JP2003253206A - シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電性に優れると共に十分な機械強度を有
しており、しかも、従来に比して低温及び/又は短時間
で硬化させることが可能なシリカ系被膜形成用組成物を
提供する。 【解決手段】 本発明のシリカ系被膜形成用組成物は、
(a)成分としてアルコキシシラン等のシロキサン樹脂
と、(b)成分として例えばプロピレングリコールメチ
ルエーテルアセテート等の第1の溶媒成分、及び、例え
ばプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の第2
の溶媒成分を含む溶媒と、(c)成分として、式
(2); 0<MOH<0.4×10-2 …(2)、 で表される関係を満たすようにヒドロキシル基を側鎖に
含む重合体とを含有して成る。なお、式中のMOHは重合
体におけるヒドロキシル基の濃度(mol/g)を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ系被膜形成
用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体素子といった電子デバ
イス部品に関しては、高集積化による配線の微細化に伴
い、配線間容量の増大による信号遅延時間の増大が問題
となっており、電子部品の絶縁材料に対して、耐熱性、
機械特性等の他、更なる低比誘電率と熱処理工程の短縮
が求められている。
【0003】一般に配線の信号伝搬速度(v)と、配線
材料が接する絶縁材料の比誘電率(ε)とは、下記式
(3); v=k/√ε …(3)、 で表される関係を示す(式中のkは定数である)。つま
り、使用する周波数領域を高くすると共に、絶縁材料の
比誘電率(ε)を低減することにより、信号伝搬の高速
化が達成される。例えば、従来から、比誘電率が4.2
程度のCVD法によって形成されるSiO2膜が層間絶
縁膜の形成材料として用いられてきたが、デバイスの配
線間容量を低減し、LSIの動作速度を向上させる観点
から、更なる低誘電率を発現する材料が切望されてい
る。
【0004】これに対し、現在実用化されている低誘電
率材料としては、比誘電率が3.5程度のCVD法で形
成されるSiOF膜が挙げられる。また、比誘電率が
2.5〜3.0である絶縁材料としては、有機SOG
(Spin On Glass)、有機ポリマー等を例
示できる。さらに、比誘電率が2.5以下の絶縁材料と
しては、膜中に空隙を有するポーラス材が有力と考えら
れており、LSIの層間絶縁膜に適用するための検討・
開発が盛んに行われている。
【0005】そのようなポーラス材の形成方法として、
特開平11−322992号公報、特開平11−310
411号公報等には、有機SOG材の低誘電率化が提案
されている。この方法は、金属アルコキシシランの加水
分解縮重合物と共に加熱することにより揮発又は分解す
る特性を有するポリマーを含む組成物から被膜を形成
し、この被膜を加熱することによって空孔を形成するも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らが
かかる従来の方法について詳細に検討を行ったところ、
このような従来方法では、絶縁膜に要求される所望の低
誘電率を達成するために、極めて多量の空孔(空隙)を
膜中に導入する必要があることを見出した。こうなる
と、膜のベース材料となるSOGの機械的な膜強度又は
膜硬度が本来的に不足している場合に、空隙率が過度に
高まることにより、膜の機械強度が一層低下してしまう
傾向にある。換言すれば、かかる従来の方法では、絶縁
膜の誘電率が低下するにつれ、その膜強度が低下してし
まう傾向にあり、プロセス適合性の観点から大きな問題
がある。
【0007】また、組成物の被膜を硬化させるのに、そ
の450℃以上の高温雰囲気が必要であり、しかも最終
的に硬化が終了するまでの1時間程度の長時間を要する
傾向にあるため、この被膜を層間絶縁膜として用いた場
合、その形成プロセスでの入熱量(サーマルバジェッ
ト)によって他の層、特に配線層の劣化が懸念される。
また、入熱量の増加に伴って基板の反りが顕著となると
いった問題も生じ得る。
【0008】さらに、先述の如く、高集積化による配線
の微細化が加速しており、デバイスを構成する各部材層
の薄層化・多層化、及び配線層等の材料変更が進んでい
る。これに対応すべく、入熱による各層の材料劣化の影
響は今まで以上に増大すると予想され、各プロセスでの
熱負荷の低減による熱履歴の改善が急務となっている。
【0009】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、低誘電性に優れると共に十分な機械強
度を有しており、しかも、従来に比して低温及び/又は
短時間で硬化させることが可能なシリカ系被膜形成用組
成物、及びシリカ系被膜の製造方法、並びに、そのシリ
カ系被膜を有する電子部品を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、絶縁膜としてのシリカ系被膜を得る
ための材料成分及びその組成の観点から鋭意研究を重
ね、特定の成分を含有する組成物が、従来の種々の問題
点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明によるシリカ系被膜形成
用組成物は、(a)成分:下記式(1); R1 nSiX4-n …(1)、 で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサ
ン樹脂と、(b)成分:アルキレングリコールアルキル
エーテルアルキルエステル又はアルキレングリコールア
ルキルエーテルアセテートから成る第1の溶媒成分、及
び、アルキレングリコールモノアルキルエーテルから成
る第2の溶媒成分を含む溶媒と、(c)成分:ヒドロキ
シル基を含む側鎖を有する重合体とを備えており、
(c)成分である重合体が、下記式(2); 0<MOH<0.4×10-2 …(2)、 で表される関係を満たすものである。
【0012】なお、式(1)中、R1は、H原子若しく
はF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、S
i原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素
数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、
nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各R1は同一
でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同
一でも異なっていてもよい。また、式(2)中、M
OHは、(c)成分である重合体におけるヒドロキシル基
の濃度(mol/g)を示す。
【0013】このような構成を有する組成物は、ウエハ
等の基板上に塗布された後、加熱によって硬化され、低
誘電率を発現するシリカ系被膜(Low−k膜)が形成
される。このとき、(b)成分である溶媒が、第1の溶
媒成分及び第2の溶媒成分を含むことにより、最終的に
得られるシリカ系被膜が十分な機械強度を実現すること
が確認された。また、(c)成分である重合体の側鎖に
ヒドロキシル基が含まれることにより、(b)成分の溶
媒が揮散する際に(a)成分のシロキサン樹脂と上記重
合体との相分離が防止され、膜内部に形成される空孔の
微細化及び形状の均一化が図られる。それのみならず、
加熱時に(c)成分の分解が抑えられると共に、その揮
発が促進される。
【0014】また、(a)成分が、Si原子1モルに対
する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P
原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から
成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合
が好ましくは0.65モル以下、より好ましくは0.5
5以下、更に好ましくは0.50以下、特に好ましくは
0.45以下のものである。また、この総含有割合の下
限値は、0.20程度であることが望ましい。このよう
にすれば、シリカ系被膜の他の膜(層)への接着性及び
機械強度の低下が抑制される。
【0015】また、(b)成分が、第1の溶媒成分と第
2の溶媒との質量含有割合が1:99〜60:40のも
のであると好ましい。こうすれば、シリカ系被膜の機械
強度の低下を十分に抑制できると共に、その膜厚の均一
性等の物性劣化が抑止される。
【0016】具体的には、第1の溶媒成分がアルキレン
グリコールメチルエーテルアセテート、又はプロピレン
グリコールアルキルエーテルアセテート、特にプロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテートであると有用で
ある。或いは、第2の溶媒成分がプロピレングリコール
モノプロピルエーテルであると好適である。
【0017】さらに、(c)成分が、温度300〜50
0℃の窒素ガス雰囲気における減少率が好ましくは95
質量%以上、より好ましくは97質量%以上、更に好ま
しくは99質量%以上の重合体であると好適である。こ
のような(c)成分を用いると、当該組成物を加熱する
際に、最終的に得られるシリカ系被膜中に重合体又は重
合体由来の反応生成物が残留してしまうことが十分に抑
制される。
【0018】またさらに、(c)成分が、分子内にエス
テル結合が含まれるものであると一層好ましい。この場
合、当該組成物を加熱したときの重合体の分解又は揮発
が更に促進される。
【0019】さらにまた、(c)成分が、(メタ)アク
リル酸誘導体を構成成分として含んでおり、且つ、(メ
タ)アクリル酸誘導体の含有濃度が0.5×10-2(m
ol/g)以上のものであると有用である。こうした場
合にも、当該組成物を加熱したときの重合体の分解又は
揮発が更に促進される。
【0020】より好ましくは、本発明のシリカ系被膜形
成用組成物は、硝酸を更に含むものである。この場合、
硝酸は、式(1)で表される化合物の加水分解縮合にお
いて、加水分解縮合反応を促進する触媒として機能す
る。かかる触媒機能を呈する物質が硝酸以外にも存在す
るが、特に硝酸を用いることにより、加熱硬化によって
得られるシリカ系被膜の硬度が高められる。それのみな
らず、更なる低誘電率化の観点からも好適である。
【0021】また、本発明によるシリカ系被膜の製造方
法は、本発明のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗
布し、塗布された被膜に含まれる溶媒を除去した後、そ
の被膜を250〜500℃の加熱温度で焼成することを
特徴とする。
【0022】さらに、本発明による電子部品(デバイ
ス)は、素子構造が形成される基体上に絶縁膜が形成さ
れたものであって、絶縁膜が、本発明のシリカ系被膜の
製造方法により製造されたシリカ系被膜、又はそのシリ
カ系被膜を含むものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明によるシリカ系被膜形成用組成
物は、上述の如く、必須成分として(a)成分、(b)
成分、及び(c)成分を含むものである。
【0024】〈(a)成分〉(a)成分は、下記式
(1); R1 nSiX4-n …(1)、 で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサ
ン樹脂である。ここで、式中、R1は、H原子若しくは
F原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si
原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数
1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、n
は0〜2の整数を示し、nが2のとき、各R1は同一で
も異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一
でも異なっていてもよい。
【0025】加水分解性基Xとしては、例えば、アルコ
キシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基、イソシアネート
基、ヒドロキシル基等が挙げられる。これらの中では、
組成物自体の液状安定性や被膜塗布特性等の観点からア
ルコキシ基が好ましい。
【0026】加水分解性基Xが、アルコキシ基である式
(1)の化合物(アルコキシシラン)としては、例え
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポ
キシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s
ec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシ
ラン、テトラフェノキシシラン等のテトラアルコキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ
プロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フル
オロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキ
シシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メ
チルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−
ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラ
ン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−
プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシ
ラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−
iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブト
キシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プ
ロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピル
トリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso
−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブト
キシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、is
o−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルト
リエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポ
キシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキ
シシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラ
ン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、
iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i
so−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリ
メトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−
ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−
iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブト
キシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラ
ン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−
ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメト
キシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、se
c−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチ
ルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルト
リ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso
−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブ
トキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、
t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキ
シシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t
−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチル
トリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−
ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシ
シラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−is
o−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシ
ラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニ
ルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェ
ノキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラ
ン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン
等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロ
ポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラ
ン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−s
ec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキ
シシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ
−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポ
キシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチ
ルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert
−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシ
ラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラ
ン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n
−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロ
ピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル
ジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシ
シラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−
iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−is
o−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−is
o−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プ
ロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロ
ピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロ
ピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシ
ラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチ
ルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−is
o−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキ
シシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラ
ン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ
−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチル
ジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラ
ン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ
−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−
sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−
ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチ
ルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル
ジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−
tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−te
rt−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−te
rt−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−
ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブ
チルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブ
チルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−
プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシ
シラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニ
ルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−ter
t−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、
ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシ
シラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)
ジメトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等
が挙げられる。
【0027】また、加水分解性基Xが、ハロゲン原子
(ハロゲン基)である式(1)の化合物(ハロゲン化シ
ラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のア
ルコキシ基がハロゲン原子で置換されたものが挙げられ
る。さらに、加水分解性基Xが、アセトキシ基である式
(1)の化合物(アセトキシシラン)としては、上記の
各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がアセトキシ
基で置換されたものが挙げられる。またさらに、加水分
解性基Xが、イソシアネート基である式(1)の化合物
(イソシアネートシラン)としては、上記の各アルコキ
シシラン分子中のアルコキシ基がイソシアネート基で置
換されたものが挙げられる。さらにまた、加水分解性基
Xが、ヒドロキシル基である式(1)の化合物(ヒドロ
キシシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子
中のアルコキシ基がヒドロキシル基で置換されたものが
挙げられる。
【0028】これら式(1)で表される化合物は、単独
で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0029】また、式(1)で表される化合物の加水分
解縮合において加水分解縮合反応を促進する触媒とし
て、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン
酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、
オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リ
ノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−
アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、
スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸
等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸
等の無機酸等を用いることができる。
【0030】この触媒の使用量は、式(1)で表される
化合物1モルに対して0.0001〜1モルの範囲が好
ましい。この使用量が1モルを超える場合、加水分解縮
合時にゲル化が促進される傾向があり、0.0001モ
ル未満の場合、実質的に反応が進行しない傾向がある。
【0031】さらに、この反応において、加水分解によ
って副生するアルコールを、必要に応じてエバポレータ
等を用いて除去してもよい。またさらに、加水分解縮合
反応系中に存在させる水の量を適宜決定することができ
るが、この水の量としては、式(1)で表される化合物
1モルに対して0.5〜20モルの範囲内の値とすると
好ましい。この水量が0.5モル未満の場合及び20モ
ルを超える場合には、シリカ系被膜の成膜性が悪化する
と共に、組成物自体の保存安定性が低下する場合があ
る。
【0032】また、(a)成分としてのシロキサン樹脂
は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「G
PC」という)により測定され且つ標準ポリスチレンの
検量線を使用して換算された質量平均分子量が、500
〜20,000であることが好ましく、1,000〜1
0,000であるとより好ましい。この質量平均分子量
が500未満であると、シリカ系被膜の成膜性が劣る傾
向にある。一方、この質量平均分子量が20,000を
超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。
【0033】さらに、シロキサン樹脂のケイ素1原子あ
たりに結合しているH原子、F原子、B原子、N原子、
Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子及び
C原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子
(以下、「特定の結合原子」という)の総数(M)が
0.65以下であることが好ましく、0.55以下であ
るとより好ましく、0.50以下であると特に好まし
く、0.45以下であると極めて好ましい。また、その
下限値としては0.20程度が好ましい。
【0034】この特定の結合原子の総数(M)が、0.
65を超える場合、最終的に得られるシリカ系被膜の他
の膜(層)との接着性、機械強度等が劣る傾向がある。
一方、この総数(M)が0.20未満であると、絶縁膜
として用いたときの誘電特性が劣る傾向にある。また、
シロキサン樹脂は、これらの特定の結合原子のなかで
も、シリカ系被膜の成膜性の点で、H原子、F原子、N
原子、Si原子、Ti原子及びC原子のうち少なくとも
いずれか一種を含むとより好ましく、それらのなかで
も、誘電特性及び機械強度の点において、H原子、F原
子、N原子、Si原子及びC原子のうち少なくともいず
れか一種を含むと一層好ましい。
【0035】なお、この総数(M)は、(a)成分であ
るシロキサン樹脂の仕込み量から求めることができ、例
えば、下記式(4); M=(M1+(M2/2)+(M3/3))/Msi …(4) で表される関係を用いて算出できる。式中、M1は、特定
の結合原子のうち単一の(ただ1つの)Si原子と結合
している原子の総数を示し、M2は、特定の結合原子のう
ち2つのケイ素原子で共有されている原子の総数を示
し、M3は、特定の結合原子のうち3つのケイ素原子で共
有されている原子の総数を示し、Msiは、Si原子の総
数を示す。
【0036】〈(b)成分〉(b)成分は、(a)成分
すなわち前述のシロキサン樹脂を溶解可能な溶媒であ
り、アルキレングリコールアルキルエーテルアルキルエ
ステル又はアルキレングリコールアルキルエーテルアセ
テートから成る第1の溶媒成分、及び、アルキレングリ
コールモノアルキルエーテルから成る第2の溶媒成分を
必須成分として含む溶媒である。
【0037】また、第1の溶媒成分と第2の溶媒との質
量含有割合が、好ましくは1:99〜60:40、より
好ましくは5;95〜50:50、更に好ましくは1
0:90〜40:60とされる。この質量含有割合が、
1:99を下回る(つまり第1の溶媒/第2の溶媒の質
量比が1/99未満となる)と、最終的に得られるシリ
カ系被膜の機械強度の劣化が顕著となる傾向にある。こ
れに対し、この質量含有割合が60:40を超える(つ
まり第1の溶媒/第2の溶媒の質量比が60/40を超
過する)と、シリカ系被膜の膜厚均一性といった物性の
劣化が顕著となる傾向にある。
【0038】第1の溶媒成分としては、例えば、エチレ
ングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレン
グリコールエチルエーテルプロピオネート、アセテート
エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプ
ロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメ
チルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチ
ルエーテルアセテート等が挙げられる。これらのなかで
は、硬化膜として得られるシリカ系被膜の機械強度の観
点から、アルキレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、又はプロピレングリコールアルキルエーテルアセテ
ートが好ましく、更にそのうち、プロピレングリコール
メチルエーテルアセテートが特に好ましい。
【0039】また、第2の溶媒成分としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−
n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n
−ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル等が挙げられ、これらのなかでは、シリカ系被膜の膜
厚均一性が高められる観点よりプロピレングリコールモ
ノプロピルエーテルが特に好ましい。
【0040】さらに、(b)成分である溶媒は、必要に
応じて他の溶媒成分を含んでいてもよい。このような他
の溶媒成分としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノ
ール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタ
ノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メ
チルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノ
ール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2
−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エ
チルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノ
ール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノー
ル、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−
ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、
sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシ
ルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチ
ルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル
−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、
メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケ
トン、ジエチルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、ト
リメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノ
ン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオ
ン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセ
トフェノン、γ−ブチロラクトン等のケトン系溶媒、エ
チルエーテル、iso−プロピルエーテル、n−ブチル
エーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシル
エーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキ
シド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキ
サン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エト
キシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n
−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の
エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プ
ロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−
ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸
sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチ
ルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘ
キシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチ
ルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エ
チル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジ
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコー
ル、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチ
ル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミ
ル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸
メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル
等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルスルホキシド等の溶媒を例示できる。これ
らは単独で又は2種以上を組み合わせて第1の溶媒及び
第2の溶媒と共に用いられる。
【0041】この溶媒(つまり(b)成分)の使用量と
しては、(a)成分(シロキサン樹脂)の量が3〜25
質量%となるような量とされることが好ましい。溶媒の
量が過少で(a)成分の濃度が25質量%を超えると、
シリカ系被膜の成膜性等が悪化すると共に、組成物自体
の安定性が低下する傾向にある。これに対し、溶媒の量
が過多で(a)成分の濃度が3質量%を下回ると、所望
の膜厚を有するシリカ系被膜を形成し難くなる傾向にあ
る。
【0042】〈(c)成分〉(c)成分は、ヒドロキシ
ル基を含む側鎖を有しており、且つ、側鎖におけるヒド
ロキシル基の濃度MOH(mol/g)が下記式(2); 0<MOH<0.4×10-2 …(2)、 で表される関係を満たす重合体である。
【0043】このヒドロキシル基の濃度MOHが0(ゼ
ロ)mol/g、すなわち側鎖にヒドロキシル基が含ま
れていない場合には、組成物から溶媒を揮散等による除
去したときに、(a)成分のシロキサン樹脂と重合体と
が相分離するおそれがある。こうなると、最終的に得ら
れるシリカ系被膜の空孔径が過度に大きくなると共に、
その径分布が広がり微細空孔の均一性が悪化する傾向が
あり、機械強度の低下を招くおそれがある。一方、ヒド
ロキシル基の濃度MOHが0.4×10-2mol/gを超
過すると、加熱時に重合体が分解又は揮発し難くなり、
加熱処理に高温又は長時間を要してしまうといった不都
合が生じる。
【0044】ここで、ヒドロキシル基の濃度MOH(mo
l/g)は、重合体の仕込み量から求めることができ、
例えば、下記式(5); MOH=(Ma×Mb/Mb)/Mh×100 …(5)、 で表される関係を用いて算出できる。式中、Maはヒド
ロキシル基が含まれる最小繰り返しユニットのモル比率
示し、Mbはヒドロキシル基(OH基)の分子量を示
し、Mhは重合体の平均分子量を示す。
【0045】また、(c)成分である重合体は、温度3
00〜500℃の窒素ガス雰囲気における減少率が95
質量%以上であることが好ましく、より好ましくは97
質量%以上であり、更に好ましくは99質量%以上であ
る。この減少率が95質量%未満であると、当該組成物
を加熱する際の重合体の分解又は揮散が不十分となる傾
向にあり、最終的に得られるシリカ系被膜中に重合体、
重合体の一部又は重合体由来の反応生成物が残留してし
まうおそれがある。こうなると、比誘電率の上昇等、シ
リカ系被膜の電気特性の劣化を招来することがある。
【0046】なお、本発明における(c)重合体の「減
少率」は、以下の装置及び条件によって求められる値で
ある。 ・使用装置:TG/DTA6300(セイコーインスツ
ルメンツ社製) ・昇温開始温度:50℃ ・昇温速度:10℃/min ・サンプル量:10mg ・雰囲気:窒素(N2)ガス 200ml/min ・リファレンス:α−アルミナ(セイコーインスツルメ
ンツ社製) ・試料容器:オープンサンプルパンφ5 アルミニウム
(セイコーインスツルメンツ社製)
【0047】なお、(c)重合体の分解開始前の基準質
量は、昇温途中である150℃における質量とする。こ
れは、150℃以下での質量減少が吸着した水分等の除
去によるものであって、(c)成分である重合体そのも
のの分解は実質的に生じていないと推定されることによ
る。また、この「減少率」の測定において、(c)成分
である重合体が溶液に溶解している等の理由で、重合体
のみを直接量り取ることができない場合には、重合体を
含む溶液を、例えば金属シャーレに約2g程度とり、常
圧の空気中、150℃にて3時間乾燥して得られる残渣
物を試料として用いる。
【0048】さらに、(c)成分である重合体は、
(a)成分であるシロキサン樹脂との相溶性等の観点か
ら、GPCにより測定され且つ標準ポリスチレンの検量
線を使用して換算された質量平均分子量が、500〜1
00,000であることが好ましく、1,000〜5
0,000であるとより好ましい。この質量平均分子量
が500未満であると、シリカ系被膜の成膜性が劣る傾
向にある。一方、この質量平均分子量が100,000
を超えると、シロキサン樹脂との相溶性が低下する傾向
にある。
【0049】このような(c)成分の重合体を構成する
ヒドロキシル基を有する化合物(単量体成分)の具体例
としては、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ジプロピレングリコールア
クリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジプロピレング
リコールメタクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導
体、ビニルアルコール、アリルアルコール等が挙げられ
る。
【0050】また、(c)成分の重合体は、側鎖中のヒ
ドロキシル基の濃度MOHを調整する目的で、ヒドロキシ
ル基を有さない化合物を構成成分として含んでいてもよ
い。このようなヒドロキシル基を有さない化合物として
は、例えば、ビニルエーテル系化合物、ポリエチレンオ
キサイド構造を有するビニル系化合物、ポリプロピレン
オキサイド構造を有するビニル系化合物、ビニルピリジ
ン系化合物、スチレン系化合物、アルキルエステルビニ
ル系化合物、(メタ)アクリレート酸系化合物等が挙げ
られる。これらのなかでも、重合体の分解特性又は揮発
特性に優れる観点よりエステル結合を有する化合物が好
ましく、(メタ)アクリレート酸系化合物((メタ)ア
クリレート酸誘導体)が特に好ましい。
【0051】(メタ)アクリレート酸誘導体としては、
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエ
ステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、メタ
クリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルコキシア
ルキルエステル等のアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルが挙げられる。
【0052】また、アクリル酸アルキルエステルとし
て、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチ
ル、アクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエ
ステルが挙げられ、メタクリル酸アルキルエステルとし
て、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜
6のアルキルエステルが挙げられる。
【0053】さらに、アクリル酸アルコキシアルキルエ
ステルとして、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸
エトキシエチル等が挙げられ、メタクリル酸アルコキシ
アルキルエステルとして、メタクリル酸メトキシメチ
ル、メタクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
【0054】なお、本発明のシリカ系被膜形成用組成物
は、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有しないこと
が望ましく、含まれる場合でも組成物中のそれらの金属
イオン濃度が100ppb以下であると好ましく、20
ppb以下であるとより好ましい。これらの金属イオン
濃度が100ppbを超えると、組成物から得られるシ
リカ系被膜を有する半導体素子に金属イオンが流入し易
くなってデバイス性能そのものに悪影響を及ぼすおそれ
がある。よって、必要に応じてイオン交換フィルター等
を使用してアルカリ金属やアルカリ土類金属を組成物中
から除去することが有効である。
【0055】このようなシリカ系被膜形成用組成物は、
後述するようにウエハ等の基板上に塗布された後、加
熱、焼成によって硬化され、これにより、低誘電率を発
現するシリカ系被膜(Low−k膜)が形成される。こ
のとき、(b)成分の溶媒として上記の第1の溶媒成分
及び第2の溶媒成分を含むものを用いるので、シリカ系
被膜の機械強度が十分に高められると共に、膜厚の均一
性を向上させることができる。
【0056】また、必須成分である(c)成分としての
重合体の側鎖にヒドロキシル基が含まれることにより、
(b)成分の溶媒が揮散等で除去される際に(a)成分
のシロキサン樹脂と上記重合体との相分離が防止され、
膜内部に形成される空孔の微細化及び形状の均一化が図
られる。よって、最終的に得られるシリカ系被膜の機械
強度の低下をより一層抑制することが可能となる。
【0057】さらに、シロキサン樹脂における結合原子
の総数が0.65以下とされることにより、更に十分な
機械強度を実現でき、しかも他の膜(層)との十分な接
着性が確保される。したがって、シリカ系被膜上に被着
されたCu等の配線金属をCMP(Chemical Mechanica
l Polish)する工程において、界面剥離が生じることを
も防止できる。
【0058】さらに、(c)成分である重合体の側鎖に
おけるヒドロキシル基の濃度が上述した上限値以下とさ
れているので、加熱時に(c)成分の分解が抑えられる
と共にその揮発が促進される。よって、過度に高温とす
ることなく、組成物を従来に比して低温又は短時間で硬
化させることが可能となる。その結果、基板への入熱量
を格段に低減でき、他の膜(層)ひいてはデバイスの特
性劣化を抑止でき、しかもプロセス時間の短縮によりス
ループットの向上を図り得る。
【0059】このような本発明のシリカ系被膜形成用組
成物を用いて、基板上にシリカ系被膜を形成する方法に
ついて、一般にシリカ系被膜の成膜性及び膜均一性に優
れるスピンコート法を例にとって説明する。まず、シリ
カ系被膜形成用組成物をシリコンウエハ等の基板上に好
ましくは500〜5000回転/分、より好ましくは1
000〜3000回転/分でスピン塗布して被膜を形成
する。この際、回転数が500回転/分未満であると、
膜均一性が悪化する傾向にある一方で、5000回転/
分を超えると、成膜性が悪化するおそれがあるため好ま
しくない。
【0060】次いで、好ましくは50〜350℃、より
好ましくは100〜250℃でホットプレート等にて被
膜中の溶媒を乾燥させる。この乾燥温度が50℃未満で
あると、溶媒の乾燥が十分に行われない傾向にある。一
方、乾燥温度が350℃を超えると、被膜においてシロ
キサン骨格が形成される前にポーラス形成用の重合体
((c)成分)が熱分解されて揮発量が不都合な程に増
大してしまい、所望の機械強度及び低誘電特性を有する
シリカ系被膜を得難くなるおそれがある。
【0061】次に、溶媒が除去された被膜を250〜5
00℃の加熱温度で焼成して最終硬化を行う。最終硬化
は、N2、Ar、He等の不活性雰囲気下で行うのが好
ましく、この場合、酸素濃度が1000ppm以下であ
ると好ましい。この加熱温度が250℃未満であると、
十分な硬化が達成されない傾向にあると共に、(c)成
分の分解・揮発を十分に促進できない傾向にある。これ
に対し、加熱温度が500℃を超えると、金属配線層が
ある場合に、入熱量が増大して配線金属の劣化が生じる
おそれがある。
【0062】また、この際の加熱時間は2〜60分が好
ましく、2〜30分であるとより好ましい。この加熱時
間が60分を超えると、入熱量が過度に増大して配線金
属の劣化が生じるおそれがある。さらに、加熱装置とし
ては、石英チューブ炉その他の炉、ホットプレート、ラ
ピッドサーマルアニール(RTA)等の加熱処理装置を
用いることが好ましい。
【0063】また、このようにして形成されるシリカ系
被膜の膜厚は、0.01〜40μmであることが好まし
く、0.1μm〜2.0μmであるとより好ましい。か
かる膜厚が40μmを超えると、応力によってクラック
が発生し易くなる一方で、0.01μm未満であると、
シリカ系被膜の上下に金属配線層が存在する場合に、上
下配線間のリーク特性が悪化する傾向がある。
【0064】かかるシリカ系被膜を有する本発明の電子
部品としては、半導体素子、多層配線板等の絶縁膜を有
するデバイスが挙げられる。具体的には、半導体素子に
おいては、表面保護膜(パッシベーション膜)、バッフ
ァーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができ
る。一方、多層配線板においては、層間絶縁膜として好
適に使用することができる。
【0065】より具体的には、半導体素子として、ダイ
オード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バ
リスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナ
ミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM
(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、E
PROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オ
ンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・
オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル
・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・
メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイク
ロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、
MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)
に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積
回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合
素子等の光電変換素子等が挙げられる。また、多層配線
板としては、MCM等の高密度配線板などが挙げられ
る。
【0066】このような電子部品は、低誘電率を発現す
る本発明のシリカ系被膜を備えることにより、信号伝搬
遅延時間の低減といった高性能化が図られると同時に高
信頼性を達成できる。
【0067】
【実施例】以下、本発明に係る具体的な実施例について
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0068】〈合成例1〉以下の手順により(c)成分
である重合体を合成した。まず、1000mlのフラス
コにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト(PGMEA)を300g仕込み、200mlの滴下
ロートにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.
0gを溶解させたメタクリル酸メチル95gと2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート5gとを仕込み、系内を窒
素ガスで置換した後、窒素ガス雰囲気下、130℃のオ
イルバスで加熱攪拌しながら、滴下ロート内の溶液を2
時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0069】次いで、30分間攪拌した後、滴下ロート
にAIBN0.2gを溶解させたPGMEAを97.8
g仕込み、1時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下
後、更に2時間攪拌して、室温に戻し、重合体溶液を得
た。
【0070】これらの仕込み量から、前出の式(5)を
用いて計算された側鎖のヒドロキシル基濃度MOHは、
0.038×10-2mol/gであった。また、GPC
法により質量平均分子量を測定したところ、9,950
であった。さらに、重合体溶液2gを金属シャーレに量
り取り、150℃の乾燥機で3時間乾燥させることによ
り求めた重合体の濃度は16.7質量%であった。また
さらに、得られた重合体乾燥物を用いて測定した500
℃における質量減少率は99%であった。
【0071】〈実施例1〉テトラエトキシシラン13
2.3gとメチルトリエトキシシラン65.1gとをプ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)3
35.94gに溶解させた溶液中に、70%硝酸0.9
2gを溶解させた水65.8gを攪拌下で30分かけて
滴下した。滴下終了後5時間反応させ、ポリシロキサン
溶液を得た。この溶液に、合成例1で得た重合体溶液2
29.6gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノール
を留去して、PGMEAとPGPの質量含有割合(PG
MEA:PGPの比率)が36:64であるポリシロキ
サン/重合体溶液から成る本発明のシリカ系被膜形成用
組成物630gを調製した。
【0072】〈合成例2〉以下の手順により(c)成分
である重合体を合成した。まず、1000mlのフラス
コにPGPを300g仕込み、200mlの滴下ロート
にAIBN1.7gを溶解させたメタクリル酸メチル4
5gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート55gとを
仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、窒素ガス雰囲気
下、130℃のオイルバスで加熱攪拌しながら、滴下ロ
ート内の溶液を2時間かけてフラスコ内に滴下した。次
いで、30分間攪拌した後、滴下ロートにAIBN0.
17gを溶解させたPGPを97.8g仕込み、1時間
かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、更に2時間攪拌
して、室温に戻し、重合体溶液を得た。
【0073】これらの仕込み量から、前出の式(5)を
用いて計算された側鎖のヒドロキシル基濃度MOHは、
0.48mol/gであった。また、GPC法により質
量平均分子量を測定したところ、10,700であっ
た。さらに、重合体溶液2gを金属シャーレに量り取
り、150℃の乾燥機で3時間乾燥させることにより求
めた重合体の濃度は15.0質量%であった。またさら
に、得られた重合体乾燥物を用いて測定した500℃に
おける質量減少率は95%であった。
【0074】〈比較例1〉実施例1と同様にして調製し
たポリシロキサン溶液に、合成例2で得た重合体溶液2
55.6gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノール
を留去して650gのポリシロキサン/重合体溶液から
成るシリカ系被膜形成用組成物を調製した。
【0075】〈層間絶縁膜の製造〉実施例1及び比較例
1で得た各シリカ系被膜形成用組成物を回転数1500
rpm/30秒でシリコンウエハ上に回転塗布して被膜
を形成した。回転塗布後、150℃/1分+250℃/
1分かけて被膜中の溶媒を除去した後、O2濃度が10
0ppm前後にコントロールされた石英チューブ炉で4
00℃/30分間かけて被膜を最終硬化し、層間絶縁膜
としてのシリカ系被膜を製造した。
【0076】〈層間絶縁膜の評価〉得られた各層間絶縁
膜に対して以下の方法で膜厚、電気特性、及び膜強度評
価を行った。
【0077】〔膜厚測定〕各層間絶縁膜の膜厚を、分光
エリプソメータ(ガートナー社製;エリプソメータL1
16B、使用波長:633nm)で測定した。具体的に
は、層間絶縁膜上にHe−Neレーザー光を照射し、指
定波長における照射により生じた位相差から求められる
膜厚を測定した。
【0078】〔比誘電率測定〕本発明における膜の「比
誘電率」とは、23℃±2℃、湿度40%±10%の雰
囲気下で測定された値をいい、Al金属とN型低抵抗率
基板(Siウエハ)間の電荷容量を測定することにより
行った。具体的には、得られた層間絶縁膜上に、真空蒸
着装置でAl金属を直径2mmの円で、厚さ約0.1μ
mになるように真空蒸着した。これにより、絶縁膜がA
l金属と低抵抗率基板との間に配置された構造が形成さ
れる。次に、この構造体の電荷容量を、LFインピーダ
ンスアナライザー(横河電機社製:HP4192A)に
誘電体テスト・フィクスチャー(横河電機製:HP16
451B)を接続した装置を用い、使用周波数1MHz
にて測定した。
【0079】そして、電荷容量の測定値を下記式
(6); 層間絶縁膜の比誘電率=3.597×10-2×電荷容量(pF)×被膜の膜厚( μm) …(6)、 に代入し、層間絶縁膜の比誘電率を算出した。
【0080】〔弾性率測定〕各層間絶縁膜に対してMT
S社製のナノインデンターDCMを用いて膜強度を示す
弾性率を測定した。
【0081】以上の各測定結果をまとめて表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシリカ系
被膜形成用組成物及びシリカ系被膜の製造方法によれ
ば、低誘電性に優れると共に十分な機械強度を有してお
り、且つ膜厚の均一性に優れるシリカ系被膜を製造でき
る。しかも、従来に比して低温及び/又は短時間で硬化
させることが可能となる。これにより、層間絶縁膜等と
して好適なシリカ系被膜を形成することができる共に、
基板への入熱量を低減して熱履歴を改善できる。よっ
て、素子等の電子部品を構成する各層、特に配線層の劣
化を抑止することが可能となる。また、本発明による電
子部品は、かかるシリカ系被膜を有するので、デバイス
全体の電気的信頼性を向上させることができ、製品生産
の歩留まり及びプロセス裕度の向上を図ることが可能と
なる。しかも、シリカ系被膜の優れた特性により、高密
度且つ高品位で信頼性に優れた電子部品を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/06 C09D 201/06 H01L 21/312 H01L 21/312 C 21/768 21/90 S (72)発明者 榎本 和宏 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 (72)発明者 桜井 治彰 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 4J038 CG002 CG142 CH032 CH042 CH132 DL021 DL031 DL071 DL081 DL091 GA03 JA17 JA25 JA55 KA06 NA21 PA19 PB09 5F033 RR25 SS22 WW03 WW04 XX24 5F058 AA10 AC03 AF04 AG01 AH02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)成分:下記式(1); R1 nSiX4-n …(1)、 (式中、R1は、H原子若しくはF原子、又はB原子、
    N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しく
    はTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示
    し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示
    し、nが2のとき、各R1は同一でも異なっていてもよ
    く、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていても
    よい)、で表される化合物を加水分解縮合して得られる
    シロキサン樹脂と、 (b)成分:アルキレングリコールアルキルエーテルア
    ルキルエステル又はアルキレングリコールアルキルエー
    テルアセテートから成る第1の溶媒成分、及び、アルキ
    レングリコールモノアルキルエーテルから成る第2の溶
    媒成分を含む溶媒と、 (c)成分:ヒドロキシル基を含む側鎖を有する重合体
    と、を備えており、前記重合体が、下記式(2); 0<MOH<0.4×10-2 …(2)、 MOH:当該重合体における前記ヒドロキシル基の濃度
    (mol/g)、で表される関係を満たすものであるシ
    リカ系被膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 前記(a)成分は、Si原子1モルに対
    する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P
    原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から
    成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合
    が0.65モル以下のものである、請求項1記載のシリ
    カ系被膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】 前記(b)成分は、前記第1の溶媒成分
    と前記第2の溶媒との質量含有割合が1:99〜60:
    40のものである、請求項1又は2に記載のシリカ系被
    膜形成用組成物。
  4. 【請求項4】 前記第1の溶媒成分がアルキレングリコ
    ールメチルエーテルアセテートである請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  5. 【請求項5】 前記第1の溶媒成分がプロピレングリコ
    ールアルキルエーテルアセテートである請求項1〜3の
    いずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  6. 【請求項6】 前記第1の溶媒成分がプロピレングリコ
    ールメチルエーテルアセテートである請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  7. 【請求項7】 前記第2の溶媒成分がプロピレングリコ
    ールモノプロピルエーテルである請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  8. 【請求項8】 前記(c)成分は、温度300〜500
    ℃の窒素ガス雰囲気における減少率が95質量%以上の
    ものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリ
    カ系被膜形成用組成物。
  9. 【請求項9】 前記(c)成分は、分子内にエステル結
    合が含まれるものである請求項1〜8のいずれか一項に
    記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  10. 【請求項10】 前記(c)成分は、(メタ)アクリル
    酸誘導体を構成成分として含んであり、且つ、該(メ
    タ)アクリル酸誘導体の含有濃度が0.5×10-2(m
    ol/g)以上のものである、請求項1〜9のいずれか
    一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  11. 【請求項11】 硝酸を更に含むことを特徴とする請求
    項1〜10のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用
    組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布し、塗布さ
    れた該被膜に含まれる溶媒を除去した後、該被膜を25
    0〜500℃の加熱温度で焼成する、シリカ系被膜の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 素子構造が形成される基体上に絶縁膜
    が形成された電子部品であって、 前記絶縁膜が、請求項12記載のシリカ系被膜の製造方
    法により製造されたシリカ系被膜を含むものである、こ
    とを特徴とする電子部品。
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