JP2003226167A - シート用パワースライド装置 - Google Patents

シート用パワースライド装置

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JP2003226167A JP2002029380A JP2002029380A JP2003226167A JP 2003226167 A JP2003226167 A JP 2003226167A JP 2002029380 A JP2002029380 A JP 2002029380A JP 2002029380 A JP2002029380 A JP 2002029380A JP 2003226167 A JP2003226167 A JP 2003226167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アッパレールとロアレール間で前後方向にガ
タ無くし、異音の発生を解消し、且つ衝撃荷重作用に対
する必要強度を確保できるパワースライド装置の構成を
実現することである。 【解決手段】 ロアレール４またはアッパレール３のい
ずれか一方に、前記駆動装置６によって駆動させられる
スクリュ８を備え、前記ロアレール４または前記アッパ
レール３のいずれか他方に、前記スクリュ８と隙間をも
って係合する第１ラック５６と、前記スクリュ８と当接
して係合する第２ラック４６とを備えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のシートの
前後位置を調整するように用いられるパワースライド装
置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種のシート用パワースライド
装置としては、特開平１０−９６８号公報に示されるも
のが知られている。このパワースライド装置は、シート
を支えるアッパレールと、アッパレールに対し摺動可能
に係合し車両のフロア上に固定されるロアレールとを備
えている。アッパレールには駆動装置によって回転駆動
されるスクリュが取り付けられ、ロアレールには長手方
向に配設された複数の歯からなるラックが形成されてい
る。スクリュはラックと噛合い、スクリュの回転によっ
てロアレールに対してアッパレールを前方または後方に
移動させて、シートの前後方向の位置を調整可能とする
ものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】車両用シートに適用さ
れるパワースライド装置は、車両の衝突時等で発生する
過大な前後方向の荷重がシートに作用する場合であって
も、シートの位置を保持する強度を有するものでなけれ
ばならない。
【０００４】上記した従来のパワースライド装置である
と、この強度を確保し且つ実用可能な小型の装置として
実現するためにはスクリュとラックの両方を金属で形成
する必要がある。このようにスクリュとラックを金属で
形成した場合、スクリュとラック間を隙間が無く当接し
て係合させると、互いの摩擦が大きくなり、耐久性を損
なう恐れがある。一方、耐久性の確保のためにスクリュ
とラックの間に隙間を設けると、アッパレールとロアレ
ールの間で前後方向にガタと、異音の発生を招く問題が
ある。
【０００５】故に、本発明の技術的課題は、アッパレー
ルとロアレール間で前後方向にガタ無くし、異音の発生
を解消し、且つ衝撃荷重に対する必要強度を確保できる
パワースライド装置の構成を実現することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために本発明において講じた第一の技術的手段は、ロ
アレールと、シートを支え且つ前記ロアレールに対して
互いに移動可能に係合するアッパレールと、前記アッパ
レールを前記ロアレールに対して移動させるように作動
する駆動装置を備えるパワースライド装置において、前
記ロアレールまたは前記アッパレールのいずれか一方
に、前記駆動装置によって駆動させられるスクリュを備
え、前記ロアレールまたは前記アッパレールのいずれか
他方に、前記スクリュと隙間をもって係合する第１ラッ
クと、前記スクリュと当接して係合する第２ラックとを
備えるようにしたことである。
【０００７】この構成では、第２ラックにスクリュとの
摩擦の少ない材料を採用し、第２ラックにスクリュ間に
隙間を設けずに係合させて、異音の発生を抑え耐久性の
確保ができるとともに、ロアレールに対してアッパレー
ルをガタが無く保持できる。
【０００８】上記第一の技術的手段に加えて本発明にお
いて講じた第二の技術的手段は、前記第２ラックを樹脂
製とし、前記スクリュを金属性として、前記スクリュを
前記第２ラックに対して押すように作用力を及ぼす弾性
部材を有するように構成したことである。
【０００９】スクリュとの摩擦の少ない材料として第１
ラックに樹脂を採用して、パワースライド装置のガタ、
異音の発生を抑え耐久性の確保ができるようになる。
【００１０】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に関わるシート用の
パワースライド装置1の構成について、図１乃至５を用
いて以下に説明する。
【００１１】図１、図２に示されるように、パワースラ
イド装置1はシート２の下方の左右に並設される一対の
スライド機構５を備えている。左右の各スライド機構５
は夫々シート２の前後方向（図１の左右方向）に長く延
びる形状のロアレール４とアッパレール３を備えてい
る。ロアレール４とアッパレール３はケース９６、ロー
ラ９７およびボール９８を有する摺動機構９５を介して
互いに前後方向に摺動可能に係合する構成となってい
る。ロアレール４の前端と後端に固定されたブラケット
１１を介して取付けネジ５１によってロアレール４はフ
ロア1２上に固定され、また複数の取付けネジ３３によ
ってアッパレール３はシート２に固定されている。ロア
レール４に対するアッパレールの摺動によって、シート
２がフロア１２に対して前後方向に移動可能となる構成
となっている。
【００１２】更に図1、図２に示されるように、左右の
スライド機構５のアッパレール３は、その前端で横方向
に概略水平に延びる連結ブラケット１０によって連結さ
れている。連結ブラッケト１０上にはロアレール４に対
してアッパレール３を摺動するための駆動装置６が複数
の取付けネジ６４によって固定して取り付けられてい
る。駆動装置６はモータ６１と減速機構６２を備え、減
速機構６２の左右には幅方向に水平に開口している夫々
出力軸穴６３が設けられている。減速機構６２には回転
軸（図示せず）が内蔵され、左右の出力軸穴６３の挿入
される回転ケーブル９のケーブル軸９１が、その先端に
形成された四角部で減速機構６２の回転軸に連結され
る。減速機構６２に連結された回転ケーブル９は左右に
夫々導かれ、後述する左右のスライド機構５に取り付け
られているスクリュ８を回転させることができるように
連結される。
【００１３】また駆動装置６には図示しない電力供給装
置から配線されて、操作者が電力供給装置のスイッチを
操作することで、モータ６１は正転または逆転のいずれ
の方向にも回転ができる構成となっている。
【００１４】図２、図３及び図４に示すように、アッパ
レール３は溶接して結合された外側レール部３ａと内側
レール部３ｂによって構成され、前後方向に長く延びる
形状を有している。アッパレール３は、その長さ方向に
直角な断面で逆Ｕ字形状の基部３１（図４）と、基部３
１の下端から断面形状の外側に屈曲して上方に延び係止
部３２とを有するように成形されている。そして、外側
と内側の各レール部３ａ、３ｂの長さ方向の中間部分に
は所定の前後方向長さの切欠穴１６０（図２）が形成さ
れている。
【００１５】さらに図２、図３及び図４に示すように、
ロアレール４は、その長さ方向に直角の断面形での形状
で、アッパレール３を内部に含む寸法のＵ字形状に形成
された基部４１（図４）を有する。更に基部４１の上端
からは屈曲して断面形状の内側で下方に延び、アッパレ
ール３の基部３１と係止部３２の間に挟まれるように係
合する係止部４２が形成されている。図２に示されるロ
アレール４の左右の係止部４２にはその長さ方向の所定
範囲に等間隔に配置されるラック歯部５８と歯間隙５９
を有する第１ラック５６が形成されている。
【００１６】また、さらに図２、図３及び図４に示すよ
うに、ロアレール４の基部４１の底部には、長手方向に
延びる第２ラック４６が固定して取り付けられている。
第２ラック４６は通常樹脂などの金属との摩擦が少ない
材料を用いて成形され、その長さ方向には等間隔に複数
のラック歯部４８と歯間隙４９が形成されている。第２
ラック４６の下面には複数のボス４７が形成され、ボス
４７はロアレール４の基部４１の面に形成された穴に嵌
り、第２ラック４６をロアレール４に対して固定してい
る。
【００１７】アッパレール３の逆Ｕ字形状の基部３１に
おいて、上部の壁部にブラケット１００がピン１０１に
よって固定されている。ブラケット１００は前後方向に
所定の間隔をもって配置された２つの縦壁部１０２を備
え、スクリュ８と、スクリュ８の両側に配置されるベア
リングプレート２３およびスプリング２４が縦壁部１０
２の間に挟まれるように配置されている。
【００１８】スクリュ８は前後方向に延びる軸を有する
円筒形状を呈し、その前後端部に形成された回転軸８２
が、ベアリングプレート２３の穴２２に挿入され支持さ
れている。さらにベアリングプレート２３はアッパレー
ル３およびブラケット１００に対して回転が拘束され、
かつ上下方向には僅かの移動が許容されるように支持さ
れている。ベアリングプレート２３の下方部分には突起
２３ａが形成され、スプリング２４は基部３１の上面と
突起２３ａに当接して、ベアリングプレート２３を下方
に押す作用力を及ぼすように配置されている。
【００１９】スクリュ８の円筒形の外形はアッパレール
３の幅より大きく、また外形上には螺旋の歯部８１が形
成されている。図２に示されるように、スクリュ８の歯
部８１はアッパレール３の両側で切欠穴１６０から外側
に出て、図3と図４に示されるように、ロアレール４に
形成された第１ラック５６のラック歯部５８と噛合い係
合する。また、スクリュ８の歯部８１の下側はロアレー
ル４の基部４１に取り付けられた第２ラック４６のラッ
ク歯部４８と噛合い係合する。この構成によって、スク
リュ８が回転し螺旋の歯部８１が各ラック歯部４８、５
８を前後方向に押すために、アッパレール３がロアレー
ル４に対して摺動できるようになっている。
【００２０】スクリュ８は、図３と図４に示されるよう
に、その円筒形状の中心軸に沿って長手方向に貫通する
断面が四角形の軸穴８３を有し、軸穴８３には減速機構
６２から導かれた回転ケーブル９の四角形に形成された
先端部が挿入されている。これによってスクリュ８は駆
動装置６によって正転、または逆転が自在となってい
る。
【００２１】図５に、スクリュ８の歯部８１と第１ラッ
ク５６のラック歯部５８の噛合い状態を詳細に示す。図
５から分かるように、歯部８１はラック歯部５８の歯間
隙５９内にあって、ラック歯部５８とは当接せずに隙間
ａを保って係合するように構成されている。従ってスク
リュ８からは第１ラック５６には駆動力は伝達されな
い。一方図３に示されるように、スクリュ８の歯部８１
は第２ラック４６のラック歯部４８に隙間無く密着して
係合する。特にスプリング２４によってベアリングプレ
ート２３を下方に押すことで、ベアリングプレート２３
に支持されているスクリュ８の歯部８１がラック歯部４
８により密着して噛合い係合する。そして、車両の走行
中の前後方向の荷重振動に対してもシート２をガタの発
生が無く保持できる構成となっている。尚スクリュ８の
歯部８１と第２ラック４６のラック歯部４８は、夫々台
形状にして、楔効果をもって互いに強く密着させるよう
にして、ガタが発生しないように構成してもよい。
【００２２】図２と図３に示されるように、ロアレール
４の基部４１の底面上には、第２ラック４６の前端と当
接して、前側ストッパ５２がピン５３で固定して取り付
けられ、後端部には後側ストッパ５４が固定して取り付
けられている。アッパレール３がロアレール４に対して
最も前方または後方に移動したとき、これら前後ストッ
パ５２、５４は夫々ブラケット１００の前方または後方
の端面１０２と当接して、ロアレール４に対するアッパ
レール３のそれ以上の移動を阻止する構成となってい
る。
【００２３】以上のように構成されたパワースライド装
置1の作動を以下に説明する。
【００２４】操作者が駆動装置６の図示しないスイッチ
を操作することによって、モータ６１が回転し、減速機
構６２、回転ケーブルを介してスクリュ８が回転する。
そして、第２ラック４６とスクリュ８の噛合い係合で、
アッパレール３はロアレール４に対して摺動して移動す
る。シート２の位置が乗員の意図する位置に到達したと
き、スイッチ操作を止めることによって、シート２は停
止し、その位置で保持される。このとき、樹脂等で成形
された第２ラック４６はスクリュ８と摩擦抵抗が少なく
かつ隙間無く係合しているために、静かな作動し、そし
て調整後の保持状態でもガタがなくなる。
【００２５】このように保持されたシート２が、車両の
衝突で前方または後方への大きな衝撃荷重を受けたと
き、樹脂等で成形された第２ラック４６は変形し、スク
リュ８は僅かに衝撃荷重の作用する方向に移動する。こ
の移動にともないスクリュ８の歯部８１と第１ラック６
のラック歯部５８との間の隙間ａが無くなり、互いに当
接する。そしてスクリュ８の荷重は第１ラック６を介し
て大きい強度を有するロアレール４に伝達され、強いシ
ート２の拘束が確保される。
【００２６】
【発明の効果】本発明によれば、パワースライド装置の
通常作動時はスクリュと第２ラックが隙間無く噛合い係
合しているために、アッパレールとロアレール間で前後
方向にガタがなく、また異音の発生も無くなる。さらに
パワースライド装置に大きな衝撃が作用したときはスク
リュと第１ラックが当接して係合しパワースライド装置
の強度が確保されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るパワースライド装置が装着された
シートの側面図である。
【図２】本発明に係るパワースライド装置の分解斜視図
である。
【図３】本発明に係るパワースライド装置の部分断面図
である。
【図４】図3における、Ａ―Ａ部での断面図である
【図５】図４における、Ｂ―Ｂ部での断面図である
【符号の説明】
１ パワースライド装置 2 シート ３ アッパレール ４ ロアレール ６ 駆動装置 ８ スクリュ ２４ 弾性体（スプリング） ４６ 第２ラック ５６ 第１ラック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ロアレールと、 シートを支え且つ前記ロアレールに対して互いに移動可
    能に係合するアッパレールと、 前記アッパレールを前記ロアレールに対して移動させる
    ように作動する駆動装置を備えるパワースライド装置に
    おいて、 前記ロアレールまたは前記アッパレールのいずれか一方
    に、前記駆動装置によって駆動させられるスクリュを備
    え、前記ロアレールまたは前記アッパレールのいずれか
    他方に、前記スクリュと隙間をもって係合する第１ラッ
    クと、前記スクリュと当接して係合する第２ラックとを
    備えていることを特徴とするパワースライド装置。
  2. 【請求項２】 前記第２ラックを樹脂製とし、前記スク
    リュを金属性として、前記スクリュを前記第２ラックに
    対して押すように作用力を及ぼす弾性部材を有する請求
    項１に記載のパワースライド装置。
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