JP2017218526A - 感圧接着剤 - Google Patents

感圧接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2017218526A
JP2017218526A JP2016115136A JP2016115136A JP2017218526A JP 2017218526 A JP2017218526 A JP 2017218526A JP 2016115136 A JP2016115136 A JP 2016115136A JP 2016115136 A JP2016115136 A JP 2016115136A JP 2017218526 A JP2017218526 A JP 2017218526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sensitive adhesive
pressure
meth
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016115136A
Other languages
English (en)
Inventor
河野翔馬
Shoma Kono
岡村直実
Naomi Okamura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cemedine Co Ltd
Original Assignee
Cemedine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cemedine Co Ltd filed Critical Cemedine Co Ltd
Priority to JP2016115136A priority Critical patent/JP2017218526A/ja
Publication of JP2017218526A publication Critical patent/JP2017218526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】架橋性珪素基を有する有機重合体と粘着付与樹脂を含有する硬化性組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤であって、シリコン離型紙からの剥離性が良好な感圧接着剤を提供すること及び製造時に硬化性組成物を加熱しても硬化が進行せず、すなわち加熱時の安定性に優れ、何らかのトリガーによって架橋反応が進行する感圧接着剤の製造方法を提供すること。【解決手段】(A)架橋性珪素基を有する有機重合体、(B)粘着付与樹脂、及び、(C)光酸発生剤を含有する硬化性組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、感圧接着剤に関し、特に、架橋性珪素基を有する有機重合体と粘着付与樹脂を含有する組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤に関する。
架橋性珪素基を有する重合体と硬化触媒を含有する硬化性組成物は空気中の湿分等水分の作用により架橋し硬化物を生成する。このため架橋性珪素基を有する重合体組成物は接着剤やシーリング材に使用されている。
特許文献1や特許文献2には架橋性珪素基を有するポリエーテル重合体(ポリオキシアルキレン重合体)を含有する感圧接着剤を製造するための硬化性組成物が開示されている。テープなどの感圧接着剤基材にこの硬化性組成物を塗工し空気中の湿気などにより架橋性珪素基を架橋させ、感圧接着剤を製造している。この硬化性組成物に使用する架橋性珪素基を有する有機重合体は粘度が低く塗工が容易であるため、毒性や危険性がある有機溶剤を使用せずに感圧接着剤を製造できるとされている。
架橋性珪素基を有する有機重合体を感圧接着剤として使用する場合、粘着付与樹脂を併用する場合がある。架橋性珪素基を有する有機重合体自体は粘度が低いものの、粘着付与樹脂を添加すると硬化性組成物の粘度が大きくなるという問題がある。特許文献3に記載されているように、粘着付与樹脂を添加した組成物の粘度を低下させるため組成物を加熱がなされることがあり、100℃程度の高温に加熱されることがある。しかしながら、架橋性珪素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物を高温に加熱すると架橋性珪素基が反応し塗工する過程において硬化してしまう場合があるという問題があることが判明した。
具体的には、粘着テープや粘着シートなどの感圧接着剤の製造においては、ロールコーターによりテープやシートなどの基材に感圧接着剤原料が塗工されることが多い。しかし、ロールコーターは通常空気中に設置されているため、塗工原料として架橋性珪素基を有する重合体を含有する高温の硬化性組成物を使用する場合、ロールコーターにおいて硬化性組成物が空気中の水分により硬化するという問題が生じる。ロールコーターを窒素ガス雰囲気に設置することも考えられるが、余分な設備が必要になる。また、ディスペンサーを用いて塗工することもでき、この場合、上記問題が生じる可能性が低減するが、ロールコーターよりも生産性に劣る。また、長時間の塗工作業後にはディスペンサー出口に硬化物が堆積する。
このように、高温においても架橋性珪素基を有する有機重合体の架橋反応が進行せず、何らかのトリガーによって架橋反応が進行する粘着付与樹脂を含有する硬化性組成物があれば感圧接着剤の製造に非常に有用な組成物になると考えられる。
一方、感圧接着剤はシリコン離型紙やシリコン離型層を有する基材と共に使用されることが多い。しかし、架橋性珪素基を有する有機重合体を使用した感圧接着剤はシリコン離型紙からの剥離性がよくないことが知られている。特許文献4には特定の粘着付与樹脂を使用してシリコン離型紙からの剥離性が改善されることを開示している。また、特許文献5には特定の硬化触媒を使用してシリコン離型紙からの剥離性が改善されることを開示している。
特開昭55−056153号公報 特開昭60−035069号公報 特開2006−291021号公報 特開昭60−215089号公報 特開昭61−060771号公報
本発明が解決しようとする課題は、架橋性珪素基を有する有機重合体と粘着付与樹脂を含有する硬化性組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤であって、製造時に硬化性組成物を加熱しても硬化が進行せず、すなわち加熱時の安定性に優れ、何らかのトリガーによって架橋反応が進行する製造が容易な感圧接着剤を提供することである。また、本発明が解決しようとする課題は、シリコン離型紙からの剥離性が良好な感圧接着剤を提供することである。
本発明者等は光反応系硬化触媒を使用することにより、加熱しても硬化が進行せず、光照射によって架橋反応が進行する感圧接着剤に使用できる組成物が得られることを見出した。また、この組成物の硬化物を有する感圧接着剤はシリコン離型紙からの剥離性が良好であることも見出した。すなわち本発明は次の感圧接着剤及びその製造方法に関する。
(1)(A)架橋性珪素基を有する有機重合体、(B)粘着付与樹脂、及び、(C)光酸発生剤を含有する光硬化性組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤。
(2)(A)架橋性珪素基を有する有機重合体が架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする(1)に記載の感圧接着剤。
(3)(C)光酸発生剤が芳香族スルホニウム塩である(1)または(2)に記載の感圧接着剤。
(4)感圧接着剤が粘着テープであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の感圧接着剤。
(5)(A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体、(B)粘着付与樹脂、及び(C)光酸発生剤を含有する光硬化性組成物を50℃以上に加熱する加熱工程と、加熱された前記光硬化性組成物を被着体に塗工する塗工工程と、前記被着体に塗工された前記光硬化性組成物に光を照射して硬化させる硬化工程を有する感圧接着剤の製造方法。
本発明の感圧接着剤は使用する硬化性組成物が高温に加熱しても硬化が進行せず、すなわち加熱時の安定性に優れるにもかかわらず、光照射によって速やかに架橋反応が進行するので製造が容易であるという効果を有する。また、本発明の感圧接着剤はシリコン離型紙からの剥離性が良好であるという効果を有する。
前記(A)架橋性珪素基を有する有機重合体としては、架橋性珪素基を有する有機重合体であれば特に制限はないが、主鎖がポリシロキサンでない有機重合体であり、ポリシロキサンを除く各種の主鎖骨格を持つものは、入手が容易であり、また、電気用途分野において接点障害の要因となる低分子環状シロキサンを含有もしくは発生させない点で好適である。
具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル及びスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;たとえばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。
さらに、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体は比較的ガラス転移温度が低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから好ましい。また、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く1液型組成物にした場合に深部硬化性に優れることから特に好ましい。
(A)架橋性珪素基を有する有機重合体は直鎖状、または分岐を有してもよく、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において500〜100,000程度、より好ましくは1,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が500未満では、硬化物の伸び特性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
本発明に用いる(A)成分の有機重合体の架橋性珪素基は、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。前記架橋性珪素基としては、例えば、下記一般式(1)で示される基が好適である。
Figure 2017218526
前記式(1)中、Rは有機基を、Xは水酸基またはフッ素原子を除く加水分解性基を、aは0、1、2または3を、bは0、1または2を、pは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする。RやXが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。またp個の下記式(2)におけるbは同一である必要はない。
Figure 2017218526
の例としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などの炭素数1〜20のハロゲン原子やアルコキシ基などの官能基で置換されてもよい炭化水素基やR SiO−(Rは、前記と同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基をあげることができる。
該加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。
前記架橋性珪素基としては、下記一般式(3)で示される架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。
Figure 2017218526
前記式(3)中、R、Xは前記におなじ、aは1、2又は3の整数である。硬化性を考慮し、十分な硬化速度を有する感圧接着剤用組成物を得るには、前記式(3)においてaは2以上が好ましく、3がより好ましい。
上記Rの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、(CHSiO−や(CSiO−等のトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
上記Xで示される加水分解性基としては、フッ素原子以外であれば特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子、フッ素原子以外のハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基がさらに好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。
架橋性珪素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基[−Si(OR)]、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基[−SiR(OR)]が挙げられ、反応性が高いことにより、トリアルコキシシリル基[−Si(OR)]が好適であり、トリメトキシシリル基がより好適である。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。本発明に使用する感圧接着剤を製造するための光硬化性組成物においては反応性が大きいトリメトキシシリル基を有する重合体を使用し、且つ、100℃程度の高温に加熱しても硬化が進行せず優れた安定性を示す。このように熱的には安定にもかかわらず、光照射により速やかに硬化する。従って、感圧接着剤の製造には架橋性珪素基としてはトリメトキシシリル基が最も好ましい。
また、架橋性珪素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもかまわない。架橋性珪素基は、主鎖または側鎖あるいはいずれにも存在しうる。
架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個以上であるが、シロキサン結合などにより連結された珪素原子の場合には、20個以下であることが好ましい。
本発明で用いる硬化性組成物において高強度、高伸びで、低弾性率を示す硬化物を得るためには、有機重合体に含有される架橋性珪素基は重合体1分子中に平均して0.8個以上、好ましくは1.0個以上、より好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる架橋性珪素基の数が平均して0.8個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。架橋性珪素基は、有機重合体分子鎖の主鎖の末端あるいは側鎖の末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、架橋性珪素基が分子鎖の主鎖の末端にのみあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示す硬化物が得られやすくなる。
(A)成分の有機重合体のなかで、ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に下記一般式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
−R−O−・・・(4)
前記一般式(4)中、Rは炭素数1〜14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基であり、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状もしくは分岐アルキレン基が好ましい。
一般式(4)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号に示されるような有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる、有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27250号および特公昭59−15336号などに示される複金属シアン化物錯体触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法や複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
上記ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、たとえばトルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体との反応から得られるものをあげることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体への架橋性珪素基の導入は、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させることにより行うことができる(以下、高分子反応法という)。
高分子反応法の具体例として、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に架橋性珪素基を有するヒドロシランや架橋性珪素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得る方法をあげることができる。不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
また、高分子反応法の他の具体例として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法や末端にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法をあげることができる。イソシアネート化合物を使用すると、容易に架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同57−164123号、特公平3−2450号、特開2005−213446号、同2005−306891号、国際公開特許WO2007−040143号、米国特許3,632,557、同4,345,053、同4,960,844等の各公報に提案されているものをあげることができる。
上記の架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(A)成分の有機重合体のなかで、飽和炭化水素系重合体は芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、その骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができるが、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、イソブチレン系重合体が特に好ましい。
主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、及び湿気遮断性に優れる特徴を有する。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面からイソブチレンに由来する繰り返し単位を50質量%以上含有するものが好ましく、80質量%以上含有するものがより好ましく、90〜99質量%含有するものが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、従来、各種重合方法が報告されているが、特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開平1−197509号、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号の各明細書などに記載されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
(A)成分の重合体として架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を使用できる。(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルチオエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の(メタ)アクリル酸の誘導体;(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得る方法は、特に限定されず、公知の重合法(例えば、特開昭63−112642号、特開2007−230947号、特開2001−40037号、特開2003−313397号等の記載の合成法)を利用することができ、ラジカル重合反応を用いたラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、重合開始剤を用いて所定の単量体単位を共重合させるラジカル重合法(フリーラジカル重合法)や、末端などの制御された位置に架橋性珪素基を導入することが可能な制御ラジカル重合法が挙げられる。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、制御ラジカル重合法を用いることが好適である。
制御ラジカル重合法としては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法やリビングラジカル重合法が挙げられ、付加−開裂移動反応(Reversible Addition-Fragmentation chain Transfer;RAFT)重合法、遷移金属錯体を用いたラジカル重合法(Transition-Metal-Mediated Living Radical Polymerization)等のリビングラジカル重合法がより好ましい。また、架橋性珪素基を有するチオール化合物を用いた反応や、架橋性珪素基を有するチオール化合物及びメタロセン化合物を用いた反応(特開2001−40037号公報)も好適である。架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の数平均分子量は、600〜10,000が好ましく、600〜5,000がより好ましく、1,000〜4,500がさらに好ましい。数平均分子量を該範囲とすることにより、後記する架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と併用して使用する際、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体との相溶性を向上させることができる。
これらの架橋性珪素基を有する有機重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。具体的には、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体、及び架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、からなる群から選択される2種以上をブレンドしてなる有機重合体も使用できる。特に架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体がよく知られており、優れた特性を有している。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体としては、特開昭59−122541号、特開昭63−112642号、特開平6−172631号、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。
さらに、架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドしてなる有機重合体としては、架橋性珪素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合した重合体も利用できる。このような重合体製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されている。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体のなかで、好ましい重合体は、架橋性珪素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(5):
−CH−C(R)(COOR)−・・・(5)
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(6):
−CH−C(R)(COOR)−・・・(6)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素数6以上のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドした重合体である。
前記一般式(5)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜5、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(6)のRとしては、たとえば2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素数6以上、通常は7〜30、好ましくは8〜20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式(5)及び式(6)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(5)及び式(6)の単量体単位の合計が50質量%をこえることを意味する。式(5)及び式(6)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。また式(5)の単量体単位と式(6)の単量体単位の存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい式(5)及び式(6)以外の単量体単位(以下、他の単量体単位とも称する)としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体に用いられる架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体として、例えば、特開昭63−112642号公報記載の架橋性珪素基を有し、分子鎖が実質的に(1)炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、(2)炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を挙げることができる。
前記架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と前記架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体との配合比には特に制限はないが、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体と前記ポリオキシアルキレン系重合体との合計100質量部に対して、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体を10〜60質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量部の範囲内であり、さらに好ましくは25〜45質量部の範囲内である。前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体が60質量部より多いと粘度が高くなり、作業性が悪化するため好ましくない。
本発明においては架橋性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドしてなる有機重合体も使用することができる。このような重合体は、特開平1−168764号、特開2000−186176号公報等に提案されている。
本発明に使用する(B)成分である粘着付与樹脂としては、特に制限はなく通常使用されているものを使うことが出来る。具体例としては、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびこれらを水素添加した水素添加テルペン樹脂、テルペン類をフェノール類と共重合させたテルペン−フェノール樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C5系炭化水素樹脂、C9系炭化水素樹脂、C5、C9炭化水素共重合樹脂、C5、C9炭化水素、フェノール共重合樹脂等)、水添石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
粘着付与樹脂(B)の使用量は、(A)成分100質量部に対して10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。10質量部未満では粘着力が不十分であり、150質量部より多いと硬化速度が低下し粘着力の発現時間が遅れ、また粘度が高くなり作業性が低下してしまう。
本発明で使用する(C)光酸発生剤としては、光(特に紫外線)を照射したとき、酸を発生するものであればよく、イオン性化合物と非イオン性化合物のいずれでも用いられる。本発明においては、イオン性化合物を用いるのが好ましく、アリールジアゾニウム塩類等の芳香族ジアゾニウム塩類、ジアリールヨウドニウム塩類等の芳香族ヨウドニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類等の芳香族スルホニウム塩類、トリアリールホスホニウム塩類等の芳香族ホスホニウム塩類よりなる群から選ばれた化合物を用いるのが好ましい。
(C)光酸発生剤の添加量は、(A)架橋性珪素基を有する有機重合体100質量部に対し、0.05〜30質量部が好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましい。
本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤(接着性付与剤)、光増感剤、増量剤、希釈剤、可塑剤、水分吸収剤、(C)成分以外の縮合反応促進触媒、引張特性等を改善する物性調整剤、補強剤、着色剤、難燃剤、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料等の各種添加剤を加えてもよい。
本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物は、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は接着性付与剤として作用する。前記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1,3−ジアミノイソプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート含有シラン類;ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記アミノ基含有シラン類と前記のシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いてもよい。
アミノ基含有シラン類はシラノール縮合触媒として作用し、ケチミン型シラン類は水分の存在下でアミノ基含有シラン類を生成しこれはシラノール縮合触媒として作用する。従って、アミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類以外のシランカップリング剤を使用することが好ましい。また、アミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用する場合、本発明の目的・効果が達成される範囲で種類や使用量に注意して使用すべきである。
上記のようにアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類は本発明において使用が制限される場合がある。しかし、接着性付与剤としてアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用することが望ましい場合には、光照射前にはアミノ基を有する化合物を発生せず、光照射によりアミノ基含有シラン類を発生する化合物を使用することができる。光照射によりアミノ基含有シラン類を発生する化合物としては特開2007−231235号公報の合成例1に記載されている化合物をあげることができる。また、光照射によりアミン類を発生する化合物の合成において原料として架橋性珪素基を有する化合物を使用することにより、種々の光照射によりアミノ基含有シラン類を発生する化合物を得ることができる。
前記シランカップリング剤の配合割合は特に制限はないが、組成物中に0.01〜20質量%が好ましく、0.025〜10質量%がより好ましい。これらシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光増感剤としては、225−310kJ/molの三重項エネルギーをもつカルボニル化合物が好ましく、例えば、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、フタルイミド、アントラキノン、9,10−ジブトキシアントラセン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、アシルナフタレン、2(アシルメチレン)チアゾリン、3−アシルクマリンおよび3,3′−カルボニルビスクマリン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン等が挙げられ、チオキサントン、3−アシルクマリンおよび2(アロイルメチレン)−チアゾリンが好ましく、チオキサントンおび3−アシルクマリンがより好ましい。
また、光増感剤として、光などのエネルギー線を照射することにより当該化合物が開裂してラジカルを発生するタイプの光ラジカル発生剤であるエネルギー線開裂型ラジカル発生剤を使用することができる。
該エネルギー線開裂型ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾインエーテル誘導体、アセトフェノン誘導体等のアリールアルキルケトン類、オキシムケトン類、アシルホスフィンオキシド類、チオ安息香酸S−フェニル類、チタノセン類、およびそれらを高分子量化した誘導体が挙げられる。市販されている開裂型ラジカル発生剤としては、例えば、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトン、ベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(η6−イソプロピルベンゼン)−(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド等が挙げられる。
光増感剤の配合割合は特に制限はないが、組成物中に0.01〜5質量%が好ましく、0.025〜2質量%がより好ましい。これら光増感剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記増量剤としては、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物は、希釈剤をさらに含有することができる。希釈剤を配合することにより、粘度等の物性を調整することができる。希釈剤としては、公知の希釈剤を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和炭化水素系溶剤,リニアレンダイマー(出光興産株式会社商品名)等のα−オレフィン誘導体,トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤,エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤,クエン酸アセチルトリエチル等のクエン酸エステル系溶剤,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等の各種溶剤が挙げられる。希釈剤の配合割合は特に制限はないが、組成物中に0.01〜20質量%が好ましく、0.025〜10質量%がより好ましい。これら希釈剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪族一塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水分吸収剤としては、前述したシランカップリング剤やシリケートが好適である。前記シリケートとしては、特に限定されず、例えば、テトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物があげられ、より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
前記(C)成分以外の縮合反応促進触媒としては、公知の縮合反応促進触媒を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、有機金属化合物、酸やアミン等の塩基が挙げられる。有機金属化合物の例としては、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、オクチル酸錫及びナフテン酸錫等の有機錫化合物;ジメチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のジアルキルスズオキサイド;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛及びナフテン酸鉛等の有機酸鉛;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス及びロジン酸ビスマス等の有機酸ビスマスが挙げられる。また、シラノール縮合触媒として公知のその他の酸性触媒及び塩基性触媒等が挙げられる。しかしながら、有機錫化合物は添加量に応じて、得られる組成物の毒性が強くなる場合がある。本発明では(C)成分が縮合反応促進触媒として作用するため、これら以外の硬化触媒を使用する場合は本発明の目的や効果を達成できる範囲で使用するのが好ましい。
本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば、前記成分(A)、(B)並びに(C)を所定量配合し、また必要に応じて他の配合物質を配合し、脱気攪拌することにより製造することができる。各成分及び他の配合物質の配合順は特に制限はなく、適宜決定すればよい。
本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。
粘着テープ(感圧接着テープ)等の感圧接着剤は支持体に硬化性組成物を塗布することにより製造する。硬化性組成物を塗布する支持体としては、紙、プラスチックフィルム(PETフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム)、不織布、発泡体基材、および、剥離処理した紙またはプラスチックフィルムなどを用いることができる。剥離処理剤としては、感圧接着剤層からの剥離が容易であれば特に制限はなく、例えば、フッ素化合物、シリコーン等を用いることができる。この支持体は可撓性を有していることが好ましい。
このような支持体の少なくとも一方の面に、上記硬化性組成物を塗布する。この硬化性組成物の塗布厚は、この粘着テープ(感圧接着テープ)の用途などに対応して適宜選択することができるが、通常は1〜100μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは10〜30μm程度である。また、基材の厚さは、通常は10〜300μm、好ましくは20〜200μm、特に好ましくは50〜150μm程度である。
本発明の粘着テープ(感圧接着テープ)を製造するには、上記のような支持体の少なくとも一方の面に硬化性組成物をロールコーター、ダイコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、メイヤーバーコーターなどを用いて塗布する。このとき塗布する硬化性組成物の粘度は1〜50Pa・s、好ましくは1〜30Pa・sの範囲内にあることが望ましい。
前記硬化性組成物は(UV未照射時の)加熱時安定性が良いので、所定の被着体に塗布する(塗布工程)前に加熱する(加熱工程)ことが出来る。硬化性組成物は加熱しながら塗布することにより望ましい粘度範囲に調整され、優れた塗布作業性が得られる。塗布温度は50℃以上が好ましく、70℃以上が好ましく、75〜120℃が最も好ましい。
こうして硬化性組成物を支持体表面に塗布した後、この塗布された硬化性組成物に紫外線などの光を照射して、支持体上に塗布された硬化性組成物中の硬化性成分を架橋硬化させる。このときの紫外線などの光の照射時間は通常は1秒〜300秒、好ましくは1秒〜180秒である。
光を照射する条件としては特に制限はないが、硬化時に活性エネルギー線を照射する場合、活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のしやすさ及び価格、太陽光や一般照明下での取扱の容易性等から紫外線または電子線照射による硬化が好ましく、紫外線照射による硬化がより好ましい。なお、紫外線には、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等も含まれるものである。活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、使用する光塩基発生剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等があげられる。
照射エネルギーは、積算光量、及び光の照射時間に応じて選択すればよいが、光の照射時間をできるだけ短くするためには、例えば紫外線の場合、照度は、10mW/cm以上が好ましく、50mW/cm以上がより好ましく、100mW/cm以上が更に好ましく、1,000mW/cm以上が特に好ましい。
照射エネルギーの上限は特に限定されないが、必要以上に光照射しても時間とコストが無駄となり、基材を傷めてしまう場合があるため、照度は、20,000mW/cm以下が好ましく、10,000mW/cm以下がより好ましく、8,000mW/cm以下が更に好ましく、5,000mW/cm以下がより更に好ましく、3,000mW/cm以下が特に好ましい。
このように光照射することにより、光照射によって速やかに架橋反応が進行する。さらに、本発明の粘着テープ(感圧接着テープ)等の感圧接着剤の感圧接着剤層は、透明であり、黄変色しにくいという特性がある。
こうして形成された本発明の感圧接着剤は、必要により剥離紙などを介して巻回される。本発明の粘着テープの幅には特に制限はなく、テープ状のものあるいはさらに幅広のシート状のものも本発明の感圧接着剤に包含される。
本発明の感圧接着剤は電子回路、電子部品、建材、自動車等に好適に利用可能である。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
1)数平均分子量の測定
数平均分子量は、特に指定がない限りゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定した。本発明において、該測定条件でGPCにより測定し、標準ポリスチレングリコールで換算した最大頻度の分子量を数平均分子量と称する。
・分析装置:Alliance(Waters社製)、2410型示差屈折検出器(Waters社製)、996型多波長検出器(Waters社製)、Milleniamデータ処理装置(Waters社製)
・カラム:PlgelGUARD+5μmMixed−C×3本(50×7.5mm,300×7.5mm:PolymerLab社製)
・流速:1mL/分
・換算したポリマー:ポリスチレン
・測定温度:40℃
・GPC測定時の溶媒:THF
(合成例1)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1の合成
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および環流冷却器を備えたフラスコに、エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレンジオールを得た。得られたポリオキシプロピレンジオールにナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下メタノールを留去してポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換し、ポリオキシアルキレン系重合体M1を得た。
次に、ポリオキシアルキレン系重合体M1に塩化アリルを反応させて、未反応の塩化アリルを除去し、精製して、末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化珪素化合物であるトリメトキシシランを白金含量3wt%の白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液150ppmを添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1を得た。
得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体A1の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は25000、分子量分布1.3であった。H1−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
(実施例1)
表1に示す配合割合にて、攪拌機、温度計、窒素導入口および水冷コンデンサーを装着した300mLのフラスコに、(A)架橋性珪素基を有する有機重合体、(B)粘着付与樹脂及び(C)光酸発生剤減圧撹拌を行い、感圧接着剤の製造に用いる硬化性組成物を得た。得られた組成物の特性を下記の方法で評価した。評価結果を表1に示す。また、光照射後の試料は感圧接着剤として使用できる粘着性を有していた。
Figure 2017218526
表1において、各配合物質の配合量はgで示され、その他の配合物質の詳細は下記の通りである。
*1 商品名「YSポリスターT130」、ヤスハラケミカル社製
*2 商品名「FTR−6100」、三井化学社製
*3 商品名「CPI−200K」、サンアプロ社製
*4 商品名「Irgacure 250」、BASF社製
*5 商品名「チタニウムテトラ‐n‐ブトキシド」、東京化成社製
*6 商品名「アルミキレートD」、川研ファインケミカル社製
*7 商品名「ネオスタンU−100」、日東化成社製
*8 商品名「ネオスタンU−220H」、日東化成社製
1)加熱時安定性
直径100mm、高さ1mmの円筒形容器に厚みが1mmになるように光硬化性組成物を注ぎ、暗室下100℃の環境下において、5分ごとに指触にて光硬化性組成物の状態を確認した。5h以上液状である場合を〇、5h未満でゲル化した場合は×とした。
2)光照射後の硬化性
PETフィルム上に厚みが200μmになるように光硬化性組成物を塗工し、実施例1の試料についてはUV照射[照射条件:UV−LED365nm、照度:1000mW/cm、積算光量:3000mJ/cm]後直ちに、暗室下23℃50%RHの環境下において、1分ごとに指触にて表面が硬化するまでの時間を測定した。比較例1〜3の試料については塗工後、暗室下23℃RH50%の環境下において、1分ごとに指触にて表面が硬化するまでの時間を測定した。 表面硬化時間が10分未満の場合「◎」と評価し、10分以上1時間未満の場合を「〇」、1時間以上の場合を「×」と評価した。
3)シリコン離型紙からの剥離性
PETフィルム上に厚みが200μmになるように光硬化性組成物を塗工し、実施例1の試料についてはUV照射[照射条件:UV−LED365nm、照度:1000mW/cm、積算光量:3000mJ/cm]後直ちに、シリコーン離型処理剤で処理された離型紙を貼り合わせた。その後、50℃で24時間養生した。養生後、T型剥離試験(引張速度300mm/min)を行った。剥離強度が1N/25mm未満である場合を〇、1N/25mm以上である場合を×とした。
(実施例2−3、比較例1−4)
表1に示す如く配合を変更した以外は実施例1と同様の方法により組成物を調製し、特性を評価した。結果を表1に示した。
表1に示した如く、本発明に使用する感圧接着剤を製造する硬化性組成物は、高温に加熱しても硬化が進行せず、すなわち加熱時の安定性に優れるにもかかわらず、光照射によって速やかに架橋反応が進行するという効果を有する。また、本発明の感圧接着剤はチタン化合物触媒やアルミニウム化合物硬化触媒と同様シリコン離型紙からの剥離性に優れる。

Claims (5)

  1. (A)架橋性珪素基を有する有機重合体、
    (B)粘着付与樹脂、及び、
    (C)光酸発生剤
    を含有する光硬化性組成物の硬化物を感圧接着剤層として有する感圧接着剤。
  2. (A)架橋性珪素基を有する有機重合体が架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感圧接着剤。
  3. (C)光酸発生剤が芳香族スルホニウム塩である請求項1または請求項2に記載の感圧接着剤。
  4. 感圧接着剤が粘着テープであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の感圧接着剤。
  5. (A)架橋性ケイ素基を有する有機重合体、(B)粘着付与樹脂、及び(C)光酸発生剤を含有する光硬化性組成物を50℃以上に加熱する加熱工程と、
    加熱された前記光硬化性組成物を被着体に塗工する塗工工程と、
    前記被着体に塗工された前記光硬化性組成物に光を照射して硬化させる硬化工程
    を有する感圧接着剤の製造方法。
JP2016115136A 2016-06-09 2016-06-09 感圧接着剤 Pending JP2017218526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115136A JP2017218526A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 感圧接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016115136A JP2017218526A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 感圧接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017218526A true JP2017218526A (ja) 2017-12-14

Family

ID=60658796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016115136A Pending JP2017218526A (ja) 2016-06-09 2016-06-09 感圧接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017218526A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60215089A (ja) * 1984-04-10 1985-10-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 粘着テ−プ、シ−ト又はラベル
JP2002363527A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Konishi Co Ltd 経時硬化型粘接着剤組成物
JP2003147145A (ja) * 2001-11-08 2003-05-21 Three Bond Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた接合方法
JP2006291021A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Kaneka Corp 硬化性組成物の塗工方法、被着体の貼り合せ方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60215089A (ja) * 1984-04-10 1985-10-28 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 粘着テ−プ、シ−ト又はラベル
JP2002363527A (ja) * 2001-06-11 2002-12-18 Konishi Co Ltd 経時硬化型粘接着剤組成物
JP2003147145A (ja) * 2001-11-08 2003-05-21 Three Bond Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた接合方法
JP2006291021A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 Kaneka Corp 硬化性組成物の塗工方法、被着体の貼り合せ方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6683133B2 (ja) 光硬化性組成物
JP4758230B2 (ja) 末端にエポキシ基および/またはオキセタン基含有ケイ素基を有する有機重合体を含む光硬化性組成物、それから得られる硬化物、及び製造方法
JP5991523B2 (ja) 常温湿気硬化性接着剤組成物
JP6489441B2 (ja) 導電性硬化物の製造方法及びパルス光硬化性組成物の硬化方法
JP6409784B2 (ja) 接着性を有する光硬化性組成物
JP6645495B2 (ja) 感圧接着剤
CN108431157B (zh) 使用光固化性粘着剂的粘接方法
JP6979153B2 (ja) 硬化性組成物
CN107148453B (zh) 光固化性组合物
JP2013241578A (ja) 硬化性組成物
WO2019073978A1 (ja) 接着方法、及び光硬化性粘着剤組成物
JP2018030989A (ja) 光硬化性組成物、硬化組成物含有製品、貼り合せ方法、及び製品の製造方法
WO2019073980A1 (ja) 光硬化性粘着剤組成物、及び接着方法
WO2019073979A1 (ja) 光硬化性粘着剤組成物、及び接着方法
JP2010095641A (ja) 接着剤
JP2017218526A (ja) 感圧接着剤
JP6667125B2 (ja) チクソトロピック性に優れた硬化性組成物
WO2018020939A1 (ja) 感圧接着剤
JP2008174611A (ja) 硬化性組成物
JP2017218558A (ja) 接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法
JP2003147145A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた接合方法
JP2017125098A (ja) 光硬化性接着剤の硬化方法、硬化物、光硬化性接着剤、及び製品
JP6562378B2 (ja) 電子機器用液状ガスケット
JP2016047912A (ja) 貯蔵安定性に優れた硬化性組成物
JP2015086341A (ja) 光硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201110