために特に、185〜189℃、有利には186〜188℃の溶融温度、112±17J/g、有利には100〜125J/gの溶融エンタルピーおよび133〜148℃、有利には139〜143℃の硬化温度を有するポリアミド12焼結粉末が適切である。本発明による焼結粉末を製造するための方法のベースとなっているポリアミド粉末は一般に公知であり、かつPA12の場合、たとえば本発明の開示内容に属すべき文献DE2906647、DE3510687、DE3510691およびDE4421454から読みとることができる。必要とされるポリアミド顆粒は異なった製造元から得られ、たとえばポリアミド12顆粒はデグッサAG社からVESTAMIDの商品名で提供されている。
本発明による焼結粉末は粉末中に存在するポリアミドの合計に対して少なくとも1種の金属塩を有利には0.01〜30質量%、好ましくは金属塩を0.1〜20質量%、特に有利には金属塩を0.5〜15質量%、およびとりわけ有利には金属塩を1〜10質量%、そのつど有利に粒子として含有している。付加的に、本発明による焼結粉末は粉末中に存在するポリアミドの合計に対して少なくとも1種の脂肪酸誘導体を有利には0.01〜30質量%、好ましくは脂肪酸誘導体を0.1〜20質量%、特に有利には脂肪酸誘導体を0.5〜15質量%、およびとりわけ有利には脂肪酸を1〜10質量%を含有している。
本発明による焼結粉末は金属塩粒子、脂肪酸誘導体粒子およびポリアミド粒子の混合物を含有しているか、あるいはまた、混和された脂肪酸誘導体、例えば脂肪酸アミド、脂肪酸エステルまたはエチレンビスステアリルアミド(EBS)および金属塩を含有するポリアミド粒子もしくは粉末を含有していてもよい。特に有利であるのは、ポリマー中への脂肪酸誘導体の混和および引き続く金属塩との粉末形への混合である。金属塩および脂肪酸誘導体からなる添加物の合計の割合が、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して0.01質量%を下回ると、熱安定性および黄変抵抗の所望の効果は明らかに低下する。添加物の割合が粉末中に存在するポリアミドの合計に対して30質量%を上回ると、該粉末から製造される成形体の機械的特性、たとえば破断点伸びは明らかに劣化する。
本発明による焼結粉末中に含有されている金属塩は有利に弱酸の金属塩である。特に有利には、金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムを使用する。これらの塩が有利に得られ、かつ最も容易に得られる。
本発明による焼結粉末中に含有される脂肪酸誘導体は有利に脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミドであり、Clariant社からLicolub FA1という商品名で購入可能であるエチレンビスステアリルアミド(EBS)が殊に有利である。
焼結すべき層の上への粉末塗布のために、金属塩および脂肪酸誘導体が微粒子の形のポリアミド粒子を包んでいる場合に有利であり、これは微粒子状の金属塩および脂肪酸誘導体をポリアミド粉末上へと乾式混合するか、またはその中で金属塩および脂肪酸誘導体が少なくともわずかな残留溶解度を有する溶剤中のポリアミド分散液を湿式混合することにより行うことができる。というのも、こうして処理した粒子は特に良好な流動性を有し、かつ流動助剤の添加をほとんど、またはそれどころか完全に省略することができるからである。しかしまた、両方の添加物に関して両方の方法を組み合わせることも可能である。たとえば流動助剤を混合することにより他の方法で流動性を保証する場合には、塊状で配合された金属塩および脂肪酸誘導体と共に粉末を使用することもできる。適切な流動助剤、たとえば熱分解法酸化アルミニウム、熱分解法二酸化ケイ素または熱分解法二酸化チタンは当業者に公知である。
従って本発明による焼結粉末はこれらの、または同様にその他の助剤および/または充填材を含有していてもよい。このような助剤はたとえば前記の流動助剤、たとえば熱分解法二酸化ケイ素または沈降シリカであってもよい。熱分解法二酸化ケイ素はたとえば商品名Aerosil (R)で種々の規格でデグッサAG社により提供されている。有利には本発明による焼結粉末は存在するポリアミドの合計に対して、このような助剤を3質量%より少なく、有利には0.001〜2質量%および特に有利には0.05〜1質量%含有している。充填材はたとえばガラス、金属またはセラミックの粒子、たとえば中実もしくは中空ガラスビーズ、鋼球または金属粉または着色顔料、たとえば遷移金属酸化物であってもよい。
その際、充填材粒子は有利にはポリアミドの粒子よりも小さいか、またはほぼ同じ大きさの平均粒径を有している。有利には充填材の平均粒径d50は、ポリアミドの平均粒径d50を20%より多く、有利には15%より多くおよび特に有利には5%より多く上回るべきではない。粒径は特にレーザー焼結装置における認容可能な構造高さもしくは層厚さにより制限される。
有利には本発明による焼結粉末は、存在するポリアミドの合計に対してこのような充填材を75質量%より少量、有利には0.001〜70質量%、特に有利には0.05〜50質量%およびとりわけ有利には0.5〜25質量%含有している。
助剤および/または充填材に関して記載の最大値を上回る場合、使用される充填材または助剤に応じて、このような焼結粉末を用いて製造した成形体の機械的特性の明らかな劣化が生じる。超過はさらに、焼結粉末によるレーザービームの固有吸収の妨げにつながりうるので、このような粉末は選択的レーザー焼結のためにもはや使用することができない。
本発明による焼結粉末は有利には粉末の熱老化後に、再結晶温度(DSC中での再結晶ピーク)および/または結晶化エンタルピーは新しい粉末と比較してより小さい値にシフトしていない。この場合、熱老化とは粉末を数分間〜数日間、再結晶温度から溶融温度よりも数度低い範囲の温度にさらすことと理解する。典型的な人工的な老化はたとえば再結晶温度の約±5Kの相違に相応する温度で、5〜10日、有利には7日間行うことができる。粉末を使用する際に老化は一般に、溶融温度を1〜15K、有利には3〜10K下回る温度で、それぞれの構造部材のための造形時間に応じて数分間〜2日間行う。熱老化はレーザー焼結の場合、立体造形品を層状に構成する際にレーザービームによりとらえられない粉末を造形室中で造形工程の間、溶融温度よりも数度低い温度に曝露することを意味する。有利な本発明による焼結粉末は粉末の熱老化の後で、再結晶温度(再結晶ピーク)および/または結晶化エンタルピーが、より大きな値へとシフトする。有利には再結晶温度も、結晶化エンタルピーもより大きな値へとシフトする。殊に有利であるのは、新しい粉末として138℃を越える再結晶温度を有し、135℃で7日間老化することにより得られた古い粉末として再結晶温度が新しい粉末の再結晶温度を0〜3K、有利には0.1〜1K上回っている本発明による粉末である。
本発明による焼結粉末の製造は容易に可能であり、かつ有利には少なくとも1種のポリアミドを、少なくとも1種の金属塩、有利には金属塩粒子の粉末および少なくとも1種の脂肪酸誘導体、有利には脂肪酸誘導体粒子の粉末と混合することを特徴とする本発明による焼結粉末を製造するための本発明による方法により行う。たとえば再沈殿または粉砕により得られるポリアミド粉末を有機溶剤中に溶解するか、または懸濁させ、かつ金属塩粒子と混合するか、あるいはまたポリアミド粉末を塊状で金属塩粒子と混合することができる。溶剤中での作業の場合、有利には、少なくとも部分的に溶剤中に溶解して存在しているかまたは懸濁して存在している少なくとも1種の金属塩または金属塩粒子および同様に少なくとも部分的に溶剤中に溶解して存在しているかまたは懸濁して存在している少なくとも1種の脂肪酸誘導体を、ポリアミドを含有する溶液と混合し、その際、ポリアミドを含有する溶液はポリアミドを溶解して含有していてもよく、その場合にはレーザー焼結粉末は金属塩含有および/または脂肪酸誘導体含有の溶液からポリアミドを沈殿させることにより得られるか、または溶液がポリアミドを粉末として懸濁して含有していてもよく、その場合にはレーザー焼結粉末は溶剤の除去により得られる。
微粒子状の混合物は、本発明による方法の最も簡単な実施態様では、種々の公知の方法により得られる。従って混合はたとえば微粉状の金属塩および/または脂肪酸誘導体を乾燥したポリアミド粉末上へと高速で運転される機械的なミキサー中で混合することにより行うか、または湿式混合として低速運転される装置、たとえば翼型乾燥器または回転スクリュー型ミキサー(いわゆるノータミキサー(Nautamischer))中で、または有機溶剤中での金属塩および/または脂肪酸誘導体およびポリアミド粉末の分散および引き続き蒸留による溶剤の除去により行うことができる。この実施法の場合、有機溶剤が金属塩および同様に脂肪酸誘導体を少なくとも低い濃度で溶解または少なくとも懸濁している場合に有利である。というのも、乾燥の際に金属塩および脂肪酸誘導体は微粒子の形で晶出し、かつポリアミド粒子を被覆するからである。この変法にとって適切な溶剤はたとえば1〜3個の炭素原子を有する低級アルコールであり、有利にはエタノールを溶剤として使用することができる。
金属塩も脂肪酸誘導体もポリマーとドライ・ブレンドでまたは湿式で混和して添加することができる。この添加は同時にまたは順次実施することができ;ドライ・ブレンドおよび湿式混合の組合せも可能である。脂肪酸誘導体を湿式で混和し、引き続き金属塩を高速で運転されるミキサー中で担持するという組合せは、特に有利であると見なされるべきである。
ポリアミド粉末は本発明による方法のこの第一の変法の場合、すでにレーザー焼結粉末として適切なポリアミド粉末であってもよく、ここへ単に微粒子状の金属塩粒子および脂肪酸誘導体粒子を添加する。この場合、添加物の粒子は有利にはポリアミドの粒子よりも小さいか、またはほぼ同じ大きさの平均粒径を有する。有利には添加物粒子の平均粒径d50はポリアミド粉末の平均粒径d50を20%より多く、有利には15%より多く、および特に有利には5%より多く上回るべきではない。粒径は特にレーザー焼結装置中の認容可能な構造高さまたは層厚さにより制限されている。
従来の焼結粉末を本発明による焼結粉末と混合することも同様に可能である。この方法で機械的および光学的特性の最適な組合せを有する焼結粉末を製造することができる。このような混合物を製造するための方法はたとえばDE3441708から読みとることができる。
別のプロセス変法では、1種もしくは数種の金属塩および1種もしくは数種の脂肪酸誘導体を1種の、有利には溶融したポリアミドと配合することにより混合し、かつ得られた添加物含有のポリアミドを(冷間)粉砕または再沈殿によりレーザー焼結粉末へと加工する。通常、コンパウンディングの際に顆粒が得られ、その後にこれを焼結粉末へ加工する。この再加工はたとえば粉砕または再沈殿により行うことができる。金属塩および脂肪酸誘導体を配合するプロセス変法は純粋な混合法と比較して、焼結粉末中での金属塩および脂肪酸誘導体の、より均質な分散が達成されるという利点を有する。
この場合、流動挙動の改善のために、適切な流動助剤、たとえば熱分解法酸化アルミニウム、熱分解法二酸化ケイ素または熱分解法二酸化チタンを沈殿もしくは冷間粉砕した粉末に添加する。
もう1つの有利なプロセス変法では、ポリアミドのエタノール性溶液の金属塩および/または脂肪酸誘導体をすでに沈殿工程でポリアミドに混合する。このような沈殿工程は、たとえばDE3510687およびDE2906647に記載されている。この方法によりたとえばポリアミド12をエタノール溶液から制御された冷却により適切な温度プログラムに従って沈殿させることができる。この方法において、金属塩および脂肪酸誘導体は、懸濁液による変法で記載したと同様に、ポリアミド粒子の微粒子状の被覆を生じさせる。沈殿法の詳細な記載に関しては、DE3510687もしくはDE2906647を参照されたい。
当業者はこのプロセス変法を変更した形でその他のポリアミドに応用することができ、その際、ポリアミドおよび溶剤は、ポリアミドが高めた温度で溶剤中に溶解し、かつポリアミドがより低い温度で、および/または溶剤を除去する際に溶液から沈殿するように選択しなくてはならない。金属塩および/または脂肪酸誘導体、有利には粒子の形の金属塩および/または脂肪酸誘導体をこの溶液に添加し、かつ引き続き乾燥させることにより、相応する本発明によるポリアミド−レーザー焼結粉末が得られる。
金属塩として例えば、弱酸の塩、特に金属炭酸塩、ことに炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムを使用することができ、これらは例えば、市販の製品であり、かつ例えばFluka社またはMerck社から市販されている。
脂肪酸誘導体としては、脂肪酸エステルまたは脂肪酸アミド、例えばエチレンビスステアロイルアミド(EBS)またはエルカ酸アミドを使用することができる。これも市販の製品であり、例えばClariant社から商品名Licolub FA1として、もしくはCognis社において商品名Loxamid Eとして購入可能である。
加工性を改善するため、または焼結粉末をさらに変性するために、該粉末に無機着色顔料、たとえば遷移金属酸化物、安定剤、たとえばフェノール、特に立体障害フェノール、レベリング剤および流動助剤、たとえば熱分解法シリカならびに充填材粒子を添加することができる。有利には焼結粉末中のポリアミドの全質量に対して、充填材および/または助剤について本発明による焼結粉末に関して記載した濃度が維持されるような量でこれらの物質をポリアミドに添加する。
本発明の対象はまた、ポリアミドおよび金属塩および脂肪酸誘導体を有利には粒子の形で含有する本発明による焼結粉末を使用する選択的レーザー焼結により成形体を製造する方法でもある。特に本発明の対象は、ポリアミド12をベースとし、185〜189℃の溶融温度、112±17J/gの溶融エンタルピーおよび136〜145℃の硬化温度を有し、かつその使用がUS6,245,281に記載されている金属塩および脂肪酸誘導体含有の沈殿粉末の選択的レーザー焼結により成形体を製造する方法である。
この方法は周知であり、かつポリマー粒子の選択的な焼結に基づいており、その際、ポリマー粒子の層を短時間、レーザービームに曝露し、かつこうしてレーザービームに曝露されたポリマー粒子が相互に結合する。ポリマー粒子の層を連続的に焼結することにより立体造形物を製造することができる。選択的レーザー焼結法に関する詳細はたとえば刊行物US6,136,948およびWO96/06881から読みとることができる。
選択的レーザー焼結により製造される本発明による成形体は金属塩および脂肪酸誘導体含有のポリアミドを含有することを特徴とする。有利には本発明による成形体は、カルボンアミド基あたり少なくとも8個の炭素原子を有する少なくとも1種のポリアミドを含有する。殊に有利には本発明による成形体は少なくとも1種のポリアミド612、ポリアミド11および/またはポリアミド12および少なくとも1種の金属塩および少なくとも1種の脂肪酸誘導体を含有する。
本発明による成形体中に存在する金属塩は、弱酸の塩、特に金属炭酸塩である。この金属塩が炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムであるのが有利である。有利には本発明による成形体は、成形体中に存在するポリアミドの合計に対して、金属塩を0.01〜30質量%、有利には0.1〜20質量%、特に有利には0.5〜15質量%およびとりわけ有利には1〜10質量%含有する。
更に、本発明による成形体は、成形体中に存在するポリアミドの合計に対して、脂肪酸誘導体を0.01〜30質量%、有利には0.1〜20質量%、特に有利には0.5〜15質量%およびとりわけ有利には1〜10質量%含有する。
成形体はさらに充填材および/または助剤、たとえば熱安定化剤および/または酸化安定剤、たとえば立体障害フェノール誘導体を含有していてもよい。充填材はたとえばガラス粒子、セラミック粒子および金属粒子、たとえば鉄球、もしくは相応する中空球であってもよい。有利には本発明による成形体はガラス粒子、とりわけ有利にはガラス球を含有する。有利には本発明による成形体は存在するポリアミドの合計に対してこのような助剤を3質量%以下、有利には0.001〜2質量%およびとりわけ有利には0.05〜1質量%含有する。同様に有利には本発明による成形体は存在するポリアミドの合計に対してこのような充填材を75質量%以下、有利には0.001〜70質量%、特に有利には0.05〜50質量%およびとりわけ有利には0.5〜25質量%含有している。
本発明による成形体は特に、本発明による焼結粉末を老化した材料(老化は上記のとおり)として使用することにより製造することもでき、その際、該粉末はそれぞれ、老化していない材料よりも小さくない再結晶ピークおよび結晶化エンタルピーを有する。有利には本発明による成形体は、老化していない材料よりも高い再結晶ピークおよびより高い結晶化エンタルピーを有する老化材料を使用して製造される。該成形体は古い粉末を使用するにも関わらず、新しい粉末から製造した材料とほぼ同じ特性を有している。
次の実施例は、本発明による焼結粉末ならびにその使用を記載するものであるが、しかしその際、本発明をこれらの実施例に限定するものではない:
次の例において実施したBET−表面積の測定はDIN66131の記載により行った。かさ密度はDIN53466により記載される装置により確認した。レーザー回折の測定値はマルベルン・マスター・サイザー(Malvern Mastersizer)S、バージョン2.18を用いて得られた。
例1:再沈殿による炭酸ナトリウムの混和
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性にしたm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12(このようなポリアミドの製造はたとえばDE2152194、DE2545267またはDE3510690に記載されている)40kgを、IRGANOX (R)1098 0.3kg、Loxamid E 0.8kgおよび炭酸ナトリウム0.8kgならびに2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lと共に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(d=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈殿が開始され、これは熱の発生により認識することができる。25分後に内部温度は低下し、このことは沈殿の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールを運転中の撹拌機において70℃および400ミリバールでここから留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバールおよび85℃で3時間、後乾燥させた。得られた生成物からふるい分析を実施し、次の結果が得られた:
BET: 5.2m/g、
かさ密度: 442g/l
レーザー回折:
d(10%):46μm、d(50%):67μm、d(90%):102μm。
例2:コンパウンディングおよび再沈殿による炭酸ナトリウムおよびエルカ酸アミドの混和
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性にしたm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12 40kgを、IRGANOX (R)245 0.3kgおよび炭酸ナトリウム0.8kgおよびエルカ酸(Loxamid E)0.4kgと共に225℃で二軸スクリュー混合機(Bersttorf ZE25)中で押出成形し、かつストランドとして造粒した。引き続きこのコンパウンドを、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350lと共に5時間以内に0.8mの撹拌反応器(D=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈殿が開始され、これは熱の発生により認識することができる。25分後に内部温度は低下し、このことは沈殿の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールはここから運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールで留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。得られた生成物からふるい分析を実施し、次の結果が得られた:
BET: 5.3m/g、
かさ密度: 433g/l
レーザー回折:
d(10%):39μm、d(50%):61μm、d(90%):81μm。
例3:エタノール性懸濁液中の炭酸カルシウムおよびN,N′−ビスステアロイルエチレンジアミンの混和
例1に記載されているとおりに実施するが、ただし、金属塩および脂肪酸アミドを開始時に添加するのではなく、炭酸カルシウム0.4kgおよびN,N′−ビスステアロイルエチレンジアミン(Licolub FA 1)0.4kgを75℃で沈殿後に初めて、翼型乾燥器中の沈殿したばかりの懸濁液に添加する。乾燥ならびにその後の後処理は、例1に記載されているとおりに行う:
BET: 6.4m/g、
かさ密度: 433g/l
レーザー回折:
d(10%):45μm、d(50%):58μm、d(90%):83μm。
例4:エタノール性懸濁液中の炭酸マグネシウムおよびN,N′−ビスステアロイルエチレンジアミンの混和
例3に記載されているとおりに実施するが、ただし炭酸マグネシウム0.4kgおよびN,N′−ビスステアロイルエチレンジアミン(Licolub FA 1)0.8kgを75℃で、翼型乾燥器中の沈殿したばかりの懸濁液に添加し、かつ例1に記載されているとおりに最後まで乾燥させる:
BET: 5.0m/g、
かさ密度: 455g/l
レーザー回折:
d(10%):41μm、d(50%):61μm、d(90%):84μm。
例5:エタノール性懸濁液中のおよびドライ・ブレンド中の炭酸マグネシウムおよびN,N′−ビスステアロイルエチレンジアミンの混和
例3に記載されているとおりに実施するが、ただし、N,N′−ビスステアロイルエチレンジアミン(Licolub FA 1)(1質量%)0.4kgを75℃で、翼型乾燥器中の沈殿したばかりの懸濁液に添加し、かつ例1に記載されているとおりに最後まで乾燥させる。この粉末に炭酸マグネシウム0.8kgをミキサー(ヘンシェルミキサー:Henschel mischer)中で添加する。
BET: 5.8m/g、
かさ密度: 450g/l
レーザー回折:
d(10%):40μm、d(50%):56μm、d(90%):90μm。
例6:比較例(本発明によらない):
重合調整せずに、加水分解による重合により製造し、相対溶液粘度ηrel 1.61(酸性化したm−クレゾール中)および末端基含有率COOH72ミリモル/kgまたはNH 68ミリモル/kgを有するPA12 40kgを、IRGANOX (R) 1098 0.3kgと共に、2−ブタノンで変性し、かつ含水率1%を有するエタノール350l中、5時間以内に0.8mの撹拌反応器(D=90cm、h=170cm)中で145℃にし、かつ撹拌下(櫂型撹拌機、d=42cm、回転数=91rpm)に、この温度で1時間放置した。引き続きジャケット温度を120℃に低下させ、かつ冷却速度45K/hで同一の撹拌機回転数で内部温度を120℃にした。この時点から同一の冷却速度でジャケット温度を内部温度よりも2K〜3K低く維持した。内部温度を同一の冷却速度で117℃にし、かつ次いで60分間、一定に維持した。その後、40K/hの冷却速度で内部温度を111℃にした。この温度で沈殿が開始され、これは熱の発生により認識される。25分後に内部温度は低下し、これは沈殿の終了を示す。懸濁液を75℃に冷却した後に、該懸濁液を翼型乾燥器中に移した。エタノールを運転中の撹拌機において70℃/400ミリバールでここから留去し、かつ残留物を引き続き20ミリバール/85℃で3時間、後乾燥させた。
BET: 6.9m/g、
かさ密度: 429g/l
レーザー回折:
d(10%):42μm、d(50%):69μm、d(90%):91μm。
その後の加工および老化試験:
例1〜6からの全ての試料にミキサコ(Mixaco)ミキサーCM50D中、150回転/分で、1分間、0.1質量%のアエロジル200を添加した。例1〜6から得られた粉末の部分を真空乾燥室中、135℃で7日間、人工的に老化させ、かつ引き続き新たな粉末を添加しないでレーザー焼結装置に供給した。構成部材に応じて、機械的な値をEN ISO 527による引張試験により確認した(第1表)。簡素化した内部法により密度を確認した。このためにISO 3167により製造した引張試験片(多目的試験体)を測定し、かつここから体積を算出し、引張試験片の質量を測定し、かつ体積と質量から密度を算出した。ISO 3167による引張試験片および構成部材は比較の目的のために新しい粉末(老化していない粉末)から製造した。製造はそのつど、EOS社のレーザー焼結装置EOSINT P360により行った。
Figure 0004518384
第1表から明らかなように、金属塩および脂肪酸誘導体を混和することにより以下に記載の改善が達成される。老化後の密度は、変性により新しい粉末の場合とほぼ同じレベルであった。機械的特性、たとえば破断点伸びおよび弾性率は粉末の老化に関わらず高いレベルを維持していた。
循環加工のための試験
例5により製造した粉末および例6により製造した比較粉末(その際、それぞれ人工的な老化は行わなかった)を、さらにレーザー焼結装置(EOS社のEOSINT P360)で循環させて、つまり使用されたが、焼結されなかった粉末を次の造形プロセスでふたたび使用して加工した。それぞれの通過の後、20%の未使用粉末の添加により再使用粉末を補充した。構造部材における機械的な特性値はEN ISO 527による引張試験により確認した。密度は上記のとおり、簡素化された内部法により実施した。第2表には、循環加工により得られた構造部材の測定値が記載されている。
Figure 0004518384
6回目の通過の際にも本発明による粉末から製造された構造部材は、その密度も機械的特性も低減していないことが第2表からわかる。これに対して比較粉末により製造した構造部材の密度および機械的特性は通過の数と共に明らかに低下した。
本発明による粉末のさらなる試験のために本発明により製造した粉末と構造部材の試料とに、DSC装置(Perkin Elmer DSC7)を用いてDIN53765によるDSC試験を実施した。この試験の結果は第3表にまとめられている。
構造部材はふたたび、ISO3167に相応し、かつ上記のとおりに得られた。本発明による粉末もしくは本発明による粉末から製造した構造部材にとって特徴的であるのは、変性していない粉末に対して高められた溶融エンタルピー、ならびに明らかに高められた再結晶温度である。結晶化エンタルピーは同様に上昇した。これらの値は上でさらに記載したとおり、人工的に老化した粉末もしくはこの老化粉末から製造した構造部材に関する。
Figure 0004518384
表から読みとれるように、本発明により変性した老化粉末からなる構造部材は、その結晶特性に関して未使用の粉末からなる構造部材に類似しており、その一方で老化した比較粉末(標準材料)からなる構造部材は明らかに相違する特性を有する。再結晶温度および結晶化エンタルピーに関してさらに、金属塩および脂肪酸誘導体を含有する粉末は古い粉末として、未処理の新しい粉末と比較して、同じか、またはそれどころかより高い再結晶温度および結晶化エンタルピーを有していることを確認することができた。これに対して未処理の古い粉末の場合、再結晶温度および結晶化エンタルピーは新しい粉末と比較して低下する。

Claims (29)

  1. 粉末が少なくとも1種のポリアミド、および少なくとも1種の弱酸の金属塩としての金属炭酸塩、および脂肪酸アミドまたは脂肪酸エステルまたはエチレンビスステアリルアミドを含有する少なくとも1種の脂肪酸誘導体を含有し、その際、粉末が、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して、金属塩および脂肪酸誘導体をそれぞれ0.01〜30質量%含有することを特徴とする、選択的レーザー焼結のための焼結粉末。
  2. カルボンアミド基あたり炭素原子を少なくとも8個有するポリアミドを含有する、請求項1記載の焼結粉末。
  3. ポリアミド612、ポリアミド11またはポリアミド12または前記ポリアミドをベースとするコポリアミドを含有する、請求項1または2記載の焼結粉末。
  4. 粉末が、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して、金属塩および脂肪酸誘導体をそれぞれ0.5〜15質量%有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  5. 粉末が微細な金属塩粒子および脂肪酸粒子およびポリアミド粒子の混合物を含有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  6. 粉末が、ポリアミド粒子中に混和された金属塩および脂肪酸誘導体の微細な粒子を含有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  7. 粉末がポリアミド粒子中に混和された脂肪酸誘導体および微細な金属塩粒子を含有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  8. 粉末がポリアミド粒子中に混和された金属塩および脂肪酸誘導体を含有する、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  9. 粉末の熱老化の後に、粉末の再結晶ピークおよび/または結晶化エンタルピーが低い値にシフトしない、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  10. 粉末の熱老化の後に、再結晶ピークおよび/または結晶化エンタルピーが大きな値にシフトする、請求項1からまでのいずれか1項記載の焼結粉末。
  11. 金属塩が炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムである、請求項1から10までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  12. 付加的に助剤および/または充填材を含有する、請求項1から11までのいずれか1項記載の焼結粉末。
  13. 助剤として流動助剤を含有する、請求項12記載の焼結粉末。
  14. 充填材としてガラス粒子を含有する、請求項12または13記載の焼結粉末。
  15. 少なくとも1種のポリアミドを金属塩および脂肪酸誘導体と混合する、請求項1から14までのいずれか1項記載の焼結粉末の製法。
  16. 沈殿または粉砕により得られたポリアミド粉末を有機溶剤中に溶解するか、または懸濁し、または塊状で金属塩粒子および脂肪酸誘導体粒子と混合する、請求項15記載の製法。
  17. 金属塩および脂肪酸誘導体をポリアミドの溶融物中に配合し、得られた添加物含有ポリアミドを沈殿または粉砕により加工してレーザー焼結粉末にする、請求項15記載の製法。
  18. 少なくとも1種の金属塩もしくは金属塩粒子および脂肪酸誘導体と、ポリアミドを含有する溶液とを混合し、その際、ポリアミドを含有する溶液がポリアミドを溶かして含有し、沈殿によりレーザー焼結粉末を獲得するか、またはこの溶液がポリアミドを粉末として懸濁して含有し、溶剤を除去することによりレーザー焼結粉末を獲得する、請求項15記載の製法。
  19. それぞれの添加物に関して最適な混和を利用するために、請求項16から18に記載された方法を2以上組み合わせる、請求項15記載の製法。
  20. 請求項1から14までのいずれか1項記載の焼結粉末の選択的レーザー焼結による成形体の製法。
  21. 少なくとも1種の金属塩としての金属炭酸塩、おび脂肪酸アミドまたは脂肪酸エステルまたはエチレンビスステアリルアミドを含有する少なくとも1種の脂肪酸誘導体、および少なくとも1種のポリアミドを含有し、その際、存在するポリアミドの合計に対して金属塩および脂肪酸誘導体をそれぞれ0.01〜30質量%含有することを特徴とする、レーザー焼結により製造した成形体。
  22. カルボンアミド基あたり炭素原子を少なくとも8個有するポリアミドからなる、請求項21記載の成形体。
  23. ポリアミド612、ポリアミド11および/またはポリアミド12を含有する、請求項21または22記載の成形体。
  24. 存在するポリアミドの合計に対して金属塩および脂肪酸誘導体をそれぞれ0.5〜15質量%含有する、請求項21から23までのいずれか1項記載の成形体。
  25. 金属塩が炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムである、請求項21から24までのいずれか1項記載の成形体。
  26. 充填材を含有する、請求項21から25までのいずれか1項記載の成形体。
  27. 充填材の1種がガラス粒子である、請求項26記載の成形体。
  28. 再結晶ピークおよび結晶化エンタルピーが、老化していない材料の再結晶ピークおよび結晶化エンタルピーよりそれぞれ小さくない老化材料を使用して製造することを特徴とする、請求項21から27までのいずれか1項記載の成形体。
  29. 老化していない材料より高い再結晶ピークおよび高い結晶化エンタルピーを有する老化した材料を使用して製造される、請求項28記載の成形体。
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