JP5214313B2 - 選択的レーザー焼結用複合材料粉末 - Google Patents

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本発明は選択的レーザー焼結法の基材となる複合材料粉末並びにその成形体に関する。
選択的レーザー焼結用の材料として一般的にポリアミド12粉末が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、ポリアミド12単独で成形物を造形した場合、弾性率が低いため様々な外力による成形物の変形がしばしば問題となる。
この問題を解決するために、ガラス繊維、カーボン繊維といった繊維状フィラーを樹脂粉末と混合し、造形することで成形物の弾性率を向上させるといった、変形への対策がなされている。
しかしながら、上記の方法ではリサイクル、つまり一度使用したがレーザー未照射で粉末の状態で回収した材料を再度使用することができないという問題を生じる。例えば、ポリアミド12粉末といった樹脂粉末のみで造形する場合、選択的レーザー焼結後、レーザー未照射の粉末を回収し、篩を通し、再度選択的レーザー焼結用基材として用いることができる。繊維状フィラーを含有した場合、メッシュに引っかかるため篩を通過しにくく、繊維状フィラーと樹脂粉末が分離しやすい。その結果リサイクルができず、多量の廃棄物を生じるため、コストアップとなりほとんど利用されていない。さらに、造形する際に繊維が配行するため、3次元的に均一な強度が発現しないという性能上の問題を有している。
一方、ガラスビーズ、アルミニウム粉末といった篩を通過するフィラーと樹脂粉末を混合した材料を使用する技術がある。(例えば、特許文献2参照。)
しかしながら、これらのフィラー粉末は樹脂粉末との比重差が大きいため、複合材料粉末に篩等で衝撃を与えると容易にフィラーと樹脂粉末が分離し、粉末が均一でなくなる。そのため、リサイクルした材料では、均質な成形物ができないので廃棄することになる。その結果、それぞれ多量の廃棄物が生じ、コスト高となってしまう。さらに、成形体が重いため、機能性を十分満たさないこともある。
また従来の成形技術である射出成形や押出成形では成形できない複雑な形状の成形体が求められており、形状を自由に設計可能な選択的レーザー焼結法が着目されている。しかしながら、体積固有抵抗率を自由に調節し、静電防止から導電性を有する材料を用いた場合、機械的制約などもあり選択的レーザー焼結法で自由に成形できるまでには至っていない。例えば、電子機器の試作品を選択的レーザー焼結法で作成するケースが多いが、従来の選択的レーザー焼結法の材料では帯電防止性能が付与されていないため、不具合の発生するケースが多々見られた。複写機の複写用紙搬送用ガイド部品を選択的レーザー焼結法で作成した場合、材料に電気絶縁性を持つナイロン12を用いると、紙とガイド部品との摩擦により静電気が発生し、紙詰まりを起こす。この問題を解決する手段として、ナイロン12で作成したガイド部品に帯電防止塗料を塗布する等の手法がとられてきた。
しかしながら、この方法では工程数が増える、複写機を繰り返し使用することでガイド部品が磨耗し、帯電防止塗料が剥がれる等の問題があった。これらの問題を解決するために導電性の材料を添加する検討が行われてきたが、カーボン繊維を30質量%以上添加すると流動性が悪くなり、導電性フィラーとしてカーボンブラックを添加すると、カーボンブラックの平均粒径が数十nmと小さいことから材料の流動性が大きく低下し、どちらの場合も選択的レーザー焼結法では造形できず、静電防止を有する複合材料を得ることはできなかった。
特開平11−216779号公報 特表平11−509485号公報
本発明の目的は、主として選択的レーザー焼結に用いられ、リサイクルが可能で低コストであり、樹脂単独の成形物に比べ弾性率が高い上、軽量な複合材料並びにその成形物を提供することにある。さらに、選択的レーザー焼結法による成形が可能であり、かつ静電防止から導電性を有する複合材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の球状骨材と樹脂粉末を混合することにより、上記目的を達成し得る複合材料が得られることを知見した。本発明は上記知見に基づいてなされたもので、真比重が樹脂に近い球状骨材を樹脂粉末と混合した、選択的レーザー焼結に使用する複合材料を提供するものである。さらに本発明は、複合材料の骨材として球状カーボンを用いることで、静電防止から導電性を有する複合材料を提供するものである。
球状骨材を含有する複合材料粉末は、リサイクルの際に篩を通過することができる。また、比重が樹脂粉末に近いため、リサイクルの際に球状カーボンと樹脂粉末が均一に混合したまま回収することができる。その結果、リサイクルした材料を同等の機械強度を保ったまま、5回以上選択的レーザー焼結法で造形することが可能である。
さらに、球状骨材を用いることで、機械強度が優れた成形物を得ることができる。特に、引張弾性率、曲げ弾性率、曲げ強度が著しく向上する。
また、本発明の複合材料粉末を構成する骨材として、導電材料である球状カーボンを使用し、その添加量を変えることで、体積固有抵抗率を調節することができる。そのため骨材として球状カーボンを添加し、選択的レーザー焼結法により造形した成形物は、静電気防止から導電性が必要とされる分野まで幅広く使用することができる。
以下に本発明の複合材料粉末及びその製造方法について詳述する。本発明の複合材料粉末を構成する球状骨材は、真比重0.8〜2.0g/cm、平均粒径10〜150μmの融点を持たない球状骨材で、さらには球状熱硬化性樹脂硬化物、及び球状カーボンである。球状熱硬化性樹脂硬化物としては、例えばフェノール樹脂の球状硬化物が挙げられ、水性媒体中で縮合反応触媒と乳化分散剤の存在下にフェノール類とアルデヒド類とを高温高圧下に縮合反応させることにより得ることができる。具体的には群栄化学工業株式会社製のHFタイプが好ましい。球状カーボンとしては、例えば球状熱硬化性樹脂硬化物を400〜1000℃、窒素雰囲気下で炭化することによって得ることができ、具体的には群栄化学工業株式会社製のGCタイプが好ましい。これらの骨材を接着能力を有する樹脂粉末と混合することにより、高強度高弾性率を有する選択的レーザー焼結法用材料となりうる。これらの骨材は高温でも溶けず融点を持たない。また、これの球状骨材はナイロンより高融点を持つガラス粉末、セラミック粉末、金属粉末と比べて真比重が0.8〜2.0g/cmと軽く、樹脂粉末に近い為、リサイクルの際の篩による衝撃で球状骨材と樹脂粉末が分離することがない。したがって、廃棄による環境負荷を低減すると同時に生産コストを低減できるという大きな産業上のメリットを有する。さらに、球状骨材として導電材料である球状カーボンを用いた場合、その添加量を変えることで静電気防止から導電性に必要とする範囲の体積固有抵抗率を調節することが可能であり、選択的レーザー焼結法により容易に成形することが可能である。
本発明の複合材料粉末を構成する球状骨材の平均粒径は10〜150μmであり、好ましくは40〜60μmである。平均粒径10μm以下の場合、造形時に材料を敷きにくく、平均粒径150μm以上の場合、微細な形状の造形物が得られない
本発明の複合材料を構成する球状骨材は、その形状が真球状であり、球形度が0.7〜1.0、好ましくは球形度0.95〜1.0である。ここで、球形度とは粒子の球形度を、(粒子の投影面積に等しい円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)で測る指数であり、この指数が1.0に近いほど真球体に近い粒子であることを意味する。球状骨材の球形度が0.7以下の場合成形の際に粉末を均一に撒くことができず、成形することができない。また、球状である為、成形物の機械強度が等方性であるというメリットを有する。繊維状フィラーの場合、成形物の機械強度に異方性が生じる為、出来上がった成形物は部位によって強度のばらつきが大きいものとなってしまう。
また、複合材料中の球状骨材の含有量は10質量%から80質量%であり、好ましくは20質量%から60質量%である。上記球状骨材の含有量が10質量%以下では、弾性率がほとんど向上せず、90質量%より多い場合では成形不良を生じる。
特に、複合材料として球状カーボンを使用した場合、複合材料中の球状カーボンの含有量が35質量%以上55質量%未満の場合、体積固有抵抗率が10Ω・cm以上1010Ω・cm以下であり、静電気防止効果を持つ。一方、球状カーボンの含有量が55質量%以上80質量%以下の場合、体積固有抵抗率が10Ω・cm以上10Ω・cm未満であり、電気電子分野の包装用部品やOA機器用部品に応用可能である。球状カーボンの含有量が10質量%以上、35質量%未満の場合、体積固有抵抗率が1010Ω・cmを超えてしまい、上記用途には使用できない。
本発明の複合材料粉末を構成する樹脂粉末について、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、好ましくはポリアミド、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアリールエーテルケトン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、さらに好ましくはポリアミドであり、2種以上混合して使用してもよい。粉末樹脂の球形度について、好ましくは0.6〜1.0である。粉末樹脂の平均粒径について、好ましくは30〜150μmである。
本発明の複合材料を構成する球状骨材は、カップリング剤等で表面処理を行うことができる。表面処理を行うことで成形時に球状骨材と樹脂の接着性が向上する。表面処理を行うものとして好ましくは、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤である。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、γ−アミノプロピルテトラエトキシジシロオキサン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン等が挙げられ、チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられ、アルミネート系としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテート、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、アルミニウム−2−エチルヘキサノエートオキサイドトリマー、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー、アルキルアセトアセテートアルミニウムオキサイドトリマー等が挙げられる。また、添加量は0.05〜0.1質量%が好ましく、2種以上混合して使用してもよい。
本発明の複合材料は必要によって、帯電防止剤、滑剤といった助剤を添加することができる。帯電防止剤、滑剤を添加することで粉末の流動性が向上し、成形し易くなる。帯電防止剤、滑剤として、好ましくは、界面活性剤、シリコーン樹脂、金属石鹸である。また、添加量は0.05〜0.1質量%が好ましく、2種以上混合して使用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
真比重1.25g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状フェノール樹脂硬化物40質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)60質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例2]
真比重1.25g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状フェノール樹脂硬化物60重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)40重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例3]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン40重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)60重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例4]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン20重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)80重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例5]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径55μmの球状カーボン40重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)60重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例6]
真比重1.35g/cm、球形度0.85、平均粒径45μmの球状カーボン40重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)60重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例7]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン40重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径40μm)60重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例8]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン50質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)50質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例9]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン60質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)40質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[実施例10]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン70質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)30質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[比較例1]
球形度0.9の球状ポリアミド12粉末(平均粒径50μm)用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[比較例2]
PITCH系繊維状カーボン(平均繊維長1mm)30重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)70重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[比較例3]
真比重2.50g/cmのガラスビーズ(平均粒径40μm)30重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)70重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[比較例4]
真比重1.35g/cm、球形度0.95、平均粒径45μmの球状カーボン8重量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)92重量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。
[比較例5]
真比重1.35g/cmの球状カーボン(球形度0.65、平均粒径45μm)40質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm品)60質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した試料Lを用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で成形テストを行った。しかし、粉末を均一に撒くことができず、成形できなかった。
[比較例6]
平均粒径40nmのカーボンブラック30質量部、球形度0.9の球状ポリアミド12(平均粒径50μm)70質量部をスクリュー型ミキサーで5分間混合した材料を用いてレーザー焼結機(EOS社製EOSINT P360)で造形テストを行った。しかし、材料を均一に敷くことができず、成形できなかった。
実施例1〜10、比較例1〜6の配合割合を表1に示し、得られた造形物の引張強度、引張弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率、密度を測定し、この結果を表2に示した。また及び実施例3、4、8〜10、比較例1、2については体積固有抵抗率も測定した。なお、ここでの引張強度、引張弾性率とはJIS K 7162に、曲げ強度、曲げ弾性率とはJIS K 7171に、密度とはISO 1183に、体積固有抵抗率とはJIS K 6911またはJIS K 7194に記載の方法によるものである。なお、曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度、引張弾性率については、X軸方向とY軸方向の測定値の平均となっている。
Figure 0005214313
Figure 0005214313
また実施例3と比較例2の引張強度、引張弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率の各軸方向の測定値を表3に示した。
Figure 0005214313
表2より明らかなように、本発明の実施例1〜7と比較例1を比較すると、ポリアミド単独で使用したときと比較し、曲げ強度、弾性率が著しく向上し、ガラスビーズを使用した比較例3と比べて、弾性率及び強度共に同等の効果が得られることがわかった。また本発明の範囲外である、球状カーボンを8質量%含有する比較例4では機械強度が比較例1のポリアミド単独で使用した場合と変わらず、添加効果が得られなかった。さらに表2及び表3より、本発明はX軸方向、Y軸方向の機械強度がほぼ等しくなり、一方繊維状フィラーを使用した比較例2では3方向すべて機械強度の異なる成形物となることが分かった。さらに表2より、導電材料である球状カーボンの添加量を変化させた実施例3、4、8〜10では、添加量により、体積固有抵抗率も変化することがわかった。すなわち球状カーボンの添加量が多いと、体積固有抵抗率が下がり、球状カーボンの添加量が少ないと、体積固有抵抗率が上がる。また、実施例10の球状カーボンの添加量が70質量%の場合でも、選択的レーザー焼結法による成形が可能であるのに対し、比較例6において、導電材料としてカーボンブラックを使用した場合、添加量が30質量%であっても、選択的レーザー焼結法による成形は不可能であった。
次に成形可能であった、実施例1〜10及び比較例1〜4についてリサイクル性試験を行った。
[リサイクル性試験]
レーザー成形終了後、レーザー未照射の複合粉末を回収し、目開き250μmの篩を通し、再生材料を得た。この再生材料と同一配合の新品の複合材料を質量比1:1にて、スクリュー型ミキサーを用いて混合し、実施例と同様に造形テストを行った。上記と同様に同一の材料で、以降リサイクル性試験を5回行い、曲げ強度推移及びリサイクル性について表4に示した。
Figure 0005214313
表4に示すように、ポリアミド単独で使用した比較例1や、本発明の範囲外である8質量%含有した比較例4と同様に本発明の複合材料粉末は、同一の材料で5回繰り返し使用しても、機械強度の低下や密度の低下といった不良が起こらない、リサイクル性の優れた複合材料である。また、フィラーとしてカーボン繊維を用いた比較例2では、篩を通し再生作業をする際に、カーボン繊維が篩に引っかかりリサイクルできなかった。さらにフィラーとしてガラスビーズを用いた比較例3では、リサイクル1回目の段階で比重が大きく低下し、分析の結果、ガラスが分離、脱落していることが分かり、以後、リサイクルを断念した。
以上の結果より、本発明によって得られた成形物は、ポリアミド単独で使用した場合と比較し、機械強度が高く、他の骨材と比較し、遜色ない機械強度を持ち、かつリサイクル可能な成形物を得られることがわかった。また、骨材として球状カーボンを用いた複合材料粉末は、容易に選択的レーザー焼結法により成形が可能なため、球状カーボンの添加量を自由に変化させることができ、静電防止から導電用途に応じた体積抵抗率を得ることができた。
リサイクル性試験方法

Claims (4)

  1. 選択的レーザー焼結法(SLS)に使用する複合材料粉末であって、真比重0.8〜2.0g/cm、平均粒径10〜150μm、球形度0.7〜1.0の融点を持たない球状骨材、及び平均粒径が30〜150μmの樹脂粉末を必須成分とし、前記球状骨材を10〜80質量%含有することを特徴とする複合材料粉末。
  2. 前記球状骨材として、球状熱硬化性樹脂硬化物、球状カーボンのうち少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1記載の複合材料粉末。
  3. 前記樹脂粉末として、球形度0.6〜1.0の樹脂粉末を含有することを特徴とする請求項1または2記載の複合材料粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合材料粉末を選択的にレーザー焼結することにより成形体を製造する方法。
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