JP2007298651A - 光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光偏向器を備えた光走査装置において、小型、低価格化、及び生産性の向上を実現するとともに高品位な画像を形成することが可能な光走査装置を提供する。
【解決手段】光源から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる光走査装置において、光を出射する光源と、光源から出射された光を収束させるレンズと、レンズで収束された光を反射するミラー及びミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部とを備えた振動ミラーユニットと、光源とレンズと振動ミラーユニットを、その面に配置した基板と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】光源から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる光走査装置において、光を出射する光源と、光源から出射された光を収束させるレンズと、レンズで収束された光を反射するミラー及びミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部とを備えた振動ミラーユニットと、光源とレンズと振動ミラーユニットを、その面に配置した基板と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、対象物に光を走査させる光走査装置に関する。
光走査装置は、光学素子を用いてレーザ光等の光線の向きを走査するもので、デジタル複写機やレーザプリンタ等の書き込み系、レーザディスプレイや網膜ディスプレイ等の表示系の他、バーコードリーダ、レーザ顕微鏡、レーザ加工装置、三次元計測器等種々の用途に用いられている。
この様な光走査装置には、従来から、光偏向器として多面鏡を回転させるポリゴンスキャナが用いられている。
ポリゴンスキャナは、質量の大きな多面鏡を高速で回転させる為に大きな振動や熱が発生する。そこで、熱伝導性が良く、質量の大きな例えばアルミの成型品等を構造部品に用いることにより、ポリゴンスキャナから発生する振動や熱の他の部材への影響を抑える様にしている。しかしながら、この様な構造部品は、形状が大きく、また、高価であることから、装置の小型化を阻害し、また、高価格化を招くといった問題がある。
また、光偏向器は半導体レーザ等の光源や光源の光を集光するレンズ等と組み合わせて用いられる。そして、これらの構成部品は、立体的な形状を備えた前述の構造部品に、ねじ止めや接着等の組み立て工程を経て結合されている。しかしながら、半導体レーザ、レンズ、光偏向器等は形状が小さいことから、容易に保持や組立てを行うことが困難であり、また、通常、光偏向器のミラー面から対象物の走査面までの距離は長いことから、僅かな位置ずれや部品の誤差が拡大される。この為、組立てや調整に高い精度が要求され、生産性を損なうといった問題がある。
そこで、この様な光走査装置において、装置の小型化、低価格化、及び生産性向上を実現させる技術が種々検討されてきた。
例えば、光偏光器として、ポリゴンスキャナーの代わりに微小振動ミラーを用い、半導体レーザ、レンズ、及び微小振動ミラー等を立体的に配置したり(例えば、特許文献1参照)、また、VCSEL上にMEMSミラーを配置する(例えば、特許文献2参照)等して、装置の小型化、低価格化を実現する技術がが開示されている。
特開平11−305159号公報
特表2005−531790号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されている技術は、いずれも、半導体レーザ、レンズ、及び微小振動ミラー、MEMSミラー等が、3次元に立体的に配置されていることから、それぞれの相対的な位置精度を確保することは容易ではなく、また、これにより組立てや調整に高い精度が要求され、生産性を損なう恐れがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、光偏向器を備えた光走査装置において、小型、低価格化、及び生産性の向上を実現するとともに高品位な画像を形成することが可能な光走査装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至8のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.光源から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる光走査装置において、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を収束させるレンズと、
前記レンズで収束された光を反射するミラー及び前記ミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部とを備えた振動ミラーユニットと、
前記光源と前記レンズと前記振動ミラーユニットを、その面に配置した基板と、を有することを特徴とする光走査装置。
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を収束させるレンズと、
前記レンズで収束された光を反射するミラー及び前記ミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部とを備えた振動ミラーユニットと、
前記光源と前記レンズと前記振動ミラーユニットを、その面に配置した基板と、を有することを特徴とする光走査装置。
2.前記駆動部は、前記ミラーを共振により所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させることを特徴とする前記1に記載の光走査装置。
3.前記光源は、半導体レーザであることを特徴とする前記1または2に記載の光走査装置。
4.前記回転軸は、前記基板に平行であることを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
5.前記光源から出射された光の偏光方向は、前記基板に平行であることを特徴とする前記4に記載の光走査装置。
6.前記光源から出射された光の偏光方向を転換する波長位相板を有することを特徴とする前記4に記載の光走査装置。
7.前記光源は、前記基板に密着して接合されることを特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
8.前記振動ミラーユニットは、熱遮断材を介して前記基板に接合されることを特徴とする前記1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置。
本発明によれば、光偏向器として、ミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部を備えた振動ミラーユニットを用いて、光源から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる様にした。したがって、ポリゴンスキャナの様に、質量の大きな多面鏡を高速で回転させることにより発生する振動や熱の影響を軽減する為の、前述の様な質量の大きな構造部品等が不要になり、装置の小型化や低価格化を実現することができる。また、光源、レンズ、振動ミラーユニットを基板の面に配置する様にした。すなわち、光源、レンズ、振動ミラーユニットを、2次元に平面的に配置する様にしたので、それぞれの相対的な位置精度を容易に確保することができ、これにより組立てや調整に高い精度が必要とされず、生産性を向上させることができる。
また、振動ミラーユニットは、ミラーを共振により所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる様にした。したがって、ミラーを、その共振周波数で駆動することにより、高い偏向速度と大きな偏向角が得られる。また、ミラーの質量が小さい為に少ないエネルギーで駆動することができる。また、軸受け等の摺動部分がない為に装置の寿命が長くなる。
また、光源に半導体レーザを用いる様にしたので、装置を小型化することができる。
また、ミラーの回転軸は、基板に平行になる様にしたので、共振により振動ミラーユニットに加わる変形力は、回転軸方向にバランスが保たれ、安定した回転もしくは振動を行うことができる。
また、光源から出射された光の偏光方向は、基板に平行になる様にしたので、光源から出射された光は、回転軸が基板に平行になる様に配置されたミラーによって、効率よく反射される。光が界面で反射される際、反射光は通常、振幅と位相に変化が生じ、この変化は光の偏光状態に依存する。すなわち、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面内で振動するP偏光と、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面に垂直な面内で振動するS偏光とでは、界面に対する光の入射角によって反射率に大きな差異が生じ、S偏光の方がP偏光に比べ入射角に対する変化が少なく、値も大きい。そして、ここでは、ミラーの回転軸は基板と平行に配置されていることから、基板と平行な偏光がS偏光となる。したがって、光源から出射された光の偏光方向を、基板に平行になる様にすることにより、光はミラーの界面に対してS偏光となることから、入射角に対する依存性が少なくなり、効率よく反射される。
また、光の偏光方向を転換する波長位相板を備える様にしたので、光源から出射された光の偏光方向を、波長位相板を用いて基板に平行になる様にすることもできる。
また、光源は、基板に密着して接合される様にしたので、光源で発生した熱を効率よく基板に放熱することができ、光源の熱による出力変動を抑制することができる。
また、振動ミラーユニットは、熱遮断材を介して前記基板に接合される様にしたので、基板からの熱伝導を抑制することができ、熱による振動系への影響が軽減され、安定した共振状態を保つことができる。
以下図面に基づいて、本発明に係る光走査装置の実施の形態を説明する。
最初に、光走査装置1の構成を図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る光走査装置1の全体構成を示す図である。
光走査装置1は、図1に示す様に、半導体レーザ2、レンズ3、波長位相板4、振動ミラーユニット5、基板6、及び図示しない制御部等を有し、振動ミラーユニット5に設けられた後述のミラー501を、回転軸Kを中心に矢印X方向に回転もしくは振動(以下、回転振動と称する。)させつつ、ミラー501に半導体レーザ2から出射された光線を照射することにより、その反射光を対象物に矢印Y方向に往復走査させるものである。
半導体レーザー2は、本発明における光源に該当し、遠距離まで細い光線を投影することができるコーヒレンスの高い光源であり、また、小型化に適している。半導体レーザーには、端面発光型と面発光型等があるが、ここでは、端面発光型の半導体レーザーを用いる。
ここで、端面発光型の半導体レーザ2の構成を図2を用いて説明する。図2は、端面発光型の半導体レーザー2の構成を示す模式図である。図2に示す様に、端面発光型の半導体レーザ2は、P型半導体201、活性層202、N型半導体203等が積層して構成され、半導体層からの電荷注入により活性層202から誘導放出された光は、活性層202に平行な方向に放出される。放出された光は、活性層202の端部より充分に離れた場所では、図2に示す様に、活性層202に垂直な方向を長円とする楕円形の光束Mを形成する。また、端面発光型の半導体レーザ2の偏光方向Hは、活性層202に平行な直線偏光となる。
レンズ3は、シリンドリカルレンズ31、軸対称レンズ32等を有し、半導体レーザー2から発散する光を、平行、または収束させる。ここで、レンズ3の構成を図3を用いて説明する。図3は、レンズ3の構成を示す模式図である。図3に示す様に、端面発光型の半導体レザー2では、光束Mは楕円形となる為、長円、短円方向に焦点距離の異なるシリンドリカルレンズ31と軸対称レンズ32を組み合わせて円形の光束Nを形成する。
波長位相板4は、半導体レーザー2から出射された光を、後述の基板6に平行な直線偏光に転換する。波長位相板4は、方解石や水晶等の複屈折素子や空隙をもつ二枚のガラス板等を用いて、直交する偏光成分間に位相差を与えることにより、光の偏光方向を転換する。ここで、波長位相板4の動作を図4を用いて説明する。図4(a)は、1/2波長位相板4の動作を示す模式図である。図4(b)は、1/4波長位相板4の動作を示す模式図である。
図4(a)に示す様に、1/2波長位相板4を用いて、1/2波長(角度π)の位相差を与えると偏光方向をH1からH2に90度回転させることができる。また、図4(b)に示す様に、1/4波長位相板4を用いて、1/4波長(角度π)の位相差を与えると円偏光を直線偏光に転換することができる。尚、複屈折素子や二枚のガラス板の空隙の厚みを調整することにより、与える波長の大きさを変更することができる。
次に、振動ミラーユニット5の構成の構成を、図5を用いて説明する。図5(a)は、振動ミラーユニット5を、正面斜め右から見た斜視図、図5(b)は、振動ミラーユニット5の駆動時の形状を示す模式図、図5(c)は、振動ミラーユニット5の駆動時の形状を矢印A方向から見た側面模式図である。
図5(a)に示す様に、振動ミラーユニット5は、ミラー501、ねじり梁502、駆動片503、圧電素子504、フレーム505等を有し、ねじり梁502の復元力とミラー501の慣性モーメントによりねじれ振動系を形成する。この系の共振周波数と等しい周期の駆動力を駆動片503により与えることにより、高い偏向速度と大きな偏向角を両立させることができる。また、振動ミラーユニット5は、ミラー501を中心に上下、左右対称な形状に形成されている。
ミラー501、ねじり梁502、駆動片503、及びフレーム505は、シリコンや金属の薄板を半導体ウェハプロセスにより加工して製作される。
ミラー501は、図5(b)に示す様に、ねじり梁502により回転軸Kを中心に矢印X方向に回転振動を行いつつ、半導体レーザ2から出射された光線を反射し、その反射光を対象物に往復走査させるものである。
駆動片503は、左右のねじり梁502の上下にそれぞれ一対づつ設けられている。駆動片503の表裏には、それぞれ、電気−機械変換素子である圧電素子504が接着等により貼り付けられ、バイモルフ構造の曲がり梁を形成している。駆動片503は、圧電素子504の曲げ変形により、ねじり梁502を回転軸Kを中心に矢印X方向に回転振動させる。
フレーム505は、振動ミラーユニット5を、後述の基板6に固定する為の保持部である。
ここで、駆動片503の動作について説明する。
駆動片503の一方の端は、フレーム505に固定されている。圧電素子504に交流の電界を加えることにより、図5(b)、(c)に示す様に、圧電素子504が、矢印P、Q方向に伸び縮みして駆動片503が前後に屈曲する。この屈曲動作によりねじり梁502を交互にねじる力が働き、ミラー501を回転振動させる。振動ミラーユニット5は、可動部の質量が小さい為、必要なエネルギーが少なく、不要な振動を発生せず発熱も少ない。また、軸受け等の摺動部分がない為、寿命が長い、等の特徴を備えている。この様に、圧電素子504、駆動片503、ねじり梁502は、本発明における駆動部として機能する。
次に、基板6の構成の構成を、図6を用いて説明する。図6(a)は、基板6の構成を示す模式図、図6(b)は、基板6に半導体レーザ2、レンズ3、位相波長板4、振動ミラーユニット5が結合された状態を示す模式図、図6(c)乃至図6(f)は、図6(b)において、それぞれ矢印A乃至D方向から見た断面模式図である。
基板6は、シリコンやアルミ、鉄等の金属板で作成される板状の部材で、半導体レーザ2、レンズ3、位相波長板4、振動ミラーユニット5を保持する。
基板6には、図6(a)に示す様に、半導体レーザ2、レンズ3(シリンドリカルレンズ31、軸対称レンズ32)、位相波長板4、振動ミラーユニット5をそれぞれ保持する為の凹み部501a、開口部501b乃至501eが、エッチングにより精度良く形成されている。そして、図6(b)に示す様に、半導体レーザ2から出射される光線の中心が、レンズ3の光軸R1、波長位相板4を通りミラー501の中心の回転軸K上に投影される様に、凹み部501a、開口部501b乃至501eが配置されている。また、振動ミラーユニット5を保持する凹み部501eは、ミラー501の回転振動を妨げない様に、また、ミラー501に入射、ミラー501で反射する光線の光路を遮らない様に設けられている。
半導体レーザ2は、図6(c)に示す様に、凹み部501aの段差に密着して接合されている。これにより半導体レーザ2で発生した熱を効率よく基板6に放熱することができ、半導体レーザ2の熱による出力変動を抑制することができる。
レンズ3(シリンドリカルレンズ31、軸対称レンズ32)、位相波長板4は、図6(d)に示す様に、また、振動ミラーユニット5は、図6(e)に示す様に、それぞれ開口部501b乃至501eに、それぞれの端部を押し当てて接合されている。接合には接着の他、陽極接合等の接合表面を活性化して接合する方法を用いてもよい。また、振動ミラーユニット5と基板6との接合部は、本発明における熱遮断材に該当する厚手の金属酸化膜等で被覆されている。これにより基板6からの熱伝導を抑制することができ、熱による振動系への影響が軽減され、安定した共振状態を保つことができる。
ここで、基板6とミラー501の回転軸Kとの関係を説明する。
振動ミラーユニット5の振動状態は、フレーム505の基板6への保持方法により変化する。振動体であるミラー501とねじり梁502は、駆動片503を介してフレーム505と結合されているので、駆動片503が屈曲運動を行うことによりフレーム505にも変形力が働く。この為フレーム505が基板6で保持される場所によりフレーム505の変形状態が変化し、ミラー501や梁502の振動状態にも影響を与える。したがって、安定した振動を実現する為には、左右、二本のねじり梁502に与える変形の影響を等しくしてバランスを取ることが必要である。そこで、ねじり梁502に与える変形の影響を等しくする為に、ミラー501の回転軸Kを、図6(b)に示す様に、基板6と平行に配置する。
次に、基板6の形状とレンズ3の光軸R1との関係を説明する。
振動ミラーユニット5の振動状態は、熱の影響により特性が変化する。周囲の温度が変化するとシリコンが膨張、収縮して外形寸法が変化する。温度が上昇してシリコンが膨張すると、長さも伸びるが断面の寸法も大きくなる為、バネ定数は大きくなる。一方、ミラー501の質量は変化しない為、結果として温度の影響により共振周波数が変動し、振動状態が変化する。すなわち、二本のねじり梁502に伝わる熱量に違いがあると、温度による変形量に差が出る為、振動状態が変化する。したがって、二本のねじり梁502に与える温度の影響を等しくする為には、前述の様に、ミラー501の回転軸Kを基板6と平行に配置すると共に、基板6の温度分布を左右対称にすることが必要である。そこで、基板6の温度分布を左右対称にする為に、基板6の形状を、図6(b)に示す様に、半導体レーザ2、レンズ3、ミラー501に続く光軸R1に略対称な形状とする。
次に、半導体レーザ2の偏光とミラー501の反射率との関係を説明する。
光が界面で反射される際、反射光は通常、振幅と位相に変化が生じ、この変化は光の偏光状態に依存する。すなわち、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面内で振動するP偏光と、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面に垂直な面内で振動するS偏光とでは、界面に対する光の入射角によって反射率に大きな差異が生じる。
光が界面で反射される際、反射光は通常、振幅と位相に変化が生じ、この変化は光の偏光状態に依存する。すなわち、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面内で振動するP偏光と、界面に立てた法線と光の進行方向を含む面に垂直な面内で振動するS偏光とでは、界面に対する光の入射角によって反射率に大きな差異が生じる。
ここで、P偏光、S偏光の特性を図7を用いて説明する。図7は、P偏光、S偏光、それぞれの界面への入射角と反射率との関係を示すグラフである。図7に示す様に、S偏光の方がP偏光に比べ入射角に対する反射率の変化が少なく、値も大きい。
ミラー501が回転すると光に対する入射角が変動する。したがって、投影する光量を大きく、角度による変化を少なくする為には、ミラー501の反射面に対してS偏光となる光線を用いることが必要である。
そして、ここでは、前述の様に、ミラー501の回転軸Kが基板6と平行に配置されていることから、基板6と平行な偏光がS偏光となる。したがって、半導体レーザ2から出射された光の偏光方向を、基板6に平行になる様にする。これにより、光はミラー501の界面に対してS偏光となることから、入射角に対する依存性が少なくなり、効率よく反射される。
例えば、端面発光型の半導体レーザ2の場合には、図8に示す様に、半導体レーザ2を、その積層方向が基板6に平行になる様に基板6に設置すると半導体レーザ2の偏光方向Hは基板6に平行となる。この場合、半導体レーザ2の偏光方向Hがミラー501のS偏光となる為、波長位相板4等の偏光転換手段は不要である。また、半導体レーザ2の積層方向が基板6と垂直になる場合や、端面発光型の半導体レーザ2以外で円偏光や、直線偏光でもその偏光方向が基板6と平行でないレーザ光源を利用する場合等は、波長位相板4を用いて偏光方向を基板と平行に転換する。
この様に、本発明に係る光走査装置においては、振動ミラーユニット5を用いて、半導体レーザ2から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる様にした。したがって、ポリゴンスキャナの様に、質量の大きな多面鏡を高速で回転させることにより発生する振動や熱の影響を軽減する為の、前述の様な質量の大きな構造部品等が不要になり、装置の小型化や低価格化を実現することができる。また、半導体レーザ2、レンズ3、振動ミラーユニット5を基板6の面に配置する様にした。すなわち、半導体レーザ2、レンズ3、振動ミラーユニット5を、2次元に平面的に配置する様にしたので、それぞれの相対的な位置精度を容易に確保することができ、これにより組立てや調整に高い精度が必要とされず、生産性を向上させることができる様になる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は前述の実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、適宜変更、改良が可能であることは勿論である。例えば、
図9を用いて、本発明に係る光走査装置の別例による実施の形態を説明する。
図9を用いて、本発明に係る光走査装置の別例による実施の形態を説明する。
図9(a)に示す様に、複数の半導体レーザ2を振動ミラーユニット5の回転軸Kに平行に配置する様にしてもよい。これにより、複数の行を同時に走査することができるので、カラー化や高速化を容易に実現することができる。
また、図9(b)に示す様に、端面発光型の半導体レーザ2の代わりに折り返しミラー21を備えた面発光型の半導体レーザ2を用いる様にしてもよい。これにより、2次元に複数配置できるので、容易にマルチビーム化できる。また、面発光型の半導体レーザ2は、光束が円形の為、シリンドリカルレンズ31が不要となるので、装置の低価格化を図ることができる。
また、光源としては、通常、ガリウム・ヒ素系の半導体レーザが用いられるが、シリコン系の半導体レーザを用いる様にしてもよい。これにより、半導体レーザ2をシリコン板等からなる基板6と一体化することができるので、位置精度や放熱性の向上、また、装置の低価格化を図ることができる。
また、振動ミラーユニットの代わりに回転ミラーを用いる様にしてもよい。共振現象を利用しないことから、温度による特性の変化が緩慢であり、安定した走査を行うことができる。
また、図9(c)に示す様に、振動ミラーユニット5を挟んで、半導体レーザ2、レンズ3を光軸R1、S1の方向にそれぞれ一対づつ配置し、ミラー501の表裏に光を当てて光を偏向する様にしてもよい。これにより、光走査装置1を走査面が複数設けられたタンデム式の複写機等に用いた場合、偏向ミラーを削減することができる。
1 光偏向装置
2 半導体レーザ
21 折り返しミラー
201 P型半導体
202 活性層
203 N型半導体
204 基板
205.206 電極
3 レンズ
31 シリンドリカルレンズ
32 軸対称レンズ
4 波長位相板
5 振動ミラーユニット
501 ミラー
502 ねじり梁
503 駆動片
504 圧電素子
505 フレーム
6 基板
2 半導体レーザ
21 折り返しミラー
201 P型半導体
202 活性層
203 N型半導体
204 基板
205.206 電極
3 レンズ
31 シリンドリカルレンズ
32 軸対称レンズ
4 波長位相板
5 振動ミラーユニット
501 ミラー
502 ねじり梁
503 駆動片
504 圧電素子
505 フレーム
6 基板
Claims (8)
- 光源から出射された光を反射し、反射した光を対象物に走査させる光走査装置において、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を収束させるレンズと、
前記レンズで収束された光を反射するミラー及び前記ミラーを所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させる駆動部とを備えた振動ミラーユニットと、
前記光源と前記レンズと前記振動ミラーユニットを、その面に配置した基板と、を有することを特徴とする光走査装置。 - 前記駆動部は、前記ミラーを共振により所定の回転軸を中心に回転もしくは振動させることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 前記光源は、半導体レーザであることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
- 前記回転軸は、前記基板に平行であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記光源から出射された光の偏光方向は、前記基板に平行であることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
- 前記光源から出射された光の偏光方向を転換する波長位相板を有することを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
- 前記光源は、前記基板に密着して接合されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記振動ミラーユニットは、熱遮断材を介して前記基板に接合されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8531499B2 (en) | 2008-09-17 | 2013-09-10 | Ricoh Company, Ltd. | Optical scanner and image forming apparatus including same |
JP6165366B1 (ja) * | 2016-04-28 | 2017-07-19 | 三菱電機株式会社 | 平行光発生装置 |
-
2006
- 2006-04-28 JP JP2006125357A patent/JP2007298651A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8531499B2 (en) | 2008-09-17 | 2013-09-10 | Ricoh Company, Ltd. | Optical scanner and image forming apparatus including same |
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