JP2003277948A - 複合構造物およびその製造方法 - Google Patents

複合構造物およびその製造方法

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JP2003277948A
JP2003277948A JP2002206504A JP2002206504A JP2003277948A JP 2003277948 A JP2003277948 A JP 2003277948A JP 2002206504 A JP2002206504 A JP 2002206504A JP 2002206504 A JP2002206504 A JP 2002206504A JP 2003277948 A JP2003277948 A JP 2003277948A
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crystals
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Hironori Hatono
広典 鳩野
Masakatsu Kiyohara
正勝 清原
Katsuhiko Mori
勝彦 森
Tatsuro Yokoyama
達郎 横山
Atsushi Yoshida
篤史 吉田
Tomokazu Ito
朋和 伊藤
Jun Aketo
純 明渡
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Toto Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Toto Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱・焼成工程を伴わないで新規の特性を有
する脆性材料と延性材料の構造物を得る。 【解決手段】 セラミックスや半金属などの脆性材料の
結晶と金属などの延性材料の結晶または微細組織(アモ
ルファス金属層や有機物からなる微細構造体)が分散
し、前記構造物(脆性材料からなる部分)は多結晶であ
り、前記構造物を構成する結晶は実質的に結晶配向性が
なく、また前記結晶同士の界面にはガラス質からなる粒
界層が実質的に存在しない構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスや半
導体などの脆性材料と金属などの延性材料を複合化した
構造物、この構造物を基板上に形成した複合構造物およ
びその作製方法に関する。
【0002】本発明に係る複合構造物は、例えば、ナノ
コンポジット磁石、磁気冷凍素子、耐摩耗表面コート、
周波数応答性の異なる圧電材料を混在させた高次構造圧
電体、発熱体、広温度領域で特性を発揮する高次構造誘
電体、光触媒材料とその誘発物質、微細な機械部品、磁
気ヘッドの耐磨耗コート、摺動部材、金型などの耐摩耗
コートおよび摩耗部、欠損部の補修、人工骨、人工歯
根、コンデンサ、電子回路部品、バルブの摺動部、感圧
センサ、光シャッター、超音波センサ、赤外線センサ、
防振板、切削加工用工具、複写機ドラムの表面コート、
温度センサ、ディスプレイの絶縁コート、セラミックス
発熱体、マイクロ波誘電体、反射防止膜、熱線反射膜、
UV吸収膜、層間絶縁膜(IMD)、シャロートレンチ
アイソレーション(STI)、ブレーキ、クラッチフェ
ーシング、金属分散により電気的特性、磁気的特性、機
械的特性を向上させた電子・磁気デバイス、たとえば磁
気シールド皮膜、熱電変換素子への熱伝導を助長する周
辺傾斜構造物、金属層介在により強靱化された圧電素
子、電気抵抗率を制御した静電チャックなど。撥水性を
持つフッ化物と光触媒材料を混在させた防汚表面コート
などに利用することが可能である。
【0003】
【従来の技術とその課題】一般に複合材料といわれるも
ののうち、セラミックスなどの脆性材料からなる複合材
料は、構造材あるいは機能材料として発展してきてお
り、マトリックス中に粒子や繊維を分散した旧来のやや
マクロ的な材料から、近年では結晶レベルで複合化を目
指したメゾスコピック複合材料やナノ複合材料が脚光を
浴びつつある。このナノ複合材料には結晶粒内や結晶粒
界に異種材質のナノサイズ結晶を導入した粒内ナノ複合
型とナノサイズの異種の結晶同士を混在させたナノナノ
複合型がある。ナノ複合材料には今までにない特性を発
揮するものが期待され、研究論文も発表されている。
【0004】NEW CERAMICS(1997:N
o.2)には、共沈反応によってアルミナ原料紛の周囲
をジルコニア系超微粒子で囲むようにした原料作製し、
この原料を焼結することでナノ複合体を得ることが記載
されている。
【0005】ニューセラミックス(1998 Vol.
11 No.5)には、セラミックス微粒子表面に無電
解めっき法などのケミカルプロセスを行って、PZT原
料分の表面にAgまたはPt粒子を析出させた複合粉末
を作製し、この複合粉末を焼結してナノ複合体を得るこ
とが記載されている。
【0006】同じく、ニューセラミックス(1998
Vol.11 No.5)には、ナノ複合体用の材料と
して、Al/Ni、Al/Co、Zr
/Ni、ZrO/SiC、BaTiO/SiC、B
aTiO/Ni、ZnO/NiO、PZT/Agなど
が挙げられ、これらを焼結することでナノ複合体を得る
ことが記載されている。
【0007】これら論文に開示されたナノ複合体はいず
れも焼結によって得られるため、粒成長が起こり粒子サ
イズが粗大化しやすく、焼成時に酸化しないものである
ことなどの制限を受ける。またセラミックスと金属との
複合体を形成する場合には、セラミックスの焼成温度と
金属の融点とが著しく異なると、焼結温度で金属の蒸発
が起こる場合があり、複合割合の制御が困難であるなど
の問題点がある。更に、無電解めっき法などによってセ
ラミックス粉体の表面に金属をめっきする場合には利用
できる金属が限定されてしまい、湿式プロセスにおいて
不純物の混入が懸念される。
【0008】上記のナノ複合体が焼結によって得られる
のに対し、Materials Integration(2000 Vo
l.13 No.4)には、反応性低電圧マグネトロン
スパッタ法にて、Crターゲットを用い、O分圧を変
化させることで、種々のCr/CrOxナノ複合薄膜を
得ることが記載されている。しかしながら、この方法で
は異種の混合微粒子を層状積層ではなく、粒子分散型と
してナノレベル結晶を堆積させることはできない。
【0009】一方、最近では新たな被膜形成方法とし
て、ガスデポジション法(加集誠一郎:金属 1989
年1月号)や静電微粒子コーティング法(井川 他:昭
和52年度精密機械学会秋季大会学術講演会前刷)が知
られている。前者は金属やセラミックス等の超微粒子を
ガス攪拌にてエアロゾル化し、微小なノズルを通して加
速せしめ、基材に衝突した際に運動エネルギーの一部が
熱エネルギーに変換され、微粒子間あるいは微粒子と基
材間を焼結することを基本原理としており、後者は微粒
子を帯電させ電場勾配を用いて加速せしめ、この後はガ
スデポジションと同様に衝突の際に発生する熱エネルギ
ーを利用して焼結することを基本原理としている。
【0010】そして、上記のガスデポジション法を異種
の混合微粒子に応用した先行技術として、特公平3−1
4512号公報(特開昭59−80361号公報)、特
開昭59−87077号公報、特公昭64−11328
号公報(特開昭61−209032号公報)および特開
平6−116743号公報に開示される技術が知られて
いる。
【0011】上記の各公報に提案されている内容は、異
種の微粒子がAg、Ni或いはFeなどの金属(延性材
料)であり、金属とセラミックス(脆性材料)とのナノ
複合体或いは有機物と無機物との複合化についての具体
的な示唆はない。
【0012】また、上記の技術は原料の超微粒子を溶融
または半溶融状態にすることで接着剤を用いることなく
混合微粒子からなく膜を形成するのを基本原理としてい
るため、赤外線加熱装置などのアシスト的な加熱装置を
備えている。
【0013】一方、ナノ複合体ではないが、加熱手段に
よる加熱なくして超微粒子の膜を形成する方法を本発明
者らは特開2000−212766号公報に提案してい
る。この特開2000−212766号公報に開示され
る技術は、粒径が10nm〜5μmの超微粒子に、イオ
ンビーム、原子ビーム、分子ビーム或いは低温プラズマ
などを照射することにより、超微粒子を溶融せしめるこ
となく活性化し、この状態のまま基板に3m/sec〜
300m/secの速度で吹き付けることで、超微粒子
相互の結合を促進して構造物を形成するようにしたもの
である。
【0014】以上従来技術をまとめると、従来のナノ複
合体といわれるものは殆どが焼成によって得られてお
り、結晶粒の成長を伴ってしまい、原料微粒子の平均粒
径よりも複合体の平均粒径が大きくなってしまい、強度
・緻密性の面で優れたものを得ることが困難である。ま
た、結晶粒の成長を抑える提案もあるが使用できる原料
が限定されてしまう。更に、焼結を伴わない微粒子から
の被膜形成法についても何らかの表面活性化手段を必要
とし、且つセラミックスについての考察は殆どなされて
おらず、セラミックスなどの脆性材料と金属などの延性
材料からなるナノ複合体についての言及は皆無である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記特開2
000−212766号公報に開示される技術について
引き続き追試を行ってきた。その結果、金属(延展性材
料)とセラミックスや半導体などの脆性材料とでは全く
異なる挙動を示すことを突き止めた。即ち、同公報に記
載された条件である微粒子の粒径を10nm〜5μm、
衝突速度を3m/sec〜300m/secとしただけ
では構造物の剥離強度が不足していたり、或いは部分的
に剥離しやすかったり、密度も不均一となるなどの問題
はあるものの、脆性材料に関しては、イオンビーム、原
子ビーム、分子ビーム或いは低温プラズマなどを照射す
ることなく、つまり特別な活性化手段を用いることなく
構造物を形成することができた。
【0016】上記から、本発明者らは以下の結論に到達
した。セラミックスは、自由電子をほとんど持たない共
有結合性あるいはイオン結合性が強い原子結合状態にあ
る。それゆえ硬度は高いが衝撃に弱い。シリコンやゲル
マニウムのような半導体も延展性を持たない脆性材料で
ある。従って脆性材料に機械的衝撃力を付加した場合、
例えば結晶子同士の界面などの壁開面に沿って結晶格子
のずれを生じたり、あるいは破砕されたりなどする。こ
れらの現象が起こると、ずれ面や破面にはもともと内部
に存在し、別の原子と結合していた原子が剥き出しの状
態となり、すなわち新生面が形成される。この新生面の
原子一層の部分は、もともと安定した原子結合状態から
外力により強制的に不安定な表面状態に晒される。すな
わち表面エネルギーが高い状態となる。この活性面が隣
接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面
あるいは基板表面と接合して安定状態に移行する。外部
からの連続した機械的衝撃力の付加は、この現象を継続
的に発生させ、微粒子の変形、破砕などの繰り返しによ
り接合の進展、それによって形成された構造物の緻密化
が行われる。このようにして、脆性材料の構造物が形成
される。
【0017】本発明は上記のように脆性材料に新生面を
形成させることで構造物が形成されるのであれば、この
脆性材料をバインダーとして考えれば、今までに存在し
ない特性を有する脆性材料と延性材料との複合構造物を
形成することが可能であるとの考えに基づき成したもの
である。
【0018】上記の知見に基づいて作製された本発明に
係る複合構造物の微視的な構造は従来の製法で得られた
ものと明らかに異なっている。即ち、本発明に係る構造
物は、一種類以上のセラミックスや半導体などの脆性材
料の結晶と、一種類以上の金属などの延性材料の結晶お
よび/または微細組織(アモルファス金属層や有機物か
らなる微細構造体)が分散した構造物であって、前記脆
性材料の結晶からなる部分は多結晶であり、この多結晶
部分を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また
前記脆性材料同士の結晶界面にはガラス質からなる粒界
層が実質的に存在しない構成となっている。そして、上
記構造物を基材表面に形成した複合構造物にあっては、
構造物の一部は基材表面に食い込むアンカー部となる。
【0019】上記アンカー部を形成する際に、延性材料
と脆性材料の混合微粒子を用いることにより、延性材料
微粒子の堆積組織の上に脆性材料が延性材料を変形させ
てアンカー効果を生むという多段層アンカー部の形成が
見られ、堆積高さが大きく強度の大きい構造物を作製す
るのに有利である。
【0020】ここで、本発明を理解する上で重要となる
語句の解釈を以下に行う。 (多結晶)本件では結晶子が接合・集積してなる構造体
を指す。結晶子は実質的にそれひとつで結晶を構成しそ
の径は通常5nm以上である。ただし、微粒子が破砕さ
れずに構造物中に取り込まれるなどの場合がまれに生じ
るが、実質的には多結晶である。 (結晶配向性)本件では多結晶である構造物中での結晶
軸の配向具合を指し、配向性があるかないかは、一般に
は実質的に配向性のないと考えられる粉末X線回折など
によって標準データとされたJCPDS(ASTM)デ
ータを指標として判断する。構造物中の脆性材料結晶を
構成する物質をあげたこの指標における主要な回折3ピ
ークのピーク強度を100%として、構造物の同物質測
定データ中、最も主要なピークのピーク強度をこれに揃
えた場合に、他の2ピークのピーク強度が指標の値と比
較して30%以内にそのずれが収まっている状態を、本
件では実質的に配向性がないと称する。 (界面)本件では結晶子同士の境界を構成する領域を指
す。 (粒界層)界面あるいは焼結体でいう粒界に位置するあ
る厚み(通常数nm〜数μm)を持つ層で、通常結晶粒
内の結晶構造とは異なるアモルファス構造をとり、また
場合によっては不純物の偏析を伴う。 (アンカー部)本件の場合には、基材と構造物の界面に
形成された凹凸を指し、特に、予め基材に凹凸を形成さ
せるのではなく、構造物形成時に、元の基材の表面精度
を変化させて形成される凹凸のことを指す。 (平均結晶子径)X線回折法におけるScherrerの方法に
よって算出される結晶子のサイズであり、マックサイエ
ンス社製MXP−18を使用して測定・算出する。 (内部歪)微粒子に含まれる格子歪のことで、X線回折
測定におけるHall法を用いて算出される値であり、
微粒子を十分にアニールした標準物質を基準として、そ
のずれを百分率表示する。 (脆性材料微粒子または複合微粒子の速度)実施例3に
示す微粒子の測定方法に従って算出した平均速度を意味
する。
【0021】従来の焼結によって形成されるナノ複合体
は、結晶が熱による粒成長を伴っており、特に焼結助剤
を用いた場合には粒界層としてガラス層が生じる。一
方、本発明に係る構造物は、原料微粒子のうちの脆性材
料微粒子が変形または破砕を伴うため、原料微粒子より
も構造物の構成粒子の方が小さくなっている。例えば、
レーザ回折法やレーザ散乱法で計測される微粒子の平均
粒径を0.1〜5μmとすることで、形成される構造物
の平均結晶子径は100nm以下となるような場合が多
く、このような微細結晶子からなる多結晶体をその組織
として持つ。その結果、平均結晶子径が500nm以下
で緻密度が70%以上、または平均結晶子径が100n
m以下で緻密度が95%以上、または平均結晶子径が5
0nm以下で緻密度が99%以上の緻密な構造物とする
ことができる。
【0022】ここで、緻密度(%)は、文献値、理論計
算値による真比重と、構造物の重量および体積値から求
めた嵩比重を用い、嵩比重÷真比重×100(%)の式
から算出される。
【0023】また、本発明に係る複合構造物の特徴は、
衝突などの機械的衝撃による変形または破砕を伴うた
め、結晶の形状として扁平なもの或いは細長いものは存
在しにくく、その結晶子形状はおおよそ粒状と見て良
く、アスペクト比はおおよそ2.0以下となる。また微
粒子が破砕した断片粒子の再接合部であるため、結晶配
向を持つことはなく、ほとんど緻密質であるため、硬
さ、耐摩耗性、耐食性などの機械的・化学的特性に優れ
る。
【0024】また本発明にあっては、脆性材料微粒子の
破砕から再接合までが瞬時に行われるため、接合時に微
細断片粒子の表面付近で原子の拡散はほとんど行われな
い。従って、構造物の結晶子同士の界面の原子配列に乱
れがなく溶解層である粒界層(ガラス層)は殆ど形成さ
れず、形成されても1nm以下である。そのため、耐食
性などの化学的特性に優れる特徴を示す。
【0025】また、本発明に係る構造物には、前記構造
物を構成する結晶界面近傍に、非化学量論的欠損部(例
えば酸素が欠損)を有するものを含む。
【0026】また、本発明に係る複合構造物をその表面
に形成する基材としては、ガラス、金属、セラミック
ス、半導体あるいは有機化合物などが挙げられ、脆性材
料としては酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化イットリウ
ム、酸化クロム、酸化ハフニウム、酸化ベリリウム、酸
化マグネシウム、酸化珪素などの酸化物、ダイヤモン
ド、炭化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化ジルコニウ
ム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化クロム、炭化タ
ングステン、炭化モリブデン、炭化タンタルなどの炭化
物、窒化硼素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化珪
素、窒化ニオブ、窒化タンタルなどの窒化物、硼素、硼
化アルミニウム、硼化珪素、硼化チタン、硼化ジルコニ
ウム、硼化バナジウム、硼化ニオブ、硼化タンタル、硼
化クロム、硼化モリブデン、硼化タングステンなどの硼
化物、あるいはこれらの混合物や多元系の固溶体、チタ
ン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸リチウム、チタン
酸ストロンチウム、チタン酸アルミニウム、PZT、P
LZTなどの圧電性・焦電性セラミックス、サイアロ
ン、サーメットなどの高靭性セラミックス、水酸アパタ
イト、燐酸カルシウムなどの生体適合性セラミックス、
シリコン、ゲルマニウム、あるいはこれらに燐などの各
種ドープ物質を添加した半導体物質、ガリウム砒素、イ
ンジウム砒素、硫化カドミウムなどの半導体化合物など
が挙げられる。また、これら無機材料に止まらず、硬質
塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリルなどの脆性的
有機材料も挙げられる。延性材料としては、鉄、ニッケ
ル、クロム、コバルト、亜鉛、マンガン、銅、アルミニ
ウム、金、銀、白金、チタン、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、ストロンチウム、バナジウム、パラジウ
ム、モリブデン、ニオブ、ジルコニウム、イットリウ
ム、タンタル、ハフニウム、タングステン、鉛、ランタ
ンなどの金属材料、これらを主成分とした合金材料、お
よび延性脆性含む化合物材料のほか、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ABS(アクリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体)、フッ素樹脂、ポリアセタール、アクリル
樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、硬質塩化ビニル樹脂、不飽和ポリエス
テル、シリコーンなどの有機化合物も挙げられる。
【0027】また、本発明の構造物の厚み(基材の厚み
を除いた厚み)は50μm以上とすることができる。前
記構造物の表面は微視的には平滑ではない。たとえば金
属の表面に高硬度の構造物(ナノ複合体)を被覆した耐
摩耗性の摺動部材を作成する場合などには、平滑表面が
要求されるため、後工程において表面の切削あるいは研
磨を必要とする。このような用途においては構造物の堆
積高さは50μm程度以上とするのが望ましい。平面研
削を行う場合においては、研削機の機械的制約のため、
堆積高さ50μm以上が望ましく、この場合は数十μm
の研削が行われるため、50μm以下の表面が平滑な薄
膜を形成することになる。
【0028】また、場合によっては、構造物の厚みは、
500μm以上であることが望ましい。本発明では、高
硬度、耐摩耗性、耐熱性、耐食性、耐薬品性、電気的絶
縁性などの機能を持ち、金属材料などの基板上に形成さ
れる構造物の膜を作成することのみならず、それ単体で
利用できる構造物の作製も目的としている。セラミック
ス材質の機械的強度は様々であるが、500μm以上の
厚みの構造物であれば、例えば、セラミックス基板等の
用途においては、材質を選べば、十分利用可能な強度が
得られる。
【0029】たとえば、基板ホルダ上に設置された金属
箔の表面に複合材料超微粒子を堆積させて一部あるいは
全部が500μm以上の厚みを持つ緻密質の複合構造物
を形成させた後、金属箔の部分を除去するなどすれば、
室温にて複合材質の機械構成部品を作成することが可能
である。
【0030】一方、本願の複合構造物の作製方法は、脆
性材料微粒子および延性材料微粒子を基材表面に同時あ
るいは別々に高速で衝突させ、この衝突の衝撃によって
前記脆性材料微粒子および延性材料微粒子を変形または
破砕し、前記脆性材料同士においてはこの変形または破
砕にて生じた活性な新生面を介して前記微粒子同士を再
結合せしめ、さらに前記基材および/または前記延性材
料微粒子との境界部に一部がその表面に食い込むアンカ
ー部を形成して接合させ、脆性材料の結晶と、延性材料
の結晶および/または微細組織が分散した組織からなる
構造物を形成する。
【0031】脆性材料微粒子および延性材料微粒子を高
速で衝突させる手法には、搬送ガスを用いる方法や、静
電力を用いて微粒子を加速する方法、溶射法、クラスタ
ーイオンビーム法、コールドスプレー法などが挙げられ
る。このうち搬送ガスを用いる方法は従来ガスデポジシ
ョン法と呼ばれており、金属や半導体、セラミックスの
微粒子を含むエアロゾルをノズルより噴出させて高速で
基板に吹き付け、微粒子を基材上に堆積させることによ
って、微粒子の組成を持つ圧粉体などの堆積層を形成さ
せる構造物形成法である。そのうちここでは特に構造物
を基板上にダイレクトで形成する方法を超微粒子ビーム
堆積法(Ultra−Fine particles beamdeposition meth
od)あるいはエアロゾルデポジション法と呼び、この明
細書では本発明に係る作製方法を以下この名称で呼ぶ。
【0032】超微粒子ビーム堆積法を用いて材料微粒子
のエアロゾルを衝突させる場合には、混合粉体のエアロ
ゾルを予め作製しても良いし、別々にエアロゾルを発生
させて別々に衝突させるか、あるいはエアロゾルの混合
比を変えつつ混合させ同時に衝突させてもよい。この場
合は傾斜組成を持つ構造物を容易に形成でき好適であ
る。
【0033】本発明の別態様に係る複合構造物の作製方
法は、一種類以上の延性材料を脆性材料微粒子表面にコ
ーティングさせる工程を経て複合微粒子を形成した後、
該複合微粒子を基材表面に高速で衝突させる方法を含
む。延性材料を脆性材料の微粒子表面にコーティングす
る方法としては、PVDやCVD、めっき、メカニカル
アロイングを模した処理によっても良く、微粒子表面に
さらに粒径の小さな超微粒子を混練などにて付着させる
だけでもよい。
【0034】また、本発明の別態様に係る複合構造物の
作製方法は、脆性材料微粒子および延性材料微粒子を基
材表面に盛り付け、この脆性材料微粒子および延性材料
微粒子に機械的衝撃力を付加し、その衝撃により前記脆
性材料微粒子および延性材料微粒子を変形または破砕
し、前記脆性材料においてはこの変形または破砕にて生
じた活性な新生面を介して前記微粒子同士を再結合せし
め、さらに前記基材および/または前記延性材料微粒子
との境界部に一部がその表面に食い込むアンカー部を形
成して接合させ、このアンカー部の上に脆性材料の結晶
と延性材料の結晶および/または微細組織が分散した組
織からなる構造物を形成する。この場合も前記同様、延
性材料を脆性材料微粒子表面にコーティングした複合微
粒子を用いることができる。
【0035】前記したように本発明は脆性材料微粒子に
衝撃を与えた際の変形或いは破砕によって生じる活性な
新生面に着目したものである。そして、脆性材料微粒子
に内部歪が少ないと、脆性材料微粒子を衝突させた際に
変形或いは破砕しにくく、逆に内部歪が大きくなると内
部歪をキャンセルするために大きなクラックが生じ、衝
突させる前に脆性材料微粒子が破砕・凝集し、この凝集
物を基材に衝突させても新生面は形成されにくい。した
がって、本発明に係る複合構造物を得るには、脆性材料
微粒子の粒径および衝突速度は重要であるが、それ以上
に原料の脆性材料微粒子に予め所定範囲の内部歪を与え
ておくことが重要である。最も好ましい内部歪としては、
クラックが形成される直前まで大きくなった歪というこ
とになるが、多少クラックが形成されていても内部歪が
残っている微粒子であれば構わない。
【0036】本発明に係る複合構造物の作製方法(超微
粒子ビーム堆積法)にあっては、前記脆性材料微粒子は
平均粒径が0.1〜5μmで、予め内部歪の大きなもの
を用いることが好ましい。またその速度は50〜450
m/sの範囲内が好ましく、さらに好ましくは150〜
400m/sである。これらの条件は基材に衝突させた
際などに新生面が形成されるかに密接に関係しており、
粒径0.1μm未満では、粒径が小さすぎて破砕や変形
が生じにくい。5μmを超えると一部破砕は起こるもの
の、実質的にはエッチングによる膜の削り取り効果が現
れるようになり、また破砕が生じないで微粒子の圧粉体
の堆積に止まる場合が生じる。同じく、この平均粒径で
構造物形成を行なう場合、50m/s以下では、圧粉体
が構造物中へ混在する現象が観察されており、450m
/s以上では、エッチング効果が目立つようになり、構
造物形成効率が低下することが分かっている。これら速
度の測定方法は実施例3に基づく。
【0037】本発明に係る複合構造物の作製方法の特徴
の1つは、室温あるいは比較的低温で行える点であり、
基材として樹脂などの融点の低い材料を選定することが
できる。
【0038】ただし、本発明方法においては加熱工程を
付加してもよい。本発明の構造物形成時には微粒子の変
形・破砕時にはほとんど発熱は起こらず緻密質構造物が
形成されるところに特徴があり、室温環境で十分に形成
できる。従って構造物形成時に熱の関与が必ずしも要る
わけではないが、微粒子の乾燥や表面吸着物の除去、活
性化のための加熱や、アンカー部形成の補助、複合構造
物の使用環境などを考えた構造物と基材との熱応力の緩
和、基材表面吸着物の除去、構造物形成効率の向上など
を狙った基材あるいは構造物形成環境の加熱を行なうこ
とは十分考えられる。この場合でも、微粒子や基材が溶
解や焼結、極端な軟化を起こすような高温は必要ない。
また前記多結晶脆性材料からなる構造物を形成した後
に、当該脆性材料の融点以下の温度で加熱処理して結晶
の組織制御を行うことが可能である。
【0039】また、本発明に係る複合構造物の作製方法
においては、原料微粒子に形成された新生面の活性をあ
る程度の時間持続させるために、減圧下で行なうことが
好ましい。
【0040】また、超微粒子ビーム堆積法により本発明
に係る複合構造物の作製方法を実施する場合には、酸素
ガスなど搬送ガスの種類および/または分圧を制御し
て、前記脆性材料からなる構造物を構成する化合物の元
素の欠損量を制御したり、構造物中の酸素濃度を制御し
たり、構造物中に金属酸化物が存在する場合には、その
結晶界面近傍に酸素欠損層を形成することで、構造物の
電気的特性・機械的特性・化学的特性・光学的特性・磁
気的特性を制御するということも考えられる。
【0041】即ち、酸化アルミニウムなどの酸化物を超
微粒子ビーム堆積法の原料微粒子として用い、これに使
用するガスの酸素分圧を抑えて構造物形成を行なうと、
微粒子が破砕し、微細断片粒子を形成した際に、微細断
片粒子の表面から酸素が気相中に抜け出して、表面相で
酸素の欠損が起こるなどのことが考えられる。このあと
微細断片粒子同士が再接合するため、結晶粒同士の界面
近傍に酸素欠損層が形成される。また、欠損させる元素
は酸素に限らず、窒素、硼素、炭素などもでもよく、こ
れらも特定のガス種のガス分圧を制御して、気相・固相
間の元素量の非平衡状態による分配あるいは反応による
元素の脱落によって達成される。
【0042】次に本発明における複合構造物の作製方法
の一実施形態について述べる。遊星ミルにより歪付与を
行なったサブミクロン粒径の脆性材料微粒子粉体の表面
に金属をコーティングした複合微粒子粉体を予め準備し
て、これを用いて超微粒子ビーム堆積法(Ultra−Fine
particles beam deposition method)により基板上に
構造物を形成させた。図1に使用した超微粒子ビーム堆
積法の装置図を示す。
【0043】図1では、複合構造物作製装置10は、窒
素ガスボンベ101が、搬送管102を介してエアロゾ
ル発生器103に接続され、その下流側に解砕器104
が、さらに下流側に分級器105が設置されている。こ
れらを通じている搬送管102の先に構造物形成室10
6内に設置されたノズル107が配置される。ノズル1
07の開口の先には鉄製の基板108がXYステージ1
09に取り付けられて設置されている。構造物形成室1
06は真空ポンプ110に接続されている。エアロゾル
発生器103は前記複合微粒子粉体103aを内蔵して
いる。
【0044】以上の構成からなる複合構造物作製装置1
0の作用を次に述べる。予め図示しない歪付与装置であ
る遊星ミルにて粉砕することにより、前記複合微粒子粉
体103bを準備し、これをエアロゾル発生器103内
に充填する。窒素ガスボンベ101より搬送管102を
通じて混合粉体を装填したエアロゾル発生器103内に
窒素ガスを導入し、エアロゾル発生器103を作動させ
て複合微粒子を含むエアロゾルを発生させる。エアロゾ
ル中の微粒子は凝集しており、おおよそ100μmの二
次粒子を形成しているが、これを搬送管102を通じて
解砕器104に導入して一次粒子を多く含むエアロゾル
に変換する。その後分級器105に導入して、解砕器1
04では解砕しきれずにエアロゾル中にまだ存在してい
る粗大な二次粒子を除去してさらに一次粒子リッチなエ
アロゾルに変換し、導出する。その後構造物形成室10
6内に設置されたノズル107から高速で基板105に
向けて噴射させる。ノズル107の先に設置された基板
108にエアロゾルを衝突させつつ、基板108をXY
ステージ109により揺動させて、基板108上の一定
面積の上に薄膜構造物を形成させた。構造物形成室10
6は真空ポンプ110により約10kPaの減圧環境下
に置かれる。
【0045】なお、上述する構造物形成工程のうち、エ
アロゾル発生器103、解砕器104、分級器105は
別体でもよいし、一体でもよい。解砕器の性能が十分で
あれば分級器は必要ない。また微粒子のミル粉砕は、金
属をコーティングする前でも良いし、後でも良し、同時
でも良い。同時の場合は例えば金属微粒子と脆性材料微
粒子を混合した粉体を装填したミルにより解砕中にコー
ティングが行なわれる。勿論コーティング方法は様々考
えられ、例えばPVD、CVD、めっき、ゾルゲル法な
どの様々な手法を用いて予め作製しておくことができ
る。
【0046】脆性材料微粒子の種類は一種類に限らず、
いくつも混合させることは容易であるし、また延性材料
であるコーティング物質も同様である。その混合比も任
意に設定できるため、構造物の組成を自由に制御でき好
適である。使用するガスも窒素ガスに限らず、アルゴ
ン、ヘリウムなど任意であるし、これに酸素を混合させ
ることにより、構造物中の酸素濃度を変化させることも
できる。
【0047】次に本発明における複合構造物の作製方法
の別の実施態様を述べる。図2は、複合構造物作製装置
20を示す図であり、複合構造物作製装置20では、ア
ルゴンガスボンベ201a、201bが、搬送管202
a、202bを介してエアロゾル発生器203a、20
3bにそれぞれ接続され、さらに下流側に解砕器204
a、204bが設置され、さらに下流に分級器205
a、205bが設置され、さらに下流にエアロゾル濃度
測定器206a、206bが設置されている。これらを
通じている搬送管202a、202bはエアロゾル濃度
測定器206a、206bの下流にて合流し、構造物形
成室207内に設置されたノズル208に通じている。
尚、延性材料微粒子を内蔵するエアロゾル発生器の下流
側には解砕器を設けなくてもよい。
【0048】ノズル208の開口の先には金属製の基板
209がXYステージ210に取り付けられて設置され
ている。構造物形成室207は真空ポンプ211に接続
されている。またエアロゾル発生器203a、203b
およびエアロゾル濃度測定器206a、206bは制御
装置212に配線されている。エアロゾル発生器203
a、203bの一方には平均粒径が0.5μm程度の脆
性材料微粒子213aを、他方には延性材料微粒子21
3bをそれぞれ内蔵している。
【0049】以上の構成からなる複合構造物作製装置2
0の作用を次に述べる。予め図示しない歪付与装置であ
る遊星ミルにて粉砕することにより、内部歪を与えられ
た脆性材料微粒子213aと延性材料微粒子213bを
それぞれエアロゾル発生器203a、203b内に装填
する。次にアルゴンガスボンベ201a、201bを開
栓し、アルゴンガスを搬送管202a、202bを通じ
てエアロゾル発生器203a、203b内へそれぞれ導
入する。制御装置212の制御を受けてエアロゾル発生
器203a、203bが作動し、微粒子のエアロゾルを
それぞれ発生させる。これらのエアロゾル中の脆性材料
微粒子は凝集しており、おおよそ100μmの二次粒子
を形成しているが、解砕器204a、204bに導入し
て、一次粒子を多く含むエアロゾルに変換する。その後
分級器205a、205bに導入して、解砕器204
a、204bでは解砕しきれずにエアロゾル中にまだ存
在している粗大な二次粒子を除去されてさらに一次粒子
リッチなエアロゾルに変換し導出する。その後これらの
エアロゾルはエアロゾル濃度測定器206a、206b
内を通り、エアロゾル中の微粒子の濃度をモニタリング
した後、合流させ、構造物形成室209内にてノズル2
07より高速で基板209に向けて噴射する。
【0050】基板209はXYステージ210により揺
動されており、エアロゾルの基板209への衝突位置を
刻々と変化させることにより、脆性材料微粒子213a
と延性材料微粒子213bを基板209上の広面積に衝
突させる。この衝突の際に脆性材料微粒子213aが破
砕あるいは変形し、これらが接合して結晶が一次粒子の
平均粒径以下の結晶サイズ、すなわちナノメートルサイ
ズで独立に分散して存在する緻密質の構造物が形成され
る。また、構造物形成室211内は真空ポンプ211に
より排気され、内部の気圧を約10kPaの一定値に制
御されている。
【0051】このようにして基板209上に脆性材料と
延性材料が分散した構造物を形成させるが、この際エア
ロゾル濃度測定器206a、206bのモニター結果を
制御装置212により解析し、エアロゾル発生器203
a、203bにフィードバックしてエアロゾル発生量、
濃度を制御することにより、構造物中の脆性材料と延性
材料の存在比率を一定あるいは傾斜的に制御することが
できる。このような傾斜材料を作製する場合は、XYス
テージとの連動により、堆積高さ方向で存在比率を変え
たり、基板209の面方向で存在分布を変えたりするこ
とが容易である。また複数のエアロゾルを合流させずに
別々のノズルを用いて噴射させて構造物を形成させるこ
ともできる。この場合は薄い堆積層からなる構造物が得
られ、その厚みの制御による傾斜化も容易である。また
エアロゾル発生器に内蔵させる微粒子は複合微粒子であ
っても良いし複数の脆性材料や延性材料の混合微粒子で
あっても良く、目的とする構造物の構造を達成するに都
合の良い内蔵方法を選択すればよい。ガスの組成も任意
である。また延性材料においては、予め微粒子粉体を用
意する、記載のエアロゾル発生器ではなく、バルクを蒸
発させた後急冷して微粒子を形成させるガス中蒸発法な
どを用いても良い。
【0052】
【実施例】(実施例1)脆性材料微粒子として平均粒径
0.6μmの酸化アルミニウム微粒子を予め遊星ミルで
粉砕処理を施して内部歪を印加した後、これに延性材料
微粒子として平均粒径0.4μmの金属ニッケル微粒子
を重量比で0.1%添加してこれら微粒子同士を乾式ボ
ールミルにて混合させて複合微粒子粉体を作製し、図1
に相当する複合構造物作製装置のエアロゾル発生器に装
填して、真鍮基板上に形成高さ10〜15μm、形成面
積17×20mmで複合構造物を形成させた。このとき
の構造物形成室の圧力は0.2kPaであった。また比
較として延性材料微粒子を用いず、酸化アルミニウム微
粒子のみを用いて同様に複合構造物を形成した。形成さ
れた複合構造物は、酸化アルミニウムのみの場合は無色
透明であるのに対し、ニッケルを含有させた場合はやや
黒みを帯びた色調となった。これらの構造物の体積抵抗
率と比誘電率を測定した結果を表1に示す。体積抵抗率
は形成した構造物の表面を十分に平滑になるよう鏡面研
磨し、構造物表面にφ13mmの円形の金電極とその外
側に幅1mmの電極を1mmのギャップをかいして同心
円上設けた外部電極、基板である真鍮を下部電極とした
測定用試料を作製し、円形電極と下部電極との間で10
0Vの電圧を印加し、印加後約60sec間放置し安定
した電流値を微小電流計で読みとり、オームの法則にて
求めた。ついで比誘電率はεrを、金電極と導電性の基
板との間でヒューレット・パッカード製インピーダンス
/ゲイン・フェーズ・アナライザHP4194Aを使用
して測定周波数1MHzの電圧を印加し、構造物の静電
容量を温度25℃、湿度50%、測定することにより求
めた。これらの値の算出に必要な構造物の形成高さは日
本真空技術株式会社製触針式表面形状測定器Dekta
k3030を用いて測定した。表1によると、酸化アル
ミニウム・ニッケル複合構造物は酸化アルミニウム構造
物に比べて体積抵抗率が一桁小さく、また比誘電率も小
さくなっていることがわかる。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例2)実施例2では、実施例1と同
様の形成手段により、酸化アルミニウム微粒子粉体に対
して平均粒径20nmの単結晶金属ニッケル微粒子を重
量比で5%混合させた複合微粒子粉体を作製し、複合構
造物の形成を行った。得られた構造物の透過型電子顕微
鏡イメージを図3に示す。イメージ中で観察される直径
がおおよそ20nmの黒い円形状斑点が単結晶金属ニッ
ケル微粒子であり、その周りが酸化アルミニウムの多結
晶組織である。酸化アルミニウム構造物内にニッケルが
点在しており、互いが接合された緻密な組織となってい
ることが見て取れる。
【0055】(実施例3)実施例3では、構造物形成に
際する微粒子の速度の測定について述べる。前記した微
粒子の速度の測定には次の方法を用いた。図4に微粒子
速度測定装置を示す。図示しないチャンバー内にエアロ
ゾルを噴射するノズル31が開口を上に向けて設置さ
れ、その先にモーターによって回転運動する回転羽根3
2の先に設置された基板33およびその基板表面から1
9mm下に離れて固定された幅0.5mmの切りかきを
もつスリット34を有する微粒子速度測定装置3を配置
する。ノズル31の開口から基板表面までの距離は24
mmである。次に微粒子速度測定方法を記す。エアロゾ
ルの噴射は、実際の複合構造物作製方法に準じて行う。
構造物形成室内で構造物を形成する基板の代わりに、図
の微粒子速度測定装置3を設置して行うことが好適であ
る。図示しないチャンバーを減圧下におき、数kPa以
下の圧力としたのちにノズル31から微粒子を含むエア
ロゾルが噴射させ、この状態で微粒子速度測定装置3を
一定回転速度で運転させる。ノズル31の開口から飛び
出した微粒子は、基板33がノズル31の上部に来た際
にその一部がスリット34の切りかきの隙間を通過して
基板表面に衝突し、基板33上に構造物(衝突痕)を形
成する。微粒子がスリットから19mm離れた基板表面
に到達する間に基板33は回転羽根32の回転によって
位置を変化させているため、基板33上におけるスリッ
ト34の切りかきからの垂線交差位置よりその変位量分
ずれた位置に衝突する。この垂線交差位置から衝突して
形成された構造物までの距離を表面凹凸測定により計測
し、この距離およびスリット34と基板表面からの距
離、回転羽根32の回転速度の値を用いて、ノズル31
から噴射された微粒子の速度としては、ノズル31の開
口から5mm離れた場所から24mm離れた場所までの
平均速度を算出し、これを本件における微粒子の速度と
した。
【0056】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る複合構造物
は、セラミックスなどの脆性材料と金属などの延性材料
をナノレベルの大きさで複合化させているので、従来に
は存在しない特性を有する新規の物質を提供することが
できる。また、本発明に係る複合構造物の作製方法によ
れば、膜状に限らず任意の3次元形状の複合構造物を作
成できるので、その用途をあらゆる分野に拡大すること
ができる。更に、基材上に複合構造物を形成する場合に
も、低温(室温程度)で、加熱焼成などの工程を経ない
ので、任意の基材を選定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様としての構造物作製装置を説明
した図。
【図2】本発明の一態様としての構造物作製装置を説明
した図。構造物作製装置を説明した図。
【図3】構造物の透過電子顕微鏡イメージ
【図4】微粒子速度測定装置図
【符号の説明】 10…複合構造物作製装置、 101…ガスボンベ、
102…搬送管、 103…エアロゾル発生器、 10
3b…複合微粒子粉体、 104…解砕器、105…分
級器、 106…構造物形成室、 107…ノズル、
108…基板、 109…XYステージ、 110…真
空ポンプ、 213a…脆性材料微粒子、 213b…
延性材料微粒子、 20…複合構造物作製装置、 20
1a、201b…ガスボンベ、 202a、202b…
搬送管、 203a、203b…エアロゾル発生器、
204a、204b…解砕器、 205a、205b…
分級器、 206a、206b…エアロゾル濃度測定
器、 207…構造物形成室、 208…ノズル、 2
09…基板、 210…XYステージ、 211…真空
ポンプ、 212…制御装置。
フロントページの続き (72)発明者 清原 正勝 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 森 勝彦 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 横山 達郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 吉田 篤史 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 伊藤 朋和 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 明渡 純 茨城県つくば市東一丁目1番1号 独立行 政法人産業技術総合研究所 つくばセンタ ー内 Fターム(参考) 4K044 AA01 AB10 BA01 BA02 BA04 BA06 BA08 BA10 BA11 BA12 BA13 BA14 BA18 BA21 BB11 BB17 BC01 BC02 BC06 BC11 BC12 BC14 CA21 CA29 CA53

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種類以上のセラミックスや半導体など
    の脆性材料の結晶と、一種類以上の金属などの延性材料
    の結晶および/または微細組織が分散した構造物であっ
    て、前記脆性材料の結晶からなる部分は多結晶であり、
    この多結晶部分を構成する結晶は実質的に結晶配向性が
    なく、また前記脆性材料同士の結晶界面にはガラス質か
    らなる粒界層が実質的に存在しないことを特徴とする複
    合構造物。
  2. 【請求項2】 基材表面に、一種類以上のセラミックス
    や半導体などの脆性材料の結晶と、一種類以上の金属な
    どの延性材料の結晶および/または微細組織が分散した
    構造物が形成された複合構造物であって、前記脆性材料
    の結晶からなる部分は多結晶であり、この多結晶部分を
    構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記脆
    性材料同士の結晶界面にはガラス質からなる粒界層が実
    質的に存在せず、更に前記構造物の一部は基材表面に食
    い込むアンカー部となっていることを特徴とする複合構
    造物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分を構成する結晶は熱による粒成長を伴っ
    ていないことを特徴とする複合構造物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分は、平均結晶子径が500nm以下で緻
    密度が70%以上であることを特徴とする複合構造物。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分は、平均結晶子径が100nm以下で緻
    密度が95%以上であることを特徴とする複合構造物。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分は、平均結晶子径が50nm以下で緻密
    度が99%以上であることを特徴とする複合構造物。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分を構成する結晶は、アスペクト比が2.
    0以下であることを特徴とする複合構造物。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の複合構造物において、
    前記多結晶部分を構成する結晶同士の界面に、結晶を構
    成する主要な金属元素以外の元素が偏析していないこと
    を特徴とする複合構造物。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至請求項8のいずれか1項に
    記載の複合構造物において、前記基材はガラス、金属、
    半導体、セラミックスあるいは有機化合物であることを
    特徴とする複合構造物。
  10. 【請求項10】 脆性材料微粒子および延性材料微粒子
    を基材表面に同時あるいは別々に高速で衝突させて前記
    基材表面に食い込むアンカー部を形成し、同時に衝突の
    衝撃によって前記脆性材料微粒子を変形または破砕さ
    せ、この変形または破砕にて生じた活性な新生面を介し
    て前記微粒子同士を再結合せしめ、前記アンカー部の上
    に脆性材料の結晶と延性材料微粒子の結晶および/また
    は微細組織が分散した組織を形成することを特徴とする
    複合構造物の作製方法。
  11. 【請求項11】 一種類以上の延性材料を脆性材料微粒
    子表面にコーティングさせる工程を経て複合微粒子を形
    成した後、該複合微粒子を基材表面に高速で衝突させて
    前記基材表面に食い込むアンカー部を形成し、同時に衝
    突の衝撃によって前記複合微粒子を変形または破砕さ
    せ、この変形または破砕にて生じた活性な新生面を介し
    て前記複合微粒子同士を再結合せしめ、前記アンカー部
    の上に脆性材料の結晶と延性材料微粒子の結晶および/
    または微細組織とが分散した構造物を形成することを特
    徴とする複合構造物の作製方法。
  12. 【請求項12】 脆性材料微粒子および延性材料微粒子
    を基材表面に盛り付け、この脆性材料微粒子および延性
    材料微粒子に機械的衝撃力を付加して前記基材表面に食
    い込むアンカー部を形成し、同時に機械的衝撃により前
    記脆性材料微粒子を変形または破砕させ、この変形また
    は破砕にて生じた活性な新生面を介して前記微粒子同士
    を再結合せしめ、前記アンカー部の上に、脆性材料の結
    晶と延性材料の結晶および/または微細組織が分散した
    組織からなる構造物を形成することを特徴とする複合構
    造物の作製方法。
  13. 【請求項13】 一種類以上の延性材料を該脆性材料微
    粒子表面にコーティングさせる工程を経て複合微粒子を
    形成した後、該複合微粒子を基材表面に盛り付け、この
    複合微粒子に機械的衝撃力を付加して前記基材表面に食
    い込むアンカー部を形成し、同時に機械的衝撃により前
    記脆性材料微粒子を変形または破砕させ、この変形また
    は破砕にて生じた活性な新生面を介して前記微粒子同士
    を再結合せしめ、前記アンカー部の上に、脆性材料の結
    晶と延性材料の結晶および/または微細組織が分散した
    組織からなる構造物を形成することを特徴とする複合構
    造物の作製方法。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至請求項13のいずれか
    1項に記載の複合構造物の作製方法において、前記構造
    物を形成させる工程の前処理として、前記脆性材料微粒
    子に内部歪を印加させる工程を設けたことを特徴とする
    複合構造物の作製方法。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至請求項13のいずれか
    1項に記載の複合構造物の作製方法において、この作製
    方法は室温で行なうことを特徴とする複合構造物の作製
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項10乃至請求項13のいずれか
    1項に記載の複合構造物の作製方法において、前記構造
    物を形成した後に、当該複合構造物の融点以下の温度で
    加熱処理して組織制御を行うことを特徴とする複合構造
    物の作製方法。
  17. 【請求項17】 請求項10乃至請求項13のいずれか
    1項に記載の複合構造物の作製方法において、この作製
    方法は減圧下で行なうことを特徴とする複合構造物の作
    製方法。
  18. 【請求項18】 請求項10または請求項11に記載の
    複合構造物の作製方法において、前記基材表面に前記脆
    性材料微粒子および延性材料微粒子、あるいは前記複合
    微粒子を高速で衝突させる手段は、前記微粒子をガス中
    に分散させたエアロゾルを、高速で前記基板材料に向け
    て噴射することとしたことを特徴とする複合構造物の作
    製方法。
  19. 【請求項19】 請求項10または請求項11または請
    求項18に記載の複合構造物の作製方法において、前記
    脆性材料微粒子または前記複合材料微粒子の平均粒径が
    0.1〜5μmであり、前記基材に衝突する際の前記脆
    性材料微粒子または前記複合材料微粒子の速度が50〜
    450m/sであることを特徴とする複合構造物の作製
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項10または請求項11または請
    求項18に記載の複合構造物の作製方法において、前記
    脆性材料微粒子または前記複合材料微粒子の平均粒径が
    0.1〜5μmであり、前記基材に衝突する際の前記脆
    性材料微粒子または前記複合材料微粒子の速度が150
    〜400m/sであることを特徴とする複合構造物の作
    製方法。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載の複合構造物の作製
    方法において、前記ガスの種類および/または分圧を制
    御して、前記構造物の電気的特性・機械的特性・化学的
    特性・光学的特性・磁気的特性を制御することを特徴と
    する複合構造物の作製方法。
  22. 【請求項22】 請求項18に記載の複合構造物の作製
    方法において、前記ガス中の酸素分圧を制御して、前記
    構造物の電気的特性・機械的特性・化学的特性・光学的
    特性・磁気的特性を制御することを特徴とする複合構造
    物の作製方法。
  23. 【請求項23】 脆性材料微粒子および延性材料微粒子
    を基材表面に同時あるいは別々に高速で衝突させて前記
    基材表面に食い込むアンカー部を形成し、同時に衝突の
    衝撃によって前記脆性材料微粒子を変形または破砕さ
    せ、この変形または破砕にて生じた活性な新生面を介し
    て前記微粒子同士を再結合せしめ、前記アンカー部の上
    に脆性材料の結晶と延性材料微粒子の結晶および/また
    は微細組織が分散した組織を形成することで得られたこ
    とを特徴とする複合構造物。
  24. 【請求項24】 一種類以上の延性材料を脆性材料微粒
    子表面にコーティングさせる工程を経て複合微粒子を形
    成した後、該複合微粒子を基材表面に高速で衝突させて
    前記基材表面に食い込むアンカー部を形成し、同時に衝
    突の衝撃によって前記複合微粒子を変形または破砕さ
    せ、この変形または破砕にて生じた活性な新生面を介し
    て前記複合微粒子同士を再結合せしめ、前記アンカー部
    の上に脆性材料の結晶と延性材料微粒子の結晶および/
    または微細組織とが分散した構造物を形成することで得
    られたことを特徴とする複合構造物。
  25. 【請求項25】 脆性材料微粒子および延性材料微粒子
    を基材表面に盛り付け、この脆性材料微粒子および延性
    材料微粒子に機械的衝撃力を付加して前記基材表面に食
    い込むアンカー部を形成し、同時に機械的衝撃により前
    記脆性材料微粒子を変形または破砕させ、この変形また
    は破砕にて生じた活性な新生面を介して前記微粒子同士
    を再結合せしめ、前記アンカー部の上に、脆性材料の結
    晶と延性材料の結晶および/または微細組織が分散した
    組織からなる構造物を形成することで得られたことを特
    徴とする複合構造物。
  26. 【請求項26】 一種類以上の延性材料を該脆性材料微
    粒子表面にコーティングさせる工程を経て複合微粒子を
    形成した後、該複合微粒子を基材表面に盛り付け、この
    複合微粒子に機械的衝撃力を付加して前記基材表面に食
    い込むアンカー部を形成し、同時に機械的衝撃により前
    記脆性材料微粒子を変形または破砕させ、この変形また
    は破砕にて生じた活性な新生面を介して前記微粒子同士
    を再結合せしめ、前記アンカー部の上に、脆性材料の結
    晶と延性材料の結晶および/または微細組織が分散した
    組織からなる構造物を形成することで得られたことを特
    徴とする複合構造物。
  27. 【請求項27】 請求項23乃至請求項26のいずれか
    1項に記載の複合構造物において、前記構造物を形成さ
    せる工程の前処理として、前記脆性材料微粒子に内部歪
    を印加させる工程を設けてなる複合構造物。
  28. 【請求項28】 請求項23乃至請求項26のいずれか
    1項に記載の複合構造物において、前記脆性材料微粒子
    は、平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする
    複合構造物。
  29. 【請求項29】 請求項23乃至請求項26のいずれか
    1項に記載の複合構造物において、この構造物は室温で
    作製されることを特徴とする複合構造物。
  30. 【請求項30】 請求項23乃至請求項26のいずれか
    1項に記載の複合構造物において、前記構造物を形成し
    た後に、前記構造物の融点以下の温度で加熱処理して組
    織制御を行うことを特徴とする複合構造物。
  31. 【請求項31】 請求項23乃至請求項26のいずれか
    1項に記載の複合構造物において、この構造物は減圧下
    で作製されることを特徴とする複合構造物。
  32. 【請求項32】 請求項23または請求項24に記載の
    複合構造物において、前記基材表面に微粒子を高速で衝
    突させる手段は、この微粒子をガス中に分散させたエア
    ロゾルを、高速で前記基板に向けて噴射することとした
    ことを特徴とする複合構造物。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の複合構造物におい
    て、前記ガスの種類および/または分圧を制御して、前
    記構造物の電気的特性・機械的特性・化学的特性・光学
    的特性・磁気的特性を制御して得られることを特徴とす
    る複合構造物。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の複合構造物におい
    て、前記ガス中の酸素分圧を制御して、前記構造物の電
    気的特性・機械的特性・化学的特性・光学的特性・磁気
    的特性を制御して得られることを特徴とする複合構造
    物。
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