JP2003308557A - 紙葉類処理装置 - Google Patents

紙葉類処理装置

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JP2003308557A JP2002115009A JP2002115009A JP2003308557A JP 2003308557 A JP2003308557 A JP 2003308557A JP 2002115009 A JP2002115009 A JP 2002115009A JP 2002115009 A JP2002115009 A JP 2002115009A JP 2003308557 A JP2003308557 A JP 2003308557A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どの処理ユニットに障害が発生したかを特に
意識することなく、容易に復旧作業を行うことができる
ようにする。 【解決手段】 紙幣処理装置は、紙幣について各々所定
の処理を行うための複数の処理ユニットU1〜U8と、
各処理ユニットU1〜U8に対応したロック装置L1〜
L8とを備えている。障害検出手段の検出結果に基づい
て、各ロック装置L1〜L6のロック状態とロック解除
状態との切り換えを制御する制御部が設けられている。
この制御部によるロック装置L1,L2およびL5,L
6の制御は、所定の処理ユニットU1,U5の筐体1,
1’からの引き出しに連動して、障害検出手段によって
障害を検出された処理ユニットU1,U2,U5,U6
が、その障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から
引き出され得るようになされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣等の紙葉類に
ついて繰出し、搬送、集積等の処理を行う複数の処理ユ
ニットを備えた紙葉類処理装置に係り、特に、各処理ユ
ニットで詰まり等の障害が発生した場合に当該ユニット
を筐体から引き出して障害の復旧を行うように構成され
た紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙葉類処理装置において詰まり等
の障害が発生した場合の復旧に関する技術としては、例
えば特開平8−255280号公報(文献1)や特開2
000−172951号公報(文献2)に記載されたも
のがある。
【0003】文献1に記載された装置は、特定の障害が
発生した際に、その障害を復旧するための所定の作業手
順が画面に表示されるように構成されている。すなわ
ち、操作者が画面に表示された手順に従って、障害の発
生した処理ユニットの引き出しや詰まりの除去等の作業
を進めるようになっている。
【0004】また、文献2に記載された装置は、前後に
連結された2つの処理ユニットを筐体内に引き出し可能
に収納した構成をとっている。そして、障害の発生した
ユニットに応じて、操作者が異なる解錠操作を行うこと
で、前方のユニットのみ引き出し可能な状態と、後方の
ユニットまで引き出し可能な状態とを切り換えることが
できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
紙葉類処理装置には、以下のような問題点がある。
【0006】まず、文献1の装置では、どの処理ユニッ
トに障害が発生したのかを表示によって確認し、また障
害の発生したユニットによって異なる作業手順を表示に
よって確認しながら復旧作業を行う必要がある。このた
め、別途マニュアルを参照しなくても済むという利点は
あるものの、復旧作業が煩雑になることは避けられな
い。
【0007】また、文献2の装置では、前後いずれの処
理ユニットに障害が発生したかに応じて、操作者が異な
る解錠操作を行い、目的のユニットまでを筐体から引き
出して復旧作業を行う必要がある。すなわち、どの処理
ユニットに障害が発生したかに応じて異なる操作を行わ
なければならず、復旧作業が煩雑なものとなる。
【0008】ところで、銀行等で使用される紙幣入出金
装置として、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理ユニッ
トと、所定枚数のバラ紙幣を結束した紙幣束の処理を行
う紙幣束処理ユニットとを筐体内に収納することで、コ
ンパクトに一体化された紙葉類処理装置も開発されてい
る。この装置では、処理ユニットの数が多くなり、また
ユニット同士の関係も複雑化するため、復旧作業を容易
にするための工夫が特に求められる。
【0009】また、この装置は、入金紙幣の処理を行う
入金ユニットと、出金紙幣の処理を行う出金ユニットと
を備え、紙幣の入金処理と出金処理を同時に実行可能と
なっている。このため、両方のユニットで同時に障害が
発生している場合、復旧作業時に入金紙幣と出金紙幣が
混ざるのを防止するような配慮が必要となる。
【0010】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたものであり、どの処理ユニットに障害が発生したか
を特に意識することなく、容易に復旧作業を行うことが
できるような紙葉類処理装置を提供することを主目的と
する。
【0011】また、そのような紙葉類処理装置におい
て、入金ユニットと出金ユニットの両者の障害復旧を行
う際に、入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止できるよ
うにすることも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、紙葉類に
ついて各々所定の処理を行うための複数の処理ユニット
と、これらの処理ユニットを引き出し可能に収納する筐
体と、少なくとも1つの前記処理ユニットを前記筐体に
対して解除可能に係止する係止手段と、少なくとも1つ
の前記処理ユニットを、他の前記処理ユニットに対して
分離可能に連結する連結手段と、各処理ユニットにおけ
る障害の発生を検出する障害検出手段と、この障害検出
手段の検出結果に基づいて、前記係止手段および前記連
結手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段によ
る前記係止手段および前記連結手段の制御は、所定の前
記処理ユニットの前記筐体からの引き出しに連動して、
前記障害検出手段によって障害を検出された前記処理ユ
ニットが、その障害の復旧に必要な位置まで前記筐体か
ら引き出され得るようになされる、ことを特徴とする紙
葉類処理装置である。
【0013】この第1の発明によれば、所定の処理ユニ
ットを筐体から引き出すだけで、障害の発生した処理ユ
ニットが、その障害の復旧に必要な位置まで筐体から連
動して引き出されることになる。
【0014】第2の発明は、第1の発明において、前記
紙葉類は紙幣であり、前記処理ユニットとして、バラ紙
幣の処理を行うバラ紙幣処理ユニットと、紙幣束の処理
を行う束紙幣処理ユニットとを備えたものである。
【0015】この第2の発明によれば、筐体内にバラ紙
幣処理ユニットと束紙幣処理ユニットとを収納すること
でコンパクトに一体化された紙幣の処理装置において
も、第1の発明のようにして容易に復旧作業を行うこと
が可能となる。
【0016】第3の発明は、第2の発明において、前記
処理ユニットとして、前記バラ紙幣処理ユニットから前
記束紙幣処理ユニットへ紙幣の受け渡しを行うための搬
送ユニットをさらに備え、前記搬送ユニットは、常に前
記バラ紙幣処理ユニットおよび前記束紙幣処理ユニット
と一体で前記筐体から引き出されるように構成されてい
るものである。
【0017】この第3の発明によれば、バラ紙幣処理ユ
ニットまたは紙幣束処理ユニットと搬送ユニットとの間
で発生した障害の復旧が容易となる。また、それらのユ
ニットが筐体から別個に引き出されることによる各ユニ
ット同士の間での二次的な障害の発生を防止することが
できる。
【0018】第4の発明は、第1の発明において、前記
紙葉類は紙幣であり、前記処理ユニットとして、入金紙
幣の処理を行う入金ユニットと、出金紙幣の処理を行う
出金ユニットとを備え、前記入金ユニットによる処理と
前記出金ユニットによる処理とを同時に実行可能に構成
され、前記出金ユニットは、出金紙幣を取り出すための
出金集積部と、この出金集積部から出金紙幣を隔離して
収納可能な出金収納部と、前記制御手段によって制御さ
れ前記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣を回収
するための出金回収手段とを有し、前記障害検出手段に
よって前記入金ユニットおよび前記出金ユニットにおけ
る障害の発生が同時に検出されている場合、前記制御手
段による前記出金回収手段、前記係止手段および前記連
結手段の制御は、(イ)前記出金回収手段によって、前
記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣が回収さ
れ、(ロ)出金紙幣の回収後、前記入金ユニットのみが
障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得
る状態となり、(ハ)前記入金ユニットの障害復旧後、
前記出金ユニットが障害の復旧に必要な位置まで前記筐
体から引き出され得る状態となるようになされるもので
ある。
【0019】この第4の発明によれば、入金ユニットの
障害復旧を行う際には出金集積部に出金紙幣が残ってお
らず、また出金ユニットの障害復旧を行う際には既に入
金ユニットによる入金紙幣の処理が終了している。この
ため、入金ユニットと出金ユニットの両者の障害復旧を
行う際に、入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図12を参照して、
本発明による紙葉類処理装置の一実施形態として、紙葉
類である紙幣を処理する紙幣処理装置について説明す
る。以下、本実施形態の全体構成、各部の具体的構成、
動作および作用効果、並びに変形例について順次説明す
る。
【0021】[全体構成]図1に示すように、本実施形
態の紙幣処理装置は、紙幣束を処理するための束紙幣処
理部P1と、バラ紙幣を処理するためのバラ紙幣処理部
P2とが左右に連結された構造になっている。この紙幣
処理装置は、図2に示すように、紙幣について各々所定
の処理を行うための複数の処理ユニットU1〜U8を備
えている。
【0022】それらの処理ユニットU1〜U8は、以下
のように大別される。
【0023】(1)束紙幣処理部P1に属する束紙幣処
理ユニット(図2(a)) 束出金口・結束帯ユニットU1(図6参照) 結束・搬送ユニットU2(図7参照) 紙幣束移送ユニットU3 紙幣束収納ユニットU4 (2)バラ紙幣処理部P2に属するバラ紙幣処理ユニッ
ト(図2(b)) 入金ユニットU5(図3〜図5参照) 出金ユニットU6(図3〜図5参照) 入金保留ユニットU7 バラ紙幣収納ユニットU8 なお、上記の結束・搬送ユニットU2は、結束・印字ユ
ニット部(束紙幣処理ユニット)U2−1と束搬送ユニ
ット部(搬送ユニット)U2−2とで一体的に構成され
ている(図7参照)。
【0024】また、この紙幣処理装置は、各処理ユニッ
トU1〜U8を前方へ引き出し可能に収納する筐体とし
て、束紙幣処理部P1を構成する筐体1と、バラ紙幣処
理部P2を構成する筐体1’とを備えている。これらの
筐体1,1’は、図1に示すように一体的に連結されて
いる。
【0025】図2に示すように、この紙幣処理装置は、
各処理ユニットU1〜U8に対応したロック装置L1〜
L8を備えている。そのうち、出金ユニットU6に対応
したロック装置L6は、連結ロック部L6−A、後方ロ
ック部L6−Bおよび前方ロック部L6−Cを有してい
る。
【0026】また、ロック装置L1,L5およびロック
部L6−Aは、対応する処理ユニットU1,U5,U6
をそれぞれ隣接する他の処理ユニットU2,U2,U5
に対して分離可能に連結する連結手段を構成している。
また、ロック装置L2〜L4、ロック部L6−B,L6
−Cおよびロック装置L7,L8は、対応する処理ユニ
ットU2〜U4;U6;U7,U8をそれぞれ筐体1,
1’に対して解除可能に係止する係止手段を構成してい
る。なお、後述するように、ロック装置L6の前方およ
び後方ロック部L6−B,L6−Cは、出金ユニットU
6を筐体1,1’に対して各々異なる引き出し位置で係
止するように構成されている。
【0027】次に、図8に示すように、各ロック装置L
1〜L6は、そのロック状態とロック解除状態とを切り
換えるためのモータ(ロック装置L1にあってはソレノ
イド)と、それらの状態を検出してフィードバックする
ためのセンサとを有している。なお、ロック装置L6
は、各ロック部L6−A,B,Cごとのセンサを有して
いる。そして、各ロック装置L1〜L6のモータ(ソレ
ノイド)およびセンサは、制御部(制御手段)Cに接続
されている。
【0028】この制御部Cには、その他、後述する回収
搬送路(出金回収手段)R4の駆動モータと、障害検出
手段Sとが接続されている。後者の障害検出手段Sは、
各処理ユニットU1〜U8における紙幣の詰まり等の障
害発生を検出するためのものであり、例えば障害発生箇
所を特定可能な程度の間隔で紙幣の移動経路上に配置さ
れた多数の光学センサ等で構成される。
【0029】そして、制御部Cは、障害検出手段Sの検
出結果に基づいて、各ロック装置L1〜L6のロック状
態とロック解除状態との切り換えを制御するように構成
されている。この制御部Cによるロック装置L1,L
2,L5,L6の制御は、所定の処理ユニットU1,U
5の筐体1,1’からの引き出しに連動して、障害検出
手段Sによって障害を検出された処理ユニットU1,U
2,U5,U6が、その障害の復旧に必要な位置まで筐
体1,1’から引き出され得るようになされる。
【0030】具体的には、図9の表に示すように、待機
状態(通常の運転/停止状態)では、ロック装置L5,
L1,L2およびロック部L6−Aが「ロック状態(連
結状態ないし係止状態)」とされ、ロック部L6−B,
L6−Cが「ロック解除状態(分離状態ないし係止解除
状態)」とされている。これに対して、図9の表に列挙
するような処理ユニットU1,U2,U5,U6の障害
〜が検出された場合は、それぞれ太枠で示すような
「ロック解除状態」または「ロック状態」への切り換え
が行われる。
【0031】図9の「出金ユニットU6後部障害」と
は、後述するような出金ユニットU6後部の出金搬送路
R2やスタッカ76a,76b(図11)の部分での紙
幣の詰まり等の障害を指す。このの障害が検出された
場合は、ロック装置L5が「ロック解除状態」に切り換
えられる。これにより、図3に示すように、入金ユニッ
トU5の筐体1,1’からの引き出しに連動して、入金
ユニットU5に連結されている出金ユニットU6が、そ
の後部の障害復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引
き出され得るようになる。
【0032】図9の「入金ユニットU5障害」とは、
入金ユニットU5での紙幣の詰まり等の障害を指す。こ
のの障害が検出された場合は、ロック装置L5が「ロ
ック解除状態」に切り換えられ、連結ロック部L6−A
が「ロック解除状態」に切り換えられると共に、後方ロ
ック部L6−Bが「ロック状態」に切り換えられる。こ
れにより、図4に示すように、入金ユニットU5の筐体
1,1’からの引き出しに伴って、入金ユニットU5と
分離した出金ユニットU6は、後方ロック部L6−Bに
よる後方係止位置に係止されるまで引き出される。これ
により、入金ユニットU5が、その後部までに至る障害
復旧に必要な位置(出金ユニットU6との関係での相対
的な位置)まで筐体1,1’から引き出され得るように
なる。
【0033】図9の「出金ユニットU6上部障害」と
は、後述するような出金ユニットU6上部の出金集積部
75やスタッカ76a,76b(図11)の部分での紙
幣の詰まり等の障害を指す。このの障害が検出された
場合は、ロック装置L5が「ロック解除状態」に切り換
えられ、連結ロック部L6−Aが「ロック解除状態」に
切り換えられると共に、前方ロック部L6−Cが「ロッ
ク状態」に切り換えられる。これにより、図5に示すよ
うに、入金ユニットU5の筐体1,1’からの引き出し
に連動して、出金ユニットU6が、その上部の障害復旧
に必要な位置である「前方ロック部L6−Cによる前方
係止位置」に係止されるまで、筐体1,1’から引き出
され得るようになる。
【0034】図9の「束出金口・結束帯ユニットU1
障害」とは、当該ユニットU1における紙幣束の詰まり
や、後述するようなロール53で供給される結束帯Wの
消尽(図6および図11参照)等の障害を指す。この
の障害が検出された場合は、ロック装置L1が「ロック
解除状態」に切り換えられる。これにより、図6に示す
ように、束出金口・結束帯ユニットU1の筐体1,1’
からの引き出しによって、当該ユニットU1のみが、そ
の障害の復旧(結束帯Wの補充を含む)に必要な位置ま
で筐体1,1’から引き出され得るようになる。
【0035】図9の「結束・搬送ユニットU2障害」
とは、当該ユニットU2での紙幣の詰まり等の障害を指
す。このの障害が検出された場合は、ロック装置L2
が「ロック解除状態」に切り換えられる。これにより、
図7に示すように、束出金口・結束帯ユニットU1(若
しくは入金ユニットU5)の筐体1,1’からの引き出
しに連動して、結束・搬送ユニットU2が、その障害の
復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得る
ようになる。この場合、結束・搬送ユニットU2は、常
に束出金口・結束帯ユニットU1、入金ユニットU5お
よび出金ユニットU6と一体的に連結された状態で引き
出されることになる。
【0036】なお、図3〜図5に示すように、入金ユニ
ットU5は、左右一対のガイドレールG1によって、筐
体1’に対して前後に摺動自在に支持されている。ま
た、出金ユニットU6は、左右一対のガイドレールG2
によって、入金ユニットU5に対して前後に摺動自在に
支持されている。そして、図4および図5に示すような
出金ユニットU6の前方および後方係止位置までの引き
出しは、入金ユニットU5の引き出し時に出金ユニット
U6がガイドレールG2から受ける摩擦力等によって行
われる。或いは、出金ユニットU6とガイドレールG2
との間に、所定値以上の力が加わると係合が解除される
係合手段を設けてもよい。
【0037】なお、制御部Cによるロック装置L3,L
4,L7,L8(図2)の制御は、対応する処理ユニッ
トU3,U4,U7,U8の障害を障害検出手段Sが検
出した場合に、その処理ユニットが筐体1,1’から引
き出され得るようになされる。すなわち、制御部Cは、
障害発生を検出された処理ユニットU3,U4,U7,
U8に対応するロック装置L3,L4,L7,L8をロ
ック解除状態とするような制御を行う。実際に処理ユニ
ットU3,U4,U7,U8を引き出す際には、対応す
る開閉扉12,15(図1および図2)を開いておく必
要がある。
【0038】[各部の具体的構成]次に、(1)束紙幣
処理部P1および(2)バラ紙幣処理部P2の具体的構
成について説明すると共に、各ロック装置を代表して
(3)ロック装置L6の具体的構成について説明する。
【0039】(1)束紙幣処理部P1 まず、主に図10を参照して、束紙幣処理部P1の具体
的構成について説明する。
【0040】図10に示すように、束紙幣処理部P1
は、当該処理部P1に対して出し入れされる紙幣束Bを
垂直方向に移動させるための紙幣束昇降通路2と、紙幣
束Bを収納する紙幣束収納部3とを備えている。また、
この束紙幣処理部P1は、昇降通路2と収納部3との間
で紙幣束Bを水平方向に移動させる搬送手段4と、この
搬送手段4によって移動される紙幣束Bの金種等を識別
する識別部Dとを備えている。
【0041】また、紙幣束収納部3の上方には、所定枚
数のバラ紙幣の束B’を結束帯(帯封)Wで結束して紙
幣束Bにすると共に、その結束帯Wに所定の印字等を行
うための結束印字部5が設けられている。この結束印字
部5の後方には、バラ紙幣処理部P2からバラ紙幣の束
B’を搬入するための束搬送装置6が進入可能となって
いる。
【0042】紙幣束昇降通路2は、筐体1の前面側に沿
って配置され、内部に紙幣束Bを乗せて昇降する昇降ス
テージ20が設けられている。この昇降ステージ20の
上面側には、前下がりに傾斜するように揺動可能な傾斜
板22が設けられている。昇降通路2の上部は、シャッ
ター開閉式の束出金口10(図1参照)を通じて外部と
連通可能となっている。また、昇降通路2の下部は、開
閉扉12を前方へ開くことで全体的に開放されると共
に、開閉扉12に設けられたシャッター開閉式の束放出
口13(図1参照)を通じて部分的に外部と連通可能に
もなっている。
【0043】紙幣束収納部3は、前後方向に一列に配置
された5つの束収納庫3a〜3eを有している。これら
の束収納庫3a〜3eは、紙幣束Bを金種別に収納する
4つの金種別束収納庫3a〜3dと、紙幣束Bを金種混
合状態で一括して収納する一括束収納庫3eとに分けら
れる。各束収納庫3a〜3eは、独立して着脱可能なカ
セット式のものであり、それぞれ上端部が開口すると共
に、内部にパンタグラフ機構32付きの昇降ステージ3
0が設けられている。
【0044】搬送手段4は、収納部3上から昇降通路2
内まで水平に延びる左右一対の搬送ベルト44を有して
いる。各搬送ベルト44は、一対のプーリ40,41同
士の間に掛け渡されると共に、外側に4本のピン45が
所定間隔で突設されている。各搬送ベルト44に対し
て、一対のプーリ40,41同士の間(昇降通路2の直
後)に第3のプーリ42が配置されている。そして、昇
降通路2側の2つのプーリ40,42同士の間を連結す
るレバー48が、プーリ42の回転軸を中心として上方
へ90度揺動可能となっている。これにより、搬送手段
4の昇降通路2側部分は、水平な搬送位置から垂直な待
避位置へ揺動することで昇降通路2内から待避可能な揺
動待避部4aを成している。
【0045】この搬送手段4と各束収納庫3a〜3eと
の間には、左右に開閉する一対の開閉板34が、それぞ
れ設けられている。また、搬送手段4の揺動待避部4a
と昇降通路2下部との間にも、同じく一対の開閉板34
が設けられている。各束収納庫3a〜3eに対応する開
閉板34同士の間には、それぞれ仕切板36が設けられ
ている。束収納庫3a上の開閉板34と昇降通路2内の
開閉板34との間には、上記識別部Dが配置されてい
る。
【0046】これらの開閉板34、仕切板36および識
別部Dと、搬送手段4との間に、紙幣束Bが水平方向に
搬送される搬送路46が形成されている。すなわち、搬
送路46内において、搬送ベルト44のピン45によっ
て搬送力を受ける紙幣束Bが、開閉板34等の上を摺動
しながら搬送されるようになっている。なお、一対の搬
送ベルト44同士の間には、各束収納庫3a〜3e上の
開閉板34と対向した押圧検知板38が配置されてい
る。
【0047】ここで、各束収納庫3a〜3eにおける紙
幣束Bの収納および投出がどのようにして行われるかを
説明する。
【0048】収納時には、まず紙幣束Bが、収納すべき
収納庫3a〜3eに対応した開閉板34上まで搬送手段
4で搬送される。一方、収納庫3a〜3e内では、昇降
ステージ30が、収納する紙幣束Bを受け取る高さまで
上昇する。この状態で一対の開閉板34を左右に開い
て、当該紙幣束Bを昇降ステージ30(その上に重積し
ている紙幣束B)上に落下させる。その後、一対の開閉
板34が閉じられ、昇降ステージ30が所定位置まで降
下して、当該紙幣束Bの収納が完了する。
【0049】次に投出時には、紙幣束Bを投出すべき収
納庫3a〜3e上の開閉板34が左右に開かれ、紙幣束
Bを載せた昇降ステージ30が上昇する。このとき、開
閉板34の開放に連動して押圧検知板38が降下して、
紙幣束Bの上昇高さを規制する。具体的には、押圧検知
板38は、最上部の紙幣束Bによって押し上げられる
と、ステージ30の上昇を停止させるスイッチとして作
用する。これにより、最上部の紙幣束Bのみを搬送路4
6上に出して搬送手段4で一束ずつ搬送することができ
る。
【0050】次に、結束印字部5は、束搬送装置6によ
って搬送されてきたバラ紙幣の束B’を結束帯Wで結束
して紙幣束Bにするための結束手段5aと、その紙幣束
Bの結束帯Wに所定の印字等を行うためのプリンタ5b
とを有している。結束手段5aは、バラ紙幣の束B’を
挟持する挟持手段50と、挟持された束B’に結束帯W
を巻き付けるための旋回アーム52とを有している。そ
のような結束手段5aとしては、周知のものを用いるこ
とが出来る。結束帯Wは、下方のロール53から連続的
に供給されるようになっている。結束手段5aは、その
他、巻き付けられた結束帯Wの端部を接着する接着コテ
55と、結束帯Wを1束分ずつ切断するカッター56と
を有している。
【0051】また、結束印字部5には、結束された紙幣
束Bを昇降通路2の上部へ送るための搬送ベルト58,
59が設けられている。そのうち上側の搬送ベルト58
に隣接して、紙幣束Bの結束帯Wに金融機関名を印字す
るための行名スタンプ5cと、損券紙幣を束ねた結束帯
Wに損券マークを押印するための損券スタンプ5dとが
配置されている。なお、各搬送ベルト58,59の挟持
手段50に対応する側は、結束帯Wの巻き付け時等に外
側に待避する揺動待避部58a,59aを成している。
【0052】ここで、束紙幣処理部P1とバラ紙幣処理
部P2に共通の上記束搬送装置6について説明する。こ
の束搬送装置6は、バラ紙幣の束B’を把持する上下一
対の把持部6aと、これらの把持部6aを移動させる移
動部6bとを有している。束搬送装置6の移動部6b
は、把持部6aを、前後方向に進退移動させると共に、
束紙幣処理部P1とバラ紙幣処理部P2との間で左右方
向に移動させるようになっている。
【0053】以上の束紙幣処理部P1の構成要素のう
ち、昇降通路2は、束出金口・結束帯ユニットU1、紙
幣束移送ユニットU3および紙幣束収納ユニットU4に
渡って形成されている。収納部3は紙幣束収納ユニット
U4内に設けられ、搬送手段4は、紙幣束移送ユニット
U3内に設けられている。搬送手段4と収納部3との間
の識別部D、開閉板34、仕切板36、押圧検知板38
および搬送路46も、紙幣束移送ユニットU3内に配置
されている。結束印字部5は、その結束帯ロール53を
除く部分が、結束・搬送ユニットU2の結束・印字ユニ
ット部U2−1内に設けられている。結束帯ロール53
は、束出金口・結束帯ユニットU1の後方延長部分に配
置されている。束搬送装置6は、バラ紙幣処理部P2ま
で延びる結束・搬送ユニットU2の束搬送ユニット部U
2−2内に設けられている。
【0054】(2)バラ紙幣処理部P2 次に、主に図11を参照して、バラ紙幣処理部P2の具
体的構成について説明する。
【0055】図11に示すように、バラ紙幣処理部P2
は、筐体1’内の上部および下部にそれぞれ設けられた
入出金処理部7および紙幣収納部8を備えている。入出
金処理部7は、筐体1’の前上部に対応した入金集積部
70およびリジェクト集積部71と、筐体1’の上面部
に対応した出金集積部75とを有している。入金集積部
70およびリジェクト集積部71は、シャッター開閉式
の入金口16(図1参照)を通じて外部に開放可能とな
っている。また、出金集積部75も、シャッター開閉式
の出金口18(図1参照)を通じて外部に開放可能とな
っている。
【0056】一方、紙幣収納部8は、前後方向に一列に
配置された5つの紙幣収納庫8a〜8eを有している。
これらの紙幣収納庫8a〜8eは、バラ紙幣Sを金種別
に収納する4つの金種別収納庫8a〜8dと、バラ紙幣
Sを金種混合状態で一括して収納する一括収納庫8eと
に分けられる。各収納庫8a〜8eの上方には一時保留
部84が、下方には繰出し手段86が、それぞれ設けら
れている。また、各収納庫8a〜8eの内部には、可動
セパレータ80,82が2段ずつ設けられている。
【0057】入金集積部70には繰出し手段72が設け
られ、この繰出し手段72と各収納庫8a〜8eの一時
保留部84との間に入金搬送路R1が形成されている。
この入金搬送路R1の途中には、入金識別部D1と表裏
反転部73とが設けられている。また、各収納庫8a〜
8eの繰出し手段86と出金集積部75との間に出金搬
送路R2が形成されている。この出金搬送路R2は、途
中に出金識別部D2が設けられると共に、出金集積部7
5の手前で、2つのスタッカ76a,76bと施錠式の
出金リジェクト箱77(図3参照)とにそれぞれ分岐し
ている。
【0058】入金搬送路R1も、入金識別部D1と表裏
反転部73との間でリジェクト集積部71へ分岐してい
る。また、表裏反転部73の下流側で入金搬送路R1か
ら分岐したバイパス搬送路R3が、スタッカ76aの上
流側で出金搬送路R2に合流している。
【0059】出金集積部75と出金リジェクト箱77と
の間には、回収搬送路R4が形成されている。この回収
搬送路R4は、制御部Cで制御される駆動モータ(図
8)による搬送動作で、出金集積部75に集積された出
金紙幣を出金リジェクト箱77へ回収するためのもので
ある。
【0060】スタッカ76a,76bの後方に、上記束
搬送装置6が進入可能となっている。この束搬送装置6
における一対の把持部6aは、上下2つのスタッカ76
a,76bに対応して、移動部6bに対して上下移動で
きるようにもなっている。また、束搬送装置6の一対の
把持部6aは、スタッカ76a,76b内に集積された
バラ紙幣の束B’を把持して後方に引き出すことができ
るようになっている。
【0061】以上のバラ紙幣処理部P2の構成要素のう
ち、入金集積部70、リジェクト集積部71、繰出し手
段72、表裏反転部73および入金識別部D1は、入金
ユニットU5内に設けられている。出金集積部75、ス
タッカ76a,76b、出金リジェクト箱77および回
収搬送路R4は、出金ユニットU6内に設けられてい
る。各一時保留部84は入金保留ユニットU7内に設け
られ、各繰出し手段86を含む紙幣収納部8と出金識別
部D2はバラ紙幣収納ユニットU8内に設けられてい
る。
【0062】また、入金搬送路R1は、入金ユニットU
5および入金保留ユニットU7に渡って形成されてい
る。出金搬送路R2は、バラ紙幣収納ユニットU8、入
金保留ユニットU7および出金ユニットU6に渡って形
成されている。バイパス搬送路R3は、入金ユニットU
5と出金ユニットU6との間に形成されている。
【0063】次に、このバラ紙幣処理部P2の動作につ
いて簡単に説明する。
【0064】入金口16を通じて入金集積部70に投入
されたバラ紙幣Sは、繰出し手段72によって1枚ずつ
繰り出され、入金搬送路R1に沿って搬送されて行く。
それらのバラ紙幣Sは、入金識別部D1で金種等の識別
がなされ、識別不能な入金リジェクト紙幣はリジェクト
集積部71に戻される。また、表裏が所定の向きと反対
の紙幣Sは、表裏反転部73で反転されてから下流側へ
送られる。入金搬送路R1を通じて収納部8へ送られた
バラ紙幣Sは、その金種に応じた収納庫8a〜8eへ収
納される。その際、バラ紙幣Sは、一時保留部84に集
積された後、可動セパレータ80,82の動作によっ
て、各収納庫8a〜8e内に収納されて行く。
【0065】一方、各収納庫8a〜8eから繰出し手段
86によって1枚ずつ繰り出されるバラ紙幣Sは、出金
搬送路R2に沿って搬送されて行く。それらのバラ紙幣
Sは、出金識別部D2で金種等の識別がなされ、識別不
能な出金リジェクト紙幣は出金リジェクト箱77に集積
される。それ以外のバラ紙幣Sは、目的に応じて、出金
集積部75またはスタッカ76a,76bのいずれかに
集積される。出金集積部75に集積された出金紙幣は出
金口18を通じて取り出される。また、バイパス搬送路
R3を利用することで、入金集積部70に投入されたバ
ラ紙幣Sを、収納部8を通さずに直接、スタッカ76
a,76bに集積することもできる。
【0066】また、このバラ紙幣処理部P2は、入金ユ
ニットU5による入金処理と出金ユニットU6による出
金処理とを同時に実行可能に構成されている。すなわ
ち、入金ユニットU5の入金集積部70から入金紙幣を
繰り込みながら、出金ユニットU6の出金集積部75に
出金紙幣を集積することができるようになっている。そ
のような同時処理の際、障害検出手段Sによって入金ユ
ニットU5および出金ユニットU6における障害の発生
が同時に検出されている場合、制御部Cによる回収搬送
路R4の駆動モータ(図8)とロック装置L5,L6
(図2(b)および図8)の制御は、以下の(イ)〜
(ハ)のように行われる。
【0067】すなわち、 (イ)初めに、回収搬送路R4によって、出金集積部7
5から出金リジェクト箱77へ出金紙幣が回収される
(但し、出金集積部75に紙幣がない場合は、これが省
略される)。
【0068】(ロ)出金紙幣の回収後、図9の「入金
ユニットU5障害」の場合と同様、入金ユニットU5の
みが障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き
出され得る状態となる(図4)。
【0069】(ハ)入金ユニットU5の障害復旧後、入
金ユニットU5による入金紙幣の処理が終了してから、
図9の「出金ユニットU6後部障害」または「出金
ユニットU6上部障害」の場合と同様、出金ユニットU
6が障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き
出され得る状態となる(図3または図5)。
【0070】上記(ハ)の制御において、「入金ユニッ
トU5による入金紙幣の処理が終了してから」という条
件は省略してもよい。なお、入金処理の開始後は、入金
集積部70およびリジェクト集積部71に通じる入金口
16がシャッターで閉じられているので、入金紙幣が取
り出される虞はない。
【0071】また、上記の「同時に検出されている場
合」とは、結果として両ユニットU5,U6の障害発生
の検出されている状態が併存していればよく、両者の障
害が初めに検出される時点は互いに前後していてもよい
趣旨である。例えば、初めに入金ユニットU5の障害発
生のみが検出され、それに続いて出金ユニットU6の障
害発生が検出されるような場合が含まれる。
【0072】(3)ロック装置L6 次に、図12を参照して、出金ユニットU6に設けられ
たロック装置L6の具体的構成について説明する。以下
の説明では、紙幣処理装置の前後方向を基準として、図
12の左側を前、右側を後ろとして説明する。
【0073】図12に示すロック装置L6は、制御部C
によって制御されるモータ(図8)の駆動で回転する2
つのカム94B,94Cを有している。これらのカム9
4B,94Cは、筐体1’側に固定されたガイド部材1
1の上方に位置している。また、カム94B,94Cの
前後に、連結ロック部L6−Aと、後方および前方ロッ
ク部L6−B,L6−Cとが設けられている。カム94
Bおよび後方ロック部L6−Bの組(図12(b),
(c))と、カム94Cおよび前方ロック部L6−Cの
組(図12(d))とが、左右(図12の紙面に垂直な
方向)に並設されている(図12(a))。
【0074】連結ロック部L6−Aは、支軸90a周り
に揺動自在のロックアーム90を有している。このロッ
クアーム90の前端部にはフック部91が形成され、後
端部にはローラー式のカム従動子92が取り付けられて
いる。そのフック部91は、入金ユニットU5側に固定
されたロックバー93と係合するようになっている。ま
た、その従動子92は、両方のカム94B,94Cに対
応している。
【0075】後方および前方ロック部L6−B,L6−
Cは、それぞれ水平スライダ95と、垂直スライダ98
B,98Cとを有している。各水平スライダ95は、前
端部にローラー式のカム従動子96が取り付けられてい
る。また、垂直スライダ98B,98Cは、それぞれバ
ネ99によって下方へ付勢されている。そして、各水平
スライダ95の後端部と、対応する垂直スライダ98
B,98Cの上端部とが、それぞれ逆L字形の揺動リン
ク97によって連結されている。
【0076】このロック装置L6の図12(a)に示す
状態は、図9の待機状態に対応している。この状態か
ら、カム94Bが時計回りに回転すると(図12
(b))、ロックアーム90も同方向に揺動し、フック
部91とロックバー93との係合が解かれる。これによ
り、連結ロック部L6−Aがロック解除状態となる。一
方、後方ロック部L6−Bの方は、バネ99の付勢力に
よって、水平スライダ95が前方へ移動し、垂直スライ
ダ98Bが下方へ移動する。この場合、垂直スライダ9
8Bは、バネ99の付勢力でガイド部材11に押し付け
られた状態となる。これにより、後方ロック部L6−B
が予備的なロック状態となる。
【0077】この状態から、入金ユニットU5の引き出
しに連動して出金ユニットU6が前方へ移動すると、垂
直スライダ98Bの先端部が、ガイド部材11に形成さ
れた後方ロック孔11B内に嵌合する(図12
(c))。これにより、後方ロック部L6−Bが最終的
なロック状態となり、出金ユニットU6を後方係止位置
(図4)に係止する。
【0078】前方ロック部L6−Cをロック状態にする
場合は、後方ロック部L6−Bの場合と同様、まずカム
94Cを時計回りに回転させて、垂直スライダ98Cが
ガイド部材11に押し付けられた予備的なロック状態に
する。これに伴って、連結ロック部L6−Aはロック解
除状態となる。この状態から、入金ユニットU5の引き
出しに連動して出金ユニットU6が前方へ移動すると、
垂直スライダ98Cの先端部が、ガイド部材11に形成
された前方ロック孔11C内に嵌合する(図12
(d))。これにより、前方ロック部L6−Cが最終的
なロック状態となり、出金ユニットU6を前方係止位置
(図5)に係止する。
【0079】[作用効果]本実施形態によれば、紙幣処
理装置の上部の処理ユニットU1,U2,U5,U6に
関しては、所定の処理ユニットU1,U5を筐体1,
1’から引き出すだけで、障害の発生した処理ユニット
U1,U2,U5,U6が、その障害の復旧に必要な位
置まで筐体1,1’から連動して引き出されることにな
る。このため、操作者は、どの処理ユニットU1,U
2,U5,U6に障害が発生したかを特に意識すること
なく、その処理ユニットを障害の復旧に必要な位置まで
筐体1,1’から引き出して、容易に復旧作業を行うこ
とが可能となる。
【0080】すなわち、本実施形態の紙幣処理装置のよ
うに、一体的に連結された筐体1,1’内に紙幣束処理
ユニットU1〜U4とバラ紙幣処理ユニットU5〜U8
とを収納することでコンパクトに一体化された紙幣処理
装置においても、容易に復旧作業を行うことが可能とな
る。
【0081】また、図7に示すように、搬送ユニット部
U2−2を含む結束・搬送ユニットU2は、常に束出金
口・結束帯ユニットU1および出金ユニットU6と一体
的に連結された状態で引き出されるように構成されてい
る。このため、それらの処理ユニットU1,U2,U6
間で発生した障害の復旧が容易となる。また、それらの
ユニットU1,U2,U6が筐体1,1’から別個に引
き出されることによる各ユニット同士の間での二次的な
障害(例えば、図10および図11に示すような束搬送
装置6によるバラ紙幣の束B’の受け渡し部分での障
害)の発生を防止することができる。
【0082】また、入金ユニットU5および出金ユニッ
トU6に同時に障害が発生している場合、上記(イ)〜
(ハ)のような制御が行われる。このため、入金ユニッ
トU5の障害復旧を行う際には出金集積部75に出金紙
幣が残っておらず、また出金ユニットU6の障害復旧を
行う際には既に入金ユニットU5による入金紙幣の処理
が終了している。このため、入金ユニットU5と出金ユ
ニットU6の両者の障害復旧を行う際に、入金紙幣と出
金紙幣が混ざるのを防止することができる。
【0083】[変形例]以上、紙葉類として紙幣を処理
する紙幣処理装置の実施形態について説明したが、本発
明は紙幣以外の紙葉類を処理するための各種の処理ユニ
ットを備えた紙葉類処理装置として構成することもでき
る。また、各ロック装置の構成としては、図12に示す
ロック装置L6を例として説明したものに限らず、公知
の一般的なロック機構やカップリング装置などを用いる
ことができる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、所定の処理ユニットを
筐体から引き出すだけで、障害の発生した処理ユニット
が、その障害の復旧に必要な位置まで筐体から連動して
引き出されることになる。このため、操作者は、どの処
理ユニットに障害が発生したかを特に意識することな
く、その処理ユニットを障害の復旧に必要な位置まで筐
体から引き出して、容易に復旧作業を行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紙葉類処理装置の一実施形態とし
ての紙幣処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示す紙幣処理装置の(a)束紙幣処理部
と(b)バラ紙幣処理部における処理ユニットおよびロ
ック装置の配置を示す模式的な縦断面図。
【図3】「出金ユニット後部障害」の検出時における処
理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図4】「入金ユニット障害」の検出時における処理ユ
ニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図5】「出金ユニット上部障害」の検出時における処
理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図6】「束出金口・結束帯ユニット障害」の検出時に
おける処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応
した図。
【図7】「結束・搬送ユニット障害」の検出時における
処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した
図。
【図8】図1に示す紙幣処理装置における制御系の構成
を示すブロック図。
【図9】障害検出部分に応じたロック装置の制御内容を
示す表。
【図10】図2(a)に示した束紙幣処理部の内部構造
を模式的に示す図。
【図11】図2(b)に示したバラ紙幣処理部の内部構
造を模式的に示す図。
【図12】出金ユニットにおけるロック装置の構造を、
(a)〜(d)の状態に分けて示す部分縦断面図。
【符号の説明】
P1 束紙幣処理部 U1 束出金口・結束帯ユニット(束紙幣処理ユニッ
ト) U2 結束・搬送ユニット(束紙幣処理ユニット) U2−1 結束・印字ユニット部(束紙幣処理ユニッ
ト) U2−2 束搬送ユニット部(搬送ユニット) U3 紙幣束移送ユニット(束紙幣処理ユニット) U4 紙幣束収納ユニット(束紙幣処理ユニット) L1 ロック装置(連結手段) L2 ロック装置(係止手段) L3 ロック装置(係止手段) L4 ロック装置(係止手段) 1 筐体 10 束出金口 2 紙幣束昇降通路 20 昇降ステージ 3a〜3d 金種別束収納庫 3e 一括束収納庫 4 搬送手段 5a 結束手段 5b プリンタ 6 束搬送装置 D 識別部 P2 バラ紙幣処理部 U5 入金ユニット(バラ紙幣処理ユニット) U6 出金ユニット(バラ紙幣処理ユニット) U7 入金保留ユニット(バラ紙幣処理ユニット) U8 バラ紙幣収納ユニット(バラ紙幣処理ユニット) L5 ロック装置(連結手段) L6 ロック装置 L6−A 連結ロック部(連結手段) L6−B 後方ロック部(係止手段) L6−C 前方ロック部(係止手段) L7 ロック装置(係止手段) L8 ロック装置(係止手段) 1’ 筐体 16 入金口 18 出金口 75 出金集積部 77 出金リジェクト箱(出金収納部) 8a〜8d 金種別収納庫 8e 一括収納庫 D1 入金識別部 D2 出金識別部 R1〜R3 搬送路 R4 回収搬送路(出金回収手段) C 制御部(制御手段) B 紙幣束(結束済) B’バラ紙幣の束(未結束) S バラ紙幣 W 結束帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 田 繁 信 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内 Fターム(参考) 3E040 AA01 AA02 BA06 CA07 FG07 FL01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉類について各々所定の処理を行うため
    の複数の処理ユニットと、 これらの処理ユニットを引き出し可能に収納する筐体
    と、 少なくとも1つの前記処理ユニットを前記筐体に対して
    解除可能に係止する係止手段と、 少なくとも1つの前記処理ユニットを、他の前記処理ユ
    ニットに対して分離可能に連結する連結手段と、 各処理ユニットにおける障害の発生を検出する障害検出
    手段と、 この障害検出手段の検出結果に基づいて、前記係止手段
    および前記連結手段を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段による前記係止手段および前記連結手段の
    制御は、所定の前記処理ユニットの前記筐体からの引き
    出しに連動して、前記障害検出手段によって障害を検出
    された前記処理ユニットが、その障害の復旧に必要な位
    置まで前記筐体から引き出され得るようになされる、こ
    とを特徴とする紙葉類処理装置。
  2. 【請求項2】前記紙葉類は紙幣であり、 前記処理ユニットとして、バラ紙幣の処理を行うバラ紙
    幣処理ユニットと、紙幣束の処理を行う束紙幣処理ユニ
    ットとを備えた、ことを特徴とする請求項1記載の紙葉
    類処理装置。
  3. 【請求項3】前記処理ユニットとして、前記バラ紙幣処
    理ユニットから前記束紙幣処理ユニットへ紙幣の受け渡
    しを行うための搬送ユニットをさらに備え、 前記搬送ユニットは、常に前記バラ紙幣処理ユニットお
    よび前記束紙幣処理ユニットと一体で前記筐体から引き
    出されるように構成されている、ことを特徴とする請求
    項2記載の紙葉類処理装置。
  4. 【請求項4】前記紙葉類は紙幣であり、 前記処理ユニットとして、入金紙幣の処理を行う入金ユ
    ニットと、出金紙幣の処理を行う出金ユニットとを備
    え、前記入金ユニットによる処理と前記出金ユニットに
    よる処理とを同時に実行可能に構成され、 前記出金ユニットは、出金紙幣を取り出すための出金集
    積部と、この出金集積部から出金紙幣を隔離して収納可
    能な出金収納部と、前記制御手段によって制御され前記
    出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣を回収するた
    めの出金回収手段とを有し、 前記障害検出手段によって前記入金ユニットおよび前記
    出金ユニットにおける障害の発生が同時に検出されてい
    る場合、前記制御手段による前記出金回収手段、前記係
    止手段および前記連結手段の制御は、(イ)前記出金回
    収手段によって、前記出金集積部から前記出金収納部へ
    出金紙幣が回収され、(ロ)出金紙幣の回収後、前記入
    金ユニットのみが障害の復旧に必要な位置まで前記筐体
    から引き出され得る状態となり、(ハ)前記入金ユニッ
    トの障害復旧後、前記出金ユニットが障害の復旧に必要
    な位置まで前記筐体から引き出され得る状態となるよう
    になされる、ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処
    理装置。
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