JP2017218558A - 接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法 - Google Patents

接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一の部材に光硬化性組成物を塗布し、塗布した光硬化性組成物に光照射した後において一の部材に他の部材を貼り合せた場合であっても、一の部材と他の部材とが容易に適切に接着される接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】接着方法は、第1の部材に第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着方法であって、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔を置いて塗布する塗布工程と、光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを接触させ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる貼り合せ工程とを備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法に関する。特に、本発明は、光硬化性組成物を用いた接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法に関する。
従来、光硬化性組成物を、オレフィン系樹脂成形品の接着面又はオレフィン系樹脂成形品との被着体の接着面に塗布し、オレフィン系樹脂成形品の接着面と被着体の接着面とを密着させ、次いで、接着面に光を照射して光硬化性組成物を硬化させるオレフィン系樹脂成形品と被着体との接着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−060484号公報
しかしながら、特許文献1を含む従来技術においては、光硬化性組成物を成形品に塗布し、成形品と被着体とを密着させた後に光照射することを要するので、例えば、不透明材料に応用することができない。また、例えば、成形品及び/又は被着体が不透明材料から構成される場合、成形品及び/又は被着体に光硬化性組成物を塗布し、塗布した光硬化性組成物に光を照射した後、両者を貼り合せることを要する。この場合、成形品及び/又は被着体に塗布された光硬化性組成物は光照射により粘着状、及び/又は半硬化状を示すので、液状の組成物とは異なり、成形品及び/又は被着体に対して光硬化性組成物が十分に濡れ広がらない場合がある。光硬化性組成物が成形品及び/又は被着体に対して十分に濡れ広がらない場合、貼り合せ時にエアーが混入することがあり、成形品に対して被着体が適切に接着されない場合がある。
したがって、本発明の目的は、一の部材に光硬化性組成物を塗布し、塗布した光硬化性組成物に光照射した後において一の部材に他の部材を貼り合せた場合であっても、一の部材と他の部材とが容易に適切に接着される接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、第1の部材に第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着方法であって、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔を置いて塗布する塗布工程と、光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを接触させ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる貼り合せ工程とを備える接着方法が提供される。
また、上記接着方法において、塗布工程が、光硬化性組成物を第1の部材の接着面に線状に塗布することが好ましい。
また、上記接着方法において、第1の部材、及び第2の部材の少なくとも一方が活性エネルギー線に対して不透明な材料を用いて構成されていてもよい。
また、上記接着方法において、光硬化性組成物が、活性エネルギー線を照射された後、粘着状化、若しくはBステージ化し、貼り合せ工程が、粘着状化、若しくはBステージ化した光硬化性組成物が密着している第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを接触させることもできる。
また、上記接着方法において、塗布工程が、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を複数の線状に塗布する場合、複数の線状の光硬化性組成物を互いに交錯させずに塗布することが好ましい。
また、本発明は、上記目的を達成するため、第1の部材に第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着装置であって、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔で塗布する塗布部と、光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射部とを備える接着装置が提供される。
また、上記接着装置において、第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを接触させ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる貼り合せ部を更に備えることもできる。
また、上記接着装置において、塗布部を第1の部材に対して予め定められたパターンで移動させる移動部を更に備え、塗布部が、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を線状に塗布することが好ましい。
また、上記接着装置において、塗布部が、光硬化性組成物を同時に吐出する複数の吐出口を有することもできる。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記のいずれか1つに記載の接着方法を用い、第1の部材に第2の部材が貼り合わされて製造される構造体の製造方法が提供される。
本発明に係る接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法によれば、一の部材に光硬化性組成物を塗布し、塗布した光硬化性組成物に光照射した後において一の部材に他の部材を貼り合せた場合であっても、一の部材と他の部材とが容易に適切に接着される接着方法、接着装置、及び構造体の製造方法を提供できる。
本実施形態に係る接着方法において、部材上への光硬化性組成物の塗布形状の概要図である。 実施例1に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面図である。 実施例2に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面図である。 比較例1に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面図である。
[接着方法の概要]
本発明に係る接着方法は、光硬化性組成物を粘着剤若しくは接着剤として用い、一の部材に他の部材を接着させる方法である。すなわち、まず、一の部材に所定の間隔を置いて光硬化性組成物を塗布する。次に、塗布した光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する。そして、活性エネルギー線が照射された光硬化性組成物に対して他の部材を接触させることで一の部材と他の部材とを接着させる。
ここで、本発明においては、一の部材に光硬化性組成物を塗布する場合、一の部材の接着面の一部の領域に、所定の間隔をおいて光硬化性組成物を塗布する。これは、本発明者が得た以下の知見に基づく。すなわち、一の部材に光硬化性組成物を幅広に塗布し、この光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射した場合、光硬化性組成物は粘着状を示すか、若しくは半硬化状態になる。この状態の光硬化性組成物が密着している一の部材の接着面に他の部材を接触させると、光硬化性組成物が一の部材の接着面と他の部材の接着面との間で十分に濡れ広がらず、適切に接着することができないことを発見した。
更に、この状態の光硬化性組成物が密着している一の部材の接着面に他の部材を接着させようとする場合、一の部材に対し、他の部材を相当な力で押し付けて接触させても、光硬化性組成物と他の部材の接着面との間に隙間が生じることを見出した。これは、活性エネルギー線が照射された光硬化性組成物が粘着状を示すか若しくは半硬化状態を示すところ、各部材の表面には凹凸が存在することを完全には避けられないこと、一の部材に他の部材を接触させる場合に一の部材に対して他の部材を完全に平行に接触させることが困難なこと、部材の接着面に光硬化性組成物を塗布する場合に塗布ムラが発生することを完全には抑制できないこと等により、隙間が生じたと考えられる。つまり、部材に幅広に光硬化性組成物を塗布すると、一の部材と他の部材とを適切に接着させることが困難なことを発見した
そこで、本発明者は、一の部材の接着面上に所定の間隔(つまり、隙間)をあけて光硬化性組成物を塗布する方法を試みたところ、光硬化性組成物と他の部材の接着面との間に隙間が実質的に発生せず、また、接着面と光硬化性組成物との間にエアーが含まれることも実質的に発生しないことを見出した。本発明に係る接着方法は、係る知見に基づいて創出された。
[接着方法の詳細]
具体的に、本発明に係る接着方法は、第1の部材に第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着方法である。まず、第1の部材、及び第2の部材を準備する(部材準備工程)。第1の部材の接着面、及び第2の部材の接着面に、洗浄等の前処理を施すこともできる。次に、第1の部材の接着面、及び/又は第2の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔で塗布する(塗布工程)。そして、光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する(照射工程)。その後、第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを向い合せ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる(貼り合せ工程)。
ここで、本発明に係る光硬化性組成物は、外気から遮断しなくても、光照射によりすばやく粘着性を発揮する。よって、一方の部材に光硬化性組成物を塗布、光照射した後、粘着性を発揮した光硬化性組成物に他方の部材を容易に貼り合わせることができる。そして、光硬化性組成物は、経時変化により後硬化するので、貼り合せ工程後、経時により第1の部材に第2の部材が適切に接着される。なお、貼り合せ工程中、又は貼り合せ工程後、硬化の進行を促進する観点から光硬化性組成物を加熱する加熱工程を設けてもよい。
(部材準備工程)
部材準備工程において、互いに貼り合せる部材を準備する。本発明に用いる部材は、紫外線を実質的に透過しない材料(以下、「不透明材料」と称する場合がある。)を含んで構成される。すなわち、第1の部材に第2の部材を接着させる場合、第1の部材、及び第2の部材の少なくとも一方が不透明材料を用いて構成される。第1の部材、及び第2の部材の双方が、不透明材料を用いて構成されていてもよい。
例えば、第1の部材は、ABS、ポリプロピレン等のプラスチック、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等のスーパーエンジニアリングプラスチック、ポリマーアロイ、繊維強化プラスチック、着色プラスチック、セラミック、黒セラミック、ガラス、及び/又は金属等を用いて構成される。なお、第1の部材は、光硬化性組成物が塗布される面(すなわち、接着面)を有する限り、様々な形状にすることもできる。また、第2の部材も、第1の部材と同様の材料から構成することができ、第1の部材と同様に様々な形状にすることができる。第1の部材を構成する材料と第2の部材を構成する材料とは、同一でも異なっていてもよい。
(塗布工程)
塗布工程は、第1の部材の接着面、及び/又は第2の部材の接着面に所定の間隔を置いて光硬化性組成物を塗布する。ここで、塗布工程は、この接着面上に、ドット状、及び/又は線状に光硬化性組成物を塗布する。なお、「線状」とは、直線状の形状であっても、曲線状の形状であっても、若しくは直線状の形状と曲線状の形状との双方を含む形状であってもよい。第1の部材に対する第2の部材の良好な接着性を発揮させる等の観点から、塗布工程は、光硬化性組成物を線状に塗布することが好ましく、複数の線状に塗布することがより好ましい。この場合に、塗布工程は、一の線状の光硬化性組成物と、他の線状の光硬化性組成物との間隔が予め定められた間隔になるように光硬化性組成物を塗布すると共に、複数の線状の光硬化性組成物を互いに交錯させずに塗布する。
なお、塗布工程は、接着面上に、光硬化性組成物を線状に塗布すると共に、部分的にドット状に光硬化性組成物を塗布してもよい。また、部材の接着面と光硬化性組成物との接触領域に浮きやエアーが混入することを防止し、強固な接着性を十分に確保する観点から、光硬化性組成物を部材の接着面に線状に塗布することが好ましく、この場合における線幅(すなわち、光硬化性組成物を接着面に塗布した場合における幅)は15mm未満であり、10mm以下であることが好ましい。更に、塗布工程は、複数の線状の光硬化性組成物を接着面上に塗布できるので、幅広に光硬化性組成物を塗布する場合に比べ、外部に露出する光硬化性組成物の表面積を増加させることができる。これにより、外気中の水分による湿気硬化性を向上させることができる。
図1は、接着方法において、部材上への光硬化性組成物の塗布形状の一例を示す。
図1(a)は、部材10の表面に、光硬化性組成物からなる複数の細線形状の線状部20、及び複数の細線形状の線状部22が設けられている例を示す。一例として、部材10が平面視で長方形である例を示す。まず、部材10の長辺に沿って複数の線状部20が設けられる。一の線状部20と一の線状部20の隣の他の線状部20とは、予め定められた間隔をあけて設けられる。なお、複数の線状部20の本数は図示した例に限られない。そして、部材10の短辺に沿って複数の線状部22が複数の線状部20と同様に設けられる。なお、各線状部の塗布幅は、予め定められた幅以下であれば、各々が異なる塗布幅であってもよい。また、各線状部間の間隔も、部分的に異なる間隔であってもよい。
図1(b)は、部材10の表面に、光硬化性組成物からなる線状部24が平面視で略四角状の渦巻き形状に設けられる例を示す。この場合、互いに略平行な線状部分により、複数の線状の部分が構成される。また、図1(c)は、部材10の表面に、光硬化性組成物からなる複数のドット部30が、平面視で部材10の周縁部に予め定められた間隔を置いて設けられる例を示す。なお、ドット部30の平面視での形状は略円形状に限られず、楕円形状等の他の形状であってもよい。更に、図1(d)は、部材10の表面に光硬化性組成物からなる蛇行形状の複数の線状部40、及び蛇行形状の複数の線状部42が設けられる例を示す。複数の線状部40が部材10の長辺に沿って設けられ、複数の線状部42が部材10の短辺に沿って設けられる。なお、直線状の線状部、蛇行形状の線状部、一部に曲線部を含む線状部、及びドット部からなる群から選択される2種以上の形状を混在させてもよい。
塗布工程において光硬化性組成物は、所定量の光硬化性組成物を第1の部材、及び/又は第2の部材の接着面の表面に滴下するディスペンサー等を用いて塗布される。また、光硬化性組成物を、第1の部材、及び/又は第2の部材上に、メッシュスクリーン印刷、ステンシル印刷、ロール印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スピンコート、ロール塗布、インクジェット、スプレー、ローラーコーター、ディッピング等の手法を用いて、塗布、印刷、若しくは吹き付けることもできる。
(光硬化性組成物)
本発明に係る光硬化性組成物は、(A)光ラジカル重合性の官能基を有する化合物と、(B)光開始剤とを含有する。また、光硬化性組成物に、(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体を更に添加することで、光硬化と湿気硬化とのデュアルキュア型にすることもできる。
(A)光ラジカル重合性の官能基を有する化合物としては、(A−1)1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物と(A−2)光重合性不飽和基を有する単官能化合物とが挙げられる
[(A−1)1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物]
(A−1)1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物としては、1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物や1分子中に1個を超える(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が挙げられる。貯蔵安定性の観点からは、1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。また、反応性の観点からは、1分子中に1個を超える(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が好ましい。
(A−1)多官能化合物は、1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイル基を有し、好ましくは1分子中に1.5個以上の(メタ)アクリロイル基を有する。
1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は、単量体(以下、モノマーとも称する)及び重合体のいずれも用いることができる。粘度の観点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーが好ましい。また、硬化性の観点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体が好適である。なお、オリゴマーとポリマーとを併せて重合体と称する。
1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーとしては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーが好ましく、例えば、多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
多官能アクリレート類としては、例えば、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等の2官能(メタ)アクリレートモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等の3官能(メタ)アクリレートモノマー、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。光硬化性組成物の柔軟性を保持する観点からは、2官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、良好な反応性の観点からは3官能(メタ)アクリレートモノマー、及び4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体としては、1分子中に平均して1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体であれば特に制限はないが、1分子中に平均して1.5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体が好ましい。
1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体としては、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成社製「UV−3700B」、「UV−6100B」)、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート(例えば、日本合成社製「UV−2000B」、「UV−3000B」、「UV−7000B」、根上工業社製「KHP−11」、「KHP−17」)、非芳香族ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、根上工業社製「アートレジンUN−9200A」)、アクリル系(メタ)アクリレート(例えば、カネカ社製「RC−300」、「RC−100C」、「RC−200C」)、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製「TE−2000」、「TEA−1000」)、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレートの水素添加物(例えば、日本曹達社製「TEAI−1000」)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製「BAC−45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化物の柔軟性確保の観点から、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、アクリル系(メタ)アクリレートがより好ましく、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
1分子中に1個を超える(メタ)アクリルアミド基を有する化合物としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が好ましく、例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、オキシジメチレンビスアクリルアミド、エチレンジオキシビス(N−メチレンアクリルアミド)等が挙げられる。
[(A−2)光重合性不飽和基を有する単官能化合物]
光硬化性組成物は、(A−2)光重合性不飽和基を有する単官能化合物を更に含むことが好ましい。単官能化合物(A−2)により光硬化性化合物の粘度を下げることができる。(A−2)光重合性不飽和基を有する単官能化合物としては、様々な光重合性不飽和基を有する単官能化合物を用いることができ、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する化合物、及び窒素原子にビニル基が直接結合したN−ビニル化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する化合物としては、1分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物や1分子中に1個の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が挙げられ、貯蔵安定性の観点から1分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。また、反応性の観点からは1分子中に1個の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物が好ましい。
1分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は、モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれも用いることができる。粘度の観点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーが好ましい。また、硬化性の観点からは(メタ)アクリロイルオキシ基を有するオリゴマーが好適である。
1分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する化合物であれば、特に限定はないが、例えば、単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては以下が挙げられる。まず、水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルアクリレート等が挙げられる。アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。芳香族(メタ)アクリレートとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数が8〜20の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、入手の容易性の観点から炭素数が8〜18の長鎖炭化水素系(メタ)アクリレートが好ましい。脂環式(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。複素環基を有する(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリレートとしては、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。柔軟性が求められる場合には、単官能(メタ)アクリレート類を用いることが好ましい。
1分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する重合体を用いることができる。例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有するアクリル重合体を骨格とするアクリル系重合体、ウレタン(メタ)アクリレート系重合体、ポリエステル(メタ)アクリレート系重合体、ポリエーテル(メタ)アクリレート系重合体、エポキシ(メタ)アクリレート系重合体等が挙げられる。
1分子中に1個の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロリルモルホリン等が挙げられる。
N−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。N−ビニル化合物は、反応性の点や酸素阻害が生じにくい点から好ましい。
(A−2)単官能化合物の配合割合は特に制限はないが、((A1)1分子中に1個を超える(メタ)アクリロイル基を有する多官能化合物100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.1〜100質量部がより好ましく、1〜100質量部が更に好ましい。これら(A−2)単官能化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(B)光開始剤>
光開始剤としては、光ラジカル発生剤や、光塩基発生剤、光酸発生剤等を用いることができる。光ラジカル発生剤は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生させる化合物である。光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾインエーテル誘導体系、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、オキシムケトン系、アシルホスフィンオキサイド系、チタノセン系、チオキサントン系、キノン系等、及びそれらを高分子量化した誘導体が挙げられる。
光塩基発生剤は、紫外線、電子線、X線、赤外線、及び可視光線等の活性エネルギー線の作用によりラジカル及び/又は塩基を発生する。(1)紫外線・可視光・赤外線等の活性エネルギー線の照射により脱炭酸して分解する有機酸と塩基の塩、(2)分子内求核置換反応や転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物、若しくは(3)紫外線・可視光・赤外線等のエネルギー線の照射により所定の化学反応を起こして塩基を放出する化合物等の公知の光塩基発生剤を用いることができる。
光塩基発生剤の中でも、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンが好ましく、塩基の発生効率が高いこと及び組成物としての貯蔵安定性が良いこと等から、ベンジルアンモニウム塩誘導体、ベンジル置換アミン誘導体、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体が好ましい。特に、塩基の発生効率がより高いことから、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体がより好ましく、光硬化性組成物に対する溶解性の観点からα−アミノケトン誘導体がより好ましい。α−アミノケトン誘導体の中でも発生塩基の塩基性の強さよりアミジン類を発生するα−アミノケトン化合物が好ましく、入手のしやすさより一個の窒素原子で構成される第3級アミン基を有する第3級アミン類を発生するα−アミノケトン化合物が挙げられる。
これらの光開始剤は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる光硬化性組成物に、(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体を更に添加することでデュアルキュア型として用いる場合には、光照射前には硬化が進行せず十分な作業時間をとることができ、光照射直後に優れた硬化性を有し、光照射後は適当な貼り合わせ可能時間を確保しつつ、比較的速やかに完全硬化し、かつ腐食性がある酸を発生しないことから、(B)光開始剤として光塩基発生剤を用い、更に架橋性ケイ素基含有有機重合体の硬化触媒としてSi−F結合を有するケイ素化合物を添加することが好ましい。
<(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体>
(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体の架橋性ケイ素基(以下、「(C)成分」という場合がある)は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る基である。架橋性ケイ素基としては、例えば、一般式(1)で示される基が好ましい。
式(1)中、Rは、有機基を示す。なお、Rは、炭素数が1〜20の炭化水素基が好ましい。これらの中でRは、特にメチル基が好ましい。Rは、置換基を有していてもよい。Xは水酸基、又は加水分解性基を示し、Xが2個以上存在する場合、複数のXは同一であっても、異なっていてもよい。dは1、2又は3の整数のいずれかである。硬化性を考慮し、十分な硬化速度を有する光硬化性組成物を得る観点からは、式(1)においてdは2以上が好ましく、3がより好ましい。十分な柔軟性を有する光硬化性組成物を得る観点からは、dは2が好ましい。
Xで示される加水分解性基としては、F原子以外であれば特に限定されない。例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの中では、加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ない基の方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが、通常、メトキシ基やエトキシ基が用いられる。
架橋性ケイ素基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR(OR)が挙げられる。ここでRはメチル基やエチル基等のアルキル基である。また、架橋性ケイ素基は1種で用いても、2種以上併用してもよい。架橋性ケイ素基は、主鎖又は側鎖、若しくはいずれに結合していてもよい。光硬化性組成物の硬化物の引張特性等の硬化物の物性が優れる観点からは、架橋性ケイ素基が分子鎖末端に存在することが好ましい。(C)成分の有機重合体において、架橋性ケイ素基は、有機重合体1分子中に平均して1.0個以上5個以下存在することが好ましく、1.1〜3個存在することがより好ましい。
(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体の主鎖骨格としては、具体的には、ポリオキシアルキレン系重合体;ポリオレフィン系重合体、水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;ポリエステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;有機重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの骨格は、(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体の中に単独で含まれていても、2種類以上がブロック若しくはランダムに含まれていてもよい。
更に、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体は比較的ガラス転移温度が低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから好ましい。また、ポリオキシアルキレン系重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く深部硬化性に優れることから特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、各種のモノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸系モノマー;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;脂環式(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;芳香族(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共に、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。また、単量体単位(以下、他の単量体単位とも称する)として、これら以外にアクリル酸、グリシジルアクリレートを含有してもよい。
これらは、単独で用いても、複数を共重合させてもよい。生成物の物性等の観点からは、(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。また、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを用い、必要に応じて他の(メタ)アクリル酸モノマーを併用した(メタ)アクリル酸エステル系重合体がより好ましい。更に、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを併用することで、(メタ)アクリル酸エステル系重合体中のケイ素基の数を制御できる。接着性が良いことからメタクリル酸エステルモノマーからなるメタクリル酸エステル系重合体が特に好ましい。また、低粘度化、柔軟性の付与をする場合、アクリル酸エステルモノマーを適宜用いることが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法は、例えば、ラジカル重合反応を用いたラジカル重合法を用いることができる。ラジカル重合法としては、重合開始剤を用いて所定の単量体単位を共重合させるラジカル重合法(フリーラジカル重合法)や、末端等の制御された位置に反応性シリル基を導入できる制御ラジカル重合法が挙げられる。ただし、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いるフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなる。したがって、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得る場合には、制御ラジカル重合法を用いることが好ましい。
制御ラジカル重合法としては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法やリビングラジカル重合法が挙げられる。原子移動ラジカル重合法(Atom Transfer Radical Polymerization;ATRP)等のリビングラジカル重合法を採用することが好ましい。なお、主鎖骨格が(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、その一部がテレケリックポリマーである重合体(以下、「疑似テレケリックポリマー」という。)を合成する反応として、反応性シリル基を有するチオール化合物を用いた反応や、反応性シリル基を有するチオール化合物、及びメタロセン化合物を用いた反応が挙げられる。これらの反応により得られる疑似テレケリックポリマーも、光硬化性組成物の機能、及び奏する効果を阻害しない範囲で用いることができる。
これらの架橋性ケイ素基を有する有機重合体は、単独で用いても、2種以上併用してもよい。具体的には、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、並びに架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる群から選択される2種以上をブレンドした有機重合体も用いることができる。特に、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とをブレンドした有機重合体が優れた特性を有する。本発明に係る光硬化性組成物に適用すると、最大荷重時の伸長率、及び接着力を高めることができる。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とをブレンドした有機重合体の製造方法としては、様々な方法が挙げられる。例えば、架橋性ケイ素基を有し、分子鎖が実質的に、一般式(2):
−CH−C(R)(COOR)− ・・・(2)
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数が1〜5のアルキル基を示す。なお、Rは単独でもよく、2種以上混合していてもよい。)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、一般式(3):
−CH−C(R)(COOR)− ・・・(3)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素数が6以上のアルキル基を示す。好ましくは2−エチルヘキシル基、ステアリル基等の炭素数が8〜20の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、Rは単独でもよく、2種以上混合していてもよい。)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式(2)及び式(3)の単量体単位からなる。ここで、「実質的に」とは、共重合体中に存在する式(2)及び式(3)の単量体単位の合計が50質量%を越えることを意味する。式(2)及び式(3)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。また、式(2)の単量体単位と式(3)の単量体単位との存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40が更に好ましい。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体とをブレンドした有機重合体の製造方法に用いられる架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体として、例えば、架橋性ケイ素基を有し、分子鎖が実質的に(1)炭素数が1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、(2)炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体も用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の数平均分子量は、(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃未満の場合、5,000以上40,000以下が好ましく、20,000以上30,000以下がより好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以上の場合、600以上10,000以下が好ましく、1,000以上5,000以下がより好ましい。数平均分子量をこの範囲とすることにより、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体との相溶性が向上する。(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で用いても、2種以上併用してもよい。架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体との配合比には特に制限はないが、(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃未満の場合、(メタ)アクリル酸エステル系重合体とポリオキシアルキレン系重合体との合計100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が30質量部以上90質量部以下の範囲内であることが好ましく、50質量部以上80質量部以下の範囲内であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系重合体が90質量部より多いと粘度が高くなり、作業性が悪化するため好ましくない。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃以上の場合、(メタ)アクリル酸エステル系重合体とポリオキシアルキレン系重合体との合計100質量部に対して、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が10質量部以上60質量部以下の範囲内であることが好ましく、20質量部以上50質量部以下の範囲内がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系重合体が60質量部より多いと粘度が高くなり、作業性が悪化するため好ましくない。
更に、架橋性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体と架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体とをブレンドした有機重合体も用いることができる。架橋性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をブレンドして得られる有機重合体の製造方法としては、他にも、架橋性ケイ素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合する方法を利用できる。
主鎖骨格がオキシアルキレン系重合体であり末端に加水分解性基等の官能基を有するポリマー(以下、「ポリオキシアルキレン系重合体」という。)は、本質的に一般式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
−R−O−・・・(4)
一般式(4)中、Rは炭素数が1〜14の直鎖状若しくは分岐アルキレン基であり、炭素数が2〜4の直鎖状若しくは分岐アルキレン基が好ましい。
一般式(4)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にオキシプロピレンを主成分とする重合体からなる主鎖骨格が好ましい。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量は、硬化物の初期の引張特性である引張モジュラスを小さくし、破断時伸びを大きくするため高い分子量が好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量の下限としては15,000が好ましく、18,000以上が更に好ましく、20,000以上がより好ましい。分子量が高くなると重合体の粘度が上昇して光硬化性組成物の粘度も上昇するので、数平均分子量が20,000以上の重合体を一部に含む重合体も好ましい。また、数平均分子量の上限は50,000、更には40,000が好ましい。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量である。数平均分子量が15,000未満の場合、引張モジュラスや破断時伸びが十分でない場合があり、50,000を超えると組成物の粘度が大きくなり作業性が低下することがある。
ポリオキシアルキレン系重合体において架橋性ケイ素基の含有量を適度に低下させると、硬化物における架橋密度が低下するので、初期においてより柔軟な硬化物になり、モジュラス特性が小さくなると共に破断時伸び特性が大きくなる。ポリオキシアルキレン系重合体において架橋性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して1.2個以上2.8個以下存在することが好ましく、1.3個以上2.6個以下存在することがより好ましく、1.4個以上2.4個以下存在することが更に好ましい。分子中に含まれる架橋性ケイ素基の数が1個未満になると硬化性が不十分になり、また多すぎると網目構造があまりに密になるため良好な機械特性を示さなくなる。そして、主鎖骨格が直鎖である2官能の重合体の場合、当該重合体の架橋性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して1.2個以上1.9個未満存在することが好ましく、1.25個以上1.8個以下存在することがより好ましく、1.3個以上1.7個未満存在することが更に好ましい。また、特に、フタル酸エステル系可塑剤のような分子量800以下、更には分子量1000以下の低分子量の可塑剤を含有しない、いわゆる無可塑配合の光硬化性組成物を製造する場合には、架橋性ケイ素基は重合体1分子中に平均して1.2個以上1.8個以下、更に好ましくは1.3個以上1.7個以下存在することが好ましい。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は直鎖状でも分岐を有してもよい。引張モジュラスを小さくする観点からは、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は直鎖状の重合体が好ましい。特に、無可塑配合の光硬化性組成物を製造する場合、直鎖状であることが好ましい。また、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は2以下、特には1.6以下が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、例えば、複金属シアン化物錯体触媒による重合法等が挙げられるが、特に限定されない。複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、例えば、トルエンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体との反応から得られる成分を挙げることができる。
分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基、又はイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を有する官能基、及び架橋性ケイ素基を有する化合物を反応させることで、ポリオキシアルキレン系重合体へ架橋性ケイ素基を導入できる(以下、高分子反応法という)
高分子反応法の例として、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に架橋性ケイ素基を有するヒドロシランや、架橋性ケイ素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得る方法を挙げることができる。不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
また、高分子反応法の他の例として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基、並びに架橋性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法や、末端にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基、並びに架橋性ケイ素基を有する化合物とを反応させる方法を挙げることができる。イソシアネート化合物を用いると、架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を容易に得ることができる。
架橋性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明において(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体を更に添加する場合には、(D)(C)架橋性ケイ素基含有有機重合体の硬化触媒(以下、(D)硬化触媒ともいう)を更に含有することが好ましい。架橋性ケイ素基含有有機重合体の硬化触媒としては、例えば、シラノール縮合触媒、Si−F結合を有するケイ素化合物、フッ素系化合物等が挙げられる。
シラノール縮合触媒としては、例えば、アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリス2−エチルヘキソエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等のカルボン酸の金属塩:ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩:他の酸性触媒及び塩基性触媒を挙げることができる。これらの中では有機錫化合物が好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物としては、Si−F結合を有するケイ素基(以下、フルオロシリル基と称することがある)を含む様々な化合物を用いることができ、特に制限はなく、低分子化合物及び高分子化合物のいずれも用いることができる。フルオロシリル基を有する有機ケイ素化合物が好ましく、フルオロシリル基を有する有機重合体が、安全性が高くより好適である。また、配合物が低粘度となる点からフルオロシリル基を有する低分子有機ケイ素化合物が好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物を用いた場合、光照射前には硬化が進行せず十分な作業時間をとることができ、光照射直後に優れた硬化性を有し、光照射後は適当な貼り合わせ可能時間を確保しつつ、比較的速やかに完全硬化することから、(D)硬化触媒としてはSi−F結合を有するケイ素化合物を用いることが好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物の配合割合は特に制限はないが、Si−F結合を有するケイ素化合物としてフッ素化ポリマー等の数平均分子量3,000以上の高分子化合物を用いる場合は、(C)成分の100質量部に対して、0.01〜80質量部が好ましく、0.01〜30質量部がより好ましく、0.05〜20質量部が更に好ましい。Si−F結合を有するケイ素化合物として数平均分子量3,000未満のフルオロシリル基を有する低分子化合物を用いる場合は、(C)成分の100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
フッ素系化合物としては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体、フッ素化剤及び多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物が挙げられる。
フッ素系化合物の配合割合は特に制限はないが、(C)成分の100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましく、0.001〜2質量部が更に好ましい。
(D)硬化触媒を用いる場合には、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる光硬化性組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤(接着性付与剤)、粘着付与樹脂、光増感剤、フィラー、希釈剤、可塑剤、水分吸収剤、エポキシ基を有する化合物、引張特性等を改善する物性調整剤、補強剤、着色剤、難燃剤、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料、導電性粉、熱伝導性粉、蛍光体、ワックス等の各種添加剤を加えてもよい。
シランカップリング剤の例としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート等のイソシアネート含有シラン類;これらの3量体であるトリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等の縮合体;デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニルトリメトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、アミノ基含有シラン類と上記のシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いてもよい。
アミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用する場合、本発明の目的・効果が達成される範囲で種類や使用量に注意して使用すべきである。
上記のようにアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類は本発明において使用が制限される場合がある。しかし、接着性付与剤としてアミノ基含有シラン類やケチミン型シラン類を使用することが望ましい場合には、光照射前にはアミノ基を有する化合物を発生せず、光照射によりアミノ基含有シラン類を発生する化合物(以下、光アミノシラン発生化合物とも称する)を使用することができる。光アミノシラン発生化合物としては、WO2015−088021号公報記載の光官能基が、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、オキシム残基、ベンジル基、及びベンゾイル基や置換されたこれらの基等である化合物が挙げられる。光官能基がo−ニトロベンジル基である光アミノシラン発生化合物の例としては、2−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト、2−ニトロベンジル−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバメイト、3,4−ジメトキシ−2−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト等が挙げられる。光官能基がp−ニトロベンジル基である光アミノシラン発生化合物の例としては、4−ニトロベンジル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト等が挙げられる。光官能基がベンジル基である光アミノシラン発生化合物の例としては、1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]カルバメイト等が挙げられる。光官能基がオキシム残基である光アミノシラン発生化合物の例としては、ベンゾフェノンO−{[3−(トリメトキシシリル)プロピル]}オキシム等が挙げられる。
粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ロジンエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、キシレンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂等の極性基を有する樹脂や、比較的極性の小さい芳香族系、脂肪族−芳香族共重合体系、又は脂環式系等の各種石油樹脂、若しくはクマロン樹脂、低分子量ポリエチレン樹脂、テルペン樹脂、及びこれらを水素添加した樹脂等の粘着付与樹脂を用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族系石油樹脂の例として、α−メチルスチレン単一重合樹脂[FTR Zeroシリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー単一重合樹脂[FTR 8000シリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー/芳香族系モノマー共重合系樹脂[FMRシリーズ、三井化学(株)製]、α−メチルスチレン/スチレン共重合系樹脂[FTR 2000シリーズ、三井化学(株)製]等の芳香族系スチレン樹脂や、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合系樹脂[FTR 6000シリーズ、三井化学(株)製]、スチレン系モノマー/α−メチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合系樹脂[FTR 7000シリーズ、三井化学(株)製]等の脂肪族−芳香族共重合体系スチレン樹脂が挙げられる。
フィラーとしては樹脂フィラー(樹脂微粉末)や無機フィラーを用いることができる。樹脂フィラーとしては、有機樹脂等からなる粒子状のフィラーを用いることができる。例えば、樹脂フィラーとして、ポリアクリル酸エチル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等の有機質微粒子を用いることができる。
無機フィラーとしては、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ素、含水ケイ素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水分吸収剤としては、前述したシランカップリング剤やシリケートが好ましい。シリケートとしては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシシラン、テトラアルコキシシラン等及びその部分加水分解縮合物が挙げられる。
本発明に用いる光硬化性組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば、成分(A)及び(B)を所定量配合し、また、必要に応じて(C)成分等、他の配合物質を配合し、脱気攪拌することにより製造することができる。各成分及び他の配合物質の配合順は特に制限はなく、適宜決定すればよい。本発明に係る光硬化性組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。
(照射工程)
照射工程は、部材の接着面に塗布された光硬化性組成物に対し、所定の波長の活性エネルギー線を照射する。すなわち、照射工程は、第1の部材の接着面に塗布された光硬化性組成物に、第1の部材の接着面側から活性エネルギー線を照射する。なお、第1の部材が活性エネルギー線に対して透明である場合、接着面の反対側から活性エネルギー線を照射することもできる。これにより光硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射により粘着状を示すか(すなわち、粘着状化する)、Bステージ化(すなわち、半硬化)する。
光硬化性組成物に対する活性エネルギー線を照射する条件としては特に制限はないが、硬化時に活性エネルギー線を照射する場合、活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等を利用できる。硬化速度、照射装置の入手のしやすさ及び価格、太陽光や一般照明下での取扱の容易性等から紫外線又は電子線照射による硬化が好ましく、紫外線照射による硬化がより好ましい。なお、紫外線には、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等も含まれる。活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられ、塗布装置に装着しやすいことから、発光ダイオードが好ましい。
照射エネルギーとしては、例えば紫外線の場合、10〜20,000mJ/cmが好ましく、20〜10,000mJ/cmがより好ましく、50〜5,000mJ/cmが更に好ましい。十分な硬化性を確保する観点からは10mJ/cm以上が好ましく、部材の損傷を抑制し、光照射に要する時間とコストとを抑制する観点からは20,000mJ/cm以下が好ましい。
(貼り合せ工程)
貼り合せ工程は、活性エネルギー線が照射された光硬化性組成物が密着している第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを向き合わせ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる。より具体的に、貼り合せ工程は、光照射により粘着状化、若しくはBステージ化した光硬化性組成物が密着している第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを光硬化性組成物を介して貼り合わせる。
ここで、光硬化性組成物がドット状、及び/又は線状になっているので、貼り合せ工程において第1の部材に対して第2の部材を貼り合せる場合に大きな圧力を加えなくてもよい。また、光硬化性組成物が間隔を置いて接着面上に配置されているので、第1の部材と第2の部材との間のエアーがこの間隔を介して外部に放出される。なお、第1の部材に対して第2の部材を貼り合せ、第1の部材と第2の部材との間隔を狭める方向に力を加えた場合、光硬化性組成物も当該力に応じて変形する。この変形により、間隔を置いて配置されている光硬化性組成物が押しつぶされ、光硬化性組成物同士が接触してもよい。
ここで、光硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射(以下、「光照射」という場合がある)前は液状であるので、部材に直接塗布できるだけでなく、形状が複雑な部材に塗布することもできる。そして、光硬化性組成物は、外気から遮断しなくても、光照射によりすばやく粘着性を発揮する。したがって、本発明に係る光硬化性組成物によれば、一方の部材に光硬化性組成物を塗布、光照射した後、粘着性を発揮した光硬化性組成物に他方の部材を貼り合わせることができる。そして、光硬化性組成物は、経時変化により後硬化する。これにより、複数の部材同士が容易に接着される。
[接着装置]
本発明に係る接着装置は、第1の部材に第2の部材を接着させる接着装置である。具体的に接着装置は、部材が載置されるステージ部と、ステージ部に載置されている第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔で塗布する塗布部と、光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射部とを備える。また、接着装置は、第1の部材の接着面と第2の部材の接着面とを向き合わせ、第1の部材に第2の部材を貼り合せる貼り合せ部を更に備える。更に、接着装置は、塗布部を第1の部材に対して予め定められたパターンで移動させる移動部を備えることもできる。
塗布部は、液状の光硬化性組成物を所定量ずつ、若しくは連続的に部材の表面(すなわち、接着面)に塗布する。塗布部は、ディスペンサー等を用いて構成できる。ここで、接着装置は移動部を更に備えている。移動部は、ステージ部に載置された第1の部材に対して塗布部を予め定められたパターンで移動させる。このパターンを設計することで、第1の部材の接着面に光硬化性組成物を複数の線状に塗布することができる。また、このパターンは適宜調整できるので、ドット形状、線状形状、及び/又はドット形状と線状形状とを組み合わせた形状等を有する光硬化性組成物を部材の接着面に塗布することもできる。すなわち、光硬化性組成物の塗布形状の自由度を確保できる。
また、塗布部は、光硬化性組成物を吐出する吐出口を有する。塗布部は、複数の吐出口を有することもできる。塗布部が複数の吐出口を有する場合、複数の吐出口から光硬化性組成物を同時に吐出できる。これにより、複数の線状の光硬化性組成物を部材の接着面に同時に塗布することができ、塗布工程に要する時間を大幅に短縮できるため、複数の吐出稿から同時に吐出することが好ましい。
照射部は、所定波長の活性エネルギー線を断続的、若しくは連続的に照射する。照射部は、第1の部材の接着面に塗布された光硬化性組成物に、光硬化性組成物の種類等に応じて予め定められた照射エネルギーの活性エネルギー線を照射する。照射部は、照射工程の説明で述べた活性エネルギー線源を用いて構成できる。
貼り合せ部は、一の部材に他の部材を貼り合せる。例えば、貼り合せ部は、ステージ部上の第1の部材の接着面に対し、第2の部材の接着面を略水平に保ちつつ、第2の部材の接着面を第1の部材の接着面に貼り合せる。この場合において、貼り合せ部は、第2の部材を保持する保持部と、第2の部材を第1の部材に対して自在に移動させることができる駆動部とを有して構成される。また、貼り合せ部は、第1の部材に対し、第2の部材を所定の圧力で、所定時間、押し付けることもできる。なお、接着装置は、光硬化性組成物の後硬化を促進させる観点から、光硬化性組成物に熱を与える加熱部を更に備えてもよい。
[構造体]
本発明に係る構造体は、第1の部材に光硬化性組成物を介して第2の部材が接着されて構成される。例えば、第1の部材の所定の箇所に光硬化性組成物を所定の間隔を置いて(例えば、複数の線状の光硬化性組成物を、予め定められた間隔を置いて)塗布し、この光硬化性組成物に光照射する。そして、粘着状化、若しくはBステージ化した光硬化性組成物に第2の部材の接着面を接触させて貼り合せる。これにより、本発明に係る構造体が製造される。
本発明に係る接着方法は、様々な部材同士の接着に用いることができる。例えば、家電や電気・電子装置に用いる部品、自動車のフロントガラスやリアウィンドウ等の自動車用のガラスが有する黒セラミック部分に位置決めスペーサーとして接着される部材(すなわち、自動車部品)の接着用途、液晶表示装置等の製造用途、不透明部材同士の接着用途等、様々な接着用途に応用できる。
[実施の形態の効果]
本発明に係る接着方法及び接着装置は、所定の光硬化性組成物を用い、所定の部材に塗布された光硬化性組成物に光照射した後、この部材に他の部材を貼り合せることができるので、部材が不透明材料であっても用いることができる。そして、接着方法及び接着装置では、光硬化性組成物が、例えば、部材表面に複数の線状に塗布される。これにより、部材同士を貼り合せた場合に光硬化性組成物が適切に広がり、貼り合せ時にエアーが混入することがなく、かつ、部材同士が強固に接着される。
また、部材の接着面に幅広に光硬化性組成物を塗布した場合、光照射後に粘着状化、若しくはBステージ化した光硬化性組成物が密着している一の部材に対して他の部材を貼り合せると、光照射された光硬化性組成物の硬度が一定ではないので、一の部材に対して他の部材が傾く場合がある。しかしながら、本発明に係る接着方法及び接着装置によれば、光硬化性組成物をドット状、若しくは線状、好ましくは複数の線状に塗布できるので、このような傾きが発生することを実質的に防止できる。したがって、本発明に係る接着方法及び接着装置によれば、一の部材と他の部材との接着強度を確保できると共に、接着領域内における位置の違いによる接着強度のばらつきを抑制できる。
以下に本発明に用いる光硬化性組成物の調製例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、これらの調製例は例示であり、限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
1)数平均分子量の測定
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により下記条件で測定した。実施例の説明において、下記測定条件でGPCにより測定し、標準ポリスチレンで換算した最大頻度の分子量を数平均分子量と称する。
・分析装置:Alliance(Waters社製)、2410型示差屈折検出器(Waters社製)、996型多波長検出器(Waters社製)、Milleniamデータ処理装置(Waters社製)
・カラム:Plgel GUARD+5μmMixed−C×3本(50×7.5mm、300×7.5mm:PolymerLab社製)
・流速:1mL/分
・換算したポリマー:ポリスチレン
・測定温度:40℃
・GPC測定時の溶媒:THF
2)NMR及びIRの測定
NMR及びIRの測定は、下記測定装置を用いて実施した。
FT−NMR測定装置:日本電子(株)製JNM−ECA500(500MHz)
FT−IR測定装置:日本分光(株)製FT−IR460Plus
(合成例1)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C1の合成
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるトリメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C1を得た。
得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C1の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は25,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
(合成例2)末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C2の合成
エチレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、ポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるトリメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C2を得た。
得られた末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C2の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は12,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
(合成例3)トリメトキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体C3の合成
メチルメタクリレート70.00g、2−エチルヘキシルメタクリレート30.00g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.00g、金属触媒としてのチタノセンジクライド0.10g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン8.60g、重合停止剤としてのベンゾキノン溶液(95%THF溶液)20.00gを用いて、WO2015−088021の合成例4の方法に準じ、トリメトキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体C3を得た。(メタ)アクリル系重合体C3のピークトップ分子量は4,000、分子量分布は2.4であった。H−NMR測定により含有されるトリメトキシシリル基は1分子あたり2.00個であった。
(合成例4)Si−F結合を有するケイ素化合物D1の合成
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させ、水酸基価換算分子量14,500、かつ分子量分布1.3のポリオキシプロピレンジオールを得た。WO2015−088021の合成例2の方法に準じ、得られたポリオキシプロピレンジオールの末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得た。この末端にアリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、水素化ケイ素化合物であるメチルジメトキシシランを白金ビニルシロキサン錯体イソプロパノール溶液を添加して反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C4を得た。得られた末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体C4の分子量をGPCにより測定した結果、ピークトップ分子量は15,000、分子量分布1.3であった。H−NMR測定により末端のメチルジメトキシシリル基は1分子あたり1.7個であった。
次に、BFジエチルエーテル錯体2.4g、脱水メタノール1.6g、重合体C4を100g、トルエン5gを用いて、WO2015−088021の合成例4の方法に準じ、Si−F結合を有するケイ素化合物D1を得た。得られたSi−F結合を有するケイ素化合物D1のH−NMRスペクトル(Shimazu社製のNMR400を用いて、CDCl溶媒中で測定)を測定したところ、原料である重合体C4のシリルメチレン(−CH−Si)に対応するピーク(m,0.63ppm)が消失し、低磁場側(0.7ppm〜)にブロードピークが現れた。
表1において、各配合物質の配合量は「g」で示され、ポリオキシアルキレン系重合体C1及びC2は合成例1及び2で得たポリオキシアルキレン系重合体C1及びC2であり、アクリル系重合体C3は合成例3で得たアクリル系重合体C3であり、硬化触媒は合成例4で得たSi−F結合を有するケイ素化合物D1であり、他の配合物質の詳細は下記の通りである。
*1)多官能化合物A−1:アクリル系アクリレート、商品名「RC100C」((株)カネカ製)、アクリロイルオキシ基を2個有する重合体。
*2)多官能化合物A−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名「ライトアクリレートDPE−6A」(共栄社化学(株)製)、6官能アクリレートモノマー。
*3)単官能化合物A−2:メトキシジプロピレングルコールアクリレート、商品名「ライトアクリレートDPM−A」(共栄社化学(株)製)、単官能アクリレート。
*4)光開始剤B:開裂型光ラジカル発生剤:商品名「Irgacure 1173」(BASF社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン。)
*5)光開始剤B:光塩基発生剤:Irgacure 379EG[BASF社製の商品名、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン]の70%PC(プロピレンカーボネート)溶液。
*6)粘着付与樹脂:商品名「パインクリスタルKE−100」(荒川化学工業(株)製)。
(実施例1)
図2は、実施例1に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面視の図を示す。
実施例1においては、第1部材の周辺部に、光硬化性組成物からなる複数の線状部50を塗布した。ここで、各線状部50の塗布幅は2mmにし、各線状部50の間隔も2mmにした。なお、図2においては第2部材15を第1部材に貼り合せた後であるため、線幅が多少拡大している。次に、UV照射[照射条件:UV−LED365nm、照度:1000mW/cm、積算光量:2000mJ/cm]後、23℃50%RHの環境下で第1部材に第2部材15を貼り合せた。なお、貼り合せ時において、第1部材に対して第2部材15を押し付けける力は加えず、第2部材15の自重で貼り合せた。これにより、実施例1に係る構造体を得た。なお、第1部材、及び第2部材は、ガラス製の板状部材であり、サイズは縦×横×厚が20cm×15cm×3mmである。また、光硬化性組成物としては、表1に記載の調製例1で調整した光硬化性組成物を用いた。
(実施例2)
図3は、実施例2に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面視の図を示す。
実施例2においては、実施例1とは光硬化性組成物の塗布形状が異なる点を除き、同一工程で実施例2に係る構造体を作製した。実施例2においては、光硬化性組成物を平面視で四角形の渦巻き状の線状部52になるように第1部材の周辺部に塗布した。なお、塗布幅は実施例1と同様であり、用いた光硬化性組成物も調整例1で調整した組成物である。
(比較例1)
図4は、比較例1に係る接着方法で第1部材に第2部材を貼り合せた場合の平面視の図を示す。
比較例1においては、実施例1とは光硬化性組成物の塗布形状が異なる点を除き、同一工程で比較例1に係る構造体を作製した。比較例1においては、光硬化性組成物を幅広の線状部54になるように第1部材の周辺部に塗布した。塗布幅は、15mmである。なお、用いた光硬化性組成物は、調整例1で調整した組成物である。
図2及び図3を参照すると分かるように、実施例に係る構造体においてはいずれも、第2部材15と光硬化性組成物からなる線状部50及び線状部52との間に隙間の発生やエアーの混入は見られなかった。そして、実施例1及び実施例2においてはいずれも、第1部材と第2部材15とは強固に接着された。一方、比較例1においては、図4を参照すると分かるように、幅広の線状部54と第2部材15との間に多くの隙間100(すなわち、浮き。接着していない領域)が発生した。したがって、比較例1においては、接着強度にばらつきが生じ、適切な接着ができないことが示された。
また、表1に記載の調製例2で調整した光硬化性組成物を用いて実施例1及び2、比較例1にと同様に構造体を作成した場合にも、光硬化性組成物として表1に記載の調製例1で調整したものを用いた場合と同様の結果が得られた。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10 部材
15 第2部材
20、22、24 線状部
30 ドット部
40、42 線状部
50、52、54 線状部
100 隙間

Claims (10)

  1. 第1の部材に前記第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着方法であって、
    前記第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔を置いて塗布する塗布工程と、
    前記光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    前記第1の部材の接着面と前記第2の部材の接着面とを接触させ、前記第1の部材に前記第2の部材を貼り合せる貼り合せ工程と
    を備える接着方法。
  2. 前記塗布工程が、前記光硬化性組成物を前記第1の部材の接着面に線状に塗布する請求項1に記載の接着方法。
  3. 前記第1の部材、及び前記第2の部材の少なくとも一方が前記活性エネルギー線に対して不透明な材料を用いて構成される請求項1又は2に記載の接着方法。
  4. 前記光硬化性組成物が、前記活性エネルギー線を照射された後、粘着状化、若しくはBステージ化し、
    前記貼り合せ工程が、前記粘着状化、若しくは前記Bステージ化した前記光硬化性組成物が密着している前記第1の部材の接着面と前記第2の部材の接着面とを接触させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着方法。
  5. 前記塗布工程が、前記第1の部材の接着面に前記光硬化性組成物を複数の線状に塗布する場合、前記複数の線状の前記光硬化性組成物を互いに交錯させずに塗布する請求項1に記載の接着方法。
  6. 第1の部材に前記第1の部材とは異なる第2の部材を接着させる接着装置であって、
    前記第1の部材の接着面に光硬化性組成物を予め定められた間隔で塗布する塗布部と、
    前記光硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する照射部と
    を備える接着装置。
  7. 前記第1の部材の接着面と前記第2の部材の接着面とを接触させ、前記第1の部材に前記第2の部材を貼り合せる貼り合せ部
    を更に備える請求項6に記載の接着装置。
  8. 前記塗布部を前記第1の部材に対して予め定められたパターンで移動させる移動部
    を更に備え、
    前記塗布部が、前記第1の部材の接着面に前記光硬化性組成物を線状に塗布する請求項6又は7に記載の接着装置。
  9. 前記塗布部が、前記光硬化性組成物を同時に吐出する複数の吐出口を有する請求項8に記載の接着装置。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着方法を用い、前記第1の部材に前記第2の部材が貼り合わされて製造される構造体の製造方法。
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WO2021192815A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 綜研化学株式会社 硬化性組成物および硬化物

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