JP3986000B2 - インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非接触にて記録材を直接記録紙上に記録することができる点、また、プロセスが非常にシンプルである点など、多くの特徴を有する。さらに、インクジェット記録方式は、カラー記録方式としても非常に注目されている。このようなインクジェット記録方式にも各種の方式が提案されてきたが、急速に商品化が進んでいるのは、Drop On Demand(以下DODと称する)方式である。
【0003】
このDOD方式は、記録信号が入力された時のみインクを吐出する方法であり、最も構成がシンプルである。そして、DOD方式の中にも、バブルジェット方式とピエゾアクチュエータ方式の二つの方式がある。
【0004】
前者バブルジェット方式の提案は、特公昭61−59913号公報などでなされている。この方式は、熱エネルギーにより発生するバブルを利用するものであり、アクチュエータに相当するヒーターがインク流路の中にある。すなわち、インクを直接瞬間加熱することでヒーター表面にバブルを発生させ、このときの流路内のインク圧力上昇により滴化インクを飛翔させる方式である。
【0005】
もう一方のインクジェット記録方式であるピエゾアクチュエータ方式の提案は、特公昭60−8953号公報等でなされている。この方式は、前記のバブルジェット方式の構成に対し、アクチュエータであるピエゾ素子がインク流路の外に設けられている点を特徴としている。このピエゾ素子方式の動作概要は、加圧液室の壁面の一部が変形可能な構造を有し、該壁面の外側に設けたピエゾ素子が印加電圧によって変位することにより加圧液室内のインクに圧力を与え、ノズルを通して該インクを噴射するものである。この時の圧力上昇は、パルス的な上昇によって行われ、インク噴射後は、ピエゾ素子の変位を元の位置に戻すことで、インクタンク側から前記加圧室内にインクが補給される。この方式の特徴は、ピエゾ素子が直接インクに接しないため、該ピエゾ素子の部材選定に対インク適性の制約を受けず、また、ピエゾ素子の効率的な設計を実施することにより、該ピエゾ素子の発熱を抑えることができ、使用するインクについても耐熱性の制約が無い等の利点を有することである。
【0006】
また、半導体の微細加工技術を用いて形成された微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源として静電気力を利用したものが知られている。例えば静電気力を利用してインク液滴の吐出を行う静電インクジェットヘッドが特開平5−50601号公報、同6−71882号公報に開示されている。この形式のインクジェットヘッドは、ノズルに連通しているインク流路の底面が弾性変形可能な振動板として形成され、前記振動板には、一定の間隔で基板が対向配置され、これら振動板及び基板にそれぞれ対向電極が配置された構成となっている。対向電極の間に電圧を印加すると、それらの間に発生する静電気力によって、振動板は基板の側に静電吸引されて振動する。この振動板の振動によって発生するインク流路の内圧変動によって、ノズルからインク液滴が吐出される。
【0007】
このようなインクジェット記録方式を用いるインクジェットヘッドにおいて、前記バブルジェット方式,ピエゾアクチュエータ方式、静電方式を問わず、インクの通る流路部,液室部は、常に弱アルカリ性であるインクに浸漬された状態になるため、これらを構成する材料同士、材料自体の部材間及び該材料と基板との接合における信頼性が極めて重要である。従って、このような流路部、液室部を接着する材料には、まず、前記のような耐インク性を有していることが要求され、更に接着強度、作業性なども要求される。
【0008】
これまで、これら部材を接着する方法は各々のインクジェットヘッドに対応した方法が種々検討されてきている。実際にドライフィルムや感光性接着剤など熱可塑性樹脂によって熱圧着させていたり(特開平7−314675号公報等)や溶媒希釈型接着剤を塗布後、溶媒揮発させて高粘度接着剤とし、接着させていたり(特開平7−314697号公報等)や主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤を別々に部材(被着体)に塗布し、張り合わせ硬化後、溶剤洗浄させたり(特開平10−235875号公報)、エポキシ樹脂接着剤を使用していたり(特開平7−285223号公報、特開平7−314671号公報、特開平8−169108号公報、特開平8−336975号公報等)、紫外光を含む光により硬化する接着剤(アクリル系やシリコーン系接着剤)を使用して、インクジェットヘッド構成部材を光透過性部材として接着していたり(特開平6−143568号公報、特開平8−25629号公報等)、紫外線硬化接着剤と熱硬化接着剤をインクジェットヘッド接着部分によって使い分けて接着していたり(特開平10−217489号公報等)、種々接着工法が検討されている。しかし、実際のところ、種々要求仕様には対応出来ていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に示されている前記流路部や液室部に使用する材料には、金属や樹脂プレート,Si基板,感光性樹脂などが使用されてきた。これらの材料の中で、前記感光性樹脂は、フォトリソグラフィープロセスにより、所望の形状のインク流路を容易に得ることができるため、前記流路部や液室部の材料として広く使用されている。このような感光性樹脂としては、印刷板,プリント配線等におけるパターン形成用として用いられてきたもの,あるいはガラス,金属,セラミックス等に用いる光硬化型の塗料や接着剤として知られているものが用いられているが、作業能率などの面からドライフィルムタイプの感光性樹脂フィルム(DFR)が主に利用されてきた。
【0010】
しかしながら、このようなDFRの主成分がアクリル樹脂であるために、耐インク性、特に耐アルカリ性や基板への密着性が長期インク浸漬後に完全ではないという問題が生じている。これは、インク自身が染料の溶解度を向上させるために弱アルカリ性になっており、これにより架橋度の比較的低いアクリル樹脂が膨潤したり、残留未反応成分が溶解したりすることに起因している。
【0011】
また、溶媒揮発型高粘度接着においては、もともと粘度の高い接着剤組成であり、溶媒を揮発させた後に均一に塗布膜を形成するのは困難でむらになる可能性が高く、接着不均一になるという問題や揮発の際に塗膜中にボイドを発生するという問題を抱えている。また、2液型接着剤で主剤と硬化剤をそれぞれの被着体面に塗布するという例はポットライフが長いが、作業性が悪いという問題がある。
【0012】
また、紫外線硬化型接着剤においては、UV光が照射されない部分で硬化不十分の部分が出来やすく、そのままでは接着剤としては使用できず、熱硬化性接着剤との併用で改善を試みているが、未反応モノマーが多く硬化物中に残ってしまう可能性があり、耐インク性に問題があり、接着強度が低下する可能性がある。
【0013】
また、UV光透過性部材をインクジェットヘッドに使用して、UV硬化接着を行ってもいるが、UV透過性部材が高価であったり、加工が困難だったり種々問題がある。また、接着性を高めるためにUV硬化弾性シリコーン接着剤を使用している例もあるが、このようなUV硬化弾性シリコーン接着剤はアルカリや溶媒に弱く、膨潤してしまうという欠点もある。
【0014】
このようなインクジェットヘッドの接着は、特に微細な部品接着であり、硬化接着の際に硬化収縮が大きいと部品の接合ずれを引き起こすために、硬化時の低硬化収縮性が要求されることも多くなってきている。しかし未だ斯かる問題を解決するものは提供されていないのが現状である。
【0015】
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、インクジェットヘッドのインク流路部と液室部を構成する部材を接着する接着剤の耐インク性、特に耐アルカリ性と、インクに長期浸漬後の部材間の密着性を改善し、剥離強度が高く、低硬化収縮性であり、作業性良好なインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、インクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることすることを最も主要な特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のシラノール基を生成ケイ素化合物が前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシランであることを主要な特徴とする。
(但し、nは10以上の整数。Rは水素又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール基を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなどの元素を含んでいても良い。)
【0018】
請求項3記載の発明では、請求項1記載のペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有するケイ素化合物を含有することを主要な特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の有機ケイ素化合物がシランカップリング剤であり、該シランカップリング剤がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランであることを主要な特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の光カチオン重合開始剤がスルホニウム塩及び/又は熱カチオン重合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることを主要な特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明では、請求項1記載のエポキシ樹脂として少なくとも硬化物に可撓性を与える可撓性エポキシ樹脂を含有し、可撓性エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は脂環式エポキシ樹脂であることを主要な特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明では、請求項1記載のカチオン重合開始剤がシラノール基を生成するケイ素化合物と有機金属化合物の複合触媒であることを主要な特徴とする。
【0023】
請求項8記載の発明では、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物にポリオール化合物を添加することを主要な特徴とする。
【0024】
請求項9記載の発明では、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物にイオン捕捉剤を少なくとも含有することを特徴とすることを主要な特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明では、請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物に無機充填剤を添加することを特徴とすることを主要な特徴とする。
【0026】
請求項11記載の発明では、請求項1から10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物に高分子粒子を添加することを特徴とすることを主要な特徴とする。
【0027】
請求項12記載の発明では、請求項1から11のいずれか1項に記載されたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を用い、エポキシ樹脂組成物を1次硬化後、更にアフターキュアするインクジェットヘッド製造方法を最も主要な特徴とする。
【0028】
請求項13記載の発明では、請求項1から12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を用い、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートとヘッド本体と接着するインクジェットヘッド製造方法を主要な特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記の問題点を解決するため鋭意検討した結果、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物とすることで、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供するのである。なお、他の接着剤主剤に比べ、エポキシ樹脂は硬化収縮率が小さく、インクジェットヘッドの微細接着に有効である。
【0030】
以下に本発明を具体的に説明する。本発明に使用されるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用する場合、市販ビスフェノールA型エポキシ樹脂の種類が豊富で要求特性に応じて、使い分けることができ、接着強度を向上させるので好ましい。
【0031】
また、脂環式エポキシ樹脂としては、例えば4〜7員環の環状脂肪族基を有する脂環式エポキシ化合物があげられ、例えば4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の5員環や6員環の環状脂肪族基とエポキシ基をそれぞれ1〜2個有する脂環族エポキシ化合物が好ましい。また、多官能脂環式エポキシ樹脂、3官能、4官能の脂環式エポキシ樹脂を使用しても良く、架橋密度を向上させることができ、硬化性を向上させることも出来、耐インク性の向上にも有効である。
【0032】
また、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイドを使用すると低粘度であるため配合物の粘度調整に有効であり、カチオン重合性も高く、硬化性に優れる。また、メチル基が立体障害となり、類似構造のビニルシクロヘキセンジオキサイドよりも反応性を抑制しているので、反応速度を制御しやすく、硬化収縮性も制御できる。また、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペートを併用することで、可撓性を付与することができ、接着強度を向上することができる。これらの理由でメチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド及びビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペートを使用することが好ましい。更に希釈効果のあるメチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイドは固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂混合の際に特に有効である。
【0033】
また、オキセタン環を有する脂環式エーテル化合物も使用することができ、例えば3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等があげられる。脂環式エポキシ樹脂はカチオン重合反応性がビスフェノール型エポキシ樹脂よりも高く、硬化反応性を向上させるのに有効である。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂は脂環式エポキシ樹脂に比べて、接着強度高くできる。更にこの脂環式エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂を混合することで、混合比によって硬化反応を制御することが可能となり、所要の接着条件に合わせることもできる。硬化反応を抑制することで結果として硬化収縮率を低下させることができる。
【0034】
また、他のエポキシ樹脂としては、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂等が挙げられる。特にこれらに限定されるわけではない。これらは単独で用いても、混合して用いても良い。
【0035】
また、固形又は半固形エポキシ樹脂を使用することも出来る、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としてはワックス状脂環式可撓性エポキシ樹脂(ダイセル化学社製:セロキサイド2085)、脂環式固形エポキシ樹脂(ダイセル化学社製:EHPE3150)等が挙げられ、これらも混合して用いても良い。なお、これら固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂の混合は例えば、加熱した液状エポキシ樹脂中に粉砕した固形エポキシ樹脂を投入し、溶解する。その後、放冷して、混合エポキシ樹脂を得る。場合によっては、放冷過程で反応性希釈剤などを混合することもある。なお、固形又は半固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂の混合比は限定されない。
【0036】
固形又は半固形ビスフェノール型エポキシ樹脂として、例えば油化シェル製#1001:エポキシ当量450−500、#1004:エポキシ当量875−975、東都化成製YD−017:エポキシ当量1750−2100、YD−020H:エポキシ当量5000−5500等幅広いエポキシ当量の固形エポキシ樹脂等が挙げられ、これらも混合して用いても良い。これら固形又は半固形ビスフェノール型エポキシ樹脂はと液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と混合するのが好ましい。
【0037】
本発明における可撓性エポキシ樹脂としては、液状エポキシ樹脂としては、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂(CTBN,ATBN等による変性)、ポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂、エーテルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられ、また、固形エポキシ樹脂としてはダイマー酸変性エポキシ樹脂があげられるが、これらに限定されるものではない。これらは混合して用いても良い。なお、これら可撓性エポキシ樹脂はエポキシ樹脂に添加して使用すると、反応性を落とさずに、接着強度を向上させることができる。可撓性エポキシ樹脂を用いた場合、硬化物が他のエポキシ樹脂単独に比べ、硬化物に可撓性があるため、接着強度が高くなる。また、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール系エポキシ樹脂はビスフェノール系に比べ、硬化性はやや劣る反面、ポットライフを長くすることが出来、作業性も向上する。
【0038】
また、可撓性エポキシ樹脂の中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー添加、液状ウレタン樹脂添加の可撓性エポキシ樹脂はエラストマーや樹脂系のものを混合しているために非常に剥離強度が大きく、なお且つ硬化性も高く、耐インク性も良好でインクジェットヘッドエポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂として好適である。
【0039】
また、本発明に用いられる硬化剤は光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤であれば良く、常温で液状又は固体のものを用いることができる。例えば、光カチオン重合開始剤の本発明の組成物に使用される有機金属化合物は、光硬化を促進するものであればいかなるものであってもよく、例えば、各種の金属錯体、金属酸化物、含金属ハロゲン化物、錯塩等が挙げられる。これらの中でも、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属原子に、アルコキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基、β−ジケトナト基、o−カルボニルフェノキシ基等が結合している化合物であることが好ましい。これら有機金属化合物と光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する有機ケイ素化合物とを配合することで、硬化促進させることができる。
【0040】
前記した金属原子のうちアルミニウムは、その有機金属化合物が、光硬化速度を高めるのに有用であるため、特に好ましい。このような有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリスパラメチルフェノキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム、トリアセトキシアルミニウム、トリステアラトアルミニウム、トリブチラトアルミニウム、トリプロピオナトアルミニウム、トリイソプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスヘキサフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、トリスサリチルアルデヒダトアルミニウム、トリスジエチルマロラトアルミニウムなどが挙げられる。また、これらアルミニウム化合物と光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する有機ケイ素化合物とを配合することで、硬化促進させることができる。
【0041】
これらの有機金属化合物は、単独もしくは2種以上を適宜に組合せて用いることができる。その配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。この配合量が0.01重量部未満の場合には充分な硬化特性が得られず、10重量部を超えるとコスト高や密着性の低下を招く。これら有機金属化合物は他カチオン重合性開始剤に比べ、イオン性不純物を抑制できるため、加熱や経時の硬化物の特性劣化や金属等の腐食現象を防止することができる。
【0042】
また、光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩を挙げることもできる。芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
【0043】
特に芳香族スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4′−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド−ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド−ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−ter−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。これらに限定されるものではない。特に芳香族スルホニウム塩は300nm以上の長波長域にも紫外線吸収特性を有することから、紫外線硬化性に優れ、接着強度を良好とする硬化物を与えることが出来、好ましい。
【0044】
また、特に芳香族スルホニウム/六フッ化アンチモン塩系開始剤のうち、旭電化製SP−170は厚膜硬化性があり、接着剤として配合するには好ましい。
【0045】
これらの光カチオン重合開始剤は単独あるいは混合して使用してもよい。光カチオン重合開始剤を使用することで、常温硬化による接着が可能となり、部材の耐熱性あるいは膨張による歪を考慮する必要が減少し、部材を良好に接着することができる。また、光カチオン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ樹脂に混合しても保存安定性に優れ、作業性が良い。
【0046】
光カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。1重量部未満であると硬化が不十分となり、接着強度不足となる。また、20重量部を越えると硬化物中のイオン性物質が多くなり、構成部材が金属である場合、部材を腐食する可能性が高く、好ましくない。
【0047】
また、本発明に用いられる硬化剤は熱カチオン重合開始剤であっても良く、常温で液状又は固体のものを用いることができる。例えば、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素−ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素−アニリン錯体、三フッ化ホウ素−クロロアニリン錯体などの三フッ化ホウ素−アミン錯体、及びこれらの液状変性化合物、ベンジルスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウムなどのアルミニウム錯体とジフェニルジメトキシシランなどのアルコキシシランからなる複合化合物等が挙げられる。熱カチオン重合開始剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。1重量部未満であると硬化が不十分となり、接着強度不足となる。また、20重量部を越えると硬化物中のイオン性物質が多くなり、耐インク性やインクジェットヘッド構成部材を腐食する可能性が高く、好ましくない。熱カチオン重合開始剤は触媒的に作用するため、エポキシ樹脂に混合して使用する量が少なくて済み、インクジェットヘッド部材を接着する際の耐インク性が良好となる。
【0048】
熱カチオン重合開始剤の中では、エポキシ樹脂に対する溶解性、硬化物の強度などの点から三フッ化ホウ素−アミン錯体が好ましく、特に低温硬化性が良いことから、三フッ化ホウ素−芳香族アミン錯体がインクジェットヘッド作製上、好ましい。また、必要に応じて上記の硬化剤を混合して使用することができる。
【0049】
また、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤も併用して使用することが可能である。本発明の光カチオン重合系で、光増感剤を使用しない場合に、特に、光1次硬化後の熱アニールによる硬化促進がより促進されることが解った。この光カチオン重合による硬化には増感剤が多少の効果をもたらすが、増感剤が1次硬化物中に残っており、後熱アニールにおける脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂の求電子反応を抑制してしまうためである。
【0050】
また、光カチオン重合を促進するための光増感剤としては、例えばカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過流化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。具体的な光増感剤としては、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロルアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン;ベンジル;フルオレノン;キサントン;ウラニル化合物;ハロゲン化合物等が挙げられる。これらに限定されるものではない。また、これらは単独でも混合して使用しても良い。光増感剤は光カチオン重合エポキシ樹脂組成物を100重量部とした場合に0.1〜20重量部含有することで効果が増し、有効である。光増感剤を使用することで、光硬化性、光反応性が向上し、接着強度を向上させることができる。
【0051】
また、他の添加剤として、種々ポリオール化合物、分子に2個以上の水酸基を有する化合物を添加することができ、これらは硬化速度の調整や可撓性が高くなることより接着強度を向上させることができる。分子中に2個以上の水酸基を有する化合物としては、フェノール性水酸基以外の酸性基の存在しないものが好ましく、例えば水酸基以外の官能基を有しないポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。これら化合物の混合量としてはエポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤、添加剤の総量を100重量部とした場合に60重量部以下、好ましくは50重量部以下である。
これらの化合物の分子量は48以上、好ましくは62以上、さらに好ましくは200以上であり、1000以下程度である。
【0052】
また、本発明に用いられるイオン捕捉剤としては、例えば粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、カルシウム系、チタン系、ズズ系及びこれらの混合系等の無機化合物を挙げることができる。例えば、東亜合成(株)製、イオン捕捉剤、品名、IXE−300(アンチモン系/両イオン捕捉剤)、IXE−500(ビスマス系/陰イオン捕捉剤)、IXE−600(アンチモン、ビスマス混合系/両イオン捕捉剤)、IXE−700(マグネシウム、アルミニウム混合系)、IXE−800(ジルコニウム系/陰イオン捕捉剤)、IXE−1100(カルシウム系)等を挙げることができる。これらイオン捕捉剤は、部材の腐食防止や硬化物信頼性向上のために混合される。これらは単独、又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】
イオン捕捉剤は、カチオン重合開始剤にもよるが、カチオン重合開始剤1重量部に対して好ましくは2重量部以上8重量部以下、より好ましくは4重量部以上6重量部以下とする。2重量部未満とすると腐食防止効果や信頼性向上が期待できなくなり、また8重量部を越えると硬化性が低下し、接着強度不足するので好ましくない。
【0054】
また、粘度調整を行うために反応性希釈剤を添加することもできる。反応性希釈剤としては、低粘度なエポキシ反応性希釈剤であれば使用することができる。特に反応性基が2官能以上であることが好ましく、例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは単独でも用いても、混合して用いても良い。なお、硬化性を向上させる場合は低粘度な脂環式エポキシ樹脂、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド等を用いると良い。固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂を混合する場合は粘度調整が必要であり、より有効である。また、2官能以上であれば、硬化物の架橋密度を向上させ、硬化性を向上させることができるので、より好ましい。反応性希釈剤の量は、固形又は半固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して100重量部以下が好ましい。この量が100重量部を越えると、希釈効果はあるものの、ベースのエポキシ樹脂組成物の硬化物のそのもの特性が変化し、接着強度が低下したり、硬化性が低下する。
【0055】
次に本発明における有機ケイ素化合物としては、加熱及び/又は光照射によってシラノール基を生成する化合物が有効であり、例としてアルコキシシリル基、アリールオキシシリル基、ペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有する化合物が挙げられる。アルコキシシリル基及び/又はアリールオキシ基を有する有機ケイ素化合物は前記の有機アルミニウム化合物と共に使用して、加熱によりエポキシ基の硬化能を発現するものである。また、ペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有する有機ケイ素化合物は前記の有機アルミニウム化合物と共に使用して、光照射及び/又は加熱によりエポキシ基の硬化能を発現するものである。これらの有機ケイ素化合物のうち、アルコキシシリル基及び/又はアリールオキシシリル基を有する有機ケイ素化合物の具体例としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルプロポキシシラン、トリフェニルベンジルオキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、ジフェニルトリルメトキシシラン、ジフェニルトリルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、(o−ニトロベンジルオキシ)トリフェニルシラン等が挙げられる。ペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有する化合物の具体例としては、tert−ブチルペルオキシトリフェニルシラン、ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシラン、1,1−ジメチルプロピルペルオキシトリフェニルシラン、ジ(1,1−ジメチルプロピルペルオキシ)ジフェニルシラン、1−メチルエチルペルオキシトリフェニルシラン、ジ(1−メチルエチルペルオキシ)ジフェニルシラン、tert−ブチルペルオキシメチルジフェニルシラン、tert−ブチルペルオキシジメチルフェニルシランが挙げられる。
【0056】
α−ケトシリル基を有するものの具体例としては、ベンゾイルトリフェニルシラン、ベンゾイルメチルジフェニルシラン、ベンゾイルジメチルフェニルシラン、アセチルトリフェニルシラン、プロピオニルトリフェニルシラン、アセチルメチルジフェニルシラン、ベンゾイルトリメチルシラン、ベンゾイルメトキシジフェニルシランが挙げられる。これらは1種もしくは2種以上の混合系で使用される。この使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。使用量が0.1重量部未満の場合には、十分な硬化特性が得られず、10重量部を越える場合には、コスト高や接着性が低下するなどの問題を生じる場合がある。
【0057】
また、ポリシランとしては、例えば前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシランが挙げられる。(但し、nは10以上の整数。Rは水素又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール基を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなどの元素を含んでいても良い。)上記一般式(1)で表される繰返し単位を有するホモポリマーでもコポリマーでもよく、他の繰返し単位とのコポリマーであっても構わない。本発明において、このようなポリシランは光照射又は加熱することによって、特に一方のRが水素原子の場合ケイ素原子と水素原子との間の結合が切断された後、大気中等の酸素や水分を取りこむことで酸化され、シラノ−ル性水酸基を生成する。Rの一方が水素原子である場合も無い場合のどちらの構造においても、主鎖のSi−Si結合についても同様に切断され、その後酸化されてシラノール性水酸基を生成し得る。
【0058】
従って、本発明のエポキシ樹脂系組成物では、こうして生成したシラノール性水酸基がエポキシ樹脂に対して高い触媒活性を示し、エポキシ樹脂を非常に短時間、かつ充分な重合効率で硬化させることができる。しかも、上述したようにポリシランが酸化される際に酸素等を取りこむことに起因してその体積が膨張するので、エポキシ樹脂の重合に伴う体積収縮を抑制することができる。また、ポリシランは、電気的特性等の低下の原因となるイオン性不純物となって硬化物中に残留することもないのでインクジェットヘッドの接着に有効である。
【0059】
更に、上記一般式(1)中のRが炭素数6〜24の置換もしくは非置換アリール基、又は芳香族複素環基であるポリシランが特に好ましく用いられる。これは、上記一般式(1)中のRの両方が例えば水素原子やアルキル基であると、エポキシ樹脂の硬化にあたって生成したシラノール性水酸基が相互に反応して触媒活性が失活されやすいのに対し、ケイ素原子に芳香環が直接結合しているとシラノール性水酸基が安定化するので硬化反応を充分に促進させることができる。
【0060】
これらの配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは1〜5重量部である。0.1重量部未満の場合には、十分な硬化特性が得られず、20重量部を越える場合には、接着性が低下や信頼性に劣るなどの問題を生じる場合がある。
【0061】
なお、このようなポリシランは、ナトリウム触媒存在下でのRSiHCl2の還元的カップリング反応、チタン又はジルコニウム触媒存在下でのRSiH3の脱水素反応、電解重合等によって合成され得る。またここでは、例えば還元的カップリング反応によってR′R″SiCl2(ただしR′、R″は水素原子又は置換もしくは非置換の炭化水素基を示す。)と共重合させて、コポリマーを合成することもできる。さらに重合度を制御する観点から、RSiHACl(ただしAは末端基を示す。)等を適量共重合させてもよい。また、ポリシランの重合度は、5〜10,000さらには10〜6,000程度であることが好ましい。この理由は、ポリシランの重合度が低い場合、エポキシ樹脂系組成物を光照射によって硬化させる場合には、ポリシランが光を吸収しにくく、硬化性が低下する。ポリシランの重合度が高い場合、エポキシ樹脂や有機金属化合物との相溶性が小さくなり、良好な硬化物を与え難いためである。
【0062】
また、これらポリシラン等の有機ケイ素化合物は300〜400nmに吸収を示し、水銀ランプの輝線のうち最も強い365nmの光を有効に吸収して励起する。励起したケイ素化合物は光励起電子移動によってオニウム塩の分解を促進する。オニウム塩の分解により生じた酸はエポキシ樹脂の硬化触媒として作用する。オニウム塩等との併用により硬化促進をすることもできる。従って、特にスルホニウム塩と併用することで、長波長の光を用いて厚膜でも光硬化することができる。しかも、光硬化により得られる硬化物は機械的特性に優れている。なお、本発明の樹脂組成物は光硬化後に加熱硬化することにより、更に硬化促進をし、接着強度や硬化特性の向上を図ることが出来、耐インク性の向上を達成することができる。
【0063】
また、加水分解によってシラノール基を生成する化合物としてのシランカップリング剤が挙げられ、例えば次のようなものが挙げられる。特にウエハ等Si部材への接着にはシランカップリング剤を使用することで部材への濡れ性が向上し、接着強度が向上する。しかし、アミノシランカップリング剤はカチオン重合を阻害するので、硬化性が劣り、接着強度も出なくなるので、好ましくはない。具体的には効果的なシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシランカップリング剤、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシランカップリング剤、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン等の一般式RSi(OR’)3〔式中、Rは1個又は2個以上のハロゲン原子が置換してもよい炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、R’は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。〕で表されるアルキルトリアルコキシシラン等を挙げることができる。なお、特にこれらに限定されるものではない。
【0064】
特にγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物に配合されるとなじみやすく、接着強度を向上させることが出来、硬化促進をする。更により加水分解性が高く、よりシラノール基を生成しやすいγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを配合することが好ましく、生成したシラノール基が活性でエポキシ樹脂とより反応しやすく、またエポキシ基を持つためにエポキシ樹脂と相溶、反応するため良好な硬化物を与える。更に、シラノール基がウエハ面等と結合し、接着力を高め、良好な硬化物を与えるので特に好ましい。耐インク性も良好となる。
【0065】
これらシランカップリング剤の添加量は、本発明のエポキシ樹脂組成物により大きく変化するが、エポキシ樹脂組成物の合計を100重量部とした際、0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満だと、濡れ性低下や硬化促進効果に劣り、接着強度が低下する。また、10重量部を越えると、樹脂の凝集力が低下し、接着強度や信頼性が低下する。
【0066】
また、これらシランカップリグ剤と前述のポリシランと併用することで、更に硬化促進と濡れ性向上や可撓性付与により接着性を向上させることができる。配合はそれぞれの配合量の合計がエポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満だと、濡れ性低下や硬化促進効果に劣り、接着強度、耐インク性が低下する。また、10重量部を越えると、樹脂の凝集力が低下し、硬化性が低下し、接着強度や信頼性、耐インク性が低下する。
【0067】
本発明には無機充填剤を加えることが可能である。具体的には、カチオン重合性を抑制する塩基性充填剤を使用しなければ、どの無機充填剤を使用しても構わない。塩基性充填剤を使用すると硬化不十分、あるいは硬化性にバラツキが生じ、接着強度低下を引き起こす。これらの中で4%水分散液中のPHが塩基性ではない酸化チタン、シリカを一種又は二種以上併用して使用されることが好ましい。例えば、シリカ(R972:PH=4.0−5.5、A200:PH=4.0−4.5等)、酸化チタン(P25:PH=3.5−4.5、T805:PH=3.0〜4.0等)が挙げられる。また、これら無機充填剤の粒径は小さい方が好ましく、特に1μ以下、1次粒子が30nm以下程度のものであることが特に好ましい。粒径が1μ以上である場合、微細塗布接着が困難となり、更に硬化接着時における染み出しの防止効果が少なくなる。
【0068】
無機充填剤を混合する場合、エポキシ樹脂組成物の粘度調整が容易にでき、種々塗布粘度に対応することができる。更に無機充填剤添加は硬化物の耐インク性を向上させる。これら充填剤を添加する場合の添加量は、本発明のエポキシ樹脂組成物、特に充填剤そのものの種類により大きく変化するが、エポキシ樹脂100重量部に対して、100重量部以内が望ましい。更に硬化物の耐インク性の面からもこの範囲内が好ましい。但し、100重量部を越えると、粘度上昇でエポキシ樹脂組成物の塗布性が損なわれる。その上、接着性が劣化する傾向にある。なお、充填剤の混合に当たっては、均一分散するために三本ロール等で混練し、微細化して使用することが望ましい。
【0069】
なお、無機充填剤を使用する際にシランカップリング剤及びチタンカップリング剤などを使用することが望ましい。
【0070】
また、本発明には高分子粒子を加えることが可能である。例えば具体的にはポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子、ポリウレタン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等などが挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。高分子粒子を使用することで、硬化接着時の染み出しを防止することができ、更に硬化物に可撓性を与えることができ、接着強度が向上する。
【0071】
特に、架橋ポリアクリレート系粒子においてはエポキシ樹脂の硬化の際、流動性の増したエポキシ樹脂をゲル化し、染み出し防止に寄与するだけでなく、柔軟性を硬化物に付与することもでき、接着強度を増加させる効果もある。エポキシ樹脂組成物の粘度調整も混合量で任意に調整でき、塗布工程などの作業性を良好にする。また、理由は不明だが、架橋ポリアクリレート系粒子の添加がエポキシ樹脂の硬化を促進する効果もあり、混合しない場合に比べ、加熱硬化の場合、より低温硬化接着を可能にしている。これら高分子粒子の粒径は小さい方が好ましく、特に1μ以下であることが特に好ましい。粒径が1μ以上である場合、微細塗布接着が困難となり、更に硬化接着時における染み出しの防止効果が少なくなり、接着強度も低下する。
【0072】
なお、高分子粒子の混合量としては、染み出し防止の点などからエポキシ樹脂100重量部に対して40重量部以下が好ましい。40重量部を越えると粘度上昇でエポキシ樹脂組成物の塗布性が損なわれる。その上、耐インク性が劣化する傾向にある。なお、充填剤の混合に当たっては、均一分散するために三本ロール等で混練し、微細化して使用することが望ましい。なお、これら無機フィラーと高分子粒子は併用して用いることによって、より効果がでる。
【0073】
これらエポキシ樹脂組成物の粘度調整も混合量で任意に調整でき、塗工、ポッティングなどの作業性を良好にする。これら配合は各々相互に作用し、硬化前の粘度制御や、光硬化性、熱硬化性、後熱アニール硬化性や硬化収縮性、接着性に効果があり、各配合種のみでは発現しにくい特性をも達成できる。
【0074】
そのエポキシ樹脂組成物の硬化方法、接着方法について、更に詳しく説明する。
まず、光硬化型エポキシ樹脂組成物の紫外線照射量についてであるが、エポキシ樹脂組成物により変化するため、それぞれの硬化条件によって、決定される。光硬化型エポキシ樹脂組成物が硬化する照射量であれば良く、硬化物の接着強度が良好である硬化条件を満たしていれば良い。しかし、これらエポキシ樹脂系の光硬化では光照射のみでは完全に硬化することが難しく、光照射後に加熱により完全に反応を終了させる必要がある。完全に硬化はせずとも接着強度はある程度出るが、完全に硬化しないと強度的には弱いものである。また、完全硬化でないと未反応物質が場合によっては溶出してくる可能性があり、好ましくない。そこで、光照射後に加熱処理し、完全に硬化を終了させることが好ましい。
【0075】
後熱アニールは通常のエポキシ樹脂組成物の硬化温度域で良い。例えば常温〜150℃で30分−7日間の範囲が好適である。光硬化型エポキシ樹脂組成物の配合により変化するが、特に高温であればあるほど光照射後の硬化促進に効果があり、短時間の熱処理で効果がある。また、低温であればあるほど長時間の熱処理を要する。このような熱アフターキュアすることで、水分や被着有機物をエージング処理になるという効果も出る。なお、この場合ポットライフは光カチオン重合開始剤を配合しており、光照射がなければ、重合は開始しにくく、長く、作業性が良い。
【0076】
同様に熱硬化型エポキシ樹脂組成物の場合であるが、通常のエポキシ樹脂組成物の硬化温度域で良い。例えば常温〜150℃で30分等が挙げられる。インクジェットヘッド部材間の線膨張率差を大きくしない温度域であることが好ましい。温度が高い場合、異種部材間接着である場合、応力で剥離あるいは歪んでしまう可能性が高い。
【0077】
また、特にインクジェットヘッド貼り合わせ光接着する際には光があたらず、硬化反応が進まない。インクジェットヘッド部材が紫外線透過性部材で構成されている場合、そのまま照射することで対応でき、硬化が促進し、有効である。
光透過性のない部材を光接着する場合は、塗布面に硬化膜が発生しないような光照射量を照射し、光カチオン重合を開始させた後、貼り合わせを行う。塗布されたエポキシ樹脂組成物中のエポキシ基残存率(IRスペクトル分析等により定量した処方エポキシ基に対する、照射後のエポキシ基の残存率)が50〜95%、好ましくは60〜90%の範囲になるように照射する。また、エポキシ基残存率が95%を越える場合、硬化不充分となり、残存率が50%未満の場合、塗布面で硬化膜が形成され、接着性が悪くなる。次いでインクジェットヘッド部材の紫外線照射面両面又は片面の塗布面と塗布照射してない部材の表面とを貼り合わせる。その後の熱アニールは通常のエポキシ樹脂組成物の硬化温度域で良い。例えば常温〜130℃で30分〜7日間、好ましくは室温〜120℃で60分〜2日間の範囲が好適である。
【0078】
また、異種部材接着、例えばノズルプレートがNi電鋳により形成されたものの場合、Si基板との加熱接着の際に各部材の線膨張係数が異なるため硬化温度を高くすると反りが発生してしまい、内部応力によりアクチュエータを破壊してしまう可能性があり、硬化接着温度は低い方が好ましく、その点でこれら硬化接着は有効で、線膨張係数の異なる異種部材接着においても、後熱アニールが高温でも反りの発生が抑制され、問題はない。なお、後熱アニール時間は硬化温度とエポキシ樹脂組成物により変化するが、その組成物の標準硬化温度・時間であることが好ましい。このような後熱アニールすることで、水分や被着有機物をエージングし、インク注入前のプレ処理になるという効果も出る。
【0079】
本発明の光カチオン開始剤配合エポキシ樹脂組成物の場合は光照射後に熱アニール処理することができ、完全に反応を終了させることができるので、接着強度も高く、未反応物が耐インク性に対して悪影響を及ぼすこともない。
【0080】
なお、これら硬化接着の際に各部材の接着圧はエポキシ樹脂組成物の粘度によって変動はあるが、0.5〜10kgf/cm2であることが、好ましい。0.5kgf/cm2より小さい圧力で加圧接着すると、接着層厚を制御することが困難となり、接着ムラを引き起こし、接着強度の低下につながる。また、10kgf/cm2を越えると、エポキシ樹脂組成物が加熱硬化接着の際に流動し、接着面より流れでてしまい、各部材間にエポキシ樹脂組成物がほとんど残らないため、接着強度が低下する、更にはインク流路に接している部位ではインクの滲み出しが起こる可能性もあり、好ましくない。
【0081】
また、これらエポキシ樹脂組成物の塗布方法について述べると、各部位、部材によって異なるが、一般に使用される均一塗布方法であれば良く、例えばスクリーン印刷法、スピンコート法、転写法、ディスペンサー方式などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら方法にあわせた粘度調整を本発明のエポキシ樹脂組成物は行うことができ、有効である。例えば、ポッティング接着をするために、ディスペンサー方式で使用する場合は高粘度が要求されるが、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合比を増加することで達成できる。
【0082】
更にエポキシ樹脂組成物塗布膜厚は各部材の接着及びインクジェットヘッドの性能に影響を及ぼさない範囲であれば良く、例えば静電方式インクジェットヘッドのノズルプレートと液室の接着の場合、エポキシ樹脂組成物の染み出しが噴射特性に影響を与える為、塗布膜厚を1μm前後にする必要がある。なお、液室上面に塗布する方法は、転写法により塗布膜厚をコントロールする。ローラーにドクターブレードでエポキシ樹脂組成物を薄膜化し、転写パッドによりローラーからエポキシ樹脂組成物を転写し、更に転写パッドから液室上面にエポキシ樹脂組成物を転写する方法により行う。
【0083】
次に、ノズルプレートがNi電鋳やSUSで形成されたものであり、加熱/後熱アニール硬化接着する場合、線膨張係数の違いにより反りを発生し、内部応力によりアクチュエータを破壊してしまう可能性がある。そこで、ノズルプレートの線膨張係数を同等とした部材を使用することで、反りの発生を押さえ、更に硬化温度をフレキシブルにすることができ、つまり硬化温度を上昇させることが可能となり、更に耐インク性、接着強度を向上させるこが可能となる。具体的にはNi−鉄合金を使用することで可能となる。特にSi基板と線膨張係数を同等にするNi含有率は30〜50%で、特に好ましくは32〜40%が好ましい。なお、この範囲以外では線膨張係数はNi単独と同等であり、Ni−鉄合金を使用する意味がない。エポキシ樹脂組成物のポットライフの向上、作業性向上し、コストダウン等へ寄与することができる。
【0084】
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、バブルジェット方式,ピエゾアクチュエータ方式、静電方式の各方式があるが、どの方式にも使用可能であり、インクジェットヘッド製造における、各々部材接着に使用できる。特にインクに接する部材の接着において効果がある。
【0085】
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いるインクジェットヘッド製造法を説明する。ここでは、エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジェットヘッド製造方法について説明するが、当然この方式に限定されるものではない。
【0086】
Si基板を用意し、その上に電極部及びギャップ部を形成する。次に別のSi基板を用意し、前記電極部及びギャップ部を形成したSi基板とSi基板を直接接合により接合を行い、100μmの厚さになるまで研磨を行う。この際にSi/Si直接接合以外に本発明によるエポキシ樹脂組成物を使用して硬化接着する場合もある。次に電極基板及びSi基板にエッチングマスクとなる窒化膜をデポし、裏面流路部、液室部をウェットエッチングにより形成する。次にウエハーから各チップにダイシングにより切断する。その後、電極取り出し部をドライエッチングにて開口を行う。その後、露出した個別電極とをFPCケーブル異方性導電膜によって電気的な接続を行う。ケーブルにはドライバICがワイヤーボンドによって搭載されている。次にノズルプレートとアクチュエータを接着する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成物を塗布する。その後、塗布面に硬化膜が発生しないような光照射量を照射し、光カチオン重合を開始させ、塗布面に粘着物を与える。その後、Ni電鋳により形成されたノズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布・紫外線照射された静電アクチュエータを位置合わせし、貼り合わせ、加圧を行い、後熱アニールで加熱硬化させ、静電方式インクジェットヘッドを作製する。また、熱カチオン重合の場合も上記と同様に、ノズルプレートとアクチュエータを接着する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成物を塗布する。その後、Ni電鋳により形成されたノズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布された静電アクチュエータを位置合わせし、貼り合わせ、加圧1次熱硬化を行い、後熱アニールで加熱硬化させ、静電方式インクジェットヘッドを作製する。
【0087】
【実施例】
以下にインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法について製造例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は重量基準である。
なお、得られたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物は以下のような試験で評価した。
(エポキシ樹脂組成物評価方法)
なお、接着条件等は各実施例、比較例に記載した。
(i)接着性:剥離強度試験、引っ張り強度試験で行った。
剥離試験:Ni板/Siウエハをエポキシ樹脂組成物により接着し、20mm/minの速度で剥離強度を測定した。
○:200gf/cm以上、△:100〜200gf/cm、×:100gf/cm以下とした。
引っ張り強度試験:Ni/Siを接着(接着面積:1cm2)後、SUSブロック(10mm*10mm*30mm)に接合し、50mm/minの速度で引っ張り強度を測定した。
○:50kgf/cm2以上、△:10〜50kgfcm2、×:10kgf/cm2以下とした。
(ii)接着信頼性:剥離強度試験、引っ張り強度試験
硬化接着後、サンプルを耐インク試験(インク浸漬、50℃、40h、超音波)を実施後、剥離試験及び引っ張り強度試験を行った。
剥離試験:100gf/cm2以上、及び引っ張り強度試験:10kgf/cm2以上のものを○とした。
(iii)耐インク性
エポキシ樹脂組成物の硬化物を、市販のインクジェット用インクに浸漬し(50℃、40h、超音波)、膨潤率が5%以下であるものを○とし、それ以上のものは×とした。
(iv)塗布性:連続塗布が可能で、塗布膜が均一であるものを○とした。
(v)染みだし:硬化接着後、染みだしのないものを○とした。
(vi)硬化収縮率(%):電子比重計にて、硬化前後のエポキシ樹脂組成物の比重を測定し、(固体比重/液体比重−1)×100から算出し、硬化収縮率が5%未満のものを○、5%以上〜8%未満のものを△、10%を超えるものを×とした。
(以下は熱硬化型エポキシ樹脂組成物評価方法)
(vii)1次硬化温度:130℃以下のものを○とした。
(以下は光硬化型エポキシ樹脂組成物評価方法)
(viii)硬化性:ガラス板上に塗布し、高圧水銀灯にて1J/cm2照射し、目視評価で硬化したものを○、表面のみ硬化したもの、又は表面にべとつきのあるものを△、全く硬化しなかったものを×とした。
【0088】
(インクジェットヘッド製造例)
ここでは、エポキシ樹脂組成物を用いる静電方式のインクジェットヘッド製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。図1及び図2は静電方式インクジェットヘッドの平面図を示している。まず図1の(a)に示すようにP型(100)Si基板201を用意し、その上に電極部202及びギャップ部203を形成する。次に図1の(b)に示すようにボロンを注入した(110)Si基板204を用意し、前記電極部及びギャップ部を形成したP型(100)Si基板とボロンを注入した(110)Si基板204を直接接合により接合を行い、100μmの厚さになるまで研磨を行う。次に電極基板201及びSi基板にエッチングマスクとなる窒化膜をデポし、図1の(c)に示すように裏面流路部205、液室部206をウェットエッチングにより形成する。次にウエハから各チップにダイシングにより切断する。その後図1の(d)に示すように電極取り出し部209をドライエッチングにて開口を行う。その後図2の(e)に示すように露出した個別電極と210とをFPCケーブル異方性導電膜によって電気的な接続を行う。ケーブルにはドライバICがワイヤーボンドによって搭載されている。次にノズルプレートとアクチュエータを接合する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成物を塗布する。また、振動板のギャップ(振動室の入り口)を封止する為に、エポキシ樹脂組成物を塗布する。
【0089】
その後図2の(f)に示すようにNi電鋳により形成されたノズルプレート212と、エポキシ樹脂組成物が塗布された静電アクチュエータを位置合わせし、加圧を行い加熱硬化させる。光カチオン重合系の場合は塗布面に硬化膜が発生しないような光照射量を照射し、光カチオン重合を開始させ、塗布面に粘着物を与える。その後、Ni電鋳により形成されたノズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布・紫外線照射された静電アクチュエータを位置合わせし、貼り合わせ、加圧を行い、後熱アニールで加熱硬化させる。
【0090】
図3及び図4はアクチュエータ部の断面図を示している。また、図5は静電方式インクジェットヘッドの斜視図を示している。図3の(a)に示すようにP型(100)Si基板301(厚さ625μm)を用意し、2μmの厚さに酸化膜302をウェット酸化により形成した。酸化条件は1050℃、18.5hである。次に図3の(b)に示すようにグラデーションマスクを用いてレジストのパターニングを行い、ドライエッチング及びウェットエッチングにより酸化膜のパターニングを行った。グラデーションマスクを使用して、電極形状を形成することにより非平行のギャップを形成することができ、低電圧化に有利な電極形状を形成することが可能となる。次に図3の(c)に示すように電極となるTiN303を200nmの厚さにスパッタ法で形成した。その後TiNを個別電極用にエッチングにより分離を行い、その後電極保護膜としてシリコン酸化膜304を150nmの厚さに形成した。次に電極部以外の前記シリコン酸化膜及びTiNを各々ドライエッチング、ウェットエッチングにより除去した。その後図3の(d)に示すようにボロンを注入した厚さ400μmの(110)Si基板305を直接接合により900〜1000℃で接合を行い、その後100μmの厚さになるまで研磨を行った。次に電極基板301及びSi基板305に窒化膜を積層、パターニングをして図3の(e)に示すように電極基板301に裏面流路306をウェットエッチングにより形成した。その後図4の(f)に示すように液室部307をウェットエッチングにより形成した。その後、ボロン注入Si及びシリコン酸化膜をエッチングして裏面流路の開口を行った。つづいて、液室の共通電極部をメタルマスクを介してアルミをデポすることにより形成した。ここでダイシングによりチップ単位に切断し、その後図4の(g)に示すように電極取り出し部308をドライエッチングにて開口を行った。更に電極取り出し領域のTiN上のシリコン酸化膜をドライエッチングにより除去した。上記のように静電方式インクジェットヘッドのアクチュエータ部の作製を行った。
【0091】
次に上記のように形成した静電アクチュエータ401とFPCケーブル402を異方性導電膜によって電気的な接続を行った。FPCケーブルにはドライバIC403がワイヤーボンドによって搭載されている。そして、ノズルプレート404とアクチュエータを接着する為に、シリコン液室の上面にエポキシ樹脂組成物を塗布した。
【0092】
また、振動板のギャップ(振動室の入り口)を封止する為に、市販の常温硬化型エポキシ樹脂組成物を塗布した。なお、振動室内部に湿気が入り込むと振動板が変位しなくなってしまうが、エポキシ樹脂組成物を使用すれば、耐湿気も良好となる。
【0093】
また、ノズルプレートとシリコン液室の位置決めする為に、エポキシ樹脂組成物をシリコン液室のエポキシ樹脂組成物塗布領域405にディスペンサーにより塗布した。そして、Ni電鋳により形成されたノズルプレートと、エポキシ樹脂組成物が塗布された静電アクチュエータを位置合わせし、エポキシ樹脂組成物加圧接着を行い、後熱アニールにより完全硬化接着をした。
【0094】
また、インク供給タンク又はインクカートリッジからインクを供給する為のジョイント部406と、フィルター407が熱溶着されたフレーム408を接着した。フレームにアクチュエータとノズルプレートを接着する為に市販の常温硬化型エポキシ樹脂組成物を塗布し、アクチュエータの位置合わせをして接着を行った。
【0095】
上記構成により、個別電極にパルス電圧を印加する事により、振動板が静電気力によって電極側に変形して、インクが共通液室から流体抵抗部を通り、圧力発生室に流入し、圧力発生室の体積が増加する。ここで、パルス電圧が解除される事で静電気力が無くなり、振動板がもとの状態に戻る。この振動板の弾性力によって圧力発生室の圧力が上昇し、ノズル孔からインクが噴射される。
【0096】
実施例1
Figure 0003986000
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0097】
【表1】
Figure 0003986000
【0098】
比較例1
実施例1のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ベンゾイルメチルジフェニルシランを混合せず、エポキシ樹脂を脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、セロキサイド2021)100重量部のみとした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0099】
実施例2
脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド
(ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 34重量部
脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ
ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 10重量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410) 56重量部
光カチオン開始剤: (旭電化製、SP−170) 5重量部
イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 3重量部
有機ケイ素化合物:ポリシラン(下記化合物)平均分子量3000 2重量部
【0100】
【化2】
Figure 0003986000
【0101】
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0102】
比較例2
実施例2のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ポリシラン及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410)を混合しない以外(セロキサイド3000/セロキサイド2081=34/10比で100重量部)は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0103】
実施例3
脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド
(ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 30重量部
脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ
ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 20重量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ、YL980) 50重量部
光カチオン開始剤:(旭電化製、SP−172) 5重量部
イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 4重量部
有機ケイ素化合物:ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシラン
5重量部
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0104】
比較例3
実施例3のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ジフェニルシラン及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ、YL980)を混合しない(セロキサイド3000/セロキサイド2081=30/20比で100重量部)以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0105】
実施例4
脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド
(ダイセル化学社製、セロキサイド3000) 34重量部
脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペ
ート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081) 10重量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410) 66重量部
光カチオン開始剤:(旭電化製、SP−170) 5重量部
イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 3重量部
有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン 3重量部
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0106】
比較例4
実施例4のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化製、KRM2410)及び脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド(ダイセル化学社製、セロキサイド3000)を混合せず、脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081)100重量部のみとした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0107】
実施例5
脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、
セロキサイド2021) 30重量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製、YL980) 70重量部
熱カチオン開始剤(日本エアープロダクツ社製、
アンカー1170) 5重量部
有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン 2重量部
イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 15重量部
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0108】
これを用い、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、硬化条件:80℃4時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは150℃加熱で完全硬化したものを使用した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0109】
比較例5
実施例5のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを混合せず、エポキシ樹脂はビスフェノール型エポキシ樹脂:100重量部のみとし、熱カチオン開始剤のかわりに固形硬化剤ジシアンジアミド(旭電化社製:アデカハードナーEH−3636AS)8重量部を使用する以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、実施例5と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0110】
実施例6
脂環式可撓性エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、
セロキサイド2081) 30重量部
可撓性エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、YX310) 70重量部
熱カチオン開始剤(日本エアープロダクツ社製、
アンカー1170) 5重量部
有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン 3重量部
イオン捕捉剤(東亜合成社製、IXE−600) 10重量部
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、硬化条件:80℃4時間、加圧2kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは150℃加熱で完全硬化したものを使用した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0111】
比較例6
実施例6のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを混合せず、エポキシ樹脂は脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド100重量部のみとし、熱カチオン開始剤のかわりに固形硬化剤ポリアミン変性アダクト(旭電化社製:アデカハードナーEH−4070S)38重量部を使用する以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、実施例6と同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0112】
実施例7
Figure 0003986000
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0113】
比較例7
実施例7のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:(o−ニトロベンジルオキシ)トリフェニルシランを混合しないで、有機金属化合物:トリス(アセチルアセトナト)アルミニウムのみ使用した以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0114】
実施例8
Figure 0003986000
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0115】
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0116】
比較例8
実施例8のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びポリオール(UCC社製、TONE301)及び脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド(ダイセル化学社製、セロキサイド3000)及び脂環式エポキシ樹脂:ビス(3、4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート(ダイセル化学社製、セロキサイド2081)を混合しない(油化シェルエポキシ、エピコート828/旭電化製、KRM2510=40/20)100重量部のみとした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0117】
実施例9
Figure 0003986000
上記組成を攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
【0118】
これを用い、塗布後、高圧水銀灯にて200mJ/cm2照射後、Ni板とSiウエハを重ね合わせ、アニール硬化条件:100℃1時間、加圧1.5kgf/cm2で接着強度試験サンプル及び耐インク性試験用サンプルを作製した。なお、硬化収縮率用サンプルは12J/cm2照射後、150℃加熱30分で完全硬化したものを使用した。これらサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0119】
比較例9
実施例9のイオン捕捉剤及び有機ケイ素化合物:シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを混合せず、脂環式エポキシ樹脂:メチル化ビニルシクロヘキセンオキサイド(ダイセル化学社製、セロキサイド3000)100重量部のみとした以外は同様にエポキシ樹脂組成物を作製し、組成物を塗布後、同様の硬化条件で硬化サンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。
【0120】
実施例10
1次硬化接着後、アフターキュア硬化の例である。実施例5のエポキシ樹脂組成物を60℃で1時間硬化した後、100℃2hでアフターキュアする以外は実施例10と同様にサンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。また、インクジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッドを作製したところ、ノズル孔からインクが噴射され、インクジェットヘッドの歪みがないことが得られた。
【0121】
比較例10
比較例5のエポキシ樹脂組成物を180℃で1時間硬化する以外は実施例10と同様にサンプルを作製した。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。また、インクジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッドを作製したところ、インクジェットヘッドの歪みが確認された。
【0122】
実施例11
Ni−鉄合金ノズルプレート接着の例である。
Ni−鉄合金ノズルプレート(Ni含有率38%)を使用し、実施例6のエポキシ樹脂組成物を使用し、150℃2時間硬化接着を行った。このサンプルに対して、前記評価方法に従い、評価した結果を表1に示した。また、インクジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッドを作製したところ、ノズル孔からインクが噴射され、インクジェットヘッドの歪みがないことが得られた。
【0123】
比較例11
Ni−鉄合金ノズルプレート(Ni含有率38%)を使用する代わりに、Niノズルプレートを使用し、比較例6のエポキシ樹脂組成物を使用し、150℃2時間硬化接着を行った。また、インクジェットヘッド製造例に従って、インクジェットヘッドを作製したところ、インクジェットヘッドの歪みが確認された。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、インクジェットヘッドのインク流路部と液室部を構成する部材を接着する接着剤の耐インク性、特に耐アルカリ性と、長期浸漬後の部材間の密着性を改善し、剥離強度が高く、低硬化収縮性であり、作業性良好なインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物及びインクジェットヘッド製造方法を提供することができる。
【0125】
請求項1によれば、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物により、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0126】
請求項2によれば、請求項1記載のシラノール基を生成するケイ素化合物が前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシランであることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物により、硬化性、反応性を向上させ、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。特に、これらポリシランが酸化される際に酸素等を取り込み、その体積が膨張するため、硬化に伴う収縮率を特に低減させることが出来、インクジェットヘッドの部材歪みによる剥がれを低減するインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
一般式のnは10以上の整数。Rは水素又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール基を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなどの元素を含んでいても良い。
【0127】
請求項3によれば、請求項1記載のシラノール基を生成するケイ素化合物がペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有するケイ素化合物であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物により、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。特に、このペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有するケイ素化合物を用いると光照射によるシラノール基の生成が高く、より硬化性を向上させ、耐インク性を向上させるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0128】
請求項4によれば、前記有機ケイ素化合物がシランカップリング剤であり、該シランカップリング剤がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランであることにより、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
特に、シラノール基による硬化性向上、特にウエハ部材等に対する接着性を向上させる光硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することが出きる。また、この化合物の場合、硬化物とのなじみが良く、接着強度を高くし、耐インク性を向上させることができるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0129】
請求項5によれば、前記光カチオン重合開始剤がスルホニウム塩及び/又は熱カチオン重合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることにより、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
また、光カチオン重合開始剤がスルホニウム塩であることで、特に300nmより長波長域にも紫外線吸収特性を有することから、紫外線硬化性に優れ、硬化性、反応性を向上させ、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。また、熱カチオン重合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることで、特に低温硬化を可能としたインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0130】
請求項6によれば、エポキシ樹脂として少なくとも硬化物に可撓性を与える可撓性エポキシ樹脂を含有し、可撓性エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は脂環式エポキシ樹脂であることにより、特に硬化性、反応性を向上させ、接着強度、剥離強度が高く、低硬化収縮性であるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0131】
請求項7によれば、カチオン重合開始剤がシラノール基を生成するケイ素化合物と有機金属化合物の複合触媒であることにより、特にインクジェットヘッド部材の金属等の腐食性を抑制し、硬化性、反応性の良好な、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
特に、有機金属化合物がアルミニウム化合物であることで、ヘッド部材である金属等の腐食性を抑制し、硬化性、反応性の良好な、低硬化収縮性で、接着強度が高いインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0132】
請求項8によれば、前記エポキシ樹脂組成物にポリオール化合物を添加することにより、硬化速度の調整や可撓性が高くなることにより接着強度、剥離強度を向上させることができるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0133】
請求項9によれば、前記エポキシ樹脂組成物にイオン捕捉剤を少なくとも含有することにより、硬化物中のイオン性物質を抑制でき、金属等の腐食抑制効果のあるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0134】
請求項10によれば、前記エポキシ樹脂組成物に無機充填剤を添加することを特徴とすることにより、エポキシ樹脂組成物の粘度調整が容易にでき、種々塗布粘度に対応することができ、更に無機充填剤添加により硬化物の耐インク性を向上させるインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0135】
請求項11によれば、前記エポキシ樹脂組成物に高分子粒子を添加することを特徴とすることにより、硬化接着時の染み出しを防止することができ、更に硬化物に可撓性を与えることができ、接着強度が向上するインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0136】
請求項12によれば、エポキシ樹脂組成物を1次硬化後、更にアフターキュアすることにより、硬化性を向上させ、耐インク性向上させ、より剥離強度向上させるインクジェットヘッド製造方法を提供することができる。
【0137】
請求項13によれば、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートを使用することにより、インクジェットヘッドの歪みが小さく、インクジェットヘッド本体にかかる応力を小さくさせるインクジェットヘッド製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電方式インクジェットヘッドの平面図である。
【図2】本発明の静電方式インクジェットヘッドの平面図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッドのアクチュエータ部の断面図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドのアクチュエータ部の断面図である。
【図5】本発明の静電方式インクジェットヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
201 P型(110)Si基板
202 電極部
203 ギャップ部
204 ボロン注入(110)Si基板
205 裏面流路部
206 液室部
209 電極取り出し部
210 個別電極
212 ノズルプレート
301 P型(110)Si基板
302 酸化膜
303 TiN電極
305 ボロン注入(110)Si基板
307 液室部
308 電極取り出し部
401 静電アクチュエータ
402 FPCケーブル
403 ドライバーIC
404 ノズルプレート
405 エポキシ樹脂組成物塗布領域
406 ジョイント部
407 フィルター
408 フレーム

Claims (13)

  1. エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤、添加剤として有機ケイ素化合物を少なくとも含有し、該有機ケイ素化合物が光照射及び/又は加熱及び/又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることすることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のシラノール基を生成するケイ素化合物が下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシランであることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003986000
    (但し、nは10以上の整数。Rは水素又は置換もしくは非置換のアルキル基もしくはアリール基を示し、同一でも異なっていても良い。また、アルキル基又はアリール基は酸素、窒素、イオウ、ハロゲンなどの元素を含んでいても良い。)
  3. 請求項1記載のシラノール基を生成するケイ素化合物がペルオキシシリル基及び/又はα−ケトシリル基を有するケイ素化合物であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1記載の有機ケイ素化合物がシランカップリング剤であり、該シランカップリング剤がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランであることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1記載の光カチオン重合開始剤がスルホニウム塩及び/又は熱カチオン重合開始剤が三フッ化ホウ素−アミン錯体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1記載のエポキシ樹脂として少なくとも硬化物に可撓性を与える可撓性エポキシ樹脂を含有し、可撓性エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂にエーテルエラストマー添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は液状ウレタン樹脂添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は脂環式エポキシ樹脂であることを特徴とするインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1記載のカチオン重合開始剤がシラノール基を生成するケイ素化合物と有機金属化合物の複合触媒であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂組成物にポリオール化合物を添加することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  9. 前記エポキシ樹脂組成物にイオン捕捉剤を少なくとも含有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  10. 前記エポキシ樹脂組成物に無機充填剤を添加することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  11. 前記エポキシ樹脂組成物に高分子粒子を添加することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物。
  12. 前記エポキシ樹脂組成物の1次硬化接着後、更にアフターキュアすることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を用いたインクジェットヘッド製造方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造用エポキシ樹脂組成物を用い、Ni−鉄系合金使用ノズルプレートとヘッド本体と接着することを特徴とするインクジェットヘッド製造方法。
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