JP5153530B2 - 紙幣入出金機 - Google Patents
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Description
また、特開平8−194861号公報「紙幣入出金装置」(特許文献2)に記載の例では、紙幣鑑別部を双方向に通過する双方向搬送路を有し、入出金口および一時保管庫とリサイクル庫(金種別カセット)が一体になった収納庫を接続している。
従来の技術において、入金した紙幣を出金にリサイクルする還流タイプの紙幣入出金機のうち、上述のような紙幣判別部を含む紙幣搬送路を双方向に搬送する構成、例えば、上記特開平10−188074号公報(特許文献1)記載の例では、紙幣鑑別部を双方向に通過する双方向搬送路を有し、入出金口および一時保管庫、リサイクル庫(万円および千円紙幣収納部)を接続するようにしているが、この場合の双方向の搬送路は、それぞれ別の駆動源を必要とする3つの双方向搬送路で構成され、入金(入金の確定前動作、入金の確定後動作)、出金動作時、それぞれの搬送路の方向を独立に切り替える必要がある構成となっている。また、紙幣鑑別部では双方向とも紙幣を厳格に判別する必要があるため、双方向いずれの搬送時の際の判別にも処理時間を必要とするとともに判定アルゴリズムも複雑になり、判別結果に対応して切り替えるために紙幣鑑別部の両側に設ける切替えゲートの配置位置も制約を受け、判別処理時間に対応した距離だけ紙幣鑑別部から離れた位置に設けなければならないため搬送路が長くなるという問題がある。
本発明の第二の目的は、上記第1の目的に加え、さらに該紙幣搬送路に接続される一時保管庫や他の各収納庫も簡素な構成にすることが可能な紙幣入出金機を提供することにある。
本発明の第三の目的は、日本円紙幣だけでなく、様々なサイズの紙幣に対し紙幣ジャムの少ない高信頼の紙幣入出金機を提供することにある。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した現金自動取引装置の外観を示す斜視図である。
現金自動取引装置101の左部内部には、上部正面板101aに設けられたカードスロット102aと連通し利用者のカードを処理し、取引明細票を印字して放出するカード・明細票処理機構102と、取引の内容を表示および入力する顧客操作部105とを備えている。また、現金自動取引装置101の右部内部には、紙幣を処理する紙幣入出金機1を備えており、上部正面板101aに紙幣スロット20aが設けられている。また、紙幣入出金機1の下部の紙幣収納部は、装置筐体101bとは別の数十mmの厚い鉄板で構成する金庫筐体106で囲まれている。装置筐体101bも堅固な筐体構造であるが、紙幣収納部を内蔵する金庫筐体106はさらに堅固な構造でセキュリティを高める。
紙幣入出金機1は、利用者が紙幣の投入・取り出しを行う入出金口20と、紙幣の判別を行う紙幣判別部30と、入金した紙幣を取引成立までの間一旦収納する一時保管庫40と、入金時取引が成立した紙幣を収納する1ヶの入金庫60と、出金用の紙幣を収納する1ヶの出金庫70と、入出金兼用の2ヶのリサイクル庫80と、リサイクル庫8に補充する紙幣や、リサイクル庫から回収した紙幣を収納する装填・回収庫81と、紙幣判別部30を通り、入出金口20、一時保管庫40、入金庫60、出金庫70、リサイクル庫80、装填・回収庫81に対し、紙幣を搬送する紙幣搬送路50と、図示せぬ制御部とから構成される。
以上のように、下部紙幣機構の前面または後面の扉近傍に開閉搬送路を設ける構成を採用することにより、紙幣の補充・回収操作、異常発生時のジャム紙幣の除去操作などがやり易くなり、操作性が向上する。さらに、扉の開閉を前または後に変える程度で、係員操作を前面操作型にも後面操作型にも適合することができる。
なお、各収納庫にレールを設けておけば収納庫の引き出しをスムーズにすることができる。
入出金口20は、図14に示すように、シャッタ201を有し、シャッタ201を矢印217方向にスライドさせて開閉し、図示201aの状態に移動して開き、図示矢印202の方向に、利用者が出金時の紙幣を取り出したり入金時の紙幣を投入できるようにする。紙幣ホッパー216は、実線と破線で示す間を回転される。
リサイクル庫80は、前述の紙幣を連続して収納する入金庫60と紙幣を連続して分離繰り出す出金庫70の機能を併せ持って、収納と分離繰り出しのできる収納庫であり、前述の出金庫70で説明した分離機構と同一の形状のスタック・フィードローラ801、ピックアップローラ811と、回転するバックアップローラ802と、スタック方向に回転し、繰り出し方向には回転しないゲートローラ803、ゲートローラ803と同一軸上にあって弾性部材が放射状に配置したブラシローラ804、および、分離時とスタック時で可動する分離・スタックガイド805によりスタック・分離機構を構成している。底板808、押板806と、底板808より上面で紙幣下面を支持するように懸架された底面平ベルト807と、分離・スタックガイド805で囲まれた収納空間に、紙幣は収納される。さらに、収納部の上部の分離・スタックガイド805の近傍に鋸歯状の外周形状を持つ回転する上部掻き出しローラ812と、収納部の下部のゲートローラ803の近傍に鋸歯状の外周形状を持つ回転する下部掻き出しローラ809を有し、スタック済み紙幣の上下端部を鋸歯状の外周部が支持し、押板806側に掻き出しながら、紙幣の立位状態を維持する。
入金取引時は、図7に示す、利用者が入金した紙幣を計数する入金計数動作と、図8に示す、計数した金額に対する利用者の確認入力後、金種毎に個別の収納庫に収納する入金収納動作に別れる。利用者の確認入力の際、取消を選択した場合には、図9に示す取消返却動作を行う。
入金計数動作時(図7参照)、入出金口20に投入された紙幣は、一枚ずつに分離され、矢印501a,501bを通って、紙幣判別部30で、紙幣の金種、真偽を判定される。判別ができた紙幣は、切替えゲート503を503aに切り替え、矢印501cから501dの方向へ搬送され、一時保管庫40に一旦収納される。紙幣判別部30で、判別できなかった紙幣や、傾きや紙幣同志の間隔の異常となった入金リジェクト紙幣は、一時保管庫40には取り込まれず、切り替えゲート503を503bに切り替え、矢印501fを通過し、入出金口20に収納され、利用者に返却される。
あるいは、切替えゲート504および紙幣搬送路の矢印501e部を設けず、図10および図11に示すようにすることもできる。すなわち、第一段階として、図10に示すように、紙幣搬送路の矢印501c、501b,501g,501h,901a〜e上に一時保管庫40から送出した段階で停止し、第二段階として、図11に示すように、紙幣搬送路を逆転し、矢印901e〜a,501h,501g,501b,501c,501fを経由して入出金口20に収納する。入金紙幣が多数枚の時は、第一、第二段階の動作を繰り返して、入金紙幣を利用者に返却することもできる。これにより、紙幣搬送路は、より簡素な構成とできる。
装填動作は、係員が、リサイクル庫80に金種毎にセットしたい紙幣を、個別にセットするのではなく、装填・回収庫81に一括してセットし、装置内で自動的にリサイクル庫80に収納する動作である。まず、図23に示すように、装填計数動作で、装填・回収庫81から繰り出された紙幣は、901d〜a,501h、501g,501bを経由して紙幣判別部3で金種を判別し、切替えゲート503を切り替え、一旦一時保管庫40に収納する。次に、図24に示すように、装填収納動作で、一時保管庫40から、順次放出し、同じ紙幣搬送路を逆に経由して、金種毎に、指定のリサイクル庫80に収納する。
次に、本発明の第二の実施例を、図27の紙幣入出金機の側面図、図28の現金自動取引装置の外観を示す図、図29の現金自動取引装置の操作方法を示す図、図30の紙幣の流れを示す模式図を用いて説明する。
図27において、2は紙幣入出金機、2aは上部搬送機構、2bは下部紙幣機構、21は入出金口、65はリジェクト庫、651は仕切板、652は上部収納空間、653は下部収納空間、82はリサイクル庫、83は装填・回収庫83、91は開閉搬送路、図28において、111は現金自動取引装置、111aは正面板、111bはテーブル面、112はカード明細票処理機構、112aはカードスロット、113は通帳処理機構、113aは通帳スロット、114は硬貨入出金機構、114aは硬貨スロット、115は顧客操作部、2は紙幣入出金機、21aは紙幣スロット、図29において、111cは前扉、111dは後扉である。なお第一の実施例と同じ機能を有する構成には同一の参照符号を付してある。
(1)本第二の実施例では、入出金口21を紙幣スロット21aがほぼ水平になるように設置しているが、これは、本紙幣入出金機2が、図28に示すようなほぼ水平面をなす利用者操作面111bを有する現金自動取引装置111に実装するためである。入出金口21の構成は、第一の実施例の図14に示す入出金口20と、シャッター部201を構成するシャッター機構の配置角度を変更した機構にするとともに、紙幣ホッパー216を、第一の実施例では回転動作により、水平方向に傾ける機構を実装しているが、本実施例の入出金口21では、紙幣ホッパー216の回転動作機構をなくし、固定したものである。
以上のような構成を採用することにより、紙幣の補充・回収操作、異常発生時のジャム紙幣の除去操作などがやり易くなり、操作性が向上する。
なお、上部搬送機構2aと下部紙幣機構2bは水平面で分割できるので、下部紙幣機構2b全体を独立したさらに堅固な金庫に収納しておけば防犯上さらに有効であることは第一の実施例と同様である。
(4)さらに上記(2)に伴い、開閉搬送路91は、3つの収納庫にあわせた構成を有し、図29(a)(b)に示すような開閉構造を持っている。
本実施例のリジェクト庫65は、第一の実施例における入金庫60より収納空間が小さいが、仕切板651で区切られた上部収納空間652と下部収納空間653を有する。図30(a)に示すように、切替えゲート505を図示505bの状態に切り替えることで、図30(b)に示すように、一時保管庫40から、入金収納時のリサイクル庫82に収納できない非還流紙幣や取り忘れ紙幣をリジェクト庫65に収納することができる(リサイクル庫82に収納可能な紙幣は切替えゲート505を505aの状態にしてリサイクル庫82に収納する)。同様に、切替えゲート505を図示505bの状態に切り替えることで、図30(b)に示すように、一時保管庫40から出金時のリジェクト紙幣をリジェクト庫65に収納することができる。リジェクト庫65の仕切板651は、図示せぬ駆動源で、上下に移動でき、仕切板の移動制御により、例えば、上部収納空間652に取り忘れ紙幣を収納し、下部収納空間653に、その他のリジェクト紙幣、非還流紙幣を収納することにより、現金の厳格な管理が可能となる。
(1)従来例では、双方向搬送の紙幣判別部に対して、入出金口の紙幣繰り出し口と紙幣収納口のいずれも紙幣判別部の一方の側(上流側)に有るために、入金動作と出金動作とで搬送方向は反対になる。紙幣判別部では入金動作時、出金動作時双方向とも紙幣を厳格に判別する必要があり、双方向搬送時共にその判別に相当の処理時間を必要とするとともに判定アルゴリズムも複雑になる。そのため、判別結果に対応して切り替えるために紙幣判別部の両側に設ける切替えゲートの配置位置も制約を受け、判別処理時間に対応した距離だけ紙幣判別部から離れた位置に設けなければならないため搬送路が長くなるという問題があったが、本発明の実施例では、紙幣判別部を通る紙幣搬送路を紙幣を双方向に搬送できるように構成するとともに、取引成立前の厳格に紙幣判別を行う必要のある入金計数動作時(図7)と、出金動作時(図12)と、装填計数時(図23)は、紙幣判別部30を図の右から左に通過する第一の搬送方向に駆動し、取引成立後で、一旦厳格な紙幣判別を行った後の、入金収納時(図8)と、出金リジェクト収納時(図13)と、回収収納時(図26)は、紙幣判別部を図の左から右に通過する第二の搬送方向に駆動するようにしているため、紙幣判別部の厳格な紙幣判別は、第一の方向(第一の搬送方向)のみ行えばよくなり、第二の方向(第二の搬送方向)の紙幣搬送時の際の判別の処理時間は少なくて済み、判定アルゴリズムも簡単になり、結果的に、紙幣判別部の第二の方向(第二の搬送方向)の下流に設ける切替えゲートまでの距離は短く、紙幣判別部の近くに設けることができ、紙幣搬送路の簡素化と短縮化が可能になる。
(5)本実施例によれば、上部搬送機構と下部紙幣機構を分けて設られており、入金計数時など取引が成立するまでの紙幣は上部搬送機構部だけに存在するため、その紙幣にジャムが発生した場合でも下部紙幣機構を囲む金庫を開ける必要がなくなり、安全性が保てる。また、利用者に所有権がある紙幣(上部搬送機構に存在する紙幣)と銀行に所有権がある紙幣(下部紙幣機構に存在する紙幣)を明確に区別することができるという効果がある。
(6)本実施例によれば、双方向搬送路部分と、一方向搬送路部分を合わせて、単一の駆動源で、回転方向のみを切り替えて駆動することができる。すなわち、3つの双方向搬送路は、入金計数動作時、入金収納動作時、出金動作時等、各動作で反双方向が異なっても、動作毎に共通の方向に駆動すればよい。また、2つの一方向搬送路は、必要な一方向の搬送時に駆動されるだけでなく、逆方向の搬送時も、搬送路は逆に駆動されていても、紙幣は通過しないため問題ない。あるいは、一方向の搬送路部分は、クラッチを付けて、逆方向の駆動時に動作しないようにしてもよい。
(1)上記各実施例では、入出金口の紙幣ホッパーを共通にしているが、入金口と出金口で別々に分けて設けてもよい。
(2)上記各実施例では、一時保管庫40として回転ドラムを用いた巻き取り型のもの(図17参照)を採用しているが、実施例で説明したリサイクル庫(図22参照)のような積層型のものでもよい。
(3)上記各実施例では開閉搬送路(第一の実施例の90、第二の実施例の91)を全ての収納庫に共通に設けているが、開閉搬送路は、各収納庫毎に個別に設けるようにしてもよい。
(4)搬送路の駆動源は、本実施例では一個で、搬送路501g−501h−901aがギヤでつながるようにしているが、上下別々の駆動源(モータ)を設けてもよい。これにより、ギヤによる連結不良などの障害がなくなる。
(5)上記各実施例においては、各収納庫はその前後に取っ手を設けたり、下部紙幣機構(第一の実施例の1b、第二の実施例の2b)は前後どちら向きにも着脱できるように構成され、共に前面操作型装置と後面操作型装置共通の構成を持たせているが、前面操作型装置または後面操作型装置のいずれか一方に専用化するようにしてもよい。これにより構造が簡素化されコストダウンが可能になる。
Claims (2)
- 利用者により紙幣を投入されまたは利用者に紙幣を放出する入出金口と、紙幣を判別する紙幣判別部と、入金され前記紙幣判別部で判別された紙幣を一旦収納保管する一時保管庫とを有する上部搬送機構と、入金された紙幣の収納および出金する紙幣の繰り出しを行うスタック・分離機構を備え、該入金された紙幣および該出金する紙幣を保管するリサイクル庫と、複数の前記リサイクル庫を引き出しまたは収納する際に開閉可能な扉とを有する下部紙幣機構と、前記紙幣判別部を通過し、前記入出金口、前記一時保管庫、複数の前記リサイクル庫を接続し、前記下部紙幣機構の複数の前記リサイクル庫に紙幣を双方向に搬送する双方向搬送路を含む紙幣搬送路と、を有する紙幣入出金機であって、
前記リサイクル庫は、紙幣の繰り出し口と紙幣の収納口とを同一の口として備え、
前記双方向搬送路は、複数の前記リサイクル庫に紙幣を搬送するまたは複数の前記リサイクル庫から紙幣を搬送する紙幣搬送路であって、前記紙幣の搬送方向を切り替えるための切替ゲートを有し、かつ前記双方向搬送路が前記扉内部に配置されることにより、全ての前記リサイクル庫の紙幣の出入り口と一括して該出入り口における紙幣の搬送方向に分離可能なことを特徴とする紙幣入出金機。 - 外部からの入金紙幣を受け入れ、外部に出金紙幣を出金する入出金口と、紙幣を判別する紙幣判別部と、入金され前記紙幣判別部で判別された紙幣を一旦保管する一時保管庫とを有する上部搬送機構と、入金された紙幣の収納および出金する紙幣の繰り出しを行うスタック・分離機構を備え、該入金された紙幣と該出金する紙幣を保管するリサイクル庫と、複数の前記リサイクル庫を引き出しまたは収納する際に開閉可能な扉とを有する下部紙幣機構と、前記紙幣判別部を通過し、前記入出金口、前記一時保管庫、複数の前記リサイクル庫を接続し、前記下部紙幣機構の複数の前記リサイクル庫に紙幣を双方向に搬送する双方向搬送路を含む紙幣搬送路と、を有する紙幣入出金機であって、
前記リサイクル庫は、紙幣の繰り出し口と紙幣の収納口とを同一の口として備え、
複数の前記リサイクル庫は該入出金機の下部に配され、
前記双方向搬送路は、複数の前記リサイクル庫と紙幣を受け渡す紙幣搬送路であって、前記紙幣の搬送方向を切り替えるための切替ゲートを有し、かつ前記双方向搬送路が前記扉内部に配置されることにより、全ての前記リサイクル庫の紙幣の出入り口と一括して該出入り口における紙幣の搬送方向に分離することを特徴とする紙幣入出金機。
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