JP2013188916A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テーパー角の小さいテーパー形状の吐出部を備えるインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】基板上に特定の化合物を含有するカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を含む樹脂組成物層を形成する工程と、前記樹脂組成物層に対して第一のパターン露光および第一の熱処理を施す工程と、前記樹脂組成物層の未露光部に対して第二のパターン露光および第二の熱処理を施す工程と、前記第一のパターン露光および前記第二のパターン露光における未露光部を現像処理により除去することで、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口へと近づくにしたがって内径が小さくなるテーパー形状の吐出部とを形成する工程と、を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、被記録媒体にインクを吐出することにより記録を行うインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
インクジェット記録ヘッドは、一般に流路、該流路の一部に設けられるインクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子、インクを吐出するための微細な吐出口及び該吐出口に繋がる吐出部を備える。
近年、インクジェット記録ヘッドは、微小液滴を吐出する必要性から吐出口径がますます微小化される傾向にある。しかし、以下のような課題が生じる場合がある。例えば、微小化された吐出口およびそれに繋がる吐出部では、インクの流動抵抗が高くなり、インクが吐出されにくくなる場合がある。また回復(インクの再充填)速度の遅れの一因にもなり得る。加えて、待機時における吐出口からのインクの蒸発によって粘度が上昇した場合には、吐出始めの段階において不吐が発生する場合がある。
このような課題を解決する方法の一つとして、吐出口へと近づくにしたがって、吐出部の径が小さくなる所謂テーパー形状の吐出部を形成することで、流動抵抗およびインクの蒸発を低減する方法が挙げられる。吐出口および吐出部形成用の材料としてネガ型のフォトレジストを用い、フォトリソグラフィーの手法によりテーパー形状の吐出部を形成する方法としては、例えば特許文献1に開示されている方法を適用することができる。
前記方法は、まず吐出口および吐出部を形成するためのフォトレジスト層に対して第一のフォトマスクを介して第一のパターン露光を行った後、熱処理(PEB)を行って、フォトレジスト層表面の未露光部分に凹部を形成する。これは、PEBによって露光部の架橋反応が進行する際、未露光部から露光部へフォトレジストの単量体成分の輸送が生じることで、未露光部の体積減少が生じ、くぼみ(凹部)が形成されるものである。その後、凹部に対して第二のフォトマスクを介して第二のパターン露光を行った後、現像により吐出口および吐出部を形成する。第二のパターン露光の際、凹部によって照射光が屈折し、結果的にテーパー形状の吐出部を形成することができる。
特許第4498363号公報
前記テーパー形状のテーパー角を小さくする、即ち、吐出口へと近づくにしたがって吐出部の径をより小さくする方が、インクの蒸発をより抑制できるため好ましい。しかしながら、前記方法においては、形成可能なテーパー形状のテーパー角に限界があり、所望する性能が得られるように十分に小さなテーパー角を有する吐出部を得ることができない場合がある。
本発明の目的は、テーパー角の小さいテーパー形状の吐出部を備えるインクジェット記録ヘッドを提供することである。
本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法は、
基板上にカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を含む樹脂組成物層を形成する工程と、
前記樹脂組成物層に対して第一のパターン露光および第一の熱処理を施す工程と、
前記樹脂組成物層の未露光部に対して第二のパターン露光および第二の熱処理を施す工程と、
前記第一のパターン露光および前記第二のパターン露光における未露光部を現像処理により除去することで、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口へと近づくにしたがって内径が小さくなるテーパー形状の吐出部とを形成する工程と、を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
前記カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物が、少なくとも、
(A)多官能エポキシ樹脂、
(B)光照射により酸を発生する化合物、及び
(C)下記式(1)および/または下記式(2)で示される化合物、
を含有する。
Figure 2013188916
Figure 2013188916
本発明によれば、テーパー角の小さいテーパー形状の吐出部を備えるインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
テーパー形状の吐出部を形成できる原理を示す断面図である。 凹部の直径φaを小さくした場合を示す断面図である。 本発明に係る方法により製造されるインクジェット記録ヘッドの模式的断面図である。 本発明に係る方法において使用する基板の斜視図である。 本発明に係る方法の第一の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る方法の第二の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る方法の第三の実施形態を示す断面図である。
本発明に係る方法は、フォトレジスト層表面に形成された凹部をレンズとして機能させ、レンズの傾斜部分で光が屈折する現象を、インクジェット記録ヘッドの吐出口(吐出部)形成に適用したものである。
図1により、テーパー形状の吐出部を形成できる原理を示す。図1(a)は、基板1上に塗布されたフォトレジスト層に対して第一のフォトマスク(不図示)を介して第一のパターン露光を行った後、第一の熱処理(第一のPEB)を行って、フォトレジスト層の表面に直径φa、深さdの凹部4を形成した図である。凹部4の周囲は硬化したフォトレジスト層2であり、凹部4の下部は未硬化のフォトレジスト層3である。
図1(b)は、凹部4(未硬化のフォトレジスト層3)に対して第二のフォトマスク(不図示)を介して、直径φbの吐出口を形成するための第二のパターン露光を行った図である。第二のフォトマスク(不図示)を透過してきた光5は、凹部4の傾斜部によって屈折し、屈折した光6となって未硬化のフォトレジスト層3の一部を硬化させる。その後、第二の熱処理(第二のPEB)を行い現像することで、直径φbを有する吐出口7および角度θのテーパー角9を有する吐出部8が形成される(図1(c))。
図1において、テーパー角9を小さくするためには、第二のフォトマスク(不図示)を透過してきた光5を大きく屈折させる必要がある。そのためには、凹部4の、より急峻な傾斜部において光を屈折させることが有効である。凹部4の傾斜は概ねカテナリー曲線(懸垂曲線)に従って形成されることから、(1)吐出口7の直径φbに対して凹部4の直径φaを十分に小さくする方法、(2)凹部4の深さdを深くする方法、が考えられる。
しかしながら、前記(1)の方法では、図2に示すように、屈折した光6が第一のパターン露光によって硬化した部位に干渉するため、吐出部の下部までテーパーを形成することができない。また、凹部4は、未露光部から露光部へフォトレジストの単量体成分の輸送が生じ、未露光部の体積減少が生じることにより形成される。このため、凹部4の深さdはフォトレジスト層の体積(膜厚)に大きく依存する。
本発明によれば、フォトレジストを吐出口形成用の材料として用い、フォトリソグラフィーの手法によってテーパー形状の吐出部を形成する際に、(2)凹部4の深さdを深くする方法により、テーパー角を小さくすることができる。さらには、インクの蒸発を抑制することで信頼性が向上し、また、インクの吐出効率に優れたインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
図3から図7を用いて、凹部4の深さdを深くすることが可能な本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。図3は、本発明に係る方法により製造されたインクジェット記録ヘッドの一例を示す一部透かしの模式的断面図である。図3に示すインクジェット記録ヘッドは、エネルギー発生素子11を複数備えるシリコン基板10を備える。図4に示すように、シリコン基板10上には、エネルギー発生素子11が所定のピッチで複数個配置されている。シリコン基板10は、インクを保持するインク流路12と、インク流路12と連通しインクを吐出するためのインク吐出口7と、インク流路12及びインク吐出口7を形成するインク流路形成層13とを備える。また、シリコン基板10には、インクをインク流路12に供給するインク供給口14が設けられている。
図5から図7に、図3及び図4のA−B断面図を用いて、本発明におけるインクジェット記録ヘッドの製造方法を模式的に示す。以下、本発明の実施形態の一例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[第一の実施形態]
以下に、図5(a)から(i)を用いて本発明の第一の実施形態を説明する。なお、以下図5(a)から(i)に示す各工程を、工程(a)から(i)と示す。
(工程(a))
まず、エネルギー発生素子11を備えるシリコン基板10を準備する(図5(a))。本実施形態では基板にシリコン基板を用いているが、本発明ではシリコン基板に限らず、ガラス基板やプラスチック基板等を用いることもできる。エネルギー発生素子11は、液体を吐出させるための吐出エネルギーが液体に与えられ、液体が吐出口から吐出可能なものであれば、特に限定はされない。例えば、エネルギー発生素子11として発熱抵抗素子が用いられる場合、該発熱抵抗素子が近傍の液体を加熱することにより、液体に状態変化を生起させ吐出エネルギーが発生する。なお、エネルギー発生素子11には素子を動作させるための制御信号入力電極(不図示)が接続されている。また、シリコン基板10には、エネルギー発生素子11の耐用性の向上を目的とした保護層(不図示)や、後述するポジ型レジスト材料とシリコン基板10との密着性の向上を目的とした密着向上層(不図示)等の各種機能層が更に設けられていてもよい。
(工程(b))
シリコン基板10上に、ポジ型レジスト材料を塗布し、一連のフォトリソグラフィー工程によりパターニングして、発泡室およびインク流路パターン15を形成する(図5(b))。発泡室およびインク流路パターン15は後工程において溶解除去する必要があるため、発泡室およびインク流路パターン15にはポジ型レジスト材料が使用される。該ポジ型レジスト材料としては、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系又はアクリル系の光崩壊型高分子化合物を用いることが好ましい。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。該ポジ型レジスト材料の塗布には、スピンコートやスリットコート等の汎用的な塗布方法を適用できる。
(工程(c))
次いで、発泡室およびインク流路パターン15を備えるシリコン基板10上に、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を含む樹脂組成物層であるインク流路形成層13を形成する(図5(c))。また、必要に応じて、インク流路形成層13上に、さらに撥水処理、親水処理等の表面改質処理を行ってもよい(不図示)。
本発明において、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも(A)多官能エポキシ樹脂、(B)光照射により酸を発生する化合物、及び(C)前記式(1)および/または前記式(2)で示される化合物、を含有する。
<(A)多官能エポキシ樹脂>
カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物のベースとなる多官能エポキシ樹脂としては、構造材料としての機械的強度、インクジェット記録ヘッドとして使用する際のインク耐性、解像性等の観点から、以下に示す多官能エポキシ樹脂が好ましい。多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型の多官能エポキシ樹脂、ノボラック型の多官能エポキシ樹脂、オキシシクロヘキサン骨格を有する多官能エポキシ樹脂等が好ましい。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。エポキシ当量が2000以下であることにより、硬化反応の際に架橋密度が低下せず、十分な密着性、耐インク性が得られる。なお、エポキシ当量はJISK−7236に基づき、中和滴定により測定した値とする。
多官能エポキシ樹脂の重量平均分子量は、500以上、100000以下であることが好ましく、1000以上、50000以下であることがより好ましい。なお、重量平均分子量はGPCを用い、ポリスチレン換算により測定した値とする。
特に、多官能エポキシ樹脂としては、下記式(3)から(7)で示される化合物の少なくとも一種であることが好ましい。
Figure 2013188916
(式(3)において、l、m及びnは正の整数を示す。)
Figure 2013188916
(式(4)において、nは正の整数を示す。)
Figure 2013188916
(式(5)において、nは正の整数を示す。)
Figure 2013188916
(式(6)において、nは正の整数を示す。)
Figure 2013188916
(式(7)において、nは正の整数を示す。)。
前記式(3)において、l、m及びnは、それぞれ1以上、200以下であることが好ましい。前記式(4)において、nは1以上、400以下であることが好ましい。前記式(5)において、nは1以上、200以下であることが好ましい。前記式(6)において、nは1以上、600以下であることが好ましい。前記式(7)において、nは1以上、300以下であることが好ましい。
<(B)光照射により酸を発生する化合物>
本発明に係る方法では、前記(A)多官能エポキシ樹脂を硬化させるため、光照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を用いる。該光酸発生剤としては、特に限定されないが、例えば芳香族スルフォニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等が挙げられる。具体的には、SP−150、SP−170、SP−172(以上商品名、(株)ADEKA製)、DTS−103、NDS−103(以上商品名、みどり化学(株)製)等が挙げられる。これらは一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、波長増感する目的で、SP−100(商品名、(株)ADEKA製)等の増感剤を併用してもよい。
(B)光照射により酸を発生する化合物の配合量は、(A)多官能エポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、20質量部以下が好ましく、1質量部以上、15質量部以下がより好ましく、2質量部以上、10質量部以下がさらに好ましい。
<(C)前記式(1)および/または前記式(2)で示される化合物>
本発明に係る方法では、上述した構成成分に加え、光が照射されていない部位では後述するPEBの際に揮発し、かつ光が照射された部位においては多官能エポキシ樹脂と架橋構造を形成し得る揮発性反応物を用いる。具体的には、前記式(1)および/または前記式(2)で示される化合物(以下、(C)化合物と示す)を用いる。(C)化合物は、比較的低温で揮発(昇華)すると共に、酸の存在下においては多官能エポキシ樹脂と架橋構造を形成する。このため、PEB時に、未露光部から露光部へ(C)化合物を含む単量体成分が輸送されることにより体積減少が生じるのに加え、未露光部で(C)化合物の揮発(昇華)が選択的に生じることによっても体積減少が生じる。この効果により、後述する図5(e)の未硬化部18において深い凹部4を形成することが可能となる。
(C)化合物の配合量は、形成する凹部4の深さdに応じて適宜調整することができる。しかしながら、(A)多官能エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上、80質量部以下であることが好ましく、3質量部以上、60質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上、40質量部以下であることがさらに好ましい。該配合量が1質量部以上であれば、十分に深い凹部4を形成することができる。また、該配合量が80質量部以下であれば、エポキシ基同士の架橋密度が高くなり、十分な密着性が得られる。なお、(C)化合物の配合量が多いほど、凹部4の深さdを深くすることができ、テーパー角θを小さくすることができる。
前記式(1)で示される化合物と前記式(2)で示される化合物とはそれぞれを単独で用いてもよく、両者を併用してもよい。前記式(1)で示される化合物と前記式(2)で示される化合物とを併用する場合には、その配合量は特に限定されない。例えば、前記式(1)で示される化合物と前記式(2)で示される化合物との合計に対する前記式(1)で示される化合物の割合(質量比)は、10質量%以上、90質量%以下とすることができる。
なお、前記式(1)で示される化合物は1,4−HFABの商品名で、前記式(2)で示される化合物は1,3−HFABの商品名で、共にセントラル硝子(株)から入手することができる。
<その他添加剤>
本発明に係るカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物は、前記(A)から(C)以外にも、必要に応じて種々のその他添加剤を含むことができる。例えば、エポキシ樹脂硬化物の弾性率を下げる目的で添加する可撓性付与剤、下地との更なる密着力を得るために添加するシランカップリング剤等が挙げられる。
<塗布溶剤>
本発明に係るカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を塗布するための塗布溶剤としては、上述した構成成分を溶解し、かつ発泡室およびインク流路パターン15を形成しているポジ型レジスト材料を溶解し難いものを選択して用いることができる。さらに、塗布溶剤の揮発性が低い場合には、塗布後の溶剤乾燥時に高い温度での処理が必要となるため、(C)化合物が揮発する可能性があることから、40〜90℃で揮発する溶剤を用いることが好ましい。塗布溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。なお、塗布溶剤の溶剤乾燥は、低温で溶剤を揮発させるために減圧下で行ってもよく、減圧下で加熱して行ってもよい。
<熱処理による塗布溶剤の乾燥温度>
発泡室およびインク流路パターン15を備えるシリコン基板10上に、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、熱処理により塗布溶剤を乾燥する際、(C)化合物が揮発しないように、比較的低い温度で溶剤乾燥を行うことが好ましい。溶剤乾燥の熱処理温度は、後述する第一の熱処理(第一のPEB)の温度よりも5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましい。
具体的には、(C)化合物として前記式(1)で示される化合物を用いる場合には、溶剤乾燥の熱処理温度は、40℃以上、90℃以下であることが好ましく、50℃以上、80℃以下であることがより好ましい。また、(C)化合物として前記式(2)で示される化合物を用いる場合には、溶剤乾燥の熱処理温度は、40℃以上、65℃以下であることが好ましく、45℃以上、60℃以下であることがより好ましい。
形成されるインク流路形成層13の厚みとしては、5μm以上、100μm以下であることが好ましく、8μm以上、50μm以下であることがより好ましい。
(工程(d)及び(e))
インク流路形成層13に対して第一のフォトマスク16を介して光照射を行い、第一のパターン露光を施す(図5(d))。その後、第一の熱処理(第一のPEB)を行う。この一連の工程によって、光が照射された部分は重合反応が進行して硬化部17となり、第一のフォトマスク16によって遮光された部分(未硬化部18)の表層に凹部4が形成される(図5(e))。
第一のパターン露光における露光の波長は特に限定されないが、例えばi線(波長:365nm)、KrFエキシマレーザー光(波長:248nm)等を用いることができる。第一のパターン露光における露光量は適宜選択することができるが、例えば、500J/m以上、10000J/m以下とすることができる。
第一のPEBの条件としては、以下の点を考慮して適宜設定することができる。
<パターニング性>
第一のPEBの温度としては、70℃以上、120℃以下が好ましい。第一のPEBの温度が70℃以上であれば、光照射部において十分に架橋し、十分な下地との密着性が得られる。また、第一のPEBの温度が120℃以下であれば、光照射によって光重合開始剤から発生した酸が、光が照射されていない部位に拡散することがなく、解像性の低下を防ぐことができる。第一のPEBの処理時間としては、露光部における架橋反応を進行させるに十分な処理時間であれば特に限定されないが、第一のPEBを前記温度範囲で行う場合には、1分以上、10分以下が好ましい。
<流動性および揮発性>
未露光部から露光部への(C)化合物を含む単量体成分の輸送、および(C)化合物の揮発(昇華)を効率良く生じさせるために、(C)化合物の融点以上の温度で第一のPEBを行うことが好ましい。
(C)化合物として前記式(1)で示される化合物(融点:88℃)を用いる場合には、第一のPEBを95℃以上で行うことが好ましく、100℃以上で行うことがより好ましい。また、前記パターニング性の観点から、第一のPEBを120℃以下で行うことが好ましく、115℃以下で行うことがより好ましい。
また、(C)化合物として前記式(2)で示される化合物(融点:22℃)を用いる場合には、前記パターニング性の観点から、第一のPEBを70℃以上で行うことが好ましく、75℃以上で行うことがより好ましい。また、前記パターニング性の観点から、第一のPEBを120℃以下で行うことが好ましく、115℃以下で行うことがより好ましい。
また、第一のPEB時に低い温度で効率良く(C)化合物を揮発させる目的で、第一のPEBを減圧下において行うことが好ましい。第一のPEBにおける減圧の程度としては、−400mmHg以下であることが好ましく、−600mmHg以下であることがより好ましい。
第一のPEBは例えばホットプレート上で行うことができる。
形成される凹部4の直径φaとしては、例えば10μm以上、100μm以下とすることができる。また、凹部4の深さdとしては、例えば4μm以上、10μm以下とすることができ、4.5μm以上、8μm以下が好ましい。
(工程(f)及び(g))
次に、インク流路形成層13の未露光部に対して第二のフォトマスク19を介して光照射を行い、第二のパターン露光を行う(図5(f))。その後、第二の熱処理(第二のPEB)を行う。さらに、第一のパターン露光および第二のパターン露光における未露光部を現像処理により除去することで、インクを吐出するための吐出口7と、吐出口7へと近づくにしたがって内径が小さくなるテーパー形状の吐出部8とを形成する(図5(g))。
第二のパターン露光における露光の波長は特に限定されないが、例えばi線、KrFエキシマレーザー光等を用いることができる。第二のパターン露光における露光量は適宜選択することができるが、例えば、500J/m以上、10000J/m以下とすることができる。
第二のPEBの条件は、第一のPEBの条件と同様とすることができる。
現像処理に用いる現像液としては、特に限定されないが、例えばメチルイソブチルケトン、キシレン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合した混合溶剤として用いてもよい。現像処理の後、必要に応じてイソプロピルアルコール等によるリンス処理や、ポストベーク等を行ってもよい。
形成される吐出口7の直径φbとしては、例えば5μm以上、80μm以下とすることができる。また、吐出部8のテーパー角θとしては、例えば85°以下とすることができ、80°以下が好ましい。
(工程(h))
次に、シリコン基板10を貫通するインク供給口14を形成する(図5(h))。インク供給口14の形成方法としては、サンドブラスト、ドライエッチング、ウエットエッチング等の方法、またはこれらの方法の組み合わせにより行うことができる。
一例として、アルカリ系のエッチング液である水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の水溶液を用いた異方性エッチングについて説明する。結晶方位として、<100>、<110>の方位を持つシリコン基板は、アルカリ系の化学エッチングを行うことにより、エッチングの進行方向に関して、深さ方向と幅方向との選択性ができ、これによりエッチングの異方性を得ることができる。特に、<100>の結晶方位を持つシリコン基板は、エッチングを行う幅によってエッチングされる深さが幾何学的に決定されるため、エッチング深さを制御することができる。例えば、エッチングの開始面から深さ方向に54.7°の傾斜を持って狭くなる孔を形成することができる。エッチング液に対して耐性を持つ適当な樹脂材料や無機膜をマスクとして、前記異方性エッチングを行うことで、シリコン基板10を貫通するインク供給口14を形成することができる。
(工程(i))
次に、発泡室およびインク流路パターン15を除去することで、インク吐出部8と連通する発泡室およびインク流路20を形成する(図5(i))。発泡室およびインク流路パターン15を除去する方法としては、工程(b)で用いたポジ型レジスト材料の感光波長を含む光を吐出口7形成面から照射してポジ型レジスト材料を可溶化した後、適当な溶剤を用いて溶解除去することが好ましい。
次いで、切断分離工程を経た後(不図示)、必要に応じて加熱処理を施してカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を完全に硬化させる。さらに、インク供給のための部材(不図示)の接合、エネルギー発生素子11を駆動するための電気的接合(不図示)等を行って、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
[第二の実施形態]
以下に、図6(a)から(e)を用いて本発明の第二の実施形態を説明する。なお、以下図6(a)から(e)に示す各工程を、工程(a)から(e)と示す。
(工程(a))
まず、第一の実施形態と同様に、エネルギー発生素子11を備えるシリコン基板10を準備する(図6(a))。
(工程(b))
シリコン基板上に、発泡室およびインク流路パターンの壁21を形成する(図6(b))。発泡室およびインク流路パターンの壁21は、ネガ型のフォトレジストを用いて一般的なフォトリソグラフィープロセスにより形成することができる。該ネガ型のフォトレジストとしては、第一の実施形態におけるカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いてもよい。
(工程(c))
次いで、発泡室およびインク流路パターンの壁21に囲まれた部位に、溶解除去可能な樹脂組成物22を充填する(図6(c))。溶解除去可能な樹脂組成物22の充填方法としては、例えば、第一の実施形態におけるポジ型レジスト材料を、発泡室およびインク流路パターンの壁21を備えるシリコン基板10に塗布し、乾燥した後、研磨等の既知の手法により平坦化する方法が挙げられる。
(工程(d)及び工程(e))
次いで、発泡室およびインク流路パターンの壁21及び溶解除去可能な樹脂組成物22上に、第一の実施形態と同様に、第一の実施形態におけるカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、インク流路形成層13を形成する(図6(d))。その後の工程は、第一の実施形態と同様にして、吐出口7、吐出部8、インク供給口14、及び、発泡室およびインク流路20を形成する(図6(e))。これにより、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
[第三の実施形態]
以下に、図7(a)から(e)を用いて本発明の第三の実施形態を説明する。なお、以下図7(a)から(e)に示す各工程を、工程(a)から(e)と示す。
(工程(a))
まず、第一の実施形態と同様に、エネルギー発生素子11を備えるシリコン基板10を準備する(図7(a))。
(工程(b)及び(c))
シリコン基板10上に、ネガ型のフォトレジスト23を塗布し(図7(b))、パターン露光を行って、発泡室およびインク流路パターンの潜像24を形成する(図7(c))。該ネガ型のフォトレジストとしては、第一の実施形態におけるカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いてもよい。
(工程(d)及び(e))
次いで、ネガ型のフォトレジスト23及び発泡室およびインク流路パターンの潜像24上に、第一の実施形態と同様に、第一の実施形態におけるカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を塗布し、インク流路形成層13を形成する(図7(d))。その後の工程は、第一の実施形態と同様にして、吐出口7、吐出部8、インク供給口14、及び、発泡室およびインク流路20を形成する(図7(e))。これにより、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
なお、第三の実施形態においては、インク流路形成層13に対して第一および第二のパターン露光を行う際、下層に位置するネガ型のフォトレジスト23が感光しないようにすることが好ましい。例えば、以下の方法が挙げられる。
<感光波長を分離する方法>
下層に位置するネガ型のフォトレジスト23としてDeep−UV領域(300nm以下の波長領域)にのみ感度を有する材料を用い、Deep−UV用露光装置(例えばKrFステッパー)を用いて光照射を行う。また、上層に位置するインク流路形成層13として、i線に感度を有する材料を用い、i線用露光装置(例えばi線ステッパー)を用いて光照射を行う。これにより、上層の光照射時に、下層が感光することを回避できる。
<感度に差を持たせる方法>
下層に位置するネガ型のフォトレジスト23と、上層に位置するインク流路形成層13の感光波長は同一でもよいが、上層の感度を、下層の感度の5倍以上高感度とする。これにより、上層の光照射時に下層の感光を低減することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図5に示した工程に従って、インクジェット記録ヘッドを作製した。まず、図5(a)に示されるシリコン基板10を準備した。本実施例においては、8インチのシリコン基板の上に、エネルギー発生素子11としての電気熱変換素子(材質HfBからなるヒーター)と、インク流路およびノズル形成部位にSiN+Taの積層膜(不図示)とを備えるシリコン基板10を準備した。
シリコン基板10上に、ポジ型レジストとしてポリメチルイソプロペニルケトン(商品名:ODUR、東京応化工業(株)製)をスピンコートし、120℃で3分間ベークを行った。ベーク後のレジスト層の膜厚は15μmであった。引き続き、Deep−UV露光装置(商品名:UX−3200、ウシオ電機(株)製)を用い、23000mJ/cmの露光量にてパターン露光を行った。その後、メチルイソブチルケトンにて現像を行い、イソプロピルアルコールにてリンス処理を行って、15μmの厚みを有する発泡室およびインク流路パターン15を形成した(図5(b))。
次いで、以下の組成からなるカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を、発泡室および液流路パターン15上に、膜厚が13μmとなるようにスピンコートし、ホットプレート上で、70℃で3分間溶剤乾燥(プリベーク)を行った。これにより、インク流路形成層13を形成した(図5(c))。発泡室および液流路パターン15上のインク流路形成層13の厚みは13μmであった。
・多官能エポキシ樹脂:前記式(3)で示される化合物(l、m及びnが1〜10の混合物)(商品名:EHPE、(株)ダイセル製) 100質量部
・光重合開始剤:SP−172(商品名、(株)ADEKA製) 5質量部
・揮発性反応物:前記式(1)で示される化合物(商品名:1,4−HFAB、セントラル硝子(株)製) 20質量部
・塗布溶剤:キシレン 100質量部。
次に、i線ステッパー(商品名:i5、キヤノン(株)製)を用い、第一のフォトマスク16を介して2500J/mの露光量にて光照射を行った(図5(d))。その後、ホットプレート上で、100℃で3分間第一のPEBを行って凹部4を形成した(図5(e))。なお、凹部4として、直径φa=25μmの凹部を形成した。この時の凹部4の深さdをレーザー顕微鏡((株)キーエンス製)により測定した。
引き続き、i線ステッパー(商品名:i5、キヤノン(株)製)を用い、第二のフォトマスク19を介して3500J/mの露光量にて光照射を行った(図5(f))。その後、ホットプレート上で、100℃で3分間第二のPEBを行った。さらに、メチルイソブチルケトン:キシレン=1:1(質量比)の混合溶剤にて現像し、イソプロピルアルコールにてリンス処理を行い、吐出口7および吐出部8を形成した(図5(g))。なお、本実施例では、吐出口7として、直径φb=15μmの吐出口を形成した。
次に、シリコン基板10の裏面に、ポリエーテルアミド樹脂組成物(商品名:HIMAL、日立化成工業(株)製)を用いて、幅1mm、長さ24mmの開口部を有するエッチングマスク(不図示)を作製した。80℃に保持した22質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液中にシリコン基板10を浸漬し、シリコン基板10の異方性エッチングを行って、インク供給口14を形成した(図5(h))。なお、この際エッチング液からシリコン基板10表面の樹脂層を保護する目的で、保護膜(不図示、商品名:OBC、東京応化工業(株)製)をシリコン基板10の表面に予め塗布してから異方性エッチングを行った。
次いで、キシレンを用いて保護膜を溶解除去した後、Deep−UV露光装置(商品名:UX−3200、ウシオ電機(株)製)を用いて20000mJ/cmの露光量で全面露光を行った。その後、シリコン基板10を乳酸メチル中に超音波を付与しつつ浸漬し、発泡室およびインク流路パターン15を溶解除去することで、インク供給口14に連通する発泡室およびインク流路20を形成した(図5(i))。
次に、200℃で60分間加熱処理を施して、インク流路形成層13を完全に硬化させた。その後、切断分離工程を行い(不図示)、インク供給のための部材(不図示)の接合、エネルギー発生素子11を駆動するための電気的接合(不図示)等を行って、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
このようにして作製したインクジェット記録ヘッドを、吐出口7および吐出部8の断面が観察できるよう切断し、走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−7500F、日本電子製)により観察してテーパー角θを測定した。表1に、テーパー角θ、凹部4の直径φa、凹部4の深さd及び吐出口の直径φbを示す。
(実施例2〜5)
1,4−HFABの配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
1,4−HFABに代えて、前記式(2)で示される化合物(商品名:1,3−HFAB、セントラル硝子(株)製)を混合した。また、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物をスピンコートした後のプリベークを60℃で3分間行った。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
1,4−HFABを20質量部混合することに代えて、1,4−HFABを10質量部及び1,3−HFABを10質量部混合した。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(実施例8)
−600mmHgの減圧下で第一のPEBを行った以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物をスピンコートした後のプリベークを、ホットプレート上で、50℃で3分間行った。それ以外は、実施例6と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(実施例10)
前記式(3)で示される化合物であるEHPEに代えて、前記式(4)で示される化合物(n=2〜7の混合物)を混合した。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例11)
前記式(3)で示される化合物であるEHPEに代えて、前記式(5)で示される化合物(n=3〜5の混合物)を混合した。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例12)
前記式(3)で示される化合物であるEHPEに代えて、前記式(6)で示される化合物(n=2〜20の混合物)を混合した。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例13)
前記式(3)で示される化合物であるEHPEに代えて、前記式(7)で示される化合物(n=5〜20の混合物)を混合した。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例14)
図6に示した工程に従って、インクジェット記録ヘッドを作製した。まず、実施例1と同じシリコン基板10を準備した(図6(a))。
シリコン基板10上に、以下の組成からなるネガ型レジストを、膜厚が15μmとなるようにスピンコートし、ホットプレート上で、90℃で3分間プリベークを行った。次に、i線ステッパー(商品名:i5、キヤノン(株)製)を用い、フォトマスク(不図示)を介して4000J/mの露光量にて光照射を行った。その後、ホットプレート上で、90℃で3分間PEBを行った。メチルイソブチルケトンにて現像し、イソプロピルアルコールにてリンス処理を行い、発泡室およびインク流路パターンの壁21を形成した(図6(b))。
・多官能エポキシ樹脂:前記式(3)で示される化合物(l、m及びnが1〜10の混合物)(商品名:EHPE、(株)ダイセル製) 100質量部
・光重合開始剤:SP−172(商品名、(株)ADEKA製) 5質量部
・塗布溶剤:メチルイソブチルケトン 100質量部。
次に、ポリメチルイソプロペニルケトン(商品名:ODUR、東京応化工業(株)製)をスピンコートし、100℃で3分間ベークを行った。その後、化学機械研磨を行って平坦化し、溶解除去可能な樹脂組成物22を発泡室およびインク流路パターンの壁21の空隙に埋め込んだ(図6(c))。次いで、実施例1と同じカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にインク流路形成層13を形成した(図6(d))。その後、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを完成させた(図6(e))。また、実施例1と同様にテーパー角θ等を測定した。結果を表3に示す。
(実施例15)
図7に示した工程に従って、インクジェット記録ヘッドを作製した。まず、実施例1と同じシリコン基板10を準備した(図7(a))。
シリコン基板10上に、以下の組成からなるネガ型のフォトレジスト23を、膜厚が15μmとなるようにスピンコートし、ホットプレート上で、90℃で3分間プリベークを行った(図7(b))。その後、KrF線ステッパー(商品名:GMR、キヤノン(株)製)を用い、フォトマスク(不図示)を介して2000J/mの露光量にて光照射を行った。その後、ホットプレート上で、90℃で3分間PEBを行い、発泡室およびインク流路パターンの潜像24を形成した(図7(c))。
・多官能エポキシ樹脂:前記式(3)で示される化合物(l、m及びnが1〜10の混合物)(商品名:EHPE、(株)ダイセル製) 100質量部
・光重合開始剤:SP−170(商品名、(株)ADEKA製) 6質量部
・塗布溶剤:メチルイソブチルケトン 100質量部。
次に、実施例1と同じカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にインク流路形成層13を形成した(図7(d))。その後、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物13の現像と同時に、ネガ型のフォトレジスト23の現像を行って未露光部を溶解除去した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを完成させた(図7(e))。また、実施例1と同様にテーパー角θ等を測定した。結果を表3に示す。
(比較例1)
1,4−HFABを含まないカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
1,4−HFABを含まないカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例10と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)
1,4−HFABを含まないカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例11と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例4)
1,4−HFABを含まないカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例12と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例5)
1,4−HFABを含まないカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例13と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例6)
1,4−HFABに代えて、下記式(8)で示される化合物(商品名:BIS−AF、セントラル硝子(株)製、融点:162℃)を混合した。それ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作製し、テーパー角θ等を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2013188916
(比較例7)
1,4−HFABに代えて、下記式(9)で示される化合物(商品名:HFAB、セントラル硝子(株)製)を混合した。それ以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドの作製を試みた。しかしながら、カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物の現像時に、一部剥がれが発生したため、インクジェット記録ヘッドを作製できなかった。
Figure 2013188916
Figure 2013188916
Figure 2013188916
Figure 2013188916
Figure 2013188916
1 基板
2 硬化したフォトレジスト層
3 未硬化のフォトレジスト層
4 凹部
5 第二のフォトマスクを透過してきた光
6 屈折した光
7 吐出口
8 吐出部
9 テーパー角
10 シリコン基板
11 エネルギー発生素子
12 インク流路
13 インク流路形成層
14 インク供給口
15 発泡室およびインク流路パターン
16 第一のフォトマスク
17 硬化部
18 未硬化部
19 第二のフォトマスク
20 発泡室およびインク流路
21 発泡室およびインク流路パターンの壁
22 溶解除去可能な樹脂組成物
23 ネガ型のフォトレジスト
24 発泡室およびインク流路パターンの潜像

Claims (8)

  1. 基板上にカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物を含む樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記樹脂組成物層に対して第一のパターン露光および第一の熱処理を施す工程と、
    前記樹脂組成物層の未露光部に対して第二のパターン露光および第二の熱処理を施す工程と、
    前記第一のパターン露光および前記第二のパターン露光における未露光部を現像処理により除去することで、インクを吐出するための吐出口と、該吐出口へと近づくにしたがって内径が小さくなるテーパー形状の吐出部とを形成する工程と、を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    前記カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物が、少なくとも、
    (A)多官能エポキシ樹脂、
    (B)光照射により酸を発生する化合物、及び
    (C)下記式(1)および/または下記式(2)で示される化合物、
    を含有するインクジェット記録ヘッドの製造方法。
    Figure 2013188916
    Figure 2013188916
  2. 前記(C)が前記式(1)で示される化合物であり、前記第一の熱処理を95℃以上、120℃以下で行う請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記(C)が前記式(2)で示される化合物であり、前記第一の熱処理を70℃以上、120℃以下で行う請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記基板上に前記樹脂組成物層を形成する際の熱処理温度が、前記第一の熱処理の温度よりも5℃以上低い請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記基板上に前記樹脂組成物層を形成する際の熱処理温度が、40℃以上、90℃以下である請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記基板上に前記樹脂組成物層を形成する際の熱処理温度が、40℃以上、65℃以下である請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記第一の熱処理を減圧下において行う請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記(A)多官能エポキシ樹脂が、下記式(3)から(7)で示される化合物の少なくとも一種である請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
    Figure 2013188916
    (式(3)において、l、m及びnは正の整数を示す。)
    Figure 2013188916
    (式(4)において、nは正の整数を示す。)
    Figure 2013188916
    (式(5)において、nは正の整数を示す。)
    Figure 2013188916
    (式(6)において、nは正の整数を示す。)
    Figure 2013188916
    (式(7)において、nは正の整数を示す。)
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