JP2007292919A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源部を回転もしくは振動させて光線を走査する光走査装置において、装置の小型化、低価格化、及び生産性を阻害することなく、高速、且つ高精細な画像を安定して形成することが可能な光走査装置を提供する。
【解決手段】光線を出射する光源を備えた光源部と、光源部を回転もしくは振動させる駆動部と、を有し、光源部を駆動部によって回転もしくは振動させることにより、光源から出射された光線を走査する光走査装置において、光源部は、複数の光源を備え、駆動部は、光源部を所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光走査装置に関し、特に光源部を振動もしくは回転させる光走査装置に関する。
光走査装置は、光学素子を用いてレーザ光等の光線の向きを走査するもので、デジタル複写機やレーザプリンタ等の書き込み系、レーザディスプレイや網膜ディスプレイ等の表示系の他、バーコードリーダ、レーザ顕微鏡、レーザ加工装置、三次元計測器等種々の用途に用いられている。
この様な光走査装置には、従来から、光偏向器として多面鏡を回転させるポリゴンスキャナが用いられている。
ポリゴンスキャナは、質量の大きな多面鏡を高速で回転させる為に大きな振動や熱が発生する。そこで、熱伝導性が良く、質量の大きな例えばアルミの成型品等を構造部品に用いることにより、ポリゴンスキャナから発生する振動や熱の他の部材への影響を抑える様にしている。しかしながら、この様な構造部品は、形状が大きく、また、高価であることから、装置の小型化を阻害し、また、高価格化を招くといった問題がある。
また、光偏向器は半導体レーザ等の光源や光源の光を集光するレンズ等と組み合わせて用いられる。そして、これらの構成部品は、立体的な形状を備えた前述の構造部品に、ねじ止めや接着等の組み立て工程を経て結合されている。しかしながら、半導体レーザ、レンズ、光偏向器等は形状が小さいことから、容易に保持や組立てを行うことが困難であり、また、通常、光偏向器のミラー面から対象物の走査面までの距離は長いことから、僅かな位置ずれや部品の誤差が拡大される。この為、組立てや調整に高い精度が要求され、生産性を損なうといった問題がある。
そこで、この様な光走査装置において、装置の小型化、低価格化、及び生産性向上を実現させる技術が種々検討されてきた。
具体的には、板状の弾性体の先端に光源部を配置し、静電気力によって弾性体を振動させて、光源部に直接光走査させることにより、ミラーや回転機構が不要になり、装置の小型化や低価格化を図るようにした技術(例えば、特許文献1参照)。また、複数の光源を市松状に配置した2次元面発光レーザアレイを用いて、ビーム間隔を狭めることにより、高精細な画像を形成することができる様にした技術(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
特開平8−136845号公報 特開平9−200431号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている光走査装置においては、光源が1つしか設けられていないことから、走査の高速化や高精細な画像を形成することは困難なものと考えられる。また、光源の発光点が振動により移動することから、光学系の構成が複雑化するといった問題がある。また、特許文献2に開示されている2次元面発光レーザビームスキャナにおいては、機械的な走査機構を有さず、レーザが市松状に配置された2次元面発光レーザアレイにより2次元にビームを照射するものであり、光源を振動させて直接光走査させる技術を示唆するものではなかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、光源部を回転もしくは振動させて光線を走査する光走査装置において、装置の小型化、低価格化、及び生産性を阻害することなく、高速、且つ高精細な画像を安定して形成することが可能な光走査装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至5のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.光線を出射する光源を備えた光源部と、
前記光源部を回転もしくは振動させる駆動部と、を有し、
前記光源部を前記駆動部によって回転もしくは振動させることにより、前記光源から出射された光線を走査する光走査装置において、
前記光源部は、複数の前記光源を備え、
前記駆動部は、前記光源部を所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させることを特徴とする光走査装置。
2.前記光源部は、複数の前記光源を、その面上に配置する上下、左右対称な基板を有し、
複数の前記光源は、前記基板の面に沿って前記回転軸に平行な第1の中心線と、前記第1の中心線に直交する第2の中心線と、のいずれにも対称な位置に2次元マトリクス状に配列されていて、前記第1の中心線を挟んで2列に配置されていることを特徴とする前記1に記載の光走査装置。
3.複数の前記光源の内、所定の光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第1の走査と、前記第1の中心線に対して前記所定の光源と対称な位置に配置された光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第2の走査と、を所定の間隔で切換えて実行することを特徴とする前記2に記載の光走査装置。
4.前記駆動部は、前記光源部を所定の回転軸を中心に共振により回転もしくは振動させることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
5.前記光源は、面発光型の半導体レーザであることを特徴とする前記1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
本発明によれば、駆動部は、複数の光源を備えた光源部を所定の回転軸を中心により回転もしくは振動させて、光源部に直接光走査させる様にした。したがって、ポリゴンスキャナの様に、ミラーや回転機構、また前述の様な質量の大きな構造部品等が不要になり、装置の小型化や低価格化を実現することができる。また、装置が簡素化され、容易に組立てや調整を行うことができる様になるので、生産性を向上することができる。また、複数の光源により、複数の走査を同時に行うことができ、走査の高速化を実現することができる。
また、複数の光源を、上下、左右対称な基板面上であって、基板の面に沿って回転軸に平行な第1の中心線と、第1の中心線に直交する第2の中心線と、のいずれにも対称な位置に2次元マトリクス状に配列し、第1の中心線を挟んで2列に配置する様にした。したがって、振動系の上下、左右ともに質量の対称性が保たれ、安定した回転もしくは振動を行うことができる。また、複数の光源は、回転軸に平行な第1の中心線を挟んで2列に配置されているので、複数の行を同時に走査することができ、走査の高速化を実現することができる。
また、複数の光源の内、所定の光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第1の走査と、第1の中心線に対して所定の光源と対称な位置に配置された光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第2の走査と、を所定の間隔で切換えて実行する様にした。すなわち、所定の光源、及び第1の中心線に対して所定の光源と対称な位置に配置された光源を起点として、それぞれ斜め方向に隣接する複数の光源を用いた第1の走査と第2の走査と、を所定の間隔で切換えて実行する様にした。したがって、光源の発熱による振動系の温度分布の対称性が保たれ、熱膨張による共振周波数等への影響が軽減され、安定した振動もしくは回転を行うことができる。また、第1の走査、第2の走査は、光源間隔が列方向よりも長い斜め方向に隣接する光源を用いる様にしているので、隣接する光源からの熱が伝わり難くなる。したがって、行間隔を狭くして光源を配置することができる様になるので、高精細な画像を形成することができる。
また、駆動部は、光源部を所定の回転軸を中心に共振により回転もしくは振動させる様にした。したがって、光源部を、その共振周波数で駆動するにより、高い偏向速度と大きな偏向角が得られる。また、光源部の質量が小さい為に少ないエネルギーで駆動することができる。また、軸受け等の摺動部分がない為に装置の寿命が長くなる。
また、光源としては、面発光型の半導体レーザを用いる様にした。したがって、複雑な光学系を必要とせず、装置を小型化することができる。また、基板と垂直な方向に光線が出射されるので、光源を2次元状に容易に配置することができる。
以下図面に基づいて、本発明に係る光走査装置の実施の形態を説明する。
最初に、光走査装置1の構成を図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る光走査装置1の全体構成を示す図である。
光走査装置1は、図1に示す様に、光源部2、振動系3、駆動系4、及び図示しない制御部等を有し、駆動系4に設けられた後述の圧電素子42が曲げ変形することにより、振動系4を介して光源部2を、回転軸Kを中心に矢印X方向に回転もしくは振動(以下、回転振動と称する。)させて直接光走査させるものである。また、光走査装置1は、光源部2を中心に上下、左右対称な形状を形成している。
光源部2は、半導体レーザ21、レンズ22、及び光源基板23等を備えている。
半導体レーザ21は、本発明における光源に該当し、遠距離まで細い光線を投影することができるコーヒレンスの高い光源である。また、半導体レーザ21には小型化に適した面発光型の半導体レーザを用いる。
ここで、半導体レーザ21の構成を図2を用いて説明する。図2は、半導体レーザ21の構成を示す模式図である。図2に示す様に、半導体レーザ21は、面発光型の半導体レーザであり、P型半導体211、活性層212、N型半導体213が積層して構成され、それぞれの層間に反射鏡214が設けられている。
半導体層からの電荷注入により活性層212から誘導放出された光は、上下の反射鏡214で増幅された後、基板(電極)215に垂直な方向に出射される。光は、基板(電極)215と垂直な方向に出射される為、半導体レーザ21を容易に2次元状に配置することができる。
出射する出射口216は円形であり、光束の断面は円形となる。出射口216の開口径が大きいと光線は拡散し、小さいと収束する。
また、半導体レーザ21の出力は駆動電流により変化するが、駆動電流が一定であっても温度が上昇すると出力は低下する。そこで、半導体レーザ21の温度変化を抑制し、出力を安定化させる為に、基板(電極)215の面積を大きくして、発生した熱を効果的に放熱し、温度上昇を抑える様にしている。
レンズ22は、半導体レーザ21から発散する光を、平行、もしくは収束させる。
ここでレンズ22の配置を、図3を用いて説明する。図3(a)は、半導体レーザ21にレンズ22が取り付けられた状態を示す模式図、図3(b)は、半導体レーザ21にレンズ22が取り付けられた状態を側面から見た側断面図である。
図3(b)に示す様に、レンズ22は、例えば、ガラスやプラスチックの球面レンズであり、半導体レーザ21の出射口216の近傍に配置されている。出射口216の開口径が小さく、必要とされる投影面において光束の径が十分に小さな場合にはレンズは不要となる。また、投影面までの間に他の固定光学系を備えた場合にも不要な場合がある。
光源基板23は、本発明における基板に該当し、複数の半導体レーザ21がその面上に設けられ、上下、左右対称な形状の基板であり、回転軸Kに平行に配置されている。尚、光源基板23に設けられた複数の半導体レーザ21の配置の詳細については後述する。
次に、図1に戻って、振動系3は、光源部2が取り付けられるベース31、及びベース31の左右にそれぞれ設けられたねじり梁32等を有し、ねじり梁32の復元力と光源部2の慣性モーメントによりねじれ振動系を形成する。この系の共振周波数と等しい周期の駆動力を後述の駆動系4により与えることにより、高い偏向速度と大きな偏向角を両立させることができる。
ここで、光源部2とベース31との結合方法を、図4を用いて説明する。図4(a)は、光源部2とベース31との1例による結合方法を、図4(b)は、光源部2とベース31との別例による結合方法を示す模式図である。
振動系3は、シリコン板やアルミ、鉄等の金属板で作成され、図4(a)に示す様に、そのベース31に光源基板23を接合する。接合には接着の他、陽極接合等の接合表面を活性化して接合する手法を用いる。
接着の場合、接着剤には絶縁性の樹脂材料等を用い、光源基板23からベース31を電気的に絶縁すると共に、熱の伝達を最小限に抑える。また、陽極接合の場合においても同様に、光源基板23、またはベース31の表面に酸化膜等を形成し、酸化膜を介して接合する。
また、振動系3の厚み方向の質量対称性を保つ為に、図4(b)に示す様に、ベース31の接合面に凹部Aを形成し、凹部Aに光源基板23を埋め込む様にしてもよい。この場合、形状はエッチング等により外形、凹みなどを精度よく加工する。
ここで、半導体レーザ21への配線について、図5を用いて説明する。図5は、半導体レーザ21とベース31との配線を示す模式図である。半導体レーザ21への配線は、ベース31、ねじり梁32、後述の曲がり梁(駆動片)41を介して行われる。
光源基板23と、ベース31の接合面にそれぞれ導電性の膜(配線パターン)23P.32Pを形成し、ベース31の配線パターン32Pの一端に光源基板23の配線パターン23Pとの接続用の端子31Tを設けて導電性の接合材料で接続する。接合材料は半田等の金属製のものでも、導電性を備えた接着剤によるものでも良い。尚、接合部以外の表面の導電性膜は、その表面を絶縁性の膜で保護する。
次に、図1に戻って、駆動系4は、本発明における駆動部に該当し、左右のねじり梁32の上下にそれぞれ一対づつ設けられた駆動片41、及び駆動片41の表裏に、それぞれ、電気−機械変換素子である圧電素子42が接着等により貼り付けられ、バイモルフ構造の曲がり梁を形成している。駆動系4は、圧電素子42の曲げ変形によりねじり梁32を、回転軸Kを中心に矢印X方向に回転振動させる。
駆動片41の一方の端は、図示しない構造体に固定されている。圧電素子42に交流の電界を加えることにより、図6に示す様に、圧電素子42が、矢印P、Q方向に伸び縮みして駆動片41が前後に屈曲する。この屈曲動作によりねじり梁32を交互にねじる力が働き、振動系3を回転振動させる。駆動系4、及び振動系3は、可動部の質量が小さい為、必要なエネルギーが少なく、不要な振動を発生せず発熱も少ない。また、軸受け等の摺動部分がない為、寿命が長い、等の特徴を備えている。尚、図6(a)は、駆動系4の動作時の形状を示す模式図、図6(b)は、駆動系4の動作時の形状を矢印A方向から見た側面模式図である。
ここで、圧電素子42への配線について、図7を用いて説明する。図7は、圧電素子42と駆動片41との配線を示す模式図である。
圧電素子42への配線は、駆動片41の固定側、すなわち保持部43を介して行なわれる。圧電素子42の表裏には白金、金等の材料により、それぞれ信号電極膜42a、GND電極膜42bが形成されている。また、圧電素子42のGND電極膜42bとの接合部に位置する駆動片41の表面にはGND端子41Tが形成されている。そして、圧電素子42と駆動片41を導電性接着材で接合することにより、GND電極膜42bとGND端子41Tとが接続され、GNDラインの接続を行うことができる。
また、駆動片41の保持部43には信号ラインの信号端子43Tが形成されている。この信号端子43Tと圧電素子42の信号電極膜42aに設けられた信号端子42Tを細い金属製の配線ワイヤーW等で接続すことにより、信号ラインの接続を行う。尚、配線ワイヤーWの代わりに導電性の接着剤を用いても良い。
次に、この様な構成の光走査装置1において、半導体レーザ21の配置について説明する。
最初に、従来の光走査装置における光源の配置について説明する。
従来の光走査装置においては、光源として半導体レーザを1つだけ備えたものが一般的である。しかしながら、光源が1つしか設けられていないことから、容易に走査の高速化や高精細な画像を形成することは困難なものと考えられる。
書き込み系や表示系等、映像を投影する装置の高速化、高精細化を行う為には、光源の点滅周波数、もしくは偏向速度を高速化する必要がある。
しかしながら、光源の点滅周波数を高速化する場合においては、駆動回路の応答周波数や映像信号の変調周波数を高速化する必要があり、また、偏向速度を高速化する場合においては、モータの回転数や振動、駆動系を高速化する必要があり、いずれもの場合においても、技術的な限界やコストへの影響等により、容易に実現することは困難なものである。
そこで、複数の光源を1列に並べて、この配列に垂直な方向に光線を偏向させて、複数の行を同時に走査させることにより、走査の高速化を行う方法が提案されているが、高精細な画像を形成するには充分なものではなかった。
すなわち、高精細な画像を形成するには、光源を配列する間隔は狭い方が望ましいが、面発光型の半導体レーザでは電極形状が大きい為に、間隔を狭くすることは困難である。また、半導体レーザの出力は、駆動電流が同じでも温度により変化する為に、隣接する光源からの熱の伝導を最小限にする必要があり、間隔を狭くすることは困難である。
そこで、所定の発光点間隔を確保しながら投影する光線の間隔を狭くする方法の一つとして、前述の特許文献2に開示されている技術の様に、光源の配列を走査の回転軸に対して斜めに傾けて配置する方法が知られている。
しかしながら、この様に、回転軸に対して複数の光源を傾斜して配置した場合、以下の二つの問題が懸念される。これを図8を用いて説明する。図8(a)は、振動系3のベース31に対する半導体レーザ21a、21bの配置を示す模式図、図8(b)は、半導体レーザ21a、21bの発熱によるベース31の温度分布を示す模式図である。尚、半導体レーザ21a、21bは、前述の様に、実際には光源基板23の面上に配置されているが、図8では、説明上、光源基板23は図示されていない。
一つは、振動系3の質量の対称性に関するものである。例えば、図8(a)に示す様に、2つの半導体レーザ21a、21bを回転軸Kに対して45度の方向に配置する場合、回転軸Kの周りのモーメントの総計としては等しくなるが、回転軸Kに対して対称な位置に配置されていないので質量のバランスが保てない。振動の共振周波数近傍では、僅かのアンバランスでも振動に影響する。さらに、回転軸Kの周りの回転振動に加えて、回転軸Kに対して垂直な中心軸Lの周りの振動が重畳することが懸念される。
もう一つは、振動系3の熱的な対称性に関するものである。振動系3は、熱の影響により特性が変化する。すなわち、周囲の温度が変化するとシリコンが膨張、収縮して外形寸法が変化する。例えば、温度が上昇して膨張すると、長さも伸びるが断面の寸法も大きくなる為、バネ定数は上昇する。一方、光源部2の質量は変化しない為、結果として温度の影響により共振周波数が変動する。
この様に、熱の影響によりねじり梁32のバネ定数が変化し、共振周波数等の振動状態に影響を及ぼす。
そして、2個の半導体レーザ21a、21bを回転軸Kに対して斜め、すなわち非対称な位置に配置した場合、図8(b)に示す様に、回転軸Kの両側の領域S1、S2においては、半導体レーザ21a、21bから伝わる熱により、領域S1では上部が、また領域S2では下部の温度上昇が大きくなり、温度分布が非対称となる。これにより振動状態が不安定になることが懸念される。
この様に、従来の光走査装置における光源配置においては、容易に走査の高速化や高精細な画像を形成することは困難なものであった。そこで本発明は、複数の半導体レーザを、光源基板23の面に沿って回転軸Kに平行な第1の中心線と、第1の中心線に直交する第2の中心線と、のいずれにも対称な位置に2次元マトリクス状に、第1の中心線を挟んで2列に配置する。そして、配置された複数の半導体レーザの内、所定の半導体レーザを起点として行毎に異なる列に配置された半導体レーザを用いて走査する第1の走査と、第1の中心線に対して所定の半導体レーザと対称な位置に配置された光源を起点として行毎に異なる列に配置された半導体レーザ21を用いて走査する第2の走査と、を所定の間隔で切換えて実行することにより、従来困難であった走査の高速化や高精細な画像を形成することを実現可能にするものである。
具体的には、図9を用いて説明する。図9(a)は、半導体レーザ21a乃至21dの光源基板23の面上の配置を示す模式図、図9(b)は、振動系3のベース31に対する半導体レーザ21a乃至21dの配置を示す模式図、図8(c)は、半導体レーザ21a乃至21dの発熱によるベース31の温度分布を示す模式図である。
最初に、半導体レーザ21a乃至21dの配置について説明する。
図9(a)に示す様に、例えば、4つの半導体レーザ21a乃至21dは、光源基板23基板の面に沿って回転軸Kに平行な第1の中心線C1と、第1の中心線C1に直交する第2の中心線C2と、のいずれにも対称な位置に2次元マトリクス状に配列されていて、第1の中心線C1を挟んで2列に配置されている。すなわち、半導体レーザ21a乃至21dは、光源基板23に対して上に上下、左右対称な位置に配置されている。
そして、図9(b)に示す様に、光源基板23は、その中心線C1、C2が、振動系3のベース31の回転軸K、中心軸Lのそれぞれに一致する様に、光源基板23に配置されている。
これにより振動系3の上下、左右ともに質量の対称性が保たれ、安定した回転振動を行うことができる。また、4つの半導体レーザ21a乃至21dは、回転軸Kに平行な第1の中心線C1を挟んで2列に配置されているので、複数の行を同時に走査することができ、走査の高速化を実現することができる。
次に、この様に配置された半導体レーザ21a乃至21dを用いた第1の走査、第2の走査について説明する。
例えば、第1の走査は、1列目の1行目に配置された半導体レーザ21a、及び半導体レーザ21aと異なる列である2列目の2行目に配置された半導体レーザ21bを用いる。また、第2の走査は、半導体レーザ21a、半導体レーザ21bと対称な位置に配置された半導体レーザ21c、半導体レーザ21dを用いる。
そして、この様な第1の走査と第2の走査を、例えば、所定の時間間隔やページ、フレームの枚数毎に切り替えて実行させる。
これにより、図9(c)に示す様に、半導体レーザ21a乃至21dの発熱による振動系の温度分布の対称性が保たれ、熱膨張による共振周波数等への影響が軽減され、安定した回転を行うことができる。また、第1の走査、第2の走査のいずれの走査に用いる半導体レーザも、その間隔が列方向よりも長い斜め方向に隣接する半導体レーザを用いる様にしているので、隣接する半導体レーザからの熱が伝わり難くなる。したがって、行の間隔を狭くして半導体レーザを配置することができる様になるので、高精細な画像を形成することができる。
尚、第1の走査と第2の走査とのタイムラグにより、上下のねじり梁32に伝わる熱の総量には差異が生じるが、隣接する行で画像の明暗が急激に変化することは少ない為、両者の温度上昇には大きな差は生じない。また、印刷のスクリーントーン等、網目や万線により画素を表現する手法では、隣接する半導体レーザの発光状態に大きな差異が生じる場合もあるが、この様な場合には、印刷のページや表示のフレームが切り替わる毎に、明暗を分担する半導体レーザを切り替えれば、総体としての温度上昇は略一致させることができる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は前述の実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、適宜変更、改良が可能であることは勿論である。例えば、図10を用いて、別例による、半導体レーザ21の配置について説明する。図10(a)乃至(d)は、振動系3のベース31に対する半導体レーザ21a乃至21hの配置を示す模式図である。
図10(a)に示す様に、半導体レーザ21aを、ベース31の中心に1個配置する様にしてもよい。この場合、前述の様に、高速化や高精細な画像を形成するには適していないが、ポリゴンスキャナの様に、ミラーや回転機構、また前述の様な質量の大きな構造部品等が不要になり、装置の小型化や低価格化を実現することができる。また、装置が簡素化され、容易に組立てや調整を行うことができる様になるので、生産性を向上することができる。
また、図10(b)乃至(d)に示す様に、半導体レーザ21a乃至21hを、回転軸Kに対称に3行、4行、またはそれ以上配置する様にしてもよい。例えば、図10(d)に示す様に、8個の半導体レーザ21a乃至21hを、2列4行に配列した場合、第1の走査は、半導体レーザ21a乃至21dを用い、また、第2の走査は、半導体レーザ21e乃至21h用いる。これにより、4つの行を同時に走査することができるので、更なる高速化や高精細な画像を形成することが可能となる。
また、図10(b)のおいて、半導体レーザ21a乃至21c、及び、半導体レーザ21d乃至21fに対して、それぞれ赤色、緑色、青色等異なる波長の光源を用いる様にしてもよい。これにより、光偏向装置1をカラーのレーザプロジェクタ等に用いた場合、偏向ミラーを削減することができる。
また、図11に示す様に、光源として、面発光型レーザの代わりに折り返しミラー27とレンズ26を備えた端面発光型レーザ25を用いる様にしてもよい。これにより、光線の偏向方向を制御することができるので、投影光学系の設計が容易になる。
また、光源としては、通常、ガリウム・ヒ素系の半導体レーザが用いられるが、シリコン系の半導体レーザを用いる様にしてもよい。これにより、半導体レーザをシリコン板等からなるベース31と一体化することができるので、光源基板23を必要とせず、位置精度や放熱性の向上、また、コストダウン等を図ることができる。
また、光源部2の駆動としては、共振による振動機構の代わりに回転機構を用いる様にしてもよい。共振現象を利用しないことから、温度による特性の変化が緩慢であり、安定した走査を行うことができる。
また、光源部2は、ベース31の表裏にそれぞれ設ける様にしてもよい。これにより、光走査装置1を走査面が複数設けられたタンデム式の複写機等に用いた場合、偏向ミラーを削減することができる。
本発明に係る光走査装置の全体構成を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における半導体レーザの構成を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置におけるレンズの配置を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における振動系と光源基板の組立図である。 本発明に係る光走査装置における半導体レーザとベースとの配線を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における駆動系の動作時の形状を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における圧電素子と駆動片との配線を示す模式図である。 従来の光走査装置における半導体レーザの配列を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における半導体レーザの配列を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における別例による半導体レーザの配列を示す模式図である。 本発明に係る光走査装置における別例による端面発光型半導体レーザの配列を示す模式図である。
符号の説明
1 光走査装置
2 光源部
21,21a〜21h 半導体レーザ
211 P型半導体
212 活性層
213 N型半導体
214 反射鏡
215 電極(基板)
216 出射口
22,26 レンズ
23 光源基板
23P 配線パターン
25 端面発光型レーザ
27 折り返しミラー
3 振動系
31 ベース
31T レーザ接続端子
32 ねじり梁
32P 配線パターン(レーザ用)
4 駆動系
41 曲がり梁(駆動片)
41T GND端子
42 圧電素子
42a 信号電極膜
42b GND電極膜
42T,43T 信号端子
43 保持部
W 配線ワイヤー

Claims (5)

  1. 光線を出射する光源を備えた光源部と、
    前記光源部を回転もしくは振動させる駆動部と、を有し、
    前記光源部を前記駆動部によって回転もしくは振動させることにより、前記光源から出射された光線を走査する光走査装置において、
    前記光源部は、複数の前記光源を備え、
    前記駆動部は、前記光源部を所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光源部は、複数の前記光源を、その面上に配置する上下、左右対称な基板を有し、
    複数の前記光源は、前記基板の面に沿って前記回転軸に平行な第1の中心線と、前記第1の中心線に直交する第2の中心線と、のいずれにも対称な位置に2次元マトリクス状に配列されていて、前記第1の中心線を挟んで2列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 複数の前記光源の内、所定の光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第1の走査と、前記第1の中心線に対して前記所定の光源と対称な位置に配置された光源を起点として行毎に異なる列に配置された光源を用いて走査する第2の走査と、を所定の間隔で切換えて実行することを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記駆動部は、前記光源部を所定の回転軸を中心に共振により回転もしくは振動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記光源は、面発光型の半導体レーザであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
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