JP7297442B2 - 微細構造体の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

微細構造体の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細構造体の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
感光性樹脂を用いて形成される微細構造体の一例として、液体を吐出する液体吐出ヘッドが挙げられる。液体吐出ヘッドはインクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、吐出口と流路を有する部材と基板とを有する。吐出口と流路を有する部材は基板上に設けられている。基板には液体を流路に供給する供給口が形成されている。流路及び吐出口が設けられる側の基板の表面はエネルギー発生素子を有する。液体は供給口から流路に供給され、エネルギー発生素子でエネルギーを与えられ、液体吐出口から吐出されて紙等の記録媒体に着弾する。
基板上には、エネルギー発生素子を覆う絶縁層や保護層、或いはその他の様々な目的で、多くの場合、無機材料層が設けられている。吐出口及び流路を有する部材の形成に有機材料としての感光性樹脂を用いることで、フォトリソグラフィーによって高精度な吐出口及び流路の形成を行うことができる。
特許文献1には、無機材料層を有する基板上に流路壁形成層をネガ型感光性樹脂から形成し、流路のパターンを露光した後現像して流路壁を形成する工程を有する液体吐出ヘッドの製造方法が開示されている。
特許文献2には、基板を貫通する供給口の開口及びエネルギー発生素子が設けられた基板の面に、感光性樹脂からなるドライフィルムをラミネート法により転写し、フォトリソグラフィーにより加工して流路壁を形成する液体吐出ヘッドの製造方法が開示されている。
特開2013-18272号公報 米国特許第8500246号明細書
液体吐出ヘッドの部材等の微細構造体を、有機材料としての感光性樹脂層をフォトリソグラフィーにより加工することで形成することがある。この場合、無機材料層を有する基板表面と有機材料としての感光性樹脂層との密着性は、有機材料層同士の場合と比較して低くなる傾向がある。微細構造のパターンを露光した感光性樹脂層から未硬化部を現像により除去する際に、感光性樹脂層を現像液で長時間処理する場合において、基板と感光性樹脂層の密着性が十分でない場合は、両者の間に剥離が生じる。特許文献1では、基板上に感光性樹脂層を少なくとも3層積層して、目的とする微細構造のパターンをこれら3層に対して露光してから一括現像を行なうため、現像時間を十分に長くする必要が生じる場合がある。このような場合において製造歩留まりをより向上させるには、基板に接する感光性樹脂層の基板との密着性を強くすることが好ましい。
一方、特許文献2では、基板の供給口の開口が設けられた面に、感光性樹脂からなるドライフィルムを積層して加工することで流路壁を形成している。このような場合、ドライフィルムと基板との間に良好な密着性が得られ、かつ、供給口の開口内へのドライフィルムの落ち込みがないことが要求される。
本発明の目的は、液体吐出ヘッドの吐出口及び流路を有する部材等の微細構造体の強度と、基板との間の密着性を高めることができる微細構造体の製造方法を提供することにある。
本発明にかかる微細構造体の製造方法は、基板上に感光性樹脂組成物から樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層に微細構造体のパターンを露光して、露光による硬化部と非露光による未硬化部を形成する工程と、前記基板から前記未硬化部を現像により除去して前記硬化部を有する微細構造のパターンを得る工程と、を有する微細構造体の製造方法であって、前記基板の前記樹脂層を形成する面が、凹凸もしくは開口を有し、前記感光性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコールを含む架橋剤、光酸発生剤および溶剤を含み、前記多価アルコールの数平均分子量が3000未満であり、前記エポキシ樹脂が、三官能以上のエポキシ樹脂と、重量平均分子量が5000以上の二官能のエポキシ樹脂と、を含むことを特徴とする。
本発明にかかる液体吐出ヘッドの製造方法は、基板と、吐出口と流路を有する部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、基板上に、感光性樹脂組成物(1)から樹脂層を形成する工程と、前記基板上の前記樹脂層に対する露光及び現像により、前記部材の少なくも前記流路を有する部分を前記露光による硬化部により形成する工程と、を有し、前記基板の前記樹脂層を形成する面が、凹凸もしくは開口を有し、前記感光性樹脂組成物(1)が、エポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコールを含む架橋剤、光酸発生剤および溶剤を含み、前記多価アルコールの数平均分子量が3000未満であり、前記エポキシ樹脂が、三官能以上のエポキシ樹脂と、重量平均分子量が5000以上の二官能のエポキシ樹脂と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの吐出口及び流路を有する部材等の微細構造体の強度と、基板との間の密着性を高めることができる微細構造体の製造方法を提供することができる。
(A)は液体吐出ヘッドの構成を示す模式斜図であり、(B)は図1(A)のA-A’線における模式断面図である。 感光性樹脂組成物からなるドライフィルムの製造方法一例を説明するための模式断面図である。 液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す模式断面図である。 実施例における液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す模式断面図である。 実施例における液体吐出ヘッドの製造方法の他の例を示す模式断面図である。
本発明者の検討によれば、同一組成の感光性樹脂組成物を用いて、液体状組成物による成膜とドライフィルムによる成膜を比較した場合、ドライフィルムを用いた成膜の方がその硬化物と基板との密着力が低くなる場合があることが分かった。この密着性の差は、成膜時の基板の濡れ性の違いによるものと推定される。
また、開口が形成された基板上にドライフィルムを加熱及び加圧しながら転写する場合、パターン形状の安定性を考慮すると、転写時の開口部への樹脂の落ち込みなどを回避するためにドライフィルムの強度を上げる必要があることも分かった。ドライフィルムの強度を上げる手法として、重量平均分子量が大きい感光性樹脂を用いることが考えられる。しかし、耐熱性及び耐圧性確保のために重量平均分子量が大きい感光性樹脂を用いた場合、その反応性(架橋密度)が低下し、無機材料層に対する密着性が低下する場合がある。そのため、例えば前述のような現像に長時間を要する場合に、基板側の無機材料層と感光性のドライフィルムの硬化部からなる有機材料層との剥離が顕著となる場合があった。
更に、流路に流す液体として溶剤の比率の高いインクを用いた場合にも、インクとの長時間の接触によって同様に剥離が生じる場合があった。さらに検討を進めた結果、基板上の無機材料層の材質によっては、この傾向がさらに顕著になることも分かった。
以上、ドライフィルムを使用した液体吐出ヘッドの製造方法における課題を説明したが、この課題は無機材料層上に有機材料により形成する微細構造体に共通するものである。例えば、液状の感光性樹脂組成物を用いて、基板上に感光性の樹脂層を塗工し、樹脂層(塗工層)を乾燥させてフォトリソグラフィーにより加工する場合においても、感光性樹脂組成物の硬化物からなる部材と基板との間に目的とする密着性が得られない場合があった。
液体吐出ヘッドの流路形成部材においては、製品使用時に常にインクにさらされる状態となる。通常使用されるインクはアルカリ性であることが多く、また有機溶剤を含んでいる。このような物質と常に接触することで流路形成部材に体積膨潤が生じた場合は、流路や吐出口が変形することによって、目的とする吐出状態を得られず、流路形成部材の無機材料層を有する基板からの剥離が生じる。そのため、液体吐出ヘッドの流路形成部材には、耐膨潤性を有していることが求められる。耐膨潤性を得るための手法としては、低吸水性に優れた樹脂や高架橋密度が得られる樹脂の使用、露光量や熱処理温度を上げるプロセス条件などによる架橋密度の向上などが考えられる。しかし、基板側の無機材料層との密着性と、流路等の微細構造のパターン形状の精度とを両立するのが困難な場合があった。
本発明によれば、エポキシ樹脂に、架橋剤として機能する特定の多価アルコールを組み合わせた感光性樹脂組成物を用いることで、上述した技術課題を達成することができる。
本発明においては、液体吐出ヘッドの構成部材等の微細構造体を基板上に形成するための樹脂層用の材料として以下の成分を含む感光性樹脂組成物(以下、感光性樹脂組成物(1)という)が用いられる。
・エポキシ樹脂
・末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない、数平均分子量が3000未満である多価アルコール
・光酸発生剤
・溶剤
本発明にかかる微細構造体の製造方法は、以下の工程を有する。
・基板上に感光性樹脂組成物(1)から樹脂層を形成する工程。
・樹脂層に微細構造体のパターンを露光して、露光による硬化部と非露光による未硬化部を形成する工程。
・基板から未硬化部を現像により除去して硬化部を有する微細構造のパターンを得る工程。
本発明にかかる、基板と、吐出口と流路を有する部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法は以下の工程を有する。
・基板上に、感光性樹脂組成物(1)から樹脂層を形成する工程。
・基板上の樹脂層に対する露光及び現像により、吐出口と流路を有する部材の少なくも流路を有する部分を露光による硬化部により形成する工程。
基板の感光性樹脂層(1)から形成された樹脂層を設ける面が、凹凸もしくは開口を有している場合や、無機材料層を有している場合がある。上記の各製造方法においては、これらの場合においても、感光性樹脂層(1)の硬化物からなる部分の基板との間に良好な密着性を得ることができる。
上記の各方法において、基板への感光性樹脂層(1)からの樹脂層の形成には、以下の方法を用いることができる。
・感光性樹脂組成物(1)を基板に塗工して塗工層を形成する工程と、塗工層を乾燥する工程を有する方法。
・感光性樹脂脂組成物(1)を基材上に塗工して塗工層を得る工程と、塗工層からドライフィルムを形成する工程と、ドライフィルムを基材上から基板に転写する転写工程を有する方法。
液体吐出ヘッドの吐出口及び流路を有する部材の形態に応じて以下の各工程を有する液体吐出ヘッドの製造方法を用いることができる。
(i)吐出口と流路を有する部材が、流路形成部材と吐出口形成部材を有する第一の形態
・基板上に感光性樹脂組成物(1)から第一の樹脂層を設ける工程。
・基板上に設けた第一の樹脂層に露光により流路のパターンを形成する工程。
・流路のパターンを形成した第一の樹脂層上に感光性を有する第二の樹脂層を設ける工程。
・第二の樹脂層に露光により吐出口のパターンを形成する工程。
・流路のパターンが形成された第一の樹脂層を現像して前記流路形成部材を形成する工程。
・吐出口のパターンが形成された第二の樹脂層を現像して前記吐出口形成部材を形成する工程。
この方法では、第一の樹脂層と第二の樹脂層を一括して現像してもよい。
(ii)吐出口と流路が共通の部材に設けられている第二の形態
・基板に流路のパターンを有する型材を設ける工程。
・感光性樹脂組成物(1)を用いて基板上の型材を感光性樹脂層で被覆する工程。
・樹脂層に吐出口のパターンを露光する工程。
・吐出口のパターンが設けられた樹脂層を現像して樹脂層の硬化部からなる吐出口及び流路を有する部材を形成する工程。
・基板から型材を除去する工程。
この方法では、現像により吐出口及び流路を有する部材を形成する工程と型材を基板から除去する工程を一括して行なってもよい。
以下、図面を参照して上記の第一の形態における好ましい実施形態を説明する。以下の説明では、一例として、本発明にかかる微細構造体の製造方法を液体吐出ヘッドの製造に適用した場合を説明するが、本発明にかかる微細構造体の製造方法は、液体吐出ヘッドの製造への適用に限定されるものではない。また、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中に同一の番号を付し、その説明を省略する場合がある。
図1(A)は、本発明の実施形態に係わる液体吐出ヘッドを示す模式斜図である。また、図1(B)は図1(A)におけるA-A’を通る基板に垂直な面でみた本発明の一実施形態に係わる液体吐出ヘッドの模式断面図である。
図1に示す液体吐出ヘッドは、液体を吐出するためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子2が所定のピッチで形成された基板1を有する。エネルギー発生素子2としては、電気熱変換素子や圧電素子が挙げられる。エネルギー発生素子2は、基板1の表面に接するように設けられていても、基板1の表面に対して一部中空状に設けられていてもよい。エネルギー発生素子2には、そのエネルギー発生素子2を動作させるための制御信号入力電極(不図示)が接続されている。また、基板1にはインクを供給する供給口3が開口されている。
基板1のエネルギー発生素子2が設けられた第一の面側には、無機材料層4と保護層5が形成されている。
基板1としては、シリコンで形成されたシリコン基板が挙げられる。シリコン基板はシリコンの単結晶で、表面の結晶方位が(100)であることが好ましい。
無機材料層4の構成材料としては、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、炭窒化シリコン(SiCN)、炭酸化シリコン(SiOC)等が挙げられる。図1においては、無機材料層4は、蓄熱層や絶縁層として用いられている。
保護層5は、エネルギー発生素子を保護するものであり、例えばTaやIrで形成されている。無機材料層4は、エネルギー発生素子を覆っていてもよい。
図1においては、無機材料層4は、基板1の表面のほぼ全面に形成されている。
本実施形態における吐出口及び流路を有する部材は、流路形成部材6と吐出口形成部材10を有し、図1(A)では流路形成部材は吐出口形成部材10と一体となった状態で示されている。
無機材料層4上には、流路形成部材6によって流路7の側壁が形成されている。さらに、流路形成部材6、流路7の上に、吐出口8を有する吐出口形成部材10が形成されている。また、必要に応じて吐出口形成部材10上に撥液層11が形成されている。
この液体吐出ヘッドは、供給口3から流路7を通って供給されるインクを、エネルギー発生素子2によって発生する圧力を加えることによって、流路7を介して吐出口8からインク滴として吐出させる。
次に、図2、図3を用いて、上述した第一の形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法の一例について以下に説明する。
図2は、感光性樹脂組成物(1)から成るドライフィルムの製造方法の一例を説明するための図である。
図3は、液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す模式断面図であり、完成した状態で図1(B)と同じ断面の位置でみた図である。
まず、図2(a)に示すようにPET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミド等からなるフィルム基材12を用意する。次に、図2(b)に示すように、感光性樹脂組成物(1)をフィルム基材12にスピンコート法やスリットコート法等で塗工し、塗工層を形成する。塗工層をプリベークして乾燥させることで、感光性樹脂組成物(1)からドライフィルム13を作製することができる。感光性樹脂組成物(1)は、重量平均分子量が5000よりも大きいエポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコール、光酸発生剤および溶剤を含み、ネガ型の感光性を有する。
感光性樹脂組成物(1)の各成分及び組成に関しては後で詳細を説明する。
ドライフィルム13の厚さは流路の高さに相当するため、液体吐出ヘッドの吐出設計により適宜決定されるが、例えば3μm以上45μm以下とすることが好ましい。
次に、図3(a)に示すように、エネルギー発生素子2を第一の面側に有する基板1を用意する。
次に、図3(b)に示すように、エネルギー発生素子2を被覆するように、基板1の表面側に無機材料層4を形成する。また、エネルギー発生素子2の上方に保護層5を形成する。無機材料層4及び保護層5は、必要に応じてパターニングを行う。
次に、図3(c)に示すように、基板1を貫通し、インクを供給する供給口3を形成する。供給口3は、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等のアルカリ系のエッチング液によるウェットエッチングや、反応性イオンエッチング等のドライエッチングを用いて、所望の位置に形成する。
次に、図3(d)に示すように、図2で作製したドライフィルム13をエネルギー発生素子2と供給口3を配置した基板1の無機材料層4上に、ラミネート法を用いて転写して第一の樹脂層として成膜する。なお、供給口3が配置されていない基板の場合、感光性樹脂組成物(1)をドライフィルムとせずに、スピンコート法やスリットコート法等で塗布して、成膜してもよい。
次に、図3(e)に示すように、流路のパターンを有するフォトマスク14を介して、ドライフィルム13を流路のパターンに選択的に露光する。さらに熱処理(PostExposureBake)することで露光部を硬化させて流路形成部材6を形成する。ドライフィルム13中の非露光部は未硬化部として残される。
フォトマスク14は、露光波長の光を透過するガラスや石英などの材質からなる基板に、流路などのパターンに合わせてクロム膜などの遮光膜が形成されたものである。露光装置としては、i線露光ステッパー、KrFステッパーなどの単一波長の光源や、マスクアライナーMPA-600Super(商品名、キヤノン製)などの水銀ランプのブロード波長を光源に持つ投影露光装置を用いることができる。
次に、感光性樹脂組成物(2)をPETやポリイミド等からなるフィルム基材に塗布した後、ドライフィルム15とし、露光処理されたドライフィルム13上にラミネート法を用いて転写して第2の樹脂層として成膜する。
さらに、必要に応じて撥液層11をドライフィルム15上に成膜する。吐出口形成部材10となるドライフィルム15は、流路形成部材6との密着性、機械的強度、インク等の液体に対する安定性、解像性等を考慮すると、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物で形成されていることが好ましい。また、ドライフィルム15の厚さは、液体吐出ヘッドの吐出設計により適宜決定されるもので特に限定されないが、機械的強度等の観点から例えば3μm以上25μm以下とすることが好ましい。
撥液層11は、インク等の液体に対する撥液性が求められ、撥液層11の形成にはカチオン重合性を有するパーフルオロアルキル組成物やパーフルオロポリエーテル組成物を用いることが好ましい。一般に、パーフルオロアルキル組成物やパーフルオロポリエーテル組成物は、塗布後のベーク処理によってフッ化アルキル鎖が、組成物と空気の界面に偏析することが知られており、組成物の表面の撥液性を高めることが可能である。
次に、図3(g)に示すように、吐出口パターンを有するフォトマスク16を介して、ドライフィルム15と撥液層11にパターン露光を行なう。さらに、熱処理(PostExposureBake)することで露光部を硬化させ、吐出口形成部材10を形成する。
ドライフィルム13と同一波長の光を用いてドライフィルム15を露光する際は、ドライフィルム15を硬化させる露光量を、ドライフィルム13を硬化させる露光量よりも少なくする必要がある。つまり、ドライフィルム15を露光する際に、ドライフィルム15を透過した光がドライフィルム13を硬化させる露光量である場合、後述する現像工程でドライフィルム13の非露光部の除去が困難となり、流路7を形成できなくなる。このことから、ドライフィルム15はドライフィルム13よりも相対的に高感度である必要がある。
フォトマスク16は、露光波長の光を透過するガラスや石英などの材質からなる基板に、吐出口のパターンに合わせてクロム膜などの遮光膜が形成されたものである。露光装置としては、i線露光ステッパー、KrFステッパーなどの単一波長の光源や、マスクアライナーMPA-600Super(商品名、キヤノン製)などの水銀ランプのブロード波長を光源に持つ投影露光装置を用いることができる。
次に、ドライフィルム13、ドライフィルム15、撥液層11の未硬化部を現像液で現像することにより、一括除去し、図3(h)に示すように、流路7、吐出口8を形成し、必要に応じて熱処理をして液体吐出ヘッドを完成させる。
現像液としては、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、MIBK(メチルイソブチルケトン)やキシレン等が挙げられる。また、必要に応じて、IPA(イソプロピルアルコール)等によるリンス処理を行ってもよい。
上記製造方法において、ドライフィルム13を露光した後に、ドライフィルム15をドライフィルム13上に積層しているが、ドライフィルム13の露光前にドライフィルム15を積層してから露光処理を行うことも可能である。
また、上記製造方法においては、流路形成部材6、吐出口形成部材10を2層で形成しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。さらに複数の感光性樹脂を用いて、各部材を形成してもよい。
感光性樹脂組成物(1)及び(2)について以下に説明する。
吐出口及び流路を有する部材の形成に用いる各感光性樹脂組成物は、その硬化物の密着性能、機械的強度、液体(インク)耐性、耐膨潤性、フォトリソグラフィー材料としての反応性、解像性等を考慮すると、カチオン重合型のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
より具体的には、ビスフェノールA型及びF型のエポキシ樹脂等のビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂等のフェノールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂等のクレゾールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するエポキシ樹脂、テルペン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、オキシシクロヘキサン骨格を有するエポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂等のカチオン重合型のエポキシ樹脂を挙げることができる。これらの1種または2種以上の組合せを用いることができる。
感光性樹脂組成物にカチオン性開始剤を加えることで、光カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を調製することができる。
また、エポキシ基を二官能以上有するエポキシ樹脂を用いることで、硬化物が3次元架橋し、所望の特性を得るのに適している。
基板1に設けられた無機材料層4上に未硬化状態のドライフィルム13を加熱下で転写する場合、目的とするパターン形状の安定性を考慮すると、ドライフィルム13には耐熱性が要求される。また、未硬化状態のドライフィルム13を、開口や凹部を有する基板の面に熱を加えながら転写する場合や露光後の熱処理などの他の熱工程の際に未硬化状態においても層が変形しないような膜強度を有している必要がある。未硬化状態のドライフィルム13の強度、あるいは選択的露光後のドライフィルム13の未硬化部分の強度が高いことによって、加熱下で処理工程等における基板1の供給口3の開口へのドライフィルム13の未硬化部分の落ち込みを効果的に抑制できる。従って、流路高さを安定して得ることができる。
そのため、感光性樹脂組成物(1)の樹脂成分としてのエポキシ樹脂は、重量平均分子量(Mw)が高いエポキシ樹脂を含むことが好ましい。この高重量平均分子量のエポキシ樹脂の重量平均分子量は5000以上であることが好ましく、100000以下であることが更に好ましい。また、この高重量平均分子量のエポキシ樹脂の軟化点は、未硬化部分の落ち込みをより効果的に防止する上で、90℃以上であることが好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物(1)用の高重量平均分子量のエポキシ樹脂としては、二官能のエポキシ樹脂の少なくとも1種を用いることが好ましい。更に、二官能のエポキシ樹脂に、三官能以上のエポキシ樹脂の少なくとも1種を追加して用いてもよい。
三官能以上のエポキシ基を有する樹脂を含むことで、架橋が3次元的に進行し、感光性材料としての感度を向上せることができる。三官能以上のエポキシ樹脂は、エポキシ当量が500未満のものであることが好ましい。エポキシ当量が500以上の場合、感度が足りずにパターン解像性の低下や、硬化物の機械的強度や密着性の低下を引き起こすことがある。
これら樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(例えば島津製作所社製)を用いる公知の方法によって、ポリスチレン換算で算出することができる。また、多価アルコールの分子量(数平均分子量)も公知の方法により求めることができる。
感光性樹脂組成物(1)は、無機材料層との密着性の観点から、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能である多価アルコールを架橋剤として含む。末端に水酸基を有する多価アルコールを添加することで、エポキシ樹脂のカチオン重合反応の促進及び開環したエポキシ基と水酸基の反応による樹脂硬化物の応力低減が可能となる。従って、無機材料層との密着向上に効果的である。
感光性樹脂組成物(2)の成分としてのエポキシ樹脂は、3官能以上のエポキシ樹脂を含むことが好ましく、3官能以上のエポキシ樹脂に加えて先に挙げた2官能のエポキシ樹脂を含んでもよい。3官能以上のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500以上、4000以下であることが好ましい。
感光性樹脂組成物(2)では、架橋剤としての多価アルコールは必須ではないが、必要に応じて架橋剤としての多価アルコールを含んでもよい。
多価アルコールの官能基は末端の水酸基であり、この水酸基の数に関して二官能もしくは三官能の多価アルコールが用いられる。具体的には、末端の水酸基が二官能未満の場合、エポキシ樹脂のカチオン重合反応促進の効果が小さく、4官能以上となる場合は溶剤やインクに接した際の無機材料層との密着性が低下する。このことから、末端の水酸基は二官能もしくは三官能である多価アルコールが用いられる。
さらに、多価アルコールは、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない。パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基が存在すると、成膜後に空気界面側への偏析が生じ、無機材料層との密着性向上の効果が小さくなる。また、感光性樹脂組成物(1)をドライフィルムとして用いる場合、無機材料層と接する面に偏析したパーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含む多価アルコールが多く存在する。その結果、無機材料層との密着性の低下が生じる。更に、分子内に占める水酸基当量の割合を維持して密着性を向上させ、フォトリソグラフィー材料としての解像性を上げるには、多価アルコールの数平均分子量は3000未満とされる。
また、多価アルコールはプリベークやPEBといった現像工程前までの加熱工程において、消失しないためにも加熱温度よりも高い沸点を有していることが好ましい。
好ましい多価アルコールとしては、以下の2種の多価アルコールを挙げることができる。
・数平均分子量が200以上3000未満であり、分子内に繰り返し構造を有する高分子量の二官能もしくは三官能の多価アルコール
・数平均分子量が200未満であり、沸点が200℃以上である二官能もしくは三官能の低分子量の多価アルコール
これらの多価アルコールから選択される少なくとも1種の多価アルコールを用いることができる。
高分子量の多価アルコールとしては、以下の式(a)~(c)で示される化合物を挙げることができる。これらの少なくとも1種を用いることができる。
Figure 0007297442000001
(各nはそれぞれ独立して自然数である。また、各Rはそれぞれ独立して、酸素原子および/または窒素原子を有してもよく、環状でもよい脂肪族基、或いは酸素原子を有してもよい芳香族基であり、炭素数は1~15である。)
式(a)で示される化合物としては、各社から市販されているポリエチレングリコール(200、300、400、600、1000、2000)を挙げることができる。
式(b)及び(c)で示される化合物としては、ポリエーテルポリオール、具体的にはADEKA社製 アデカポリエーテルPシリーズ、BPXシリーズ、Gシリーズ、SPシリーズ、SCシリーズ、CMシリーズ、AMシリーズ、EMシリーズ、BMシリーズ、PRシリーズ、GRシリーズ(いずれも製品名)などを挙げることができる。
低分子量の多価アルコールとしては、1,2-または1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,5-ジヒドロキシペンタン-3-オン、6-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等を挙げることができる。これらの少なくとも1種を用いることができる。
無機材料層との密着性やフォトリソグラフィー材料としての解像性の向上の観点からは、多価アルコールの添加量は、感光性樹脂組成物(1)に含まれるエポキシ樹脂全体の質量に対し0.5%以上30.0%以下であることが好ましく、1.0%以上10.0%以下であることがさらに好ましい。
流路形成部材となる感光性樹脂組成物(1)及び吐出口形成部材となる感光性樹脂組成物(2)の調製には、市販のエポキシ樹脂及び公知のエポキシ樹脂から選択したエポキシ樹脂を用いることができる。
市販の重量平均分子量が5000以上の2官能エポキシ樹脂としては、三菱化学社製「jER1004」、「jER1007」、「jER1009」、「jER1010」、「jER1256」(商品名)、大日本インキ化学工業株式会社製「EPICLON 4050」、「EPICLON 7050」(商品名)等が挙げられる。
市販の3官能以上のエポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業製「セロキサイド2021」、「GT-300シリーズ」、「GT-400シリーズ」、「EHPE3150」(商品名)、三菱化学社製「jER1031S」、「157S70」(商品名)、大日本インキ化学工業社製「EPICLON N-695」、「EPICLON N-865」、「EPICLON HP-6000」、「EPICLON HP-4710」、「EPICLON HP-7200シリーズ」「EPICLON EXA-4816」(商品名)等が挙げられる。
上記樹脂組成物に添加される光重合開始剤としては、スルホン酸化合物、ジアゾメタン化合物、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジスルホン系化合物等が好ましい。市販品ではADEKA社製「アデカオプトマーSP-170」、「アデカオプトマーSP-172」、「SP-150」(商品名)、みどり化学社製「BBI-103」、「BBI-102」(商品名)、三和ケミカル社製「IBPF」、「IBCF」、「TS-01」、「TS-91」(商品名)、サンアプロ社製、「CPI-210」、「CPI-300」、「CPI-410」(商品名)、BASFジャパン社製「Irgacure290」(商品名)等が挙げられる。これらの光酸発生剤は2種類以上を混合して使用することもできる。
さらに密着性能の向上を目的に、シランカップリング剤を添加することもできる。市販のシランカップリング剤としては例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「A-187」(商品名)等が挙げられる。
また、パターン解像性の向上や感度(硬化に必要な露光量)の調整に、アントラセン化合物などの増感剤、アミン類などの塩基性物質や弱酸性(pKa=-1.5~3.0)のトルエンスルホン酸を発生させる酸発生剤等を添加することもできる。市販のトルエンスルホン酸を発生させる酸発生剤としては、みどり化学社製「TPS-1000」(商品名)や和光純薬工業社製「WPAG-367」(商品名)等が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物(2)としては、ネガ型レジストとして市販されている化薬マイクロケム社製「SU-8シリーズ」、「KMPR-1000」(商品名)、東京応化工業社製「TMMR S2000」、「TMMF S2000」(商品名)等も用いることができる。
次に、図5を用いて、先に挙げた流路と吐出口が共通の部材に形成されている第二の形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法の一例を説明する。
まず、基板1のエネルギー発生素子2及び無機材料層(不図示)等が設けられた面に、流路7の型材となるポジ型感光性樹脂から樹脂層を形成する。この樹脂層に、露光によって流路のパターンを露光し、露光部を現像して除去することにより、図5(a)に示すように、型材17を形成する。
次に、図5(b)に示すように、吐出口及び流路を有する部材19の形成用として、感光性樹脂組成物(1)を塗布し、型材17を覆うネガ型の感光性樹脂層18を形成する。
このネガ型の感光性樹脂層18に対して、図5(c)に示すように、吐出口8形成部分が非露光部分となるように、フォトマスク20を介して選択的に露光して、図5(d)に示すように、流路及び吐出口を有する部材19を形成する。更に、この露光処理されたネガ型感光性樹脂層18を現像液で現像して、図5(e)に示すように、吐出口8を形成する。
次に、図5(f)に示すように、エッチング用の液体を用いて、エッチング用の液体に対する耐性を有する樹脂層をエッチングマスクとして、基板1に対して異方性エッチングを行い、供給口21を形成する。
その後、図5(g)に示すように、基板1を型材の溶解液に浸漬することで、型材17を溶解除去するとともに、流路7を形成する。
なお、吐出口8を形成する現像液と型材17を除去する溶解液とに共通の処理液を利用して、これらを一括して形成してもよい。
本形態における感光性樹脂組成物(1)は、エポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコールを含む架橋剤、光酸発生剤および溶剤を含む。
エポキシ樹脂としては、先の第一の形態において挙げたエポキシ樹脂を同様に用いることができる。本形態において、エポキシ樹脂は、先の第一の形態において挙げた3官能以上のエポキシ樹脂を含むことが好ましく、必要に応じて先に第一の形態において挙げた2官能のエポキシ樹脂を追加してもよい。
架橋剤としては、先の第一の形態において挙げた高分子量の多価アルコールを好ましく用いることができる。
光酸発生剤および溶剤としては、先の第一の形態において挙げたものを同様に利用することができる。
以下に実施例を示すことによって、さらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例のうち、実施例23~実施例36は参考例である。
以下の各実施例及び各比較例における商品名で記載される成分としては以下のものを用いた。
・EPICLON(エピクロン) N695(商品名、大日本インキ化学工業社製、三官能以上エポキシ樹脂)(Mw:3400)
・157S70(商品名、三菱化学社製、三官能以上エポキシ樹脂)(Mw:3300)
・EHPE-3150(商品名、ダイセル化学工業社製、三官能以上エポキシ樹脂)(Mw:3000)
・EPICLON(エピクロン) HP7200H(商品名、大日本インキ化学工業社製、三官能以上エポキシ樹脂)(Mw:2400)
・jER1001(商品名、三菱化学社製、二官能エポキシ樹脂)(Mw:3030)
・jER1007(商品名、三菱化学社製、二官能エポキシ樹脂)(Mw:11200)
・jER1009(22700)(商品名、三菱化学社製、二官能エポキシ樹脂)(Mw:22700)
・jER1256(58000)(商品名、三菱化学社製、二官能エポキシ樹脂)(Mw:58000)
・PEG200(商品名、三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール)
・PEG600(商品名、三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール)
・PEG1000(商品名、三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール)
・PEG3000(商品名、Sigma-Aldrich社、ポリエチレングリコール)
・ポリエーテルポリオール:ジオール(ADEKA社製 P-1000(商品名))(分子量:1000)
・ポリエーテルポリオール:トリオール(ADEKA社製 G-1500(商品名))(分子量:1500)
・ポリエーテルポリオール:テトラオール(ADEKA社製 BM-54(商品名))(分子量:500)
・CPI-410S(商品名、サンアプロ社製、カチオン性開始剤)
・SP-172(「アデカオプトマーSP-172」、商品名、ADEKA社製、カチオン性開始剤)
・TPS-1000(商品名、みどり化学社製、酸発生剤)
・A-187(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、シランカップリング剤)
・アセチレノール(アセチレノールE100、製品名、川研ファインケミカル株式会社製アセチレングリコールエチレンオキシド付加物)
以下の化合物は以下の分子量を有する。
・1,6-ヘキサンジオール(分子量:118.18)
・トリメチロールプロパン(分子量:134.18)
・ブタノール(分子量:89.14)
・1,4-HFAB[1,4-ビス(ヘキサフルオロ-2-プロピル)ベンゼン](分子量:410)
[実施例1~22]
実施例ごとに、表1-1~表1-3に示す記載の感光性樹脂組成物(1)をそれぞれ個々に用いて、図4に示す工程により、液体吐出ヘッドを作製した。各表において、組成は質量部で表されている。
Figure 0007297442000002
Figure 0007297442000003
Figure 0007297442000004
まず、図4(a)に示すように、100μm厚のPETフィルム12を用意した。
次に、図4(b)に示すように、感光性樹脂組成物(1)をPETフィルム12上にスピンコート法により塗布し、90℃で10分間ベークしてPGMEA溶剤を揮発させ、15.0μmのドライフィルムを成膜した。
次に、図4(c)に示すように、TaSiNからなるエネルギー発生素子2を第一の面側に有するシリコンで形成された基板1を用意した。
次に、図4(d)に示すように、エネルギー発生素子2を被覆するように、基板1の第一の面に、無機材料層4としてSiCNをプラズマCVD法によって厚さ0.3μmで成膜した。続いて、スパッタリング法によって、保護層5としてTaを厚さ0.25μmで形成した。さらにフォトリソグラフィー工程及び反応性イオンエッチングによって、無機材料層4及び保護層5をパターニングした。
次に、図4(e)に示すように、基板1の第一の面から第一の面と対向する第二の面に貫通する供給口3を形成した。供給口3は、OFPR(商品名、東京応化工業社製)からなるポジ型感光性樹脂を用いて開口を有するエッチングマスクを形成し、エッチングマスクの開口を通して、基板1の第二の面側から反応性イオンエッチングを行うことで形成した。反応性イオンエッチングは、ICPエッチング装置(アルカテル社製、型式番号:8E)を用い、ボッシュプロセスで行った。供給口3の形成後に、剥離液を用いて、エッチングマスクを除去した。
次に、図4(f)に示すように、感光性樹脂組成物(1)を用いて形成したドライフィルム13を基板1上に転写した。具体的には、エネルギー発生素子2、供給口3を配置した基板1の面に、樹脂組成物(1)から形成したドライフィルム13を、ラミネート法を用いて、70℃の熱を加え、加圧しながら基材12から基板1へ転写した。その後、ドライフィルム13からPETフィルムからなる基材12を剥離テープにより剥離した(不図示)。
次に、図4(g)に示すように、流路パターンを有するフォトマスク14を介して、ドライフィルム13を、i線露光ステッパー(キヤノン製、商品名:i5)を用いて、10000J/mの露光量でパターン露光した。さらに50℃、5分の熱処理を行うことで露光部を硬化させて流路形成部材6を形成した。
次に、図4(h)に示すように、ドライフィルム)15を基板1上に積層した。具体的には、表2に記載の感光性樹脂組成物(2)を100μm厚のPETフィルム上に塗布し、90℃、5分ベークして溶媒を揮発させ、5.0μmのドライフィルムを成膜した。次に、ドライフィルム15を、露光処理後のドライフィルム13上に、ラミネート法を用いて50℃の熱を加えながら転写して積層した。
Figure 0007297442000005
次に、図4(i)に示すように、吐出口パターンを有するフォトマスク16を介して、ドライフィルム15を、i線露光ステッパー(キヤノン製、商品名:i5)を用いて、1100J/mの露光量でパターン露光した。さらに90℃、5分の熱処理を行うことで露光部を硬化させて吐出口形成部材10を形成した。
次に、図4(j)に示すように、露光処理後のドライフィルム13及びドライフィルム15の未硬化部をPGMEAで1時間現像することにより一括除去し、流路7、吐出口8を形成し、200℃の熱でキュアして液体吐出ヘッドを得た。
[実施例23~36]
実施例ごとに、表3-1及び表3-2に記載の感光性樹脂組成物(1)を個々に用いて、図5に示す工程により、液体吐出ヘッドを作製した。各表において、組成は質量部で表されている。
Figure 0007297442000006
Figure 0007297442000007
まず、実施例1と同様にパターニングされた無機材料層4及び保護層5をエネルギー発生素子2の配置面に有する基板1を用意した。
次に、図5(a)に示すように、基板1の無機材料層4等が設けられた面に流路7の型となるポジ型感光性樹脂としてポリメチルイソプロペニルケトン「ODUR-1010」(東京応化工業社製)をスピンコート法により塗布した。塗布により得られた塗布層を120℃で6分間熱処理を行うことで、厚さ14μmのポジ型感光性樹脂層を形成した。
次いで、露光装置UX3000(ウシオ電機社製)によって流路のパターンを露光し、MIBK(メチルイソブチルケトン)を用いてポジ型感光性樹脂層の露光部を現像して除去した。この後に、IPA(イソプロピルアルコール)でリンス処理を行うことで、型材17を形成した。
次に、図5(b)に示すように、吐出口及び流路を有する部材19の形成用として、表3に示す組成の感光性樹脂組成物(1)をそれぞれ個々に用いてスピンコート法により塗布(塗工)した。その後、塗工層に60℃で9分間の熱処理(乾燥処理)を行うことで、基板1の型材17が設けられた面に、型材17を覆い、型材17上の厚さが25μmとなるネガ型感光性樹脂層18を形成した。
次に、図5(c)に示すように、露光工程を行った。具体的には、i線露光ステッパー(キヤノン製、商品名:i5)を用いて、吐出口8形成部分が非露光部分となるように、フォトマスク20を介して、ネガ型感光性樹脂層18を選択的に露光して、図5(d)に示すように、部材19を形成した。露光強度は、実施例23~30、33、34では5000J/m、実施例31、32では1100J/m、実施例35~36では15000J/m、とした。
次に、露光処理されたネガ型感光性樹脂層18に対して95℃で4分間熱処理を行った。その後、図5(e)に示すように、キシレン/MIBK(メチルイソブチルケトン)混合液(質量比6/4)で現像し、キシレンでリンス処理を行うことで、吐出口8を形成した。
次に、図5(f)に示すように、アルカリ溶液であるTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を用いて、TMAH耐性を有する樹脂層をエッチングマスクとして、基板1に対して異方性エッチングを行い、供給口21を形成した。
その後、図5(g)に示すように、基板1を乳酸メチルに浸漬することで、型材17を溶解除去し、流路7を形成した。その後、200℃の熱でキュアして液体吐出ヘッドを得た。
[評価]
<無機材料層4と流路を形成する部材との密着性>
各液体吐出ヘッドの現像工程後に、金属顕微鏡を用いて、無機材料層4と流路形成部材6、無機材料層4と、流路を形成する部材の接合状態を金属顕微鏡にて観察し、以下の基準で評価を行った。なお、流路を形成する部材は、実施例1~22及び比較例1~6では流路形成部材6であり、実施例23~36及び比較例7~9では、流路及び吐出口を有する部材19である。
○:無機材料層4と流路を形成する部材との間で剥離は発生していない。
×:無機材料層4と流路を形成する部材との間で剥離が発生している。
上記実施例で作製した各液体吐出ヘッドにおいては、無機材料層4と流路を形成する部材との間で剥離は発生していなかった。
<落ち込み量>
実施例1~22及び比較例1~5の各液体吐出ヘッドの製造工程において、ドライフィルム15を積層後に、供給口3上部でのドライフィルムの積層部全体の落ち込みの深さを計測し、得られた値を落ち込み量とした。具体的には、供給口3の位置に対応しない領域では一様な平面となっているドライフィルム15の露出面が、供給口3の開口の位置においてどれだけ供給口3側に凹んでいるかを落ち込み量とした。落ち込み量の測定は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、商品名:VD-9710)を用いて、ドライフィルム15の一様な表面から最深部の深さがどれだけであるかを計測することにより行なった。得られた落ち込み量に基づいて以下の基準で評価を行った。
◎:落ち込み量0.5μm未満
○:落ち込み量0.5μm~1.5μm未満
×:落ち込み量1.5μm以上
上記実施例で作製した各液体吐出ヘッドにおいては、落ち込み量は全て0.5μm未満であった。
<パターン形状>
走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、商品名:S-4700)の5000倍で流路を形成する部材のパターン側壁を観察することで、パターン形状を以下の基準で評価した。
○:凹凸無し
×:凹凸有り
上記実施例で作製した各液体吐出ヘッドにおいては、パターン側壁に凹凸は見られず、パターン形状は良好であった。
[比較例1~9]
表4に記載の組成の感光性樹脂組成物(1)をそれぞれ個々に用いて、比較例1~6は実施例1と同様に、比較例7~9は実施例23と同様にして、液体吐出ヘッドを作製した。
比較例2、3、4で作製した液体吐出ヘッドは、現像時に無機材料層4と流路形成部材6の間の一部で剥離が発生していた。
実施例と同様に比較例1~6において、落ち込み量やパターン形状の評価を行った。比較例1~5の液体吐出ヘッドにおいては、落ち込み量が0.5μm未満であったが、比較例6の液体吐出ヘッドは落ち込み量が1.5μm以上であった。また、比較例1~9のパターン形状を評価した結果、比較例1及び9において、流路形成部材6のパターン側壁に凹凸が確認された。
Figure 0007297442000008
以上の各実施例及び各比較例において得られた各評価結果を表5にまとめて示す。
Figure 0007297442000009
<耐インク性>
実施例1~36、比較例1~9で作製したそれぞれの液体吐出ヘッドの流路に、以下の表6に示すインクを充填し、70℃のオーブン中で90日間放置した。
Figure 0007297442000010
放置後の無機材料層4と流路を形成する部材の接合状態を金属顕微鏡にて観察し、以下の基準で評価を行った。
○:70℃、90日間保存後でも、無機材料層4と流路形成部材6間で剥離は発生していない。
×:70℃、90日間保存後に、無機材料層4と流路形成部材6間で、液体吐出ヘッド完成時には見られなかった剥離が発生している。
<印字評価>
各実施例及び各比較例で作製したそれぞれの液体吐出ヘッドに、エチレングリコール/尿素/イソプロピルアルコール/N-メチルピロリドン/黒色染料/水=5/3/2/5/3/82(いずれも質量基準)からなるインクを充填した。充填後、70℃、90日間保存した後の印字評価を行った。
耐インク性、印字評価の評価結果を表7に示す。
Figure 0007297442000011
実施例1から36で作製した液体吐出ヘッドでは、無機材料層と流路を形成する部材の耐インク性が良好で、印字品位も良好であった。一方、比較例1から9で作製した液体吐出ヘッドでは、耐インク性が低く、無機材料層と流路を形成する部材の間で剥離が発生した影響で、印字品位の低下が見られた。なお、比較例1及び9においてはパターン形状の悪化の影響で印字品位の低下が他の比較例よりも顕著であった。また比較例6においては、樹脂組成物層全体の供給口への落ち込みが他の比較例よりも大きかったため、印字品位の低下がさらに顕著であった。
以上のように、本発明によれば、無機材料層と有機材料層との接合信頼性を有する微細構造体及び液体吐出ヘッドを提供できることがわかる。
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 供給口
4 無機材料層
5 保護層
6 流路形成部材
7 流路
8 吐出口
10 吐出口形成部材
11 撥液層
12 フィルム
13 感光性樹脂組成物(1)から形成したドライフィルム
14 流路形成用のフォトマスク
15 感光性樹脂組成物(2)から形成したドライフィルム
16 吐出口形成用のフォトマスク
17 型材
18 ネガ型感光性樹脂層
19 流路及び吐出口を有する部材
20 吐出口形成用のフォトマスク
21 供給口

Claims (28)

  1. 基板上に感光性樹脂組成物から樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層に微細構造体のパターンを露光して、露光による硬化部と非露光による未硬化部を形成する工程と、前記基板から前記未硬化部を現像により除去して前記硬化部を有する微細構造のパターンを得る工程と、を有する微細構造体の製造方法であって、
    前記基板の前記樹脂層を形成する面が、凹凸もしくは開口を有し、
    前記感光性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコールを含む架橋剤、光酸発生剤および溶剤を含み、
    前記多価アルコールの数平均分子量が3000未満であり、
    前記エポキシ樹脂が、三官能以上のエポキシ樹脂と、重量平均分子量が5000以上の二官能のエポキシ樹脂と、を含むことを特徴とする微細構造体の製造方法。
  2. 前記基板の前記樹脂層を形成する面無機材料層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の微細構造体の製造方法。
  3. 前記無機材料層は、酸化シリコン、炭化シリコン、炭窒化シリコン、炭酸化シリコン、及び金属の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項に記載の微細構造体の製造方法。
  4. 前記二官能のエポキシ樹脂の軟化点は、90℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の微細構造体の製造方法。
  5. 前記二官能の重量平均分子量が5000以上のエポキシ樹脂が、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項に記載の微細構造体の製造方法。
  6. 前記架橋剤が、数平均分子量が200以上3000未満であり、分子内に繰り返し構造を有する高分子量の多価アルコールと、数平均分子量が200未満であり、沸点が200℃以上である低分子量の多価アルコールからなる群から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
  7. 前記架橋剤が、数平均分子量が200以上3000未満であり、分子内に繰り返し構造を有する高分子量の多価アルコールから選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項に記載の微細構造体の製造方法。
  8. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、クレゾールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するエポキシ樹脂、テルペン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、オキシシクロヘキサン骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
  9. 前記樹脂層の形成工程が、前記感光性樹脂組成物を前記基板に塗工して塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
  10. 前記樹脂層の形成工程が、前記感光性樹脂組成物を基材上に塗工して塗工層を得る塗工工程と、該塗工層からドライフィルムを形成するドライフィルムの形成工程と、該ドライフィルムを前記基材上から前記基板に転写する転写工程とを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
  11. 前記高分子量の多価アルコールが、以下の式(a)~(c)で示される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項またはに記載の微細構造体の製造方法。
    Figure 0007297442000012
    (各nはそれぞれ独立して自然数である。各Rはそれぞれ独立して、酸素原子および/または窒素原子を有してもよく、環状でもよい脂肪族基、或いは酸素原子を有してもよい芳香族基であり、炭素数は1~15である。)
  12. 前記低分子量の多価アルコールが、1,2-または1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,5-ジヒドロキシペンタン-3-オン、6-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の微細構造体の製造方法。
  13. 前記多価アルコールの添加量が前記感光性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の質量に対し0.5%以上30.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
  14. 前記多価アルコールの添加量が前記感光性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の質量に対し1.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項13に記載に微細構造体の製造方法。
  15. 基板と、吐出口と流路を有する部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
    基板上に、感光性樹脂組成物(1)から樹脂層を形成する工程と、
    前記基板上の前記樹脂層に対する露光及び現像により、前記部材の少なくも前記流路を有する部分を前記露光による硬化部により形成する工程と、
    を有し、
    前記基板の前記樹脂層を形成する面が、凹凸もしくは開口を有し、
    前記感光性樹脂組成物(1)が、エポキシ樹脂、末端の水酸基に関して二官能もしくは三官能であり、パーフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキレン基を含まない多価アルコールを含む架橋剤、光酸発生剤および溶剤を含み、
    前記多価アルコールの数平均分子量が3000未満であり、
    前記エポキシ樹脂が、三官能以上のエポキシ樹脂と、重量平均分子量が5000以上の二官能のエポキシ樹脂と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  16. 前記基板の前記樹脂層を形成する面無機材料層が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  17. 前記無機材料層は、酸化シリコン、炭化シリコン、炭窒化シリコン、炭酸化シリコン、及び金属の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  18. 前記二官能のエポキシ樹脂の軟化点は、90℃以上であることを特徴とする請求項15に記載の微細構造体の製造方法。
  19. 前記二官能の重量平均分子量が5000以上のエポキシ樹脂が、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項15に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  20. 前記架橋剤が、数平均分子量が200以上3000未満であり、分子内に繰り返し構造を有する高分子量の多価アルコールと、数平均分子量が200未満であり、沸点が200℃以上である低分子量の多価アルコールからなる群から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  21. 前記架橋剤が、数平均分子量が200以上3000未満であり、分子内に繰り返し構造を有する高分子量の多価アルコールから選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項20に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  22. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、クレゾールノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するエポキシ樹脂、テルペン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、オキシシクロヘキサン骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  23. 前記樹脂層の形成工程が、前記感光性樹脂組成物を前記基板に塗工して塗工層を形成する塗工工程と、該塗工層を乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする請求項15乃至22のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  24. 前記樹脂層の形成工程が、前記感光性樹脂組成物を基材上に塗工して塗工層を得る塗工工程と、該塗工層からドライフィルムを形成するドライフィルムの形成工程と、該ドライフィルムを前記基材上から前記基板に転写する転写工程とを有することを特徴とする請求項15乃至22のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  25. 前記高分子量の多価アルコールが、以下の式(a)~(c)で示される化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項20または21に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
    Figure 0007297442000013
    (各nはそれぞれ独立して自然数である。各Rはそれぞれ独立して、酸素原子および/または窒素原子を有してもよく、環状でもよい脂肪族基、或いは酸素原子を有してもよい芳香族基であり、炭素数は1~15である。)
  26. 前記低分子量の多価アルコールが、1,2-または1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,5-ジヒドロキシペンタン-3-オン、6-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項20に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  27. 前記多価アルコールの添加量が前記感光性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の質量に対し0.5%以上30.0%以下であることを特徴とする請求項15乃至26のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  28. 前記多価アルコールの添加量が前記感光性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂全体の質量に対し1.0%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項27に記載に液体吐出ヘッドの製造方法。
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