JP2003240052A - ダイナミックダンパ及びプロペラシャフト - Google Patents

ダイナミックダンパ及びプロペラシャフト

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JP2003240052A
JP2003240052A JP2002042378A JP2002042378A JP2003240052A JP 2003240052 A JP2003240052 A JP 2003240052A JP 2002042378 A JP2002042378 A JP 2002042378A JP 2002042378 A JP2002042378 A JP 2002042378A JP 2003240052 A JP2003240052 A JP 2003240052A
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elastic
slit
hollow shaft
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Kazunobu Haishi
一信 羽石
Katsuhide Sasaki
勝秀 佐々木
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Showa Corp
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    • F16C3/02—Shafts; Axles
    • F16C3/023—Shafts; Axles made of several parts, e.g. by welding

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックダンパを中空シャフトに容易に
圧入し、かつ安定的に固定可能とするとともに、コンパ
クトにすること。 【解決手段】 アウタパイプ２０と、アウタパイプ２０
の内部に配置されるウエイト３０と、アウタパイプ２０
とウエイト３０の間に介装される弾性体４０とを有して
なるダイナミックダンパ１０である。アウタパイプ２０
に該アウタパイプ２０の周方向を横切るスリット２１を
設け、該スリット２１に弾性充填材５０を充填したも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はダイナミックダンパ
及びプロペラシャフトに関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車の動力伝達部材、例えばプロペラ
シャフトの振動を低減し、車体振動や騒音を低減するダ
イナミックダンパとして、アウタパイプと、アウタパイ
プの内部に配置されるウエイトと、アウタパイプとウエ
イトの間に介装される弾性体とを有してなるものがあ
る。このダイナミックダンパは、プロペラシャフトを構
成する中空シャフト内に圧入して固定配置される。
【０００３】実開平4-122843は、プロペラシャフトの中
空シャフト内に対するダイナミックダンパの圧入容易性
を向上するため、アウタパイプの自由状態での外径を中
空シャフトの内径より大きくするとともに、アウタパイ
プに該アウタパイプの周方向を横切るスリットを設けた
ものを提案している。このダイナミックダンパは、アウ
タパイプに設けたスリットの存在により該アウタパイプ
の外径を自由状態から弾性的に縮径可能とする。これに
より、ダイナミックダンパの中空シャフトへの圧入時に
は、アウタパイプは自由状態から縮径されて中空シャフ
ト内に容易に嵌挿可能とされる。また、ダイナミックダ
ンパの中空シャフトへの圧入後には、アウタパイプは自
由状態へと拡径する弾性復元力を発生させて中空シャフ
トの内面に密着する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従来技術には以下の問
題点がある。 アウタパイプがスリットを有していて常に縮径可能状
態にある。従って、アウタパイプは中空シャフトに圧入
された後の使用状態で、中空シャフトに作用する振動等
により縮径して位置ずれし、ダイナミックダンパの初期
の制振性能を損なう虞がある。
【０００５】アウタパイプに縮径状態から自由状態に
拡径する弾性復元力を安定保持するためには、アウタパ
イプの剛性を確保する必要がありそのために一定以上の
板厚を付与する必要ある。この場合、中空シャフトの限
られた内径の範囲内で、小内径になったアウタパイプ内
のウエイトや弾性体に必要な容量（径、厚み）を確保で
きなくなる可能性があるし、ダイナミックダンパが大重
量となり、結果的に圧入性も悪化してしまう。
【０００６】本発明は、ダイナミックダンパを中空シャ
フトに容易に圧入し、かつ安定的に固定可能とするとと
もに、コンパクトにすることにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、アウ
タパイプと、アウタパイプの内部に配置されるウエイト
と、アウタパイプとウエイトの間に介装される弾性体と
を有してなるダイナミックダンパにおいて、アウタパイ
プに該アウタパイプの周方向を横切るスリットを設け、
該スリットに弾性充填材を充填したものである。
【０００８】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て更に、前記弾性体がアウタパイプとウエイトの間の環
状空間内に配置され、該環状空間の周方向の複数位置に
弾性介装部を設け、相隣る弾性介装部の間に空洞部を設
けてなり、前記スリットを該空洞部に対応する位置に設
けたものである。
【０００９】請求項３の発明は、請求項１又は２の発明
において更に、前記弾性充填材が前記弾性体と一体成形
されたものである。
【００１０】請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれ
かの発明において更に、前記アウタパイプの外周に弾性
被覆材を被着したものである。
【００１１】請求項５の発明は、請求項１〜４のいずれ
かに記載のダイナミックダンパを中空シャフト内に圧入
して固定配置したものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１は第１実施形態のダイナミッ
クダンパを示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）はＢ−Ｂ線に
沿う断面図、図２は第２実施形態のダイナミックダンパ
を示す正面図、図３は第３実施形態のダイナミックダン
パを示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）はＢ−Ｂ線に沿う断
面図、図４は第４実施形態のダイナミックダンパを示す
正面図である。
【００１３】（第１実施形態）図１のダイナミックダン
パ１０は、自動車用プロペラシャフト１の中空シャフト
２内の軸方向所定位置に圧入して嵌挿され、固定配置さ
れたものである。ダイナミックダンパ１０は、プロペラ
シャフト１の振動を低減し、車体振動や騒音を低減す
る。
【００１４】ダイナミックダンパ１０は、アウタパイプ
２０と、ウエイト３０と、弾性体４０とを有して構成さ
れる。
【００１５】アウタパイプ２０は、円筒等の筒状をな
し、ばね鋼板等の金属板からなる巻きパイプ又は鋼管等
の金属管の中空パイプからなる。アウタパイプ２０は、
完全な筒状でなく、周方向を横切るスリット２１を備え
たＣ字断面状をなし、自由状態の外径を中空シャフト２
の内径より大きくしている。アウタパイプ２０は、スリ
ット２１の存在により、外径を自由状態から弾性的に縮
径可能とする。
【００１６】ウエイト３０は、円柱等の短柱状をなし、
棒鋼等の金属棒からなる。ウエイト３０は、アウタパイ
プ２０の内部に該アウタパイプ２０と同芯配置される。
ウエイト３０はアウタパイプ２０より広巾とされる（図
１（Ｂ））。
【００１７】弾性体４０は、アウタパイプ２０とウエイ
ト３０の間の環状空間１１内に配置され、アウタパイプ
２０の内面に接着される外周層４１と、ウエイト３０の
外面に接着される内周層４２と、外周層４１と内周層４
２の間の周方向複数位置（本実施形態では５位置）に設
けた弾性介装部４３とからなる。外周層４１と内周層４
２はアウタパイプ２０と同一巾とされる。弾性介装部４
３は外周層４１と内周層４２より狭巾とされ、外周層４
１と内周層４２の巾方向中央部に立設される。そして、
弾性体４０は、相隣る弾性介装部４３、４３の間に貫通
状空洞部４４を設けている。弾性体４０は、合成ゴム等
からなり、アウタパイプ２０とウエイト３０に対して加
硫形成される。
【００１８】しかるに、ダイナミックダンパ１０は、ア
ウタパイプ２０のスリット２１に合成ゴム等からなる弾
性充填材５０を充填している。弾性充填材５０は、弾性
体４０と一体成形され、空洞部４４に対応する位置で外
周層４１に接続される。ダイナミックダンパ１０は、成
形型内にアウタパイプ２０とウエイト３０を配置した状
態で、ゴムを注入して弾性体４０と弾性充填材５０を一
体成形することにて加硫形成される。
【００１９】本実施形態によれば以下の作用がある。 （請求項１に対応する作用） ダイナミックダンパ１０は、アウタパイプ２０のスリ
ット２１に弾性充填材５０を充填した。従って、アウタ
パイプ２０は、中空シャフト２への圧入時には、アウタ
パイプ２０のスリット２１内の弾性充填材５０を圧縮変
形させながら、アウタパイプ２０を自由状態から縮径し
て中空シャフト２内に容易に嵌挿できる。そして、アウ
タパイプ２０は、中空シャフト２に圧入された後の使用
状態で、アウタパイプ２０自身の自由状態へと拡径する
弾性復元力に加え、弾性充填材５０の弾性的な圧縮反力
を得て、スリット間も含めて周方向全体に強い拡径習性
を発現する。このため、ダイナミックダンパ１０は、ア
ウタパイプ２０の強い拡径習性によって中空シャフト２
の内面に強く密着し、中空シャフト２に作用する振動等
により位置ずれすることなく、中空シャフト２に安定的
に固定され、初期の制振性能を安定維持できる。
【００２０】アウタパイプ２０は、弾性充填材５０の
圧縮反力を得て強い拡径習性を確保できるから、アウタ
パイプ２０自身の弾性復元力を確保するために特別厚肉
化する必要がない。従って、アウタパイプ２０を薄肉化
できるから、中空シャフト２の限られた内径の範囲内
で、アウタパイプ２０内のウエイト３０や弾性体４０に
必要な容量（径、厚み）を確保でき振動特性設定範囲が
広がり、またダイナミックダンパ１０を軽量コンパクト
にできる。
【００２１】（請求項２に対応する作用） ダイナミックダンパ１０は、アウタパイプ２０のスリ
ット２１を弾性体４０の空洞部４４に対応する位置に設
けたから、スリット２１の存在が制振性能に及ぼす悪影
響を排除できる。
【００２２】（請求項３に対応する作用） ダイナミックダンパ１０は、弾性充填材５０を弾性体
４０に一体成形した。従って、アウタパイプ２０とウエ
イト３０の間に弾性体４０を成形すると同時に、弾性充
填材５０を充填でき、製作容易になる。
【００２３】（請求項５に対応する作用） プロペラシャフト１において、上述〜を実現し、
ダイナミックダンパ１０を中空シャフト２に容易に圧入
し、かつ安定的に固定可能とするとともに、コンパクト
にすることができる。
【００２４】（第２実施形態）（図２） 図２のダイナミックダンパ１００がダイナミックダンパ
１０と実質的に異なる点は、アウタパイプ２０を周方向
に３分割した分割体２０Ａ〜２０Ｃにより構成したこと
にある。相隣る分割体２０Ａ〜２０Ｃの突合せ部には、
アウタパイプ２０を周方向に横切るスリット２１Ａ〜２
１Ｃが設けられ、各スリット２１Ａ〜２１Ｃに、弾性体
４０と一体の弾性充填材５０Ａ〜５０Ｃが充填される。
本実施形態では、弾性体４０の周方向３位置に弾性介装
部４３を立設し、弾性充填材５０Ａ〜５０Ｃを空洞部４
４に対応する位置に設けた。
【００２５】（第３実施形態）（図３） 図３のダイナミックダンパ２００がダイナミックダンパ
１０と実質的に異なる点は、アウタパイプ２０及び弾性
充填材５０の外周に合成ゴム等からなる弾性被覆材６０
を被着したことにある。弾性被覆材６０は、弾性充填材
５０と一体成形するものであっても良い。
【００２６】（請求項４に対応する作用）ダイナミック
ダンパ２００は、アウタパイプ２０の外周に被着した弾
性被覆材６０の弾性変形によっても、中空シャフト２へ
の圧入容易性を確保できる。弾性被覆材６０は、アウタ
パイプ２０の強い拡径習性にバックアップされて中空シ
ャフト２の内面に強く密着する。
【００２７】（第４実施形態）（図４） 図４のダイナミックダンパ３００がダイナミックダンパ
２００と実質的に異なる点は、アウタパイプ２０を周方
向に３分割した分割体２０Ａ〜２０Ｃにより構成したこ
とにある。相隣る分割体２０Ａ〜２０Ｃの突合せ部に
は、アウタパイプ２０を周方向に横切るスリット２１Ａ
〜２１Ｃが設けられ、各スリット２１Ａ〜２１Ｃに、弾
性体４０及び／又は弾性被覆材６０と一体の弾性充填材
５０Ａ〜５０Ｃが充填される。本実施形態では、弾性体
４０の周方向３位置に弾性介装部４３を立設し、スリッ
ト２１Ａ〜２１Ｃを空洞部４４に対応する位置に設け
た。
【００２８】以上、本発明の実施の形態を図面により記
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、弾
性充填材は弾性体とは必ずしも一体形成される必要は無
く、別体に形成されて後からアウタパイプに組付けられ
ても良い。さらに、本発明のダイナミックダンパは、プ
ロペラシャフト以外の動力伝達部材にも適用できる。
【００２９】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ダイナミ
ックダンパを中空シャフトに容易に圧入し、かつ安定的
に固定可能とするとともに、コンパクトにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は第１実施形態のダイナミックダンパを示
し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）はＢ−Ｂ線に沿う断面図で
ある。
【図２】図２は第２実施形態のダイナミックダンパを示
す正面図である。
【図３】図３は第３実施形態のダイナミックダンパを示
し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）はＢ−Ｂ線に沿う断面図で
ある。
【図４】図４は第４実施形態のダイナミックダンパを示
す正面図である。
【符号の説明】
１ プロペラシャフト ２ 中空シャフト １０、１００、２００、３００ ダイナミックダンパ ２０ アウタパイプ ２１、２１Ａ〜２１Ｃ スリット ３０ ウエイト ４０ 弾性体 ４３ 弾性介装部 ４４ 空洞部 ５０、５０Ａ〜５０Ｃ 弾性充填材 ６０ 弾性被覆材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アウタパイプと、アウタパイプの内部に
    配置されるウエイトと、アウタパイプとウエイトの間に
    介装される弾性体とを有してなるダイナミックダンパに
    おいて、 アウタパイプに該アウタパイプの周方向を横切るスリッ
    トを設け、該スリットに弾性充填材を充填したことを特
    徴とするダイナミックダンパ。
  2. 【請求項２】 前記弾性体がアウタパイプとウエイトの
    間の環状空間内に配置され、該環状空間の周方向の複数
    位置に弾性介装部を設け、相隣る弾性介装部の間に空洞
    部を設けてなり、前記スリットを該空洞部に対応する位
    置に設けてなる請求項１に記載のダイナミックダンパ。
  3. 【請求項３】 前記弾性充填材が前記弾性体と一体成形
    されてなる請求項１又は２に記載のダイナミックダン
    パ。
  4. 【請求項４】 前記アウタパイプの外周に弾性被覆材を
    被着してなる請求項１〜３のいずれかに記載のダイナミ
    ックダンパ。
  5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載のダイナ
    ミックダンパを中空シャフト内に圧入して固定配置した
    プロペラシャフト。
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