JP4171603B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置を制御する走査制御装置、コンピュータに用いられるプログラム、画像形成装置内で光走査装置の位置決めを行う位置決め機構、光走査装置を複数備える光走査ユニット、及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光源から発した光ビームを偏向手段によって偏向せしめながら被走査面に走査する光走査装置が、デジタル方式のレーザ複写機やプリンタ等の画像形成装置に広く用いられている。この光走査装置は、半導体レーザ等の光源から発した光ビームを、回転するポリゴンミラーや往復振動する振動ミラーなどを用いる偏向手段によって逐次偏向せしめて、感光体ドラム等の潜像担持体の表面に走査する。光源から発せられた光ビームは、潜像担持体の表面上でその移動方向に概ね直交する方向に移動するように偏向せしめられる。潜像担持体の表面上で光ビームがこのように移動する方向は主走査方向と呼ばれている。潜像担持体が表面移動しなければ、光ビームは潜像担持体の同じ位置を直線状に繰り返し照射するだけである。しかし、潜像担持体の表面は主走査方向に概ね直交する方向に移動するため、光ビームはこの方向にも走査される。この方向(潜像担持体の表面移動方向)は副走査方向と呼ばれている。これら主、副の両方の走査により、潜像担持体には静電潜像が光書込される。書き込まれた静電潜像は、画像形成装置内の現像装置によって現像されて可視像となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の偏向手段がポリゴンミラーを用いるものである場合、ポリゴン駆動モータは、設計基準回転数に対して数[%]程度の回転誤差を生ずるのが一般的である。このため、ポリゴンミラーを用いる偏向手段は、単位時間あたりの主走査回数である走査周波数が個々に異なってくる。走査周波数が異なってくると、当然ながら、形成される画像の副走査方向におけるサイズが異なってくる。具体的には、ポリゴン駆動モータの回転数が設計基準回転数よりも速くなると、副走査方向における画素ピッチが短くなるため、画像の副走査方向におけるサイズが小さくなる。仮に回転誤差が+1[%]であったとすると、主走査方向に100回走査される間に、副走査方向におけるサイズが1画素分も小さくなってしまう。逆に、設計基準回転数よりも遅くなると、画像の副走査方向におけるサイズが大きくなる。
【0004】
また、上述の偏向手段が振動ミラーを用いるものである場合でも、振動ミラーは設計基準振動数に対して数[%]程度の振動誤差を生ずるのが一般的である。このため、振動ミラーを用いる偏向手段においても、その振動誤差によって副走査方向における画像のサイズに誤差が生ずる。つまり、偏向手段に駆動数誤差が生ずると、画像の副走査方向におけるサイズ誤差が生じてしまうのである。
【0005】
かかるサイズ誤差を抑える方法として、偏向手段の駆動数誤差に応じて、主走査方向への走査を所定の周期で補完又は省略させる方法が考えられる。例えば、ポリゴン駆動モータの回転誤差が+1[%]である場合には、100ライン走査する毎に、100回目の走査ラインと、101回目の走査ラインとの間に1ラインを補完して走査させるのである。また例えば、+1[%]である場合には、100ライン目の走査を省略させるのである。このような走査により、画像のサイズ誤差を抑えることができる。しかしながら、本来存在しないラインを書き加えたり、存在していたラインを省略したりするため、オリジナル画像を忠実に再現することができず、どうしても画質を低下させてしまう。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、偏向手段の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができる走査制御装置を提供することである。また、かかる画質低下を抑えることができるプログラム、位置決め機構、光走査ユニット及び画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定方向に移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面における表面移動方向である副走査方向に対し、該表面上で直交する方向であるx方向に沿って並べられ、それぞれ光源から発した光ビームを偏向手段によって偏向せしめながら走査して、該潜像担持体に対して該潜像の光書込を行う複数の光走査装置を具備する光書込ユニットと、複数の該光走査装置におけるそれぞれの光ビームの偏向による該潜像担持体上での移動方向たる主走査方向を位置決めするための位置決め機構と、それぞれの光走査装置の少なくとも該光源及び偏向手段の駆動を制御し、複数の仮想直線を格子状に直交させたマトリクス内の座標によって各画素の位置が示される画像情報に基づいて該光源の駆動タイミングを決定する走査制御装置とを備える画像形成装置において、上記位置決め機構により、主走査方向における画像全体の主走査先端位置と主走査終端位置とを副走査方向に1画素分のサイズよりも大きくずらし、且つ、複数の上記光走査装置の主走査方向をそれぞれ上記x方向から所定角度だけ傾けて位置決めした状態で、それら光走査装置を1つの固定部材に固定し、上記画像情報の上記マトリクスを上記x方向に複数の上記光走査装置と同じ数だけ分割した複数の分割マトリクス、及び、それぞれの分割マトリクスをそれぞれ上記x方向から傾けた複数の傾斜マトリクスを用いて、それぞれの分割マトリクスにおける各画素に対応する座標を、それぞれの分割マトリクスに対応する傾斜マトリクス内の座標に変換した結果に基づいて、それぞれの光走査装置における上記光源の駆動タイミングを決定するように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、複数の上記傾斜マトリクスとして、複数の分割マトリクスを、それぞれに対応する上記光走査装置の主走査方向の上記x方向からの傾き角度と同じ角度で傾けたものを用いるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、複数の上記傾斜マトリクスとして、複数の分割マトリクスを、それぞれに対応する上記光走査装置の主走査方向の上記x方向からの傾き角度と、上記潜像担持体の表面移動による走査線の上記x方向からの傾き角度とを反映させた角度で傾けたものを用いるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかのの画像形成装置において、複数の光走査装置による走査ビームをそれぞれ所定位置で検知する複数の走査ビーム検知手段からの信号に基づいてそれぞれの光走査装置の単位時間あたりの走査回数である走査周波数を演算し、それぞれの光走査装置について演算結果に応じた仮想直線配設ピッチの上記傾斜マトリクスを選択して使用するように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、複数の光走査装置についてそれぞれ、一走査周期内において、走査速度の変動に応じて上記光源の駆動周期を変化させるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置であって、上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、傾き誤差に応じた傾斜角度の上記傾斜マトリクスを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至6の何れかの画像形成装置であって、上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、上記副走査方向における位置ズレに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記副走査方向における相対位置をずらして座標変換することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置であって、上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、上記主走査方向における位置ズレに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記主走査方向における相対位置をずらして座標変換し、且つ、該位置ズレに応じて各光走査装置による主走査開始タイミング及び主走査終了タイミングをずらすことを特徴とする画像形成装置。
ものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成装置であって、各光走査装置について、それぞれ単位時間あたりの主走査回数である走査周波数が、上記潜像担持体の表面移動速度を上記副走査方向における走査ピッチで除算した値よりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかの画像形成装置であって、複数の上記光走査装置がそれぞれ複数の光源を有し、これらから同時に発せられた複数の光ビームを上記偏向手段によって偏向せしめることを特徴とするものである。
これらの発明においては、走査制御装置又はプログラムにより、例えば図1に示すような1ライン画像の形成を可能にするマトリクスにおける各画素の座標が、図2に示すような傾斜マトリクスにおける座標に変換される。図1において、マトリクスのY座標軸は図示しない潜像担持体の表面移動方向である副走査方向に相当する。また、X座標軸は副走査方向に直交し且つ潜像担持体の被走査面に平行な方向(以下、単に副走査方向に直交する方向という)に相当する。従来の画像情報は、図1に示すように、各画素のx座標を副走査方向(Y軸方向)に直交する方向に対応させて記憶している。かかる画像情報では、光ビームが主走査方向に走査されながら、潜像担持体の表面が副走査方向に実際に移動しないと、潜像担持体の表面における1ライン領域だけが繰り返し走査されるだけである。よって、副走査方向における光ビームの照射ピッチ(副走査方向の画素ピッチ)が、潜像担持体の表面移動速度に完全に依存してしまう。このため、偏向手段の駆動数誤差によって単位時間あたりの主走査回数(走査周波数)が変動してしまうと、副走査方向における画像のサイズ誤差が生じてしまうのである。これに対し、本発明においては、図1のマトリクスのX−Y座標で示されていた各画素の位置が、図2に示したように、傾斜マトリクスのX’−Y’座標に変換される。変換後における殆どの画素の位置は、変換前よりも副走査方向に微妙にシフトするが、画像全体としては主走査方向にほぼ一直線となる。
一方、偏向手段の主走査方向を画像形成装置本体内に位置決めする位置決め機構は、該主走査方向を副走査方向に直交する方向よりも大きく傾けるような位置決めを行う。具体的には、図3に示すような位置決めである。図3において、方向yは副走査方向を示し、図示しない潜像担持体の表面移動方向と同じである。また、方向xはこの副走査方向に直交する方向である。また、方向x’は、図示しない光走査装置の偏向手段によって偏向せしめられる光ビームの潜像担持体上での移動方向、即ち該光走査装置の主走査方向である。従来の位置決め機構は、主走査方向を副走査方向たる方向yに直交する方向xに沿わせるように位置決めするのが一般的であった。また、潜像担持体の表面移動を考慮して、主走査方向を方向xよりも若干傾けるような位置決めをすることも希にあったが、その傾斜角度θについては、点Psと点Peとの方向yにおけるずれ量Myを1画素分以下にする値にとどめていた。この点Ps、Peとは、それぞれ方向xにおける走査開始点、走査終了点である。副走査方向たる方向yにおける両点のずれ量Myを1画素分よりも大きくしてしまうと、潜像担持体表面上での走査軌跡を逆方向に傾けてしまうからである。具体的には、潜像担持体表面は、光走査装置によって点Psが光照射されてから点Peが光照射されるまでの間に方向yに向けて移動する。このため、主走査方向が方向xと同じであると、潜像担持体表面上での走査軌跡(照射ライン)が方向xよりも図中右斜め上に傾いてしまう。そこで、この傾きを考慮して、主走査方向(x’)を予め図中右斜め上に傾けるようにし、実際に潜像担持体表面で得られる走査軌跡を方向yに直交させるように傾斜角度θを設けるわけである。しかし、点Psと点Peとの方向yにおけるずれ量Myを1画素分より大きくするような傾斜角度θに設定すると、今後は走査軌跡を逆方向に傾けてしまう。このため、従来は、点Psと点Peとの方向yにおけるずれ量Myを1画素分以下にする値に、上記傾斜角度θをとどめていたのである。しかしながら、本発明に係る位置決め機構は、ずれ量を1画素よりも大きくする傾斜角度θで偏向手段の主走査方向を位置決めする。
このように主走査方向を位置決めされた偏向手段が、上述のような座標変換後の画像情報に基づいて駆動制御されるとする。すると、図4に示すように、従来では主走査方向への1回の走査によって得られていた1ライン画像が、複数回の走査によって得られることになる。
かかる構成では、従来では潜像担持体の表面移動速度に完全に依存させていた副走査方向の画素ピッチを、主走査方向における走査タイミングによっても依存させることが可能になる。そして、このことにより、主走査方向における走査タイミングに基づいて副走査方向の画素ピッチを微妙に調整して、偏向手段の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができる
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態として、電子写真方式のレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図5は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。図において、プリンタ筐体内の略中央には、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体ドラム1が配設されている。潜像担持体たる感光体ドラム1の周囲には、帯電チャージャ2、光走査ユニット300、現像装置4、転写チャージャ5、ドラムクリーニング装置6などが配設されている。回転駆動する感光体ドラム1の表面は、帯電チャージャ2によって一様帯電せしめられる。光走査ユニット300は、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて、光ビームLを一様帯電後の感光体ドラム1表面に走査する。この走査に基づく露光により、感光体ドラム1表面には静電潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は、ドラム表面の回転に伴って現像装置4との対向位置を通過する際に、現像ローラ4aからトナーが付着せしめられてトナー像に現像される。現像装置4内において、現像ローラ4aに供給するトナーを収容するトナー収容部4cに対しては、トナーカートリッジ4b内のトナーが補給される。現像されたトナー像は、ドラム表面の回転に伴って転写チャージャ5との対向位置である転写位置に至る。
【0009】
上記現像装置4の図中下側には、給紙カセット7が配設されている。この給紙カセット7は、内部に転写紙Pを複数重ねた状態で収容しており、一番上の転写紙Pに給紙ローラ7aを当接させている。そして、所定のタイミングで給紙ローラ7aを回転駆動して、一番上の転写紙Pを送り出す。送り出された転写紙Pは、レジストローラ対8のローラ間ニップに挟まれる。レジストローラ対8は、転写紙Pを、上記転写位置で感光体ドラム1上のトナー像と重ね合わせ得るタイミングを見計らって送り出す。上記転写位置には、上記転写チャージャ5の影響によって転写電界が形成されている。転写位置で転写紙Pに重ね合わされたトナー像は、この転写電界の影響によってドラム表面から転写紙P表面に静電的に転写される。
【0010】
このようにしてトナー像が転写せしめられた転写紙Pは、紙搬送装置8を経由した後に定着装置9内に送られる。そして、加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとによって形成された定着ニップに挟まれて、トナー像の定着処理が施される。定着処理を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対11を経由して機外の排紙トレイ10上にストックされる。
【0011】
図6は上記光走査ユニット300の光走査装置に用いられる偏向モジュールを示す分解斜視図である。この光走査装置は、振動ミラーの共振によってビームを偏向せしめるものである。図6において、偏向手段たる偏向モジュール100は、振動ミラー101を有している。この振動ミラー101は枠部102の内側に配設されており、その素材には厚さ60[μm]のシリコンが用いられている。振動ミラー101の裏面には、図中点線で示すようにリブが形成されている。このリブにより、ミラー板部の厚みを5[μm]程度まで薄くして軽量化が図られるとともに、その厚みでも十分な耐久性が確保されるようになっている。振動ミラー101の少なくともおもて面には、金(Au)等の導電性金属被膜が蒸着されている。また、長方形状の振動ミラー101における4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面には、ねじり梁101aが形成されている。ねじり梁101aが枠部102に回転自在に支持されることにより、振動ミラー101の図中矢印A方向の振動が可能になっている。長方形状の振動ミラー101における4つの端部のうち、ねじり梁101aが形成されていない2つの端部には、櫛歯状の凹凸が形成されている。この凹凸の少なくとも側面や、上記ねじり梁101aの少なくとも上面にも導電性金属被膜が蒸着されており、前者は後者からミラーおもて面を介して電圧が供給される側面電極として機能するようになっている。
【0012】
一方、上記枠部102の内周面にも櫛歯状の凹凸を形成する部分があり、振動ミラー101の上記凹凸と噛み合うようになっている。この枠部102の凹凸も導電性材料で形成され、固定電極部102aとして機能するようになっている。固定電極部102aと、振動ミラー101の上記側面電極との電位差で生ずる静電力によって振動ミラー101を矢印A方向に微小回転角で振動せしめるように、各電極に電圧が印加される。これにより、振動ミラー101が微小回転各で往復振動する。電圧の周波数が振動ミラー101の共振周波数に近づくと、励振によるミラー振幅が拡大する。図示の例では、電極間(上記側面電極〜固定電極部間)のギャップ、上記ねじり梁101aの幅、ミラー径が、それぞれ4μm、60μm、4×2mmに設定され、振動ミラー101が2.5kHzで共振振動する。なお、各電極を櫛歯状としているのは、各電極の表面積をできるだけ多く確保するためで、低電圧でより大きい静電トルクを得るように配慮している。
【0013】
上記枠部102の上面には、厚み525μmのシリコン素材が用いられたフレーム基板103が固定されている。このフレーム基板103は、図示しない絶縁膜を介して枠部102に接合されており、その中央部に大きく見開かれた貫通開口から、振動ミラー101を覗かせるようになっている。フレーム基板103には、振動ミラー101のねじり梁101a上面や、枠部102の固定電極部102aに電源を導くための複数の引き出し配線103aがパターン形成されている。
【0014】
上記フレーム基板103の図中上側には、厚み525μmのシリコン素材が用いられた対向ミラー基板104が固定される。この対向ミラー基板104にはスリット状の細長い貫通開口104aが形成されている。対向ミラー基板104は、この貫通開口104aの長手方向を、振動ミラー101に対向させるように位置合わせしてフレーム基板103に固定される。対向ミラー基板104には、フレーム基板103の上記引き出し配線103aに接触せしめられる複数の電極パッド104bが形成されている。また、基板裏面には、接合面から約26[°]傾いた反射面S1を有する第1ミラーチップ104c、約9[°]傾けた反射面S2を有する第2ミラーチップ104dが、上記貫通開口104bを互いに挟むように固定されている。これらミラーチップの反射面S1、S2は、それぞれエッチング処理によってスライス角度を結晶面方位から26、9[°]傾けるように形成されたシリコン基板面上に、金属被膜が蒸着されたものである。
【0015】
上記枠部102の下面には、支持基体105が固定されている。この支持基体105は、矩形状の底板部105aと、これの上側に位置する台座部105bとが鉄(Fe)等の焼結金属によって一体形成されたものである。台座部105bには振動する振動ミラー101の端部を受け入れるための四角状の凹部105cか形成されている。
【0016】
上記支持基体105の四隅付近には、それぞれ導電性材料で形成された円柱状端子106が支持基体105を貫通するように固定されている。但し、支持基体105と各円柱状端子106との間には図示しない絶縁材が介在しているため、両者は導通しないようになっている。各円柱状端子106は、それぞれ一端側がワイヤーボンディングによって上記対向ミラー基板104の電極パッド104bに接合されている。この接合により、円柱状端子106→電極パッド104b→引き出し配線103aという経路を経て、上記側面電極や固定電極部102aに電圧が印加される。
【0017】
支持基体105やこれの上側に位置する各部材は、各円柱状端子106の下端が図示しない電子回路基板のスルーホールに挿入せしめられて半田付けによる電気接続が行われることで、この電子回路基板上に固定実装される。
【0018】
このように固定実装された各部材には、上面に透明窓107aを有する箱蓋状のカバー107が上側から被せられる。なお、カバー107内に粘性抵抗の低い不活性ガスを封入するか、あるいはカバー107内を減圧状態にすると、より低負荷で振動ミラー101を振動せしめることが可能になる。
【0019】
図7は上記偏向モジュール100の断面図である。図示しない光源から偏向モジュール100に向けて発せられた光ビームLは、上記透明窓107aの面方向と直交する方向から約20[°]傾いた入射角度で偏向モジュール100に入射せしめられる。そして、上記透明窓107aと上記貫通開口104aとを通過して振動ミラー101に至り、この表面で反射して反射光となる。更に、上記ミラーチップの反射面(S1やS2)で反射した後、再び振動ミラー101に反射するという多重反射を繰り返しながら、上記貫通開口104aの僅かなスリットを通り抜けてモジュール外に射出される。このような多重反射により、偏向モジュール100から射出される光の方向は、入射光からこれよりも約40[°]傾いた範囲内を順次往復移動するように変化する。そして、この変化によって光ビームの主走査がなされる。なお、図示の例では、上述のように入射光を多重反射させることで、振動ミラー101の振れ角を比較的小さくしても、大きな走査角を得ることができる。例えば、光ビームの振動ミラー101による総反射回数をN、振れ角をαで表すと、走査角θは2Nαとなる。図示の例では、±5[°]の振れ角αで走査角50[°]を実現している。
【0020】
図8は、上記光走査ユニット300の要部を示す斜視図である。この光走査ユニット300は、3つの光走査装置200が一つにユニット化された構成となっている。各光走査装置200は、それぞれ、上記偏向モジュール100、半導体レーザ110、第1レンズ111、第2レンズ112などを有している。また、基準位置反射ミラー113、走査ビーム検知手段たる基準角検知センサ114、フレキシブルケーブル115、カップリングレンズ116なども有している。半導体レーザ110は、発光源とモニタ用フォトダイオードとがパッケージングされた汎用の素子であり、そのリード端子はフレキシブルケーブル115によって電子回路基板301に結線されている。電子回路基板301には、半導体レーザ110の変調制御回路や、偏向モジュール100の各電極に供給する駆動パルス電圧の制御を行う回路などを備える走査制御部が形成されている。半導体レーザ110から発せられた光ビームLは、軸対称の非球面である第1面と、垂直走査方向に曲率を発揮するシリンダ面である第2面とを有するカップリングレンズ116によって集束せしめられる。このとき、進行方向と直交する方向には略平行に、進行方向には振動ミラー101面が焦点となるように収束せしめられる。そして、上述のような多重反射を繰り返しながら、偏向モジュール100から射出される。射出された光ビームLは、上記感光体ドラム(図示せず)を露光して静電潜像の光書込を行う。偏向モジュール100による光ビームLの偏向方向が図中最も左側の位置になると、モジュールからの光ビームは第1レンズ111を通過した後に、第2レンズ112ではなくその左下に位置する同期ミラー113に至る。そして、ここで反射して基準角検知センサ114に検知される。上記走査制御部は、この基準角検知センサ114による検知タイミングや検知周期に基づいて、上記振動ミラー101の振動周期(走査周波数)や振動角変位などを演算する。そして、偏向モジュール間でタイミングを合わせるための同期信号を構築する。各光走査装置200の偏向モジュール100は、1つの電子回路基板301に固定されている。各偏向モジュール100は、図示しない感光体ドラムの表面移動方向で且つ副走査方向でもある方向yに直交する方向xに沿って互いに並ぶように、電子回路基板301上に並行配設されている。
【0021】
従来より、複数の光走査装置をこのように配設した画像形成装置は公知となっている。例えば、特開平3−161778号、特開平9−5655号、特開平10−197812号公報に記載のものである。かかる画像形成装置によれば、次に説明する理由により、装置の大型化を抑えながら、主走査方向の走査領域を増大させることができる。即ち、例えばA3サイズ用紙の横幅に対応させるなど、主走査方向の走査領域を幅広く確保しようとすると、走査レンズの焦点距離をその幅に合わせて増大させる必要がある。また、ポリゴンミラーや振動ミラーの幅も増大させる必要がある。更には、このような幅広のミラーを駆動させるための駆動手段も、それに見合ったトルクを発揮する大型のものを用いる必要がある。走査レンズ、ミラー及び駆動手段として、それぞれ大型のものを用いなければならないのである。この結果、画像形成装置本体内における光走査装置のレイアウト自由度を大きく制約して、装置の大型化に迫られるのである。そこで、複数の光走査装置を副走査方向(y)に直交する方向(x)に並行配設するのである。かかる構成によれば、1つの画像情報をそのX座標軸方向(方向xに相当)に複数に分割することで、主走査領域を複数に分割する。そして、個々の主走査領域をそれぞれ専用の光走査装置によって走査させることで、光走査装置として比較的小型なものを用いることが可能になる。よって、1つの大型の光走査装置を用いる場合に比べ、画像形成装置本体の大型化を抑えながら、光走査ユニット全体としての主走査方向の走査領域を増大させることができるのである。本実施形態に係るプリンタにおいても、かかる走査領域の増大化を図る目的で、3つの光走査装置200を有する光走査ユニット300を設けている。
【0022】
ところで、上記偏向モジュール100においては、振動ミラー101の重量誤差、寸法誤差、各導通路の抵抗誤差などに起因して、振動ミラー101の単位時間あたりにおける振動数にどうしても誤差を生じてしまう。振動ミラー101の振動数誤差は、そのまま、偏向モジュールの単位時間あたりにおける走査回数(走査周波数)の誤差となって現れる。そして、これにより、画像の副走査方向におけるサイズ誤差が生じてしまう。また、本実施形態では、偏向手段として、振動ミラー101を振動させる偏向モジュール100を用いているが、回転するポリゴンミラーを用いるものでも、ポリゴン回転数の誤差によって同様のサイズ誤差が生じてしまう。振動数誤差や回転数誤差などの駆動数誤差に応じて、主走査方向への走査を所定の周期で補完又は省略させる方法を採用すれば、かかるサイズ誤差を抑えることができる。しかしながら、かかる方法では、本来存在しないラインを書き加えたり、存在していたラインを省略したりするため、オリジナル画像を忠実に再現することができず、画質低下が避けられないことは、上述した通りである。
【0023】
この画質低下は、光走査装置を1つだけ備える画像形成装置において生ずるものであるが、本プリンタのように複数の光走査装置を配設した画像形成装置では、より深刻な画質低下が生ずる。具体的には、方向x(副走査方向に直交する方向)に複数に分割した分割画像間での繋ぎ目が不自然になるのである。
【0024】
図9は、従来の画像形成装置において、3つの光走査装置の走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す模式図である。図示しない3つの光走査装置は、それぞれ感光体ドラム上の領域x1、x2、x3の走査を担当している。これら光走査装置のうち、どれか1つでも走査周波数の著しく異なるものがあると、それぞれの光走査装置による走査軌跡が1ライン上に繋がらなくなる。図9では、領域x2の走査を担当する光走査装置の走査周波数が、他の光走査装置の走査周波数よりも著しく低い例を示している。それぞれの走査軌跡が1ライン状に繋がらなければ、当然ながら分割画像間での繋ぎ目が不自然になって画質を著しく低下させてしまう。なお、感光体ドラム1表面は走査中にも移動するため、その表面上での走査軌跡は厳密には方向xから僅かに傾く。図9では、この僅かな傾きを無視して走査軌跡を描いている。
【0025】
本実施形態では、偏向手段として振動ミラー方式の偏向モジュール100を設けた例について説明したが、他の方式によるものでもよい。例えばポリゴンミラー方式の偏向手段でもよい。振動ミラー方式の偏向手段では主走査方向での往復走査となるが、ポリゴンミラー方式では片道走査となる。但し、振動ミラー方式でも、振動ミラーの片方向への振動だけを走査に利用するようにすれば、片道走査が可能である。
【0026】
また、画像情報たるビットマップ画像データをX軸方向に3分割する例について説明したが、分割数と光走査装置の数とを同じにすれば、何分割であってもよい。
【0027】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
先に示した図8において、電子回路基板301の4隅付近には、それぞれ丸穴301aが設けられている。一方、図示しないプリンタ本体には、基板支持金具400が固定されている。この基板支持金具400は、4つの上記丸穴301aにそれぞれ対応する4つの丸穴400aを有しており、これらにはその内面に雌ネジが着られている。電子回路基板301の4つの丸穴301aには、それぞれボルト401が挿入される。挿入された4つのボルト401は、それぞれ基板支持金具400の4つの丸穴400aに螺合せしめられる。この螺合により、電子回路基板301がプリンタ本体内に固定されるとともに、3つの偏向モジュール100がそれぞれ位置決めされる。偏向モジュール100が位置決めされると、当然ながらその主走査方向も位置決めされる。よって、本実施形態のプリンタでは、4つの丸穴301a、基板支持金具400、4つのボルト401によって位置決め機構が構成されていることになる。
【0028】
この位置決め機構は、3つの偏向モジュール100の主走査方向をそれぞれ次に説明するように位置決めする。即ち、それぞれの主走査方向x’を、副走査方向たる方向yに直交する方向xよりも傾ける位置決めである。より詳しくは、単に傾けるだけではなく、先に図3に示したように、走査開始点Paと走査終了点Pbとの方向yにおけるずれ量が1画素分よりも大きくなるように、その傾斜角度θを十分に大きくする位置決めである。傾斜角度θについては、上記走査開始点Paと上記走査終了点Pbとの方向yにおけるずれ量が1画素分よりも大きくなれば何°でもよい。
【0029】
図10は、画像情報たるビットマップ画像データのマトリクスを示す模式図である。図において、マトリクスのY軸方向は光書込の副走査方向である方向yに相当し、X軸方向は方向yに直交する方向xに相当する。図10では、方向xに真っ直ぐに延びるライン像が、方向yに3本並列配設される画像の例を示している。画像を構成する各画素の相対位置は、複数の仮想直線を格子状に直交させたマトリクス内の座標によって示されている。なお、実機においては、上記X軸方向に数千の画素が並ぶビットマップ画像データとなるが、図10においては便宜上、上記X軸方向の画素配列数を約50として描いている。
【0030】
本プリンタのようにそれぞれ方向xにおける走査領域の異なる3つの光走査装置によって光書込を行う画像形成装置においては、まず、ビットマップ画像データをそのX軸方向に3分割して3つの分割マトリクスを構築する。例えば、図10に示したビットマップ画像データであれば、図11に示すような3つの分割マトリクスが構築される。各分割マトリクスのマス目サイズは、あくまでも理論上の大きさである。3つの光走査装置(偏向手段)の走査周波数がどれも設計基準通りであれば、それぞれのマス目サイズは理論上の大きさと同じになる。しかしながら、設計基準から著しく外れる走査周波数の光走査装置(偏向手段)が存在すると、これに対応する分割マトリクスの実際のマス目サイズは上記Y軸方向に伸縮する。例えば、図9に示した例では、真ん中の領域x2に対応する分割マトリクスにおいて、その実際のマス目サイズが理論上のサイズよりもY軸方向に大きく伸びる。但し、マス目内のドットの大きさは変わらず、ドットはそのマス目の中心に形成される。このため、従来の画像形成装置では、図12に示すように各ドットが形成され、各分割位置でライン像が繋がらなくなってしまう。
【0031】
そこで、本プリンタの上記走査制御部は、3つの光走査装置(200)のそれぞれについて、上記基準角検知センサ114による光の検知周期に基づいて走査周波数を演算する。そして、予め記憶部に記憶しておいた複数種類の傾斜マトリクスのうち、それぞれの走査周波数に応じたマス目サイズの傾斜マトリクスを特定する。この傾斜マトリクスとは、正規のマトリクスから上記傾斜角度θだけ傾いた座標軸構成となっているマトリクスである。当然ながら、走査周波数が低くなるほど、マス丈(Y軸方向の長さ)の大きな傾斜マトリクスが特定される。例えば、図11に示した3つの分割マトリクスでは、図13に示すような3つの傾斜マトリクスが特定される。これら3つの傾斜マトリクスのうち、真ん中の傾斜マトリクスは他のものよりもマス丈が大きくなっている。
【0032】
図14は、本プリンタにおいて、3つの偏向モジュール(100)の偏向に基づく走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す模式図である。先に図9に示した例と同様に真ん中の領域x2における走査周波数が他の領域よりも著しく低くなっている。但し、それぞれの走査軌跡は、領域にかかわらず傾斜角度θだけ傾いて描かれる。この傾斜角度θと、先に図8に示した偏向モジュール100の傾斜角度θとはほぼ同じ値である。厳密には、一走査時間内における感光体ドラム1の表面移動分だけ前者の傾斜角度θが後者の傾斜角度θから僅かにずれるが、画質上無視できる程度のずれである。後者の傾斜角度θは、主走査方向x’への走査を5画素分だけ進ませる毎に、副走査方向yへの移動量を1画素分とする角度である。
【0033】
図14の模式図と、先に図13に示した傾斜マトリクスとを重ね合わせると、図15に示すように、各走査軌跡の位置と、それぞれに対応するマス目中心とがピタリと一致することがわかる。傾斜マトリクスのマス目の中心は、それに対応する走査軌跡上に位置しているのである。
【0034】
上記走査制御部は、3つの上記分割マトリクスと、3つの上記傾斜マトリクスとに基づいて、次に説明するような処理を行う。即ち、図16に示すように、分割マトリクス内の各ドットの座標を、対応する傾斜マトリクスの座標(以下、傾斜座標という)に変換する。このとき、分割マトリクス内のドットの座標に最も近い傾斜座標が選ばれる。このように座標変換されたデータに基づいて、各光走査装置(200)による光書込が行われる。先に図8に示したように、各偏向モジュール100(光走査装置)は、その主走査方向(x’)を副走査方向(y)から傾斜角度θだけ傾けるように位置決めされた状態で光ビームLを走査して、感光体ドラム(1)に対して光書込を行う。このような光書込においては、方向y(副走査方向)の画素ピッチを、方向x’(主走査方向)における走査タイミングに依存させることができる。そして、図17に示すように、方向xに延びる仮想直線上を基線にして各ドットを方向yにジグザグにまとわりつかせるように形成することができる。各領域(x1、x2、x3)の分割ライン像については、拡大すればジグザグな線として形成することになるが、全体的にはそれぞれ方向xに一直線上に繋げることができる。よって、方向xにおける分割画像間で繋ぎ目が不自然になることによる画質の著しい低下を抑えることができる。なお、実際の画像においてジグザグの振幅は数十[μm]であり目視で識別できない程度である。実質上、無視できる程度のジグザグなのである。
【0035】
3つの偏向モジュール100のそれぞれについては、走査周波数(振動ミラー101の振動周波数)を予め測定しておき、それに見合ったマス丈の傾斜マトリクスだけを上記走査制御部に記憶させてもよい。このようにすれば、上記基準角検知センサ114による検知結果(同期信号)に基づいてそれぞれの走査周波数を演算させ、演算結果に応じたマス丈の傾斜マトリクスを特定させるといった複雑な処理を省略することができる。但し、各偏向モジュール100の走査周波数は、温湿度等の環境変化や装置の劣化進行などによって経時的に変化するので、かかる構成ではこの変化に対応させることができない。
【0036】
また、上記分割マトリクスから傾斜マトリクスへの座標変換については、必ずしも上記走査制御部に実施させる必要はない。本プリンタに画像情報を送るコンピュータが、本プリンタを駆動制御するためのドライバ(プログラム)として、上述のような座標変換をしてからデータを送信するものであれば、同様の光書込が可能だからである。
【0037】
ところで、上記偏向モジュール100において、方向xへの一走査周期内における走査速度は、上記振動ミラー101の振動角度に応じて変化する。具体的には、一走査周期内における上記振動ミラー101の振動角度は、図18に示すように正弦波状に変化する。このため、各偏向モジュール(光走査装置)の一走査周期内における走査速度は、走査領域(x1、x2又はx3)内の両端付近よりも中央部の方が速くなる。このように走査速度が変化するにもかかわらず、各画素に対応するレーザ駆動周期を等間隔に設定すると、各ドッドを方向x’(主走査方向)に等間隔に形成させることができなくなる。走査領域内の両端付近よりも中央部でドット間隔を大きくしてしまうからである。そこで、本プリンタにおいては、図18に示したように、一走査周期内において、上記振動角度(走査速度の変動)に応じてレーザ駆動周期を変化させるようにしている。具体的には、上記同期信号に基づいて、レーザ駆動信号としての書込パルス信号の発生間隔を調整することで、レーザ駆動周期を変化させる。そして、これにより、走査領域内の両端付近よりも中央部のレーザ駆動周期を速めるようにしている。かかる構成では、上記光走査装置200の走査速度が一走査周期内で変化しているにもかかわらず、方向x’(ひいては方向x)においてドットを等間隔に形成することができる。
【0038】
図19は上記走査制御部のブロック図である。図において、走査制御部500は、A、B、Cという3つの系統毎に、バッファメモリ、書込制御部、分周器、印字パルス生成部、移動制御部及びレーザ駆動部を有している。これら3つの系統は、3つの上記光走査装置にそれぞれ個別に対応している。また、系統分けされない単独の回路として、ラスタデータ変換部、マルチプレクサ、基準クロック生成部、偏向用分周器、駆動パルス生成部、振幅制御部などを有している。
【0039】
基準クロック生成部によって生成された基準パルス信号は、偏向用分周器で分周されて駆動パルス生成部に入力される。駆動パルス生成部は、偏向用分周器から送られてくる信号に基づいて、ミラー振動数設計基準に応じた周波数fのパルスを生成し、振幅制御部に送る。振幅制御部は、送られてくる周波数fのパルスに基づいて、駆動パルスを送って各偏向モジュール100の振動ミラー(101)をそれぞれ共振振動させる。しかし、上述したように、各光走査装置において、振動ミラーの共振周波数である走査周波数fdは設計基準通りのfから若干の誤差が生じてしまう。各光走査装置における実際の走査周波数fdは、それぞれ基準角検知センサ114から発信される同期信号に基づいて、書込制御部A、B、Cによって演算される。そして、それぞれの演算結果がラスタデータ変換部に送られる。このラスタデータ変換部は、各光走査装置について、それぞれ走査線の傾き誤差に応じた傾斜マトリクスデータや、上記方向x、方向yにおける位置ズレデータを予め記憶している。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等からビットマップ画像データが送られてくると、これに基づいて3つの分割マトリクスを構築し、それぞれ専用の傾斜マトリクスとの比較によって座標変換を行う。このとき、それぞれの分割マトリクスについて、書込制御部A、B、Cから送られてきた走査周波数データに応じたマス丈の傾斜マトリクスを用いる。また、方向xや方向yにおける位置ズレデータに基づいて、分割マトリクスと傾斜マトリクスとの比較基準位置をずらす。そして、3つの分割マトリクスについて個別に得た座標変換データを、それぞれマルチプレクサを介してバッファメモリA、B、Cに送る。
【0040】
なお、バッファメモリからレーザ駆動部に至るまでの信号の流れは、A、B、Cの系統でそれぞれ同様であるので、ここではA系統についてのみ説明する。書込制御部Aは、基準角検知センサ114から送られてくる同期信号に基づいてバッファメモリA内のデータを読み出し、画素位置データとして印字パルス生成部Aに送る。印字パルス生成部Aは、分周器Aから送られてくる基準パルス信号に対し、上記画素位置データに基づくフィルター処理を施して、書込タイミングに応じてパルスONとなる印字パルス信号を生成する。但し、この印字パルス信号は、等間隔でパルスONとなる基準パルス信号に基づいて生成されたものであり、そのまま利用されると、振動ミラーの振動角に応じた走査速度変化に起因してドット形成ピッチに誤差が生じてしまう。そこで、移動制御部Aは、基準角検知センサ114から送られてくる同期信号に基づいて、ドットピッチを等しくするように印字パルス信号内の各パルスに位相処理を施す。このようにして位相処理が施された印字パルス信号は、レーザ駆動部Aに送られて、半導体レーザ110を駆動させる。
【0041】
次に、上記実施形態のプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明する。
[実施例1]
上記位置決め機構は、先に図8に示したように、3つの偏向モジュール100を方向xから傾斜角θだけ傾けるように位置決めする。しかしながら、基板支持金具400の装置本体への取付位置や丸穴301a、400aの加工位置には、どうしても誤差が生じてしまう。また、この誤差を考慮して、丸穴301aをボルト401の径よりも大きく加工して、ある程度のクリアランスを設けるのが一般的である。これらの結果、光走査ユニット300(電子回路基板301)の手作業による組付時に、微妙な位置決め誤差を生ずる場合がある。かかる位置決め誤差が生ずると、3つの上記光走査装置200間で主走査方向(方向x’)における走査線が微妙にずれて、上記方向yにおける微妙な画像ズレとなってしまう。例えば、図20は位置決め誤差が生じていない場合における各光走査装置200の主走査方向の走査線を示す模式図である。仮に、図中の点Pxを中心にして走査線L1、L2、L3を全体的に図中時計回りに2[°]だけ回転させるような位置決め誤差が生じたとする。すると、図21に示すように、走査線L1、L2、L3の方向xからの傾きがそれぞれ異なってしまう。更に、上記方向y(副走査方向)における位置もそれぞれ異なってしまう。それにもかかわらず、上述の座標変換時に、図中点線で示した正規姿勢の走査線に基づく座標変換がなされると、変換後の上記傾斜座標に基づくドット形成位置が本来の位置からずれてしまう。そして、このズレにより、上記方向yにおける微妙な画像ズレが生ずるのである。
【0042】
また、上記電子回路基板301上における各偏向モジュール100の実装位置にも、僅かながらの誤差を生ずる場合がある。基本的には、各偏向モジュール100は、上記電子回路基板301に対して精密に機械加工されたスルーホールに上記円柱状端子106が挿入せしめられることで基板上での位置決めがなされるため、実装位置の誤差は殆ど生じない。しかしながら、何らかの突発的な要因によって誤差が生ずる場合もあり得る。かかる実装位置の誤差が生ずると、上記走査線L1、L2、L3間で上記方向y(副走査方向)や方向xにおける位置ズレが生じたり、傾き誤差が生じたりする。そして、同様にして上記方向yにおける微妙な画像ズレが生ずる。また、上記方向xにおける位置ズレがあった場合には、各走査線が上記方向xに繋がらずに上記方向yに延びる空白ラインが形成される。この一方で、走査線が上記方向xにおいて過剰にオーバーラップして上記方向yに延びる高濃度ラインも形成される。そこで、本実施例1のプリンタにおいては、上述の座標変換時に特殊な処理を実施させるように上記走査制御部を構成している。
【0043】
以下、この特殊な処理について説明する。
本プリンタにおいては、上記光走査ユニット300(電子回路基板301)を装置本体(基板支持金具400)に組み付けた後に、各走査線L1、L2、L3の傾きズレや位置ズレを測定している。即ち、3つの偏向モジュール100について、それぞれ位置決め誤差や傾き誤差を測定するのである。そして、それぞれの光走査装置200について、測定した傾きズレに応じた傾斜角度の傾斜マトリクスを上記走査制御部の記憶部に予め記憶させている。具体的には、例えば先に図21に示したような傾き誤差が生じている場合には、本来の傾斜角度θの傾斜マトリクスを記憶させるのではなく、傾斜角θ1、θ2、θ3の傾斜マトリクスを記憶させるのである。そして、それぞれを対応する光走査装置200のために使用させる。また、位置ズレが生じている場合には、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの相対位置をずらして座標変換させる。具体的には、例えば図22に示すように、真ん中の走査線L2が正規位置よりも副走査方向(方向y)にずれていたとする。すると、図示のように走査線L2によるドット形成位置が正規位置よりも副走査方向(方向y)にずれてしまう。そこで、図23(a)に示すように正規の相対位置に基づいた両マトリクスの照合によって座標変換させるのではなく、図23(b)に示すように両マトリクスの相対位置を副走査方向(方向y)にずらして座標変換させる。このようにすれば、ドット形成位置の副走査方向(方向y)へのずれを解消することができる。また例えば、図24に示すように、真ん中の走査線L2が正規位置から方向xにずれていたとする。すると、図示のように走査線L2によるドット形成位置が正規位置よりも副走査方向(方向y)にずれてしまう。また、走査線L1の図中右端部と走査線L2の図中左端部とが副走査方向(方向y)でオーバーラップする一方で、走査線L2と走査線L3との間に走査されない空白領域が形成されてしまう。そこで、図25(a)に示すように正規の相対位置に基づいた両マトリクスの照合によって座標変換させるのではなく、図25(b)に示すように両マトリクスの相対位置を方向xにずらして座標変換させる。更に、走査線L2の方向xの位置ずれ量に応じて、真ん中の光走査装置(200)による主走査開始タイミング及び主走査終了タイミングをずらす。図示の例では、オーバーラップ領域にドット形成を形成させず、且つ空白領域にドットを形成させるように、主走査開始タイミング及び主走査終了タイミングをそれぞれ同じ量だけ遅らせる。このようにすれば、ドット形成位置の副走査方向(方向y)へのずれや、上述のような高濃度ラインや空白ラインの形成を解消することができる。
【0044】
なお、望ましくは、様々な傾斜角度の傾斜マトリクスを記憶させておく一方で、個々の走査線又は光走査装置の傾きを検知する傾き検知手段を設け、検知結果に応じた傾斜マトリクスを選択させるようにするとよい。傾きズレによる画質低下を自動で解消しすることができるからである。更に望ましくは、走査線又は光走査装置の位置を検知する位置検知手段を設け、検知結果に応じた相対位置で上記分割マトリクスと傾斜マトリクスとを比較して座標変換させるようにするとよい。位置ズレによる画質低下を自動で解消することができるからである。そして、この結果、光走査ユニット(300)の組付の際に、高精度の位置決めをする必要がなくなり、生産効率を向上させることができる。
【0045】
先に図17に示したように、上記実施形態や本実施例1のプリンタにおいては、各領域(x1、x2、x3)の分割ライン像を全体的に方向xに一直線上に繋げることができる。但し、厳密には、走査中に感光体ドラム表面が方向Yに移動するため、その直線は方向Xから微妙に傾く。この傾きは、実質上無視できる程度のものであるが、次のようにすれば、この微妙な傾きを解消することができる。即ち、まず、振動ミラー(101)の片方向の振動のみを走査に利用して往復走査ではなく片道走査とするように、半導体レーザ(110)の駆動タイミングを調整する。そして、偏向モジュール100(走査線)の傾きずれだけでなく、ドラム表面移動に起因する走査軌跡の微妙な傾きをも反映させた傾斜角度の傾斜マトリクスを記憶させればよい。例えば、傾きずれだけを反映させた傾斜マトリクスの傾斜角度がθaであり、且つドラム表面移動に起因するライン像の微妙な傾き角度がθbである場合には、次の数1の式によって求められる傾斜角度θcの傾斜マトリクスを記憶させる。
【数1】
θc=θa−θb
【0046】
但し、実施形態や実施例1のプリンタとは逆に、走査開始位置から上記方向xに延びる仮想線を基線にしてドラム表面移動方向上流側に走査線を傾ける場合には、傾斜角度θcは次式のようになる。
【数2】
θc=θa+θb
【0047】
上記θbについては、次の数3で示される式によって求めることができる。
【数3】
θb=sin−1(n・p/k・L)、
この式において、Lは方向xにおける全走査幅である。また、nは上記マトリクスの分割数(光走査装置の数)であり、本実施例では3となる。また、pは方向xにおける画素ピッチである。また、kは偏向方式係数であり、本実施例1のように振動ミラーによる往復走査の片側走査だけを用いる場合には2となり、ポリゴンミラーなどもともと片道走査しかできないものを用いる場合には1となる。
【0048】
[実施例2]
オリジナルのビットマップ画像データの画素ピッチは、図26に示すように、Y軸、X軸の両方向において同じ値のピッチpとなっている(以下、これをオリジナルピッチpという)。複数の光走査装置を並行配設した従来の画像形成装置においては、副走査方向(方向y)における画素ピッチをこのオリジナルピッチpと等しくすべく、各光走査装置の走査周波数を次の数4の式で求められる基準周波数fに設定していた。
【数4】
基準周波数f=感光体ドラム表面移動速度V/副走査方向における画素ピッチp
【0049】
このように設定することで、ドラム表面移動に伴う一走査あたりのピッチ(従来では副走査方向ピッチに相当)をオリジナルピッチと等しくすることができる。一方、本発明に係るプリンタにおいて、副走査方向(方向y)、これに直交する上記方向xでオリジナルピッチpを得ようとしたとする。図27に示すように、傾斜マトリクスのピッチPs(ドラム表面移動に伴う一走査あたりのピッチ)、主走査方向(方向x’)のピッチPmで、分割マトリクスのオリジナルピッチpを得ようとするのである。すると、ピッチPs、Pmをそれぞれ次の数5、数6の式で示される値に設定する必要がある。
【数5】
Ps=V・cosθ/f
【数6】
Pm=p/cosθ
【0050】
ここで、従来の画像形成装置において、実際の走査周波数fdと基準周波数fとに誤差が生じていると画像の副走査方向の大きさが理論上のサイズと異なってしまうことは、既に何度も述べた通りである。これに対し、本発明に係るプリンタでは、上述のように、実際の走査周波数fdが誤差によって基準周波数fからずれていても、画像の副走査方向(方向y)の大きさを理論上のサイズに合わせることができる。よって、上記数4の式の条件を具備させるように基準周波数fを設計する必要はない。先に図17に示したように、方向xに延びるライン像は実質上無視できる程度ではあるものの、微妙にジグザグした形状となる。このジグザグについては、ピッチPsをより小さくすれば、より目立たなくすることができる。ピッチPsの縮小化については、走査周波数fを高めることで対応することができる。
【0051】
そこで、本実施例2のプリンタにおいては、基準周波数fを従来の「V/p」よりも十分に高く設定している。具体的には、実際の走査周波数fdが誤差によって基準周波数fより低くなってもなお、「fd>V/p」という条件が得られるように、最大誤差分を見込んで基準周波数fを高く設定している。かかる構成では、「fd>V/p」という条件が確実に得られ、基準周波数fを従来と同様に「V/p」と等しくする場合に比べ、ジグザグを目立たなくして画質低下をより確実に抑えることができる。
【0052】
なお、上記ジグザグについては、次のようにしても抑えることができる。即ち、図28に示すように、ドットの副走査方向(y方向)における位置が、方向xに延びる基線から離れるに従って、ドットの径を小さくするのである。こうすることで、基線から副走査方向に出っ張る部分を小さくして、ジグザグを目立たなくすることができる。ドットの径を小さくする方法としては、レーザビームの光量を弱める方法、駆動パルス幅を短くする方法のどちらでもよい。
【0053】
[実施例3]
本実施例3のプリンタでは、上記半導体レーザ110として、複数の光源によって複数の光ビームを射出するものを用いている。具体的には、4つの光源からなる4chレーザアレイを有する半導体レーザを用いている。かかる半導体レーザでは、図29に示すように、1回あたりの主走査を4本の走査線によって行うことができる。換言すれば、4回分の主走査を1回で行うことができる。なお、それぞれの光源については副走査方向における照射間隔を十数[μm]とし、且つ、それらの配列中心を走査光学系の光軸C上に合わせ、上下配列方向を方向xよりも傾斜角度θ分だけを傾けるように配設している。
【0054】
なお、複数の光走査装置200によって方向xに延びる1ライン像を形成させるようにしたプリンタの例について説明したが、1つの光走査装置によって1ライン像を形成する画像形成装置でも本発明の適用が可能である。かかるプリンタにおいては、偏向モジュール等の偏向手段の駆動数誤差に起因して生ずる副走査方向の画像サイズ誤差を解消することができる。更に、かかる画像サイズ誤差を回避すべく主走査を周期的に補完又は省略することによってオリジナル再現性を低下させるといった事態も解消することができる。
【0055】
以上、実施形態に係るプリンタの走査制御部500においては、ビットマップ画像データ内の各ドットに対応する座標を、傾斜マトリクス内の座標に変換した結果に基づいて、光源たる半導体レーザ110の駆動タイミングを決定する。これにより、主走査方向(x’)を副走査方向(y)に直交する上記方向xから傾けるように配設された光走査装置200に対し、副走査方向の画素ピッチを主走査方向における走査タイミングによっても依存させることができる。よって、主走査方向における走査タイミングに基づいて副走査方向の画素ピッチを微妙に調整して、偏向モジュール100の駆動数誤差(ミラー振動誤差)に起因する画質低下を抑えることができる。
また、光ビームLを電子回路基板301上の所定位置で検知する走査ビーム検知手段たる基準角検知センサ114からの同期信号に基づいて各光走査装置200の実際の走査周波数fdを演算する。そして、演算結果に応じたマス丈(ピッチ)の傾斜マトリクスを使用する。このことにより、温湿度等の環境変化や偏向モジュール100の劣化進行などによって実際の走査周波数fdが経時的に変化しても、変化後の走査線を忠実に再現した傾斜マトリクスに基づいて座標変換を行う。よって、実際の走査周波数fdの経時的な変化に起因する画質低下を回避することができる。
また、光走査装置200の方向xへの一走査周期内において、走査速度の変動に応じてレーザ駆動周期を変化させる。具体的には、走査速度が速くなる走査領域中央部のレーザ駆動周期を走査領域両端側よりも速くしている。このことにより、走査速度が一走査周期内で変化しているにもかかわらず、方向x’(ひいては方向x)にドットを等間隔に形成することができる。
また、オリジナルのビットマップ画像データのマトリクスを分割して3つの分割マトリクスを構築し、それぞれについて、各ドットに対応する座標を傾斜マトリクス内の座標に変換する。そして、それぞれの変換結果に基づいて、3つの光走査装置200の半導体レーザ110の駆動タイミングを決定している。これにより、オリジナルの画像を上記方向xに3分割し、それぞれの分割画像を専用の光走査装置200にて光書込することを可能にしている。よって、1つの大型の光走査装置を用いる場合に比べ、プリンタ本体の大型化を抑えながら、上記方向xの走査領域を増大させることができる。しかも、各光走査装置100間で走査周波数の誤差が生じていても、それぞれの分割画像を違和感なく繋ぎ合わせることができる。
また、上記光走査制御部500と同様の座標変換を行うプリンタドライバ等のプログラムにおいても、主走査方向(x’)を上記方向xから傾けるように配設された光走査装置に対し、次に説明するような制御を行うことができる。即ち、副走査方向の画素ピッチを、主走査方向における走査タイミングによっても依存させる制御である。よって、偏向手段の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができる。
また、実施形態に係るプリンタの上記位置決め機構においては、光走査装置200の主走査方向(x’)を、副走査方向(y)に直交する上記方向xよりも傾けている。そして、この傾きにより、画像全体の走査開始点Paと走査終了点Pbとの方向yにおけるずれ量を1画素分よりも大きくしている。かかる構成では、上述のような座標変換に基づく走査制御部500によって制御される各光走査装置200に対し、副走査方向の画素ピッチを主走査方向における走査タイミングによっても依存させる光書込を行わせることができる。
また、3つの光走査装置200の主走査方向(x’)をそれぞれ個別に位置決めするのではなく、これらが一体となった光走査ユニット300の位置決めによって間接的にそれぞれを位置決めするので、位置決め作業の手間を軽減することができる。
また、実施形態に係るプリンタの光走査ユニット300においては、3つの偏向モジュール100を、それぞれの主走査方向x’がモジュール並び方向である方向xから傾くような姿勢で1つの電子回路基板301に固定している。かかる構成では、ユニット全体の位置決めによって、それぞれの偏向モジュール100をその主走査方向(x’)が上記方向xから傾くように位置決めすることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、走査制御部500が、各偏向モジュール100の傾き誤差に応じた傾斜角度の傾斜マトリクスを用いる。そして、このことにより、各偏向モジュール100の傾き誤差に起因する分割画像間での画像位置ズレを解消することができる。
また、各偏向モジュール100のそれぞれについて、副走査方向(y)における位置ズレに応じて、分割マトリクスと傾斜マトリクスとの副走査方向(y)における相対位置をずらして座標変換する。そして、このことにより、各偏向モジュール100の副走査方向の位置ズレに起因する分割画像間での画像位置ズレを解消することができる。
また、各偏向モジュール100のそれぞれについて、副走査方向(y)に直交する上記方向xおける位置ズレに応じて、分割マトリクスと傾斜マトリクスとの方向xにおける相対位置をずらして座標変換する。そして、このことにより、各偏向モジュール100の方向xの位置ズレに起因する分割画像間での画像位置ズレ、空白ラインの形成、及び高濃度ラインの形成を解消することができる。
また、実施例2に係るプリンタにおいては、各光走査装置200の実際の走査周波数fdを「V/p」よりも大きくしている。そして、このことにより、「V/p」と等しくする場合に比べ、上記ライン像のジグザグを目立たなくして更なる高画質化を図ることができる。
また、実施例3に係るプリンタにおいては、上記半導体レーザ110として、複数の光源によって4つの光ビームを射出する4chレーザアレイを用い、4回分の主走査を1回で行う。よって、光ビームを1つだけしか射出しない半導体レーザ110を用いる場合に比べ、プリント速度の高速化を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1乃至10の発明によれば、主走査方向における走査タイミングに基づいて副走査方向の画素ピッチを微妙に調整して、偏向手段の駆動数誤差に起因する画質低下を抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビットマップ画像データのマトリクスの一例を示す模式図。
【図2】傾斜マトリクスの一例を示す模式図。
【図3】本発明に係る光走査装置の主走査方向x’と、画像形成装置の副走査方向yと、これに直交する方向xとの関係を示す模式図。
【図4】本発明に係る画像形成装置による1ライン画像の光書込の一例を示す模式図。
【図5】実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。
【図6】同プリンタの偏向モジュールを示す分解斜視図。
【図7】同偏向モジュールの断面図。
【図8】同プリンタの光走査ユニットの要部を示す斜視図。
【図9】従来の画像形成装置において、3つの光走査装置の走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す模式図。
【図10】ビットマップ画像データのマトリクスの一例を示す模式図。
【図11】同マトリクスに基づいて構築される分割マトリクスを示す模式図。
【図12】従来の画像形成装置によって光書込される3つのライン像を示す模式図。
【図13】実施形態のプリンタに用いられる傾斜マトリクスを示す模式図。
【図14】同プリンタの3つの偏向モジュールに基づく走査によって感光体ドラム上に描かれる走査軌跡を示す模式図。
【図15】図14と図15とを重ね合わせた状態を示す模式図。
【図16】同プリンタの走査制御部によって行われる座標変換を説明する模式図。
【図17】同プリンタによって光書込されるライン画像の一例を示す模式図。
【図18】同プリンタの光走査装置にて生ずる一走査周期内での走査速度変化と、同期信号と、書込信号との関係を示すチャート。
【図19】同走査制御部の要部を示すブロック図。
【図20】位置決め誤差が生じていない場合における各光走査装置の主走査方向の走査線を示す模式図。
【図21】位置決め誤差が生じている場合における各光走査装置の主走査方向の走査線を示す模式図。
【図22】真ん中の走査線L2が正規位置よりも副走査方向にずれた場合の光書込の一例を示す模式図。
【図23】(a)副走査方向へのずれを考慮しない場合の座標変換を説明するための模式図。
(b)同ずれを考慮した場合の座標変換を説明するための模式図。
【図24】真ん中の走査線L2が正規位置よりも方向xにずれた場合の光書込の一例を示す模式図。
【図25】(a)方向xへのずれを考慮しない場合の座標変換を説明するための模式図。
(b)同ずれを考慮した場合の座標変換を説明するための模式図。
【図26】走査開始位置から方向xに延びる仮想線を基線にしてドラム表面移動方向上流側に走査線を傾ける場合における主走査方向x’の傾斜角度θcを示す模式図。
【図27】オリジナルピッチpと、同プリンタによる書込ピッチPs及びPmとの関係を示す模式図。
【図28】変形例装置における光書込を説明するための模式図。
【図29】実施例3のプリンタによる光書込を説明するための模式図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(潜像担持体)
2 帯電チャージャ
4 現像装置
5 転写チャージャ
6 ドラムクリーニング装置
7 給紙カセット
100 偏向モジュール(偏向手段)
101 振動ミラー
200 光走査装置
300 光走査ユニット
301 電子回路基板(固定部材)
500 走査制御部(走査制御装置)

Claims (10)

  1. 所定方向に移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、
    該潜像担持体の表面における表面移動方向である副走査方向に対し、該表面上で直交する方向であるx方向に沿って並べられ、それぞれ光源から発した光ビームを偏向手段によって偏向せしめながら走査して、該潜像担持体に対して該潜像の光書込を行う複数の光走査装置を具備する光書込ユニットと、
    複数の該光走査装置におけるそれぞれの光ビームの偏向による該潜像担持体上での移動方向たる主走査方向を位置決めするための位置決め機構と、
    それぞれの光走査装置の少なくとも該光源及び偏向手段の駆動を制御し、複数の仮想直線を格子状に直交させたマトリクス内の座標によって各画素の位置が示される画像情報に基づいて該光源の駆動タイミングを決定する走査制御装置とを備える画像形成装置において、
    上記位置決め機構により、主走査方向における画像全体の主走査先端位置と主走査終端位置とを副走査方向に1画素分のサイズよりも大きくずらし、且つ、複数の上記光走査装置の主走査方向をそれぞれ上記x方向から所定角度だけ傾けて位置決めした状態で、それら光走査装置を1つの固定部材に固定し、
    上記画像情報の上記マトリクスを上記x方向に複数の上記光走査装置と同じ数だけ分割した複数の分割マトリクス、及び、それぞれの分割マトリクスをそれぞれ上記x方向から傾けた複数の傾斜マトリクスを用いて、それぞれの分割マトリクスにおける各画素に対応する座標を、それぞれの分割マトリクスに対応する傾斜マトリクス内の座標に変換した結果に基づいて、それぞれの光走査装置における上記光源の駆動タイミングを決定するように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    複数の上記傾斜マトリクスとして、複数の分割マトリクスを、それぞれに対応する上記光走査装置の主走査方向の上記x方向からの傾き角度と同じ角度で傾けたものを用いるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    複数の上記傾斜マトリクスとして、複数の分割マトリクスを、それぞれに対応する上記光走査装置の主走査方向の上記x方向からの傾き角度と、上記潜像担持体の表面移動による走査線の上記x方向からの傾き角度とを反映させた角度で傾けたものを用いるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかのの画像形成装置において、
    複数の光走査装置による走査ビームをそれぞれ所定位置で検知する複数の走査ビーム検知手段からの信号に基づいてそれぞれの光走査装置の単位時間あたりの走査回数である走査周波数を演算し、それぞれの光走査装置について演算結果に応じた仮想直線配設ピッチの上記傾斜マトリクスを選択して使用するように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
    複数の光走査装置についてそれぞれ、一走査周期内において、走査速度の変動に応じて上記光源の駆動周期を変化させるように、上記走査制御装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成装置であって、
    上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、傾き誤差に応じた傾斜角度の上記傾斜マトリクスを用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの画像形成装置であって、
    上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、上記副走査方向における位置ズレに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記副走査方向における相対位置をずらして座標変換することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置であって、
    上記走査制御装置が、各光走査装置の上記偏向手段のそれぞれについて、上記主走査方向における位置ズレに応じて、上記分割マトリクスと上記傾斜マトリクスとの上記主走査方向における相対位置をずらして座標変換し、且つ、該位置ズレに応じて各光走査装置による主走査開始タイミング及び主走査終了タイミングをずらすことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置であって、
    各光走査装置について、それぞれ単位時間あたりの主走査回数である走査周波数が、上記潜像担持体の表面移動速度を上記副走査方向における走査ピッチで除算した値よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかの画像形成装置であって、
    複数の上記光走査装置がそれぞれ複数の光源を有し、これらから同時に発せられた複数の光ビームを上記偏向手段によって偏向せしめることを特徴とする画像形成装置。
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