JP4087142B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣等の紙葉類について繰出し、搬送、集積等の処理を行う複数の処理ユニットを備えた紙葉類処理装置に係り、特に、各処理ユニットで詰まり等の障害が発生した場合に当該ユニットを筐体から引き出して障害の復旧を行うように構成された紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙葉類処理装置において詰まり等の障害が発生した場合の復旧に関する技術としては、例えば特開平8−255280号公報(文献1)や特開2000−172951号公報(文献2)に記載されたものがある。
【0003】
文献1に記載された装置は、特定の障害が発生した際に、その障害を復旧するための所定の作業手順が画面に表示されるように構成されている。すなわち、操作者が画面に表示された手順に従って、障害の発生した処理ユニットの引き出しや詰まりの除去等の作業を進めるようになっている。
【0004】
また、文献2に記載された装置は、前後に連結された2つの処理ユニットを筐体内に引き出し可能に収納した構成をとっている。そして、障害の発生したユニットに応じて、操作者が異なる解錠操作を行うことで、前方のユニットのみ引き出し可能な状態と、後方のユニットまで引き出し可能な状態とを切り換えることができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の紙葉類処理装置には、以下のような問題点がある。
【0006】
まず、文献1の装置では、どの処理ユニットに障害が発生したのかを表示によって確認し、また障害の発生したユニットによって異なる作業手順を表示によって確認しながら復旧作業を行う必要がある。このため、別途マニュアルを参照しなくても済むという利点はあるものの、復旧作業が煩雑になることは避けられない。
【0007】
また、文献2の装置では、前後いずれの処理ユニットに障害が発生したかに応じて、操作者が異なる解錠操作を行い、目的のユニットまでを筐体から引き出して復旧作業を行う必要がある。すなわち、どの処理ユニットに障害が発生したかに応じて異なる操作を行わなければならず、復旧作業が煩雑なものとなる。
【0008】
ところで、銀行等で使用される紙幣入出金装置として、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理ユニットと、所定枚数のバラ紙幣を結束した紙幣束の処理を行う紙幣束処理ユニットとを筐体内に収納することで、コンパクトに一体化された紙葉類処理装置も開発されている。この装置では、処理ユニットの数が多くなり、またユニット同士の関係も複雑化するため、復旧作業を容易にするための工夫が特に求められる。
【0009】
また、この装置は、入金紙幣の処理を行う入金ユニットと、出金紙幣の処理を行う出金ユニットとを備え、紙幣の入金処理と出金処理を同時に実行可能となっている。このため、両方のユニットで同時に障害が発生している場合、復旧作業時に入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止するような配慮が必要となる。
【0010】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、どの処理ユニットに障害が発生したかを特に意識することなく、容易に復旧作業を行うことができるような紙葉類処理装置を提供することを主目的とする。
【0011】
また、そのような紙葉類処理装置において、入金ユニットと出金ユニットの両者の障害復旧を行う際に、入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止できるようにすることも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、紙葉類について各々所定の処理を行うための複数の処理ユニットと、これらの処理ユニットを引き出し可能に収納し、当該処理ユニットのうち少なくとも2つが互いに引き出し方向に並べて内部に配置される筐体と、少なくとも1つの前記処理ユニットを前記筐体に対して解除可能に係止する係止手段と、少なくとも前記引き出し方向に並べて配置される処理ユニットどうしを互いに分離可能に連結する連結手段と、各処理ユニットにおける障害の発生を検出する障害検出手段と、この障害検出手段の検出結果に基づいて、前記係止手段および前記連結手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段による前記係止手段および前記連結手段の制御は、前記引き出し方向に並べて配置される処理ユニットのうち引き出し方向手前側に配置される所定の処理ユニットの前記筐体からの引き出しに連動して、前記障害検出手段によって障害を検出された前記処理ユニットが、その障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得るようになされる、ことを特徴とする紙葉類処理装置である。
【0013】
この第1の発明によれば、引き出し方向手前側に配置される所定の処理ユニットを筐体から引き出すだけで、障害の発生した処理ユニットが、その障害の復旧に必要な位置まで筐体から連動して引き出されることになる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記紙葉類は紙幣であり、前記処理ユニットとして、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理ユニットと、紙幣束の処理を行う束紙幣処理ユニットとを備えたものである。
【0015】
この第2の発明によれば、筐体内にバラ紙幣処理ユニットと束紙幣処理ユニットとを収納することでコンパクトに一体化された紙幣の処理装置においても、第1の発明のようにして容易に復旧作業を行うことが可能となる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明において、前記処理ユニットとして、前記バラ紙幣処理ユニットから前記束紙幣処理ユニットへ紙幣の受け渡しを行うための搬送ユニットをさらに備え、前記搬送ユニットは、常に前記バラ紙幣処理ユニットおよび前記束紙幣処理ユニットと一体で前記筐体から引き出されるように構成されているものである。
【0017】
この第3の発明によれば、バラ紙幣処理ユニットまたは紙幣束処理ユニットと搬送ユニットとの間で発生した障害の復旧が容易となる。また、それらのユニットが筐体から別個に引き出されることによる各ユニット同士の間での二次的な障害の発生を防止することができる。
【0018】
第4の発明は、第1の発明において、前記紙葉類は紙幣であり、前記処理ユニットとして、入金紙幣の処理を行う入金ユニットと、出金紙幣の処理を行う出金ユニットとを備え、前記入金ユニットによる処理と前記出金ユニットによる処理とを同時に実行可能に構成され、前記出金ユニットは、出金紙幣を取り出すための出金集積部と、この出金集積部から出金紙幣を隔離して収納可能な出金収納部と、前記制御手段によって制御され前記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣を回収するための出金回収手段とを有し、前記障害検出手段によって前記入金ユニットおよび前記出金ユニットにおける障害の発生が同時に検出されている場合、前記制御手段による前記出金回収手段、前記係止手段および前記連結手段の制御は、(イ)前記出金回収手段によって、前記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣が回収され、(ロ)出金紙幣の回収後、前記入金ユニットのみが障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得る状態となり、(ハ)前記入金ユニットの障害復旧後、前記出金ユニットが障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得る状態となるようになされるものである。
【0019】
この第4の発明によれば、入金ユニットの障害復旧を行う際には出金集積部に出金紙幣が残っておらず、また出金ユニットの障害復旧を行う際には既に入金ユニットによる入金紙幣の処理が終了している。このため、入金ユニットと出金ユニットの両者の障害復旧を行う際に、入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図12を参照して、本発明による紙葉類処理装置の一実施形態として、紙葉類である紙幣を処理する紙幣処理装置について説明する。以下、本実施形態の全体構成、各部の具体的構成、動作および作用効果、並びに変形例について順次説明する。
【0021】
[全体構成]
図1に示すように、本実施形態の紙幣処理装置は、紙幣束を処理するための束紙幣処理部P1と、バラ紙幣を処理するためのバラ紙幣処理部P2とが左右に連結された構造になっている。この紙幣処理装置は、図2に示すように、紙幣について各々所定の処理を行うための複数の処理ユニットU1〜U8を備えている。
【0022】
それらの処理ユニットU1〜U8は、以下のように大別される。
【0023】
(1)束紙幣処理部P1に属する束紙幣処理ユニット(図2(a))
束出金口・結束帯ユニットU1(図6参照)
結束・搬送ユニットU2(図7参照)
紙幣束移送ユニットU3
紙幣束収納ユニットU4
(2)バラ紙幣処理部P2に属するバラ紙幣処理ユニット(図2(b))
入金ユニットU5(図3〜図5参照)
出金ユニットU6(図3〜図5参照)
入金保留ユニットU7
バラ紙幣収納ユニットU8
なお、上記の結束・搬送ユニットU2は、結束・印字ユニット部(束紙幣処理ユニット)U2−1と束搬送ユニット部(搬送ユニット)U2−2とで一体的に構成されている(図7参照)。
【0024】
また、この紙幣処理装置は、各処理ユニットU1〜U8を前方へ引き出し可能に収納する筐体として、束紙幣処理部P1を構成する筐体1と、バラ紙幣処理部P2を構成する筐体1’とを備えている。これらの筐体1,1’は、図1に示すように一体的に連結されている。
【0025】
図2に示すように、この紙幣処理装置は、各処理ユニットU1〜U8に対応したロック装置L1〜L8を備えている。そのうち、出金ユニットU6に対応したロック装置L6は、連結ロック部L6−A、後方ロック部L6−Bおよび前方ロック部L6−Cを有している。
【0026】
また、ロック装置L1,L5およびロック部L6−Aは、対応する処理ユニットU1,U5,U6をそれぞれ隣接する他の処理ユニットU2,U2,U5に対して分離可能に連結する連結手段を構成している。また、ロック装置L2〜L4、ロック部L6−B,L6−Cおよびロック装置L7,L8は、対応する処理ユニットU2〜U4;U6;U7,U8をそれぞれ筐体1,1’に対して解除可能に係止する係止手段を構成している。なお、後述するように、ロック装置L6の前方および後方ロック部L6−B,L6−Cは、出金ユニットU6を筐体1,1’に対して各々異なる引き出し位置で係止するように構成されている。
【0027】
次に、図8に示すように、各ロック装置L1〜L6は、そのロック状態とロック解除状態とを切り換えるためのモータ(ロック装置L1にあってはソレノイド)と、それらの状態を検出してフィードバックするためのセンサとを有している。なお、ロック装置L6は、各ロック部L6−A,B,Cごとのセンサを有している。そして、各ロック装置L1〜L6のモータ(ソレノイド)およびセンサは、制御部(制御手段)Cに接続されている。
【0028】
この制御部Cには、その他、後述する回収搬送路(出金回収手段)R4の駆動モータと、障害検出手段Sとが接続されている。後者の障害検出手段Sは、各処理ユニットU1〜U8における紙幣の詰まり等の障害発生を検出するためのものであり、例えば障害発生箇所を特定可能な程度の間隔で紙幣の移動経路上に配置された多数の光学センサ等で構成される。
【0029】
そして、制御部Cは、障害検出手段Sの検出結果に基づいて、各ロック装置L1〜L6のロック状態とロック解除状態との切り換えを制御するように構成されている。この制御部Cによるロック装置L1,L2,L5,L6の制御は、所定の処理ユニットU1,U5の筐体1,1’からの引き出しに連動して、障害検出手段Sによって障害を検出された処理ユニットU1,U2,U5,U6が、その障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得るようになされる。
【0030】
具体的には、図9の表に示すように、待機状態(通常の運転/停止状態)では、ロック装置L5,L1,L2およびロック部L6−Aが「ロック状態(連結状態ないし係止状態)」とされ、ロック部L6−B,L6−Cが「ロック解除状態(分離状態ないし係止解除状態)」とされている。これに対して、図9の表に列挙するような処理ユニットU1,U2,U5,U6の障害▲1▼〜▲5▼が検出された場合は、それぞれ太枠で示すような「ロック解除状態」または「ロック状態」への切り換えが行われる。
【0031】
図9の「▲1▼出金ユニットU6後部障害」とは、後述するような出金ユニットU6後部の出金搬送路R2やスタッカ76a,76b(図11)の部分での紙幣の詰まり等の障害を指す。この▲1▼の障害が検出された場合は、ロック装置L5が「ロック解除状態」に切り換えられる。これにより、図3に示すように、入金ユニットU5の筐体1,1’からの引き出しに連動して、入金ユニットU5に連結されている出金ユニットU6が、その後部の障害復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得るようになる。
【0032】
図9の「▲2▼入金ユニットU5障害」とは、入金ユニットU5での紙幣の詰まり等の障害を指す。この▲2▼の障害が検出された場合は、ロック装置L5が「ロック解除状態」に切り換えられ、連結ロック部L6−Aが「ロック解除状態」に切り換えられると共に、後方ロック部L6−Bが「ロック状態」に切り換えられる。これにより、図4に示すように、入金ユニットU5の筐体1,1’からの引き出しに伴って、入金ユニットU5と分離した出金ユニットU6は、後方ロック部L6−Bによる後方係止位置に係止されるまで引き出される。これにより、入金ユニットU5が、その後部までに至る障害復旧に必要な位置(出金ユニットU6との関係での相対的な位置)まで筐体1,1’から引き出され得るようになる。
【0033】
図9の「▲3▼出金ユニットU6上部障害」とは、後述するような出金ユニットU6上部の出金集積部75やスタッカ76a,76b(図11)の部分での紙幣の詰まり等の障害を指す。この▲3▼の障害が検出された場合は、ロック装置L5が「ロック解除状態」に切り換えられ、連結ロック部L6−Aが「ロック解除状態」に切り換えられると共に、前方ロック部L6−Cが「ロック状態」に切り換えられる。これにより、図5に示すように、入金ユニットU5の筐体1,1’からの引き出しに連動して、出金ユニットU6が、その上部の障害復旧に必要な位置である「前方ロック部L6−Cによる前方係止位置」に係止されるまで、筐体1,1’から引き出され得るようになる。
【0034】
図9の「▲4▼束出金口・結束帯ユニットU1障害」とは、当該ユニットU1における紙幣束の詰まりや、後述するようなロール53で供給される結束帯Wの消尽(図6および図11参照)等の障害を指す。この▲4▼の障害が検出された場合は、ロック装置L1が「ロック解除状態」に切り換えられる。これにより、図6に示すように、束出金口・結束帯ユニットU1の筐体1,1’からの引き出しによって、当該ユニットU1のみが、その障害の復旧(結束帯Wの補充を含む)に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得るようになる。
【0035】
図9の「▲5▼結束・搬送ユニットU2障害」とは、当該ユニットU2での紙幣の詰まり等の障害を指す。この▲5▼の障害が検出された場合は、ロック装置L2が「ロック解除状態」に切り換えられる。これにより、図7に示すように、束出金口・結束帯ユニットU1(若しくは入金ユニットU5)の筐体1,1’からの引き出しに連動して、結束・搬送ユニットU2が、その障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得るようになる。この場合、結束・搬送ユニットU2は、常に束出金口・結束帯ユニットU1、入金ユニットU5および出金ユニットU6と一体的に連結された状態で引き出されることになる。
【0036】
なお、図3〜図5に示すように、入金ユニットU5は、左右一対のガイドレールG1によって、筐体1’に対して前後に摺動自在に支持されている。また、出金ユニットU6は、左右一対のガイドレールG2によって、入金ユニットU5に対して前後に摺動自在に支持されている。そして、図4および図5に示すような出金ユニットU6の前方および後方係止位置までの引き出しは、入金ユニットU5の引き出し時に出金ユニットU6がガイドレールG2から受ける摩擦力等によって行われる。或いは、出金ユニットU6とガイドレールG2との間に、所定値以上の力が加わると係合が解除される係合手段を設けてもよい。
【0037】
なお、制御部Cによるロック装置L3,L4,L7,L8(図2)の制御は、対応する処理ユニットU3,U4,U7,U8の障害を障害検出手段Sが検出した場合に、その処理ユニットが筐体1,1’から引き出され得るようになされる。すなわち、制御部Cは、障害発生を検出された処理ユニットU3,U4,U7,U8に対応するロック装置L3,L4,L7,L8をロック解除状態とするような制御を行う。実際に処理ユニットU3,U4,U7,U8を引き出す際には、対応する開閉扉12,15(図1および図2)を開いておく必要がある。
【0038】
[各部の具体的構成]
次に、(1)束紙幣処理部P1および(2)バラ紙幣処理部P2の具体的構成について説明すると共に、各ロック装置を代表して(3)ロック装置L6の具体的構成について説明する。
【0039】
(1)束紙幣処理部P1
まず、主に図10を参照して、束紙幣処理部P1の具体的構成について説明する。
【0040】
図10に示すように、束紙幣処理部P1は、当該処理部P1に対して出し入れされる紙幣束Bを垂直方向に移動させるための紙幣束昇降通路2と、紙幣束Bを収納する紙幣束収納部3とを備えている。また、この束紙幣処理部P1は、昇降通路2と収納部3との間で紙幣束Bを水平方向に移動させる搬送手段4と、この搬送手段4によって移動される紙幣束Bの金種等を識別する識別部Dとを備えている。
【0041】
また、紙幣束収納部3の上方には、所定枚数のバラ紙幣の束B’を結束帯(帯封)Wで結束して紙幣束Bにすると共に、その結束帯Wに所定の印字等を行うための結束印字部5が設けられている。この結束印字部5の後方には、バラ紙幣処理部P2からバラ紙幣の束B’を搬入するための束搬送装置6が進入可能となっている。
【0042】
紙幣束昇降通路2は、筐体1の前面側に沿って配置され、内部に紙幣束Bを乗せて昇降する昇降ステージ20が設けられている。この昇降ステージ20の上面側には、前下がりに傾斜するように揺動可能な傾斜板22が設けられている。昇降通路2の上部は、シャッター開閉式の束出金口10(図1参照)を通じて外部と連通可能となっている。また、昇降通路2の下部は、開閉扉12を前方へ開くことで全体的に開放されると共に、開閉扉12に設けられたシャッター開閉式の束放出口13(図1参照)を通じて部分的に外部と連通可能にもなっている。
【0043】
紙幣束収納部3は、前後方向に一列に配置された5つの束収納庫3a〜3eを有している。これらの束収納庫3a〜3eは、紙幣束Bを金種別に収納する4つの金種別束収納庫3a〜3dと、紙幣束Bを金種混合状態で一括して収納する一括束収納庫3eとに分けられる。各束収納庫3a〜3eは、独立して着脱可能なカセット式のものであり、それぞれ上端部が開口すると共に、内部にパンタグラフ機構32付きの昇降ステージ30が設けられている。
【0044】
搬送手段4は、収納部3上から昇降通路2内まで水平に延びる左右一対の搬送ベルト44を有している。各搬送ベルト44は、一対のプーリ40,41同士の間に掛け渡されると共に、外側に4本のピン45が所定間隔で突設されている。各搬送ベルト44に対して、一対のプーリ40,41同士の間(昇降通路2の直後)に第3のプーリ42が配置されている。そして、昇降通路2側の2つのプーリ40,42同士の間を連結するレバー48が、プーリ42の回転軸を中心として上方へ90度揺動可能となっている。これにより、搬送手段4の昇降通路2側部分は、水平な搬送位置から垂直な待避位置へ揺動することで昇降通路2内から待避可能な揺動待避部4aを成している。
【0045】
この搬送手段4と各束収納庫3a〜3eとの間には、左右に開閉する一対の開閉板34が、それぞれ設けられている。また、搬送手段4の揺動待避部4aと昇降通路2下部との間にも、同じく一対の開閉板34が設けられている。各束収納庫3a〜3eに対応する開閉板34同士の間には、それぞれ仕切板36が設けられている。束収納庫3a上の開閉板34と昇降通路2内の開閉板34との間には、上記識別部Dが配置されている。
【0046】
これらの開閉板34、仕切板36および識別部Dと、搬送手段4との間に、紙幣束Bが水平方向に搬送される搬送路46が形成されている。すなわち、搬送路46内において、搬送ベルト44のピン45によって搬送力を受ける紙幣束Bが、開閉板34等の上を摺動しながら搬送されるようになっている。なお、一対の搬送ベルト44同士の間には、各束収納庫3a〜3e上の開閉板34と対向した押圧検知板38が配置されている。
【0047】
ここで、各束収納庫3a〜3eにおける紙幣束Bの収納および投出がどのようにして行われるかを説明する。
【0048】
収納時には、まず紙幣束Bが、収納すべき収納庫3a〜3eに対応した開閉板34上まで搬送手段4で搬送される。一方、収納庫3a〜3e内では、昇降ステージ30が、収納する紙幣束Bを受け取る高さまで上昇する。この状態で一対の開閉板34を左右に開いて、当該紙幣束Bを昇降ステージ30(その上に重積している紙幣束B)上に落下させる。その後、一対の開閉板34が閉じられ、昇降ステージ30が所定位置まで降下して、当該紙幣束Bの収納が完了する。
【0049】
次に投出時には、紙幣束Bを投出すべき収納庫3a〜3e上の開閉板34が左右に開かれ、紙幣束Bを載せた昇降ステージ30が上昇する。このとき、開閉板34の開放に連動して押圧検知板38が降下して、紙幣束Bの上昇高さを規制する。具体的には、押圧検知板38は、最上部の紙幣束Bによって押し上げられると、ステージ30の上昇を停止させるスイッチとして作用する。これにより、最上部の紙幣束Bのみを搬送路46上に出して搬送手段4で一束ずつ搬送することができる。
【0050】
次に、結束印字部5は、束搬送装置6によって搬送されてきたバラ紙幣の束B’を結束帯Wで結束して紙幣束Bにするための結束手段5aと、その紙幣束Bの結束帯Wに所定の印字等を行うためのプリンタ5bとを有している。結束手段5aは、バラ紙幣の束B’を挟持する挟持手段50と、挟持された束B’に結束帯Wを巻き付けるための旋回アーム52とを有している。そのような結束手段5aとしては、周知のものを用いることが出来る。結束帯Wは、下方のロール53から連続的に供給されるようになっている。結束手段5aは、その他、巻き付けられた結束帯Wの端部を接着する接着コテ55と、結束帯Wを1束分ずつ切断するカッター56とを有している。
【0051】
また、結束印字部5には、結束された紙幣束Bを昇降通路2の上部へ送るための搬送ベルト58,59が設けられている。そのうち上側の搬送ベルト58に隣接して、紙幣束Bの結束帯Wに金融機関名を印字するための行名スタンプ5cと、損券紙幣を束ねた結束帯Wに損券マークを押印するための損券スタンプ5dとが配置されている。なお、各搬送ベルト58,59の挟持手段50に対応する側は、結束帯Wの巻き付け時等に外側に待避する揺動待避部58a,59aを成している。
【0052】
ここで、束紙幣処理部P1とバラ紙幣処理部P2に共通の上記束搬送装置6について説明する。この束搬送装置6は、バラ紙幣の束B’を把持する上下一対の把持部6aと、これらの把持部6aを移動させる移動部6bとを有している。束搬送装置6の移動部6bは、把持部6aを、前後方向に進退移動させると共に、束紙幣処理部P1とバラ紙幣処理部P2との間で左右方向に移動させるようになっている。
【0053】
以上の束紙幣処理部P1の構成要素のうち、昇降通路2は、束出金口・結束帯ユニットU1、紙幣束移送ユニットU3および紙幣束収納ユニットU4に渡って形成されている。収納部3は紙幣束収納ユニットU4内に設けられ、搬送手段4は、紙幣束移送ユニットU3内に設けられている。搬送手段4と収納部3との間の識別部D、開閉板34、仕切板36、押圧検知板38および搬送路46も、紙幣束移送ユニットU3内に配置されている。結束印字部5は、その結束帯ロール53を除く部分が、結束・搬送ユニットU2の結束・印字ユニット部U2−1内に設けられている。結束帯ロール53は、束出金口・結束帯ユニットU1の後方延長部分に配置されている。束搬送装置6は、バラ紙幣処理部P2まで延びる結束・搬送ユニットU2の束搬送ユニット部U2−2内に設けられている。
【0054】
(2)バラ紙幣処理部P2
次に、主に図11を参照して、バラ紙幣処理部P2の具体的構成について説明する。
【0055】
図11に示すように、バラ紙幣処理部P2は、筐体1’内の上部および下部にそれぞれ設けられた入出金処理部7および紙幣収納部8を備えている。入出金処理部7は、筐体1’の前上部に対応した入金集積部70およびリジェクト集積部71と、筐体1’の上面部に対応した出金集積部75とを有している。入金集積部70およびリジェクト集積部71は、シャッター開閉式の入金口16(図1参照)を通じて外部に開放可能となっている。また、出金集積部75も、シャッター開閉式の出金口18(図1参照)を通じて外部に開放可能となっている。
【0056】
一方、紙幣収納部8は、前後方向に一列に配置された5つの紙幣収納庫8a〜8eを有している。これらの紙幣収納庫8a〜8eは、バラ紙幣Sを金種別に収納する4つの金種別収納庫8a〜8dと、バラ紙幣Sを金種混合状態で一括して収納する一括収納庫8eとに分けられる。各収納庫8a〜8eの上方には一時保留部84が、下方には繰出し手段86が、それぞれ設けられている。また、各収納庫8a〜8eの内部には、可動セパレータ80,82が2段ずつ設けられている。
【0057】
入金集積部70には繰出し手段72が設けられ、この繰出し手段72と各収納庫8a〜8eの一時保留部84との間に入金搬送路R1が形成されている。この入金搬送路R1の途中には、入金識別部D1と表裏反転部73とが設けられている。また、各収納庫8a〜8eの繰出し手段86と出金集積部75との間に出金搬送路R2が形成されている。この出金搬送路R2は、途中に出金識別部D2が設けられると共に、出金集積部75の手前で、2つのスタッカ76a,76bと施錠式の出金リジェクト箱77(図3参照)とにそれぞれ分岐している。
【0058】
入金搬送路R1も、入金識別部D1と表裏反転部73との間でリジェクト集積部71へ分岐している。また、表裏反転部73の下流側で入金搬送路R1から分岐したバイパス搬送路R3が、スタッカ76aの上流側で出金搬送路R2に合流している。
【0059】
出金集積部75と出金リジェクト箱77との間には、回収搬送路R4が形成されている。この回収搬送路R4は、制御部Cで制御される駆動モータ(図8)による搬送動作で、出金集積部75に集積された出金紙幣を出金リジェクト箱77へ回収するためのものである。
【0060】
スタッカ76a,76bの後方に、上記束搬送装置6が進入可能となっている。この束搬送装置6における一対の把持部6aは、上下2つのスタッカ76a,76bに対応して、移動部6bに対して上下移動できるようにもなっている。また、束搬送装置6の一対の把持部6aは、スタッカ76a,76b内に集積されたバラ紙幣の束B’を把持して後方に引き出すことができるようになっている。
【0061】
以上のバラ紙幣処理部P2の構成要素のうち、入金集積部70、リジェクト集積部71、繰出し手段72、表裏反転部73および入金識別部D1は、入金ユニットU5内に設けられている。出金集積部75、スタッカ76a,76b、出金リジェクト箱77および回収搬送路R4は、出金ユニットU6内に設けられている。各一時保留部84は入金保留ユニットU7内に設けられ、各繰出し手段86を含む紙幣収納部8と出金識別部D2はバラ紙幣収納ユニットU8内に設けられている。
【0062】
また、入金搬送路R1は、入金ユニットU5および入金保留ユニットU7に渡って形成されている。出金搬送路R2は、バラ紙幣収納ユニットU8、入金保留ユニットU7および出金ユニットU6に渡って形成されている。バイパス搬送路R3は、入金ユニットU5と出金ユニットU6との間に形成されている。
【0063】
次に、このバラ紙幣処理部P2の動作について簡単に説明する。
【0064】
入金口16を通じて入金集積部70に投入されたバラ紙幣Sは、繰出し手段72によって1枚ずつ繰り出され、入金搬送路R1に沿って搬送されて行く。それらのバラ紙幣Sは、入金識別部D1で金種等の識別がなされ、識別不能な入金リジェクト紙幣はリジェクト集積部71に戻される。また、表裏が所定の向きと反対の紙幣Sは、表裏反転部73で反転されてから下流側へ送られる。入金搬送路R1を通じて収納部8へ送られたバラ紙幣Sは、その金種に応じた収納庫8a〜8eへ収納される。その際、バラ紙幣Sは、一時保留部84に集積された後、可動セパレータ80,82の動作によって、各収納庫8a〜8e内に収納されて行く。
【0065】
一方、各収納庫8a〜8eから繰出し手段86によって1枚ずつ繰り出されるバラ紙幣Sは、出金搬送路R2に沿って搬送されて行く。それらのバラ紙幣Sは、出金識別部D2で金種等の識別がなされ、識別不能な出金リジェクト紙幣は出金リジェクト箱77に集積される。それ以外のバラ紙幣Sは、目的に応じて、出金集積部75またはスタッカ76a,76bのいずれかに集積される。出金集積部75に集積された出金紙幣は出金口18を通じて取り出される。また、バイパス搬送路R3を利用することで、入金集積部70に投入されたバラ紙幣Sを、収納部8を通さずに直接、スタッカ76a,76bに集積することもできる。
【0066】
また、このバラ紙幣処理部P2は、入金ユニットU5による入金処理と出金ユニットU6による出金処理とを同時に実行可能に構成されている。すなわち、入金ユニットU5の入金集積部70から入金紙幣を繰り込みながら、出金ユニットU6の出金集積部75に出金紙幣を集積することができるようになっている。そのような同時処理の際、障害検出手段Sによって入金ユニットU5および出金ユニットU6における障害の発生が同時に検出されている場合、制御部Cによる回収搬送路R4の駆動モータ(図8)とロック装置L5,L6(図2(b)および図8)の制御は、以下の(イ)〜(ハ)のように行われる。
【0067】
すなわち、
(イ)初めに、回収搬送路R4によって、出金集積部75から出金リジェクト箱77へ出金紙幣が回収される(但し、出金集積部75に紙幣がない場合は、これが省略される)。
【0068】
(ロ)出金紙幣の回収後、図9の「▲2▼入金ユニットU5障害」の場合と同様、入金ユニットU5のみが障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得る状態となる(図4)。
【0069】
(ハ)入金ユニットU5の障害復旧後、入金ユニットU5による入金紙幣の処理が終了してから、図9の「▲1▼出金ユニットU6後部障害」または「▲3▼出金ユニットU6上部障害」の場合と同様、出金ユニットU6が障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出され得る状態となる(図3または図5)。
【0070】
上記(ハ)の制御において、「入金ユニットU5による入金紙幣の処理が終了してから」という条件は省略してもよい。なお、入金処理の開始後は、入金集積部70およびリジェクト集積部71に通じる入金口16がシャッターで閉じられているので、入金紙幣が取り出される虞はない。
【0071】
また、上記の「同時に検出されている場合」とは、結果として両ユニットU5,U6の障害発生の検出されている状態が併存していればよく、両者の障害が初めに検出される時点は互いに前後していてもよい趣旨である。例えば、初めに入金ユニットU5の障害発生のみが検出され、それに続いて出金ユニットU6の障害発生が検出されるような場合が含まれる。
【0072】
(3)ロック装置L6
次に、図12を参照して、出金ユニットU6に設けられたロック装置L6の具体的構成について説明する。以下の説明では、紙幣処理装置の前後方向を基準として、図12の左側を前、右側を後ろとして説明する。
【0073】
図12に示すロック装置L6は、制御部Cによって制御されるモータ(図8)の駆動で回転する2つのカム94B,94Cを有している。これらのカム94B,94Cは、筐体1’側に固定されたガイド部材11の上方に位置している。また、カム94B,94Cの前後に、連結ロック部L6−Aと、後方および前方ロック部L6−B,L6−Cとが設けられている。カム94Bおよび後方ロック部L6−Bの組(図12(b),(c))と、カム94Cおよび前方ロック部L6−Cの組(図12(d))とが、左右(図12の紙面に垂直な方向)に並設されている(図12(a))。
【0074】
連結ロック部L6−Aは、支軸90a周りに揺動自在のロックアーム90を有している。このロックアーム90の前端部にはフック部91が形成され、後端部にはローラー式のカム従動子92が取り付けられている。そのフック部91は、入金ユニットU5側に固定されたロックバー93と係合するようになっている。また、その従動子92は、両方のカム94B,94Cに対応している。
【0075】
後方および前方ロック部L6−B,L6−Cは、それぞれ水平スライダ95と、垂直スライダ98B,98Cとを有している。各水平スライダ95は、前端部にローラー式のカム従動子96が取り付けられている。また、垂直スライダ98B,98Cは、それぞれバネ99によって下方へ付勢されている。そして、各水平スライダ95の後端部と、対応する垂直スライダ98B,98Cの上端部とが、それぞれ逆L字形の揺動リンク97によって連結されている。
【0076】
このロック装置L6の図12(a)に示す状態は、図9の待機状態に対応している。この状態から、カム94Bが時計回りに回転すると(図12(b))、ロックアーム90も同方向に揺動し、フック部91とロックバー93との係合が解かれる。これにより、連結ロック部L6−Aがロック解除状態となる。一方、後方ロック部L6−Bの方は、バネ99の付勢力によって、水平スライダ95が前方へ移動し、垂直スライダ98Bが下方へ移動する。この場合、垂直スライダ98Bは、バネ99の付勢力でガイド部材11に押し付けられた状態となる。これにより、後方ロック部L6−Bが予備的なロック状態となる。
【0077】
この状態から、入金ユニットU5の引き出しに連動して出金ユニットU6が前方へ移動すると、垂直スライダ98Bの先端部が、ガイド部材11に形成された後方ロック孔11B内に嵌合する(図12(c))。これにより、後方ロック部L6−Bが最終的なロック状態となり、出金ユニットU6を後方係止位置(図4)に係止する。
【0078】
前方ロック部L6−Cをロック状態にする場合は、後方ロック部L6−Bの場合と同様、まずカム94Cを時計回りに回転させて、垂直スライダ98Cがガイド部材11に押し付けられた予備的なロック状態にする。これに伴って、連結ロック部L6−Aはロック解除状態となる。この状態から、入金ユニットU5の引き出しに連動して出金ユニットU6が前方へ移動すると、垂直スライダ98Cの先端部が、ガイド部材11に形成された前方ロック孔11C内に嵌合する(図12(d))。これにより、前方ロック部L6−Cが最終的なロック状態となり、出金ユニットU6を前方係止位置(図5)に係止する。
【0079】
[作用効果]
本実施形態によれば、紙幣処理装置の上部の処理ユニットU1,U2,U5,U6に関しては、所定の処理ユニットU1,U5を筐体1,1’から引き出すだけで、障害の発生した処理ユニットU1,U2,U5,U6が、その障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から連動して引き出されることになる。このため、操作者は、どの処理ユニットU1,U2,U5,U6に障害が発生したかを特に意識することなく、その処理ユニットを障害の復旧に必要な位置まで筐体1,1’から引き出して、容易に復旧作業を行うことが可能となる。
【0080】
すなわち、本実施形態の紙幣処理装置のように、一体的に連結された筐体1,1’内に紙幣束処理ユニットU1〜U4とバラ紙幣処理ユニットU5〜U8とを収納することでコンパクトに一体化された紙幣処理装置においても、容易に復旧作業を行うことが可能となる。
【0081】
また、図7に示すように、搬送ユニット部U2−2を含む結束・搬送ユニットU2は、常に束出金口・結束帯ユニットU1および出金ユニットU6と一体的に連結された状態で引き出されるように構成されている。このため、それらの処理ユニットU1,U2,U6間で発生した障害の復旧が容易となる。また、それらのユニットU1,U2,U6が筐体1,1’から別個に引き出されることによる各ユニット同士の間での二次的な障害(例えば、図10および図11に示すような束搬送装置6によるバラ紙幣の束B’の受け渡し部分での障害)の発生を防止することができる。
【0082】
また、入金ユニットU5および出金ユニットU6に同時に障害が発生している場合、上記(イ)〜(ハ)のような制御が行われる。このため、入金ユニットU5の障害復旧を行う際には出金集積部75に出金紙幣が残っておらず、また出金ユニットU6の障害復旧を行う際には既に入金ユニットU5による入金紙幣の処理が終了している。このため、入金ユニットU5と出金ユニットU6の両者の障害復旧を行う際に、入金紙幣と出金紙幣が混ざるのを防止することができる。
【0083】
[変形例]
以上、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理装置の実施形態について説明したが、本発明は紙幣以外の紙葉類を処理するための各種の処理ユニットを備えた紙葉類処理装置として構成することもできる。また、各ロック装置の構成としては、図12に示すロック装置L6を例として説明したものに限らず、公知の一般的なロック機構やカップリング装置などを用いることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、引き出し方向手前側に配置される所定の処理ユニットを筐体から引き出すだけで、障害の発生した処理ユニットが、その障害の復旧に必要な位置まで筐体から連動して引き出されることになる。このため、操作者は、どの処理ユニットに障害が発生したかを特に意識することなく、その処理ユニットを障害の復旧に必要な位置まで筐体から引き出して、容易に復旧作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紙葉類処理装置の一実施形態としての紙幣処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】図1に示す紙幣処理装置の(a)束紙幣処理部と(b)バラ紙幣処理部における処理ユニットおよびロック装置の配置を示す模式的な縦断面図。
【図3】「出金ユニット後部障害」の検出時における処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図4】「入金ユニット障害」の検出時における処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図5】「出金ユニット上部障害」の検出時における処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図6】「束出金口・結束帯ユニット障害」の検出時における処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図7】「結束・搬送ユニット障害」の検出時における処理ユニットの引き出し状態を示す、図1に対応した図。
【図8】図1に示す紙幣処理装置における制御系の構成を示すブロック図。
【図9】障害検出部分に応じたロック装置の制御内容を示す表。
【図10】図2(a)に示した束紙幣処理部の内部構造を模式的に示す図。
【図11】図2(b)に示したバラ紙幣処理部の内部構造を模式的に示す図。
【図12】出金ユニットにおけるロック装置の構造を、(a)〜(d)の状態に分けて示す部分縦断面図。
【符号の説明】
P1 束紙幣処理部
U1 束出金口・結束帯ユニット(束紙幣処理ユニット)
U2 結束・搬送ユニット(束紙幣処理ユニット)
U2−1 結束・印字ユニット部(束紙幣処理ユニット)
U2−2 束搬送ユニット部(搬送ユニット)
U3 紙幣束移送ユニット(束紙幣処理ユニット)
U4 紙幣束収納ユニット(束紙幣処理ユニット)
L1 ロック装置(連結手段)
L2 ロック装置(係止手段)
L3 ロック装置(係止手段)
L4 ロック装置(係止手段)
1 筐体
10 束出金口
2 紙幣束昇降通路
20 昇降ステージ
3a〜3d 金種別束収納庫
3e 一括束収納庫
4 搬送手段
5a 結束手段
5b プリンタ
6 束搬送装置
D 識別部
P2 バラ紙幣処理部
U5 入金ユニット(バラ紙幣処理ユニット)
U6 出金ユニット(バラ紙幣処理ユニット)
U7 入金保留ユニット(バラ紙幣処理ユニット)
U8 バラ紙幣収納ユニット(バラ紙幣処理ユニット)
L5 ロック装置(連結手段)
L6 ロック装置
L6−A 連結ロック部(連結手段)
L6−B 後方ロック部(係止手段)
L6−C 前方ロック部(係止手段)
L7 ロック装置(係止手段)
L8 ロック装置(係止手段)
1’ 筐体
16 入金口
18 出金口
75 出金集積部
77 出金リジェクト箱(出金収納部)
8a〜8d 金種別収納庫
8e 一括収納庫
D1 入金識別部
D2 出金識別部
R1〜R3 搬送路
R4 回収搬送路(出金回収手段)
C 制御部(制御手段)
B 紙幣束(結束済)
B’バラ紙幣の束(未結束)
S バラ紙幣
W 結束帯
Claims (4)
- 紙葉類について各々所定の処理を行うための複数の処理ユニットと、
これらの処理ユニットを引き出し可能に収納し、当該処理ユニットのうち少なくとも2つが互いに引き出し方向に並べて内部に配置される筐体と、
少なくとも1つの前記処理ユニットを前記筐体に対して解除可能に係止する係止手段と、
少なくとも前記引き出し方向に並べて配置される処理ユニットどうしを互いに分離可能に連結する連結手段と、
各処理ユニットにおける障害の発生を検出する障害検出手段と、
この障害検出手段の検出結果に基づいて、前記係止手段および前記連結手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段による前記係止手段および前記連結手段の制御は、前記引き出し方向に並べて配置される処理ユニットのうち引き出し方向手前側に配置される所定の処理ユニットの前記筐体からの引き出しに連動して、前記障害検出手段によって障害を検出された前記処理ユニットが、その障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得るようになされる、ことを特徴とする紙葉類処理装置。 - 前記紙葉類は紙幣であり、
前記処理ユニットとして、バラ紙幣の処理を行うバラ紙幣処理ユニットと、紙幣束の処理を行う束紙幣処理ユニットとを備えた、ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。 - 前記処理ユニットとして、前記バラ紙幣処理ユニットから前記束紙幣処理ユニットへ紙幣の受け渡しを行うための搬送ユニットをさらに備え、
前記搬送ユニットは、常に前記バラ紙幣処理ユニットおよび前記束紙幣処理ユニットと一体で前記筐体から引き出されるように構成されている、ことを特徴とする請求項2記載の紙葉類処理装置。 - 前記紙葉類は紙幣であり、
前記処理ユニットとして、入金紙幣の処理を行う入金ユニットと、出金紙幣の処理を行う出金ユニットとを備え、前記入金ユニットによる処理と前記出金ユニットによる処理とを同時に実行可能に構成され、
前記出金ユニットは、出金紙幣を取り出すための出金集積部と、この出金集積部から出金紙幣を隔離して収納可能な出金収納部と、前記制御手段によって制御され前記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣を回収するための出金回収手段とを有し、
前記障害検出手段によって前記入金ユニットおよび前記出金ユニットにおける障害の発生が同時に検出されている場合、前記制御手段による前記出金回収手段、前記係止手段および前記連結手段の制御は、
(イ)前記出金回収手段によって、前記出金集積部から前記出金収納部へ出金紙幣が回収され、
(ロ)出金紙幣の回収後、前記入金ユニットのみが障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得る状態となり、
(ハ)前記入金ユニットの障害復旧後、前記出金ユニットが障害の復旧に必要な位置まで前記筐体から引き出され得る状態となる
ようになされる、ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
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