JP2003253563A - ガラス繊維用集束剤、オレフィン樹脂強化用ガラス繊維、および繊維強化成形用オレフィン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維用集束剤、オレフィン樹脂強化用ガラス繊維、および繊維強化成形用オレフィン樹脂組成物の製造方法

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JP2003253563A
JP2003253563A JP2002380057A JP2002380057A JP2003253563A JP 2003253563 A JP2003253563 A JP 2003253563A JP 2002380057 A JP2002380057 A JP 2002380057A JP 2002380057 A JP2002380057 A JP 2002380057A JP 2003253563 A JP2003253563 A JP 2003253563A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス樹脂であるオレフィン樹脂と繊
維とが強固に密着し、原料および成形品に毛羽立ちが発
生せず、優れた強度の成形品を与える繊維用集束剤、オ
レフィン樹脂強化用繊維、および繊維強化成形用オレフ
ィン樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも下記成分a)およびb)を含
むことを特徴とするオレフィン樹脂強化用ガラス繊維用
集束剤、オレフィン樹脂強化用繊維、および繊維強化成
形用オレフィン樹脂組成物。 a)アミンで中和された酸変性のオレフィン樹脂、およ
び b)アミノ基を有するシランカップリング剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン樹脂を
強化するガラス繊維(以下単に「繊維」と略称する)用
の集束剤、オレフィン樹脂強化用繊維、および繊維強化
成形品用オレフィン樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィン樹脂と繊維とを含む樹脂組成物は、繊維で強化
された成形品を得るための組成物として広く使用されて
いる。これらの組成物においては、オレフィン樹脂と繊
維との馴染みを良好ならしめるために繊維表面に集束剤
が附与される。
【0003】繊維強化オレフィン樹脂組成物から成形さ
れる成形品は、オレフィン樹脂と繊維束切断物(チョッ
プドストランド)とを直接混合して射出成形するか、あ
るいは両者を一旦押出機などにより混練および押出し、
および切断してショートファイバーペレットとした後射
出成形するか、あるいは繊維を引き揃えて溶融樹脂を含
浸させて引き抜き、切断してロングファイバーペレット
とし、このペレットを射出成形することによって製造さ
れる。
【0004】しかしながら、オレフィン樹脂は化学構造
上、分子鎖に極性基がなく、表面活性に乏しいため、上
記ペレットを作成したとしても、繊維に対するオレフィ
ン樹脂の密着性は劣り、成形品において期待される程の
強度の向上は少ない。また、得られた組成物から繊維が
ほぐれて飛散し易いという欠点も有する。オレフィン樹
脂を基本樹脂とした引抜き成形による繊維強化成形品用
樹脂組成物においてはかかる問題があり、その改善が切
望されていた。
【0005】このような問題を解決するために、例え
ば、特許文献1では、繊維に含浸するマトリックス樹脂
としてオレフィン樹脂とともに特定の変性を行った変性
オレフィン樹脂を併用することにより、ロングファイバ
ーペレットとしたときに、繊維用集束剤による処理との
相乗的効果が発現し、成形品の機械的強度などが飛躍的
に向上することが提案されている。さらに、前記公報で
は、ガラス繊維の集束剤の成分として、変性オレフィン
樹脂を用いることが記載されている。
【0006】
【特許文献1】特許第2941320号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、集束剤
の成分として変性オレフィン樹脂を用いた場合、変性オ
レフィン樹脂に水分散性をもたせて、繊維に付与する必
要があり、変性オレフィン樹脂に中和剤を添加するか、
または界面活性剤を添加する必要があり、この水分散性
化または水溶性化の処理方法によっては、繊維表面に変
性オレフィン樹脂が十分に付着せず、繊維の集束性が劣
り、ペレットや成形品に毛羽が発生し、ショートファイ
バーペレットおよびロングファイバーペレットとして、
成形した際の成形品の機械的強度が劣るといった問題を
有していた。
【0008】従って、本発明の目的は、マトリックス樹
脂であるオレフィン樹脂と繊維とが強固に密着し、原料
および成形品に毛羽立ちが発生せず、優れた強度の成形
品を与える繊維用集束剤、オレフィン樹脂強化用繊維、
および繊維強化成形品用オレフィン樹脂組成物を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、少なくとも
下記成分a)およびb)を含むことを特徴とするオレフ
ィン樹脂強化用ガラス繊維(以下「ガラス繊維」を単に
「繊維」という)用集束剤を提供する。 a)アミンで中和された酸変性のオレフィン樹脂、およ
び b)アミノ基を有するシランカップリング剤
【0010】上記酸変性オレフィン樹脂の数平均分子量
は、5,000以上であること、および上記アミンが、
エチレンジアミンおよびモルホリンから選ばれる少なく
とも1種であること、また、上記アミノ基を有するシラ
ンカップリング剤のアミノ基が1級および/または2級
アミノ基であることが好ましい。また、本発明において
は、上記集束剤で処理された繊維束は、その全量に対し
て、上記集束剤が固形分として0.1〜2.0質量%付
与されていることが好ましい。
【0011】また、本発明は、上記集束剤で処理された
繊維束の連続物を、クロスヘッドを通して引きながら、
押出機からクロスヘッドに供給されるオレフィン樹脂の
溶融物で含浸することを特徴とする長繊維強化成形品用
オレフィン樹脂組成物の製造方法、および上記集束剤で
処理された繊維束を切断してなるチョップドストランド
と、オレフィン樹脂とを混練して押出し、これを切断す
ることを特徴とする短繊維強化成形品用オレフィン樹脂
組成物の製造方法を提供する。ここで、オレフィン樹脂
がポリプロピレンであることが好ましい。
【0012】本発明によれば、集束剤の主要成分である
酸変性のオレフィン樹脂をアミンで中和することによっ
て、繊維の集束性が優れ、処理された繊維束の毛羽立ち
が抑制され、また、該処理繊維を含有する樹脂組成物を
成形した場合において成形品の機械的強度が向上する。
かかるアミンは、他の中和剤である比較的アルカリ性が
強い水酸化ナトリウムや水酸化カリウムに比べ、酸基と
の反応性が低いため、集束剤を繊維に付着させた後に、
酸基からアミンが解離し易く、アミンが遊離してフリー
となった酸基が、シランカップリング剤と反応し、繊維
の表面とマトリックス樹脂であるオレフィン樹脂との密
着を良好にすると考えられる。
【0013】上記本発明に対して、酸変性オレフィン樹
脂を、水分散性または水溶性にする別の方法としては、
酸変性オレフィン樹脂を界面活性剤を用いて乳化する方
法も考えられるが、界面活性剤のみでは、酸変性オレフ
ィン樹脂の親水性が劣るため、多量の界面活性剤を用い
なければ、酸変性オレフィン樹脂を水中に均一に乳化あ
るいは分散させることが困難であり、多量の界面活性剤
の使用は繊維とマトリックス樹脂との優れた密着性を阻
害する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明の集束剤は、少
なくともアミンで中和された酸変性オレフィン樹脂とア
ミノ基を有するシランカップリング剤とを必須成分とし
て含むことを特徴としている。
【0015】本発明の集束剤に使用する酸変性オレフィ
ン樹脂は、オレフィン樹脂をクロルスルホン化した後に
スルホン基に変換させるか、直接スルホン化するか、さ
らにはオレフィン樹脂の製造時に、オレフィンに重合性
不飽和カルンボン酸化合物またはその誘導体を共重合さ
せるか、さらにはオレフィン樹脂に、付加重合性不飽和
カルボン酸化合物またはその誘導体をグラフト重合させ
るなどの方法で得ることができる。
【0016】上記の如く酸変性されるオレフィン樹脂と
しては、オレフィンの単独重合体および2種以上のオレ
フィンの共重合体から選ばれたものがいずれも使用可能
であり、その具体例としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
【0017】スルホン化された好ましいオレフィン樹脂
としては、上記の如きオレフィン樹脂に塩素と二酸化イ
オウ、またはクロルスルホン酸を反応させクロルスルホ
ン化し、これをスルホン基に変化させたもの、および直
接スルホン化したオレフィン樹脂が挙げられる。より好
ましいのはスルホン化ポリエチレンおよびスルホン化ポ
リプロピレンである。
【0018】不飽和カルボン酸化合物またはその誘導体
で変性された酸変性オレフィン樹脂としては、オレフィ
ンの単独重合体または2種以上のオレフィンの共重合
体、例えば、オレフィン樹脂として上記で例示した樹脂
などに不飽和カルボン酸化合物またはその誘導体をグラ
フト重合したもの、オレフィンから選ばれた1種または
2種以上の単量体と不飽和カルボン酸化合物またはその
誘導体から選ばれた1種または2種以上をランダムまた
はブロック共重合したもの、およびこれにさらに不飽和
カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合したものが
挙げられる。
【0019】ここで、カルボン酸変性のために使用され
る不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが
挙げられる。また、不飽和カルボン酸の誘導体としては
これらの酸の無水物、エステル、アミド、イミド、金属
塩などがあり、その具体例としては、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリ
シジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジ
エチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル
酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマ
ル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、
メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。こ
れらの化合物のうちでフリーのカルボン酸基を有さない
ものは、重合後に加水分解などによりカルボン酸基を生
成させる。
【0020】上記の不飽和カルボン酸化合物およびその
誘導体のうち、好ましいのはアクリル酸およびメタクリ
ル酸のグリシジルエステルおよび無水マレイン酸であ
り、これらにより変性された好ましい酸変性オレフィン
樹脂としては、エチレンおよび/またはプロピレンを主
たる樹脂構成単位とするオレフィン樹脂に無水マレイン
酸をグラフト重合することにより変性したもの、エチレ
ンおよび/またはプロピレンを主体とするオレフィンと
(メタ)アクリル酸グリシジルエステルまたは無水マレ
イン酸とを共重合することにより酸変性したものが挙げ
られる。
【0021】かかる酸変性オレフィン樹脂は、その数平
均分子量が5,000以上が好ましく、より好ましい数
平均分子量は10,000以上であり、数平均分子量が
15,000〜50,000であることが最も好まし
い。数平均分子量が5,000未満では、ガラス繊維の
集束性が低下するため不十分である。
【0022】本発明は、以上の如き酸変性オレフィン樹
脂を水溶性化または水分散性化させるためには、酸の基
をアミンで中和するために、集束剤中にアミンが少なく
とも含有されていることを必須とする。本発明で使用す
るアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、アンモ
ニア、モルホリン、ジエチレントリアミン、ヒドロキシ
エチルピペラジンなどが挙げられる。なかでも、取り扱
い易さおよび水溶液または水分散液の安定性の点から、
エチレンジアミン、モルホリンおよびアンモニアを用い
ることが好ましく、特にエチレンジアミンおよびモルホ
リンを用いることが好ましい。かかるアミンの使用量
は、酸変性オレフィン樹脂の酸の基を1当量とした場
合、0.5〜1.5当量の割合で使用することが好まし
く、さらに0.8〜1.2当量の割合で使用することが
好ましい。
【0023】本発明の集束剤に用いる酸変性オレフィン
樹脂は、前記アミンの他に、中和剤として、集束剤の調
合タンクや、集束剤を繊維束に付与させるアプリケータ
での安定した水分散性または水溶性を得るために、水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸
化物を併用しても構わない。また、上記酸変性オレフィ
ン樹脂は、適当な量の界面活性剤を併用して水分散性化
または水溶性化させることができる。界面活性としては
特に限定はない。上記酸変性オレフィン樹脂は、前記
a)成分およびb)成分の合計質量に対し、50〜95
質量%含有されていることが好ましく、70〜90質量
%であることがより好ましい。前記値が50質量%未満
であるとマトリックス樹脂との相溶性および成形品の機
械的強度が劣り、一方、95質量%を超えると後述する
シランカップリング剤の量が少なくなり好ましくない。
【0024】本発明の集束剤は、前記酸変性オレフィン
樹脂に加えて、アミノ基を有するシランカップリング剤
(アミノシラン)を含有することを必須とする。該シラ
ンカップリング剤は、酸変性オレフィン樹脂と繊維との
密着性を向上させ、かつ後にマトリックス樹脂であるオ
レフィン樹脂と繊維との密着性も向上させる作用を有す
る。
【0025】上記シランカップリング剤としては、アミ
ノ基を有するものであれば特に限定しないが、前記アミ
ノシランのアミノ基が1級および/または2級のアミノ
基であることが好ましく、さらにγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエ
チル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメ
トキシシランのようなアミノシランが好ましい。前記ア
ミノシランは、集束剤中の酸変性ポリオレフィンとの反
応性が特に高いと考えられ、繊維の集束性が向上し、ま
た、樹脂との密着性を高め、機械的強度などが優れる点
で好ましい。さらにγ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを用いることがより好ましい。
【0026】上記シランカップリング剤は、前記a)成
分およびb)成分の合計質量に対して5〜50質量%、
より好ましくは10〜30質量%で使用する。シランカ
ップリング剤の使用量は低過ぎると繊維と集束剤の結
合、および処理された繊維とマトリックス樹脂との密着
性が不足し、一方、シランカップリング剤の使用量が多
すぎると、最終的に得られる樹脂組成物が黄変着色する
ので好ましくない。
【0027】前記集束剤は、前記a)成分およびb)成
分の他に、樹脂成分として、例えば、さらに、酢酸ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、オレフィン樹脂などの樹脂またはその変性物、ある
いはオレフィン樹脂系ワックスに代表されるワックス類
などのオリゴマーを併用することが可能である。ただ
し、上記の樹脂やオリゴマーは、通常界面活性剤による
水分散性化によって得られた水分散液、あるいは樹脂や
オリゴマーの骨格中に存在するカルボン酸基やアミド基
の中和や水和による水溶性化によって得られる水溶液と
いった形態で使用されるのが一般的である。さらに、集
束剤に潤滑性能を付与するために、さらに潤滑剤を含有
させることができる。
【0028】上記潤滑剤としては、従来の集束剤に用い
られているものが使用できる。例えば、キャデリンワッ
クス、カルナウバワックス、木ろうなどの植物系ワック
ス、みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワック
ス、モンタンワックス、石油ワックスなどの鉱物系ワッ
クス、脂肪酸アミド、および脂肪酸エステル系、芳香族
エステル系、脂肪酸エーテル系、芳香族エーテル系の界
面活性剤などが好ましく使用される。この潤滑剤は、多
すぎると繊維とマトリックス樹脂との接着を妨げること
になり、不足すれば充分な潤滑性能が得られないため、
使用する場合は、集束剤全体に対して固形分として0.
01〜0.5質量%程度添加するのが適当である。
【0029】さらに、上記集束剤は、上記の成分以外に
塩化リチウムやヨウ化カリウムなどの無機塩や、アンモ
ニウムクロライド型やアンモニウムエトサルフェート型
などの4級アンモニウム塩に代表される帯電防止剤、あ
るいは脂肪族エステル系、脂肪族エーテル系、芳香族エ
ステル系、芳香族エーテル系の界面活性剤に代表される
潤滑剤などを含んでいてもよい。このような本発明の集
束剤は、水分散液または水溶液の形態であり、その固形
分濃度は通常0.01〜0.5質量%である。また、集
束剤として前記a)成分およびb)成分の他に、他成分
を添加した場合のa)成分およびb)成分の合計量は、
a)成分およびb)成分を含む集束剤の固形分全量を1
00質量部としたとき、50質量部以上含有されている
ことが好ましい。
【0030】本発明において上記集束剤によって処理さ
れる繊維については、モノフィラメントの平均径が6〜
23μmであることが好ましく、より好ましくは10〜
17μmである。モノフィラメントの平均径が6μm未
満の場合は、後にマトリックス樹脂を含浸させてペレッ
トとした場合にペレットがコスト高になり、23μmを
超える場合は、上記ペレットが機械的物性が劣るために
好ましくない。
【0031】本発明の集束剤による繊維の処理方法につ
いては特に限定されるものではなく、いずれの処理方法
であってもよい。本発明の集束剤は、該集束剤が付与さ
れた繊維の全量に対し固形分として0.1〜2.0質量
%付与されていることが好ましい。付与量が0.1質量
%未満であると繊維の集束性が不十分で毛羽立ち易く、
また、繊維とマトリックス樹脂との接着が劣り好ましく
なく、一方、付与量が2.0質量%を越えるとマトリッ
クス樹脂の含浸時における繊維束の解繊が不十分とな
り、マトリックス樹脂中で未解繊の繊維束が存在するこ
とによる欠点を生じさせるため好ましくない。
【0032】本発明は、上記の集束剤で処理された繊維
束の連続物を引きながら、オレフィン樹脂を主体とする
マトリックス樹脂を繊維束に含浸させ、長繊維で強化さ
れたオレフィン樹脂組成物(ロングファイバーペレッ
ト)を製造する場合、酸変性オレフィン樹脂を含有する
集束剤で処理した繊維束の使用が、繊維による補強効果
を高めるうえで特に有効である。
【0033】一方、チョップドストランドなどの短繊維
でオレフィン樹脂を強化する、いわゆるショートファイ
バーペレットの場合においては、エポキシ樹脂あるいは
ウレタン樹脂を含有してなる集束剤で処理したものが一
般的に用いられ、また、その補強促進効果が認められて
いるが、本発明において前記集束剤で処理したチョップ
ドストランドなどの短繊維を用いても、ロングファイバ
ーペレットの場合と同様に補強促進効果は認められる。
【0034】次に、上記集束剤で処理された繊維束と該
繊維束に含浸させるマトリックス樹脂とからなる長繊維
強化成形品用オレフィン樹脂組成物について説明する。
上記マトリックス樹脂としてはオレフィン樹脂を主体と
するものが用いられる。特に好ましくはマトリックス樹
脂としてオレフィン樹脂を主体とし、これと前記集束剤
の主成分と同様な酸変性オレフィン樹脂を併用したもの
であり、これにより、前述した特定の集束剤で処理した
繊維による補強効果を相乗的に高めることができ、成形
品の機械的強度などが飛躍的に向上する。
【0035】ここでマトリックス樹脂として用いるオレ
フィン樹脂としては、前記オレフィン樹脂と同様に、オ
レフィンの単独重合体および2種以上のオレフィンの共
重合体から選ばれたものがいずれも使用可能である。こ
れらのオレフィン樹脂は2種以上混合して使用してもよ
い。これらのオレフィン樹脂のうち、本発明において
は、樹脂の押出加工性、成形性、得られた樹脂組成物の
諸特性などから考えて、ポリエチレンもしくはポリプロ
ピレンを主体とするものが好ましく、特に好ましくはポ
リプロピレンを主体とするものである。
【0036】また、マトリックス樹脂として、かかるオ
レフィン樹脂と併用するのが好ましい変性オレフィン樹
脂としては、前記酸変性オレフィン樹脂として詳述した
ものがいずれも使用できる。これらの酸変性オレフィン
樹脂は2種以上混合して使用することも可能である。本
発明において、集束処理した繊維束に含浸するマトリッ
クス樹脂として、かかる酸変性オレフィン樹脂をオレフ
ィン樹脂と併用する場合においては、オレフィン樹脂9
9〜40質量部に対し酸変性オレフィン樹脂を1〜60
質量部の割合で用いるのが好ましく、これにより、前述
した繊維の集束剤による処理の作用と相まって集束剤で
処理した繊維束に対するマトリックス樹脂の含浸性およ
び繊維との密着性が一段と良くなり、強度が飛躍的に向
上した成形品を与える樹脂組成物が得られる。特に好ま
しい組成はオレフィン樹脂97〜80質量部に対して酸
変性オレフィン樹脂3〜20質量部の割合である。
【0037】また、本発明において、マトリックス樹脂
としてオレフィン樹脂と酸変性オレフィン樹脂とを併用
する場合においては、その主たる樹脂構成単位が同一で
ある組合せとするのが好ましい。その具体例としては、
主成分がポリエチレンで、副成分(酸変性オレフィン樹
脂)がエチレンとメタクリル酸グリシジルの共重合体、
あるいは無水マレイン酸をグラフトさせた酸変性エチレ
ン・ブテン−1共重合体の組合せ、主成分がポリプロピ
レンであり、副成分が無水マレイン酸をグラフトさせた
酸変性ポリプロピレンの組合せなどが挙げられる。ま
た、オレフィン樹脂と併用するのが好ましい重合体の別
の例としては、塩素化またはクロルスルホン化されたオ
レフィン樹脂が挙げられる。かかる樹脂の配合量などに
ついては、上記酸変性オレフィン樹脂と同様である。
【0038】本発明の長繊維強化オレフィン樹脂組成物
は、前述した集束剤で処理した強化用繊維束の連続物を
引きながら、該繊維束に上記マトリックス樹脂を含浸さ
せて得られる。含浸方法は従来公知の方法でよく特に限
定されない。得られた樹脂組成物中の強化用繊維の配合
量は、5〜80質量%(組成物中)である。配合量が5
質量%未満では繊維による補強効果は小さく、逆に80
質量%を超えると樹脂組成物の調製あるいはその成形に
おける加工性が著しく劣り、また、繊維量の増加による
さらなる強度向上も殆ど期待できない。補強効果と加工
性などのバランスを考慮すると、好ましい繊維の配合量
は20〜70質量%(組成物中)であり、特に好ましく
は30〜65質量%(組成物中)である。
【0039】また、本発明の長繊維強化オレフィン樹脂
組成物は、強化用繊維が実質上全て2mm以上の長さを
有し、且つ互いにほぼ平行な状態で配列していることが
好ましい。繊維長が2mm未満では、かかる樹脂組成物
を成形した時、成形品において十分な強度向上は期待で
きない。特に成形加工操作が容易な射出成形に供し、射
出成形性を損なうことなく、優れた強度を保持した成形
品を得るためには、樹脂組成物は長さ2〜50mmのペ
レット状(線材状)で、繊維がペレットと実質上同一長
さで配列した線材状組成物とするのが好ましい。
【0040】また、本発明のかかる樹脂組成物には、そ
の目的および効果を大きく阻害しない範囲で他の熱可塑
性樹脂の1種または2種以上を補助的に少量併用するこ
とも可能である。また、目的に応じ所望の特性を付与す
るため、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、
例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤などの
安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料な
どの着色剤、潤滑剤、可塑剤、結晶化促進剤、結晶核剤
などをさらに配合することも可能である。また、ガラス
フレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、
クレー、アルミナ、カーボンブラック、ウォラストナイ
トなどの板状や粉粒状の無機化合物、ウィスカーなどを
併用してもよい。
【0041】本発明の長繊維強化オレフィン樹脂組成物
の製造方法としては、引抜成形法がが好ましい。引抜成
形法は、基本的には前記集束剤で処理された連続した強
化用繊維束を引きながら、該繊維束に前記マトリックス
樹脂を含浸するものであり、マトリックス樹脂のエマル
ジョン、サスペンジョンあるいは溶液を入れた含浸浴の
中に繊維束を通してマトリックス樹脂を含浸する方法、
マトリックス樹脂の粉末を繊維束に吹きつけるか、粉末
を入れた槽の中を繊維束を通し、繊維にマトリックス樹
脂粉末を付着させた後マトリックス樹脂を溶融し、繊維
束中に含浸する方法、クロスヘッドの中を繊維束を通し
ながら押出機などからクロスヘッドにマトリックス樹脂
を供給し、繊維束に含浸する方法などが知られている
が、本発明においてはかかる公知の方法がいずれも利用
できる。特に好ましいのはクロスヘッドを用いる方法で
ある。
【0042】また、これらの引抜成形におけるマトリッ
クス樹脂の含浸操作は1段で行うのが一般的であるが、
これを2段以上に分けて行ってもかまわない。特に繊維
束に含浸させるマトリックス樹脂として、オレフィン樹
脂と酸変性オレフィン樹脂を併用した場合には、これら
を所定の割合で混合した溶融物を用いた1段の含浸操作
で含浸する方法、含浸操作を2段以上にわけ、各含浸工
程ではオレフィン樹脂と酸変性オレフィン樹脂との任意
の割合としたマトリックス樹脂を繊維束に含浸し、最終
的に所望の樹脂組成物とする方法などがいずれも可能で
ある。
【0043】また、本発明においては、かかる樹脂組成
物を製造するにあたり、溶融混練法を用いることもでき
る。溶融混練法は、溶融状態のマトリックス樹脂と集束
剤で処理した繊維束とを押出機で混練させる方法であ
り、2軸押出機でマトリックス樹脂を溶融し、途中のフ
ィード口より集束剤で処理した繊維束を投入する方法
と、2軸または単軸押出機で予めプリブレンドしたマト
リックス樹脂と集束剤で処理した繊維束とを溶融混練さ
せる方法がある。集束剤で処理した繊維束の形態として
は連続した繊維束でも使用できるが、予め切断したタイ
プであるチョップドストランドが用いられることが多
い。
【0044】また、集束剤で処理した繊維束に含浸させ
るマトリックス樹脂としてオレフィン樹脂と不飽和カル
ボン酸またはその誘導体を有機過酸化物とともに溶融混
練したものを用い、集束剤で処理した繊維束の含浸を行
うとともに、オレフィン樹脂の一部と不飽和カルボン酸
またはその誘導体との反応を行わせてもよい。
【0045】上記の如き引抜成形または混練成形を用い
た本発明の樹脂組成物の製造方法において、繊維束に含
浸させるための溶融マトリックス樹脂の温度は、180
〜320℃とするのが好ましく、オレフィン樹脂として
ポリプロピレンを主体とするものを用いる場合にあたっ
ては上記温度は特に好ましい。
【0046】以上の如くして得られる本発明の樹脂組成
物の形状に制約はなく、ストランド状、シート状、平板
状あるいはストランドを適当な長さに裁断したペレット
状などの任意の形状が可能である。特に成形加工の容易
な射出成形への適用のため、長さ2〜50mmの線材状
組成物とするのが好ましい。また、かかる樹脂組成物を
成形するにあたっては、これを成形した時、集束剤で処
理した繊維が1mm以上の質量平均繊維長で分散した成
形品とするのが好ましく、これにより高度の機械的強度
を保持した成形品とすることができる。
【0047】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。 (実施例1)γ−アミノプロピルトリエトキシシランを
固形分として0.5質量%、およびマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョン(数平均分子量15,00
0、エチレンジアミン中和物)を固形分で3.0質量%
を用いて集束剤(水分散液)を調合し、13μm径の繊
維表面に均一に塗布した。この繊維を集束させた後、長
さ3mmに切断および乾燥してチョップドストランドを
作製した。
【0048】上記チョップドストランドの性状は、下記
に定める方法で測定した。その測定結果を後記表1に示
す。 ・強熱減量(%):JISR3420に従う。 ・ブレンド値(g):旭ファイバーグラス社測定法によ
る測定。 3kgの試料を15分間Vブレンダーにて攪拌した際に
発生した毛羽の量。 ・モノフィラメント率(%):旭ファイバーグラス社測
定法による測定。チョップドストランドに含まれる細か
いフィラメントの割合。 ・嵩比重(−):旭ファイバーグラス社測定法による測
定。自然落下嵩比重。
【0049】次に、このチョップドストランド30質量
部とポリプロピレン樹脂69質量部および無水マレイン
酸変性ポリプロピレン樹脂1質量部とを押出し機にて溶
融混合して、線状に押出した後、冷却した後3mm長に
切断し、短繊維強化ポリプロピレン樹脂ペレット(FR
−PP)を作製し、射出成形機にて各種試験片を成形し
た。
【0050】<集束性(総合評価)> 「評価方法」 (実施例1〜3、比較例1〜4(チョップドストラン
ド))ガラス繊維束および樹脂組成物の生産時の毛羽発
生状況を考慮して、ブレンド値とモノフィラメント率の
結果から毛羽の総合評価を行った。評価基準は下記の通
りである。
【0051】
【0052】ブレンド値およびモノフィラメント率の評
価において、 ◎:どちらもレベル1を満たすもの ○:一方がレベル1、他方がレベル2 ×:一方がレベル3、他方がレベル4 ××:どちらもレベル4を満たすもの
【0053】(実施例4、比較例5〜8(ロービン
グ))ガラス繊維束および樹脂組成物の生産時の毛羽発
生状況を考慮して、ブレンド値とモノフィラメント率の
結果から毛羽の総合評価を行った。評価基準は下記の通
りである。
【0054】
【0055】「評価の内容」 ◎:樹脂組成物の製造時にチョップドストランドまたは
ロービングの毛羽立ちが殆ど確認されず、問題なく生産
が可能なレベル。 ○:樹脂組成物の製造時にチョップドストランドまたは
ロービングの毛羽立ちが若干確認されるが、問題なく生
産が可能なレベル。 ×:樹脂組成物の製造時にチョップドストランドまたは
ロービングの毛羽立ちが発生しショートファイバーペレ
ット成形においては、短時間でフィーダー等に毛羽玉が
詰まり長時間連続して押し出し成形ができず、またロン
グファイバーペレットの成形においては、ロービングの
糸切れが発生し生産性の劣るレベル。 ××:チョップドストランドまたはロービングの作製時
に毛羽が発生し、チョップスドトランドの生産効率が劣
り、ロービングでは糸もつれ等により糸の繰り出しが困
難なレベル。
【0056】<FR−PP物性> ・引張り強度(MPa):JIS K 7113に従
う。 ・IZDO衝撃強度(kJ/m2):JIS K 71
10に従う。
【0057】(実施例2)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンがモルホリン中和物である以
外は実施例1と同じようにしてチョップドストランドを
作製し、前記と同様に評価を実施した。その測定結果を
表1に示す。
【0058】(実施例3)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンに用いられたポリプロピレン
樹脂の数平均分子量が4,500である以外は実施例1
と同じようにしてチョップドストランドを作製し、前記
と同様に評価を実施した。その測定結果を表1に示す。
【0059】(比較例1)シランカップリング剤として
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用し
た以外は、実施例3と同じようにしてチョップドストラ
ンドを作製し、前記と同様に評価を実施した。その測定
結果を表1に示す。
【0060】(比較例2)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンが水酸化カリウム中和物であ
る以外は実施例1と同じようにしてチョップドストラン
ドを作製し、前記と同様に評価を実施した。その測定結
果を表1に示す。
【0061】(比較例3)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンが水酸化カリウム中和物であ
る以外は実施例3と同じようにしてチョップドストラン
ドを作製し、前記と同様に評価を実施した。その測定結
果を表1に示す。
【0062】(比較例4)シランカップリング剤として
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用し
た以外は、比較例3と同じようにしてチョップドストラ
ンドを作製し、前記と同様に評価を実施した。その測定
結果を表1に示す。
【0063】
【0064】(実施例4)γ−アミノプロピルトリエト
キシシランを固形分で0.5質量%、マレイン酸変性ポ
リプロピレンのエマルジョン(数平均分子量25,00
0、エチレンジアミン中和物)を固形分で3.0質量%
を用いて集束剤(水分散液)を調合し、16μm径の繊
維表面に均一に塗布した。この繊維を4,000本集束
させた後、乾燥してロービングを作製した。ロービング
の性状は、下記に定める方法で測定した。その測定結果
を表2に示す。 ・強熱減量(%):JISR3420に従う。 ・ワインダー毛羽量(mg):旭ファイバーグラス社測
定法による測定。テンションをかけながら巻き取った時
に発生した毛羽量。
【0065】次に、ポリプロピレン樹脂95質量部と無
水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂5質量部を混合溶
融させ、含浸ダイを用いて上記ロービングを溶融樹脂中
に導入し、これを引き取りながら冷却し、6mm長に切
断することによって、長繊維強化ポリプロピレン樹脂ペ
レットを作製し、射出成形機にて各種試験片を成形し
た。繊維含有率は40重量%とした。
【0066】(比較例5)シランカップリング剤として
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用し
た以外は、実施例4と同じようにしてロービングを作製
し、前記と同様に評価を実施した。その測定結果を表2
に示す。
【0067】(比較例6)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンに用いられたポリプロピレン
樹脂の数平均分子量が15,000であり、水酸化カリ
ウム中和物である以外は実施例4と同じようにしてロー
ビングを作製し、前記と同様にして評価を実施した。そ
の測定結果を表2に示す。
【0068】(比較例7)使用したマレイン酸変性ポリ
プロピレンのエマルジョンに用いられたポリプロピレン
樹脂の数平均分子量が4,500である以外は比較例6
と同じようにしてロービングを作製し、前記と同様にし
て評価を実施した。その測定結果を表2に示す。
【0069】(比較例8)シランカップリング剤として
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用し
た以外は、比較例7と同じようにしてロービングを作製
し、前記と同様に評価を実施した。その測定結果を表2
に示す。
【0070】
【0071】なお、繊維の集束剤として、アミン中和さ
れた酸変性のオレフィン樹脂を用いた実施例1〜4は、
繊維の集束性は良好であり、毛羽立ちが見られなかった
が、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを用いた比較例1、4、5およ
び7〜8は繊維の集束性および機械的強度が劣った。一
方、アミン中和がされていない酸変性のオレフィン樹脂
を用いた比較例2〜4および比較例6〜8は、集束性が
劣り毛羽の発生が多く見られるものであった。
【0072】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、オレフィン
樹脂と繊維とが強固に密着し、原料および成形品に毛羽
立ちが発生せず、優れた強度の成形品を与える繊維用集
束剤、オレフィン樹脂強化用繊維、および繊維強化成形
品用オレフィン樹脂組成物を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記成分a)およびb)を含
    むことを特徴とするオレフィン樹脂強化用ガラス繊維用
    集束剤。 a)アミンで中和された酸変性のオレフィン樹脂、およ
    び b)アミノ基を有するシランカップリング剤
  2. 【請求項2】 前記酸変性オレフィン樹脂の数平均分子
    量が、5,000以上である請求項1に記載のガラス繊
    維用集束剤。
  3. 【請求項3】 前記アミンが、エチレンジアミンおよび
    モルホリンから選ばれる少なくとも1種である請求項1
    に記載のガラス繊維用集束剤。
  4. 【請求項4】 前記アミノ基を有するシランカップリン
    グ剤のアミノ基が、1級および/または2級アミノ基で
    ある請求項1に記載のオレフィン樹脂強化用ガラス繊維
    用集束剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載のガラ
    ス繊維用集束剤が、該集束剤を含むガラス繊維全量に対
    して、固形分として0.1〜2.0質量%付与されてい
    ることを特徴とするオレフィン樹脂強化用ガラス繊維。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れか1項に記載の集束
    剤で処理されたガラス繊維束の連続物を、クロスヘッド
    を通して引きながら、押出機からクロスヘッドに供給さ
    れるオレフィン樹脂の溶融物で含浸することを特徴とす
    る長繊維強化成形品用オレフィン樹脂組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4の何れか1項に記載の集束
    剤で処理されたガラス繊維束を切断してなるチョップド
    ストランドと、オレフィン樹脂とを混練して線状に押出
    し、これを切断することを特徴とする短繊維強化成形品
    用オレフィン樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 オレフィン樹脂が、ポリプロピレンであ
    る請求項6または7に記載の繊維強化成形品用オレフィ
    ン樹脂組成物の製造方法。
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