JP2003293916A - エンジンの始動制御装置、エンジンの始動制御方法およびその方法を実現するプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

エンジンの始動制御装置、エンジンの始動制御方法およびその方法を実現するプログラムを記録した記録媒体

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JP2003293916A
JP2003293916A JP2002100875A JP2002100875A JP2003293916A JP 2003293916 A JP2003293916 A JP 2003293916A JP 2002100875 A JP2002100875 A JP 2002100875A JP 2002100875 A JP2002100875 A JP 2002100875A JP 2003293916 A JP2003293916 A JP 2003293916A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動コンピュータの不作動時にエン
ジンを始動させる。 【解決手段】 エンジン始動システムは、エンジンを始
動させるスタータ600と、スタータ600を制御する
スタータ駆動リレー300と、スタータスイッチ200
に接続され予め定められた始動条件に基づいてスタータ
駆動リレー300をオンオフ制御するエンジンECU1
00とを含む。エンジン始動システムは、スタータスイ
ッチ200とエンジンECU100とスタータ600と
に接続され、エンジンECU100から励磁コイルに通
電されるとスタータスイッチ200とスタータ600と
の間を非通電状態に、励磁コイルに通電されないとスタ
ータスイッチ200とスタータ600との間を通電状態
にするノーマルクローズリレー400を含む。エンジン
ECU100は、エンジンECU100がオンされる
と、ノーマルクローズリレー400の励磁コイルに通電
する回路を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両におけるエン
ジンの始動制御装置に関し、特に、エンジンの始動を制
御するコンピュータが作動不良であってもエンジンを始
動することができる始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両におけるエンジンの始動は、通常イ
グニッションスイッチの操作により行なわれる。イグニ
ッションスイッチは、イグニッションキーを鍵穴に差込
み、所定の位置に回動させて操作を行なうものである。
イグニッションスイッチは、イグニッションキーを抜き
差しするオフ(OFF)位置、カーオーディオなどのア
クセサリ電装機器に通電させるアクセサリ(ACC)位
置、エンジンの点火系に通電を行なうオン(IG−O
N)位置およびエンジンを始動するため、スタータに通
電を行なうエンジンスタート(ST)位置を有してい
る。また、イグニッションキーは、エンジンスタート位
置においては、運転者がこの位置を維持するように力を
加えていないと、オン位置に戻るように構成されてい
る。他の位置においては、運転者がキーから手を離して
も、その位置が維持される。
【0003】最近、このようなエンジンの始動制御は、
始動系を総合的に制御するコンピュータにより行なわれ
ている。特公平7−6469号公報は、コンピュータを
用いたエンジン始動方法を開示する。
【0004】この公報に開示されたエンジン始動方法
は、イグニッションスイッチからのエンジン始動指令信
号を受けて電磁スイッチの励磁コイルに通電を開始する
とともに、継続してその電磁スイッチを閉路させるステ
ップと、その電磁スイッチの励磁コイルに通電を開始し
てからその電磁スイッチが閉路するまでの間に、エンジ
ンの始動開始に支障が生じないか各種状態を確認するス
テップと、支障がある場合には電磁スイッチの励磁コイ
ルの通電を中止するステップと、電磁スイッチの閉路に
よりスタータに通電してエンジンを始動させるステップ
と、電磁スイッチが閉路してからエンジンの始動完了ま
での間に、エンジンの始動継続に支障が生じないか各種
状態を確認するステップと、支障がある場合には電磁ス
イッチの励磁コイルの通電を中止するステップと、エン
ジンの始動完了を判定したときに電磁スイッチの励磁コ
イルの通電を停止するステップとを含む。
【0005】この公報に開示されたエンジン始動方法に
よると、エンジンの始動動作中、すなわち、電磁スイッ
チ通電開始後からエンジン始動の間、エンジンの始動開
始と始動継続に支障が生じないか各種状態をコンピュー
タでチェックする。チェック不良のときはエンジンの始
動を完了するまでの間、励磁電流の通電を中止するよう
にした。これにより、処理の効率がよく、また、たとえ
ば、クランキング中にシフトレバーを操作して自動車が
急に前方に動き出すことを防止でき、安全な自動始動を
おこなうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報に開示されたエンジン始動方法では、以下のよう
な問題がある。車両のエンジンを始動させるためのスタ
ータには、車載バッテリーから電力が供給される。この
スタータは、エンジン停止状態からクランキングを実行
してエンジンを始動させるため、スタータには大きな始
動電流が必要になる。そのため、同じく車載バッテリか
ら電力の供給を受けるコンピュータにおいて、スタータ
の回転中に、車載バッテリからコンピュータへの供給電
圧がコンピュータの作動電圧を下回ることがある。この
ような場合、上述したエンジン始動方法では、エンジン
を始動できない。また、このような事態を回避するため
に、コンピュータの作動保証電圧を低くすることが考え
られる。しかしながら、このような方策では、コンピュ
ータの信頼性を極めて高いものにしなければならず、コ
ストアップを招く。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであって、低コストで、エンジン始動系のコ
ンピュータの不作動時においても、エンジンを始動させ
ることができる、エンジンの始動制御装置、エンジンの
始動制御方法およびその方法を実現するプログラムを記
録した記録媒体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る始動制
御装置は、車両のエンジンを始動するためのモータと、
モータへの電力の供給と停止とを切換えるモータ制御用
リレーと、エンジン始動用スイッチに接続され、予め定
められた始動条件に基づいてモータ制御用リレーを開閉
制御する制御回路とを含む、エンジンの始動制御装置で
ある。この始動制御装置は、エンジン始動用スイッチと
制御回路とモータとに接続され、制御回路から励磁コイ
ルに通電されると、エンジン始動用スイッチとモータと
の間が非通電状態になり、励磁コイルに通電されない
と、エンジン始動用スイッチとモータとの間が通電状態
になる常閉リレーを含む。制御回路は、予め定められた
条件に基づいて、常閉リレーの励磁コイルに通電するよ
うに制御するための制御手段とを含む。
【0009】第1の発明によると、エンジンを始動する
モータや制御回路には、車両に搭載された電源(バッテ
リー)から電力が供給される。制御回路への供給電圧が
予め定められた電圧以上であると、制御回路は正常に作
動する。一方、エンジン始動時には、モータにおける消
費電力が大きく、制御回路への供給電圧が一時的に低下
する。このとき制御回路が一時的に作動しなくなる。制
御回路は、予め定められた条件である、たとえば電源か
らの電力の供給が開始されると、常閉リレーの励磁コイ
ルを通電して、エンジン始動用スイッチとモータとの間
が非通電状態にする。この状態においては、制御回路が
予め定められた始動条件に基づいてモータを制御する。
制御回路によりモータへの始動指令が出力されると、電
源からモータへ電力が供給されて、制御回路への供給電
圧が低下する場合がある。この場合には、励磁コイルに
通電されなくなり、エンジン始動用スイッチとモータと
の間が通電状態になる。このとき、エンジン始動用スイ
ッチとモータとの間が通電状態であるので、制御回路が
正常に動作していなくても、モータへの電力の供給を維
持できる。その後、制御回路への供給電圧が回復する
と、常閉リレーの励磁コイルに通電されて、制御回路が
始動条件に基づいてモータを制御し、エンジン完爆で始
動動作が終了する。さらに、制御回路が全く作動しなく
なった場合であっても、励磁コイルに通電されなくな
り、エンジン始動用スイッチとモータとの間が通電状態
であるので、制御回路を用いることなく、エンジン始動
用スイッチによりモータへの電力の供給と停止とを切り
換えて、エンジンを始動させることができる。その結
果、低コストで、エンジン始動系のコンピュータの不作
動時においても、エンジンを始動させることができる、
エンジンの始動制御装置を提供することができる。
【0010】第2の発明に係る始動制御装置は、第1の
発明の構成に加えて、制御回路は、車両に搭載された電
源からの供給電圧が予め定められた電圧を下回ると非作
動状態になり、制御回路から励磁コイルへ通電されなく
なるものである。
【0011】第2の発明によると、制御回路およびモー
タには、車両に搭載された電源から電力が供給される。
制御回路において、電源からの供給電圧が動作保証電圧
を下回ると非作動状態になる。制御回路が非作動状態に
なると、励磁コイルへ通電されなくなり、エンジン始動
用スイッチとモータとの間が通電状態になり、エンジン
始動用スイッチによりモータへの電力の供給と停止とを
切り換えて、エンジンを始動させることができる。
【0012】第3の発明に係る始動制御装置は、第1ま
たは第2の発明の構成に加えて、制御回路は、車両に搭
載された電源から制御回路への電力の供給が開始された
という条件を満足すると、常閉リレーの励磁コイルに通
電するように制御するための手段を含む。
【0013】第3の発明によると、制御回路は、電源か
ら電力の供給が開始されると(たとえば、イグニッショ
ンスイッチがアクセサリの位置からオンの位置にされる
と)、常閉リレーの励磁コイルに通電して、エンジン始
動用スイッチとモータとの間が非通電状態にする。この
状態では、エンジン始動用スイッチではなく、制御回路
によりモータへの電力の供給と停止とを切り換えて、エ
ンジンを始動させることができる。
【0014】第4の発明に係る始動制御装置は、第1〜
第3のいずれかの発明の構成に加えて、エンジン始動用
スイッチは、スイッチに力が加えられているときだけ、
スイッチ回路が閉じることを特徴とするものである。
【0015】第4の発明によると、エンジン始動用スイ
ッチは、モーメンタリオン接点を有するスイッチであ
り、運転者が力を加えているときだけ接点が閉じる。制
御回路が非作動状態になると、励磁コイルへ通電されな
くなり、エンジン始動用スイッチとモータとの間が通電
状態になる。この場合に、運転者は、モーメンタリオン
接点をオンさせてモータへの電力の供給を開始して、運
転者がエンジンが始動したことがエンジン音や振動で分
かると力を抜いてモーメンタリオン接点をオフさせてモ
ータへの電力の供給を停止させる。これにより、エンジ
ンを正常に始動させることができる。
【0016】第5の発明に係る始動制御装置は、第1〜
第4のいずれかの発明の構成に加えて、常閉リレーは、
制御回路内に組み込まれたことを特徴とするものであ
る。
【0017】第5の発明によると、制御回路内に常閉リ
レーを組み込むことにより、制御装置全体の大きさを小
型化できる。
【0018】第6の発明に係る始動制御方法は、車両の
エンジンを始動するためのモータと、モータへの電力の
供給と停止とを切換えるモータ制御用リレーと、エンジ
ン始動用スイッチに接続され、予め定められた始動条件
に基づいてモータ制御用リレーを開閉制御する制御回路
と、エンジン始動用スイッチと制御回路とモータとに接
続され、制御回路から励磁コイルに通電されると、エン
ジン始動用スイッチとモータとの間が非通電状態にな
り、励磁コイルに通電されないと、エンジン始動用スイ
ッチとモータとの間が通電状態になる常閉リレーを含
む、エンジンの始動制御装置における始動制御方法であ
る。この始動制御方法は、予め定められた条件に基づい
て、常閉リレーの励磁コイルに通電するように制御する
制御ステップを含む。
【0019】第6の発明によると、エンジンを始動する
モータや制御回路には、車両に搭載された電源(バッテ
リー)から電力が供給される。制御回路への供給電圧が
予め定められた電圧以上であると、制御回路は正常に作
動する。一方、エンジン始動時には、モータにおける消
費電力が大きく、制御回路への供給電圧が一時的に低下
する。このとき制御回路が一時的に作動しなくなる。制
御ステップは、予め定められた条件である、たとえば電
源からの電力の供給が開始されると、常閉リレーの励磁
コイルを通電して、エンジン始動用スイッチとモータと
の間が非通電状態にする。この状態においては、制御回
路が予め定められた始動条件に基づいてモータを制御す
る。制御回路によりモータへの始動指令が出力される
と、電源からモータへ電力が供給されて、制御回路への
供給電圧が低下する場合がある。この場合には、励磁コ
イルに通電されなくなり、エンジン始動用スイッチとモ
ータとの間が通電状態になる。このとき、エンジン始動
用スイッチとモータとの間が通電状態であるので、制御
回路が正常に動作していなくても、モータへの電力の供
給を維持できる。その後、制御回路への供給電圧が回復
すると、常閉リレーの励磁コイルに通電されて、制御回
路が始動条件に基づいてモータを制御し、エンジン完爆
で始動動作が終了する。さらに、制御回路が全く作動し
なくなった場合であっても、励磁コイルに通電されなく
なり、エンジン始動用スイッチとモータとの間が通電状
態であるので、制御回路を用いることなく、エンジン始
動用スイッチによりモータへの電力の供給と停止とを切
り換えて、エンジンを始動させることができる。その結
果、低コストで、エンジン始動系のコンピュータの不作
動時においても、エンジンを始動させることができる、
エンジンの始動制御方法を提供することができる。
【0020】第7の発明に係る始動制御方法は、第6の
発明の構成に加えて、制御回路は、車両に搭載された電
源からの供給電圧が予め定められた電圧を下回ると非作
動状態になり、制御回路から励磁コイルへ通電されなく
なるものである。
【0021】第7の発明によると、制御回路およびモー
タには、車両に搭載された電源から電力が供給される。
制御回路において、電源からの供給電圧が動作保証電圧
を下回ると非作動状態になる。制御回路が非作動状態に
なると、励磁コイルへ通電されなくなり、エンジン始動
用スイッチとモータとの間が通電状態になり、エンジン
始動用スイッチによりモータへの電力の供給と停止とを
切り換えて、エンジンを始動させることができる。
【0022】第8の発明に係る始動制御方法は、第6ま
たは第7の発明の構成に加えて、制御ステップは、車両
に搭載された電源から制御回路への電力の供給が開始さ
れたという条件を満足すると、常閉リレーの励磁コイル
に通電するように制御するステップを含む。
【0023】第8の発明によると、制御ステップは、電
源から電力の供給が開始されると(たとえば、イグニッ
ションスイッチがアクセサリの位置からオンの位置にさ
れると)、常閉リレーの励磁コイルに通電して、エンジ
ン始動用スイッチとモータとの間が非通電状態にする。
この状態では、エンジン始動用スイッチではなく、制御
回路によりモータへの電力の供給と停止とを切り換え
て、エンジンを始動させることができる。
【0024】第9の発明に係る始動制御方法は、第6〜
第8のいずれかの発明の構成に加えて、エンジン始動用
スイッチは、スイッチに力が加えられているときだけ、
スイッチ回路が閉じることを特徴とするものである。
【0025】第9の発明によると、エンジン始動用スイ
ッチは、モーメンタリオン接点を有するスイッチであ
り、運転者が力を加えているときだけ接点が閉じる。制
御回路が非作動状態になると、励磁コイルへ通電されな
くなり、エンジン始動用スイッチとモータとの間が通電
状態になる。この場合に、運転者は、モーメンタリオン
接点をオンさせてモータへの電力の供給を開始して、運
転者がエンジンが始動したことがエンジン音や振動で分
かると力を抜いてモーメンタリオン接点をオフさせてモ
ータへの電力の供給を停止させる。これにより、エンジ
ンを正常に始動させることができる。
【0026】第10の発明に係る記録媒体は、第6〜第
9のいずれかに記載の始動制御方法を、コンピュータに
実現させるプログラムを記録したものである。
【0027】第10の発明によると、低コストで、エン
ジン始動系のコンピュータの不作動時においても、エン
ジンを始動させることができる、エンジンの始動制御方
法を実現するプログラムを記録した記録媒体を提供する
ことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一
の部品には同一の符号を付してある。それらの名称およ
び機能も同じである。したがってそれらについての詳細
な説明は繰返さない。
【0029】<第1の実施の形態>以下、本発明の第1
の実施の形態に係るエンジン始動システムについて説明
する。図1に示すように、このエンジン始動システム
は、エンジンの始動およびエンジンの回転を制御するエ
ンジンECU(Electronic Control Unit)100と、
エンジンECU100に接続されたスタータスイッチ2
00と、エンジンECU100に接続されたスタータ駆
動リレー300と、スタータ駆動リレー300に接続さ
れたスタータ600と、エンジンECU100に接続さ
れたエンジン回転数センサ500とを含む。
【0030】スタータスイッチ200は、イグニッショ
ンスイッチのオン位置からエンジンスタート位置にキー
が回されたことに連動してスイッチがオン状態になる。
このスタータスイッチ200は、運転者がキーをエンジ
ンスタート位置に保持しているときのみ接点がオンする
モーメンタリオン接点を有する。
【0031】エンジンECU100は、スタータスイッ
チ200の接点がオン状態になると、予めエンジンEC
U100の内部のメモリに記憶されたエンジン始動条件
を判断する。エンジンを始動させる場合には、スタータ
駆動リレー300の励磁回路に通電する。スタータ駆動
リレー300の励磁回路に通電されると、バッテリから
供給された電力がスタータ600に供給される。スター
タ600に電力が供給されると、スタータ600が回転
してエンジンがクランキングされる。
【0032】エンジンのクランキングが開始してエンジ
ンが回転を始めると、エンジン回転数センサ500によ
り検知されたエンジン回転数によりエンジン完爆の状態
であるか否かが判断される。
【0033】エンジン回転数センサ500により検知さ
れたエンジン回転数は、エンジンECU100に入力さ
れる。エンジンECU100は、入力されたエンジン回
転数が予め定められた回転数以上であると、エンジン完
爆の状態であると判断する。エンジンECU100は、
エンジン完爆の状態であると判断すると、スタータ駆動
リレー300の励磁回路への通電を停止させる。これに
より、スタータ600の回転が停止し、エンジン始動が
終了する。このエンジンECU100には、スタータ6
00へ電力を供給するバッテリから電力が供給される。
【0034】エンジンECU100は、予め定められた
作動保証電圧を下回ると、作動を停止する。そのとき、
エンジンECU100からスタータ駆動リレー300の
励磁回路への通電が行なわれなくなる。
【0035】本実施の形態に係るエンジン始動システム
は、上述した構成に加えて、エンジンECU100とス
タータスイッチ200とスタータ600とに接続された
ノーマルクローズリレー400を含む。このノーマルク
ローズリレー400の励磁回路は、エンジンECU10
0により通電される。このノーマルクローズリレー40
0は、エンジンECU100から励磁回路へ通電されて
いると、スタータスイッチ200とスタータ600との
間を非通電状態(このときノーマルクローズリレー40
0がオフ状態であるという。)にし、エンジンECU1
00から励磁回路への通電が停止していると、スタータ
スイッチ200とスタータ600との間を通電状態(こ
のときノーマルクローズリレー400がオン状態である
という。)にする。
【0036】図2を参照して、本実施の形態に係るエン
ジン始動システムで実行されるプログラムは、以下のよ
うな制御構造を有する。
【0037】ステップ(以下、ステップをSと略す。)
100にて、車両のメインコンピュータは、イグニッシ
ョンスイッチがオン位置にされたか否かを判断する。イ
グニッションスイッチがオン位置にされると(S100
にてYES)、処理はS102へ移される。もしそうで
ないと(S100にてNO)、処理はS100へ戻され
る。
【0038】S102にて、車両のメインコンピュータ
は、電池のメインリレーをオン状態にして、電池からエ
ンジンECU100への通電を開始する。S104に
て、エンジンECU100は、ノーマルクローズリレー
400を通電状態から非通電状態に変更する。すなわ
ち、エンジンECU100は、ノーマルクローズリレー
400の励磁回路に通電を開始する。
【0039】S106にて、エンジンECU100は、
イグニッションスイッチがエンジンスタート位置にされ
たか否かを判断する。この判断は、スタータスイッチ2
00がオン状態にされたことにより行なわれる。イグニ
ッションスイッチがエンジンスタート位置になると(S
106にてYES)、処理はS108へ移される。もし
そうでないと(S106にてNO)、処理はS106へ
戻され、イグニッションスイッチがエンジンスタート位
置になるまで待つ。
【0040】S108にて、エンジンECU100は、
スタータ駆動リレー300を通電状態に変更する。すな
わち、エンジンECU100は、スタータ駆動リレー3
00の励磁回路に通電を開始する。
【0041】S110にて、エンジンECU100は、
エンジン完爆の状態であるか否かを判断する。この判断
は、エンジン回転数センサ500から入力されたエンジ
ン回転数が、予め定められた回転数(たとえば、アイド
リング回転数近傍)以上であるか否かにより行なわれ
る。エンジン完爆の状態であると(S110にてYE
S)、処理はS112へ移される。もしそうでないと
(S110にてNO)、処理はS110へ戻される。
【0042】S112にて、エンジンECU100は、
スタータ駆動リレー300を非通電状態に変更する。す
なわち、エンジンECU100は、スタータ駆動リレー
300の励磁回路への通電を停止する。
【0043】以上のような構造およびフローチャートに
基づく、本実施の形態に係るエンジン始動システムの動
作について説明する。
【0044】車両の運転者がイグニッションスイッチを
オン位置にすると(S100にてYES)、エンジンE
CU100にバッテリから電力が供給される(S10
2)。このとき、図3に示すように、エンジンECU1
00への供給電圧は、ECUリセット電圧よりも高い電
圧である。
【0045】エンジンECU100に通電されると(S
102)、ノーマルクローズリレー400の励磁回路に
通電されて、非通電状態になる(S104)。すなわ
ち、図4に示すように、エンジンECU100がオフ状
態からオン状態になるタイミングでノーマルクローズリ
レー400がオン状態からオフ状態になり、非通電状態
になる。イグニッションスイッチがエンジンスタート位
置にされると(S106にてYES)、スタータ駆動リ
レー300がオン状態になる(S108)。
【0046】このとき、図3に示すように、バッテリか
らスタータ600に大きな電力が供給され、エンジンE
CU100へ供給される電圧が一時的に低下する。図3
に示すECUリセット電圧(作動限界電圧)を下回る
と、エンジンECU100からノーマルクローズリレー
400の励磁回路への通電が停止する。そのため、図4
に示すように、ノーマルクローズリレー400がオン状
態になり、通電状態になる。また、エンジンECU10
0は、このようにバッテリから供給される電圧がECU
リセット電圧を下回った場合には、エンジンECU10
0からスタータ駆動リレー300の励磁回路への通電が
停止する。そのため、スタータ駆動リレー300は一時
的にオン状態からオフ状態になる。
【0047】このようにバッテリからエンジンECU1
00に供給される電圧が、ECUリセット電圧を下回っ
ている場合には、スタータ駆動リレー300がオフ状
態、ノーマルクローズリレー400がオン状態(通
電)、スタータスイッチ200がオン状態である。した
がって、スタータスイッチ200およびノーマルクロー
ズリレー400を介してバッテリの電圧がスタータ60
0に供給され、スタータ600はオン状態を維持する。
【0048】このような状態でスタータ600によりエ
ンジンがクランキングされると、エンジンイナーシャの
低下によりバッテリからスタータ600へ供給される電
力が減ってきて、バッテリからエンジンECU100へ
供給される電圧が上昇する。その状態を図3に示す。E
CUリセット電圧を上回る供給電圧になると、図4に示
すように、エンジンECU100が一時的なオフ状態か
らオン状態に復帰し、その復帰に伴って、ノーマルクロ
ーズリレー400がオフ状態(非通電)に、スタータ駆
動リレー300がオフ状態からオン状態に変更される。
すなわち、エンジンECU100への供給電圧がECU
リセット電圧を上回ると、エンジンECU100からノ
ーマルクローズリレー400の励磁回路への通電が復帰
され、ノーマルクローズリレー400がオフ状態(非通
電)になるとともに、エンジンECU100からスター
タ駆動リレー300の励磁回路への通電が復帰して、ス
タータ駆動リレー300を介してバッテリからスタータ
600への電力の供給が復帰する。
【0049】その後、エンジンECU100がエンジン
回転数センサ500から入力された回転数に基づいてエ
ンジン完爆の状態であると判断されると(S110にて
YES)、スタータ駆動リレー300の励磁回路への通
電が停止される(S112)。これによりスタータ駆動
リレー300がオフ状態になり、スタータ600がオフ
状態になる。
【0050】以上のようにして、本実施の形態に係るエ
ンジン始動システムによると、従来のシステムに加えて
ノーマルクローズリレーを1つ加えた構成とした。この
ノーマルクローズリレーはエンジンECUが正常に作動
していると非通電状態になる。バッテリからエンジンE
CUに供給される電圧がしきい値を下回ると、エンジン
ECUが一時的に停止して、このノーマルクローズリレ
ーは通電状態になる。このノーマルクローズリレーは、
スタータスイッチとスタータとの間に設置されているた
め、エンジンECUが機能しなくなった場合には、スタ
ータスイッチおよびノーマルクローズリレーを介して、
バッテリの電力をスタータに供給することができる。そ
の結果、低コストで、エンジン始動システムのコンピュ
ータの不作動時においても、エンジンを正常に始動させ
ることができるエンジン始動制御システムを提供するこ
とができる。
【0051】<第2の実施の形態>以下、本発明の第2
の実施の形態に係るエンジン始動システムについて説明
する。なお、以下に示す説明の中で、前述の第1の実施
の形態における説明と同じ説明については、ここでは繰
返さない。
【0052】図5を参照して、本実施の形態に係るエン
ジン始動システムは、前述の図1に示した第1の実施の
形態に係るエンジン始動システムに加えて、IG_EC
U700をさらに含む。IG_ECU700は、エンジ
ンECU110に接続され、エンジンECU110に
は、エンジン回転数センサ500が接続されている。I
G_ECU700およびエンジンECU110は、とも
にバッテリから電力が供給される。また、IG_ECU
700は、スタータスイッチ200、スタータ駆動リレ
ー300およびノーマルクローズリレー400に接続さ
れている。
【0053】IG_ECU700は、イグニッションス
イッチがオン位置にされると、バッテリから電力が供給
されて作動を開始する。そのとき、IG_ECU700
は、ノーマルクローズリレー400の励磁回路に通電
し、ノーマルクローズリレーを非通電状態にする。IG
_ECU700は、スタータスイッチ200がオン状態
されると、IG_ECU700の内部のメモリに記憶さ
れたエンジン始動条件に基づいて、スタータ駆動リレー
300の励磁回路に通電する。スタータ駆動リレー30
0の励磁回路に通電されると、スタータ600に電力を
供給する。
【0054】本実施の形態に係る始動システムにおい
て、IG_ECU700が作動しなくなった場合の動作
について説明する。イグニッションスイッチをオン位置
にすると、IG_ECU700にバッテリから電力が供
給される。しかし、IG_ECU700は正常な動作を
行なわず、スタータ駆動リレー300の励磁回路に通電
することも、ノーマルクローズリレーの400の励磁回
路に通電することもできない。そのため、スタータ駆動
リレー300は非通電状態を維持し、ノーマルクローズ
リレー400は通電状態を維持する。
【0055】このような状態で、車両の運転者がイグニ
ッションスイッチをスタート位置にすると(スタータス
イッチ200を閉じると)、スタータスイッチ200お
よびノーマルクローズリレー400を介して、スタータ
600にバッテリの電力が供給されてスタータ600が
回転し、エンジンのクランキングが行なわれる。この状
態でエンジンが回転を始めると、運転者がその状態を検
知して、モーメンタリオン接点であるスタータスイッチ
200から手を離す。それにより、電池からスタータ6
00への電力の供給が停止して、スタータ600が停止
して、エンジン始動が完了する。
【0056】以上のようにして、本実施の形態に係るエ
ンジン始動システムによると、エンジンECUとは別
に、IG_ECU700を搭載した車両において、エン
ジンの始動を制御するIG_ECU700が全く始動し
ない場合においても、ノーマルクローズリレーを1つ実
装しておくことにより、正常にエンジンの始動を行なう
ことができる。
【0057】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン始
動システムの制御ブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン始
動システムのエンジンECUで実行されるプログラムの
制御構造を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン始
動システムのエンジンECUへの供給電圧の変化の状態
を表わす図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係るエンジン始
動システムのエンジン始動時のタイミングチャートであ
る。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係るエンジン始
動システムの制御ブロック図である。
【符号の説明】
100、110 エンジンECU、200 スタータス
イッチ、300 スタータ駆動リレー、400 ノーマ
ルクローズタイプリレー、500 エンジン回転数セン
サ、600 スタータ、700 IG_ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 15/00 F02N 15/00 D

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジンを始動するためのモータ
    と、前記モータへの電力の供給と停止とを切換えるモー
    タ制御用リレーと、エンジン始動用スイッチに接続さ
    れ、予め定められた始動条件に基づいて前記モータ制御
    用リレーを開閉制御する制御回路とを含む、エンジンの
    始動制御装置であって、 前記始動制御装置は、前記エンジン始動用スイッチと前
    記制御回路と前記モータとに接続され、前記制御回路か
    ら励磁コイルに通電されると、エンジン始動用スイッチ
    と前記モータとの間が非通電状態になり、励磁コイルに
    通電されないと、エンジン始動用スイッチと前記モータ
    との間が通電状態になる常閉リレーを含み、 前記制御回路は、予め定められた条件に基づいて、前記
    常閉リレーの励磁コイルに通電するように制御するため
    の制御手段とを含む、エンジンの始動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御回路は、車両に搭載された電源
    からの供給電圧が予め定められた電圧を下回ると非作動
    状態になり、前記制御回路から前記励磁コイルへ通電さ
    れなくなる、請求項1に記載のエンジンの始動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は、車両に搭載された電源
    から前記制御回路への電力の供給が開始されたという条
    件を満足すると、前記常閉リレーの励磁コイルに通電す
    るように制御するための手段を含む、請求項1または2
    に記載のエンジンの始動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記エンジン始動用スイッチは、スイッ
    チに力が加えられているときだけ、スイッチ回路が閉じ
    ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の
    エンジンの始動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記常閉リレーは、前記制御回路内に組
    み込まれたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
    に記載のエンジンの始動制御装置。
  6. 【請求項6】 車両のエンジンを始動するためのモータ
    と、前記モータへの電力の供給と停止とを切換えるモー
    タ制御用リレーと、エンジン始動用スイッチに接続さ
    れ、予め定められた始動条件に基づいて前記モータ制御
    用リレーを開閉制御する制御回路と、前記エンジン始動
    用スイッチと前記制御回路と前記モータとに接続され、
    前記制御回路から励磁コイルに通電されると、エンジン
    始動用スイッチと前記モータとの間が非通電状態にな
    り、励磁コイルに通電されないと、エンジン始動用スイ
    ッチと前記モータとの間が通電状態になる常閉リレーを
    含む、エンジンの始動制御装置における始動制御方法で
    あって、 前記始動制御方法は、 予め定められた条件に基づいて、前記常閉リレーの励磁
    コイルに通電するように制御する制御ステップを含む、
    エンジンの始動制御方法。
  7. 【請求項7】 前記制御回路は、車両に搭載された電源
    からの供給電圧が予め定められた電圧を下回ると非作動
    状態になり、前記制御回路から前記励磁コイルへ通電さ
    れなくなる、請求項6に記載のエンジンの始動制御方
    法。
  8. 【請求項8】 前記制御ステップは、車両に搭載された
    電源から前記制御回路への電力の供給が開始されたとい
    う条件を満足すると、前記常閉リレーの励磁コイルに通
    電するように制御するステップを含む、請求項6または
    7に記載のエンジンの始動制御方法。
  9. 【請求項9】 前記エンジン始動用スイッチは、スイッ
    チに力が加えられているときだけ、スイッチ回路が閉じ
    ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の
    エンジンの始動制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の始動
    制御方法を、コンピュータに実現させるプログラムを記
    録した記録媒体。
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