以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は循環式紙幣入出金機の内部構造を示す側面図であり、循環式紙幣入出金機は、機体11を有し、この機体11の前面側(図1の左側)は顧客が入金紙幣の挿入と出金紙幣の取出しなどを操作する顧客用操作面12とされ、機体11の後面側(図1の右側)は係員が紙幣の補充や回収などを操作する係員用操作面13とされている。
機体11の前面側である顧客用操作面12側の上部域には、出金紙幣の取出しが可能な出金口部15と入金紙幣の挿入が可能な入金口部16とを有する顧客用操作口部17が配設されている。
機体11の後面側である係員用操作面13側には、上部から下部に向けて、顧客が出金口部15に取り忘れた取忘れ紙幣を収納するための取忘れ紙幣収納部18、補充紙幣または回収紙幣を収納するための補充回収紙幣収納部19、リジェクト紙幣を収納するためのリジェクト紙幣収納部20、出金用の第1金種紙幣として千円紙幣を収納するための第1金種紙幣用スタッカ21、出金用の第2金種紙幣として万円紙幣を収納するための第2金種紙幣用スタッカ22が配設されている。
機体11の前面側である顧客用操作面12側の下部域には、入金される第3金種紙幣として五千円紙幣を収納するための第3金種紙幣用スタッカ23が配設されている。この第3金種紙幣用スタッカ23には、五千円紙幣とともに、入金される第4金種紙幣として二千円紙幣を収納可能としており、2金種混在収納用スタッカとしても構成されている。
機体11の内部には、取忘れ紙幣収納部18、補充回収紙幣収納部19、リジェクト紙幣収納部20、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22の各前面側と顧客用操作口部17および第3金種紙幣用スタッカ23の各後面側との間の前後空間域、および顧客用操作口部17の下方で第3金種紙幣用スタッカ23の上方の上下空間域に、紙幣を搬送する搬送手段24および紙幣を識別する紙幣識別手段25を有する正逆搬送可能な紙幣搬送路26が配設されている。紙幣搬送路26は、紙幣を正逆搬送可能なループ状搬送部27と、このループ状搬送部27から上述した各構成へ向けてループ外へ延びる複数の外方通路部28と、ループ状搬送部27と各外方通路部28との各接続部に設けられる複数の分岐手段29とを有している。紙幣識別手段25は、ループ状搬送部27において、顧客用操作口部17の下方で第3金種紙幣用スタッカ23の上方の上下空間域に配設されている。そして、ループ状搬送部27では、補充回収紙幣収納部19、出金口部15、入金口部16、第3、第2および第1金種紙幣用スタッカ23,22,21、リジェクト紙幣収納部20の順に接続された図1反時計回り方向を紙幣の順搬送方向と呼び、この順搬送方向と逆方向である図1時計回り方向を紙幣の逆搬送方向と呼ぶ。
外方通路部28群は、ループ状搬送部27と補充回収紙幣収納部19とを接続する正逆搬送可能な補充回収紙幣収納部用搬送部28a、ループ状搬送部27と出金口部15とを接続する正逆搬送可能な出金搬送部28b、出金搬送部28bの途中と取忘れ紙幣収納部18とを接続する取忘れ紙幣収納部用搬送部28c、ループ状搬送部27と入金口部16とを接続する入金搬送部28d、ループ状搬送部27と第3金種紙幣用スタッカ23とを接続する正逆搬送可能な第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28e、ループ状搬送部27と第2金種紙幣用スタッカ22とを接続する正逆搬送可能な第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28f、ループ状搬送部27と第1金種紙幣用スタッカ21とを接続する正逆搬送可能な第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28g、ループ状搬送部27とリジェクト紙幣収納部20とを接続する正逆搬送可能なリジェクト紙幣収納部用搬送部28hを有している。
分岐手段29群は、ループ状搬送部27と補充回収紙幣収納部用搬送部28aとの接続部に設けられる第1の分岐手段29a、ループ状搬送部27と出金搬送部28bとの接続部に設けられる第2の分岐手段29b、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cと出金搬送部28bの途中位置との接続部に設けられる第3の分岐手段29c、ループ状搬送部27と入金搬送部28dとの接続部に設けられる第4の分岐手段29d、ループ状搬送部27と第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eとの接続部に設けられる第5の分岐手段29e、ループ状搬送部27と第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fとの接続部に設けられる第6の分岐手段29f、ループ状搬送部27と第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gとの接続部に設けられる第7の分岐手段29g、ループ状搬送部27とリジェクト紙幣収納部用搬送部28hとの接続部に設けられる第8の分岐手段29hを有している。これら分岐手段29a〜29hのうち、第1、第4、第5の分岐手段29a,29d,29eは二方向に紙幣の搬送を切換可能とする二方向切換機構を備え、第2、第3、第6、第7、第8の分岐手段29b,29c,29f,29g,29hは三方向に紙幣の搬送を切換可能とする三方向切換機構を備えている。
次に、図2に顧客用操作口部17を示す。この顧客用操作口部17には、機体11の顧客用操作面12の上部に、紙幣の繰込みと繰出しとが可能な出金口部15とこの出金口部15の下部位置に入金口部16とが配設されている。
出金口部15は、機体11の顧客用操作面12に開口された出金口35、およびこの出金口35の奥側に配設された出金紙幣一時保留部36を有している。
出金口35には、図示しないソレノイドにより垂直姿勢の閉鎖位置(図2の実線位置)と開放位置(図2の鎖線位置)との間で開閉するシャッタ37が設けられている。
出金紙幣一時保留部36は、トレー状のボックス38、このボックス38内に上下動可能に配置された支持板39、この支持板39の上方に配置されたベルト40、このベルト40との間で紙幣を挟み込んで搬送するローラ41を有し、支持板39には複数個の支持ローラ39aの一部が支持板39から上面に突出するように軸着されている。支持板39は出金口部支持板上下モータMF2(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、ベルト40は出金口部繰込繰出モータMF1(図10、図11参照)によって正逆回転駆動される。そして、出金搬送部28bから送り込まれる出金紙幣をボックス38内で下降状態にある支持板39上に受け取って集積し、全ての出金紙幣が送り込まれた後、支持板39を上昇させて出金紙幣をベルト40に押し当て、ベルト40の回動(正転)により出金紙幣を一括搬送して出金口35へその先端一部が手で掴める程度突出させるように繰り出す。これら支持板39、支持ローラ39a、ベルト40およびローラ41などで出金紙幣を一括搬送する紙幣一括搬送機構が構成されており、この紙幣一括搬送機構は顧客が出金口35に送り出された出金紙幣を取り忘れた場合に、ベルト40の逆転により取忘れ紙幣を取忘れ紙幣収納部18へ送り込むために出金搬送部28bに向けて繰り込む役目もする。
出金口部15に接続される出金搬送部28bには、出金口部15に送り込む出金紙幣を搬送するとともに出金口部15から送り出される取忘れ紙幣を取忘れ紙幣収納部18へ向けて搬送する上下対の搬送ローラ42が配置されている。
また、入金口部16は、機体11の顧客用操作面12に開口された入金口43、およびこの入金口43の内側に配設されて入金紙幣を一括して取り込むとともに入金搬送部28dに対して1枚ずつ繰り込む入金紙幣繰込部44を有している。
入金口43は、図示しないソレノイドにより上下動するシャッタ45により開閉される。
入金紙幣繰込部44は、入金口43に一括挿入された入金紙幣を挟み込んで取り込む上下対の取込ローラ46、これら取込ローラ46で取り込んだ入金紙幣の下面を支持する支持板47、この支持板47の上方に対向するベルト48、このベルト48の入金搬送部28d側の端部側に対向しベルト48に対して逆転するゲートローラ49およびベルト48との間に入金紙幣を挟み込んで入金搬送部28dへ向けて搬送する繰込ローラ50がそれぞれ配設されている。支持板47は入金口部支持板上下モータMH2(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、取込ローラ46、ベルト48、ゲートローラ49および繰込ローラ50は入金口部繰込モータMH1(図10、図11参照)によって回転駆動される。そして、入金口43に挿入された入金紙幣を取込ローラ46で下降状態にある支持板47上に取り込んだ後、支持板47を上昇させて入金紙幣をベルト48に押し当て、ベルト48の回転とゲートローラ49の逆転とによって入金紙幣を1枚ずつに分離し、1枚分離した入金紙幣をベルト48と繰込ローラ50との間に挟み込んで入金搬送部28dに繰り込む。
入金口部16に接続される入金搬送部28dには、入金口部16から1枚ずつ繰り込まれる入金紙幣を搬送する上下対の搬送ローラ51が配置されている。
次に、図3に取忘れ紙幣収納部18を示す。この取忘れ紙幣収納部18は、顧客が入金口部16に取り忘れた取忘れ紙幣を回収するとともに、締回収処理時に二千円紙幣を回収する。
取忘れ紙幣収納部18は、紙幣を収納するボックス55、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを通じてこの取忘れ紙幣収納部用搬送部28cの上下対の搬送ローラ56から送り込まれる紙幣を受け取ってボックス55内に繰り込む羽根車57を有している。この羽根車57は、羽根車モータME1(図10、図11参照)によって繰込方向に対応して回転駆動される。
機体11の係員用操作面13に対応した取忘れ紙幣収納部18の後面には、取忘れ紙幣収納部18の後面を開閉する扉体58が上端の軸59を支点として開閉可能に設けられており、この扉体58を開けて紙幣を回収可能としている。
次に、図4に補充回収紙幣収納部19を示す。この補充回収紙幣収納部19は、補充処理時に、出金に利用する第1金種紙幣である千円紙幣と第2金種紙幣である万円紙幣を所定枚数ずつ集積収納して1枚ずつ繰り出し、第1金種紙幣用スタッカ21および第2金種紙幣用スタッカ22へ各紙幣を補充し、また、締回収処理時に、第1金種紙幣である千円紙幣を回収する。
補充回収紙幣収納部19は、紙幣を収納するボックス65、このボックス65を機体11の係員用操作面13から引き出し可能に支持する引出体66、ボックス65が機体11内に装填された状態でボックス65内を上下方向に移動する支持板67、この支持板67の上方に対向するベルト68、このベルト68の補充回収紙幣収納部用搬送部28a側の端部側に対向するゲートローラ69およびベルト68との間に紙幣を挟み込んで搬送するローラ70がそれぞれ配設されている。支持板67は支持板上下モータMD1(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、ベルト68、ゲートローラ69およびローラ70は繰込繰出モータMD3(図10、図11参照)によって回転駆動される。ゲートローラ69は、ワンウェイクラッチを備え、このワンウェイクラッチの働きにより、補充回収紙幣収納部19からの紙幣の繰出時にベルト68に対して逆転して紙幣を1枚分離し、補充回収紙幣収納部19への紙幣の繰込時に回転せずに紙幣の繰込みを可能としている。
そして、補充処理時には、補充紙幣を収納したボックス65を機体11内に装填した後、支持板67を上昇させて補充紙幣をベルト68に押し当て、ベルト68の繰出回転とゲートローラ69の逆転とによって補充紙幣を1枚ずつに分離し、1枚分離した補充紙幣をベルト68とローラ70との間に挟み込んで補充回収紙幣収納部19から繰り出す。締回収処理時には、ベルト68が繰出回転とは反対方向に繰込回転し、補充回収紙幣収納部19へ送り込まれる千円紙幣をローラ70との間に挟み込んでボックス65内に繰り込んで収納する。
補充回収紙幣収納部19に接続される補充回収紙幣収納部用搬送部28aには、補充処理時に補充回収紙幣収納部19から繰り出される補充紙幣を搬送するとともに回収処理時に千円紙幣を補充回収紙幣収納部19に送り込む上下対の搬送ローラ71が配置されている。
次に、図5にリジェクト紙幣収納部20を示す。このリジェクト紙幣収納部20は、補充時のリジェクト紙幣と出金時および回収時のリジェクト紙幣とを区分けして収納する。
リジェクト紙幣収納部20は、リジェクト紙幣を収納するボックス75、このボックス75のリジェクト紙幣収納部用搬送部28hに連通する入口部76、ボックス75内に入口部76と反対側に配置される軸77を支点として上下に揺動する仕切板78を有し、この仕切板78の下側に補充リジェクト紙幣収納部79が形成され、仕切板78の上側に出金回収リジェクト紙幣収納部80が形成されている。仕切板78は、切換板用ソレノイドSD(図10、図11参照)によって上下に切換揺動する。そして、補充処理時には、仕切板78の先端を入口部76より上方に位置させて、仕切板78の下側の補充リジェクト紙幣収納部79に補充リジェクト紙幣を収納し、また、出金処理時および締回収処理時には、仕切板78の先端を入口部76より下方に位置させて、仕切板78の上側の出金回収リジェクト紙幣収納部80に出金リジェクト紙幣および回収リジェクト紙幣を収納する。
機体11の係員用操作面13に対応したリジェクト紙幣収納部20の後面には、リジェクト紙幣収納部20の後面を開閉する扉体81が開閉可能に設けられており、この扉体81を開けてリジェクト紙幣を回収可能としている。
リジェクト紙幣収納部20に接続されるリジェクト紙幣収納部用搬送部28hには、リジェクト紙幣をリジェクト紙幣収納部20に送り込む上下対の搬送ローラ82が配置されている。
次に、図6に第1金種紙幣用スタッカ21および第2金種紙幣用スタッカ22を示す。これら各スタッカ21,22は同一構造に形成されており、第1金種紙幣用スタッカ21は、第1金種紙幣の千円紙幣(図6には紙幣を符号Pで示し、以下省略する)を集積収納するとともに1枚ずつ繰り出し可能としており、かつ、締回収処理時には、第1金種紙幣用スタッカ21に万円金種を回収し、また、第2金種紙幣用スタッカ22は、第2金種紙幣の万円紙幣を集積収納するとともに1枚ずつ繰り出し可能としており、かつ、締回収処理時には、第2金種紙幣用スタッカ22に五千円紙幣を回収する。
各スタッカ21,22は、紙幣を収納するボックス85,85、このボックス85,85内を上下方向に移動する支持板86,86、この支持板86,86の上方に対向するベルト87,87、支持板86,86の上方に対向するとともにベルト87,87とは干渉しない位置で上下方向に移動する一時保留板88,88、ベルト87,87の第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gおよび第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28f側の端部側に対向するゲートローラ89,89およびベルト87,87との間に紙幣を挟み込んで搬送するローラ90,90がそれぞれ配設されている。支持板86,86は支持板上下モータMC1,MB1(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、一時保留板88,88は一時保留板上下モータMC2,MB2(図10参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、ベルト87,87、ゲートローラ89,89およびローラ90,90は繰込繰出モータMC3,MB3(図10、図11参照)によって回転駆動される。ゲートローラ89,89は、ワンウェイクラッチを備え、このワンウェイクラッチの働きにより、各スタッカ21,22からの紙幣の繰出時にベルト87,87に対して逆転して紙幣を1枚分離し、各スタッカ21,22への紙幣の繰込時に回転せずに紙幣の繰込みを可能としている。
そして、紙幣の繰出時には、支持板86,86を上昇させて紙幣をベルト87,87に押し当て、ベルト87,87の繰出回転とゲートローラ89,89の逆転とによって紙幣を1枚ずつに分離し、1枚分離した紙幣をベルト87,87とローラ90,90との間に挟み込んで各搬送部28g,28fに繰り出す。また、紙幣の収納時には、ベルト87,87が繰出回転とは反対方向に繰込回転し、各搬送部28g,28fから送り込まれる紙幣をローラ90,90との間に挟み込んでボックス85,85内の一時保留板88,88上に繰り込んで一時保留収納し、収納する紙幣の一時保留完了後の収納指示時に、一時保留板88,88を上昇させることにより、一時保留紙幣はベルト87,87に当接して上昇が止まるが、ベルト87,87とは干渉しない位置にある一時保留板88,88は上昇を継続して逃げるため、ベルト87,87で上昇が止められていた一時保留紙幣は支持板86,86上の収納済み紙幣に合体して収納される。
機体11の係員用操作面13に対応した各スタッカ21,22の後面には、各スタッカ21,22の後面を開閉する扉体91,91が開閉可能に設けられており、この扉体91,91を開けて紙幣を回収可能としている。
各スタッカ21,22に接続される各搬送部28g,28fには、各スタッカ21,22から繰り出される紙幣を搬送するとともに各搬送部28g,28fから各スタッカ21,22に紙幣を送り込む上下対の搬送ローラ92,93が配置されている。
次に、図7に第3金種紙幣用スタッカ23を示す。この第3金種紙幣用スタッカ23は、第1金種紙幣用スタッカ21および第2金種紙幣用スタッカ22と向きが反対になるとともに扉体91が設けられないだけでその他の基本的な構造は同じに形成されており、第3金種紙幣の五千円紙幣および第4金種紙幣の二千円紙幣を集積収納するとともに1枚ずつ繰り出し可能としている。
すなわち、第3金種紙幣用スタッカ23は、紙幣を収納するボックス85、このボックス85内を上下方向に移動する支持板86、この支持板86の上方に対向するベルト87、支持板86の上方に対向するとともにベルト87とは干渉しない位置で上下方向に移動する一時保留板88、ベルト87の第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28e側の端部側に対向するゲートローラ89およびベルト87との間に紙幣を挟み込んで搬送するローラ90がそれぞれ配設されている。支持板86は支持板上下モータMA1(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、一時保留板88は一時保留板上下モータMA2(図10、図11参照)を用いた図示しない昇降機構により上下移動し、ベルト87、ゲートローラ89およびローラ90は繰込繰出モータMA3(図10、図11参照)によって回転駆動される。ゲートローラ89は、ワンウェイクラッチを備え、このワンウェイクラッチの働きにより、第3金種紙幣用スタッカ23からの紙幣の繰出時にベルト87に対して逆転して紙幣を1枚分離し、第3金種紙幣用スタッカ23への紙幣の繰込時に回転せずに紙幣の繰込みを可能としている。
そして、紙幣の繰出時には、支持板86を上昇させて紙幣をベルト87に押し当て、ベルト87の繰出回転とゲートローラ89の逆転とによって紙幣を1枚ずつに分離し、1枚分離した紙幣をベルト87とローラ90との間に挟み込んで第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに繰り出す。また、紙幣の収納時には、ベルト87が繰出回転とは反対方向に繰込回転し、第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eから送り込まれる紙幣をローラ90との間に挟み込んでボックス85内の一時保留板88上に繰り込んで一時保留収納し、収納する紙幣の一時保留完了後の収納指示時に、一時保留板88を上昇させることにより、一時保留紙幣はベルト87に当接して上昇が止まるが、ベルト87とは干渉しない位置にある一時保留板88は上昇を継続して逃げるため、ベルト87で上昇が止められていた一時保留紙幣を支持板86上の収納済み紙幣に合体して収納される。
第3金種紙幣用スタッカ23に接続される第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eには、第3金種紙幣用スタッカ23から繰り出される紙幣を搬送するとともに第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eから第3金種紙幣用スタッカ23に紙幣を送り込む上下対の搬送ローラ94が配置されている。
次に、図8に紙幣搬送路26を示す。紙幣搬送路26は、紙幣の搬送をガイドするガイド溝111を形成したガイド体112を有し、このガイド体112は、機体11に固定的に設けられる固定ガイド113と紙幣詰まりの解消などのために固定ガイド113に対して開閉可能とする開閉ガイド114,114とで構成されている。
ガイド溝111には、紙幣の一方の面をガイドするガイド面115、紙幣の他方の面をガイドするガイド面116、紙幣の両側縁をガイドするガイド面117,118が形成されている。
一方のガイド面115には、このガイド面115に沿って摺動可能とする無端状の搬送ベルト119が配置されているとともに、ガイド面115に形成された孔部120を通じて搬送ベルト119を張設するローラ121が回転可能に配置されている。他方のガイド面116には、このガイド面116に形成された孔部122からガイド溝111内に突出して搬送ベルト119との間に紙幣を挟み込むピンチローラ123が回転可能に軸支されている。
そして、図11に示すように、紙幣搬送路26は、ループ状搬送部27を正逆回転駆動する搬送用モータM1、ループ状搬送部27と補充回収紙幣収納部19とを接続する補充回収紙幣収納部用搬送部28aを正逆回転駆動する搬送用モータM2、ループ状搬送部27と入金口部16とを接続する入金搬送部28dを正逆回転駆動する搬送用モータM3、ループ状搬送部27と出金口部15とを接続する正逆搬送可能な出金搬送部28bを正逆回転駆動する搬送用モータM4,M5、出金搬送部28bの途中と取忘れ紙幣収納部18とを接続する取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを正逆回転駆動する搬送用モータM6、ループ状搬送部27と第3金種紙幣用スタッカ23とを接続する正逆搬送可能な第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eを正逆回転駆動する搬送用モータM7、ループ状搬送部27と第2金種紙幣用スタッカ22とを接続する正逆搬送可能な第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fを正逆回転駆動する搬送用モータM8、ループ状搬送部27と第1金種紙幣用スタッカ21とを接続する正逆搬送可能な第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gを正逆回転駆動する搬送用モータM9、ループ状搬送部27とリジェクト紙幣収納部20とを接続する正逆搬送可能なリジェクト紙幣収納部用搬送部28hを正逆回転駆動する搬送用モータM10を有している。
さらに、ループ状搬送部27と補充回収紙幣収納部用搬送部28aとの接続部に設けられる第1の分岐手段29aを切換駆動する分岐用モータMG1、ループ状搬送部27と出金搬送部28bとの接続部に設けられる第2の分岐手段29bを切換駆動する分岐用モータMG2、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cと出金搬送部28bの途中位置との接続部に設けられる第3の分岐手段29cを切換駆動する分岐用モータMG3、ループ状搬送部27と入金搬送部28dとの接続部に設けられる第4の分岐手段29dを切換駆動する分岐用モータMG4、ループ状搬送部27と第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eとの接続部に設けられる第5の分岐手段29eを切換駆動する分岐用モータMG5、ループ状搬送部27と第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fとの接続部に設けられる第6の分岐手段29fを切換駆動する分岐用モータMG6、ループ状搬送部27と第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gとの接続部に設けられる第7の分岐手段29gを切換駆動する分岐用モータMG7、ループ状搬送部27とリジェクト紙幣収納部用搬送部28hとの接続部に設けられる第8の分岐手段29hを切換駆動する分岐用モータMG8を有している。
これら分岐手段29a〜29hのうち、第1、第4、第5の分岐手段29a,29d,29eは2方向に紙幣の搬送を切換可能とする二方向切換機構を備え、第2、第3、第6、第7、第8の分岐手段29b,29c,29f,29g,29hは三方向に紙幣の搬送を切換可能とする三方向切換機構を備えている。
次に、図9に三方向切換機構を備えた分岐手段29を示す。この切換手段29の三方向切換機構131は、紙幣を直進搬送する直進搬送通路域132とこの直進搬送通路域132に交差する交差搬送通路域133との間に設けられている。例えば、ループ状搬送部27と第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gとの接続部に設けられる第7の分岐手段29gの場合、ループ状搬送部27が直進搬送通路域132に相当し、第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gが交差搬送通路域133に相当する。
直進搬送通路域132の交差搬送通路域133側である一面側に回転軸134が設けられ、この回転軸134によってガイド部材135が回転可能に配置されている。ガイド部材135の一面には直線状に形成された直進搬送ガイド面136が形成され、他面には凹曲面状に形成された曲折方向ガイド面137が形成されている。
回転軸134はパルスモータを用いる分岐用モータMG2,MG3,MG6,MG7,MG8によって回転駆動し、ガイド部材135を第1位置、第2位置、第3位置に切換回動させる。図9(a)に示す第1位置では、ガイド部材135の直進搬送ガイド面136が直進搬送通路域132に離間対向し、直進搬送通路域132に沿って紙幣を搬送する分岐状態とする。図9(b)に示す第2位置では、ガイド部材135の曲折方向ガイド面137が直進搬送通路域132の一方および交差搬送通路域133へ向けて対向し、直進搬送通路域132の一方と交差搬送通路域133とにわたって紙幣を搬送する分岐状態とする。図9(c)に示す第3位置では、ガイド部材135の曲折方向ガイド面137が直進搬送通路域132の他方および交差搬送通路域133へ向けて対向し、直進搬送通路域132の他方と交差搬送通路域133とにわたって紙幣を搬送する分岐状態とする。
なお、各分岐手段29の三方向切換機構131および二方向切換機構とも分岐用モータMG1〜MG8にはパルスモータが用いている。
なお、分岐手段29域は搬送ベルト119とピンチローラ123が設けられているが、搬送ベルト119に代え、ローラ121のみの構成でもよく、ピンチローラ123も駆動ローラであってもよい。また、分岐手段29域以外の紙幣搬送路26についてもローラ対ローラ、ベルト対ベルト、あるいはその組み合わせであってもよい。
次に、図10には、循環式紙幣入出金機による紙幣の補充処理、入金処理、出金処理、締回収処理を制御する制御部201を示す。この制御部201には、機体11の顧客用操作面12に設けられ、入金、出金の各処理モードや出金額などを入力する顧客操作入力部202と、機体11の係員用操作面13に設けられ、補充処理や締回収処理などを入力指令する係員操作入力部203と、機体11の係員用操作面13に設けられ、各扉体58,81,91の開放可能表示や補充回収紙幣収納部19のボックス65の引出可能表示などを表示する係員表示部204と、出金口部15、入金口部16、各収納部18,19,20、各スタッカ21,22,23で紙幣を検知する収納部用センサ群205と、紙幣搬送路26のループ状搬送部27や各外方通路部28で紙幣を検知する紙幣搬送路用センサ群206と、紙幣搬送路26のループ状搬送部26や各外方通路部28の搬送用モータM1〜M10と、各分岐手段29の分岐用モータMG1〜MG8と、リジェクト紙幣収納部20の仕切板78を切換駆動する切換板用ソレノイドSDと、各スタッカ23,22,21および補充回収紙幣収納部19の支持板上下モータMA1,MB1,MC1,MD1と、各スタッカ23,22,21の一時保留板上下モータMA2,MB2,MC2と、各スタッカ23,22,21および補充回収紙幣収納部19の繰込繰出モータMA3,MB3,MC3,MD3と、取忘れ紙幣収納部18の羽根車57を回転駆動する羽根車モータME1、出金口部繰込繰出モータMF1と、出金口部支持板上下モータMF2と、入金口部繰込モータMH1と、入金口部支持板上下モータMH2とが接続され、さらに、上位機207と通信可能に接続されている。
そして、制御部201は、出金処理時、補充処理時、締回収処理時において、各処理に応じて、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22、第3金種紙幣用スタッカ23、補充回収紙幣収納部19から紙幣を繰り出し紙幣搬送路26へ送って紙幣識別手段25で識別し、正規の金種紙幣は、各処理に対応する顧客用操作口部17、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22、補充回収紙幣収納部19へ送るとともに、リジェクト紙幣は、各処理に対応して紙幣搬送路26により正規紙幣とは重複搬送することなく搬送して送り込み可能な補充回収紙幣収納部19、第3金種紙幣用スタッカ23、顧客用操作口部17のいずれかへ送り込み、各処理完了後および各処理における各金種毎の処理完了後のいずれかで、リジェクト紙幣を補充回収紙幣収納部19、第3金種紙幣用スタッカ23、顧客用操作口部17のいずれかから繰り出し紙幣搬送路26へ送って紙幣識別手段25で再識別し、正規の金種紙幣は各処理に対応する補充回収紙幣収納部19、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22へ送るとともに、再度リジェクト紙幣と識別された紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収させる機能を有している。
そして、制御部201は、締回収処理時において、次の制御ステップ1〜4の機能を有している。
締回収処理の第1制御ステップでは、第1金種紙幣用スタッカ21から千円紙幣を繰り出して紙幣搬送路26で識別し、正規の千円紙幣は空状態にある補充回収紙幣収納部19へ回収するとともに、リジェクト紙幣はリジェクト紙幣一時保留部として機能させる顧客用操作口部17の出金口部15へ一時保留し、繰出中の第1金種紙幣用スタッカ21を空にする。
締回収処理の第2制御ステップでは、第2金種紙幣用スタッカ22から万円紙幣を繰り出して紙幣搬送路26で識別し、正規の万円紙幣は前回空になった第1金種紙幣用スタッカ21へ回収するとともに、リジェクト紙幣はリジェクト紙幣一時保留部として機能させる顧客用操作口部17の出金口部15へ一時保留し、繰出中の第2金種紙幣用スタッカ22を空にする。
締回収処理の第3制御ステップでは、第3金種紙幣用スタッカ23の二千円紙幣、五千円紙幣を繰り出して紙幣搬送路26で識別し、正規の五千円紙幣は前回空になった第2金種紙幣用スタッカ22へ回収し、二千円紙幣は空状態の取忘れ紙幣収納部18(取忘れ紙幣は回収した状態で行う)へ回収し、リジェクト紙幣はリジェクト紙幣一時保留部として機能させる顧客用操作口部17の出金口部15へ一時保留し、繰出中の第3金種紙幣用スタッカ23を空にする。
締回収処理の第4制御ステップでは、全金種の締回収処理完了後に、リジェクト紙幣を顧客用操作口部17の出金口部15から1枚ずつ繰り出して紙幣搬送路26を経由して第3金種紙幣用スタッカ23へ移しかえ、この第3金種紙幣用スタッカ23からリジェクト紙幣を1枚ずつ繰り出して紙幣搬送路26で再識別し、正規の金種紙幣は対応する金種紙幣を回収した補充回収紙幣収納部19、第1および第2金種紙幣用スタッカ21,22、取忘れ紙幣収納部18へ回収し、再度リジェクト紙幣と識別されたリジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20の出金回収リジェクト紙幣収納部80へ回収する。
このように、締回収処理の第1、第2、第3、第4の各制御ステップを通じて、千円紙幣、万円紙幣、五千円紙幣、二千円紙幣は識別計数後に金種別に補充回収紙幣収納部19、第1および第2金種紙幣用スタッカ21,22、取忘れ紙幣収納部18へ回収し、リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収させる。
次に、本実施の形態の循環式紙幣入出金機の作用を説明する。
まず、機体11内に紙幣が収納されていない初期の補充処理について説明する。
補充回収紙幣収納部19のボックス65を引き出し、このボックス65内に出金に利用する千円紙幣および万円紙幣を所定枚数ずつ収納し、ボックス65を機体11に装填する。
係員操作入力部203で補充処理を指令することにより、補充処理の第1制御ステップおよび第2制御ステップを順に行う。
補充処理の第1制御ステップでは、補充回収紙幣収納部19から補充紙幣を紙幣搬送路26の補充回収紙幣収納部用搬送部28aに1枚ずつ繰り出し、この補充紙幣を、補充回収紙幣収納部用搬送部28aおよび第1の分岐手段29aを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1反時計回方向である順搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を順搬送方向に搬送する補充紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の万円紙幣は第6の分岐手段29fで第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して第2金種紙幣用スタッカ22に収納し、正規の千円紙幣は第7の分岐手段29gで第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐して第1金種紙幣用スタッカ21に収納し、また、識別不能な補充リジェクト紙幣は第5の分岐手段29eで第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに分岐して第3金種紙幣用スタッカ23に収納する。
また、補充処理の第2制御ステップは、補充リジェクト紙幣が第3金種紙幣用スタッカ23に収納した場合にのみ行う。すなわち、この補充処理の第2制御ステップでは、補充回収紙幣収納部19に収納されていた全ての紙幣を繰り出し識別して対応する収納場所へ収納完了した後、第3金種紙幣用スタッカ23に収納された補充リジェクト紙幣を第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに1枚ずつ繰り出し、この補充リジェクト紙幣を、第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eおよび第5の分岐手段29eを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する補充リジェクト紙幣を紙幣識別手段25で識別し、再識別の結果、正規であると識別された千円紙幣は第7の分岐手段29gで第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐して第1金種紙幣用スタッカ21に収納し、正規であると識別された万円紙幣は第6の分岐手段29fで第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して第2金種紙幣用スタッカ22に収納し、再識別しても識別不能な補充リジェクト紙幣は第8の分岐手段29hでリジェクト紙幣収納部用搬送部28hに分岐してリジェクト紙幣収納部20に収納する。このとき、リジェクト紙幣収納部20では、仕切板78の先端を上方へ揺動させ、補充リジェクト紙幣を仕切板78の下側の補充リジェクト紙幣収納部79に収納する。
このように、補充処理時において、補充リジェクト紙幣は、紙幣搬送路26により正規紙幣とは重複搬送することなく搬送して送り込み可能な第3金種紙幣用スタッカ23へ送り込み、補充処理完了後に、補充リジェクト紙幣を第3金種紙幣用スタッカ23から繰り出し紙幣搬送路26へ送って紙幣識別手段25で再識別し、正規の金種紙幣は収納金種に対応する第1金種紙幣用スタッカ21および第2金種紙幣用スタッカ22へ送るとともに、再度リジェクト紙幣と識別された補充リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収させることにより、補充処理時の補充リジェクト紙幣のリジェクト率を低減し、正規紙幣として有効使用でき、さらに、紙幣搬送路26で補充リジェクト紙幣を正規紙幣と重複搬送することなく、紙幣の搬送をスムーズにできるとともに、専用のリジェクト紙幣一時保留部を設けることなく、第3金種紙幣用スタッカ23を利用して補充リジェクト紙幣を一時保留でき、小形に構成できる。
次に、入金処理について説明する。
顧客が顧客操作入力部202で入金処理モードを指定することにより、入金口43のシャッタ45を開く。顧客が入金紙幣を入金口部16に挿入し、それを検知することにより、入金紙幣を入金口部16内に取り込み、シャッタ45を閉じる。
入金口部16に取り込んだ入金紙幣を入金搬送部28dに1枚ずつ繰り出し、この入金紙幣を、入金搬送部28d、第4の分岐手段29dを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1反時計回方向である順搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を順搬送方向に搬送する入金紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の二千円紙幣および五千円紙幣は第5の分岐手段29eで第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに分岐して第3金種紙幣用スタッカ23に収納し、正規の万円紙幣は第6の分岐手段29fで第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して第2金種紙幣用スタッカ22に収納し、正規の千円紙幣は第7の分岐手段29gで第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐して第1金種紙幣用スタッカ21に収納する。このとき、各スタッカ21,22,23内には支持板86,86,86上に集積されている収納済み紙幣上に一時保留板88,88,88が位置しており、各スタッカ21,22,23に送り込まれた入金紙幣は一時保留板88,88,88上に集積して一時保留する。
識別の結果、識別不能な入金リジェクト紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
入金口部16から全ての入金紙幣が繰り出し識別して対応する収納場所へ収納した後、顧客用操作面12に設置されている表示部で識別結果を表示し、顧客に入金承認か入金キャンセルかを確認する。
そして、顧客操作入力部202で入金承認を指令した場合、入金収納処理を開始する。この入金収納処理では、各スタッカ21,22,23において、一時保留板88,88,88を上昇させることにより、一時保留紙幣は上方のベルト87,87,87に当接して上昇が止まるが、ベルト87,87,87とは干渉しない位置にある一時保留板88,88,88は上昇を継続して逃げるため、ベルト87,87,87で上昇が止められていた一時保留紙幣を支持板86,86,86上の収納済み紙幣に合体させて収納する。
入金リジェクト紙幣が識別されていなかった場合にはこれで入金処理を終了し、一方、入金リジェクト紙幣が識別されて出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納されている場合には、出金口35のシャッタ37を開き、出金紙幣一時保留部36から入金リジェクト紙幣を出金口35に繰り出して顧客により取出可能とする。顧客が入金リジェクト紙幣を取り出したことを検知すれば、シャッタ37を閉じ、入金処理を終了する。
また、顧客が入金リジェクト紙幣を所定時間以内に取り出さないときは取忘れ紙幣として出金搬送部28b、第3の分岐手段29c、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを経て、取忘れ紙幣収納部18へ回収し、入金処理を終了する。
また、顧客が顧客操作入力部202で入金キャンセルを指令した場合、入金返却処理を開始する。この入金返却処理では、正規と識別されて各スタッカ21,22,23に収納した合計金額分を千円紙幣と万円紙幣との組合せで返却するもので、仮に二千円紙幣および五千円紙幣が入金されていてもこれらは返却せず千円紙幣と万円紙幣との組合せで返却する。
各スタッカ21,22,23では、一時保留板88,88,88を上昇させることにより、一時保留紙幣は上方のベルト87,87,87に当接して上昇が止まるが、ベルト87,87,87とは干渉しない位置にある一時保留板88,88,88は上昇を継続して逃げるため、ベルト87,87,87で上昇が止められていた一時保留紙幣は支持板86,86,86上の収納済み紙幣に合体する。
その後、まず、例えば、第2金種紙幣用スタッカ22から入金返却に必要な枚数分の入金返却万円紙幣を第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに1枚ずつ繰り出し、この入金返却万円紙幣を、第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fおよび第6の分岐手段29fを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する入金返却万円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の入金返却万円紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
この第2金種紙幣用スタッカ22からの入金返却万円紙幣の繰り出し完了後、第1金種紙幣用スタッカ21から入金返却に必要な枚数分の入金返却千円紙幣を第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに1枚ずつ繰り出し、この入金返却千円紙幣を、第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gおよび第7の分岐手段29gを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する入金返却千円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の入金返却千円紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
入金返却に必要な入金返却紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納したら、出金口35のシャッタ37を開き、出金紙幣一時保留部36から入金返却紙幣を出金口35に繰り出して顧客により取出可能とする。顧客が入金返却紙幣を取り出したことを検知すれば、シャッタ37を閉じ、入金返却処理を終了する。
また、出金口35に入金リジェクト紙幣または入金返却紙幣を繰り出した際には、それら紙幣が顧客により取り出されたか否かを監視し、所定時間経過してもそれら紙幣が取り出されない場合には取忘れ紙幣として取忘れ紙幣回収処理をする。この取忘れ紙幣回収処理では、出金口35の取忘れ紙幣を出金口部15内に取り込み、シャッタ37を閉じる。出金口部15に取り込んだ取忘れ紙幣を出金搬送部28bに1枚ずつ繰り出し、この取忘れ紙幣を、出金搬送部28b、第3の分岐手段29c、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを経て取忘れ紙幣収納部18に回収する。
次に、出金処理について説明する。
顧客が顧客操作入力部202で出金処理モードを指定し、出金金額を入力することにより、出金処理の第1制御ステップ、第2制御ステップおよび第3制御ステップを順に行う。
出金は、千円紙幣と万円紙幣との組合せで出金するもので、出金金額分に必要な千円紙幣および万円紙幣毎の枚数を求める。
まず、出金処理の第1制御ステップでは、例えば、第2金種紙幣用スタッカ22から出金に必要な枚数分の出金万円紙幣を第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに1枚ずつ繰り出し、この出金万円紙幣を、第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fおよび第6の分岐手段29fを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する出金万円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の出金万円紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。また、識別の結果、識別不能な出金リジェクト紙幣は、第1の分岐手段29aでループ状搬送部27から補充回収紙幣収納部用搬送部28aに分岐し、この補充回収紙幣収納部用搬送部28aを経て補充処理で空状態にある補充回収紙幣収納部19に収納する。1枚の出金リジェクト紙幣が識別される毎に、その分の出金万円紙幣を第2金種紙幣用スタッカ22から追加して繰り出し、出金に必要な枚数分の出金万円紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
この第2金種紙幣用スタッカ22からの出金万円紙幣の繰り出し完了後、第1金種紙幣用スタッカ21から出金に必要な枚数分の出金千円紙幣を第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに1枚ずつ繰り出し、この出金千円紙幣を、第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gおよび第7の分岐手段29gを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する出金千円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の出金千円紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。また、識別の結果、識別不能な出金リジェクト紙幣は、第1の分岐手段29aでループ状搬送部27から補充回収紙幣収納部用搬送部28aに分岐し、この補充回収紙幣収納部用搬送部28aを経て補充処理で空状態にある補充回収紙幣収納部19に収納する。1枚の出金リジェクト紙幣が識別される毎に、その分の出金千円紙幣を第1金種紙幣用スタッカ21から追加して繰り出し、出金に必要な枚数分の出金千円紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
そして、出金に必要な出金紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納したら、出金口35のシャッタ37を開き、出金紙幣一時保留部36から出金紙幣を出金口35に繰り出して顧客により取出可能とする。顧客が出金紙幣を取り出したことを検知すれば、シャッタ37を閉じ、出金処理を終了する。
また、出金処理の第2制御ステップは、出金紙幣の取り忘れが発生した場合にのみ行う。すなわち、この出金処理の第2制御ステップでは、出金口35に繰り出された出金紙幣が顧客により取り出されたか否かを監視し、所定時間経過しても出金紙幣が取り出されない場合には取忘れ紙幣として取忘れ紙幣回収処理をする。この取忘れ紙幣回収処理では、出金口35の取忘れ紙幣を出金口部15内に取り込み、シャッタ37を閉じる。出金口部15に取り込んだ取忘れ紙幣を出金搬送部28bに1枚ずつ繰り出し、この取忘れ紙幣を、出金搬送部28b、第3の分岐手段29c、取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを経て取忘れ紙幣収納部18に回収する。
出金処理の第3制御ステップは、出金リジェクト紙幣を補充回収紙幣収納部19に収納した場合にのみ行う。すなわち、補充回収紙幣収納部19から出金リジェクト紙幣を紙幣搬送路26の補充回収紙幣収納部用搬送部28aに1枚ずつ繰り出し、この出金リジェクト紙幣を、補充回収紙幣収納部用搬送部28aおよび第1の分岐手段29aを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1反時計回方向である順搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を順搬送方向に搬送する出金リジェクト紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の万円紙幣は第6の分岐手段29fで第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して第2金種紙幣用スタッカ22に収納し、正規の千円紙幣は第7の分岐手段29gで第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐して第1金種紙幣用スタッカ21に収納し、また、識別不能な出金リジェクト紙幣は第8の分岐手段29hでリジェクト紙幣収納部用搬送部28hに分岐してリジェクト紙幣収納部20に収納する。このとき、リジェクト紙幣収納部20では、仕切板78の先端を下方へ揺動させ、出金リジェクト紙幣を仕切板78の上側の出金回収リジェクト紙幣収納部80に収納する。
このように、出金処理時において、出金リジェクト紙幣は、紙幣搬送路26により正規紙幣とは重複搬送することなく搬送して送り込み可能な補充回収紙幣収納部19へ送り込み、出金処理完了後に、リジェクト紙幣を補充回収紙幣収納部19から補充回収紙幣収納部用搬送部28aへ繰り出し紙幣搬送路26へ送って紙幣識別手段25で再識別し、正規の金種紙幣は収納金種に対応する第1金種紙幣用スタッカ21および第2金種紙幣用スタッカ22へ送るとともに、再度リジェクト紙幣と識別された出金リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収させることにより、出金処理時の出金リジェクト紙幣のリジェクト率を低減し、正規紙幣として有効使用でき、さらに、紙幣搬送路26で出金リジェクト紙幣を正規紙幣と重複搬送することなく、紙幣の搬送をスムーズにできるとともに、専用の出金リジェクト紙幣一時保留部を設けることなく、補充回収紙幣収納部19を利用して出金リジェクト紙幣を一時保留でき、小形に構成できる。
次に、締回収処理について説明する。
係員が係員操作入力部203で締回収処理を指令することにより、締回収処理の第1制御ステップ、第2制御ステップ、第3制御ステップおよび第4制御ステップを順に行う。
まず、締回収処理の第1制御ステップでは、第1金種紙幣用スタッカ21から全ての回収千円紙幣を第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに1枚ずつ繰り出し、この回収千円紙幣を、第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gおよび第7の分岐手段29gを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を順搬送方向に搬送する回収千円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の回収千円紙幣は、第1の分岐手段29aでループ状搬送部27から補充回収紙幣収納部用搬送部28aに分岐し、この補充回収紙幣収納部用搬送部28aを経て補充処理で空状態にある補充回収紙幣収納部19に回収する。また、識別の結果、識別不能な回収リジェクト紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
このように、第1金種紙幣用スタッカ21から全ての回収千円紙幣を繰り出し、正規の回収千円紙幣を補充回収紙幣収納部19に収納し、回収リジェクト紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納し、千円紙幣回収用の第1金種紙幣用スタッカ21を空にする。
続いて、締回収処理の第2制御ステップでは、第2金種紙幣用スタッカ22から全ての回収万円紙幣を第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに1枚ずつ繰り出し、この回収万円紙幣を、第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fおよび第6の分岐手段29fを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する回収万円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の回収万円紙幣は、第7の分岐手段29gでループ状搬送部27から第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐し、この第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gを経て前回空になった第1金種紙幣用スタッカ21に回収する。また、識別の結果、識別不能な回収リジェクト紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
このように、第2金種紙幣用スタッカ22から全ての回収万円紙幣を繰り出し、正規の回収万円紙幣を第1金種紙幣用スタッカ21に収納し、回収リジェクト紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納し、五千円紙幣回収用の第2金種紙幣用スタッカ22を空にする。
続いて、締回収処理の第3制御ステップでは、第3金種紙幣用スタッカ23から全ての回収二千円紙幣および回収五千円紙幣を第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに1枚ずつ繰り出し、これら回収二千円紙幣および回収五千円紙幣を、第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eおよび第5の分岐手段29eを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する回収二千円紙幣および回収五千円紙幣を紙幣識別手段25で識別し、識別の結果、正規の回収二千円紙幣は第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28b、第3の分岐手段29cおよび取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを経て取忘れ紙幣収納部18に回収し、正規の回収五千円紙幣は第6の分岐手段29fで第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して前回空になった第2金種紙幣用スタッカ22に回収する。また、識別の結果、識別不能な回収リジェクト紙幣は、第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐し、出金搬送部28bおよび第3の分岐手段29cを経て出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納する。
このように、第3金種紙幣用スタッカ23から全ての回収二千円紙幣および回収五千円紙幣を繰り出し、正規の回収二千円紙幣を取忘れ紙幣収納部18に回収し、正規の回収五千円紙幣を空状態にある第2金種紙幣用スタッカ22に収納し、回収リジェクト紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納し、第3金種紙幣用スタッカ23を空にする。
また、締回収処理の第4制御ステップは、回収リジェクト紙幣を出金口部15の出金紙幣一時保留部36に収納した場合にのみ行う。すなわち、この出金処理の第4制御ステップでは、出金口部15の出金紙幣一時保留部36から全ての回収リジェクト紙幣を出金搬送部28bに1枚ずつ繰り出し、この回収リジェクト紙幣を、出金搬送部28b、第3の分岐手段29cおよび第2の分岐手段29bを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1反時計回方向である順搬送方向に搬送し、第5の分岐手段29eで第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに分岐して第3金種紙幣用スタッカ23に収納する。
第3金種紙幣用スタッカ23に収納された全ての回収リジェクト紙幣を第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eに1枚ずつ繰り出し、この回収リジェクト紙幣を、第3金種紙幣用スタッカ用搬送部28eおよび第5の分岐手段29eを経てループ状搬送部27に合流させ、ループ状搬送部27で図1時計回方向である逆搬送方向に搬送する。
ループ状搬送部27を逆搬送方向に搬送する回収リジェクト紙幣を紙幣識別手段25で識別し、再識別の結果、正規の回収二千円紙幣は第2の分岐手段29bでループ状搬送部27から出金搬送部28bに分岐してこの出金搬送部28b、第3の分岐手段29cおよび取忘れ紙幣収納部用搬送部28cを経て取忘れ紙幣収納部18に回収し、正規の回収千円紙幣は第1の分岐手段29aでループ状搬送部27から補充回収紙幣収納部用搬送部28aに分岐して補充回収紙幣収納部19に回収し、正規の回収万円紙幣は第7の分岐手段29gでループ状搬送部27から第1金種紙幣用スタッカ用搬送部28gに分岐して第1金種紙幣用スタッカ21に回収し、正規の回収五千円紙幣は第6の分岐手段29fでループ状搬送部27から第2金種紙幣用スタッカ用搬送部28fに分岐して第2金種紙幣用スタッカ22に回収する。
再識別しても識別不能な回収リジェクト紙幣は第8の分岐手段29hでリジェクト紙幣収納部用搬送部28hに分岐してリジェクト紙幣収納部20に収納する。このとき、リジェクト紙幣収納部20では、仕切板78の先端を下方へ揺動させ、回収リジェクト紙幣を仕切板78の上側の出金回収リジェクト紙幣収納部80に収納する。
このように、締回収処理時において、回収リジェクト紙幣は、顧客用操作口部17の出金口部15へ一時保留し、全金種の締回収処理完了後、回収リジェクト紙幣を顧客用操作口部17の出金口部15から繰り出し紙幣搬送路26へ送って空の第3紙幣用スタッカ23へ移しかえ、第3金種紙幣用スタッカ23から回収リジェクト紙幣を1枚ずつ繰り出して紙幣搬送路26へ送って紙幣識別手段25で再識別し、正規の金種紙幣は対応する金種紙幣を回収した補充回収紙幣収納部19、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22、取忘れ紙幣収納部18へ回収し、再度リジェクト紙幣と識別された回収リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収させることにより、締回収処理時の回収リジェクト紙幣のリジェクト率を低減し、正規紙幣として有効使用でき、さらに、紙幣搬送路26で回収リジェクト紙幣を正規紙幣と重複搬送することなく、紙幣の搬送をスムーズにできるとともに、専用のリジェクト紙幣一時保留部を設けることなく、顧客用操作口部17の出金口部15を利用して回収リジェクト紙幣を一時保留でき、小形に構成できる。
しかも、締回収処理時において、制御部201による第1、第2、第3、第4の各制御ステップを通じて、第1金種紙幣、第2金種紙幣、第3金種紙幣、第4金種紙幣を識別計数後に金種別に機体11の後面側から各紙幣を取り出せる補充回収紙幣収納部19、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22、取忘れ紙幣収納部18へ回収し、回収リジェクト紙幣を機体11の後面側から紙幣が取り出せるリジェクト紙幣収納部20へ回収することにより、回収専用の回収部を機体11の後面側に設ける必要がなく機体11の高さを低くでき、さらに、回収する第1ないし第4金種紙幣について識別計数した後に回収できて回収後の識別計数作業の手間や時間を省くことができ、また、紙幣搬送路26を正逆搬送可能に構成することにより、紙幣の搬送方向を自由に選択できて好適な搬送形態を採ることができ、回収専用の回収部を設ける必要がないことも相まって紙幣搬送路26をコンパクトにできる。
また、締回収処理時の第1制御ステップで第1金種紙幣用スタッカ21の回収千円紙幣を繰り出して正規の金種紙幣を補充回収紙幣収納部19へ回収させた後、第2制御ステップで第2金種紙幣用スタッカ22の回収万円紙幣を繰り出して正規の金種紙幣を空になった第1金種紙幣用スタッカ21へ回収させることにより、例えば、第2金種紙幣用スタッカ22の回収万円紙幣を繰り出した後に第1金種紙幣用スタッカ21の回収千円紙幣を繰り出したときのように、第1金種紙幣用スタッカ21から繰り出した未識別紙幣と識別後で第1金種紙幣用スタッカ21を通過して第2金種紙幣用スタッカ22に回収する紙幣とを重複搬送する領域が生じることがなく、紙幣の搬送をスムーズにできる。
また、2金種混在収納用スタッカである第3金種紙幣用スタッカ23に第3金種紙幣である五千円紙幣と第4金種紙幣である二千円紙幣とを2金種混在収納することにより、4金種の紙幣を処理でき、顧客の利便性を向上でき、しかも、締回収処理時の紙幣繰出順序を、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22、第3金種紙幣用スタッカ23の順にしたことにより、紙幣搬送路26で重複搬送域が生じることがなく、紙幣の搬送をスムーズにできる。
また、正逆搬送可能な紙幣搬送路26に、紙幣識別手段25を設けたループ状搬送部27、ループ状搬送部27からループ外に延びる複数の外方通路部28、ループ状搬送部27と各外方通路部28との接続部に三方向切換機構131を備えた各分岐手段29b,29f,29g,29hを含む分岐手段29を設け、また、外方通路部28の出金搬送路28b中にも三方向切換機構131を備えた第3の分岐手段29cを含む分岐手段29を設け、紙幣識別手段25をループ状搬送部27において顧客用操作口部17の下方で第3金種紙幣用スタッカ23の上方の上下空間域に配置した構成とすることにより、紙幣の搬送方向を自由に選択できて好適な搬送形態を採ることができ、紙幣搬送路26をコンパクトにできる。
また、三方向切換機構131は、直進搬送ガイド面136および曲折方向ガイド面137を有するガイド部材135を用いることにより、三方向切換機構131による紙幣の三方向への切り換えが簡単な構造にでき、それによって紙幣搬送路26の構造も簡略化できる。
また、機体11の前面側を顧客が操作できる顧客用操作面12として構成でき、機体11の後面側を係員が取忘れ紙幣収納部18、補充回収紙幣収納部19、リジェクト紙幣収納部20、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22などを操作できる係員用操作面13として構成でき、顧客用操作面12と係員用操作面13とが機体11の前面側と後面側とに区分され、紙幣の補充処理、入金処理、出金処理、締回収処理の操作性を向上できる。
なお、前記実施の形態のように千円紙幣、二千円紙幣、五千円紙幣、万円紙幣の4金種を取り扱えるようにすれば顧客の利便性が向上するが、二千円紙幣を除いた千円紙幣、五千円紙幣、万円紙幣の3金種のみを取り扱うようにしてもよく、この場合、第3金種紙幣用スタッカ23には五千円紙幣のみを収納し、締回収処理時には取忘れ紙幣収納部18には紙幣を回収しない。
この3金種を取り扱う場合も、回収リジェクト紙幣の再識別については、4金種の場合と同様である。すなわち、顧客用操作口部17の出金口部15へ一時保留した回収リジェクト紙幣は、全3金種の締回収処理完了後、出金口部15から回収リジェクト紙幣を1枚ずつ繰り出して紙幣搬送路26を通じて空の第3金種紙幣用スタッカ23へ移し、全ての回収リジェクト紙幣を第3金種紙幣用スタッカ23へ移し終ったあと、この第3金種紙幣用スタッカ23から回収リジェクト紙幣を1枚ずつ繰り出して紙幣搬送路26へ送り、紙幣識別手段25で再識別し、正規の金種紙幣は対応する金種紙幣を回収した補充回収紙幣収納部19、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22へ回収し、再度リジェクト紙幣と識別された回収リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収する。
ところが、3金種を取り扱う場合であっても、第1の分岐手段29aとして三方向切換機構131を用いる場合は、回収リジェクト紙幣の再識別ルートは違ってくる。つまり、回収リジェクト紙幣を顧客用操作口部17の出金口部15から空の第3金種紙幣用スタッカ23へ移しかえる必要はなく、顧客用操作口部17の出金口部15から1枚ずつ繰り出される回収リジェクト紙幣はそのまま識別されるのである。すなわち、顧客用換作口部17の出金口部15から1枚ずつ繰り出される回収リジェクト紙幣は、出金搬送部28bを通じて図1反時計方向の順方向搬送をするループ状搬送部27へ送られ、紙幣識別手段25で再識別され、正規の金種紙幣は対応する金種紙幣を回収した補充回収紙幣収納部19、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22へ回収され、再度リジェクト紙幣と識別された回収リジェクト紙幣はリジェクト紙幣収納部20へ回収されるのである。
そして、三方向切換機構131を用いる第1の分岐手段29aで切り換えられる三方向とは、補充時に補充回収紙幣収納部19から繰り出される補充紙幣が補充回収紙幣収納部用搬送部28aを経由して図1反時計方向(順方向)搬送をするループ状搬送部27へ送り込まれる第1の方向と、回収時に図1時計方向(逆方向)搬送をするループ状搬送部27内を搬送される千円紙幣が補充回収紙幣収納部用搬送部28aへ送られる第2の方向と、回収リジェクト紙幣のうち再識別により正規紙幣と識別された千円紙幣が、図1反時計方向(順方向)搬送をするループ状搬送部27から補充回収紙幣収納部用搬送部28aへ送られる第3の方向である。
また、3金種を取り扱う場合で、第1の分岐手段29aとして三方向切換機構131を用いる場合は、回収リジェクト紙幣の再識別は、全金種の締回収処理完了後に限定されるものではなく、各金種毎の締回収処理完了後、あるいはまた顧客用操作口部17の出金口部15へ収納される回収リジェクト紙幣の量が所定量になったときであってもよい。
また、第1金種紙幣用スタッカ21は千円収納および万円回収とし、第2金種紙幣用スタッカ22は万円収納および五千円回収とし、第3金種紙幣用スタッカ23は二千円収納および五千円収納としたが、これらに限られるものではなく、任意に設定することができ、紙幣搬送路26で重複搬送域が生じなければより都合がよい。
また、取忘れ紙幣収納部18、補充回収紙幣収納部19、リジェクト紙幣収納部20、第1金種紙幣用スタッカ21、第2金種紙幣用スタッカ22の形態については、機体11の後面側から紙幣を取り出せればよく、機体11から後方へ引き出せないが機体11の後面側に設けられる扉の開放によって紙幣を取り出せる形態、機体11から後方に所定量引き出せる形態、機体11から後方に引き出して取り出せる形態のいずれでもよく、それらの形態を組み合わせてもよい。
また、補充処理時、出金処理時、締回収処理時において、紙幣の1回目の識別で識別不能と識別されたリジェクト紙幣を再識別することによってリジェクト率を低減できるが、紙幣の1回目の識別で識別不能と識別されたリジェクト紙幣収納部20に直接回収するようにしてもよく、この場合には各処理にかかる時間を短くできる。