JP2003255251A - 走査制御装置、プログラム、位置決め機構、光走査ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
走査制御装置、プログラム、位置決め機構、光走査ユニット及び画像形成装置Info
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- JP2003255251A JP2003255251A JP2002057428A JP2002057428A JP2003255251A JP 2003255251 A JP2003255251 A JP 2003255251A JP 2002057428 A JP2002057428 A JP 2002057428A JP 2002057428 A JP2002057428 A JP 2002057428A JP 2003255251 A JP2003255251 A JP 2003255251A
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Abstract
る画質低下を抑えることができる画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 3つの偏向モジュール100を、図示し
ない感光体ドラムの表面移動方向で且つ副走査方向でも
ある方向yに直交する方向xに沿わせて並行配設した光
走査ユニット300において、各偏向モジュール100
を次のように配設した。即ち、それぞれの主走査方向
x’を、副走査方向たる方向yに直交する方向xよりも
傾斜角度θだけ傾けて、画像全体の走査開始点と走査開
始点Pbとの方向yにおけるずれ量を1画素分よりも大
きくするように配設した。また、ビットマップ画像デー
タを3分割した各分割マトリクスについて、それぞれ各
画素に対応する上記座標を分割マトリクスから傾斜角度
θだけ傾いた傾斜マトリクス内の座標に変換した結果に
基づいて、各半導体レーザ110の駆動タイミングを決
定させるようにした。
Description
る走査制御装置、コンピュータに用いられるプログラ
ム、画像形成装置内で光走査装置の位置決めを行う位置
決め機構、光走査装置を複数備える光走査ユニット、及
び画像形成装置に関するものである。
向手段によって偏向せしめながら被走査面に走査する光
走査装置が、デジタル方式のレーザ複写機やプリンタ等
の画像形成装置に広く用いられている。この光走査装置
は、半導体レーザ等の光源から発した光ビームを、回転
するポリゴンミラーや往復振動する振動ミラーなどを用
いる偏向手段によって逐次偏向せしめて、感光体ドラム
等の潜像担持体の表面に走査する。光源から発せられた
光ビームは、潜像担持体の表面上でその移動方向に概ね
直交する方向に移動するように偏向せしめられる。潜像
担持体の表面上で光ビームがこのように移動する方向は
主走査方向と呼ばれている。潜像担持体が表面移動しな
ければ、光ビームは潜像担持体の同じ位置を直線状に繰
り返し照射するだけである。しかし、潜像担持体の表面
は主走査方向に概ね直交する方向に移動するため、光ビ
ームはこの方向にも走査される。この方向(潜像担持体
の表面移動方向)は副走査方向と呼ばれている。これら
主、副の両方の走査により、潜像担持体には静電潜像が
光書込される。書き込まれた静電潜像は、画像形成装置
内の現像装置によって現像されて可視像となる。
手段がポリゴンミラーを用いるものである場合、ポリゴ
ン駆動モータは、設計基準回転数に対して数[%]程度
の回転誤差を生ずるのが一般的である。このため、ポリ
ゴンミラーを用いる偏向手段は、単位時間あたりの主走
査回数である走査周波数が個々に異なってくる。走査周
波数が異なってくると、当然ながら、形成される画像の
副走査方向におけるサイズが異なってくる。具体的に
は、ポリゴン駆動モータの回転数が設計基準回転数より
も速くなると、副走査方向における画素ピッチが短くな
るため、画像の副走査方向におけるサイズが小さくな
る。仮に回転誤差が+1[%]であったとすると、主走
査方向に100回走査される間に、副走査方向における
サイズが1画素分も小さくなってしまう。逆に、設計基
準回転数よりも遅くなると、画像の副走査方向における
サイズが大きくなる。
るものである場合でも、振動ミラーは設計基準振動数に
対して数[%]程度の振動誤差を生ずるのが一般的であ
る。このため、振動ミラーを用いる偏向手段において
も、その振動誤差によって副走査方向における画像のサ
イズに誤差が生ずる。つまり、偏向手段に駆動数誤差が
生ずると、画像の副走査方向におけるサイズ誤差が生じ
てしまうのである。
向手段の駆動数誤差に応じて、主走査方向への走査を所
定の周期で補完又は省略させる方法が考えられる。例え
ば、ポリゴン駆動モータの回転誤差が+1[%]である
場合には、100ライン走査する毎に、100回目の走
査ラインと、101回目の走査ラインとの間に1ライン
を補完して走査させるのである。また例えば、+1
[%]である場合には、100ライン目の走査を省略さ
せるのである。このような走査により、画像のサイズ誤
差を抑えることができる。しかしながら、本来存在しな
いラインを書き加えたり、存在していたラインを省略し
たりするため、オリジナル画像を忠実に再現することが
できず、どうしても画質を低下させてしまう。
であり、その目的とするところは、偏向手段の駆動数誤
差に起因する画質低下を抑えることができる走査制御装
置を提供することである。また、かかる画質低下を抑え
ることができるプログラム、位置決め機構、光走査ユニ
ット及び画像形成装置を提供することである。
に、請求項1の発明は、光源から発した光ビームを偏向
手段によって偏向せしめながら被走査面に走査する光走
査装置の少なくとも該光源及び偏向手段の駆動を制御
し、複数の仮想直線を格子状に直交させたマトリクス内
の座標によって各画素の位置が示される画像情報に基づ
いて該光源の駆動タイミングを決定する走査制御装置に
おいて、各画素に対応する上記座標を、上記マトリクス
から所定角度傾いた傾斜マトリクス内の座標に変換した
結果に基づいて、上記光源の駆動タイミングを決定させ
るようにしたことを特徴とするものである。また、請求
項2の発明は、請求項1の走査制御装置であって、上記
光走査装置による走査ビームを所定位置で検知する走査
ビーム検知手段からの信号に基づいて該光走査装置の単
位時間あたりの走査回数である走査周波数を演算し、演
算結果に応じた仮想直線配設ピッチの上記傾斜マトリク
スを使用することを特徴とするものである。また、請求
項3の発明は、請求項1又は2の走査制御装置であっ
て、一走査周期内において、走査速度の変動に応じて上
記光源の駆動周期を変化させることを特徴とするもので
ある。また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
走査制御装置であって、上記画像情報の上記マトリクス
をその一方の座標軸方向で複数に分割し、分割マトリク
スのそれぞれについて、各画素に対応する座標を上記傾
斜マトリクス内の座標に変換した結果に基づいて、分割
数と同数の光走査装置におけるそれぞれの上記光源の駆
動タイミングを決定することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、複数の仮想直線を格子状に直
交させたマトリクス内の座標によって各画素の位置が示
される画像情報を、演算処理によって構築する演算処理
手段としてコンピュータを機能させるプログラムにおい
て、各画素に対応する上記座標を上記マトリクスから所
定角度傾いた傾斜マトリクス内の座標に変換して、上記
画像情報を構築し直すことを特徴とするものである。ま
た、請求項6の発明は、所定方向に移動する表面に潜像
を担持する潜像担持体と、光源から発した光ビームを偏
向手段によって偏向せしめながら走査して、該潜像担持
体に対して該潜像の光書込を行う光走査装置とを有する
画像形成装置内にて、該光走査装置から発せられる光ビ
ームの偏向による該潜像担持体上での移動方向たる主走
査方向を位置決めする位置決め機構であって、上記主走
査方向を、上記潜像担持体の表面移動方向たる副走査方
向に直交する方向よりも傾けて、画像全体の上記主走査
方向における走査先端位置と走査終端位置とを該副走査
方向に1画素分のサイズよりも大きくずらした位置決め
を行うことを特徴とするものである。また、請求項7の
発明は、請求項6の位置決め機構であって、複数の上記
光走査装置を有する光走査ユニットにおけるそれぞれの
光走査装置の上記主走査方向について、上記副走査方向
に直交する方向よりも傾けた位置決めを行うことを特徴
とするものである。また、請求項8の発明は、光源から
発した光ビームを偏向手段によって偏向せしめながら走
査する複数の光走査装置がそれぞれの該偏向手段を並行
に位置させるように固定された光走査ユニットであっ
て、それぞれの偏向手段が偏向による上記光ビームの走
査方向を互いの並び方向から傾ける姿勢で1つの固定部
材に固定されていることを特徴とするものである。ま
た、請求項9の発明は、所定方向に移動する表面に潜像
を担持する潜像担持体と、光源から発した光ビームを偏
向手段によって偏向せしめながら走査して、該潜像担持
体に対して該潜像の光書込を行う光走査装置と、該偏向
手段の画像形成装置本体内における位置決めを行うため
の位置決め機構と、該光走査装置の少なくとも該光源及
び偏向手段の駆動を制御し、複数の仮想直線を格子状に
直交させたマトリクス内の座標によって各画素の位置が
示される画像情報に基づいて該光源の駆動タイミングを
決定する走査制御装置とを備える画像形成装置におい
て、上記位置決め機構として請求項6又は7のものを用
いたことを特徴とするものである。また、請求項10の
発明は、請求項9の画像形成装置において、複数の上記
光走査装置を有する請求項8の光走査ユニットと、請求
項7の位置決め機構とを用いるとともに、上記走査制御
装置として、請求項4のものを用いたことを特徴とする
ものである。また、請求項11の発明は、請求項10の
画像形成装置であって、上記走査制御装置が、各光走査
装置の上記偏向手段のそれぞれについて、傾き誤差に応
じた傾斜角度の上記傾斜マトリクスを用いることを特徴
とするものである。また、請求項12の発明は、請求項
10又は11の画像形成装置であって、上記走査制御装
置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについ
て、上記副走査方向における位置ズレに応じて、上記分
割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記副走査方向
における相対位置をずらして座標変換することを特徴と
するものである。また、請求項13の発明は、請求項1
0、11又は12の画像形成装置であって、上記走査制
御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれにつ
いて、上記主走査方向における位置ズレに応じて、上記
分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記主走査方
向における相対位置をずらして座標変換し、且つ、該位
置ズレに応じて各光走査装置による主走査開始タイミン
グ及び主走査終了タイミングをずらすことを特徴とする
画像形成装置。ものである。また、請求項14の発明
は、請求項10、11、12又は13の画像形成装置で
あって、各光走査装置について、それぞれ単位時間あた
りの主走査回数である走査周波数が、上記潜像担持体の
表面移動速度を上記副走査方向における走査ピッチで除
算した値よりも大きいことを特徴とするものである。ま
た、請求項15の発明は、請求項9、10、11、1
2、13又は14の画像形成装置であって、請求項9、
10、11、12、13又は14の画像形成装置であっ
て、上記光走査装置が複数の光源を有し、これらから同
時に発せられた複数の光ビームを上記偏向手段によって
偏向せしめることを特徴とするものである。これらの発
明においては、走査制御装置又はプログラムにより、例
えば図1に示すような1ライン画像の形成を可能にする
マトリクスにおける各画素の座標が、図2に示すような
傾斜マトリクスにおける座標に変換される。図1におい
て、マトリクスのY座標軸は図示しない潜像担持体の表
面移動方向である副走査方向に相当する。また、X座標
軸は副走査方向に直交し且つ潜像担持体の被走査面に平
行な方向(以下、単に副走査方向に直交する方向とい
う)に相当する。従来の画像情報は、図1に示すよう
に、各画素のx座標を副走査方向(Y軸方向)に直交す
る方向に対応させて記憶している。かかる画像情報で
は、光ビームが主走査方向に走査されながら、潜像担持
体の表面が副走査方向に実際に移動しないと、潜像担持
体の表面における1ライン領域だけが繰り返し走査され
るだけである。よって、副走査方向における光ビームの
照射ピッチ(副走査方向の画素ピッチ)が、潜像担持体
の表面移動速度に完全に依存してしまう。このため、偏
向手段の駆動数誤差によって単位時間あたりの主走査回
数(走査周波数)が変動してしまうと、副走査方向にお
ける画像のサイズ誤差が生じてしまうのである。これに
対し、本発明においては、図1のマトリクスのX−Y座
標で示されていた各画素の位置が、図2に示したよう
に、傾斜マトリクスのX’−Y’座標に変換される。変
換後における殆どの画素の位置は、変換前よりも副走査
方向に微妙にシフトするが、画像全体としては主走査方
向にほぼ一直線となる。一方、偏向手段の主走査方向を
画像形成装置本体内に位置決めする位置決め機構は、該
主走査方向を副走査方向に直交する方向よりも大きく傾
けるような位置決めを行う。具体的には、図3に示すよ
うな位置決めである。図3において、方向yは副走査方
向を示し、図示しない潜像担持体の表面移動方向と同じ
である。また、方向xはこの副走査方向に直交する方向
である。また、方向x’は、図示しない光走査装置の偏
向手段によって偏向せしめられる光ビームの潜像担持体
上での移動方向、即ち該光走査装置の主走査方向であ
る。従来の位置決め機構は、主走査方向を副走査方向た
る方向yに直交する方向xに沿わせるように位置決めす
るのが一般的であった。また、潜像担持体の表面移動を
考慮して、主走査方向を方向xよりも若干傾けるような
位置決めをすることも希にあったが、その傾斜角度θに
ついては、点Psと点Peとの方向yにおけるずれ量M
yを1画素分以下にする値にとどめていた。この点P
s、Peとは、それぞれ方向xにおける走査開始点、走
査終了点である。副走査方向たる方向yにおける両点の
ずれ量Myを1画素分よりも大きくしてしまうと、潜像
担持体表面上での走査軌跡を逆方向に傾けてしまうから
である。具体的には、潜像担持体表面は、光走査装置に
よって点Psが光照射されてから点Peが光照射される
までの間に方向yに向けて移動する。このため、主走査
方向が方向xと同じであると、潜像担持体表面上での走
査軌跡(照射ライン)が方向xよりも図中右斜め上に傾
いてしまう。そこで、この傾きを考慮して、主走査方向
(x’)を予め図中右斜め上に傾けるようにし、実際に
潜像担持体表面で得られる走査軌跡を方向yに直交させ
るように傾斜角度θを設けるわけである。しかし、点P
sと点Peとの方向yにおけるずれ量Myを1画素分よ
り大きくするような傾斜角度θに設定すると、今後は走
査軌跡を逆方向に傾けてしまう。このため、従来は、点
Psと点Peとの方向yにおけるずれ量Myを1画素分
以下にする値に、上記傾斜角度θをとどめていたのであ
る。しかしながら、本発明に係る位置決め機構は、ずれ
量を1画素よりも大きくする傾斜角度θで偏向手段の主
走査方向を位置決めする。このように主走査方向を位置
決めされた偏向手段が、上述のような座標変換後の画像
情報に基づいて駆動制御されるとする。すると、図4に
示すように、従来では主走査方向への1回の走査によっ
て得られていた1ライン画像が、複数回の走査によって
得られることになる。かかる構成では、従来では潜像担
持体の表面移動速度に完全に依存させていた副走査方向
の画素ピッチを、主走査方向における走査タイミングに
よっても依存させることが可能になる。そして、このこ
とにより、主走査方向における走査タイミングに基づい
て副走査方向の画素ピッチを微妙に調整して、偏向手段
の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができ
る。なお、請求項5のプログラムについては、CD−R
OM等の記録媒体に記録された状態で配布したり、入手
したりすることができる。また、このプログラムの情報
信号を、所定の送信装置によって公衆電話回線、専用
線、無線通信手段、その他の通信網などを介して送信す
ることでも、配布や入手が可能である。この送信の際、
情報信号の伝送媒体中には、プログラムに係る情報信号
の少なくとも一部が伝送されていればよい。よって、プ
ログラムを構成するためのすべての情報信号が、一時に
伝送媒体上に存在している必要はない。また、請求項9
の画像形成装置における走査制御装置が、必ずしも請求
項1、2、3又は4の走査制御装置である必要はない。
請求項5のプログラムに基づいて座標変換された画像情
報を受け取れば、従来の光制御装置であっても副走査方
向の画素ピッチを微妙に調整することができるからであ
る。
装置の一実施形態として、電子写真方式のレーザプリン
タ(以下、単にプリンタという)について説明する。ま
ず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図5
は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。図にお
いて、プリンタ筐体内の略中央には、図示しない駆動手
段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体ドラ
ム1が配設されている。潜像担持体たる感光体ドラム1
の周囲には、帯電チャージャ2、光走査ユニット30
0、現像装置4、転写チャージャ5、ドラムクリーニン
グ装置6などが配設されている。回転駆動する感光体ド
ラム1の表面は、帯電チャージャ2によって一様帯電せ
しめられる。光走査ユニット300は、図示しないパー
ソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づ
いて、光ビームLを一様帯電後の感光体ドラム1表面に
走査する。この走査に基づく露光により、感光体ドラム
1表面には静電潜像が書き込まれる。書き込まれた静電
潜像は、ドラム表面の回転に伴って現像装置4との対向
位置を通過する際に、現像ローラ4aからトナーが付着
せしめられてトナー像に現像される。現像装置4内にお
いて、現像ローラ4aに供給するトナーを収容するトナ
ー収容部4cに対しては、トナーカートリッジ4b内の
トナーが補給される。現像されたトナー像は、ドラム表
面の回転に伴って転写チャージャ5との対向位置である
転写位置に至る。
ット7が配設されている。この給紙カセット7は、内部
に転写紙Pを複数重ねた状態で収容しており、一番上の
転写紙Pに給紙ローラ7aを当接させている。そして、
所定のタイミングで給紙ローラ7aを回転駆動して、一
番上の転写紙Pを送り出す。送り出された転写紙Pは、
レジストローラ対8のローラ間ニップに挟まれる。レジ
ストローラ対8は、転写紙Pを、上記転写位置で感光体
ドラム1上のトナー像と重ね合わせ得るタイミングを見
計らって送り出す。上記転写位置には、上記転写チャー
ジャ5の影響によって転写電界が形成されている。転写
位置で転写紙Pに重ね合わされたトナー像は、この転写
電界の影響によってドラム表面から転写紙P表面に静電
的に転写される。
た転写紙Pは、紙搬送装置8を経由した後に定着装置9
内に送られる。そして、加熱ローラ9aと加圧ローラ9
bとによって形成された定着ニップに挟まれて、トナー
像の定着処理が施される。定着処理を終えた転写紙P
は、排紙ローラ対11を経由して機外の排紙トレイ10
上にストックされる。
装置に用いられる偏向モジュールを示す分解斜視図であ
る。この光走査装置は、振動ミラーの共振によってビー
ムを偏向せしめるものである。図6において、偏向手段
たる偏向モジュール100は、振動ミラー101を有し
ている。この振動ミラー101は枠部102の内側に配
設されており、その素材には厚さ60[μm]のシリコ
ンが用いられている。振動ミラー101の裏面には、図
中点線で示すようにリブが形成されている。このリブに
より、ミラー板部の厚みを5[μm]程度まで薄くして
軽量化が図られるとともに、その厚みでも十分な耐久性
が確保されるようになっている。振動ミラー101の少
なくともおもて面には、金(Au)等の導電性金属被膜
が蒸着されている。また、長方形状の振動ミラー101
における4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面
には、ねじり梁101aが形成されている。ねじり梁1
01aが枠部102に回転自在に支持されることによ
り、振動ミラー101の図中矢印A方向の振動が可能に
なっている。長方形状の振動ミラー101における4つ
の端部のうち、ねじり梁101aが形成されていない2
つの端部には、櫛歯状の凹凸が形成されている。この凹
凸の少なくとも側面や、上記ねじり梁101aの少なく
とも上面にも導電性金属被膜が蒸着されており、前者は
後者からミラーおもて面を介して電圧が供給される側面
電極として機能するようになっている。
の凹凸を形成する部分があり、振動ミラー101の上記
凹凸と噛み合うようになっている。この枠部102の凹
凸も導電性材料で形成され、固定電極部102aとして
機能するようになっている。固定電極部102aと、振
動ミラー101の上記側面電極との電位差で生ずる静電
力によって振動ミラー101を矢印A方向に微小回転角
で振動せしめるように、各電極に電圧が印加される。こ
れにより、振動ミラー101が微小回転各で往復振動す
る。電圧の周波数が振動ミラー101の共振周波数に近
づくと、励振によるミラー振幅が拡大する。図示の例で
は、電極間(上記側面電極〜固定電極部間)のギャッ
プ、上記ねじり梁101aの幅、ミラー径が、それぞれ
4μm、60μm、4×2mmに設定され、振動ミラー
101が2.5kHzで共振振動する。なお、各電極を
櫛歯状としているのは、各電極の表面積をできるだけ多
く確保するためで、低電圧でより大きい静電トルクを得
るように配慮している。
mのシリコン素材が用いられたフレーム基板103が固
定されている。このフレーム基板103は、図示しない
絶縁膜を介して枠部102に接合されており、その中央
部に大きく見開かれた貫通開口から、振動ミラー101
を覗かせるようになっている。フレーム基板103に
は、振動ミラー101のねじり梁101a上面や、枠部
102の固定電極部102aに電源を導くための複数の
引き出し配線103aがパターン形成されている。
厚み525μmのシリコン素材が用いられた対向ミラー
基板104が固定される。この対向ミラー基板104に
はスリット状の細長い貫通開口104aが形成されてい
る。対向ミラー基板104は、この貫通開口104aの
長手方向を、振動ミラー101に対向させるように位置
合わせしてフレーム基板103に固定される。対向ミラ
ー基板104には、フレーム基板103の上記引き出し
配線103aに接触せしめられる複数の電極パッド10
4bが形成されている。また、基板裏面には、接合面か
ら約26[°]傾いた反射面S1を有する第1ミラーチ
ップ104c、約9[°]傾けた反射面S2を有する第
2ミラーチップ104dが、上記貫通開口104bを互
いに挟むように固定されている。これらミラーチップの
反射面S1、S2は、それぞれエッチング処理によって
スライス角度を結晶面方位から26、9[°]傾けるよ
うに形成されたシリコン基板面上に、金属被膜が蒸着さ
れたものである。
5が固定されている。この支持基体105は、矩形状の
底板部105aと、これの上側に位置する台座部105
bとが鉄(Fe)等の焼結金属によって一体形成された
ものである。台座部105bには振動する振動ミラー1
01の端部を受け入れるための四角状の凹部105cか
形成されている。
ぞれ導電性材料で形成された円柱状端子106が支持基
体105を貫通するように固定されている。但し、支持
基体105と各円柱状端子106との間には図示しない
絶縁材が介在しているため、両者は導通しないようにな
っている。各円柱状端子106は、それぞれ一端側がワ
イヤーボンディングによって上記対向ミラー基板104
の電極パッド104bに接合されている。この接合によ
り、円柱状端子106→電極パッド104b→引き出し
配線103aという経路を経て、上記側面電極や固定電
極部102aに電圧が印加される。
部材は、各円柱状端子106の下端が図示しない電子回
路基板のスルーホールに挿入せしめられて半田付けによ
る電気接続が行われることで、この電子回路基板上に固
定実装される。
面に透明窓107aを有する箱蓋状のカバー107が上
側から被せられる。なお、カバー107内に粘性抵抗の
低い不活性ガスを封入するか、あるいはカバー107内
を減圧状態にすると、より低負荷で振動ミラー101を
振動せしめることが可能になる。
である。図示しない光源から偏向モジュール100に向
けて発せられた光ビームLは、上記透明窓107aの面
方向と直交する方向から約20[°]傾いた入射角度で
偏向モジュール100に入射せしめられる。そして、上
記透明窓107aと上記貫通開口104aとを通過して
振動ミラー101に至り、この表面で反射して反射光と
なる。更に、上記ミラーチップの反射面(S1やS2)
で反射した後、再び振動ミラー101に反射するという
多重反射を繰り返しながら、上記貫通開口104aの僅
かなスリットを通り抜けてモジュール外に射出される。
このような多重反射により、偏向モジュール100から
射出される光の方向は、入射光からこれよりも約40
[°]傾いた範囲内を順次往復移動するように変化す
る。そして、この変化によって光ビームの主走査がなさ
れる。なお、図示の例では、上述のように入射光を多重
反射させることで、振動ミラー101の振れ角を比較的
小さくしても、大きな走査角を得ることができる。例え
ば、光ビームの振動ミラー101による総反射回数を
N、振れ角をαで表すと、走査角θは2Nαとなる。図
示の例では、±5[°]の振れ角αで走査角50[°]
を実現している。
を示す斜視図である。この光走査ユニット300は、3
つの光走査装置200が一つにユニット化された構成と
なっている。各光走査装置200は、それぞれ、上記偏
向モジュール100、半導体レーザ110、第1レンズ
111、第2レンズ112などを有している。また、基
準位置反射ミラー113、走査ビーム検知手段たる基準
角検知センサ114、フレキシブルケーブル115、カ
ップリングレンズ116なども有している。半導体レー
ザ110は、発光源とモニタ用フォトダイオードとがパ
ッケージングされた汎用の素子であり、そのリード端子
はフレキシブルケーブル115によって電子回路基板3
01に結線されている。電子回路基板301には、半導
体レーザ110の変調制御回路や、偏向モジュール10
0の各電極に供給する駆動パルス電圧の制御を行う回路
などを備える走査制御部が形成されている。半導体レー
ザ110から発せられた光ビームLは、軸対称の非球面
である第1面と、垂直走査方向に曲率を発揮するシリン
ダ面である第2面とを有するカップリングレンズ116
によって集束せしめられる。このとき、進行方向と直交
する方向には略平行に、進行方向には振動ミラー101
面が焦点となるように収束せしめられる。そして、上述
のような多重反射を繰り返しながら、偏向モジュール1
00から射出される。射出された光ビームLは、上記感
光体ドラム(図示せず)を露光して静電潜像の光書込を
行う。偏向モジュール100による光ビームLの偏向方
向が図中最も左側の位置になると、モジュールからの光
ビームは第1レンズ111を通過した後に、第2レンズ
112ではなくその左下に位置する同期ミラー113に
至る。そして、ここで反射して基準角検知センサ114
に検知される。上記走査制御部は、この基準角検知セン
サ114による検知タイミングや検知周期に基づいて、
上記振動ミラー101の振動周期(走査周波数)や振動
角変位などを演算する。そして、偏向モジュール間でタ
イミングを合わせるための同期信号を構築する。各光走
査装置200の偏向モジュール100は、1つの電子回
路基板301に固定されている。各偏向モジュール10
0は、図示しない感光体ドラムの表面移動方向で且つ副
走査方向でもある方向yに直交する方向xに沿って互い
に並ぶように、電子回路基板301上に並行配設されて
いる。
配設した画像形成装置は公知となっている。例えば、特
開平3−161778号、特開平9−5655号、特開
平10−197812号公報に記載のものである。かか
る画像形成装置によれば、次に説明する理由により、装
置の大型化を抑えながら、主走査方向の走査領域を増大
させることができる。即ち、例えばA3サイズ用紙の横
幅に対応させるなど、主走査方向の走査領域を幅広く確
保しようとすると、走査レンズの焦点距離をその幅に合
わせて増大させる必要がある。また、ポリゴンミラーや
振動ミラーの幅も増大させる必要がある。更には、この
ような幅広のミラーを駆動させるための駆動手段も、そ
れに見合ったトルクを発揮する大型のものを用いる必要
がある。走査レンズ、ミラー及び駆動手段として、それ
ぞれ大型のものを用いなければならないのである。この
結果、画像形成装置本体内における光走査装置のレイア
ウト自由度を大きく制約して、装置の大型化に迫られる
のである。そこで、複数の光走査装置を副走査方向
(y)に直交する方向(x)に並行配設するのである。
かかる構成によれば、1つの画像情報をそのX座標軸方
向(方向xに相当)に複数に分割することで、主走査領
域を複数に分割する。そして、個々の主走査領域をそれ
ぞれ専用の光走査装置によって走査させることで、光走
査装置として比較的小型なものを用いることが可能にな
る。よって、1つの大型の光走査装置を用いる場合に比
べ、画像形成装置本体の大型化を抑えながら、光走査ユ
ニット全体としての主走査方向の走査領域を増大させる
ことができるのである。本実施形態に係るプリンタにお
いても、かかる走査領域の増大化を図る目的で、3つの
光走査装置200を有する光走査ユニット300を設け
ている。
いては、振動ミラー101の重量誤差、寸法誤差、各導
通路の抵抗誤差などに起因して、振動ミラー101の単
位時間あたりにおける振動数にどうしても誤差を生じて
しまう。振動ミラー101の振動数誤差は、そのまま、
偏向モジュールの単位時間あたりにおける走査回数(走
査周波数)の誤差となって現れる。そして、これによ
り、画像の副走査方向におけるサイズ誤差が生じてしま
う。また、本実施形態では、偏向手段として、振動ミラ
ー101を振動させる偏向モジュール100を用いてい
るが、回転するポリゴンミラーを用いるものでも、ポリ
ゴン回転数の誤差によって同様のサイズ誤差が生じてし
まう。振動数誤差や回転数誤差などの駆動数誤差に応じ
て、主走査方向への走査を所定の周期で補完又は省略さ
せる方法を採用すれば、かかるサイズ誤差を抑えること
ができる。しかしながら、かかる方法では、本来存在し
ないラインを書き加えたり、存在していたラインを省略
したりするため、オリジナル画像を忠実に再現すること
ができず、画質低下が避けられないことは、上述した通
りである。
える画像形成装置において生ずるものであるが、本プリ
ンタのように複数の光走査装置を配設した画像形成装置
では、より深刻な画質低下が生ずる。具体的には、方向
x(副走査方向に直交する方向)に複数に分割した分割
画像間での繋ぎ目が不自然になるのである。
つの光走査装置の走査によって感光体ドラム上に描かれ
る走査軌跡を示す模式図である。図示しない3つの光走
査装置は、それぞれ感光体ドラム上の領域x1、x2、
x3の走査を担当している。これら光走査装置のうち、
どれか1つでも走査周波数の著しく異なるものがある
と、それぞれの光走査装置による走査軌跡が1ライン上
に繋がらなくなる。図9では、領域x2の走査を担当す
る光走査装置の走査周波数が、他の光走査装置の走査周
波数よりも著しく低い例を示している。それぞれの走査
軌跡が1ライン状に繋がらなければ、当然ながら分割画
像間での繋ぎ目が不自然になって画質を著しく低下させ
てしまう。なお、感光体ドラム1表面は走査中にも移動
するため、その表面上での走査軌跡は厳密には方向xか
ら僅かに傾く。図9では、この僅かな傾きを無視して走
査軌跡を描いている。
ー方式の偏向モジュール100を設けた例について説明
したが、他の方式によるものでもよい。例えばポリゴン
ミラー方式の偏向手段でもよい。振動ミラー方式の偏向
手段では主走査方向での往復走査となるが、ポリゴンミ
ラー方式では片道走査となる。但し、振動ミラー方式で
も、振動ミラーの片方向への振動だけを走査に利用する
ようにすれば、片道走査が可能である。
タをX軸方向に3分割する例について説明したが、分割
数と光走査装置の数とを同じにすれば、何分割であって
もよい。
説明する。先に示した図8において、電子回路基板30
1の4隅付近には、それぞれ丸穴301aが設けられて
いる。一方、図示しないプリンタ本体には、基板支持金
具400が固定されている。この基板支持金具400
は、4つの上記丸穴301aにそれぞれ対応する4つの
丸穴400aを有しており、これらにはその内面に雌ネ
ジが着られている。電子回路基板301の4つの丸穴3
01aには、それぞれボルト401が挿入される。挿入
された4つのボルト401は、それぞれ基板支持金具4
00の4つの丸穴400aに螺合せしめられる。この螺
合により、電子回路基板301がプリンタ本体内に固定
されるとともに、3つの偏向モジュール100がそれぞ
れ位置決めされる。偏向モジュール100が位置決めさ
れると、当然ながらその主走査方向も位置決めされる。
よって、本実施形態のプリンタでは、4つの丸穴301
a、基板支持金具400、4つのボルト401によって
位置決め機構が構成されていることになる。
ル100の主走査方向をそれぞれ次に説明するように位
置決めする。即ち、それぞれの主走査方向x’を、副走
査方向たる方向yに直交する方向xよりも傾ける位置決
めである。より詳しくは、単に傾けるだけではなく、先
に図3に示したように、走査開始点Paと走査終了点P
bとの方向yにおけるずれ量が1画素分よりも大きくな
るように、その傾斜角度θを十分に大きくする位置決め
である。傾斜角度θについては、上記走査開始点Paと
上記走査終了点Pbとの方向yにおけるずれ量が1画素
分よりも大きくなれば何°でもよい。
データのマトリクスを示す模式図である。図において、
マトリクスのY軸方向は光書込の副走査方向である方向
yに相当し、X軸方向は方向yに直交する方向xに相当
する。図10では、方向xに真っ直ぐに延びるライン像
が、方向yに3本並列配設される画像の例を示してい
る。画像を構成する各画素の相対位置は、複数の仮想直
線を格子状に直交させたマトリクス内の座標によって示
されている。なお、実機においては、上記X軸方向に数
千の画素が並ぶビットマップ画像データとなるが、図1
0においては便宜上、上記X軸方向の画素配列数を約5
0として描いている。
る走査領域の異なる3つの光走査装置によって光書込を
行う画像形成装置においては、まず、ビットマップ画像
データをそのX軸方向に3分割して3つの分割マトリク
スを構築する。例えば、図10に示したビットマップ画
像データであれば、図11に示すような3つの分割マト
リクスが構築される。各分割マトリクスのマス目サイズ
は、あくまでも理論上の大きさである。3つの光走査装
置(偏向手段)の走査周波数がどれも設計基準通りであ
れば、それぞれのマス目サイズは理論上の大きさと同じ
になる。しかしながら、設計基準から著しく外れる走査
周波数の光走査装置(偏向手段)が存在すると、これに
対応する分割マトリクスの実際のマス目サイズは上記Y
軸方向に伸縮する。例えば、図9に示した例では、真ん
中の領域x2に対応する分割マトリクスにおいて、その
実際のマス目サイズが理論上のサイズよりもY軸方向に
大きく伸びる。但し、マス目内のドットの大きさは変わ
らず、ドットはそのマス目の中心に形成される。このた
め、従来の画像形成装置では、図12に示すように各ド
ットが形成され、各分割位置でライン像が繋がらなくな
ってしまう。
3つの光走査装置(200)のそれぞれについて、上記
基準角検知センサ114による光の検知周期に基づいて
走査周波数を演算する。そして、予め記憶部に記憶して
おいた複数種類の傾斜マトリクスのうち、それぞれの走
査周波数に応じたマス目サイズの傾斜マトリクスを特定
する。この傾斜マトリクスとは、正規のマトリクスから
上記傾斜角度θだけ傾いた座標軸構成となっているマト
リクスである。当然ながら、走査周波数が低くなるほ
ど、マス丈(Y軸方向の長さ)の大きな傾斜マトリクス
が特定される。例えば、図11に示した3つの分割マト
リクスでは、図13に示すような3つの傾斜マトリクス
が特定される。これら3つの傾斜マトリクスのうち、真
ん中の傾斜マトリクスは他のものよりもマス丈が大きく
なっている。
向モジュール(100)の偏向に基づく走査によって感
光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す模式図である。
先に図9に示した例と同様に真ん中の領域x2における
走査周波数が他の領域よりも著しく低くなっている。但
し、それぞれの走査軌跡は、領域にかかわらず傾斜角度
θだけ傾いて描かれる。この傾斜角度θと、先に図8に
示した偏向モジュール100の傾斜角度θとはほぼ同じ
値である。厳密には、一走査時間内における感光体ドラ
ム1の表面移動分だけ前者の傾斜角度θが後者の傾斜角
度θから僅かにずれるが、画質上無視できる程度のずれ
である。後者の傾斜角度θは、主走査方向x’への走査
を5画素分だけ進ませる毎に、副走査方向yへの移動量
を1画素分とする角度である。
斜マトリクスとを重ね合わせると、図15に示すよう
に、各走査軌跡の位置と、それぞれに対応するマス目中
心とがピタリと一致することがわかる。傾斜マトリクス
のマス目の中心は、それに対応する走査軌跡上に位置し
ているのである。
クスと、3つの上記傾斜マトリクスとに基づいて、次に
説明するような処理を行う。即ち、図16に示すよう
に、分割マトリクス内の各ドットの座標を、対応する傾
斜マトリクスの座標(以下、傾斜座標という)に変換す
る。このとき、分割マトリクス内のドットの座標に最も
近い傾斜座標が選ばれる。このように座標変換されたデ
ータに基づいて、各光走査装置(200)による光書込
が行われる。先に図8に示したように、各偏向モジュー
ル100(光走査装置)は、その主走査方向(x’)を
副走査方向(y)から傾斜角度θだけ傾けるように位置
決めされた状態で光ビームLを走査して、感光体ドラム
(1)に対して光書込を行う。このような光書込におい
ては、方向y(副走査方向)の画素ピッチを、方向x’
(主走査方向)における走査タイミングに依存させるこ
とができる。そして、図17に示すように、方向xに延
びる仮想直線上を基線にして各ドットを方向yにジグザ
グにまとわりつかせるように形成することができる。各
領域(x1、x2、x3)の分割ライン像については、
拡大すればジグザグな線として形成することになるが、
全体的にはそれぞれ方向xに一直線上に繋げることがで
きる。よって、方向xにおける分割画像間で繋ぎ目が不
自然になることによる画質の著しい低下を抑えることが
できる。なお、実際の画像においてジグザグの振幅は数
十[μm]であり目視で識別できない程度である。実質
上、無視できる程度のジグザグなのである。
ついては、走査周波数(振動ミラー101の振動周波
数)を予め測定しておき、それに見合ったマス丈の傾斜
マトリクスだけを上記走査制御部に記憶させてもよい。
このようにすれば、上記基準角検知センサ114による
検知結果(同期信号)に基づいてそれぞれの走査周波数
を演算させ、演算結果に応じたマス丈の傾斜マトリクス
を特定させるといった複雑な処理を省略することができ
る。但し、各偏向モジュール100の走査周波数は、温
湿度等の環境変化や装置の劣化進行などによって経時的
に変化するので、かかる構成ではこの変化に対応させる
ことができない。
クスへの座標変換については、必ずしも上記走査制御部
に実施させる必要はない。本プリンタに画像情報を送る
コンピュータが、本プリンタを駆動制御するためのドラ
イバ(プログラム)として、上述のような座標変換をし
てからデータを送信するものであれば、同様の光書込が
可能だからである。
いて、方向xへの一走査周期内における走査速度は、上
記振動ミラー101の振動角度に応じて変化する。具体
的には、一走査周期内における上記振動ミラー101の
振動角度は、図18に示すように正弦波状に変化する。
このため、各偏向モジュール(光走査装置)の一走査周
期内における走査速度は、走査領域(x1、x2又はx
3)内の両端付近よりも中央部の方が速くなる。このよ
うに走査速度が変化するにもかかわらず、各画素に対応
するレーザ駆動周期を等間隔に設定すると、各ドッドを
方向x’(主走査方向)に等間隔に形成させることがで
きなくなる。走査領域内の両端付近よりも中央部でドッ
ト間隔を大きくしてしまうからである。そこで、本プリ
ンタにおいては、図18に示したように、一走査周期内
において、上記振動角度(走査速度の変動)に応じてレ
ーザ駆動周期を変化させるようにしている。具体的に
は、上記同期信号に基づいて、レーザ駆動信号としての
書込パルス信号の発生間隔を調整することで、レーザ駆
動周期を変化させる。そして、これにより、走査領域内
の両端付近よりも中央部のレーザ駆動周期を速めるよう
にしている。かかる構成では、上記光走査装置200の
走査速度が一走査周期内で変化しているにもかかわら
ず、方向x’(ひいては方向x)においてドットを等間
隔に形成することができる。
る。図において、走査制御部500は、A、B、Cとい
う3つの系統毎に、バッファメモリ、書込制御部、分周
器、印字パルス生成部、移動制御部及びレーザ駆動部を
有している。これら3つの系統は、3つの上記光走査装
置にそれぞれ個別に対応している。また、系統分けされ
ない単独の回路として、ラスタデータ変換部、マルチプ
レクサ、基準クロック生成部、偏向用分周器、駆動パル
ス生成部、振幅制御部などを有している。
準パルス信号は、偏向用分周器で分周されて駆動パルス
生成部に入力される。駆動パルス生成部は、偏向用分周
器から送られてくる信号に基づいて、ミラー振動数設計
基準に応じた周波数fのパルスを生成し、振幅制御部に
送る。振幅制御部は、送られてくる周波数fのパルスに
基づいて、駆動パルスを送って各偏向モジュール100
の振動ミラー(101)をそれぞれ共振振動させる。し
かし、上述したように、各光走査装置において、振動ミ
ラーの共振周波数である走査周波数fdは設計基準通り
のfから若干の誤差が生じてしまう。各光走査装置にお
ける実際の走査周波数fdは、それぞれ基準角検知セン
サ114から発信される同期信号に基づいて、書込制御
部A、B、Cによって演算される。そして、それぞれの
演算結果がラスタデータ変換部に送られる。このラスタ
データ変換部は、各光走査装置について、それぞれ走査
線の傾き誤差に応じた傾斜マトリクスデータや、上記方
向x、方向yにおける位置ズレデータを予め記憶してい
る。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等から
ビットマップ画像データが送られてくると、これに基づ
いて3つの分割マトリクスを構築し、それぞれ専用の傾
斜マトリクスとの比較によって座標変換を行う。このと
き、それぞれの分割マトリクスについて、書込制御部
A、B、Cから送られてきた走査周波数データに応じた
マス丈の傾斜マトリクスを用いる。また、方向xや方向
yにおける位置ズレデータに基づいて、分割マトリクス
と傾斜マトリクスとの比較基準位置をずらす。そして、
3つの分割マトリクスについて個別に得た座標変換デー
タを、それぞれマルチプレクサを介してバッファメモリ
A、B、Cに送る。
至るまでの信号の流れは、A、B、Cの系統でそれぞれ
同様であるので、ここではA系統についてのみ説明す
る。書込制御部Aは、基準角検知センサ114から送ら
れてくる同期信号に基づいてバッファメモリA内のデー
タを読み出し、画素位置データとして印字パルス生成部
Aに送る。印字パルス生成部Aは、分周器Aから送られ
てくる基準パルス信号に対し、上記画素位置データに基
づくフィルター処理を施して、書込タイミングに応じて
パルスONとなる印字パルス信号を生成する。但し、こ
の印字パルス信号は、等間隔でパルスONとなる基準パ
ルス信号に基づいて生成されたものであり、そのまま利
用されると、振動ミラーの振動角に応じた走査速度変化
に起因してドット形成ピッチに誤差が生じてしまう。そ
こで、移動制御部Aは、基準角検知センサ114から送
られてくる同期信号に基づいて、ドットピッチを等しく
するように印字パルス信号内の各パルスに位相処理を施
す。このようにして位相処理が施された印字パルス信号
は、レーザ駆動部Aに送られて、半導体レーザ110を
駆動させる。
徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明
する。 [実施例1]上記位置決め機構は、先に図8に示したよ
うに、3つの偏向モジュール100を方向xから傾斜角
θだけ傾けるように位置決めする。しかしながら、基板
支持金具400の装置本体への取付位置や丸穴301
a、400aの加工位置には、どうしても誤差が生じて
しまう。また、この誤差を考慮して、丸穴301aをボ
ルト401の径よりも大きく加工して、ある程度のクリ
アランスを設けるのが一般的である。これらの結果、光
走査ユニット300(電子回路基板301)の手作業に
よる組付時に、微妙な位置決め誤差を生ずる場合があ
る。かかる位置決め誤差が生ずると、3つの上記光走査
装置200間で主走査方向(方向x’)における走査線
が微妙にずれて、上記方向yにおける微妙な画像ズレと
なってしまう。例えば、図20は位置決め誤差が生じて
いない場合における各光走査装置200の主走査方向の
走査線を示す模式図である。仮に、図中の点Pxを中心
にして走査線L1、L2、L3を全体的に図中時計回り
に2[°]だけ回転させるような位置決め誤差が生じた
とする。すると、図21に示すように、走査線L1、L
2、L3の方向xからの傾きがそれぞれ異なってしま
う。更に、上記方向y(副走査方向)における位置もそ
れぞれ異なってしまう。それにもかかわらず、上述の座
標変換時に、図中点線で示した正規姿勢の走査線に基づ
く座標変換がなされると、変換後の上記傾斜座標に基づ
くドット形成位置が本来の位置からずれてしまう。そし
て、このズレにより、上記方向yにおける微妙な画像ズ
レが生ずるのである。
各偏向モジュール100の実装位置にも、僅かながらの
誤差を生ずる場合がある。基本的には、各偏向モジュー
ル100は、上記電子回路基板301に対して精密に機
械加工されたスルーホールに上記円柱状端子106が挿
入せしめられることで基板上での位置決めがなされるた
め、実装位置の誤差は殆ど生じない。しかしながら、何
らかの突発的な要因によって誤差が生ずる場合もあり得
る。かかる実装位置の誤差が生ずると、上記走査線L
1、L2、L3間で上記方向y(副走査方向)や方向x
における位置ズレが生じたり、傾き誤差が生じたりす
る。そして、同様にして上記方向yにおける微妙な画像
ズレが生ずる。また、上記方向xにおける位置ズレがあ
った場合には、各走査線が上記方向xに繋がらずに上記
方向yに延びる空白ラインが形成される。この一方で、
走査線が上記方向xにおいて過剰にオーバーラップして
上記方向yに延びる高濃度ラインも形成される。そこ
で、本実施例1のプリンタにおいては、上述の座標変換
時に特殊な処理を実施させるように上記走査制御部を構
成している。
本プリンタにおいては、上記光走査ユニット300(電
子回路基板301)を装置本体(基板支持金具400)
に組み付けた後に、各走査線L1、L2、L3の傾きズ
レや位置ズレを測定している。即ち、3つの偏向モジュ
ール100について、それぞれ位置決め誤差や傾き誤差
を測定するのである。そして、それぞれの光走査装置2
00について、測定した傾きズレに応じた傾斜角度の傾
斜マトリクスを上記走査制御部の記憶部に予め記憶させ
ている。具体的には、例えば先に図21に示したような
傾き誤差が生じている場合には、本来の傾斜角度θの傾
斜マトリクスを記憶させるのではなく、傾斜角θ1、θ
2、θ3の傾斜マトリクスを記憶させるのである。そし
て、それぞれを対応する光走査装置200のために使用
させる。また、位置ズレが生じている場合には、上記分
割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの相対位置をずら
して座標変換させる。具体的には、例えば図22に示す
ように、真ん中の走査線L2が正規位置よりも副走査方
向(方向y)にずれていたとする。すると、図示のよう
に走査線L2によるドット形成位置が正規位置よりも副
走査方向(方向y)にずれてしまう。そこで、図23
(a)に示すように正規の相対位置に基づいた両マトリ
クスの照合によって座標変換させるのではなく、図23
(b)に示すように両マトリクスの相対位置を副走査方
向(方向y)にずらして座標変換させる。このようにす
れば、ドット形成位置の副走査方向(方向y)へのずれ
を解消することができる。また例えば、図24に示すよ
うに、真ん中の走査線L2が正規位置から方向xにずれ
ていたとする。すると、図示のように走査線L2による
ドット形成位置が正規位置よりも副走査方向(方向y)
にずれてしまう。また、走査線L1の図中右端部と走査
線L2の図中左端部とが副走査方向(方向y)でオーバ
ーラップする一方で、走査線L2と走査線L3との間に
走査されない空白領域が形成されてしまう。そこで、図
25(a)に示すように正規の相対位置に基づいた両マ
トリクスの照合によって座標変換させるのではなく、図
25(b)に示すように両マトリクスの相対位置を方向
xにずらして座標変換させる。更に、走査線L2の方向
xの位置ずれ量に応じて、真ん中の光走査装置(20
0)による主走査開始タイミング及び主走査終了タイミ
ングをずらす。図示の例では、オーバーラップ領域にド
ット形成を形成させず、且つ空白領域にドットを形成さ
せるように、主走査開始タイミング及び主走査終了タイ
ミングをそれぞれ同じ量だけ遅らせる。このようにすれ
ば、ドット形成位置の副走査方向(方向y)へのずれ
や、上述のような高濃度ラインや空白ラインの形成を解
消することができる。
マトリクスを記憶させておく一方で、個々の走査線又は
光走査装置の傾きを検知する傾き検知手段を設け、検知
結果に応じた傾斜マトリクスを選択させるようにすると
よい。傾きズレによる画質低下を自動で解消しすること
ができるからである。更に望ましくは、走査線又は光走
査装置の位置を検知する位置検知手段を設け、検知結果
に応じた相対位置で上記分割マトリクスと傾斜マトリク
スとを比較して座標変換させるようにするとよい。位置
ズレによる画質低下を自動で解消することができるから
である。そして、この結果、光走査ユニット(300)
の組付の際に、高精度の位置決めをする必要がなくな
り、生産効率を向上させることができる。
や本実施例1のプリンタにおいては、各領域(x1、x
2、x3)の分割ライン像を全体的に方向xに一直線上
に繋げることができる。但し、厳密には、走査中に感光
体ドラム表面が方向Yに移動するため、その直線は方向
Xから微妙に傾く。この傾きは、実質上無視できる程度
のものであるが、次のようにすれば、この微妙な傾きを
解消することができる。即ち、まず、振動ミラー(10
1)の片方向の振動のみを走査に利用して往復走査では
なく片道走査とするように、半導体レーザ(110)の
駆動タイミングを調整する。そして、偏向モジュール1
00(走査線)の傾きずれだけでなく、ドラム表面移動
に起因する走査軌跡の微妙な傾きをも反映させた傾斜角
度の傾斜マトリクスを記憶させればよい。例えば、傾き
ずれだけを反映させた傾斜マトリクスの傾斜角度がθa
であり、且つドラム表面移動に起因するライン像の微妙
な傾き角度がθbである場合には、次の数1の式によっ
て求められる傾斜角度θcの傾斜マトリクスを記憶させ
る。
逆に、走査開始位置から上記方向xに延びる仮想線を基
線にしてドラム表面移動方向上流側に走査線を傾ける場
合には、傾斜角度θcは次式のようになる。
式によって求めることができる。
また、nは上記マトリクスの分割数(光走査装置の数)
であり、本実施例では3となる。また、pは方向xにお
ける画素ピッチである。また、kは偏向方式係数であ
り、本実施例1のように振動ミラーによる往復走査の片
側走査だけを用いる場合には2となり、ポリゴンミラー
などもともと片道走査しかできないものを用いる場合に
は1となる。
像データの画素ピッチは、図26に示すように、Y軸、
X軸の両方向において同じ値のピッチpとなっている
(以下、これをオリジナルピッチpという)。複数の光
走査装置を並行配設した従来の画像形成装置において
は、副走査方向(方向y)における画素ピッチをこのオ
リジナルピッチpと等しくすべく、各光走査装置の走査
周波数を次の数4の式で求められる基準周波数fに設定
していた。
副走査方向における画素ピッチp
動に伴う一走査あたりのピッチ(従来では副走査方向ピ
ッチに相当)をオリジナルピッチと等しくすることがで
きる。一方、本発明に係るプリンタにおいて、副走査方
向(方向y)、これに直交する上記方向xでオリジナル
ピッチpを得ようとしたとする。図27に示すように、
傾斜マトリクスのピッチPs(ドラム表面移動に伴う一
走査あたりのピッチ)、主走査方向(方向x’)のピッ
チPmで、分割マトリクスのオリジナルピッチpを得よ
うとするのである。すると、ピッチPs、Pmをそれぞ
れ次の数5、数6の式で示される値に設定する必要があ
る。
際の走査周波数fdと基準周波数fとに誤差が生じてい
ると画像の副走査方向の大きさが理論上のサイズと異な
ってしまうことは、既に何度も述べた通りである。これ
に対し、本発明に係るプリンタでは、上述のように、実
際の走査周波数fdが誤差によって基準周波数fからず
れていても、画像の副走査方向(方向y)の大きさを理
論上のサイズに合わせることができる。よって、上記数
4の式の条件を具備させるように基準周波数fを設計す
る必要はない。先に図17に示したように、方向xに延
びるライン像は実質上無視できる程度ではあるものの、
微妙にジグザグした形状となる。このジグザグについて
は、ピッチPsをより小さくすれば、より目立たなくす
ることができる。ピッチPsの縮小化については、走査
周波数fを高めることで対応することができる。
は、基準周波数fを従来の「V/p」よりも十分に高く
設定している。具体的には、実際の走査周波数fdが誤
差によって基準周波数fより低くなってもなお、「fd
>V/p」という条件が得られるように、最大誤差分を
見込んで基準周波数fを高く設定している。かかる構成
では、「fd>V/p」という条件が確実に得られ、基
準周波数fを従来と同様に「V/p」と等しくする場合
に比べ、ジグザグを目立たなくして画質低下をより確実
に抑えることができる。
にしても抑えることができる。即ち、図28に示すよう
に、ドットの副走査方向(y方向)における位置が、方
向xに延びる基線から離れるに従って、ドットの径を小
さくするのである。こうすることで、基線から副走査方
向に出っ張る部分を小さくして、ジグザグを目立たなく
することができる。ドットの径を小さくする方法として
は、レーザビームの光量を弱める方法、駆動パルス幅を
短くする方法のどちらでもよい。
上記半導体レーザ110として、複数の光源によって複
数の光ビームを射出するものを用いている。具体的に
は、4つの光源からなる4chレーザアレイを有する半
導体レーザを用いている。かかる半導体レーザでは、図
29に示すように、1回あたりの主走査を4本の走査線
によって行うことができる。換言すれば、4回分の主走
査を1回で行うことができる。なお、それぞれの光源に
ついては副走査方向における照射間隔を十数[μm]と
し、且つ、それらの配列中心を走査光学系の光軸C上に
合わせ、上下配列方向を方向xよりも傾斜角度θ分だけ
を傾けるように配設している。
向xに延びる1ライン像を形成させるようにしたプリン
タの例について説明したが、1つの光走査装置によって
1ライン像を形成する画像形成装置でも本発明の適用が
可能である。かかるプリンタにおいては、偏向モジュー
ル等の偏向手段の駆動数誤差に起因して生ずる副走査方
向の画像サイズ誤差を解消することができる。更に、か
かる画像サイズ誤差を回避すべく主走査を周期的に補完
又は省略することによってオリジナル再現性を低下させ
るといった事態も解消することができる。
部500においては、ビットマップ画像データ内の各ド
ットに対応する座標を、傾斜マトリクス内の座標に変換
した結果に基づいて、光源たる半導体レーザ110の駆
動タイミングを決定する。これにより、主走査方向
(x’)を副走査方向(y)に直交する上記方向xから
傾けるように配設された光走査装置200に対し、副走
査方向の画素ピッチを主走査方向における走査タイミン
グによっても依存させることができる。よって、主走査
方向における走査タイミングに基づいて副走査方向の画
素ピッチを微妙に調整して、偏向モジュール100の駆
動数誤差(ミラー振動誤差)に起因する画質低下を抑え
ることができる。また、光ビームLを電子回路基板30
1上の所定位置で検知する走査ビーム検知手段たる基準
角検知センサ114からの同期信号に基づいて各光走査
装置200の実際の走査周波数fdを演算する。そし
て、演算結果に応じたマス丈(ピッチ)の傾斜マトリク
スを使用する。このことにより、温湿度等の環境変化や
偏向モジュール100の劣化進行などによって実際の走
査周波数fdが経時的に変化しても、変化後の走査線を
忠実に再現した傾斜マトリクスに基づいて座標変換を行
う。よって、実際の走査周波数fdの経時的な変化に起
因する画質低下を回避することができる。また、光走査
装置200の方向xへの一走査周期内において、走査速
度の変動に応じてレーザ駆動周期を変化させる。具体的
には、走査速度が速くなる走査領域中央部のレーザ駆動
周期を走査領域両端側よりも速くしている。このことに
より、走査速度が一走査周期内で変化しているにもかか
わらず、方向x’(ひいては方向x)にドットを等間隔
に形成することができる。また、オリジナルのビットマ
ップ画像データのマトリクスを分割して3つの分割マト
リクスを構築し、それぞれについて、各ドットに対応す
る座標を傾斜マトリクス内の座標に変換する。そして、
それぞれの変換結果に基づいて、3つの光走査装置20
0の半導体レーザ110の駆動タイミングを決定してい
る。これにより、オリジナルの画像を上記方向xに3分
割し、それぞれの分割画像を専用の光走査装置200に
て光書込することを可能にしている。よって、1つの大
型の光走査装置を用いる場合に比べ、プリンタ本体の大
型化を抑えながら、上記方向xの走査領域を増大させる
ことができる。しかも、各光走査装置100間で走査周
波数の誤差が生じていても、それぞれの分割画像を違和
感なく繋ぎ合わせることができる。また、上記光走査制
御部500と同様の座標変換を行うプリンタドライバ等
のプログラムにおいても、主走査方向(x’)を上記方
向xから傾けるように配設された光走査装置に対し、次
に説明するような制御を行うことができる。即ち、副走
査方向の画素ピッチを、主走査方向における走査タイミ
ングによっても依存させる制御である。よって、偏向手
段の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができ
る。また、実施形態に係るプリンタの上記位置決め機構
においては、光走査装置200の主走査方向(x’)
を、副走査方向(y)に直交する上記方向xよりも傾け
ている。そして、この傾きにより、画像全体の走査開始
点Paと走査終了点Pbとの方向yにおけるずれ量を1
画素分よりも大きくしている。かかる構成では、上述の
ような座標変換に基づく走査制御部500によって制御
される各光走査装置200に対し、副走査方向の画素ピ
ッチを主走査方向における走査タイミングによっても依
存させる光書込を行わせることができる。また、3つの
光走査装置200の主走査方向(x’)をそれぞれ個別
に位置決めするのではなく、これらが一体となった光走
査ユニット300の位置決めによって間接的にそれぞれ
を位置決めするので、位置決め作業の手間を軽減するこ
とができる。また、実施形態に係るプリンタの光走査ユ
ニット300においては、3つの偏向モジュール100
を、それぞれの主走査方向x’がモジュール並び方向で
ある方向xから傾くような姿勢で1つの電子回路基板3
01に固定している。かかる構成では、ユニット全体の
位置決めによって、それぞれの偏向モジュール100を
その主走査方向(x’)が上記方向xから傾くように位
置決めすることができる。また、実施形態に係るプリン
タにおいては、走査制御部500が、各偏向モジュール
100の傾き誤差に応じた傾斜角度の傾斜マトリクスを
用いる。そして、このことにより、各偏向モジュール1
00の傾き誤差に起因する分割画像間での画像位置ズレ
を解消することができる。また、各偏向モジュール10
0のそれぞれについて、副走査方向(y)における位置
ズレに応じて、分割マトリクスと傾斜マトリクスとの副
走査方向(y)における相対位置をずらして座標変換す
る。そして、このことにより、各偏向モジュール100
の副走査方向の位置ズレに起因する分割画像間での画像
位置ズレを解消することができる。また、各偏向モジュ
ール100のそれぞれについて、副走査方向(y)に直
交する上記方向xおける位置ズレに応じて、分割マトリ
クスと傾斜マトリクスとの方向xにおける相対位置をず
らして座標変換する。そして、このことにより、各偏向
モジュール100の方向xの位置ズレに起因する分割画
像間での画像位置ズレ、空白ラインの形成、及び高濃度
ラインの形成を解消することができる。また、実施例2
に係るプリンタにおいては、各光走査装置200の実際
の走査周波数fdを「V/p」よりも大きくしている。
そして、このことにより、「V/p」と等しくする場合
に比べ、上記ライン像のジグザグを目立たなくして更な
る高画質化を図ることができる。また、実施例3に係る
プリンタにおいては、上記半導体レーザ110として、
複数の光源によって4つの光ビームを射出する4chレ
ーザアレイを用い、4回分の主走査を1回で行う。よっ
て、光ビームを1つだけしか射出しない半導体レーザ1
10を用いる場合に比べ、プリント速度の高速化を図る
ことができる。
8、9、10、11、12、13、14又は15の発明
によれば、主走査方向における走査タイミングに基づい
て副走査方向の画素ピッチを微妙に調整して、偏向手段
の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができる
という優れた効果がある。
示す模式図。
画像形成装置の副走査方向yと、これに直交する方向x
との関係を示す模式図。
の光書込の一例を示す模式図。
図。
図。
図。
置の走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を
示す模式図。
を示す模式図。
リクスを示す模式図。
つのライン像を示す模式図。
クスを示す模式図。
走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す
模式図。
模式図。
標変換を説明する模式図。
の一例を示す模式図。
期内での走査速度変化と、同期信号と、書込信号との関
係を示すチャート。
光走査装置の主走査方向の走査線を示す模式図。
走査装置の主走査方向の走査線を示す模式図。
方向にずれた場合の光書込の一例を示す模式図。
の座標変換を説明するための模式図。 (b)同ずれを考慮した場合の座標変換を説明するため
の模式図。
にずれた場合の光書込の一例を示す模式図。
標変換を説明するための模式図。 (b)同ずれを考慮した場合の座標変換を説明するため
の模式図。
線にしてドラム表面移動方向上流側に走査線を傾ける場
合における主走査方向x’の傾斜角度θcを示す模式
図。
込ピッチPs及びPmとの関係を示す模式図。
模式図。
ための模式図。
Claims (15)
- 【請求項1】光源から発した光ビームを偏向手段によっ
て偏向せしめながら被走査面に走査する光走査装置の少
なくとも該光源及び偏向手段の駆動を制御し、複数の仮
想直線を格子状に直交させたマトリクス内の座標によっ
て各画素の位置が示される画像情報に基づいて該光源の
駆動タイミングを決定する走査制御装置において、各画
素に対応する上記座標を、上記マトリクスから所定角度
傾いた傾斜マトリクス内の座標に変換した結果に基づい
て、上記光源の駆動タイミングを決定させるようにした
ことを特徴とする走査制御装置。 - 【請求項2】請求項1の走査制御装置であって、上記光
走査装置による走査ビームを所定位置で検知する走査ビ
ーム検知手段からの信号に基づいて該光走査装置の単位
時間あたりの走査回数である走査周波数を演算し、演算
結果に応じた仮想直線配設ピッチの上記傾斜マトリクス
を使用することを特徴とする走査制御装置。 - 【請求項3】請求項1又は2の走査制御装置であって、
一走査周期内において、走査速度の変動に応じて上記光
源の駆動周期を変化させることを特徴とする走査制御装
置。 - 【請求項4】請求項1、2又は3の走査制御装置であっ
て、上記画像情報の上記マトリクスをその一方の座標軸
方向で複数に分割し、分割マトリクスのそれぞれについ
て、各画素に対応する座標を上記傾斜マトリクス内の座
標に変換した結果に基づいて、分割数と同数の光走査装
置におけるそれぞれの上記光源の駆動タイミングを決定
することを特徴とする走査制御装置。 - 【請求項5】複数の仮想直線を格子状に直交させたマト
リクス内の座標によって各画素の位置が示される画像情
報を、演算処理によって構築する演算処理手段としてコ
ンピュータを機能させるプログラムにおいて、各画素に
対応する上記座標を上記マトリクスから所定角度傾いた
傾斜マトリクス内の座標に変換して、上記画像情報を構
築し直すことを特徴とするプログラム。 - 【請求項6】所定方向に移動する表面に潜像を担持する
潜像担持体と、光源から発した光ビームを偏向手段によ
って偏向せしめながら走査して、該潜像担持体に対して
該潜像の光書込を行う光走査装置とを有する画像形成装
置内にて、該光走査装置から発せられる光ビームの偏向
による該潜像担持体上での移動方向たる主走査方向を位
置決めする位置決め機構であって、上記主走査方向を、
上記潜像担持体の表面移動方向たる副走査方向に直交す
る方向よりも傾けて、画像全体の上記主走査方向におけ
る走査先端位置と走査終端位置とを該副走査方向に1画
素分のサイズよりも大きくずらした位置決めを行うこと
を特徴とする位置決め機構。 - 【請求項7】請求項6の位置決め機構であって、複数の
上記光走査装置を有する光走査ユニットにおけるそれぞ
れの光走査装置の上記主走査方向について、上記副走査
方向に直交する方向よりも傾けた位置決めを行うことを
特徴とする位置決め機構。 - 【請求項8】光源から発した光ビームを偏向手段によっ
て偏向せしめながら走査する複数の光走査装置がそれぞ
れの該偏向手段を並行に位置させるように固定された光
走査ユニットであって、それぞれの偏向手段が偏向によ
る上記光ビームの走査方向を互いの並び方向から傾ける
姿勢で1つの固定部材に固定されていることを特徴とす
る光走査ユニット。 - 【請求項9】所定方向に移動する表面に潜像を担持する
潜像担持体と、光源から発した光ビームを偏向手段によ
って偏向せしめながら走査して、該潜像担持体に対して
該潜像の光書込を行う光走査装置と、該偏向手段の画像
形成装置本体内における位置決めを行うための位置決め
機構と、該光走査装置の少なくとも該光源及び偏向手段
の駆動を制御し、複数の仮想直線を格子状に直交させた
マトリクス内の座標によって各画素の位置が示される画
像情報に基づいて該光源の駆動タイミングを決定する走
査制御装置とを備える画像形成装置において、上記位置
決め機構として請求項6又は7のものを用いたことを特
徴とする画像形成装置。 - 【請求項10】請求項9の画像形成装置において、複数
の上記光走査装置を有する請求項8の光走査ユニット
と、請求項7の位置決め機構とを用いるとともに、上記
走査制御装置として、請求項4のものを用いたことを特
徴とする画像形成装置。 - 【請求項11】請求項10の画像形成装置であって、上
記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれ
ぞれについて、傾き誤差に応じた傾斜角度の上記傾斜マ
トリクスを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項12】請求項10又は11の画像形成装置であ
って、上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手
段のそれぞれについて、上記副走査方向における位置ズ
レに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクス
との上記副走査方向における相対位置をずらして座標変
換することを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項13】請求項10、11又は12の画像形成装
置であって、上記走査制御装置が、各光走査装置の上記
偏向手段のそれぞれについて、上記主走査方向における
位置ズレに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マト
リクスとの上記主走査方向における相対位置をずらして
座標変換し、且つ、該位置ズレに応じて各光走査装置に
よる主走査開始タイミング及び主走査終了タイミングを
ずらすことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項14】請求項10、11、12又は13の画像
形成装置であって、各光走査装置について、それぞれ単
位時間あたりの主走査回数である走査周波数が、上記潜
像担持体の表面移動速度を上記副走査方向における走査
ピッチで除算した値よりも大きいことを特徴とする画像
形成装置。 - 【請求項15】請求項9、10、11、12、13又は
14の画像形成装置であって、上記光走査装置が複数の
光源を有し、これらから同時に発せられた複数の光ビー
ムを上記偏向手段によって偏向せしめることを特徴とす
る画像形成装置。
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US11/216,180 US7417780B2 (en) | 2002-02-15 | 2005-09-01 | Vibration mirror, optical scanning device, and image forming using the same, method for making the same, and method for scanning image |
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