JP2005042118A - シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents

シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 十分なCMP耐性等の機械強度、及び、低誘電性、並びに、接着性に
優れるシリカ系被膜を形成できるシリカ系被膜形成用組成物等を提供する。
【解決手段】 本発明のシリカ系被膜形成用組成物は、(a)成分としてアルコ
キシシラン等のシロキサン樹脂と、(b)成分としてそのシロキサン樹脂を溶解
可能なアルコール等の溶媒と、(c)成分としてアンモニウム塩等のオニウム塩
を含有して成るものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリカ系被膜形成用組成物、シリカ系被膜の製造方法及び電子部品に関する。
LSIの高集積化による配線の微細化に伴い、配線間容量の増大による信号遅延時間の増大が問題となっており、電子部品の絶縁材料に対して、耐熱性、機械特性等の他、更なる低比誘電率と熱処理工程の短縮が求められている。
一般に配線の信号伝搬速度(v)と、配線材料が接する絶縁材料の比誘電率(ε)とは、下記式(2);
v=k/√ε …(2)、
で示される関係がある(式中のkは定数である)。つまり、使用する周波数領域を高くすると共に、絶縁材料の比誘電率(ε)を低減することにより、信号伝搬の高速化が達成される。例えば、従来から、比誘電率が4.2程度のCVD法によるSiO2膜が層間絶縁膜の形成材料として用いられてきたが、デバイスの配線間容量を低減し、LSIの動作速度を向上するため、より低誘電率を発現する材料が切望されている。
これに対し、現在実用化されている低誘電率材料としては、比誘電率が3.5程度のCVD法によるSiOF膜が挙げられる。また、比誘電率が2.5〜3.0の絶縁材料としては、有機SOG (Spin On Glass)、有機ポリマー等を例示できる。さらに、比誘電率が2.5以下の絶縁材料としては、膜中に空隙を有するポーラス材が有力と考えられており、LSIの層間絶縁膜に適用するための検討・開発が盛んに行われている。
そのようなポーラス材の形成方法として、特許文献1〜3等では、有機SOG材の低誘電率化が提案されている。この方法は、金属アルコキシシランの加水分解縮重合物と加熱することにより揮発又は分解する特性を有するポリマーを含有する組成物の被膜を形成し、この被膜を加熱することにより空孔を形成するものである。一方、特許文献4には、低誘電率化に伴う膜強度の低下を防止するため、有機基を有するアルコキシシランの加水分解縮重合物に環状アミン化合物を添加することが提案されている。
特開平10−283843号公報 特開平11−322992号公報 特開平11−310411号公報 特開2001−2989号公報
しかし、上記特許文献1等に記載の方法では、絶縁膜の誘電率が低下するにつれ、その膜強度が低下してしまう傾向にあり、プロセス適合性の観点から大きな問題がある。
また、特許文献4に記載の材料をCu−ダマシンプロセスの層間膜材料として適用する場合、キャップ膜として用いられているCVD法で成膜されるSiO膜とSOG膜との界面において接着性(接合性)が弱くなる傾向にある。こうなると、配線金属を積層したときに生じる余分なCu膜を研磨するCu−CMP(Chemical Mechanical Polish)工程において、界面剥離が生じてしまう。さらに、環状アミンが多量に添加されると、吸湿による誘電率の上昇或いは脱離ガスの増加を招くおそれがある。これらの問題点は、プロセス適合性の観点から極めて不都合である。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、十分な機械強度を有し、低誘電性、並びに、シリコン基板及びP−TEOS等のSiO膜の両方への接着性に優れると共に、電気的信頼性をも向上された絶縁膜を形成できるシリカ系被膜形成用組成物及びシリカ系被膜の製造方法、並びに、そのシリカ系被膜を有する電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、絶縁膜としてのシリカ系被膜を得るための材料成分及びその組成の観点から鋭意研究を重ね、特定の成分を含有する組成物が、従来の種々の問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による層間絶縁膜形成用組成物は、(a)成分:下記式(1);
SiX4−n …(1)、
で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂と、(b)成分:(a)成分を溶解可能な溶媒と、(c)成分:オニウム塩(オニウム化合物)とを含むものである。ここで、式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
このような構成を有する組成物を用いてウエハ上にシリカ系被膜を形成し、その特性を評価したところ、十分な弾性率及びCMP耐性を奏すると共に、優れた低誘電性を発現することが確認された。
具体的には、(a)成分であるシロキサン樹脂におけるSi原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合が0.65モル以下であると好ましい。換言すれば、シロキサン樹脂分子におけるSi原子1原子に結合する上記各原子の総数が0.65以下であると好ましい。こうすれば、シリカ系被膜の接着性及び機械強度の低下が抑制される。
また、前記(b)成分としては、特に限定されないが、得られるシリカ系被膜の電気特性及び機械特性をより向上でき、更に、組成物の安定性を高める観点よりアンモニウム塩であると有用である。
さらに、(d)成分:250〜500℃の加熱温度において熱分解又は揮発する熱分解揮発性化合物を更に含有するとより好ましい。これにより、絶縁膜の誘電特性を調整し易くなる。ここで、本発明における「熱分解」温度とは、TG−DTA(Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis)で測定される値である。具体的には、10mg程度のサンプルを正確に秤量し、Sieko Instruments Inc 社製の TG/DTA6300による測定で得たTG曲線から熱分解を開始した温度及び完全に分解した温度を求める。また、「揮発」とは、分解した成分が膜中に残らずに蒸発又は気化することをいう。
また、本発明によるシリカ系被膜の製造方法は、本発明のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布して被膜を形成し、その被膜に含有する溶媒を除去した後、その被膜を300〜500℃の加熱温度で焼成することを特徴とする。このような温度範囲で焼成を行うと、金属配線層がある場合にその劣化を抑制しつつ、被膜の硬化を十分に行うことができるので、諸特性に優れた絶縁膜の製造容易性が向上される。
また、本発明による電子部品は、本発明のシリカ系被膜の製造方法により製造されたシリカ系被膜を有するものである。
以上説明したように、本発明のシリカ系被膜形成用組成物及びシリカ系被膜の製造方法によれば、十分な機械強度を有し、低誘電性、並びに、シリコン基板及びP−TEOS等のSiO膜の両方への接着性に優れるシリカ系被膜を簡易に形成することができ、そのシリカ系被膜ひいてはデバイスの電気的信頼性を向上させることが可能となる。また、これにより、製品生産の歩留まりを向上でき、プロセス裕度を増大せしめることができる。また、本発明の電子部品によれば、このように優れた特性を有するシリカ系被膜を備えるので、高密度且つ高品位で信頼性に優れたものとなる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明によるシリカ系被膜形成用組成物は、上述の如く、必須成分として(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含むものである。
〈(a)成分〉
本発明における(a)成分は、下記式(1);
SiX4−n …(1)、
で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂である。ここで、式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの中では、組成物自体の液状安定性や被膜塗布特性等の観点からアルコキシ基が好ましい。
加水分解性基Xが、アルコキシ基である化合物(アルコキシシラン)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等のテトラアルコキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等が挙げられる。
また、加水分解性基Xが、ハロゲン原子(ハロゲン基)である化合物(ハロゲン化シラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。さらに、加水分解性基Xが、アセトキシ基である化合物(アセトキシシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がアセトキシ基で置換されたものが挙げられる。またさらに、加水分解性基Xが、イソシアネート基である化合物(イソシアネートシラン)としては、上記の各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がイソシアネート基で置換されたものが挙げられる。
これら式(1)で表される化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、式(1)で表される化合物の加水分解縮合において加水分解縮合反応を促進する触媒として、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタンスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸等を用いることができる。
この触媒の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モルの範囲が好ましい。この使用量が1モルを超える場合、加水分解縮合時にゲル化が促進される傾向があり、0.0001モル未満の場合、実質的に反応が進行しない傾向がある。
さらに、この反応において、加水分解によって副生するアルコールを、必要に応じてエバポレータ等を用いて除去してもよい。またさらに、加水分解縮合反応系中に存在させる水の量を適宜決定することができるが、好ましくは式(1)で表される化合物1モルに対して0.5〜20モルの範囲とする。この水量が0.5モル未満の場合及び20モルを超える場合には、シリカ系被膜の成膜性が悪化すると共に、組成物自体の保存安定性が低下するといった問題が生じ得る。
また、(a)成分としてのシロキサン樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算された質量平均分子量が、500〜20,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましい。この質量平均分子量が、500未満であると、絶縁膜の成膜性が劣る傾向にある。一方、この質量平均分子量が20,000を超えると、溶媒に対する相溶性が低下する傾向にある。
さらに、シロキサン樹脂のケイ素1原子あたりに結合しているH原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子(以下、「特定の結合原子」という)の総数(M)が0.65以下であることが好ましく、0.55以下であるとより好ましく、0.50以下であると特に好ましく、0.45以下であると極めて好ましい。また、この下限としては0.20程度が好ましい。
この特定の結合原子の総数(M)が、0.65を超える場合、最終的に得られるシリカ系被膜の接着性、機械強度等が劣る傾向がある。一方、この総数(M)が0.20未満であると、絶縁膜の誘電特性が劣る傾向にある。また、シロキサン樹脂は、これらの特定の結合原子のなかでも、シリカ系被膜の成膜性の点で、H原子、F原子、N原子、Si原子、Ti原子及びC原子の少なくともいずれか一種を含むとより好ましく、それらのなかでも、誘電特性及び機械強度の点で、H原子、F原子、N原子、Si原子及びC原子のうち少なくともいずれか一種を含むと一層好ましい。
なお、この総数(M)は、(a)成分であるシロキサン樹脂の仕込み量から求めることができ、例えば、下記式(2);
M=(M1+(M2/2)+(M3/3))/Msi …(2)
で表される関係を用いて算出できる。ここで、式中、M1は、特定の結合原子のうち単一の(ただ1つの)Si原子と結合している原子の総数を示し、M2は、特定の結合原子のうち2つのケイ素原子で共有されている原子の総数を示し、M3は、特定の結合原子のうち3つのケイ素原子で共有されている原子の総数を示し、Msiは、Si原子の総数を示す。
〈(b)成分〉
本発明における(b)成分は、(a)成分すなわち前述のシロキサン樹脂を溶解可能な溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、γ−ブチロラクトン等のケトン系溶媒、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド等の溶媒を例示できる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
この溶媒(つまり(b)成分)の使用量としては、(a)成分と(b)成分との混合溶液における(a)成分(シロキサン樹脂)の量が5〜25質量%となるような量とされることが好ましい。溶媒の量が少なすぎて(a)成分の濃度が25質量%を超えると、シリカ系被膜の成膜性等が悪化すると共に、組成物自体の安定性が低下する傾向にある。これに対し、溶媒の量が多すぎて(a)成分の濃度が5質量%を下回ると、所望の膜厚を有するシリカ系被膜を形成し難くなる傾向にある。
〈(c)成分〉
本発明における(c)成分は、オニウム塩であり、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。これらのなかでは、組成物の安定性により優れる点でアンモニウム塩が好ましく、例えば、テトラメチルアンモニウムオキサイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフロライド、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等が挙げられる。
さらに、これらのなかでは、シリカ系被膜の電気特性を向上させる観点から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が特に好ましい。
また、(c)成分の使用量は、シリカ系被膜形成用組成物の全量に対して0.001ppm〜5%であることが好ましく、0.01ppm〜1%であるとより好ましく、0.1ppm〜0.5%であると一層好ましい。この使用量が0.001ppm未満であると、最終的に得られるシリカ系被膜の電気特性、機械特性が劣る傾向にある。一方、この使用量が5%を超えると、組成物の安定性、成膜性等が劣る傾向にあると共に、シリカ系被膜の電気特性及びプロセス適合性が低下する傾向にある。なお、これらのオニウム塩は、必要に応じて水や溶媒に溶解或いは希釈してから、所望の濃度となるように添加することができる。
このような成分構成を有する層間絶縁膜形成用組成物によれば、十分な機械強度を有し且つ低誘電性を発現し、しかも、シリコン基板及びP−TEOS等のSiO膜の両方への接着性に優れる絶縁膜を形成できる。よって、電気的信頼性を向上できると共に、CMP工程において、界面剥離が生じてしまうといった従来の問題点を解消できる。このような従来達成されなかった効果が奏されるメカニズムの詳細は、未だ不明な点があるものの、オニウム塩によって脱水縮合反応が促進されてシロキサン結合の密度が増加し、さらに残留するシラノール基が減少するため、機械強度及び誘電特性が向上するといった機構によるものと推定される。但し、作用はこれに限定されない。
〈(d)成分〉
また、本発明のシリカ系被膜形成用組成物は、さらに(d)成分を含むものであると好ましい。この(d)成分は、250〜500℃の加熱温度で熱分解又は揮発する熱分解揮発性化合物であり、例えば、ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体、(メタ)アクリレート系重合体、ポリエステル重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアンハイドライド重合体、テトラキスシラン類等が挙げられる。
上記ポリアルキレンオキサイド構造としてはポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキサイド構造等を例示でき、より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のエーテルエステル型化合物等を挙げることができる。
また、(メタ)アクリレート系重合体を構成するアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルコキシアルキルエステル等を挙げることができる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシエチル等が挙げられる。
さらに、ポリエステルとしては、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物、ラクトンの開環重合物、脂肪族ポリオールと脂肪族ポリカルボン酸との重縮合物等を挙げることができる。
またさらに、ポリカーボネートとしては、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリトリメチレンカーボネート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート等の炭酸とアルキレングリコールの重縮合物等を挙げることができる。
さらにまた、ポリアンハイドライドとしては、ポリマロニルオキシド、ポリアジポイルオキシド、ポリピメイルオキシド、ポリスベロイルオキシド、ポリアゼライルオキシド、ポリセバコイルオキシド等のジカルボン酸の重縮合物等を挙げることができる。
加えて、テトラキスシラン類としては、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン、テトラキス(メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、テトラキス(メトキシプロポキシ)シラン等を挙げることができる。
ここで、(d)成分である熱分解揮発性化合物が250℃を下回る温度で熱分解又は揮発するものであると、シロキサン骨格形成前に熱分解揮発してしまうため、所望の誘電特性が得られないおそれがある。一方、この熱分解揮発性化合物が500℃を超える温度で熱分解又は揮発するものであると、配線金属の劣化が生じるおそれがある。したがって、かかる温度範囲で熱分解又は揮発するものであれば、配線金属の劣化を抑えつつ、絶縁膜の誘電特性を調整し易くなる利点がある。
このような本発明のシリカ系被膜形成用組成物を用いて、基板上にシリカ系被膜を形成する方法について、一般にシリカ系縁膜の成膜性及び膜均一性に優れるスピンコート法を例にとって説明する。まず、シリカ系被膜形成用組成物をシリコンウエハ等の基板上に好ましくは500〜5000回転/分、より好ましくは1000〜3000回転/分でスピン塗布して被膜を形成する。この際、回転数が500回転/分未満であると、膜均一性が悪化する傾向にある一方で、5000回転/分を超えると、成膜性が悪化するおそれがあるため好ましくない。
次いで、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜250℃でホットプレート等にて被膜中の溶媒を乾燥させる。この乾燥温度が50℃未満であると、溶媒の乾燥が十分に行われない。一方、乾燥温度が300℃を超えると、被膜においてシロキサン骨格が形成される前にポーラス形成用の熱分解揮発性化合物((d)成分)が熱分解揮発してしまい、所望の低誘電特性を有するシリカ系被膜を得難くなるおそれがある。
次に、溶媒が除去された被膜を300〜500℃の加熱温度で焼成して最終硬化を行う。最終硬化は、N、Ar、He等の不活性雰囲気下で行うのが好ましく、この場合、酸素濃度が1000ppm以下であるのが好ましい。この加熱温度が300℃未満であると、十分な硬化が達成されない傾向にある。これに対し、加熱温度が500℃を超えると、金属配線層がある場合に、入熱量が増大して配線金属の劣化が生じるおそれがある。また、この際の加熱時間は2〜60分が好ましい。加熱時間が60分を超えると、サーマルバジェットが過度に増大して配線金属の劣化が生じるおそれがある。さらに、加熱装置としては、石英チューブ炉その他の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)等の加熱処理装置を用いることが好ましい。
また、このようにして形成されるシリカ系被膜の膜厚は、0.01〜40μmであることが好ましく、0.1μm〜2.0μmであるとより好ましい。かかる膜厚が40μmを超えると、応力によりクラックが発生し易くなる傾向がある一方で、0.01μm未満であると、上下配線間のリーク特性が悪化する傾向がある。
かかるシリカ系被膜を有する本発明の電子部品としては、半導体素子、多層配線板等の絶縁膜を有するデバイスが挙げられる。具体的には、半導体素子においては、表面保護膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができる。一方、多層配線板においては、層間絶縁膜として使用することができる。
より具体的には、半導体素子として、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子等が挙げられる。また、多層配線板としては、MCM等の高密度配線板などが挙げられる。
このような電子部品は、本発明のシリカ系被膜を備えることにより、信号伝搬遅延時間の低減といった高性能化が図られると同時に高信頼性を達成できる。
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
テトラエトキシシラン49.0gとメチルトリエトキシシラン47.2gとをプロピレングリコールモノプロピルエーテル194.3gに溶解させた溶液中に、70%硝酸0.26gを溶解させた水28.1gを攪拌下で30分かけて滴下した。滴下終了後5時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。この溶液に20%のポリメチルメタクリレート/γ-ブチロラクトン溶液68.4gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノールを留去して350gのポリシロキサン/ポリメチルメタクリレート溶液を得た。次いで、この溶液に25%のテトラメチルアンモニウムオキサイド水溶液0.14gを添加してシリカ系被膜形成用組成物を調製した。
〈実施例2〉
テトラエトキシシラン60.5gとメチルトリエトキシシラン37.3gとをプロピレングリコールモノプロピルエーテル187.8gに溶解させた溶液中に、70%硝酸0.27gを溶解させた水29.3gを攪拌下で30分かけて滴下した。滴下終了後5時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。この溶液に20%のポリメチルメタクリレート/γ-ブチロラクトン溶液67.5gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノールを留去して340gのポリシロキサン/ポリメチルメタクリレート溶液を得た。次いで、この溶液に25%のテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液0.14gを添加してシリカ系被膜形成用組成物を調製した。
〈比較例1〉
テトラエトキシシラン60.5gとメチルトリエトキシシラン37.3gとをプロピレングリコールモノプロピルエーテル187.8gに溶解させた溶液中に、70%硝酸0.27gを溶解させた水29.3gを攪拌下で30分かけて滴下した。滴下終了後5時間反応させ、ポリシロキサン溶液を得た。この溶液に20%のポリメチルメタクリレート/γ-ブチロラクトン溶液67.5gを添加し、減圧下、温浴中で生成エタノールを留去して340gのポリシロキサン/ポリメチルメタクリレート溶液であるシリカ系被膜形成用組成物を調製した。
〈層間絶縁膜の製造〉
実施例1及び2並びに比較例1で得た各シリカ系被膜形成用組成物を回転数1500rpm/30秒でシリコンウエハ上に回転塗布して被膜を形成した。回転塗布後、150℃/1分+250℃/1分かけて被膜中の溶媒を除去した後、O濃度が100ppm前後にコントロールされている石英チューブ炉で400℃/30分間かけて被膜を最終硬化し、層間絶縁膜としてのシリカ系被膜を製造した。形成後、各層間絶縁膜の膜厚を分光エリプソメータ(使用波長:633nm)で測定した。
〈層間絶縁膜の評価〉
上記〈層間絶縁膜の製造〉によって得た各層間絶縁膜に対して以下の方法で電気特性及び膜強度評価を行った。
〔比誘電率測定〕
各層間絶縁膜上にアルミニウム被膜を0.1μmの厚さで真空蒸着法により形成し、この試料の比誘電率をLFインピーダンスメータにて周波数10kHzで測定した。
〔弾性率測定〕
各層間絶縁膜に対してMTS社製のナノインデンターDCMを用いて膜強度を示す弾性率を測定した。
〔単膜CMP耐性〕
各層間絶縁膜に対し、層間絶縁膜が研磨されないと考えられる条件でCMP研磨を実施した。スラリーとして日立化成工業(株)製のHS−C430を用い、付加荷重を400gf/cmで1分間研磨を行い、絶縁膜の残存の有無を調べた。絶縁膜が残存する場合には膜強度が十分あることを示すものであり、後述する表1においては、全く問題ないと認められた場合を‘○’と、絶縁膜の凝集破壊が認められた場合を‘×’と判定した。
〔積層膜CMP耐性〕
各層間絶縁膜上にCVD法でP−TEOS膜を0.1μm積層した後、スパッタ法で成膜されるTa金属0.03μm、Cu金属0.2μmを積層し、その後上記〔単膜CMP耐性〕と同条件でCMP研磨を施した。これは、Cuのみが研磨される条件での研磨であり、研磨後絶縁膜表面にTa金属が残存している場合にはCVD膜/SOG膜間での界面剥離が起こっていないことを示している。そこで、後述する表1においては、Ta金属表面が略全面に得られた場合を‘○’と、CVD膜/SOG膜間で界面剥離が生じるか又は膜強度不足で生じる凝集破壊が認められた場合を‘×’と判定した。
以上の各測定結果及び評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005042118

Claims (6)

  1. (a)成分:下記式(1);
    SiX4−n …(1)、
    (式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい)、
    で表される化合物を加水分解縮合して得られるシロキサン樹脂と、
    (b)成分:前記(a)成分を溶解可能な溶媒と、
    (c)成分:オニウム塩と、
    を含むシリカ系被膜形成用組成物。
  2. 前記(a)成分は、Si原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子から成る群より選ばれる少なくとも一種の原子の総含有割合が0.65モル以下のものである請求項1記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  3. 前記(b)成分がアンモニウム塩である請求項1又は2に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  4. (d)成分:250〜500℃の加熱温度において熱分解又は揮発する熱分解揮発性化合物、
    を更に含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリカ系被膜形成用組成物を基板上に塗布し、塗布された該被膜に含有する溶媒を除去した後、該被膜を300〜500℃の加熱温度で焼成することを特徴とするシリカ系被膜の製造方法。
  6. 基板上に請求項6記載のシリカ系被膜の製造方法により製造されたシリカ系被膜を有する電子部品。
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