JP2003238770A - インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法

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JP2003238770A
JP2003238770A JP2002044658A JP2002044658A JP2003238770A JP 2003238770 A JP2003238770 A JP 2003238770A JP 2002044658 A JP2002044658 A JP 2002044658A JP 2002044658 A JP2002044658 A JP 2002044658A JP 2003238770 A JP2003238770 A JP 2003238770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドの製造において、ヘッ
ドのインク流路部と液室部を構成する部材を接着する接
着剤の耐インク性、特に耐アルカリ性と、インクに長期
浸漬後の部材間の密着性を改善し、剥離強度が高く、低
硬化収縮性であり、作業性良好なインクジェットヘッド
製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂
及び/又はビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤とし
て光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始
剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有
し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/
又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物で
あることすることを特徴とするインクジェットヘッド製
造用エポキシ樹脂組成物を主たる構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、非接触にて
記録材を直接記録紙上に記録することができる点、ま
た、プロセスが非常にシンプルである点など、多くの特
徴を有する。さらに、インクジェット記録方式は、カラ
ー記録方式としても非常に注目されている。このような
インクジェット記録方式にも各種の方式が提案されてき
たが、急速に商品化が進んでいるのは、Drop On
Demand(以下DODと称する)方式である。
【0003】このDOD方式は、記録信号が入力された
時のみインクを吐出する方法であり、最も構成がシンプ
ルである。そして、DOD方式の中にも、バブルジェッ
ト(登録商標)方式とピエゾアクチュエータ方式の二つ
の方式がある。
【0004】前者バブルジェット方式の提案は、特公昭
61−59913号公報などでなされている。この方式
は、熱エネルギーにより発生するバブルを利用するもの
であり、アクチュエータに相当するヒーターがインク流
路の中にある。すなわち、インクを直接瞬間加熱するこ
とでヒーター表面にバブルを発生させ、このときの流路
内のインク圧力上昇により滴化インクを飛翔させる方式
である。
【0005】もう一方のインクジェット記録方式である
ピエゾアクチュエータ方式の提案は、特公昭60−89
53号公報等でなされている。この方式は、前記のバブ
ルジェット方式の構成に対し、アクチュエータであるピ
エゾ素子がインク流路の外に設けられている点を特徴と
している。このピエゾ素子方式の動作概要は、加圧液室
の壁面の一部が変形可能な構造を有し、該壁面の外側に
設けたピエゾ素子が印加電圧によって変位することによ
り加圧液室内のインクに圧力を与え、ノズルを通して該
インクを噴射するものである。この時の圧力上昇は、パ
ルス的な上昇によって行われ、インク噴射後は、ピエゾ
素子の変位を元の位置に戻すことで、インクタンク側か
ら前記加圧室内にインクが補給される。この方式の特徴
は、ピエゾ素子が直接インクに接しないため、該ピエゾ
素子の部材選定に対インク適性の制約を受けず、また、
ピエゾ素子の効率的な設計を実施することにより、該ピ
エゾ素子の発熱を抑えることができ、使用するインクに
ついても耐熱性の制約が無い等の利点を有することであ
る。
【0006】また、半導体の微細加工技術を用いて形成
された微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源
として静電気力を利用したものが知られている。例えば
静電気力を利用してインク液滴の吐出を行う静電インク
ジェットヘッドが特開平5−50601号公報、同6−
71882号公報に開示されている。この形式のインク
ジェットヘッドは、ノズルに連通しているインク流路の
底面が弾性変形可能な振動板として形成され、前記振動
板には、一定の間隔で基板が対向配置され、これら振動
板及び基板にそれぞれ対向電極が配置された構成となっ
ている。対向電極の間に電圧を印加すると、それらの間
に発生する静電気力によって、振動板は基板の側に静電
吸引されて振動する。この振動板の振動によって発生す
るインク流路の内圧変動によって、ノズルからインク液
滴が吐出される。
【0007】このようなインクジェット記録方式を用い
るインクジェットヘッドにおいて、前記バブルジェット
方式,ピエゾアクチュエータ方式、静電方式を問わず、
インクの通る流路部,液室部は、常に弱アルカリ性であ
るインクに浸漬された状態になるため、これらを構成す
る材料同士、材料自体の部材間及び該材料と基板との接
合における信頼性が極めて重要である。従って、このよ
うな流路部、液室部を接着する材料には、まず、前記の
ような耐インク性を有していることが要求され、更に接
着強度、作業性なども要求される。
【0008】これまで、これら部材を接着する方法は各
々のインクジェットヘッドに対応した方法が種々検討さ
れてきている。実際にドライフィルムや感光性接着剤な
ど熱可塑性樹脂によって熱圧着させていたり(特開平7
−314675号公報等)や溶媒希釈型接着剤を塗布
後、溶媒揮発させて高粘度接着剤とし、接着させていた
り(特開平7−314697号公報等)や主剤と硬化剤
とからなる2液性接着剤を別々に部材(被着体)に塗布
し、張り合わせ硬化後、溶剤洗浄させたり(特開平10
−235875号公報)、エポキシ樹脂接着剤を使用し
ていたり(特開平7−285223号公報、特開平7−
314671号公報、特開平8−169108号公報、
特開平8−336975号公報等)、紫外光を含む光に
より硬化する接着剤(アクリル系やシリコーン系接着
剤)を使用して、インクジェットヘッド構成部材を光透
過性部材として接着していたり(特開平6−14356
8号公報、特開平8−25629号公報等)、紫外線硬
化接着剤と熱硬化接着剤をインクジェットヘッド接着部
分によって使い分けて接着していたり(特開平10−2
17489号公報等)、種々接着工法が検討されてい
る。しかし、実際のところ、種々要求仕様には対応出来
ていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術に示され
ている前記流路部や液室部に使用する材料には、金属や
樹脂プレート,Si基板,感光性樹脂などが使用されて
きた。これらの材料の中で、前記感光性樹脂は、フォト
リソグラフィープロセスにより、所望の形状のインク流
路を容易に得ることができるため、前記流路部や液室部
の材料として広く使用されている。このような感光性樹
脂としては、印刷板,プリント配線等におけるパターン
形成用として用いられてきたもの,あるいはガラス,金
属,セラミックス等に用いる光硬化型の塗料や接着剤と
して知られているものが用いられているが、作業能率な
どの面からドライフィルムタイプの感光性樹脂フィルム
(DFR)が主に利用されてきた。
【0010】しかしながら、このようなDFRの主成分
がアクリル樹脂であるために、耐インク性、特に耐アル
カリ性や基板への密着性が長期インク浸漬後に完全では
ないという問題が生じている。これは、インク自身が染
料の溶解度を向上させるために弱アルカリ性になってお
り、これにより架橋度の比較的低いアクリル樹脂が膨潤
したり、残留未反応成分が溶解したりすることに起因し
ている。
【0011】また、溶媒揮発型高粘度接着においては、
もともと粘度の高い接着剤組成であり、溶媒を揮発させ
た後に均一に塗布膜を形成するのは困難でむらになる可
能性が高く、接着不均一になるという問題や揮発の際に
塗膜中にボイドを発生するという問題を抱えている。ま
た、2液型接着剤で主剤と硬化剤をそれぞれの被着体面
に塗布するという例はポットライフが長いが、作業性が
悪いという問題がある。
【0012】また、紫外線硬化型接着剤においては、U
V光が照射されない部分で硬化不十分の部分が出来やす
く、そのままでは接着剤としては使用できず、熱硬化性
接着剤との併用で改善を試みているが、未反応モノマー
が多く硬化物中に残ってしまう可能性があり、耐インク
性に問題があり、接着強度が低下する可能性がある。
【0013】また、UV光透過性部材をインクジェット
ヘッドに使用して、UV硬化接着を行ってもいるが、U
V透過性部材が高価であったり、加工が困難だったり種
々問題がある。また、接着性を高めるためにUV硬化弾
性シリコーン接着剤を使用している例もあるが、このよ
うなUV硬化弾性シリコーン接着剤はアルカリや溶媒に
弱く、膨潤してしまうという欠点もある。
【0014】このようなインクジェットヘッドの接着
は、特に微細な部品接着であり、硬化接着の際に硬化収
縮が大きいと部品の接合ずれを引き起こすために、硬化
時の低硬化収縮性が要求されることも多くなってきてい
る。しかし未だ斯かる問題を解決するものは提供されて
いないのが現状である。
【0015】そこで本発明は上記の問題点を解決するた
めになされたもので、インクジェットヘッドのインク流
路部と液室部を構成する部材を接着する接着剤の耐イン
ク性、特に耐アルカリ性と、インクに長期浸漬後の部材
間の密着性を改善し、剥離強度が高く、低硬化収縮性で
あり、作業性良好なインクジェットヘッド製造用エポキ
シ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明では、インクジェットヘッド
製造用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂とし
て脂環式エポキシ樹脂及び/又はビスフェノール型エポ
キシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又
は熱カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合
物を少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及
び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基
を生成する化合物であることすることを最も主要な特徴
とする。
【0017】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
シラノール基を生成ケイ素化合物が前記一般式(1)で
表される繰り返し単位を有するポリシランであることを
主要な特徴とする。(但し、nは10以上の整数。Rは
水素又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリ
ール基を示し、同一でも異なっていても良い。また、ア
ルキル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲ
ンなどの元素を含んでいても良い。)
【0018】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
ペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有す
るケイ素化合物を含有することを主要な特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
有機ケイ素化合物がシランカップリング剤であり、該シ
ランカップリング剤がγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランあるいはβ−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシランであることを主要な
特徴とする。
【0020】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
光カチオン重合開始剤がスルホニウム塩及び/又は熱カ
チオン重合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体である
ことを主要な特徴とする。
【0021】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
エポキシ樹脂として少なくとも硬化物に可撓性を与える
可撓性エポキシ樹脂を含有し、可撓性エポキシ樹脂がビ
スフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー
添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は液状ウ
レタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/
又は脂環式エポキシ樹脂であることを主要な特徴とす
る。
【0022】請求項7記載の発明では、請求項1記載の
カチオン重合開始剤がシラノール基を生成するケイ素化
合物と有機金属化合物の複合触媒であることを主要な特
徴とする。
【0023】請求項8記載の発明では、請求項1から7
のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エ
ポキシ樹脂組成物にポリオール化合物を添加することを
主要な特徴とする。
【0024】請求項9記載の発明では、請求項1から8
のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エ
ポキシ樹脂組成物にイオン捕捉剤を少なくとも含有する
ことを特徴とすることを主要な特徴とする。
【0025】請求項10記載の発明では、請求項1から
9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用
エポキシ樹脂組成物に無機充填剤を添加することを特徴
とすることを主要な特徴とする。
【0026】請求項11記載の発明では、請求項1から
10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物に高分子粒子を添加することを特
徴とすることを主要な特徴とする。
【0027】請求項12記載の発明では、請求項1から
11のいずれか1項に記載されたインクジェットヘッド
製造用エポキシ樹脂組成物を用い、エポキシ樹脂組成物
を1次硬化後、更にアフターキュアするインクジェット
ヘッド製造方法を最も主要な特徴とする。
【0028】請求項13記載の発明では、請求項1から
12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物を用い、Ni−鉄系合金使用ノズ
ルプレートとヘッド本体と接着するインクジェットヘッ
ド製造方法を主要な特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、上記の問題点を解決す
るため鋭意検討した結果、エポキシ樹脂として脂環式エ
ポキシ樹脂及び/又はビスフェノール型エポキシ樹脂、
硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオ
ン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なく
とも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加
熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する
化合物とすることで、硬化性、反応性を向上させ、低硬
化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物を提供するのである。なお、他の
接着剤主剤に比べ、エポキシ樹脂は硬化収縮率が小さ
く、インクジェットヘッドの微細接着に有効である。
【0030】以下に本発明を具体的に説明する。本発明
に使用されるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ール型エポキシ樹脂では、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、アルキル置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙
げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用
する場合、市販ビスフェノールA型エポキシ樹脂の種類
が豊富で要求特性に応じて、使い分けることができ、接
着強度を向上させるので好ましい。
【0031】また、脂環式エポキシ樹脂としては、例え
ば4〜7員環の環状脂肪族基を有する脂環式エポキシ化
合物があげられ、例えば4−ビニルシクロヘキセンモノ
オキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチ
ル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシク
ロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、ビス−(3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,
3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジ
ペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の5員環
や6員環の環状脂肪族基とエポキシ基をそれぞれ1〜2
個有する脂環族エポキシ化合物が好ましい。また、多官
能脂環式エポキシ樹脂、3官能、4官能の脂環式エポキ
シ樹脂を使用しても良く、架橋密度を向上させることが
でき、硬化性を向上させることも出来、耐インク性の向
上にも有効である。
【0032】また、メチル化ビニルシクロヘキセンジオ
キサイドを使用すると低粘度であるため配合物の粘度調
整に有効であり、カチオン重合性も高く、硬化性に優れ
る。また、メチル基が立体障害となり、類似構造のビニ
ルシクロヘキセンジオキサイドよりも反応性を抑制して
いるので、反応速度を制御しやすく、硬化収縮性も制御
できる。また、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチレン)アジペートを併用することで、可撓性を付
与することができ、接着強度を向上することができる。
これらの理由でメチル化ビニルシクロヘキセンジオキサ
イド及びビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
レン)アジペートを使用することが好ましい。更に希釈
効果のあるメチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド
は固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂混合の際に特に
有効である。
【0033】また、オキセタン環を有する脂環式エーテ
ル化合物も使用することができ、例えば3−メチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−
エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン
等があげられる。脂環式エポキシ樹脂はカチオン重合反
応性がビスフェノール型エポキシ樹脂よりも高く、硬化
反応性を向上させるのに有効である。また、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂は脂環式エポキシ樹脂に比べて、接
着強度高くできる。更にこの脂環式エポキシ樹脂とビス
フェノール型エポキシ樹脂を混合することで、混合比に
よって硬化反応を制御することが可能となり、所要の接
着条件に合わせることもできる。硬化反応を抑制するこ
とで結果として硬化収縮率を低下させることができる。
【0034】また、他のエポキシ樹脂としては、グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレ
タン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹
脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール
型エポキシ樹脂等が挙げられる。特にこれらに限定され
るわけではない。これらは単独で用いても、混合して用
いても良い。
【0035】また、固形又は半固形エポキシ樹脂を使用
することも出来る、例えばビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。脂環
式エポキシ樹脂としてはワックス状脂環式可撓性エポキ
シ樹脂(ダイセル化学社製:セロキサイド2085)、
脂環式固形エポキシ樹脂(ダイセル化学社製:EHPE
3150)等が挙げられ、これらも混合して用いても良
い。なお、これら固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂
の混合は例えば、加熱した液状エポキシ樹脂中に粉砕し
た固形エポキシ樹脂を投入し、溶解する。その後、放冷
して、混合エポキシ樹脂を得る。場合によっては、放冷
過程で反応性希釈剤などを混合することもある。なお、
固形又は半固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂の混合
比は限定されない。
【0036】固形又は半固形ビスフェノール型エポキシ
樹脂として、例えば油化シェル製#1001:エポキシ
当量450−500、#1004:エポキシ当量875
−975、東都化成製YD−017:エポキシ当量17
50−2100、YD−020H:エポキシ当量500
0−5500等幅広いエポキシ当量の固形エポキシ樹脂
等が挙げられ、これらも混合して用いても良い。これら
固形又は半固形ビスフェノール型エポキシ樹脂はと液状
ビスフェノール型エポキシ樹脂と混合するのが好まし
い。
【0037】本発明における可撓性エポキシ樹脂として
は、液状エポキシ樹脂としては、ウレタン変性エポキシ
樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポ
キシ樹脂(CTBN,ATBN等による変性)、ポリア
ルキレングリコール型エポキシ樹脂、エーテルエラスト
マー添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ウレタ
ン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げら
れ、また、固形エポキシ樹脂としてはダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂があげられるが、これらに限定されるもので
はない。これらは混合して用いても良い。なお、これら
可撓性エポキシ樹脂はエポキシ樹脂に添加して使用する
と、反応性を落とさずに、接着強度を向上させることが
できる。可撓性エポキシ樹脂を用いた場合、硬化物が他
のエポキシ樹脂単独に比べ、硬化物に可撓性があるた
め、接着強度が高くなる。また、ポリスルフィド変性エ
ポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール系エポキシ樹脂
はビスフェノール系に比べ、硬化性はやや劣る反面、ポ
ットライフを長くすることが出来、作業性も向上する。
【0038】また、可撓性エポキシ樹脂の中でも特にビ
スフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー
添加、液状ウレタン樹脂添加の可撓性エポキシ樹脂はエ
ラストマーや樹脂系のものを混合しているために非常に
剥離強度が大きく、なお且つ硬化性も高く、耐インク性
も良好でインクジェットヘッドエポキシ樹脂組成物のエ
ポキシ樹脂として好適である。
【0039】また、本発明に用いられる硬化剤は光カチ
オン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤であれ
ば良く、常温で液状又は固体のものを用いることができ
る。例えば、光カチオン重合開始剤の本発明の組成物に
使用される有機金属化合物は、光硬化を促進するもので
あればいかなるものであってもよく、例えば、各種の金
属錯体、金属酸化物、含金属ハロゲン化物、錯塩等が挙
げられる。これらの中でも、チタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ア
ルミニウム、ジルコニウムなどの金属原子に、アルコキ
シ基、フェノキシ基、アシルオキシ基、β−ジケトナト
基、o−カルボニルフェノキシ基等が結合している化合
物であることが好ましい。これら有機金属化合物と光照
射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノー
ル基を生成する有機ケイ素化合物とを配合することで、
硬化促進させることができる。
【0040】前記した金属原子のうちアルミニウムは、
その有機金属化合物が、光硬化速度を高めるのに有用で
あるため、特に好ましい。このような有機アルミニウム
化合物としては、例えば、トリメトキシアルミニウム、
トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミ
ニウム、トリスパラメチルフェノキシアルミニウム、イ
ソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリブトキシア
ルミニウム、トリアセトキシアルミニウム、トリステア
ラトアルミニウム、トリブチラトアルミニウム、トリプ
ロピオナトアルミニウム、トリイソプロピオナトアルミ
ニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリ
ストリフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリ
スヘキサフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、ト
リスエチルアセトアセタトアルミニウム、トリスサリチ
ルアルデヒダトアルミニウム、トリスジエチルマロラト
アルミニウムなどが挙げられる。また、これらアルミニ
ウム化合物と光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解
によってシラノール基を生成する有機ケイ素化合物とを
配合することで、硬化促進させることができる。
【0041】これらの有機金属化合物は、単独もしくは
2種以上を適宜に組合せて用いることができる。その配
合量は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.01〜
10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲であ
る。この配合量が0.01重量部未満の場合には充分な
硬化特性が得られず、10重量部を超えるとコスト高や
密着性の低下を招く。これら有機金属化合物は他カチオ
ン重合性開始剤に比べ、イオン性不純物を抑制できるた
め、加熱や経時の硬化物の特性劣化や金属等の腐食現象
を防止することができる。
【0042】また、光カチオン重合開始剤としては、例
えば、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等
のオニウム塩を挙げることもできる。芳香族ヨードニウ
ム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノ
ニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェー
ト等が挙げられる。
【0043】特に芳香族スルホニウム塩としては、例え
ばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ
ネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、4,4′−ビス〔ジフェ
ニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフ
ルオロホスフェート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロ
キシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフ
ィド−ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4′−
ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニ
オ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフ
ェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−
イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネ
ート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イ
ソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4′−
ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−ヘキサ
フルオロホスフェート、4−(p−ter−ブチルフェ
ニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフ
ェニルスルフィド−ヘキサフルオロアンチモネート、4
−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−4′−
ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド
−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を
挙げることができる。これらに限定されるものではな
い。特に芳香族スルホニウム塩は300nm以上の長波
長域にも紫外線吸収特性を有することから、紫外線硬化
性に優れ、接着強度を良好とする硬化物を与えることが
出来、好ましい。
【0044】また、特に芳香族スルホニウム/六フッ化
アンチモン塩系開始剤のうち、旭電化製SP−170は
厚膜硬化性があり、接着剤として配合するには好まし
い。
【0045】これらの光カチオン重合開始剤は単独ある
いは混合して使用してもよい。光カチオン重合開始剤を
使用することで、常温硬化による接着が可能となり、部
材の耐熱性あるいは膨張による歪を考慮する必要が減少
し、部材を良好に接着することができる。また、光カチ
オン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ
樹脂に混合しても保存安定性に優れ、作業性が良い。
【0046】光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキ
シ樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好まし
くは3〜15重量部である。1重量部未満であると硬化
が不十分となり、接着強度不足となる。また、20重量
部を越えると硬化物中のイオン性物質が多くなり、構成
部材が金属である場合、部材を腐食する可能性が高く、
好ましくない。
【0047】また、本発明に用いられる硬化剤は熱カチ
オン重合開始剤であっても良く、常温で液状又は固体の
ものを用いることができる。例えば、三フッ化ホウ素−
モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素−ベンジルアミ
ン錯体、三フッ化ホウ素−アニリン錯体、三フッ化ホウ
素−クロロアニリン錯体などの三フッ化ホウ素−アミン
錯体、及びこれらの液状変性化合物、ベンジルスルホニ
ウム塩等のスルホニウム塩、トリス(アセチルアセトナ
ト)アルミニウムなどのアルミニウム錯体とジフェニル
ジメトキシシランなどのアルコキシシランからなる複合
化合物等が挙げられる。熱カチオン重合開始剤の配合量
は、エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜20重量
部、好ましくは3〜15重量部である。1重量部未満で
あると硬化が不十分となり、接着強度不足となる。ま
た、20重量部を越えると硬化物中のイオン性物質が多
くなり、耐インク性やインクジェットヘッド構成部材を
腐食する可能性が高く、好ましくない。熱カチオン重合
開始剤は触媒的に作用するため、エポキシ樹脂に混合し
て使用する量が少なくて済み、インクジェットヘッド部
材を接着する際の耐インク性が良好となる。
【0048】熱カチオン重合開始剤の中では、エポキシ
樹脂に対する溶解性、硬化物の強度などの点から三フッ
化ホウ素−アミン錯体が好ましく、特に低温硬化性が良
いことから、三フッ化ホウ素−芳香族アミン錯体がイン
クジェットヘッド作製上、好ましい。また、必要に応じ
て上記の硬化剤を混合して使用することができる。
【0049】また、光カチオン重合開始剤、熱カチオン
重合開始剤も併用して使用することが可能である。本発
明の光カチオン重合系で、光増感剤を使用しない場合
に、特に、光1次硬化後の熱アニールによる硬化促進が
より促進されることが解った。この光カチオン重合によ
る硬化には増感剤が多少の効果をもたらすが、増感剤が
1次硬化物中に残っており、後熱アニールにおける脂環
式エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂の求電
子反応を抑制してしまうためである。
【0050】また、光カチオン重合を促進するための光
増感剤としては、例えばカルボニル化合物、有機硫黄化
合物、過流化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジア
ゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げら
れる。具体的な光増感剤としては、例えばベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,
α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベン
ゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロルベン
ゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′
−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン誘導体;2−クロルチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−ク
ロルアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のア
ントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチ
ルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキ
シアセトフェノン;ベンジル;フルオレノン;キサント
ン;ウラニル化合物;ハロゲン化合物等が挙げられる。
これらに限定されるものではない。また、これらは単独
でも混合して使用しても良い。光増感剤は光カチオン重
合エポキシ樹脂組成物を100重量部とした場合に0.
1〜20重量部含有することで効果が増し、有効であ
る。光増感剤を使用することで、光硬化性、光反応性が
向上し、接着強度を向上させることができる。
【0051】また、他の添加剤として、種々ポリオール
化合物、分子に2個以上の水酸基を有する化合物を添加
することができ、これらは硬化速度の調整や可撓性が高
くなることより接着強度を向上させることができる。分
子中に2個以上の水酸基を有する化合物としては、フェ
ノール性水酸基以外の酸性基の存在しないものが好まし
く、例えば水酸基以外の官能基を有しないポリオール化
合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラク
トンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポ
リオール化合物、ポリカーボネートポリオール等を挙げ
ることができる。これら化合物の混合量としてはエポキ
シ樹脂、光カチオン重合開始剤、添加剤の総量を100
重量部とした場合に60重量部以下、好ましくは50重
量部以下である。これらの化合物の分子量は48以上、
好ましくは62以上、さらに好ましくは200以上であ
り、1000以下程度である。
【0052】また、本発明に用いられるイオン捕捉剤と
しては、例えば粉末状のビスマス系、アンチモン系、マ
グネシウム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、カル
シウム系、チタン系、ズズ系及びこれらの混合系等の無
機化合物を挙げることができる。例えば、東亜合成
(株)製、イオン捕捉剤、品名、IXE−300(アン
チモン系/両イオン捕捉剤)、IXE−500(ビスマ
ス系/陰イオン捕捉剤)、IXE−600(アンチモ
ン、ビスマス混合系/両イオン捕捉剤)、IXE−70
0(マグネシウム、アルミニウム混合系)、IXE−8
00(ジルコニウム系/陰イオン捕捉剤)、IXE−1
100(カルシウム系)等を挙げることができる。これ
らイオン捕捉剤は、部材の腐食防止や硬化物信頼性向上
のために混合される。これらは単独、又は必要に応じて
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】イオン捕捉剤は、カチオン重合開始剤にも
よるが、カチオン重合開始剤1重量部に対して好ましく
は2重量部以上8重量部以下、より好ましくは4重量部
以上6重量部以下とする。2重量部未満とすると腐食防
止効果や信頼性向上が期待できなくなり、また8重量部
を越えると硬化性が低下し、接着強度不足するので好ま
しくない。
【0054】また、粘度調整を行うために反応性希釈剤
を添加することもできる。反応性希釈剤としては、低粘
度なエポキシ反応性希釈剤であれば使用することができ
る。特に反応性基が2官能以上であることが好ましく、
例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリ
シジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチル
グリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタ
ノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジル
エーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは単独
でも用いても、混合して用いても良い。なお、硬化性を
向上させる場合は低粘度な脂環式エポキシ樹脂、4−ビ
ニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキ
センジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド等を用いると良い。固形ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂を混合する場合は粘度調整が必要であり、よ
り有効である。また、2官能以上であれば、硬化物の架
橋密度を向上させ、硬化性を向上させることができるの
で、より好ましい。反応性希釈剤の量は、固形又は半固
形ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し
て100重量部以下が好ましい。この量が100重量部
を越えると、希釈効果はあるものの、ベースのエポキシ
樹脂組成物の硬化物のそのもの特性が変化し、接着強度
が低下したり、硬化性が低下する。
【0055】次に本発明における有機ケイ素化合物とし
ては、加熱及び/又は光照射によってシラノール基を生
成する化合物が有効であり、例としてアルコキシシリル
基、アリールオキシシリル基、ペルオキシシリル基及び
/又はα−ケトシリル基を有する化合物が挙げられる。
アルコキシシリル基及び/又はアリールオキシ基を有す
る有機ケイ素化合物は前記の有機アルミニウム化合物と
共に使用して、加熱によりエポキシ基の硬化能を発現す
るものである。また、ペルオキシシリル基及び/又はα
−ケトシリル基を有する有機ケイ素化合物は前記の有機
アルミニウム化合物と共に使用して、光照射及び/又は
加熱によりエポキシ基の硬化能を発現するものである。
これらの有機ケイ素化合物のうち、アルコキシシリル基
及び/又はアリールオキシシリル基を有する有機ケイ素
化合物の具体例としては、トリフェニルメトキシシラ
ン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルプロポ
キシシラン、トリフェニルベンジルオキシシラン、トリ
フェニルフェノキシシラン、ジフェニルトリルメトキシ
シラン、ジフェニルトリルエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジプロポキシシラン、ジメチルフェニルメトキシ
シラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジフェノキシシラン、(o−ニトロベンジルオキシ)ト
リフェニルシラン等が挙げられる。ペルオキシシリル基
及び/又はα−ケトシリル基を有する化合物の具体例と
しては、tert−ブチルペルオキシトリフェニルシラ
ン、ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシ
ラン、1,1−ジメチルプロピルペルオキシトリフェニ
ルシラン、ジ(1,1−ジメチルプロピルペルオキシ)
ジフェニルシラン、1−メチルエチルペルオキシトリフ
ェニルシラン、ジ(1−メチルエチルペルオキシ)ジフ
ェニルシラン、tert−ブチルペルオキシメチルジフ
ェニルシラン、tert−ブチルペルオキシジメチルフ
ェニルシランが挙げられる。
【0056】α−ケトシリル基を有するものの具体例と
しては、ベンゾイルトリフェニルシラン、ベンゾイルメ
チルジフェニルシラン、ベンゾイルジメチルフェニルシ
ラン、アセチルトリフェニルシラン、プロピオニルトリ
フェニルシラン、アセチルメチルジフェニルシラン、ベ
ンゾイルトリメチルシラン、ベンゾイルメトキシジフェ
ニルシランが挙げられる。これらは1種もしくは2種以
上の混合系で使用される。この使用量は、エポキシ樹脂
100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好
ましくは1〜5重量部である。使用量が0.1重量部未
満の場合には、十分な硬化特性が得られず、10重量部
を越える場合には、コスト高や接着性が低下するなどの
問題を生じる場合がある。
【0057】また、ポリシランとしては、例えば前記一
般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシラン
が挙げられる。(但し、nは10以上の整数。Rは水素
又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール
基を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキ
ル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンな
どの元素を含んでいても良い。)上記一般式(1)で表
される繰返し単位を有するホモポリマーでもコポリマー
でもよく、他の繰返し単位とのコポリマーであっても構
わない。本発明において、このようなポリシランは光照
射又は加熱することによって、特に一方のRが水素原子
の場合ケイ素原子と水素原子との間の結合が切断された
後、大気中等の酸素や水分を取りこむことで酸化され、
シラノ−ル性水酸基を生成する。Rの一方が水素原子で
ある場合も無い場合のどちらの構造においても、主鎖の
Si−Si結合についても同様に切断され、その後酸化
されてシラノール性水酸基を生成し得る。
【0058】従って、本発明のエポキシ樹脂系組成物で
は、こうして生成したシラノール性水酸基がエポキシ樹
脂に対して高い触媒活性を示し、エポキシ樹脂を非常に
短時間、かつ充分な重合効率で硬化させることができ
る。しかも、上述したようにポリシランが酸化される際
に酸素等を取りこむことに起因してその体積が膨張する
ので、エポキシ樹脂の重合に伴う体積収縮を抑制するこ
とができる。また、ポリシランは、電気的特性等の低下
の原因となるイオン性不純物となって硬化物中に残留す
ることもないのでインクジェットヘッドの接着に有効で
ある。
【0059】更に、上記一般式(1)中のRが炭素数6
〜24の置換もしくは非置換アリール基、又は芳香族複
素環基であるポリシランが特に好ましく用いられる。こ
れは、上記一般式(1)中のRの両方が例えば水素原子
やアルキル基であると、エポキシ樹脂の硬化にあたって
生成したシラノール性水酸基が相互に反応して触媒活性
が失活されやすいのに対し、ケイ素原子に芳香環が直接
結合しているとシラノール性水酸基が安定化するので硬
化反応を充分に促進させることができる。
【0060】これらの配合量は、エポキシ樹脂100重
量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは
1〜5重量部である。0.1重量部未満の場合には、十
分な硬化特性が得られず、20重量部を越える場合に
は、接着性が低下や信頼性に劣るなどの問題を生じる場
合がある。
【0061】なお、このようなポリシランは、ナトリウ
ム触媒存在下でのRSiHCl2の還元的カップリング
反応、チタン又はジルコニウム触媒存在下でのRSiH
3の脱水素反応、電解重合等によって合成され得る。ま
たここでは、例えば還元的カップリング反応によって
R′R″SiCl2(ただしR′、R″は水素原子又は
置換もしくは非置換の炭化水素基を示す。)と共重合さ
せて、コポリマーを合成することもできる。さらに重合
度を制御する観点から、RSiHACl(ただしAは末
端基を示す。)等を適量共重合させてもよい。また、ポ
リシランの重合度は、5〜10,000さらには10〜
6,000程度であることが好ましい。この理由は、ポ
リシランの重合度が低い場合、エポキシ樹脂系組成物を
光照射によって硬化させる場合には、ポリシランが光を
吸収しにくく、硬化性が低下する。ポリシランの重合度
が高い場合、エポキシ樹脂や有機金属化合物との相溶性
が小さくなり、良好な硬化物を与え難いためである。
【0062】また、これらポリシラン等の有機ケイ素化
合物は300〜400nmに吸収を示し、水銀ランプの
輝線のうち最も強い365nmの光を有効に吸収して励
起する。励起したケイ素化合物は光励起電子移動によっ
てオニウム塩の分解を促進する。オニウム塩の分解によ
り生じた酸はエポキシ樹脂の硬化触媒として作用する。
オニウム塩等との併用により硬化促進をすることもでき
る。従って、特にスルホニウム塩と併用することで、長
波長の光を用いて厚膜でも光硬化することができる。し
かも、光硬化により得られる硬化物は機械的特性に優れ
ている。なお、本発明の樹脂組成物は光硬化後に加熱硬
化することにより、更に硬化促進をし、接着強度や硬化
特性の向上を図ることが出来、耐インク性の向上を達成
することができる。
【0063】また、加水分解によってシラノール基を生
成する化合物としてのシランカップリング剤が挙げら
れ、例えば次のようなものが挙げられる。特にウエハ等
Si部材への接着にはシランカップリング剤を使用する
ことで部材への濡れ性が向上し、接着強度が向上する。
しかし、アミノシランカップリング剤はカチオン重合を
阻害するので、硬化性が劣り、接着強度も出なくなるの
で、好ましくはない。具体的には効果的なシランカップ
リング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカッ
プリング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシランカッ
プリング剤、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン等のアクリルシランカップリング剤、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメ
チルトリメトキシシラン等の一般式RSi(OR’)3
〔式中、Rは1個又は2個以上のハロゲン原子が置換し
てもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキ
ル基を示し、R’は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖
状のアルキル基を示す。〕で表されるアルキルトリアル
コキシシラン等を挙げることができる。なお、特にこれ
らに限定されるものではない。
【0064】特にγ−グリシジルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン等のエポキシシランカップリング剤がエポキ
シ樹脂組成物に配合されるとなじみやすく、接着強度を
向上させることが出来、硬化促進をする。更により加水
分解性が高く、よりシラノール基を生成しやすいγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
を配合することが好ましく、生成したシラノール基が活
性でエポキシ樹脂とより反応しやすく、またエポキシ基
を持つためにエポキシ樹脂と相溶、反応するため良好な
硬化物を与える。更に、シラノール基がウエハ面等と結
合し、接着力を高め、良好な硬化物を与えるので特に好
ましい。耐インク性も良好となる。
【0065】これらシランカップリング剤の添加量は、
本発明のエポキシ樹脂組成物により大きく変化するが、
エポキシ樹脂組成物の合計を100重量部とした際、
0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満だ
と、濡れ性低下や硬化促進効果に劣り、接着強度が低下
する。また、10重量部を越えると、樹脂の凝集力が低
下し、接着強度や信頼性が低下する。
【0066】また、これらシランカップリグ剤と前述の
ポリシランと併用することで、更に硬化促進と濡れ性向
上や可撓性付与により接着性を向上させることができ
る。配合はそれぞれの配合量の合計がエポキシ樹脂10
0重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
0.1重量部未満だと、濡れ性低下や硬化促進効果に劣
り、接着強度、耐インク性が低下する。また、10重量
部を越えると、樹脂の凝集力が低下し、硬化性が低下
し、接着強度や信頼性、耐インク性が低下する。
【0067】本発明には無機充填剤を加えることが可能
である。具体的には、カチオン重合性を抑制する塩基性
充填剤を使用しなければ、どの無機充填剤を使用しても
構わない。塩基性充填剤を使用すると硬化不十分、ある
いは硬化性にバラツキが生じ、接着強度低下を引き起こ
す。これらの中で4%水分散液中のPHが塩基性ではな
い酸化チタン、シリカを一種又は二種以上併用して使用
されることが好ましい。例えば、シリカ(R972:P
H=4.0−5.5、A200:PH=4.0−4.5
等)、酸化チタン(P25:PH=3.5−4.5、T
805:PH=3.0〜4.0等)が挙げられる。ま
た、これら無機充填剤の粒径は小さい方が好ましく、特
に1μ以下、1次粒子が30nm以下程度のものである
ことが特に好ましい。粒径が1μ以上である場合、微細
塗布接着が困難となり、更に硬化接着時における染み出
しの防止効果が少なくなる。
【0068】無機充填剤を混合する場合、エポキシ樹脂
組成物の粘度調整が容易にでき、種々塗布粘度に対応す
ることができる。更に無機充填剤添加は硬化物の耐イン
ク性を向上させる。これら充填剤を添加する場合の添加
量は、本発明のエポキシ樹脂組成物、特に充填剤そのも
のの種類により大きく変化するが、エポキシ樹脂100
重量部に対して、100重量部以内が望ましい。更に硬
化物の耐インク性の面からもこの範囲内が好ましい。但
し、100重量部を越えると、粘度上昇でエポキシ樹脂
組成物の塗布性が損なわれる。その上、接着性が劣化す
る傾向にある。なお、充填剤の混合に当たっては、均一
分散するために三本ロール等で混練し、微細化して使用
することが望ましい。
【0069】なお、無機充填剤を使用する際にシランカ
ップリング剤及びチタンカップリング剤などを使用する
ことが望ましい。
【0070】また、本発明には高分子粒子を加えること
が可能である。例えば具体的にはポリエチレン粒子、ポ
リプロピレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒
子、架橋ポリスチレン粒子、ポリウレタン樹脂粒子、フ
ェノール樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等などが挙げられ
る。特にこれらに限定されるものではない。高分子粒子
を使用することで、硬化接着時の染み出しを防止するこ
とができ、更に硬化物に可撓性を与えることができ、接
着強度が向上する。
【0071】特に、架橋ポリアクリレート系粒子におい
てはエポキシ樹脂の硬化の際、流動性の増したエポキシ
樹脂をゲル化し、染み出し防止に寄与するだけでなく、
柔軟性を硬化物に付与することもでき、接着強度を増加
させる効果もある。エポキシ樹脂組成物の粘度調整も混
合量で任意に調整でき、塗布工程などの作業性を良好に
する。また、理由は不明だが、架橋ポリアクリレート系
粒子の添加がエポキシ樹脂の硬化を促進する効果もあ
り、混合しない場合に比べ、加熱硬化の場合、より低温
硬化接着を可能にしている。これら高分子粒子の粒径は
小さい方が好ましく、特に1μ以下であることが特に好
ましい。粒径が1μ以上である場合、微細塗布接着が困
難となり、更に硬化接着時における染み出しの防止効果
が少なくなり、接着強度も低下する。
【0072】なお、高分子粒子の混合量としては、染み
出し防止の点などからエポキシ樹脂100重量部に対し
て40重量部以下が好ましい。40重量部を越えると粘
度上昇でエポキシ樹脂組成物の塗布性が損なわれる。そ
の上、耐インク性が劣化する傾向にある。なお、充填剤
の混合に当たっては、均一分散するために三本ロール等
で混練し、微細化して使用することが望ましい。なお、
これら無機フィラーと高分子粒子は併用して用いること
によって、より効果がでる。
【0073】これらエポキシ樹脂組成物の粘度調整も混
合量で任意に調整でき、塗工、ポッティングなどの作業
性を良好にする。これら配合は各々相互に作用し、硬化
前の粘度制御や、光硬化性、熱硬化性、後熱アニール硬
化性や硬化収縮性、接着性に効果があり、各配合種のみ
では発現しにくい特性をも達成できる。
【0074】そのエポキシ樹脂組成物の硬化方法、接着
方法について、更に詳しく説明する。まず、光硬化型エ
ポキシ樹脂組成物の紫外線照射量についてであるが、エ
ポキシ樹脂組成物により変化するため、それぞれの硬化
条件によって、決定される。光硬化型エポキシ樹脂組成
物が硬化する照射量であれば良く、硬化物の接着強度が
良好である硬化条件を満たしていれば良い。しかし、こ
れらエポキシ樹脂系の光硬化では光照射のみでは完全に
硬化することが難しく、光照射後に加熱により完全に反
応を終了させる必要がある。完全に硬化はせずとも接着
強度はある程度出るが、完全に硬化しないと強度的には
弱いものである。また、完全硬化でないと未反応物質が
場合によっては溶出してくる可能性があり、好ましくな
い。そこで、光照射後に加熱処理し、完全に硬化を終了
させることが好ましい。
【0075】後熱アニールは通常のエポキシ樹脂組成物
の硬化温度域で良い。例えば常温〜150℃で30分−
7日間の範囲が好適である。光硬化型エポキシ樹脂組成
物の配合により変化するが、特に高温であればあるほど
光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の熱処理で効
果がある。また、低温であればあるほど長時間の熱処理
を要する。このような熱アフターキュアすることで、水
分や被着有機物をエージング処理になるという効果も出
る。なお、この場合ポットライフは光カチオン重合開始
剤を配合しており、光照射がなければ、重合は開始しに
くく、長く、作業性が良い。
【0076】同様に熱硬化型エポキシ樹脂組成物の場合
であるが、通常のエポキシ樹脂組成物の硬化温度域で良
い。例えば常温〜150℃で30分等が挙げられる。イ
ンクジェットヘッド部材間の線膨張率差を大きくしない
温度域であることが好ましい。温度が高い場合、異種部
材間接着である場合、応力で剥離あるいは歪んでしまう
可能性が高い。
【0077】また、特にインクジェットヘッド貼り合わ
せ光接着する際には光があたらず、硬化反応が進まな
い。インクジェットヘッド部材が紫外線透過性部材で構
成されている場合、そのまま照射することで対応でき、
硬化が促進し、有効である。光透過性のない部材を光接
着する場合は、塗布面に硬化膜が発生しないような光照
射量を照射し、光カチオン重合を開始させた後、貼り合
わせを行う。塗布されたエポキシ樹脂組成物中のエポキ
シ基残存率(IRスペクトル分析等により定量した処方
エポキシ基に対する、照射後のエポキシ基の残存率)が
50〜95%、好ましくは60〜90%の範囲になるよ
うに照射する。また、エポキシ基残存率が95%を越え
る場合、硬化不充分となり、残存率が50%未満の場
合、塗布面で硬化膜が形成され、接着性が悪くなる。次
いでインクジェットヘッド部材の紫外線照射面両面又は
片面の塗布面と塗布照射してない部材の表面とを貼り合
わせる。その後の熱アニールは通常のエポキシ樹脂組成
物の硬化温度域で良い。例えば常温〜130℃で30分
〜7日間、好ましくは室温〜120℃で60分〜2日間
の範囲が好適である。
【0078】また、異種部材接着、例えばノズルプレー
トがNi電鋳により形成されたものの場合、Si基板と
の加熱接着の際に各部材の線膨張係数が異なるため硬化
温度を高くすると反りが発生してしまい、内部応力によ
りアクチュエータを破壊してしまう可能性があり、硬化
接着温度は低い方が好ましく、その点でこれら硬化接着
は有効で、線膨張係数の異なる異種部材接着において
も、後熱アニールが高温でも反りの発生が抑制され、問
題はない。なお、後熱アニール時間は硬化温度とエポキ
シ樹脂組成物により変化するが、その組成物の標準硬化
温度・時間であることが好ましい。このような後熱アニ
ールすることで、水分や被着有機物をエージングし、イ
ンク注入前のプレ処理になるという効果も出る。
【0079】本発明の光カチオン開始剤配合エポキシ樹
脂組成物の場合は光照射後に熱アニール処理することが
でき、完全に反応を終了させることができるので、接着
強度も高く、未反応物が耐インク性に対して悪影響を及
ぼすこともない。
【0080】なお、これら硬化接着の際に各部材の接着
圧はエポキシ樹脂組成物の粘度によって変動はあるが、
0.5〜10kgf/cm2であることが、好ましい。
0.5kgf/cm2より小さい圧力で加圧接着する
と、接着層厚を制御することが困難となり、接着ムラを
引き起こし、接着強度の低下につながる。また、10k
gf/cm2を越えると、エポキシ樹脂組成物が加熱硬
化接着の際に流動し、接着面より流れでてしまい、各部
材間にエポキシ樹脂組成物がほとんど残らないため、接
着強度が低下する、更にはインク流路に接している部位
ではインクの滲み出しが起こる可能性もあり、好ましく
ない。
【0081】また、これらエポキシ樹脂組成物の塗布方
法について述べると、各部位、部材によって異なるが、
一般に使用される均一塗布方法であれば良く、例えばス
クリーン印刷法、スピンコート法、転写法、ディスペン
サー方式などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これら方法にあわせた粘度調整を本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は行うことができ、有効である。例え
ば、ポッティング接着をするために、ディスペンサー方
式で使用する場合は高粘度が要求されるが、固形ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂の配合比を増加することで達成
できる。
【0082】更にエポキシ樹脂組成物塗布膜厚は各部材
の接着及びインクジェットヘッドの性能に影響を及ぼさ
ない範囲であれば良く、例えば静電方式インクジェット
ヘッドのノズルプレートと液室の接着の場合、エポキシ
樹脂組成物の染み出しが噴射特性に影響を与える為、塗
布膜厚を1μm前後にする必要がある。なお、液室上面
に塗布する方法は、転写法により塗布膜厚をコントロー
ルする。ローラーにドクターブレードでエポキシ樹脂組
成物を薄膜化し、転写パッドによりローラーからエポキ
シ樹脂組成物を転写し、更に転写パッドから液室上面に
エポキシ樹脂組成物を転写する方法により行う。
【0083】次に、ノズルプレートがNi電鋳やSUS
で形成されたものであり、加熱/後熱アニール硬化接着
する場合、線膨張係数の違いにより反りを発生し、内部
応力によりアクチュエータを破壊してしまう可能性があ
る。そこで、ノズルプレートの線膨張係数を同等とした
部材を使用することで、反りの発生を押さえ、更に硬化
温度をフレキシブルにすることができ、つまり硬化温度
を上昇させることが可能となり、更に耐インク性、接着
強度を向上させるこが可能となる。具体的にはNi−鉄
合金を使用することで可能となる。特にSi基板と線膨
張係数を同等にするNi含有率は30〜50%で、特に
好ましくは32〜40%が好ましい。なお、この範囲以
外では線膨張係数はNi単独と同等であり、Ni−鉄合
金を使用する意味がない。エポキシ樹脂組成物のポット
ライフの向上、作業性向上し、コストダウン等へ寄与す
ることができる。
【0084】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、バ
ブルジェット方式,ピエゾアクチュエータ方式、静電方
式の各方式があるが、どの方式にも使用可能であり、イ
ンクジェットヘッド製造における、各々部材接着に使用
できる。特にインクに接する部材の接着において効果が
ある。
【0085】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
るインクジェットヘッド製造法を説明する。ここでは、
エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジェット
ヘッド製造方法について説明するが、当然この方式に限
定されるものではない。
【0086】Si基板を用意し、その上に電極部及びギ
ャップ部を形成する。次に別のSi基板を用意し、前記
電極部及びギャップ部を形成したSi基板とSi基板を
直接接合により接合を行い、100μmの厚さになるま
で研磨を行う。この際にSi/Si直接接合以外に本発
明によるエポキシ樹脂組成物を使用して硬化接着する場
合もある。次に電極基板及びSi基板にエッチングマス
クとなる窒化膜をデポし、裏面流路部、液室部をウェッ
トエッチングにより形成する。次にウエハーから各チッ
プにダイシングにより切断する。その後、電極取り出し
部をドライエッチングにて開口を行う。その後、露出し
た個別電極とをFPCケーブル異方性導電膜によって電
気的な接続を行う。ケーブルにはドライバICがワイヤ
ーボンドによって搭載されている。次にノズルプレート
とアクチュエータを接着する為に、シリコン液室の上面
にエポキシ樹脂組成物を塗布する。その後、塗布面に硬
化膜が発生しないような光照射量を照射し、光カチオン
重合を開始させ、塗布面に粘着物を与える。その後、N
i電鋳により形成されたノズルプレートと、エポキシ樹
脂組成物が塗布・紫外線照射された静電アクチュエータ
を位置合わせし、貼り合わせ、加圧を行い、後熱アニー
ルで加熱硬化させ、静電方式インクジェットヘッドを作
製する。また、熱カチオン重合の場合も上記と同様に、
ノズルプレートとアクチュエータを接着する為に、シリ
コン液室の上面にエポキシ樹脂組成物を塗布する。その
後、Ni電鋳により形成されたノズルプレートと、エポ
キシ樹脂組成物が塗布された静電アクチュエータを位置
合わせし、貼り合わせ、加圧1次熱硬化を行い、後熱ア
ニールで加熱硬化させ、静電方式インクジェットヘッド
を作製する。
【0087】
【実施例】以下にインクジェットヘッド製造用エポキシ
樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法について
製造例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明す
る。以下において、「部」と「%」は重量基準である。
なお、得られたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
脂組成物は以下のような試験で評価した。 (エポキシ樹脂組成物評価方法)なお、接着条件等は各
実施例、比較例に記載した。 (i)接着性:剥離強度試験、引っ張り強度試験で行っ
た。 剥離試験:Ni板/Siウエハをエポキシ樹脂組成物に
より接着し、20mm/minの速度で剥離強度を測定
した。 ○:200gf/cm以上、△:100〜200gf/
cm、×:100gf/cm以下とした。 引っ張り強度試験:Ni/Siを接着(接着面積:1c
2)後、SUSブロック(10mm*10mm*30
mm)に接合し、50mm/minの速度で引っ張り強
度を測定した。 ○:50kgf/cm2以上、△:10〜50kgfc
2、×:10kgf/cm2以下とした。 (ii)接着信頼性:剥離強度試験、引っ張り強度試験 硬化接着後、サンプルを耐インク試験(インク浸漬、5
0℃、40h、超音波)を実施後、剥離試験及び引っ張
り強度試験を行った。 剥離試験:100gf/cm2以上、及び引っ張り強度
試験:10kgf/cm2以上のものを○とした。 (iii)耐インク性 エポキシ樹脂組成物の硬化物を、市販のインクジェット
用インクに浸漬し(50℃、40h、超音波)、膨潤率
が5%以下であるものを○とし、それ以上のものは×と
した。 (iv)塗布性:連続塗布が可能で、塗布膜が均一である
ものを○とした。 (v)染みだし:硬化接着後、染みだしのないものを○
とした。 (vi)硬化収縮率(%):電子比重計にて、硬化前後の
エポキシ樹脂組成物の比重を測定し、(固体比重/液体
比重−1)×100から算出し、硬化収縮率が5%未満
のものを○、5%以上〜8%未満のものを△、10%を
超えるものを×とした。 (以下は熱硬化型エポキシ樹脂組成物評価方法) (vii)1次硬化温度:130℃以下のものを○とした。 (以下は光硬化型エポキシ樹脂組成物評価方法) (viii)硬化性:ガラス板上に塗布し、高圧水銀灯にて1
J/cm2照射し、目視評価で硬化したものを○、表面
のみ硬化したもの、又は表面にべとつきのあるものを
△、全く硬化しなかったものを×とした。
【0088】(インクジェットヘッド製造例)ここで
は、エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジェ
ットヘッド製造方法について説明するが、これに限定さ
れるものではない。図1及び図2は静電方式インクジェ
ットヘッドの平面図を示している。まず図1の(a)に
示すようにP型(100)Si基板201を用意し、そ
の上に電極部202及びギャップ部203を形成する。
次に図1の(b)に示すようにボロンを注入した(11
0)Si基板204を用意し、前記電極部及びギャップ
部を形成したP型(100)Si基板とボロンを注入し
た(110)Si基板204を直接接合により接合を行
い、100μmの厚さになるまで研磨を行う。次に電極
基板201及びSi基板にエッチングマスクとなる窒化
膜をデポし、図1の(c)に示すように裏面流路部20
5、液室部206をウェットエッチングにより形成す
る。次にウエハから各チップにダイシングにより切断す
る。その後図1の(d)に示すように電極取り出し部2
09をドライエッチングにて開口を行う。その後図2の
(e)に示すように露出した個別電極と210とをFP
Cケーブル異方性導電膜によって電気的な接続を行う。
ケーブルにはドライバICがワイヤーボンドによって搭
載されている。次にノズルプレートとアクチュエータを
接合する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成
物を塗布する。また、振動板のギャップ(振動室の入り
口)を封止する為に、エポキシ樹脂組成物を塗布する。
【0089】その後図2の(f)に示すようにNi電鋳
により形成されたノズルプレート212と、エポキシ樹
脂組成物が塗布された静電アクチュエータを位置合わせ
し、加圧を行い加熱硬化させる。光カチオン重合系の場
合は塗布面に硬化膜が発生しないような光照射量を照射
し、光カチオン重合を開始させ、塗布面に粘着物を与え
る。その後、Ni電鋳により形成されたノズルプレート
と、エポキシ樹脂組成物が塗布・紫外線照射された静電
アクチュエータを位置合わせし、貼り合わせ、加圧を行
い、後熱アニールで加熱硬化させる。
【0090】図3及び図4はアクチュエータ部の断面図
を示している。また、図5は静電方式インクジェットヘ
ッドの斜視図を示している。図3の(a)に示すように
P型(100)Si基板301(厚さ625μm)を用
意し、2μmの厚さに酸化膜302をウェット酸化によ
り形成した。酸化条件は1050℃、18.5hであ
る。次に図3の(b)に示すようにグラデーションマス
クを用いてレジストのパターニングを行い、ドライエッ
チング及びウェットエッチングにより酸化膜のパターニ
ングを行った。グラデーションマスクを使用して、電極
形状を形成することにより非平行のギャップを形成する
ことができ、低電圧化に有利な電極形状を形成すること
が可能となる。次に図3の(c)に示すように電極とな
るTiN303を200nmの厚さにスパッタ法で形成
した。その後TiNを個別電極用にエッチングにより分
離を行い、その後電極保護膜としてシリコン酸化膜30
4を150nmの厚さに形成した。次に電極部以外の前
記シリコン酸化膜及びTiNを各々ドライエッチング、
ウェットエッチングにより除去した。その後図3の
(d)に示すようにボロンを注入した厚さ400μmの
(110)Si基板305を直接接合により900〜1
000℃で接合を行い、その後100μmの厚さになる
まで研磨を行った。次に電極基板301及びSi基板3
05に窒化膜を積層、パターニングをして図3の(e)
に示すように電極基板301に裏面流路306をウェッ
トエッチングにより形成した。その後図4の(f)に示
すように液室部307をウェットエッチングにより形成
した。その後、ボロン注入Si及びシリコン酸化膜をエ
ッチングして裏面流路の開口を行った。つづいて、液室
の共通電極部をメタルマスクを介してアルミをデポする
ことにより形成した。ここでダイシングによりチップ単
位に切断し、その後図4の(g)に示すように電極取り
出し部308をドライエッチングにて開口を行った。更
に電極取り出し領域のTiN上のシリコン酸化膜をドラ
イエッチングにより除去した。上記のように静電方式イ
ンクジェットヘッドのアクチュエータ部の作製を行っ
た。
【0091】次に上記のように形成した静電アクチュエ
ータ401とFPCケーブル402を異方性導電膜によ
って電気的な接続を行った。FPCケーブルにはドライ
バIC403がワイヤーボンドによって搭載されてい
る。そして、ノズルプレート404とアクチュエータを
接着する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成
物を塗布した。
【0092】また、振動板のギャップ(振動室の入り
口)を封止する為に、市販の常温硬化型エポキシ樹脂組
成物を塗布した。なお、振動室内部に湿気が入り込むと
振動板が変位しなくなってしまうが、エポキシ樹脂組成
物を使用すれば、耐湿気も良好となる。
【0093】また、ノズルプレートとシリコン液室の位
置決めする為に、エポキシ樹脂組成物をシリコン液室の
エポキシ樹脂組成物塗布領域405にディスペンサーに
より塗布した。そして、Ni電鋳により形成されたノズ
ルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布された静電ア
クチュエータを位置合わせし、エポキシ樹脂組成物加圧
接着を行い、後熱アニールにより完全硬化接着をした。
【0094】また、インク供給タンク又はインクカート
リッジからインクを供給する為のジョイント部406
と、フィルター407が熱溶着されたフレーム408を
接着した。フレームにアクチュエータとノズルプレート
を接着する為に市販の常温硬化型エポキシ樹脂組成物を
塗布し、アクチュエータの位置合わせをして接着を行っ
た。
【0095】上記構成により、個別電極にパルス電圧を
印加する事により、振動板が静電気力によって電極側に
変形して、インクが共通液室から流体抵抗部を通り、圧
力発生室に流入し、圧力発生室の体積が増加する。ここ
で、パルス電圧が解除される事で静電気力が無くなり、
振動板がもとの状態に戻る。この振動板の弾性力によっ
て圧力発生室の圧力が上昇し、ノズル孔からインクが噴
射される。
【0096】 実施例1 脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、セロキサイド2021) 34重量部 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、 エピコート806L) 66重量部 光カチオン開始剤 (旭電化製、SP−170) 5重量部 有機ケイ素化合物:ベンゾイルメチルジフェニルシラン 3重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 3重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。こ
れを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2
照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬
化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2
接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを
作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm
2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使
用した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、
評価した結果を表1に示した。
【0097】
【表1】
【0098】比較例1 実施例1のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ベンゾ
イルメチルジフェニルシランを混合せず、エポキシ樹脂
を脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、セロキサイ
ド2021)100重量部のみとした以外は同様にエポ
キシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化
条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対し
て、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示し
た。
【0099】 実施例2 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 34重量部 脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 10重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410) 56重量部 光カチオン開始剤: (旭電化製、SP−170) 5重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 3重量部 有機ケイ素化合物:ポリシラン(下記化合物)平均分子量3000 2重量部
【0100】
【化2】
【0101】上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成
物を得た。これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200
mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わ
せ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5k
gf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試
験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプル
は12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬
化したものを使用した。このサンプルに対して、前記評
価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0102】比較例2 実施例2のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ポリシ
ラン及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、
KRM2410)を混合しない以外(セロキサイド30
00/セロキサイド2081=34/10比で100重
量部)は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を
塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。こ
のサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結
果を表1に示した。
【0103】 実施例3 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 30重量部 脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 20重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ、YL980) 50重量部 光カチオン開始剤:(旭電化製、SP−172) 5重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 4重量部 有機ケイ素化合物:ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシラン 5重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。こ
れを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2
照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬
化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2
接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを
作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm
2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使
用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従
い、評価した結果を表1に示した。
【0104】比較例3 実施例3のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ジ−
(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシラン及び
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ、YL980)を混合しない(セロキサイド3000
/セロキサイド2081=30/20比で100重量
部)以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物
を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。
このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した
結果を表1に示した。
【0105】 実施例4 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 34重量部 脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 10重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410) 66重量部 光カチオン開始剤:(旭電化製、SP−170) 5重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 3重量部 有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト キシシラン 3重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。こ
れを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2
照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬
化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2
接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを
作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm
2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使
用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従
い、評価した結果を表1に示した。
【0106】比較例4 実施例4のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン及びビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410)及
び脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセン
オキサイド(ダイセル化学社製、セロキサイド300
0)を混合せず、脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−
エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート(ダイセ
ル化学社製、セロキサイド2081)100重量部のみ
とした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成
物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製し
た。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価
した結果を表1に示した。
【0107】 実施例5 脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、 セロキサイド2021) 30重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ社製、YL980) 70重量部 熱カチオン開始剤(日本エアープロダクツ社製、 アンカー1170) 5重量部 有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:β−(3,4−エポキシシクロヘキ シル)エチルトリメトキシシラン 2重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 15重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0108】これを用い、Ni板とSiウエハを重ね合
わせ、硬化条件:80℃4時間、加圧1.5kgf/c
2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サン
プルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは150
℃加熱で完全硬化したものを使用した。このサンプルに
対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示
した。
【0109】比較例5 実施例5のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランを混合せず、エポキシ樹脂はビスフェノール型
エポキシ樹脂:100重量部のみとし、熱カチオン開始
剤のかわりに固形硬化剤ジシアンジアミド(旭電化社
製:アデカハードナーEH−3636AS)8重量部を
使用する以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組
成物を塗布後、実施例5と同様の硬化条件で硬化サンプ
ルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に
従い、評価した結果を表1に示した。
【0110】 実施例6 脂環式可撓性エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、 セロキサイド2081) 30重量部 可撓性エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、YX310) 70重量部 熱カチオン開始剤(日本エアープロダクツ社製、 アンカー1170) 5重量部 有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト キシシラン 3重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 10重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。こ
れを用い、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、硬化条
件:80℃4時間、加圧2kgf/cm2で接着強度試
験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。
なお、硬化収縮率用サンプルは150℃加熱で完全硬化
したものを使用した。このサンプルに対して、前記評価
方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0111】比較例6 実施例6のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランを混合せず、エポキシ樹脂は脂環式エポキシ樹
脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド100重
量部のみとし、熱カチオン開始剤のかわりに固形硬化剤
ポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナ
ーEH−4070S)38重量部を使用する以外は同様
にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、実施
例6と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。この
サンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果
を表1に示した。
【0112】 実施例7 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 30重量部 脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 20重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ、 YL980) 50重量部 有機金属化合物:トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム 2重量部 有機ケイ素化合物:(o−ニトロベンジルオキシ)トリフェニルシラン 4重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 10重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。こ
れを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2
照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬
化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2
接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを
作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm
2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使
用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従
い、評価した結果を表1に示した。
【0113】比較例7 実施例7のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:(o−
ニトロベンジルオキシ)トリフェニルシランを混合しな
いで、有機金属化合物:トリス(アセチルアセトナト)
アルミニウムのみ使用した以外は同様にエポキシ樹脂組
成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化
サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価
方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0114】 実施例8 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 30重量部 脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 10重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ、エピコート828) 40重量部 固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2510) 20重量部 ポリオール(UCC社製、TONE301) 20重量部 光カチオン開始剤:芳香族スルホニウム塩系重合開始剤(旭電化製、SP−17 0) 5重量部 有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト キシシラン 5重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 5重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0115】これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて20
0mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わ
せ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5k
gf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試
験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプル
は12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬
化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記
評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0116】比較例8 実施例8のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン及びポリオール
(UCC社製、TONE301)及び脂環式エポキシ樹
脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド(ダイセ
ル化学社製、セロキサイド3000)及び脂環式エポキ
シ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレ
ン)アジペート(ダイセル化学社製、セロキサイド20
81)を混合しない(油化シェルエポキシ、エピコート
828/旭電化製、KRM2510=40/20)10
0重量部のみとした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を
作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプ
ルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に
従い、評価した結果を表1に示した。
【0117】 実施例9 脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド (ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 50重量部 可撓性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ:YX310) 50重量部 光カチオン開始剤:芳香族スルホニウム塩系重合開始剤(旭電化製、SP−17 0) 5重量部 イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 5重量部 有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト キシシラン 5重量部 上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0118】これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて20
0mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わ
せ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5k
gf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試
験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプル
は12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬
化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記
評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0119】比較例9 実施例9のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:シラン
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを混合せず、脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビ
ニルシクロヘキセンオキサイド(ダイセル化学社製、セ
ロキサイド3000)100重量部のみとした以外は同
様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同
様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプル
に対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に
示した。
【0120】実施例10 1次硬化接着後、アフターキュア硬化の例である。実施
例5のエポキシ樹脂組成物を60℃で1時間硬化した
後、100℃2hでアフターキュアする以外は実施例1
0と同様にサンプルを作製した。このサンプルに対し
て、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示し
た。また、インクジェットヘッド製造例に従って、イン
クジェットヘッドを作製したところ、ノズル孔からイン
クが噴射され、インクジェットヘッドの歪みがないこと
が得られた。
【0121】比較例10 比較例5のエポキシ樹脂組成物を180℃で1時間硬化
する以外は実施例10と同様にサンプルを作製した。こ
のサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結
果を表1に示した。また、インクジェットヘッド製造例
に従って、インクジェットヘッドを作製したところ、イ
ンクジェットヘッドの歪みが確認された。
【0122】実施例11 Ni−鉄合金ノズルプレート接着の例である。Ni−鉄
合金ノズルプレート(Ni含有率38%)を使用し、実
施例6のエポキシ樹脂組成物を使用し、150℃2時間
硬化接着を行った。このサンプルに対して、前記評価方
法に従い、評価した結果を表1に示した。また、インク
ジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッド
を作製したところ、ノズル孔からインクが噴射され、イ
ンクジェットヘッドの歪みがないことが得られた。
【0123】比較例11 Ni−鉄合金ノズルプレート(Ni含有率38%)を使
用する代わりに、Niノズルプレートを使用し、比較例
6のエポキシ樹脂組成物を使用し、150℃2時間硬化
接着を行った。また、インクジェットヘッド製造例に従
って、インクジェットヘッドを作製したところ、インク
ジェットヘッドの歪みが確認された。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、インクジェットヘ
ッドのインク流路部と液室部を構成する部材を接着する
接着剤の耐インク性、特に耐アルカリ性と、長期浸漬後
の部材間の密着性を改善し、剥離強度が高く、低硬化収
縮性であり、作業性良好なインクジェットヘッド製造用
エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法
を提供することができる。
【0125】請求項1によれば、エポキシ樹脂として脂
環式エポキシ樹脂及び/又はビスフェノール型エポキシ
樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱
カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を
少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/
又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生
成する化合物であることを特徴とするインクジェットヘ
ッド製造用エポキシ樹脂組成物により、硬化性、反応性
を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジ
ェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供すること
ができる。
【0126】請求項2によれば、請求項1記載のシラノ
ール基を生成するケイ素化合物が前記一般式(1)で表
される繰り返し単位を有するポリシランであることを特
徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成
物により、硬化性、反応性を向上させ、接着強度が高い
インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供
することができる。特に、これらポリシランが酸化され
る際に酸素等を取り込み、その体積が膨張するため、硬
化に伴う収縮率を特に低減させることが出来、インクジ
ェットヘッドの部材歪みによる剥がれを低減するインク
ジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とができる。一般式のnは10以上の整数。Rは水素又
は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール基
を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキル
基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなど
の元素を含んでいても良い。
【0127】請求項3によれば、請求項1記載のシラノ
ール基を生成するケイ素化合物がペルオキシシリル基及
び/又はα−ケトシリル基を有するケイ素化合物である
ことを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ
樹脂組成物により、硬化性、反応性を向上させ、低硬化
収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用
エポキシ樹脂組成物を提供することができる。特に、こ
のペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有
するケイ素化合物を用いると光照射によるシラノール基
の生成が高く、より硬化性を向上させ、耐インク性を向
上させるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成
物を提供することができる。
【0128】請求項4によれば、前記有機ケイ素化合物
がシランカップリング剤であり、該シランカップリング
剤がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランある
いはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランであることにより、硬化性、反応性を
向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェ
ットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することが
できる。特に、シラノール基による硬化性向上、特にウ
エハ部材等に対する接着性を向上させる光硬化型エポキ
シ樹脂組成物を提供することが出きる。また、この化合
物の場合、硬化物とのなじみが良く、接着強度を高く
し、耐インク性を向上させることができるインクジェッ
トヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することがで
きる。
【0129】請求項5によれば、前記光カチオン重合開
始剤がスルホニウム塩及び/又は熱カチオン重合開始剤
が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることにより、硬化
性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高
いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提
供することができる。また、光カチオン重合開始剤がス
ルホニウム塩であることで、特に300nmより長波長
域にも紫外線吸収特性を有することから、紫外線硬化性
に優れ、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、
接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
脂組成物を提供することができる。また、熱カチオン重
合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることで、
特に低温硬化を可能としたインクジェットヘッド製造用
エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0130】請求項6によれば、エポキシ樹脂として少
なくとも硬化物に可撓性を与える可撓性エポキシ樹脂を
含有し、可撓性エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポ
キシ樹脂にエーテルエラストマー添加ビスフェノールA
型エポキシ樹脂及び/又は液状ウレタン樹脂添加ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂及び/又は脂環式エポキシ樹
脂であることにより、特に硬化性、反応性を向上させ、
接着強度、剥離強度が高く、低硬化収縮性であるインク
ジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とができる。
【0131】請求項7によれば、カチオン重合開始剤が
シラノール基を生成するケイ素化合物と有機金属化合物
の複合触媒であることにより、特にインクジェットヘッ
ド部材の金属等の腐食性を抑制し、硬化性、反応性の良
好な、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェット
ヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができ
る。特に、有機金属化合物がアルミニウム化合物である
ことで、ヘッド部材である金属等の腐食性を抑制し、硬
化性、反応性の良好な、低硬化収縮性で、接着強度が高
いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提
供することができる。
【0132】請求項8によれば、前記エポキシ樹脂組成
物にポリオール化合物を添加することにより、硬化速度
の調整や可撓性が高くなることにより接着強度、剥離強
度を向上させることができるインクジェットヘッド製造
用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0133】請求項9によれば、前記エポキシ樹脂組成
物にイオン捕捉剤を少なくとも含有することにより、硬
化物中のイオン性物質を抑制でき、金属等の腐食抑制効
果のあるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成
物を提供することができる。
【0134】請求項10によれば、前記エポキシ樹脂組
成物に無機充填剤を添加することを特徴とすることによ
り、エポキシ樹脂組成物の粘度調整が容易にでき、種々
塗布粘度に対応することができ、更に無機充填剤添加に
より硬化物の耐インク性を向上させるインクジェットヘ
ッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができ
る。
【0135】請求項11によれば、前記エポキシ樹脂組
成物に高分子粒子を添加することを特徴とすることによ
り、硬化接着時の染み出しを防止することができ、更に
硬化物に可撓性を与えることができ、接着強度が向上す
るインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提
供することができる。
【0136】請求項12によれば、エポキシ樹脂組成物
を1次硬化後、更にアフターキュアすることにより、硬
化性を向上させ、耐インク性向上させ、より剥離強度向
上させるインクジェットヘッド製造方法を提供すること
ができる。
【0137】請求項13によれば、Ni−鉄系合金使用
ノズルプレートを使用することにより、インクジェット
ヘッドの歪みが小さく、インクジェットヘッド本体にか
かる応力を小さくさせるインクジェットヘッド製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電方式インクジェットヘッドの平面
図である。
【図2】本発明の静電方式インクジェットヘッドの平面
図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッドのアクチュエー
タ部の断面図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドのアクチュエー
タ部の断面図である。
【図5】本発明の静電方式インクジェットヘッドの斜視
図である。
【符号の説明】
201 P型(110)Si基板 202 電極部 203 ギャップ部 204 ボロン注入(110)Si基板 205 裏面流路部 206 液室部 209 電極取り出し部 210 個別電極 212 ノズルプレート 301 P型(110)Si基板 302 酸化膜 303 TiN電極 305 ボロン注入(110)Si基板 307 液室部 308 電極取り出し部 401 静電アクチュエータ 402 FPCケーブル 403 ドライバーIC 404 ノズルプレート 405 エポキシ樹脂組成物塗布領域 406 ジョイント部 407 フィルター 408 フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/16 C08L 101/00 101/00 B41J 3/04 103H Fターム(参考) 2C057 AF70 AP25 AP32 AP33 AP51 AQ06 4J002 BB035 BB125 BC035 BG065 CC005 CD005 CD021 CD051 CF004 CG004 CH023 CK023 CK025 CL004 CP212 DE139 DJ019 DK006 EB106 EV296 EX027 EX037 EX077 FA085 FD019 FD146 FD207 FD208 GT00 4J036 AD08 AF06 AG00 AH00 AJ08 CD04 CD09 CD12 CD15 CD22 FA03 FA05 FA13 FB01 FB02 FB03 FB07 FB10 FB11 FB12 FB13 FB16 GA03 GA07 GA22 GA28 GA29 HA00 HA02 JA15 KA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂
    及び/又はビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤とし
    て光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始
    剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有
    し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/
    又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物で
    あることすることを特徴とするインクジェットヘッド製
    造用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシラノール基を生成する
    ケイ素化合物が下記一般式(1)で表される繰り返し単
    位を有するポリシランであることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (但し、nは10以上の整数。Rは水素又は置換もしく
    は非置換のアルキル基もしくはアリール基を示し、同一
    でも異なっていても良い。また、アルキル基又はアリー
    ル基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなどの元素を含ん
    でいても良い。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシラノール基を生成する
    ケイ素化合物がペルオキシシリル基及び/又はα−ケト
    シリル基を有するケイ素化合物であることを特徴とする
    インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の有機ケイ素化合物がシラ
    ンカップリング剤であり、該シランカップリング剤がγ
    −グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはβ
    −(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
    キシシランであることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド製造用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光カチオン重合開始剤が
    スルホニウム塩及び/又は熱カチオン重合開始剤が三フ
    ッ化ホウ素−アミン錯体であることを特徴とする請求項
    1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド
    製造用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のエポキシ樹脂として少な
    くとも硬化物に可撓性を与える可撓性エポキシ樹脂を含
    有し、可撓性エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキ
    シ樹脂にエーテルエラストマー添加ビスフェノールA型
    エポキシ樹脂及び/又は液状ウレタン樹脂添加ビスフェ
    ノールA型エポキシ樹脂及び/又は脂環式エポキシ樹脂
    であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のカチオン重合開始剤がシ
    ラノール基を生成するケイ素化合物と有機金属化合物の
    複合触媒であることを特徴とする請求項1から6のいず
    れか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記エポキシ樹脂組成物にポリオール化
    合物を添加することを特徴とする請求項1から7のいず
    れか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記エポキシ樹脂組成物にイオン捕捉剤
    を少なくとも含有することを特徴とする請求項1から8
    のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記エポキシ樹脂組成物に無機充填剤
    を添加することを特徴とする請求項1から9のいずれか
    1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂
    組成物。
  11. 【請求項11】 前記エポキシ樹脂組成物に高分子粒子
    を添加することを特徴とする請求項1から10のいずれ
    か1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹
    脂組成物。
  12. 【請求項12】 前記エポキシ樹脂組成物の1次硬化接
    着後、更にアフターキュアすることを特徴とする請求項
    1から11のいずれか1項に記載のインクジェットヘッ
    ド製造用エポキシ樹脂組成物を用いたインクジェットヘ
    ッド製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1から12のいずれか1項に記
    載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を
    用い、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートとヘッド本体
    と接着することを特徴とするインクジェットヘッド製造
    方法。
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