JP2009002978A - マイクロスキャナ及びそれを備えた光走査装置。 - Google Patents

マイクロスキャナ及びそれを備えた光走査装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】変動部と可動枠とを連結する結合部の湾曲性を向上させることにより、変動部の回転角を大きくするとともに応力による結合部の破損を防止可能なマイクロスキャナ及びそれを備えた光走査装置を提供する。
【解決手段】ミラー部3は、主軸部4a、4bにより可動枠5a、5bに支持されており、ユニモルフ駆動部6a、6bは、可動枠5a上に主軸部4aを挟持するようにして形成され、ユニモルフ駆動部6c、6dも可動枠5b上に主軸部4bを挟持するようにして形成される。そして、ユニモルフ駆動部6aと6bの間、及びユニモルフ駆動部6cと6dの間の領域は、主軸部4a、4bの一端と繋がる結合部7となっている。結合部7には、ミラー回転軸(X軸)と平行な溝部81、82から成る屈曲部8が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、プロジェクタやレーザビームプリンタ等に用いられる光源からの光を走査するマイクロスキャナ(光スキャナ)に関する。また本発明は、そのような光スキャナを備えることにより光を高速に走査可能な光走査装置に関する。
従来から、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた小型の光スキャナ(マイクロスキャナ)は種々開発されている。例えば、図11に示すような特許文献1の光スキャナ101は、スキャン用のミラー部103、ミラー部103を支えるトーションバーTB、及びミラー部103に繋がる可動枠105を含んでおり、可動枠105上にはミラー部103を偏向させるためのユニモルフ駆動部106が配置されている。
そして、この光スキャナ101は、ミラー部103を極力大きく偏向させるために、可動枠105上に配置されるユニモルフ駆動部106の駆動周波数と、トーションバーTBを含むミラー部103の機械的共振周波数とを一致させている。このようにすれば、ユニモルフ駆動部106が低電圧駆動であっても、ミラー部103が共振して比較的大きく偏向するためである。
しかしながら、ミラー部103に繋がる可動枠105の先端部110はねじれにくくなっている。そのため、可動枠105に生じる力が回転トルクとしてミラー部103に作用しにくい。したがって、ミラー部103が十分に偏向しているとはいいがたい。
ここで、先端部110とミラー部103とが連結しないような光スキャナ101も考えられる。例えば、図12に示すような光スキャナ101である。この光スキャナ101は、固定枠102、ミラー部103、ユニモルフ駆動部106a〜106dによって変形する可動枠105、及びミラー部103と可動枠105とをつなぐ主軸部104を含んでいる。
そして、この光スキャナ101は、可動枠105の撓み変形に応じて、ミラー部103をX方向を基準に正逆回転させる(P方向へ回転またはR方向へ回転させる)。このようなミラー部103の偏向動作で撓み変形する可動枠105を示した図が、図13A及び図13Bになる。これらの図は図12のA−A’線矢視断面図であり、図13Aが正回転(P方向への回転)の場合を示し、図13Bが逆回転(R方向への回転)の場合を示す。
なお、説明上、主軸部104の軸方向をX方向(X軸と称してもよい)、このX方向に対して直交する可動枠105の延び方向をY方向、X方向及びY方向に対する直交方向をZ方向とする。また、図12での紙面上側をY方向のプラス{Y(+)}、この+方向に対する逆方向をY方向のマイナス{Y(−)}とするとともに、図12での紙面表側をZ方向のプラス{Z(+)}、この+方向に対する逆方向をZ方向のマイナス{Z(−)}とする。
また、以降では、2つの可動枠105(可動枠105a、105b)のうち可動枠105aのみについて説明するが、この可動枠105aがミラー部103を正回転または逆回転させようとしている場合、残りの可動枠105bも同じようにミラー部103を正回転または逆回転させている。
ミラー部103が正回転する場合、図13Aに示すように、Y(+)側のユニモルフ駆動部106aの圧電素子108が伸びることで、Y(+)側の可動枠105aにおける主軸部104側はZ(−)に垂れ下がる。一方、Y(−)側のユニモルフ駆動部106bの圧電素子108が縮むことで、Y(−)側の可動枠105aにおける主軸部104側はZ(+)に跳ね上がる。すると、波打つように可動枠105aが撓み、その撓みに追従して主軸部104も正回転して傾く。
また、ミラー部103が逆回転する場合、図13Bに示すように、Y(+)側のユニモルフ駆動部106aの圧電素子108が縮むことで、Y(+)側の可動枠105aにおける主軸部104側はZ(+)に跳ね上がる。一方、Y(−)側のユニモルフ駆動部106bの圧電素子108が伸びることで、Y(−)側の可動枠105aにおける主軸部104側はZ(−)に垂れ下がる。すると、可動枠105aは、図13Aとは逆向きに波打って撓み、その撓みに追従して主軸部104も逆回転して傾く。
特開2005−128147号公報
図12に示したような光スキャナ101をプロジェクタ等の走査型投影装置に用いる場合、ミラー部103の偏向角が投影可能な画面サイズを決定する大きな要因となる。また、ユニモルフ駆動部106の駆動周波数とミラー部103の振動周波数を一致させてミラー部103を共振させた場合、走査速度はサイン波形を描くため、走査中央部での走査速度が速く、走査両端側での走査速度が遅くなって画像ピッチが変動する。そのため、ミラー部103を共振させることなく、且つユニモルフ駆動部106a〜106dの僅かな変位でより大きな偏向角が得られるように、可動枠105の結合部107は他の部分に比べて湾曲し易くしておくことが望ましい。
結合部107の湾曲性を高める方法としては、結合部107の厚みや幅を小さくする方法が考えられるが、この方法では結合部107の強度も低下する。そのため、ユニモルフ駆動部106a〜106dの変位により大きな応力が加えられた際に結合部107が破損するおそれがあった。また、結合部107全体の厚みを均一に精度良くエッチング加工することは加工条件のバラツキの影響を受けやすく困難であった。さらに、加工のバラツキを抑制するためにシリコン基板と表面シリコン層の間にSiO2を挿入したSOI基板を用いた場合、基板コストが高くなってしまい現実的ではなかった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、ミラー部と可動枠とを連結する結合部の湾曲性を向上させることにより、ミラーの偏向角を大きくするとともに応力による結合部の破損を防止可能な光スキャナ及びそれを備えた光走査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマイクロスキャナは、変動部と、該変動部を揺動可能に支持する主軸部と、該主軸部を保持する変形可能な可動枠と、該可動枠を湾曲させて変動部を傾斜させる駆動手段と、可動枠を湾曲可能に支持する固定枠と、を含むマイクロスキャナであり、主軸部が連結される可動枠の結合部には、表面側及び裏面側に形成された主軸部に対し略平行な一対の溝部から成る屈曲部が主軸部の両側に形成されている。
この構成によれば、結合部は屈曲部において比較的弱い力で変形するため、主軸部の回転量も大きくなる。そして、この増加した回転量に起因して、変動部は比較的大きく揺動する。その結果、マイクロスキャナは、変動部の偏向角を容易に増大させられる。また、一対の溝部の深さの和は結合部の厚みよりも大きくなっており、溝部は結合部の厚み方向に重ならない位置に形成される。これにより、屈曲部の断面がつづらおり状となって、湾曲性に加えて十分な強度も兼ね備えた屈曲部となる。
なお、屈曲部を構成する溝部は、例えば1つの基板から成る結合部の表裏面をエッチング加工することによって設けられており、マイクロスキャナ自身は一基板に形成されている。また、変動部が、金属膜を含むことで光を反射させるミラー部である場合、マイクロスキャナは光スキャナとも称せる。
また、屈曲部は、可動枠の延び方向に沿って複数並んでいると望ましい。このようになっていると、結合部の撓み変形が並列する複数の屈曲部に分散され、個々の屈曲部に加わる捩れは少なくて済む。従って、基板の厚みが大きく応力分散効果が小さい場合や、駆動手段により発生する駆動力が小さい場合に特に有効である。駆動手段としては、圧電素子とそれを挟む電極から成るユニモルフ駆動部が好適に用いられる。
ただし、可動枠の延び方向に沿って複数並んでいる各屈曲部では、屈曲部を構成する溝部の溝幅及び深さのうち少なくとも一つが異なっていると望ましい。詳説すると、各溝部の溝幅及び深さのうち少なくとも一つは、主軸部から離れるにつれて小さくなっていると望ましい。
通常、各屈曲部にかかるモーメントは主軸部から離れるほど大きくなる。また、溝幅及び深さが小さくなっている屈曲部ほど剛性は大きくなる。そこで、主軸部から離れるにつれて溝幅及び深さのうち少なくとも一つを小さくすることにより、モーメントの大きさに対して適正な剛性が得られることになり、主軸部から離れた屈曲部に過剰な捩れ変形が発生する事態は起きない。
また、以上のマイクロスキャナを搭載する光走査装置も本発明といえる。
本発明によれば、変動部と可動枠とを連結する結合部に、表裏面に形成され回転軸と平行な一対の溝部から成り、溝部の深さの和が結合部の厚みよりも大きい屈曲部を形成することにより、可動枠の撓み量が僅かであっても変動部を広角度に回転させることができる。これにより、マイクロスキャナの変動部の偏向角を容易に増大可能となる。また、可動枠の撓み変形により結合部に加わる応力が分散するため、結合部の曲げ疲労による破損を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、理解を容易にすべく、平面図であってもハッチングを付している。また、説明の便宜上、部材符号、ハッチングを省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面上での黒丸は紙面に対し垂直方向を意味する。以下の実施形態では、マイクロスキャナの変動する部材(変動部)としてミラー部を例に挙げるとともに、このミラー部を変動させることで光を反射させスキャン動作を行う光スキャナを例に挙げる。
図1は、本発明のマイクロスキャナ及び光走査装置を備える画像投影装置の一例を示すブロック図である。図1において、画像投影装置100は、例えばパソコンやテレビ等から出力される画像信号を入力し、その処理を行う光制御部20と、光制御部20から出力される信号を受けて光の走査を行い、例えばスクリーン30に画像光を投影する光走査装置40を含む構成である。
光走査装置40は、図1に示すように、それぞれが赤色、緑色、青色(以下RGBと省略する)に対応する3つの光源21〜23と、色合成プリズム24と、コリメータレンズ25と、光スキャナ(マイクロスキャナ)1と、投影光学系26と、ミラー位置検知用光源27と、ミラー位置検出手段28と、光走査制御部29とから構成される。
そして、RGBに対応する3つの光源21〜23から出射された光は、色合成プリズム24、コリメータレンズ25の順に通過し、光スキャナ1で光走査された後、投影光学系27を透過して、例えばスクリーン30に結像する。
次に光走査装置40の詳細について説明する。3つの光源21〜23は、例えば光源21が赤色の半導体レーザダイオード、光源22が緑色の半導体レーザダイオード、光源23が青色の半導体レーザダイオードに対応する。そして、それぞれの半導体レーザダイオードの波長は、例えば、赤色が660nm、緑色が532nm、青色が450nmに設定されている。
なお、本実施形態では光源に半導体レーザダイオードを用いているが、これに限定される趣旨ではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で変更可能である。特に、緑色の半導体レーザダイオードは入手困難であることから、緑色のみ半導体レーザで結晶を励起する方式のDPSS(Diode Pomping Solid State)レーザを外部変調器で変調するものを用いて構わない。また、赤色、緑色、青色の全ての色について、半導体レーザダイオードに代えて、発光ダイオード(LED)や固体レーザ等を光源に用いても構わない。ただし、光源のサイズは小さい方が好ましく、その点で半導体レーザダイオードが好ましい。
色合成プリズム24は、光源21〜23から出射されたレーザ光を合成する役割を果たし、光源21〜23から出射されたレーザ光はここで合成され、合成された色をスクリーン30に表示する。なお、本実施形態では色合成プリズムを用いているが、これに限定される趣旨ではない。例えば、図2に示すように2枚のダイクロイックミラー31a、31bを用いて、赤色光を反射し緑色光を透過するダイクロイックミラー31aで赤色と緑色の光源21、22から出射されたレーザ光を合成し、その後、青色光を反射し赤色光と緑色光は透過するダイクロイックミラー31bを用いて、先に合成されたレーザ光に青色の光源23から出射されたレーザ光を合成するような形態としても構わない。ただし、装置の部品点数を少なくすることと、装置全体のサイズを小さくできる点で色合成プリズム24を用いるのが好ましい。
コリメータレンズ25は、光源21〜23から出射され、色合成プリズム24を通過してきた発散光を平行光へ変換するレンズである。また、コリメータレンズ25は、投影光学系27で発生する色収差を補正するようにピント位置が調整されている。光スキャナ1は、コリメータレンズ25を透過してきたレーザ光を走査することができ、本実施形態においては、スクリーン30に対して水平方向(図1の左右方向)と垂直方向(図1の紙面方向)にレーザ光を走査する。
図3は、本発明の第1実施形態の光スキャナを示す平面図である。本実施形態の光スキャナ1は、X軸周り(図3の縦回り)の走査のみを行う一次元走査型の光スキャナであり、固定枠2、ミラー部3、主軸部4a、4b、可動枠5a、5b、ユニモルフ駆動部6a〜6dを含んでいる。なお、これらの部材は、変形可能なシリコン基板等をエッチングすることにより一体形成されている。
ミラー部3は、光源等からの光を反射させる部材である。かかるミラー部3は、平面視で矩形状の基板に、開孔H(第1開孔H1、第2開孔H2)を並べて設けることで、図1に示すような固定枠2及びその内側に生じる島状部分(第1開孔H1と第2開孔H2との間に位置する残部)を形成し、島状部分に金やアルミニウム等の反射膜を貼り付けることで形成される。
なお、第1開孔H1と第2開孔H2とが並ぶ方向をY方向と称し、第1開孔H1側のY方向をY方向のプラス{Y(+)}、この+方向に対する逆方向をY方向のマイナス{Y(−)}とする。さらに、ミラー部3の中心からY方向に伸びる方向をY軸と称する。
主軸部4a、4bは、ミラー部3の外縁において対向する一端と他端とから外側に延びることで、そのミラー部3を挟持して支える部材である。かかる主軸部4a、4bは、ミラー部3に接する第1開孔H1、第2開孔H2の両隅を近接させることにより、基板の一部分を棒状にさせることで形成される。
なお、主軸部4a、4bは、Y方向に対して交差する方向(例えば直交方向)に延びている。そこで、この方向をX方向と称し、主軸部4b側のX方向をX方向のプラス{X(+)}、この+方向に対する逆方向をX方向のマイナス{X(−)}とする。さらに、主軸部4a、4bに重畳してX方向に伸びる方向をX軸(主軸方向/X軸方向)と称する。
可動枠5a、5bは、主軸部4a、4bを保持すること(主軸部4a、4bに繋がること)によってミラー部3を保持する部材である。かかる可動枠5a、5bは、Y方向に延びた開孔H(第3開孔H3、第4開孔H4)と第1開孔H1、第2開孔H2との間に橋渡し状に残存する基板の残部で形成される。
すなわち、第3開孔H3と第1開孔H1、第2開孔H2との間に位置する基板の残部と、第4開孔H4と第1開孔H1、第2開孔H2との間に位置する基板の残部とが可動枠5a、5bとなる。なお、このような残部から成る可動枠5a、5bは、Y方向に延びる形状(線状)となるので撓みやすい(すなわち、Y方向は可動枠5a、5bの延び方向である)。
ユニモルフ駆動部6a〜6dは、電圧を力に変換するアクチュエータとして機能するものであり、分極処理されたPZT、ZnO、BST等の圧電素子61と、この圧電素子61を挟持する電極62とを含んでいる(後述の図4参照)。そして、この圧電素子61及び電極62が可動枠5a、5bの表面に貼り付けられることで、ユニモルフ駆動部6a〜6dが形成される。
ここで、ユニモルフ駆動部6a、6bは、可動枠5a上に主軸部4aを挟持するようにして形成され、ユニモルフ駆動部6c、6dも可動枠5b上に主軸部4bを挟持するようにして形成される。そして、ユニモルフ駆動部6aと6bの間、及びユニモルフ駆動部6cと6dの間の領域は、主軸部4a、4bの一端と繋がる結合部7となっている。そのため、ユニモルフ駆動部6a、6b及びユニモルフ駆動部6c、6dにおける圧電素子61の伸縮変形に応じて、可動枠5a、5bも変形(撓み変形/曲げ変形)する。光スキャナ1では、この可動枠5a、5bの変形を利用して、ミラー部3が主軸部4a、4b(主軸方向)を基準に正逆回転方向に傾く(揺動可能となる)。なお、詳細については後述する。
結合部7には、ミラー回転軸と平行な屈曲部8が設けられている。屈曲部8は、結合部7の表裏面に設けられた一対の溝部81、82(図4参照)から構成されており、主軸部4a、4bを挟んで対称の位置に一対ずつ設けられている。また、屈曲部8を構成する溝部81、82は、結合部7の厚み方向に重ならないような位置に形成されている。なお、結合部7の表面側{図4のZ(+)側}に形成される溝部を溝部81、結合部7の裏面側{図4のZ(−)側}に形成される溝部を溝部82とする。
次に、光スキャナ1の製造方法の一例を説明する。光スキャナ1は、例えば厚さ100μm程度のシリコン基板を用いて作製される。まず、シリコン基板をフォトレジストとエッチングにより加工して開口H1〜H4を形成することにより、図3に示した固定枠2、ミラー部3、主軸部4a、4b、可動枠5a、5bを一体形成する。このとき、可動枠5a、5bの結合部7に溝部81、82を同時に形成して屈曲部8とする。次に、シリコン基板の表面側に電極62、圧電素子61、電極62を順に貼り付けてユニモルフ駆動部6a〜6dを形成する。そして、ミラー部3に反射膜となる金属膜を貼り付けて光スキャナ1を製造する。
なお、圧電素子61、電極62、及びミラー部3の金属膜は、シリコン基板上に直接薄膜形成することもできる。薄膜形成法としては、スパッタリング法、化学蒸着法(CVD法)、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法(AD法)などが挙げられるが、エアロゾルデポジション法が好ましい。これによれば、スパッタリング法、CVD法、ゾルゲル法に比べてエッチング工程等が省略でき、成膜速度の向上、工程短縮が可能となる。なお、エアロゾルデポジション法とは、あらかじめ他の手法で準備された微粒子、超微粒子原料をガスと混合してエアロゾル化し、減圧雰囲気下でノズルを通して基板に噴射して被膜を形成する技術のことを示している。
次に、本実施形態の光スキャナ1におけるミラー部3の偏向動作について、図4A及び図4Bを用いながら説明する。図4A及び図4Bは、図3におけるA−A’線矢視断面図である。
図3の光スキャナ1は、主軸部4a、4b(主軸方向)を基準にミラー部3を回動させる。そこで、主軸方向周りの一方向(X(+)からX(−)に向いて時計回りの回転)を正回転、正回転に対して逆方向の回転(反時計回りの回転)を逆回転とし、図4Aに正回転する主軸部4aを示し、図4Bに逆回転する主軸部4aを示す(正回転方向をP、逆回転方向をRで図示)。
また、X方向及びY方向に対して垂直な方向をZ方向(撓み方向)として図示し、便宜上、ミラー部3の光を受光する側をZ方向のプラス{Z(+)}、この+方向に対する逆方向をZ方向のマイナス{Z(−)}とする。さらに、X軸とY軸との交点からZ方向に伸びる方向をZ軸と称する。
なお、以降では、2つの可動枠5a、5bのうち可動枠5aのみについて説明し、可動枠5bについては説明を省略するが、この可動枠5aがミラー部3を正回転または逆回転させようとしている場合、可動枠5bも同じようにミラー部3を正回転または逆回転させている。
図4A及び図4Bに示すように、ユニモルフ駆動部6a、6bには、圧電素子61と、圧電素子61を挟んで対向する電極62とが含まれる。そして、この二枚の電極62間に、分極反転を起こさせない範囲で±の電圧(交流電圧)が印加されることで圧電素子61が伸縮し、その伸縮に応じてユニモルフ駆動部6a、6bが撓む。
具体的には、ミラー部3が正回転する場合、図4Aに示すように、ユニモルフ駆動部6aの圧電素子61を伸ばす電圧が印加されるとともに、ユニモルフ駆動部6bの圧電素子61を縮ませる電圧(ユニモルフ駆動部6a側に印加される電圧とは逆位相の電圧)が印加される。
このような電圧が印加されると、ユニモルフ駆動部6aが貼り付けられた可動枠5aの部分(可動片5aa)がZ(+)側を凸に撓む。その結果、可動片5aaの主軸部4a側はZ(−)に垂れ下がる。一方、ユニモルフ駆動部6bが貼り付けられた可動枠5aの部分(可動片5ab)が、Z(−)側を凸に撓む。その結果、可動片5abの主軸部4a側はZ(+)に跳ね上がる。そして、可動片5aa、5bbの撓みに伴い、結合部7を介して主軸部4aのY(+)側が押し下げられるとともにY(−)側が押し上げられ、主軸部4aが正回転する。
逆に、ミラー部3が逆回転する場合、図4Bに示すように、ユニモルフ駆動部6aの圧電素子61を縮ませる電圧が印加されるとともに、ユニモルフ駆動部6bの圧電素子61を伸ばす電圧が印加される。このような電圧が印加されると、可動片5aaがZ(−)側を凸に撓み、可動片5aaの主軸部4a側はZ(+)に跳ね上がる。一方、可動片5abはZ(+)側を凸に撓み、可動片5abの主軸部4a側はZ(−)に垂れ下がる。
そして、可動片5aa、5bbの撓みに伴い、結合部7を介して主軸部4aのY(+)側が押し上げられるとともにY(−)側が押し下げられる。即ち、主軸部4aのY(+)側、Y(−)側が正回転の場合と逆に移動することで、主軸部4aが逆回転する。
ここで、結合部7には溝部81、82から成る屈曲部8が形成されているため、結合部7は屈曲部8部分で急峻に湾曲可能となり、ユニモルフ駆動部6a、6bのZ軸方向の変位が僅かであってもミラー回転軸(X軸)周りに大きく回転させることができる。また、溝部81、82により結合部7に加わる応力が分散するため、結合部7の曲げ疲労による破損を抑制することができる。このとき、屈曲部8を主軸部4aにできるだけ近接して設けておけば、ユニモルフ駆動部6a、6bの変位量に対する主軸部4aの回転角(偏向角)θをより大きくすることができる。
なお、回転角θとは、ユニモルフ駆動部6a、6bの影響を受けることなく不動状態にあるミラー部3と、変動するミラー部3との間に生じる角度のことである。
また、屈曲部8を構成する溝部81、82は、光スキャナ1を構成する固定枠2、ミラー部3、主軸部4a、4b、可動枠5a、5b等の他の部分と同時にエッチング加工により容易に形成できるため、溝部81、82を形成するために精度の高い別工程を設ける必要もない。
溝部81、82の深さや配置については、光スキャナ1の材料となるシリコン基板の厚みや結合部7に要求される湾曲性に応じて適宜設定することができる。例えば上述のように溝部81、82をエッチング加工により形成する場合、20程度のアスペクト比で加工することは十分可能であるため、シリコン基板の厚みを数十〜数百μm程度とすると、溝幅10μm以下で溝部81、82を形成できる。従って、主軸部4a、4bの連結部分からユニモルフ駆動部6a〜6dまでの距離が僅かな小型の光スキャナ1であっても、屈曲部8を容易に形成することができる。
また、結合部7に十分な湾曲性を付与するため、図5に示すように、屈曲部8を構成する一対の溝部81、82が結合部7の厚み方向に重ならないように設けるとともに、各溝部8a、8bの深さをD、結合部7の厚み(=シリコン基板厚)をTとするとき、0.5<D/T<1の関係を満たすように、言い換えれば溝の深さの和(2D)がシリコン基板厚Tよりも大きくなるように設定する。これにより、屈曲部8の断面がつづらおり状(蛇腹状)となり、湾曲性に加えて十分な強度も兼ね備えた屈曲部8となる。屈曲部8の湾曲性をより一層高めるには、溝の深さDをできる限り深くする(D/Tを1に近づける)ことが望ましい。なお、ここでは溝部81、82の深さDを同一としたが、溝の深さの和がシリコン基板厚Tよりも大きければ、溝部81、82の深さが異なっていても良い。
図6は、結合部7に設けられる屈曲部8の他の例を示す断面拡大図である。図6(A)においては、主軸部4aの両側に複数箇所の屈曲部(ここでは3箇所の屈曲部8a、8b、8c)が設けられている。この構成とすれば、結合部7に加えられる捩れは屈曲部8a〜8cの3箇所に分散するため、個々の屈曲部に加わる捩れは少なくて済む。従って、シリコン基板の厚みが大きく応力分散効果が小さい場合や、ユニモルフ駆動部6a〜6dにより発生する駆動力が小さい場合に特に有効である。
また、各屈曲部にかかるモーメントはミラー回転軸(=主軸部4a)から離れるほど大きくなるため、図6(A)のように同一形状の溝を設けた場合はミラー回転軸から遠くなる屈曲部8a、8b、8cの順に大きな捩り変形が発生する。そこで、図6(B)においては、屈曲部8a、8b、8cの順に溝部81、82の深さを小さくしている。これにより、ミラー回転軸から遠い溝部ほど捩り剛性が高くなり、図6(A)の構成に比べて捩れ角のバランスが取れるようになる。
なお、図6(B)ではミラー回転軸からの距離に合わせて溝部81、82の深さを段階的に変化させたが、ミラー回転軸からの距離に合わせて溝部81、82の溝幅を段階的に変化させても良い。また、屈曲部8の断面形状についても任意に設定することができる。例えば図7(A)のように断面鋸歯状の溝部81、82から成る屈曲部8を設けても良いし、図7(B)のように断面階段状の溝部81、82から成る屈曲部8を設けても良い。
図8は、本発明の第2実施形態に係る光スキャナの平面図である。本実施形態の光スキャナ1は、X軸周り(図8の縦方向)及びY軸周り(図8の横方向)の走査を行う二次元走査型の光スキャナである。図3に示した一次元走査型の光スキャナ1とでは、主軸部4a、4b、可動枠5a、5b、ユニモルフ駆動部6a〜6d等は同じであり、ミラー部3の構成のみが異なる。そこで、ミラー部3を主として説明し、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。なお、ミラー部3に含まれる各部材は、第1実施形態と同様に、変形可能なシリコン基板等をエッチングすることにより形成される。
ミラー部3は、ミラー枠3a、ミラー片3b、及びミラー片トーションバー(副軸部)9a、9bを含んでいる。ミラー枠3aは、ミラー片3bを囲む部材である。詳説すると、ミラー枠3aは、枠内にミラー片3bを位置させつつ、ミラー片3bを挟持するように延びるミラー片トーションバー9a、9bに繋がっている。また、ミラー枠3aは主軸部4a、4bによって可動枠5a、5bに支持される。そのため、このミラー枠3aは第1実施形態のミラー部3と同様に、可動枠5a、5bの変形を利用して主軸部4a、4bを基準に正逆回転可能となっている。
ミラー片3bは、ミラー枠3aにおいて並列する開孔H(第5開孔H5、第6開孔H6)によって生じる島状部分(第5開孔H5、第6開孔H6間に位置する残部)に、アルミニウム、金等の金属を反射膜として貼り付けることで形成される。つまり、ミラー片3bは、光を反射させる片材である。
ミラー片トーションバー9a、9bは、ミラー片3bの外縁において対向する一端と他端とから外側に延びることで、そのミラー片3bを挟持しつつ揺動可能に支える部材である。かかるミラー片トーションバー9a、9bは、ミラー片3bに接する第5開孔H5及び第6開孔H6の両端をY方向に沿って直線状に延ばすことで形成される。
次に、本実施形態の光スキャナ1におけるミラー部3の偏向動作について説明する。なお、主軸部4a、4b方向(X軸方向)を基準とするミラー部3の偏向動作については図4A及び図4Bに示した第1実施形態の光スキャナ1と同様であるため説明は省略する。
図9A、図9Cは図8のB−B’線矢視断面図を示し、図9B、図9Dは図8のC−C’線矢視断面図を示している。本実施形態の光スキャナ1のY軸を基準とする回動動作について図9A〜図9Dを用いて説明する。なお、図9A及び図9BはY方向を基準とする正回転の動作を示す一方、図9C及び図9DはY方向を基準とする逆回転の動作を示す。ここで、Y軸を基準とする正回転とは、Y(+)からY(−)に向いて時計回りの回転であり、逆回転は正回転に対して逆方向となる回転のことである(正回転方向をP、逆回転方向をRで図示)。
ミラー部3がY方向を基準に正回転する場合、図9Aに示すように、可動枠5a(可動片5aa、5ab)のユニモルフ駆動部6a、6bを構成する圧電素子61を伸ばす電圧が印加される。このような電圧が印加されると、伸長する圧電素子61によって、ユニモルフ駆動部6a、6bが貼り付けられた可動片5aa、5abがZ(+)側を凸に撓む。その結果、可動片5aa、5abの主軸部4a側はZ(−)に垂れ下がり、主軸部4aもZ(−)に向かって変位する。
一方で、図9Bに示すように、可動枠5b(可動片5ba、5bb)のユニモルフ駆動部6c、6dを構成する圧電素子61を縮ませる電圧が印加される。このような電圧が印加されると、収縮する圧電素子61によって、ユニモルフ駆動部6c、6dが貼り付けられた可動片5ba、5bbがZ(−)側を凸に撓む。その結果、可動片5ba、5bbの主軸部4b側はZ(+)に跳ね上がり、主軸部4bもZ(+)に向かって変位する。
このように、可動枠5aが主軸部4aをZ(−)に向かって変位させ、可動枠5bが主軸部4bをZ(+)に向かって変位させると、主軸部4a及び4bによって挟持されているミラー枠3aは傾く。これに伴い、ミラー枠3aに備わっているミラー片3bも傾く。そして、この傾きはY軸からほぼ等間隔で乖離している主軸部4a及び主軸部4bの変位で生じる傾きである。そのため、Y軸を基準にして考えると、ミラー片3bはこのY軸を基準にして正回転することになる。
次に、ミラー部3がY方向を基準に逆回転する場合、図9Cに示すように、可動枠5aのユニモルフ駆動部6a、6bを構成する圧電素子61を縮ませる電圧が印加される。このような電圧が印加されると、収縮する圧電素子61によって、可動片5aa、5abがZ(−)に突き出るように撓む。その結果、可動片5aa、5abの主軸部4a側はZ(+)に跳ね上がり、主軸部4aもZ(+)に向かって変位する。
一方で、図9Dに示すように、可動枠5bのユニモルフ駆動部6c、6dを構成する圧電素子61を伸ばす電圧が印加される。このような電圧が印加されると、伸長する圧電素子61によって、可動片5ba、5bbがZ(+)側を凸に撓む。その結果、可動片5ba、5bbの主軸部4b側はZ(−)に垂れ下がり、主軸部4bもZ(−)に向かって変位する。
このように、可動枠5aが主軸部4aをZ(+)に向かって変位させ、可動枠5bが主軸部4bをZ(−)に向かって変位させると、正回転の場合と逆方向にミラー片3bが傾き、ひいては、ミラー片3bはこのY軸を基準にして逆回転することになる。
ただし、以上のような、Y軸を基準とするミラー片3bの正逆回転の回転角θ(偏向角θ)は、比較的小さい。しかしながら、ミラー枠3aが傾くと、その傾きに追随して、Y軸(Y軸方向)に沿って延びているミラー片トーションバー9a、9bが回転しようとする。
そこで、本実施形態の光スキャナ1では、ミラー枠3aを傾かせるために用いる圧電素子61への印加電圧の周波数が、ミラー片トーションバー9a、9b(Y軸方向)を基準とするミラー片3bの、回転振動の共振周波数近傍の周波数となっている。このようになっていると、ミラー枠3aの傾き量が比較的小さかったとしても、ミラー片3bが圧電素子61に印加される電圧の周波数によって共振し、比較的大きく回動するためである。
なお、実際に圧電素子61へ印加される電圧の信号は、X方向を基準にミラー部3を回動させる信号とY方向を基準にミラー部3を回動させる信号とを合成したものである。
本実施形態においても、結合部7に一対の溝部81、82(図5参照)から成る屈曲部8が形成されているため、結合部7は屈曲部8部分で急峻に湾曲可能となり、ユニモルフ駆動部6a、6bのZ軸方向の変位が僅かであっても、ミラー部3をX軸及びY軸周りに大きく回転させることができる。また、溝部81、82により結合部7に加わる応力が分散するため、結合部7の曲げ疲労による破損を抑制することができる。
なお、屈曲部8を構成する溝部81、82の深さや溝幅、形状、屈曲部8の個数については第1実施形態と同様に設定可能である。また、光スキャナ1の製造方法についても第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
以上、第1及び第2実施形態の光スキャナ1について説明したが、光スキャナの構成は本実施形態の構成に限る趣旨ではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、ユニモルフ駆動部6a〜6dの形状やサイズ(面積)は特に限定されない。例えば、図3及び図8に示すように、矩形状のユニモルフ駆動部6a〜6dであってもよいし、台形状等の他の形状であってもよい。
また、ユニモルフ駆動部6a〜6dのサイズは、可動枠5a、5bの一面内に包含される程度の面積であってもよいし(可動枠5a、5bの面積よりも小さい面積;図3及び図8参照)、可動枠5a、5bの一面よりも大きな面積であってもよい。ただし、ユニモルフ駆動部6a〜6dのサイズが大きいほど、可動枠5a、5bを撓ませる力は大きくなるので望ましいといえる。
また、上記実施形態では、可動枠5a、5bを駆動する駆動手段として圧電ユニモルフ構造を有するユニモルフ駆動部を例に挙げて説明したが、可動枠5a、5bを変形させる部材(駆動部)は、可動枠5a、5bの両面に圧電素子61及び電極62を積層したバイモルフ構造の駆動部を用いても良い。また、ミラー部の駆動方式は圧電素子を用いた圧電駆動方式に限らず、電磁方式や静電方式等の他の駆動方式を用いることもできる。
例えば、図10に示すように、ユニモルフ駆動部6a〜6dに代えて、電磁コイル10と永久磁石11とから成る電磁ユニット13を駆動手段としてもよい。このような電磁ユニット13は、可動枠5a、5b(可動片5aa〜5ad)上に電磁コイル10を形成し、永久磁石11を可動枠5a(5b)の上又は下、若しくは上下に設け、電磁コイル10と永久磁石11の間に電磁力を発生させて可動枠5a、5bを撓ませ、ミラー部3を回転させる。なお、ここでは可動枠5aの一端(可動片5aa)のみを図示しているが、可動枠5aの他端及び可動枠5bについても同様の構成である。
また、2個の電極から成る静電ユニットが駆動部であってもよい。このような静電ユニットでは、可動枠5a、5bの一面に一方の電極を配置するとともに、可動枠5a、5bから所定の間隔を隔てて他方の電極を配置し、両電極によって生じる静電力で可動枠5a、5bを撓ませる。
また、上記各実施形態では一枚のシリコン基板からマスキング及びエッチングにより光スキャナ1の各部材を一体形成することとしたが、光スキャナ1の製法は上述した方法に限定されず、固定枠2、ミラー部3、可動枠5a、5b等の各部材を別個に作成した後、接合することも可能である。
なお、説明してきた光スキャナ1を搭載する光学機器は、種々想定される。例えば、図1に示したプロジェクタ(画像投影装置)の他、コピー機やプリンタ等の画像形成装置が一例として挙げられる。また、光スキャナ以外のマイクロスキャナとしては、ミラー部3に代えてレンズ(屈曲光学系)が搭載されたものや、光源(発光素子)が搭載されたものが挙げられる。
以上説明したように本発明のマイクロスキャナによれば、変動部と可動枠とを連結する結合部に回転軸と平行な一対の溝部から成り、溝部の深さの和が結合部の厚みよりも大きい屈曲部を形成した構成となっている。このため、簡易な構成で変動部を高速且つ広角度に回転でき、更にそのような条件で使用しても十分な耐久性を有するため、光走査装置に搭載することにより、高速に光走査を行う必要があるプロジェクタ等の画像表示装置や高速LBPへの適用が可能となる。また、光走査装置及びそれが搭載される画像表示装置の小型化、低コスト化にも寄与する。
は、本発明の画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。 は、色合成プリズムを用いない画像表示装置の構成例を示す説明図である。 は、本発明の第1実施形態に係る光スキャナの構成を示す平面図である。 は、図3のA−A’線矢視断面図であり、図4(A)はX方向を基準に正回転する状態を示し、図4(B)はX方向を基準に逆回転する状態を示す。 は、第1実施形態の光スキャナにおける結合部の断面拡大図である。 は、主軸部の両側に複数対の屈曲部を設けた例を示す断面拡大図である。 は、結合部に設けられる屈曲部の他の形状を示す断面拡大図である。 は、本発明の第2実施形態に係る光スキャナの平面図である。 は、図8のB−B’線矢視断面図(図9(A)、(C))、及びC−C’線矢視断面図(図9(B)、(D))を示しており、図9(A)、(B)はY方向を基準とする正回転の動作を示し、図9(C)、(D)はY方向を基準とする逆回転の動作を示す。 は、駆動手段として電磁方式を採用した光スキャナの部分平面図である。 は、従来の光スキャナの斜視図である。 は、図11とは異なる従来の光スキャナの平面図である。 は、図12のA−A’線矢視断面図である。
符号の説明
1 光スキャナ(マイクロスキャナ)
2 固定枠
3 ミラー部(変動部)
3a ミラー枠
3b ミラー片
4a、4b 主軸部
5a、5b 可動枠
6a〜6d ユニモルフ駆動部(駆動手段)
7 結合部
8 屈曲部
9a、9b ミラー片トーションバー
10 電磁コイル(駆動手段)
11 永久磁石(駆動手段)
21〜23 光源
24 色合成プリズム
40 光走査装置
61 圧電素子
62 電極
81 溝部(表面側)
82 溝部(裏面側)
100 プロジェクタ

Claims (8)

  1. 変動部と、
    該変動部を揺動可能に支持する主軸部と、
    該主軸部を保持する変形可能な可動枠と、
    該可動枠を湾曲させて前記変動部を傾斜させる駆動手段と、
    前記可動枠を湾曲可能に支持する固定枠と、
    を含むマイクロスキャナにあって、
    前記主軸部が連結される前記可動枠の結合部には、表面側及び裏面側に形成された前記主軸部に対し略平行な一対の溝部から成る屈曲部が前記主軸部の両側に形成されており、
    前記一対の溝部の深さの和は前記結合部の厚みよりも大きいことを特徴とするマイクロスキャナ。
  2. 前記屈曲部は、前記可動枠の延び方向に沿って前記主軸部の両側にそれぞれ複数箇所形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロスキャナ。
  3. 前記各屈曲部は、それを構成する溝部の溝幅及び深さのうち少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項2に記載のマイクロスキャナ。
  4. 前記各屈曲部は、それを構成する溝部の溝幅及び深さのうち少なくとも一つが前記主軸部から遠ざかるにつれて段階的に小さくなるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のマイクロスキャナ。
  5. 上記変動部は、金属膜を含むことで光を反射させるミラー部であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  6. 前記変動部、前記主軸部、前記可動枠及び前記固定枠は、シリコン基板を用いて一体形成されており、前記溝部はエッチング法により設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  7. 前記駆動手段は、圧電素子と、該圧電素子を挟む電極とが前記可動枠上に配置されたユニモルフ駆動部であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のマイクロスキャナ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のマイクロスキャナが搭載された光走査装置。
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