JP2003205574A - 基板及び該基板を有する有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

基板及び該基板を有する有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2003205574A JP2002007312A JP2002007312A JP2003205574A JP 2003205574 A JP2003205574 A JP 2003205574A JP 2002007312 A JP2002007312 A JP 2002007312A JP 2002007312 A JP2002007312 A JP 2002007312A JP 2003205574 A JP2003205574 A JP 2003205574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理等の付加的処理が必要なく、生産性
が高く、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス
表示装置などに用いて好適な、含水率の低い、且つ、水
蒸気の遮蔽性に優れた水蒸気吸着層(吸湿性層)を有す
る基板及びこれを用いた表示装置を提供することにあ
る。 【解決手段】 基材上にアルカリ金属酸化物又はアルカ
リ土類金属酸化物を含有する膜が形成されていることを
特徴とする基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセンス表示装置、液晶表示装置などの表示装置に用
いる基板及び該基板を有する前記装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置、有機エレクト
ロルミネッセンス表示装置などの表示装置用の基板とし
て、或いはCCDやCMOSセンサーのような電子光学
デバイス用の基板として、熱安定性や透明性の高さから
ガラスが用いられてきた。
【0003】近年、携帯電話等の携帯情報端末機器の普
及に伴い、これら端末機器に設けられる表示装置や電子
光学デバイスにおいては、割れやすく重いガラスより
も、可撓性が高く割れにくく、軽いプラスチック基板の
採用が検討されている。
【0004】しかしながら、通常生産されているプラス
チック基板は、その内部に水分を含んでおり、例えばこ
れを有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いた場
合、その水分が徐々に表示装置内に拡散し、拡散した水
分の影響により表示装置等の耐久性が低下するという問
題があった。例えば、非発光領域であるダークスポット
が発光領域に発生してしまう等の問題がある。
【0005】このような問題を解決すべく、例えばプラ
スチック基板を100℃環境下で10時間加熱乾燥した
後に部材として使用することが提案されている。しか
し、生産性が低いのが問題であった。
【0006】特開2001−267065明細書には、
1の面に第一電極、有機EL層および第2電極をこの順
で設けた透明基板と該透明基板の1の面に対向した面に
水蒸気吸着層(吸湿性層)が配置された対向基板とが枠
状のシール剤を介して張り合わされている有機EL素子
が開示されている。この場合、水蒸気吸着層には水分が
吸着するのみであり、化学的に変化し別の化合物として
取り込まれる訳ではないので、吸着平衡に達してしまっ
た後に、例えば高温環境下に晒されると水分を放出して
しまうおそれがある。又、基板に水蒸気吸着剤の層を形
成後、その使用前に予め吸着している水分を加熱処理し
て放出させる活性化処理を行わなければならないが、プ
ラスチック基板においては加熱処理は好ましくなく、ガ
ラス、セラミック等の耐熱性の材料に限られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は使用前に加熱処理等の付加的処理が必要なく、生産性
が高く、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス
表示装置などに用いて好適な、含水率が低く水蒸気の遮
蔽性に優れた、水蒸気吸着層(吸湿性層)を有する基板
及びこれを用いた表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の手段により達成される。
【0009】1.基材上にアルカリ金属酸化物又はアル
カリ土類金属酸化物を含有する膜が形成されていること
を特徴とする基板。
【0010】2.基材がプラスチックのシートであるこ
とを特徴とする前記1に記載の基板。
【0011】3.アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類
金属酸化物を含有する膜が、大気圧又は大気圧近傍の圧
力下における、対向する電極間の放電により、アルカリ
金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を含有する反応
性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガ
スに基材を曝すことによって形成されることを特徴とす
る前記1又は2に記載の基板。
【0012】4.反応性ガスがアルカリ金属或いはアル
カリ土類金属の塩又は錯体から選ばれることを特徴とす
る前記3に記載の基板。
【0013】5.反応性ガスが上記一般式(1)で表さ
れる化合物のアルカリ金属或いはアルカリ土類金属塩、
又は、該化合物を配位子として有するアルカリ金属錯体
或いはアルカリ土類金属錯体から選ばれることを特徴と
する前記4に記載の基板。
【0014】6.前記アルカリ金属酸化物又はアルカリ
土類金属酸化物を含有する膜が、炭素を含有することを
特徴とする前記3〜5のいずれか1項に記載の基板。
【0015】7.炭素含有率が、0.2〜5質量%であ
ることを特徴とする前記6に記載の基板。
【0016】8.アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類
金属酸化物を含有する膜の上に、酸素原子と窒素原子の
少なくともいずれか一方とケイ素原子とを含有する膜を
有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記
載の基板。
【0017】9.酸素原子と窒素原子の少なくともいず
れか一方とケイ素原子とを含有する膜が大気圧又は大気
圧近傍の圧力下において、対向する電極間の放電により
珪素化合物を含有する反応性ガス又は珪素化合物及び酸
素又は窒素を含有する反応性ガスをプラズマ状態とし、
該プラズマ状態の反応性ガスに基材を曝すことによって
形成されることを特徴とする前記8に記載の基板。
【0018】10.前記酸素原子と窒素原子の少なくと
もいずれか一方とケイ素原子とを含有する膜を構成する
酸素原子と窒素原子の比をx:yとしたときにx/(x
+y)が0.95以下であることを特徴とする前記8又
は9に記載の基板。
【0019】11.x/(x+y)が0.8以下である
ことを特徴とする前記10に記載の基板。
【0020】12.前記酸素原子と窒素原子の少なくと
もいずれか一方とケイ素原子とを含有する膜が、炭素を
含有することを特徴とする前記9〜11のいずれか1項
に記載の基板。
【0021】13.炭素含有率が0.2〜5質量%であ
ることを特徴とする前記12に記載の基板。
【0022】14.前記放電を、100kHzを越えた
高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給す
ることにより行うことを特徴とする前記3〜13のいず
れか1項に記載の基板。
【0023】15.前記放電を、200kHzを越えた
高周波電圧で、且つ、2W/cm2以上の電力を供給す
ることにより行うことを特徴とする前記3〜13のいず
れか1項に記載の基板。
【0024】16.高周波電圧が連続したサイン波であ
ることを特徴とする前記14又は15に記載の基板。
【0025】17.基材が長尺なフィルムであり、電極
間を搬送されながら、プラズマ状態の反応性ガスに晒さ
れることを特徴とする前記3〜16のいずれか1項に記
載の基板。
【0026】18.電極間に反応性ガスを、不活性ガス
をガス全体の90.0〜99.9体積%混合した、混合
ガスとして供給してプラズマ状態とすることを特徴とす
る前記3〜17のいずれか1項に記載の基板。
【0027】19.前記1〜18のいずれか1項に記載
の基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
ッセンス素子。
【0028】本発明における基板は、水蒸気吸着層(吸
湿性層)としてアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金
属酸化物を含有する層を基材上に設けたものである。
【0029】本発明に係わるアルカリ金属酸化物又はア
ルカリ土類金属酸化物を含有する膜を基材上に形成する
方法としては、例えば、スパッタ法等が挙げられるが、
生産性の観点から、又、より吸湿性が高い緻密な膜を形
成出来るという観点から、大気圧又は大気圧近傍の圧力
下において、対向する電極間に放電することにより、ア
ルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を含有す
る反応性ガスをプラズマ状態とし、膜を形成しようとす
る基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに曝す方法(以
下、大気圧プラズマ法ともいう)によって、基材表面
に、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物を
含有する膜を形成するのが好ましい。
【0030】又、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類
金属酸化物は吸湿性が高いため更に、吸湿性膜の上に、
更に酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一方とケ
イ素原子とを含有する膜を有する基板とすることが吸湿
性膜の防湿性を高める上で好ましい。これらの酸素原子
と窒素原子の少なくともいずれか一方とケイ素原子とを
含有する膜の製造法は問わないが、吸湿性膜の形成と連
続して、酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一方
とケイ素原子とを含有する膜を、大気圧プラズマ法を用
いて形成することが好ましい。大気圧プラズマ法を用い
た場合、酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一方
とケイ素原子とを含有する膜は、他の方法で形成したも
のに比べ、より緻密に形成される点で、特に防湿性に優
れたものとなる。
【0031】先ず、本発明において、アルカリ金属酸化
物又はアルカリ土類金属酸化物を含有する膜、又、更
に、酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一方とケ
イ素原子とを含有する膜をその上に形成する基材につい
て説明する。
【0032】基材としては、板状のもの、フィルム状の
もの、レンズ状、更には複数の膜や板状のものを積層し
た素子など、膜をその表面に形成出来るものであれば特
に限定はない。基材が電極間に載置できるものであれ
ば、電極間にこれを載置することによって、基材が電極
間に載置できないものであれば、発生したプラズマを当
該基材に吹き付けることによって膜を形成することがで
きる。
【0033】本発明の膜の形成方法としては、特に表示
装置に好適であるが、その場合基材としては、透光性を
有ししかも軽量なプラスチック材料、特にプラスチック
シートを用いることが出来る。
【0034】プラスチックシートとしては、セルロース
トリアセテート等のセルロースエステル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、更にこれらの上
にゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設
したものを使用することが出来る。又、これらを支持体
として更にその上に下引き層やその他の機能層を塗設し
たり、バックコート層、帯電防止層等を塗設したものを
基材として用いることが出来る。
【0035】上記の支持体又、本発明の基材として用い
られるプラスチックシートとしては、具体的には、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等
のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロ
ファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタ
レート、セルロースナイトレート等のセルロースエステ
ル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シン
ジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノ
ルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケ
トン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素
樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル
或いはポリアリレート類等をあげることが出来る。
【0036】これらの膜を基材上に大気圧プラズマ法に
より形成するには、それぞれの膜を形成する為の反応性
ガスに必要に応じて、周期表の第18属原子、具体的に
は、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを混合した混合
ガスを対向する電極間の放電によりプラズマ状態にし
て、該プラズマ状態のガスに基材を曝す方法をとる。大
気圧プラズマ製膜装置については後述する。
【0037】所謂大気圧プラズマ法によって、本発明に
係わるアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物
を含有する膜を基材上に形成することの出来る反応性ガ
スには、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合
物が用いられるが、これらアルカリ金属化合物又はアル
カリ土類金属化合物のうちでも、アルカリ金属或いはア
ルカリ土類金属の塩又は錯体が好ましく、特に有機化合
物のアルカリ金属塩又は該有機化合物を配位子として有
するアルカリ金属錯体、又は、有機化合物のアルカリ土
類金属塩又は該有機化合物を配位子として有するアルカ
リ土類金属錯体が好ましい。特に有機化合物としては、
1分子内の2ヶ所以上に配位性の原子を有していること
が好ましく、配位性の原子としては、窒素原子、酸素原
子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子があげられ
る。尚、該配位性の原子は解離性のプロトンを有してい
てもよい。有機化合物のアルカリ金属塩やアルカリ土類
金属塩、有機化合物のアルカリ金属錯体やアルカリ土類
金属錯体としては、前記一般式(1)で表される化合物
のアルカリ金属或いはアルカリ土類金属塩、又は、該化
合物を配位子として有するアルカリ金属錯体或いはアル
カリ土類金属錯体が、比較的気化が容易で好ましい。
【0038】尚、ここにおいて、アルカリ金属塩又はア
ルカリ金属錯体というとき(従って、アルカリ土類金属
塩又はアルカリ土類金属錯体も)、例えばアルカリ金属
の場合殆どは、例えば酸性基と塩を形成していると考え
られるものの、塩と錯体、両者は判然と区別の付きにく
いものを含んでおり、ここでは塩乃至錯体のどちらを形
成していてもよく、両者を包含する意味で用いる。
【0039】前記一般式(1)において、R1及びR3
表される炭素数1〜20の一価の有機基としては、特に
制限されないが、総炭素数20以下の、置換されていて
もよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル
基等)、置換されていてもよいアルコキシ基(例えばメ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ
基、ドデシルオキシ基等)等があげられ、又、R2で表
される炭素数1〜20の一価の有機基としても、特に制
限はないが、代表的には、総炭素数20以下の、置換さ
れていてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、ドデシル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデ
シルオキシ基等)、アシル基(例えばホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル
基、ラウロイル基、ステアロイル基等)、アシルオキシ
基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタ
ノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ラウロイルオ
キシ基、ステアロイルオキシ基等)等の置換基があげら
れる。これらアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ア
シルオキシ基等の置換基としては、ハロゲン原子、特に
フッ素原子が好ましい。炭素数が20を越えて多い場合
には、気化が制限され反応性ガスとしての有効性を失
う。
【0040】又、R1とR2、R2とR3が縮合して形成さ
れる環としては、代表的にはシクロヘキセン環、シクロ
ペンタン環等がある。
【0041】又、R1又はR2が、トリフルオロメチル基
又はt−ブチル基である場合、錯体間の分子間引力が緩
和され、気化がより容易となりより好ましい。
【0042】尚、上記アルカリ土類金属錯体において
は、単にアルカリ土類金属塩を形成していると考えられ
るものについても便宜上錯体と呼ぶこととする。
【0043】前記一般式(1)で表される化合物のアル
カリ金属塩又は該化合物を配位子として有するアルカリ
土類金属錯体(又は塩)の代表的化合物例としては以下
にあげる化合物がある。
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】これらの反応性ガスに対して前記のよう
に、周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等、特
に、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられるが、不活
性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置
(プラズマ発生装置)に供給する。不活性ガスと反応性
ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なる
が、混合ガス全体に対し、不活性ガスの割合を90.0
〜99.9%として反応性ガスを供給する。
【0047】又、本発明において、上記アルカリ金属酸
化物又はアルカリ土類金属酸化物を含有する膜の上に塗
設される、酸素原子(O)と窒素原子(N)の少なくと
もいずれか一方と珪素原子(Si)とを含有する膜と
は、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化珪素、これらの混合物
のいずれでもよい。又、膜を構成する単位がモノマー或
いはそれに近い構造を有していてもよいし、構成単位で
は分けることが出来ないポリマー或いはそれに近い構造
であってもよい。尚、以下では本発明の方法で形成され
る膜をSiON膜と表記することもあるが、この表記は
Si原子とO原子とN原子を含む膜という意味であり、
各原子の組成比を示すものではない。
【0048】これらの酸素原子(O)と窒素原子(N)
の少なくともいずれか一方と珪素原子(Si)とを含有
する膜は、塗布によって所謂ゾルゲル法等を用いて前記
のアルカリ金属酸化物或いはアルカリ土類金属酸化物を
含有する膜の上に形成されていてもよく、これにより水
蒸気吸着層(吸湿性層)の吸湿性を保護する遮蔽性に優
れた遮蔽膜を構成する。しかしながらこれらの遮蔽膜も
大気圧プラズマ法によって形成するのが好ましく、本発
明に係わる、酸素原子(O)と窒素原子(N)の少なく
ともいずれか一方と珪素原子(Si)とを含有する膜
は、薄膜の材料となる反応性ガスと、不活性ガスとを含
有する混合ガスを用いることで上記同様に形成すること
ができる。
【0049】アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属
酸化物を含有する膜を形成する場合と同様、不活性ガス
としては、周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン
等、コストの点や本発明の効果を得るために特に好まし
くは、ヘリウム、アルゴンが用いられるが、反応性ガス
としては、所望の膜が形成されるように、珪素化合物な
どを含むガスが選択される。
【0050】珪素化合物としては、特に有機珪素化合物
が好ましく、有機珪素化合物としては、珪素原子を有す
る有機化合物であれば特に制限は無いが、例えば一般式
(2)から一般式(5)で表されるものが好ましい。
【0051】
【化4】
【0052】式中、R21からR26は、水素原子または1
価の基を表す。n1は自然数を表す。
【0053】一般式(2)で表される化合物の例として
は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラ
メチルジシロキサン(TMDSO)、1,1,3,3,
5,5−ヘキサメチルトリシロキサン等が挙げられる。
【0054】
【化5】
【0055】式中、R31およびR32は、水素原子または
1価の基を表す。n2は自然数を表す。
【0056】一般式(3)で表される化合物の例として
は、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシ
ロキサン等が挙げられる。
【0057】一般式(4) (R41nSi(R424-n 式中、R41およびR42は、水素原子または1価の基を表
す。nは、0から3までの整数を表す。
【0058】一般式(4)で表される、有機珪素化合物
の例としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−
ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシ
ラン、n−へキシルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン等が挙げられる。
【0059】
【化6】
【0060】式中、Aは、単結合あるいは2価の基を表
す。R51〜R55は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリール基、芳香族複素環基、アミノ基またはシリル基
を表す。R51およびR52、R 54およびR55は縮合して環
を形成していてもよい。
【0061】一般式(5)において、Aとして好ましく
は単結合あるいは、炭素数1〜3の2価の基である。R
54およびR55は縮合して環を形成していてもよく、形成
される環としては例えばピロール環、ピペリジン環、ピ
ペラジン環、イミダゾール環等を挙げることができる。
51〜R53は好ましくは水素原子、メチル基またはアミ
ノ基である。
【0062】一般式(5)で表される化合物の例として
は、アミノメチルトリメチルシラン、ジメチルジメチル
アミノシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、アリ
ルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノジメチルシ
ラン、1−トリメチルシリルピロール、1−トリメチル
シリルピロリジン、イソプロピルアミノメチルトリメチ
ルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、アニリノ
トリメチルシラン、2−ピペリジノエチルトリメチルシ
ラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3
−ピペリジノプロピルトリメチルシラン、ビス(ジメチ
ルアミノ)メチルシラン、1−トリメチルシリルイミダ
ゾール、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、ビス
(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ブチルアミ
ノ)ジメチルシラン、2−アミノエチルアミノメチルジ
メチルフェニルシラン、3−(4−メチルピペラジノプ
ロピル)トリメチルシラン、ジメチルフェニルピペラジ
ノメチルシラン、ブチルジメチル−3−ピペラジノプロ
ピルシラン、ジアニリノジメチルシラン、ビス(ジメチ
ルアミノ)ジフェニルシラン等があげられる。
【0063】一般式(5)において、特に好ましい化合
物は一般式(6)で表されるものである。
【0064】
【化7】
【0065】式中、R61からR66はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アリール基または芳香族複素環基を表す 一般式(6)においてR61からR66は気化の容易性の観
点から好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、
より好ましくはR61からR63のうちすくなくとも2つお
よびR64からR66のうち少なくとも2つがメチル基のも
のである。一般式(6)で表される化合物の例として
は、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3
−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン等が挙
げられる。
【0066】これらの有機珪素化合物に、更に酸素ガス
や窒素ガスを所定割合で組み合わせて、酸素原子と窒素
原子の少なくともいずれかと珪素原子を含有する膜を得
ることが出来る。
【0067】尚、SiO2は透明性が高いもののガスバ
リア性が少し低めで水分をやや通すことから、窒素原子
を含んだ方がより好ましい。即ち、酸素原子と窒素原子
の数の比をx:yとしたとき、x/(x+y)は0.9
5以下、更に0.80以下であればより一層好ましい。
尚、窒素原子の割合が多いと光透過性が低下し、x=0
である場合、すなわちSiNでは殆ど光を通さない。そ
こで、具体的な酸素原子と窒素原子の割合は用途に応じ
て決めればよい。酸素原子と窒素原子の割合(x:yの
比)はXPS表面分析装置(VGサイエンティフィック
社製ESCALAB−200R)にて測定することがで
きる。
【0068】例えば、表示装置において発光素子に対し
て発光面側に膜を形成する場合のような、光透過性を要
する用途であれば、x/(x+y)が0.4以上0.9
5であれば光透過性と防水性のバランスをとることが出
来るので好ましい。
【0069】又、上記のように有機化合物のアルカリ金
属塩(又は錯体)又は有機化合物のアルカリ土類金属塩
(又は錯体)、そして有機珪素化合物、有機珪素化合物
と酸素或いは窒素等を反応ガスとしてそれぞれ大気圧プ
ラズマ法で製膜することで、膜中に炭素を含有させるこ
とが出来る。これは、真空プラズマ法、スパッタ法と比
較して、大気圧プラズマ法では電極間に存在する反応ガ
ス由来のイオン等などの粒子が高い密度で存在すること
になるので、有機珪素化合物由来の炭素が残りやすいの
である。本発明においては、膜中の炭素は、膜に柔軟性
を与え、耐傷性を向上させることからわずかに含有する
ことが好ましく、具体的には0.2〜5質量%含有する
ことが好ましい。5質量%を越えて含有すると、膜の屈
折率などの物性が経時的に変化することがあり、好まし
くない。
【0070】この炭素含有率は、主に電源の周波数と供
給電力に依存し、電極に印加する電圧の高周波の周波数
が高いほど、及び供給電力が大きくなるほど少なくな
る。又、混合ガス中に水素ガスを注入すると炭素原子が
消費されやすくなり、膜中の含有量を減らすことがで
き、これによっても制御出来る。
【0071】上記のような、Si、O、N更にCを所定
の割合で含有する膜を形成する為の混合ガスについて以
下に具体的に例示する。
【0072】x/(x+y)が0.95以下であって、
更に炭素を0.2〜5質量%含有するSiON膜を、シ
ラザンと酸素ガスの反応ガスから形成する場合について
説明する。この場合、膜中のSiとNは、全てシラザン
由来である。
【0073】酸素ガスは、混合ガスのうち0.01〜5
体積%が好ましく、より好ましくは0.05〜1体積%
である。又、酸素とシラザンの反応効率から、シラザン
に対する酸素ガスのモル比が、得たい膜の組成比(モル
比)の1〜4倍になるような体積で混合することが好ま
しい。このようにして酸素ガスの混合ガス全体に対する
割合と、シラザンに対する割合が設定される。
【0074】又、酸素ガスを導入せず、SiN膜をシラ
ザンから形成する場合、気化させたシラザンは混合ガス
全体に対し、0.2〜1.5体積%でよい。このままで
あると、炭素がかなり膜中に残ってしまうので、最大で
も混合ガスの2体積%以下の水素ガスを混合し炭素をと
ばす。
【0075】Si源としては、上記のような有機珪素化
合物だけでなく、無機珪素化合物を用いてもよい。
【0076】又、酸素源として酸素ガス以外にオゾン、
二酸化炭素、水(水蒸気)等を用いてもよいし、窒素源
としてシラザンや窒素ガス以外に、アンモニア、窒素酸
化物等を用いてもよい。
【0077】又、上記記載の化合物は、常温常圧で、気
体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体
の場合は、そのまま放電空間に導入出来る。
【0078】液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波
照射等の手段により気化させて使用される。又、溶媒に
よって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール,
エタノール,n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの
混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラ
ズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される
ため、影響は殆ど無視することができる。
【0079】本発明の膜の形成方法で使用されるプラズ
マ製膜装置について、図1〜図6に基づいて説明する。
図中、符号Fは基材の一例としての長尺フィルムであ
る。
【0080】本発明において好ましく用いられる放電プ
ラズマ処理は大気圧又は大気圧近傍で行われるが、大気
圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表し、
更に好ましくは93kPA〜104kPaである。
【0081】図1は、プラズマ製膜装置に備えられたプ
ラズマ放電処理室の1例を示す。図1のプラズマ放電処
理室10において、フィルム状の基材Fは搬送方向(図
中、時計回り)に回転するロール電極25に巻き回され
ながら搬送される。ロール電極25の周囲に固定されて
いる複数の固定電極26はそれぞれ円筒から構成され、
ロール電極25に対向させて設置される。
【0082】プラズマ放電処理室10を構成する放電容
器11はパイレックス(R)ガラス製の処理容器が好ま
しく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用
いることも可能である。例えば、アルミニウム又はステ
ンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を貼り付け
てもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶
縁性をとってもよい。
【0083】ロール電極25に巻き回された基材Fは、
ニップローラ15、15、16で押圧され、ガイドロー
ラ24で規制されて放電容器11内部に確保された放電
処理空間に搬送され、放電プラズマ処理され、次いで、
ガイドローラ27を介して次工程に搬送される。本発明
では、真空系ではなくほぼ大気圧に近い圧力下で放電処
理により製膜できることから、このような連続工程が可
能となり、高い生産性をあげることができる。
【0084】尚、仕切板14、14は前記ニップローラ
15、15、16に近接して配置され基材Fに同伴する
空気が放電容器11内に進入するのを抑制する。この同
伴される空気は、放電容器11内の気体の全体積に対
し、1体積%以下に抑えることが好ましく、0.1体積
%以下に抑えることがより好ましい。前記ニップローラ
15及び16により、それを達成することが可能であ
る。
【0085】尚、放電プラズマ処理に用いられる混合ガ
スは、給気口12から放電容器11に導入され、処理後
のガスは排気口13から排気される。
【0086】ロール電極25はアース電極であり、印加
電極である複数の固定電極26との間で放電させ、当該
電極間に前述したような反応性ガスを導入してプラズマ
状態とし、前記ロール電極25に巻き回しされた長尺フ
ィルム状の基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに曝す
ことによって、反応性ガス由来の膜を形成する。
【0087】前記電極間には、高いプラズマ密度を得て
製膜速度を大きくし、更に炭素含有率を所定割合内に制
御するため、高周波電圧で、ある程度大きな電力を供給
することが好ましい。具体的には、100kHz以上1
50kHz以下の高周波の電圧を印加することが好まし
く、200kHz以上であればより一層好ましい。又、
電極間に供給する電力の下限値は、1W/cm2以上5
0W/cm2以下であることが好ましく、2W/cm2
上であればより一層好ましい。
【0088】尚、電極における電圧の印加面積(c
2)は放電が起こる範囲の面積のことである。
【0089】又、電極間に印加する高周波電圧は、断続
的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても
よいが、製膜速度が大きくなることから、サイン波であ
ることが好ましい。
【0090】このような電極としては、金属母材上に誘
電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも
固定電極26とロール電極25のいずれか一方に誘電体
を被覆すること、好ましくは、両方に誘電体を被覆する
ことである。誘電体としては、非誘電率が6〜45の無
機物であることが好ましい。
【0091】電極25、26の一方に固体誘電体を設置
した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双
方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離
としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から,
0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1m
m±0.5mmである。この電極間の距離は、電極周囲
の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさを考慮して決定され
る。
【0092】又、基材を電極間に載置或いは電極間を搬
送してプラズマに曝す場合には、基材を片方の電極に接
して搬送出来るロール電極仕様にするだけでなく、更に
誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面粗さRmax
(JIS B 0601)を10μm以下にすることで
誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことが
でき放電状態を安定化出来る。更に、誘電体の熱収縮差
や残留応力による歪みやひび割れをなくし、且つ、ノン
ポーラスな高精度の無機誘電体を被覆することで大きく
耐久性を向上させることができる。
【0093】又、金属母材に対する誘電体被覆による電
極製作において、前記のように、誘電体を研磨仕上げす
ることや、電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差をな
るべく小さくすることが必要であるので、母材表面に、
応力を吸収出来る層として泡混入量をコントロールして
無機質の材料をライニングすることが好ましい。特に材
質としては琺瑯等で知られる溶融法により得られるガラ
スであることがよく、更に導電性金属母材に接する最下
層の泡混入量を20〜30体積%とし、次層以降を5体
積%以下とすることで、緻密且つひび割れ等の発生しな
い良好な電極ができる。
【0094】又、電極の母材に誘電体を被覆する別の方
法として、セラミックスの溶射を空隙率10vol%以
下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無
機質の材料にて封孔処理を行うことがあげられる。ここ
でゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化がよく、
更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回
繰り返すと、より一層無機質化が向上し、劣化のない緻
密な電極ができる。
【0095】図2(a)及び図2(b)はロール電極2
5の一例としてロール電極25c、25Cを示したもの
である。
【0096】アース電極であるロール電極25cは、図
2(a)に示すように、金属等の導電性母材25aに対
しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理し
たセラミック被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わ
せで構成されているものである。セラミック被覆処理誘
電体を1mm被覆し、ロール径を被覆後200φとなる
ように製作し、アースに接地する。溶射に用いるセラミ
ックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用
いられるが、この中でもアルミナが加工しやすいので、
更に好ましく用いられる。
【0097】或いは、図2(b)に示すロール電極25
Cの様に、金属等の導電性母材25Aへライニングによ
り無機材料を設けたライニング処理誘電体25Bを被覆
した組み合わせから構成してもよい。ライニング材とし
ては、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、リ酸塩系ガラ
ス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アル
ミン酸塩系ガラス、バナジン酸塩ガラスが好ましく用い
られるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工しやすい
ので、更に好ましく用いられる。
【0098】金属等の導電性母材25a、25Aとして
は、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属
等が挙げられるが、加工の観点からステンレスが好まし
い。
【0099】又、尚、本実施の形態においては、ロール
電極の母材は冷却水による冷却手段を有するステンレス
製ジャケットロール母材を使用している(不図示)。
【0100】更に、ロール電極25c、25C(ロール
電極25も同様)は、図示しないドライブ機構により軸
部25d、25Dを中心として回転駆動される様に構成
されている。
【0101】図3(a)には固定電極26の概略斜視図
を示した。又、固定電極は、円筒形状に限らず、図3
(b)の固定電極36の様に角柱型でもよい。円柱型の
電極26に比べて、角柱型の電極は放電範囲を広げる効
果があるので、形成する膜の性質などに応じて好ましく
用いられる。
【0102】固定電極26、36いずれであっても上記
記載のロール電極25c、ロール電極25Cと同様な構
造を有する。すなわち、中空のステンレスパイプ26
a、36aの周囲を、ロール電極25(25c、25
C)同様に、誘電体26b、36bで被覆し、放電中は
冷却水による冷却が行えるようになっている。誘電体2
6b、36bは、セラミック被覆処理誘電体及びライニ
ング処理誘電体のいずれでもよい。
【0103】尚、固定電極は誘電体の被覆後12φ又は
15φとなるように製作され、当該電極の数は、例えば
上記ロール電極の円周上に沿って14本設置している。
【0104】図4には、図3(b)の角型の固定電極3
6をロール電極25の周りに配設したプラズマ放電処理
室30を示した。図4において、図1と同じ部材につい
ては同符号を伏して説明を省略する。
【0105】図5には、図4のプラズマ放電処理室30
が設けられたプラズマ製膜装置50を示した。図5にお
いて、プラズマ放電処理室30の他に、ガス発生装置5
1、電源41、電極冷却ユニット55等が装置構成とし
て配置されている。電極冷却ユニット55は、冷却剤の
入ったタンク57とポンプ56とからなる。冷却剤とし
ては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
【0106】図5のプラズマ放電処理室30内の電極間
のギャップは、例えば1mm程度に設定される。
【0107】プラズマ放電処理室30内にロール電極2
5、固定電極36を所定位置に配置し、ガス発生装置5
1で発生させた混合ガスを流量制御して、給気口12よ
り供給し、処理容器11内をプラズマ処理に用いる混合
ガスで充填し不要分については排気口より排気する。
【0108】次に電源41により固定電極36に電圧を
印加し、ロール電極25はアースに接地し、放電プラズ
マを発生させる。ここでロール状の元巻き基材FFから
ロール54、54、54を介して基材が供給され、ガイ
ドロール24を介して、プラズマ放電処理室30内の電
極間をロール電極25に片面接触した状態で搬送され
る。このとき放電プラズマにより基材Fの表面が放電処
理され、その後にガイドロール27を介して次工程に搬
送される。ここで、基材Fはロール電極25に接触して
いない面のみ放電処理がなされる。
【0109】又、放電時の高温による悪影響を抑制する
ため、基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃
未満、更に好ましくは常温〜100℃内で抑えられるよ
うに必要に応じて電極冷却ユニット55で冷却する。
【0110】又、図6は、本発明の膜の形成方法で用い
ることができるプラズマ製膜装置100であり、電極間
に載置できない様な性状、例えば厚みのある基材101
上に膜を形成する場合に、予めプラズマ状態にした反応
性ガスを基材上に噴射して薄膜を形成するためのもので
ある。
【0111】図6のプラズマ製膜装置において、35a
は誘電体、35bは金属母材、105は電源である。金
属母材35bに誘電体35aを被覆したスリット状の放
電空間に、上部から不活性ガス及び反応性ガスからなる
混合ガスを導入し、電源105により高周波電圧を印加
することにより反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラ
ズマ状態の反応性ガスを基材101上に噴射することに
より基材101表面に膜を形成する。
【0112】図5の電源41、図6の電源105などの
本発明の膜の形成に用いるプラズマ製膜装置の電源とし
ては、特に限定はないが、ハイデン研究所製インパルス
高周波電源(連続モードで使用100kHz)、パール
工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周
波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(1
3.56MHz)、パール工業製高周波電源(150M
Hz)等が使用出来る。
【0113】この様なプラズマ製膜装置を用い、大気圧
プラズマ法により、本発明に係わるアルカリ金属酸化物
又はアルカリ土類金属酸化物を含有する膜、及び、酸素
原子と窒素原子の少なくともいずれか一方とケイ素原子
とを含有する膜を形成できる。
【0114】本発明に係わるアルカリ金属酸化物又はア
ルカリ土類金属酸化物を含有する膜は基材上に5nm〜
200nmの厚みで形成されていることが好ましい。こ
れより薄いと実質的な水蒸気吸収能が基材フィルムを低
湿度状態に維持することが難しく、又これより多すぎて
も、水蒸気吸収能はあがるものの、基材フィルムとの接
着或いは膜強度等に問題を生ずる。
【0115】又、これらのアルカリ金属酸化物又はアル
カリ土類金属酸化物を含有する膜の上に形成される酸素
原子と窒素原子の少なくともいずれか一方とケイ素原子
とを含有する膜については、実質的な水蒸気バリア性を
維持するために50nm〜2000nmの範囲であるこ
とが好ましい。これより少ない場合には膜としての連続
性に問題を生じ、実質的に、水蒸気をブロックすること
が出来なくなる。一方これより大きい場合には膜が硬く
なり、ひび割れ等、やはり連続性が損なわれる。
【0116】この様にして形成されたアルカリ金属酸化
物又はアルカリ土類金属酸化物を含有する膜及び酸素原
子と窒素原子の少なくともいずれか一方と珪素原子とを
含有する膜を有する基板は、基材フィルム自体が含有す
る水分を、該アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属
酸化物を含有する膜が有する吸湿性(水蒸気吸着性)に
より、吸着すると同時に、その上に形成したSiON膜
が、外部からの水分(水蒸気)の吸収をブロック出来る
ため、基板を乾燥した状態を保つことができる。その
為、素子自体を可撓性の基板に形成し、且つ、フィルム
等のやはり可撓性の材料で封止して、フレキシブルな表
示装置として形成したい場合等、有機エレクトロルミネ
ッセンス表示素子が、湿気に対し敏感であるため、封止
材料や基板等に含有される水分により徐々に特性が劣化
するという問題を、封止された内部空間を低湿度に保つ
ことが出来る事により回避でき、有機エレクトロルミネ
ッセンス表示装置としての寿命を非常に高めることが出
来る。
【0117】次いで、本発明にかかわるこれらの基板を
用いた、有機エレクトロルミネッセンス表示装置につい
て説明する。
【0118】本発明において有機エレクトロルミネッセ
ンス素子(有機EL素子とも表記する)は、陽極と陰極
の一対の電極の間に発光層を挾持する構造をとる。本明
細書でいう発光層は、広義の意味では、陰極と陽極から
なる電極に電流を流した際に発光する層のことを指す。
具体的には、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際
に発光する有機化合物を含有する層のことを指す。本発
明に係わる有機EL素子は、必要に応じ発光層の他に、
正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層
を有していてもよく、陰極と陽極で狭持された構造をと
る。また、保護層を有していても良い。
【0119】具体的には、 (i)陽極/発光層/陰極 (ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極 (iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極 (iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 (v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸
送層/電子注入層/陰極 などの構造がある。
【0120】さらに、電子注入層と陰極との間に、陰極
バッファー層(例えば、フッ化リチウム、等)を挿入し
ても良い。また、陽極と正孔注入層との間に、陽極バッ
ファー層(例えば、銅フタロシアニン、等)を挿入して
も良い。
【0121】上記発光層は、発光層自体に、正孔注入
層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層等を設け
てもよい。即ち、発光層に(1)電界印加時に、陽極又
は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰
極又は電子注入層より電子を注入することができる注入
機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で
移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を
発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能、
のうちの少なくとも1つ以上の機能を有してもよく、こ
の場合は、発光層とは別に正孔注入層、電子注入層、正
孔輸送層および電子輸送層の少なくとも1つ以上は設け
る必要がなくなることになる。また、正孔注入層、電子
注入層、正孔輸送層および電子輸送層等に発光する化合
物を含有させることで、発光層としての機能を付与させ
てもよい。尚、発光層は、正孔の注入されやすさと電子
の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と
電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよい
が、少なくともどちらか一方の電荷を移動させる機能を
有するものが好ましい。
【0122】この発光層に用いられる発光材料の種類に
ついては特に制限はなく、従来有機EL素子における発
光材料として公知のものを用いることができる。このよ
うな発光材料は主に有機化合物であり、所望の色調によ
り、例えば、Macromol.Symp.125巻1
7頁から26頁に記載の化合物が挙げられる。
【0123】発光材料は発光性能の他に、正孔注入機能
や電子注入機能を併せ持っていても良く、正孔注入材料
や電子注入材料の殆どが発光材料としても使用できる。
【0124】発光材料はp−ポリフェニレンビニレンや
ポリフルオレンのような高分子材料でも良く、さらに前
記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材料
を高分子の主鎖とした高分子材料を使用しても良い。
【0125】また、発光層にはドーパント(ゲスト物
質)を併用してもよく、EL素子のドーパントとして使
用される公知のものの中から任意のものを選択して用い
ることができる。
【0126】ドーパントの具体例としては、例えばキナ
クリドン、DCM、クマリン誘導体、ローダミン、ルブ
レン、デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウ
ム誘導体、ユーロピウム錯体等がその代表例として挙げ
られる。また、イリジウム錯体(例えば特開2001−
247859号明細書に挙げられるもの、あるいはWO
0070655号明細書16〜18ページに挙げられる
ような式で表される例えばトリス(2−フェニルピリジ
ン)イリジウム等)やオスミウム錯体、あるいは2,
3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−
21H,23H−ポルフィリン白金錯体のような白金錯
体もドーパントとして挙げられる。
【0127】上記材料を用いて発光層を形成するには、
例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法な
どの公知の方法により薄膜化することにより形成する方
法があるが、特に分子堆積膜であることが好ましい。こ
こで、分子堆積膜とは、上記化合物の気相状態から沈着
され形成された薄膜や、該化合物の溶融状態又は液相状
態から固体化され形成された膜のことである。通常、こ
の分子堆積膜はLB法により形成された薄膜(分子累積
膜)と凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機
能的な相違により区別することができる。
【0128】また、この発光層は、特開昭57−517
81号に記載されているように、樹脂などの結着材と共
に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これ
をスピンコート法などにより薄膜化して形成することが
できる。このようにして形成された発光層の膜厚につい
ては特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することが
できるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0129】正孔注入層の材料である正孔注入材料は、
正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを有するものであ
り、有機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔
注入材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリール
アルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、
スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒ
ドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、
アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特
にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材
料としては、上記のものを使用することができるが、ポ
ルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチ
リルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用
いることが好ましい。
【0130】上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリ
ルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′
−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリ
ルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,
N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェ
ニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタ
ン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキ
シフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,
N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミ
ノ)ビフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミ
ン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ
−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,
N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベン
ゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノ
スチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらに
は、米国特許第5,061,569号に記載されている
2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,
4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号
に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つス
ターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス
〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕
トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられ
る。
【0131】また、p型−Si、p型−SiCなどの無
機化合物も正孔注入材料として使用することができる。
この正孔注入層は、上記正孔注入材料を、例えば真空蒸
着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知
の方法により、薄膜化することにより形成することがで
きる。正孔注入層の膜厚については特に制限はないが、
通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層は、
上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であって
もよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構
造であってもよい。
【0132】電子注入層は、陰極より注入された電子を
発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料と
しては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して
用いることができる。この電子注入層に用いられる材料
(以下、電子注入材料という)の例としては、ニトロ置
換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピ
ランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素
環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレ
ニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアン
トロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられ
る。また、特開昭59−194393号公報に記載され
ている一連の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を
形成する材料として開示されているが、本発明者らが検
討の結果、電子注入材料として用いうることが分かっ
た。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オ
キサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチア
ジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノ
キサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材
料として用いることができる。また、8−キノリノール
誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)
アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−
8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジ
ブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2
−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス
(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス
(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれら
の金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、S
n、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子注入材
料として用いることができる。その他、メタルフリー若
しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアル
キル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子
注入材料として好ましく用いることができる。また、発
光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も
電子注入材料として用いることができるし、正孔注入層
と同様にn型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も
電子注入材料として用いることができる。
【0133】この電子注入層は、上記化合物を、例えば
真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法など
の公知の薄膜化法により製膜して形成することができ
る。電子注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常
は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層
は、これらの電子注入材料一種又は二種以上からなる一
層構造であってもよいし、あるいは同一組成又は異種組
成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0134】さらに、陽極と発光層または正孔注入層の
間、および、陰極4と発光層または電子注入層との間に
はバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
【0135】バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効
率向上のために電極と有機層間に設けられる層のこと
で、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年1
1月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第
2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に
記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層
とがある。
【0136】陽極バッファー層は、特開平9−4547
9号、同9−260062号、同8−288069号等
にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタ
ロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、
酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモ
ルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラ
ルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた
高分子バッファー層等が挙げられる。
【0137】陰極バッファー層は、特開平6−3258
71号、同9−17574号、同10−74586号等
にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチ
ウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、
フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッフ
ァー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類
金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表され
る酸化物バッファー層等が挙げられる。
【0138】上記バッファー層はごく薄い膜であること
が望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜10
0nmの範囲が好ましい。
【0139】さらに上記基本構成層の他に必要に応じて
その他の機能を有する層を積層してもよく、例えば特開
平11−204258号、同11−204359号、お
よび「有機EL素子とその工業化最前線(1998年1
1月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237
頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層な
どのような機能層を有していても良い。
【0140】バッファー層は、陰極バッファー層または
陽極バッファー層の少なくとも何れか1つの層内に本発
明の化合物の少なくとも1種が存在して、発光層として
機能してもよい。
【0141】有機EL素子における陽極は、仕事関数の
大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及
びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用い
られる。このような電極物質の具体例としてはAuなど
の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、
SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
【0142】上記陽極は、これらの電極物質を蒸着やス
パッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォ
トリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成して
もよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場
合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やス
パッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターン
を形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合に
は、透過率を10%より大きくすることが望ましく、ま
た、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好まし
い。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μ
m、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれ
る。
【0143】有機EL層の陰極としては、仕事関数の小
さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、
合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質
とするものが用いられる。このような電極物質の具体例
としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マ
グネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグ
ネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リ
チウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げら
れる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する
耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の
値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例え
ばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウ
ム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ
ウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム
/アルミニウム混合物などが好適である。上記陰極は、
これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法に
より、薄膜を形成させることにより、作製することがで
きる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下
が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは
50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過
させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一
方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合
である。
【0144】図7には、従来の水蒸気による有機EL素
子の劣化を防止するべく検討された構成の一例が示され
ている。即ち、有機EL素子を構成する各層(有機EL
層3)を透明基板1、これに対向する基板5(ガラス、
樹脂、セラミック、金属、金属化合物、またはこれらの
複合体等からなっているが、JIS Z−0208に準
拠した試験において、その厚さが1μm以上で水蒸気透
過率が1g/m2・1atm・24hr(25℃)以下
であることが望ましい。)及び枠状のシール材7(熱硬
化型エポキシ系樹脂、紫外線硬化型エポキシ系樹脂、ま
たは反応開始剤をマイクロカプセル化して加圧すること
により反応が開始する常温硬化型エポキシ系樹脂等から
なっている)を用いて封止したものを示す。即ち、透明
基板1の1つの面に陽極(アノード)2、有機EL層3
および陰極(カソード)4をこの順で設け、透明基板1
と該透明基板に対向した面に水蒸気吸着層6が配置され
た対向基板5とが枠状のシール材7を介して張り合わさ
れている。
【0145】水蒸気吸着層に用いる水蒸気吸着剤として
は、例えば特開平9−148066号においてはアルカ
リ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物が、又特開2
001−267065には例えば(Alphameta
ls社製、STAYSTIKPRODUCTSモイスチ
ャー/ガス吸着剤 SD1000)が水蒸気吸着剤とし
て使われている。しかしながらこれらを活性化するため
には、内部に有機EL素子を封止する前に、吸着された
水分を除く前処理が必要である。例えば、前記水蒸気吸
着剤(米国のAlphametals社製のSTAYS
TIK PRODUCTSモイスチャー/ガス吸着剤
SD1000)の場合には、該ペーストを膜厚50〜7
0μm程度に基材上に塗布した後に、オーブンやホット
プレート等を用いて、例えば、100℃で10分、続い
て150℃で20分の加熱・活性化処理を行い、ペース
ト中の溶剤を揮発させた後、更に、オーブンやホットプ
レート等を用いて225℃で30分以上の加熱処理を行
い、ペーストを硬化させ、水蒸気吸着層6を形成する。
この様にして、内部に塗設された水蒸気吸着層6が封止
された内部空間を低湿度の状態に保ち有機EL層を湿気
から保護している。
【0146】しかしながら、水蒸気吸着剤に高温での加
熱活性化処理が必要なこと、又、活性化処理の後、実際
の封止までに時間がかかり、その間に水分の吸収が進ん
でしまうことや、更に、その間に吸着した水分がむしろ
封止された空間内で放出され、却って有機EL素子の耐
久性に悪影響をもたらすことがある、又、プラスチック
基板においては高温での加熱処理は好ましくなく、これ
らの方法はガラス、セラミック等の耐熱性の材料に限ら
れている等の制約があった。
【0147】本発明に係わる前記の基板は、特別の処理
なしに、基材フィルム自体に含有される水分を少なくで
き、又、これを更にブロックできる層を有する含水量の
非常に少ない基板であることが特徴であり、これを基板
として用いることによって封止の効果が高い有機エレク
トロルミネッセンス表示装置が得られる。
【0148】本発明においては、前記有機エレクトロル
ミネッセンス表示装置において、一方又は両方に本発明
の基板を用いることで、前記の基板の前処理等をなくす
ことが出来ると同時に、上記のような水蒸気吸着層は、
対向する基板上に直接設けなくてはならないが、本発明
に係わる基板は、直接、有機EL層を形成する基板とし
ても用いることが出来、これにより基板自体からの有機
EL層への水蒸気の拡散、又、基板を通しての水分の拡
散をなくすことが出来更に好ましい。
【0149】次に、本発明の前記基板を用いて、本発明
に係わる陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
からなる有機EL素子を作製する好適な例を説明する。
【0150】図8は本発明のEL素子の一例を示す断面
図を示したものである。このEL素子は透明基板1およ
び対向基板5を備えており、透明基板1は、大気圧プラ
ズマ放電処理によって、上記のポリエステル、ポリアク
リレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルケトン等の樹脂からなるプラスチックシート基材1
c上に形成した、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類
金属酸化物を含有する膜1aを水蒸気吸収層として、及
びこの上に酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一
方とケイ素原子とを含有する膜1bをブロック層として
設けた本発明の基板である。又、この例においては基材
フィルム1cのアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金
属酸化物を含有する膜1aとは反対側に更に防水性層と
して酸素原子と窒素原子の少なくともいずれか一方とケ
イ素原子とを含有する膜1b′を更に設けている。
【0151】この透明基板1上に有機EL層が形成され
ており、先ず、該透明基板1のアルカリ金属酸化物又は
アルカリ土類金属酸化物を含有する膜1aを有する側の
1b膜上に、複数の陽極2が互いに平行して設けられて
いる。所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜
を、1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの範
囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方
法により形成させ、陽極(アノード)2を作製する。有
機EL素子における陽極2としては、仕事関数の大きい
(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれ
らの混合物、具体例としてはAuなどの金属、CuI、
インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO
などの導電性透明材料が用いられる。
【0152】次に、この上に有機EL層3を形成する。
即ち、ここで図示していないが、正孔注入層3a、発光
層3b、電子注入層3cの前記各材料からなる薄膜を形
成させる。
【0153】次いで、上記有機EL層上には、前述のよ
うな物質から選ばれる陰極(カソード)4が、蒸着やス
パッタリングなどの方法により薄膜を形成させることに
より、作製することができる。なお、前述の如く、発光
を透過させるためには、有機EL素子の陽極又は陰極の
いずれか一方が透明又は半透明であれば発光効率が向上
し好都合である。
【0154】有機EL層3の各層の作製方法としては、
前記の如くスピンコート法、キャスト法、蒸着法などが
あるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生
成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。薄膜
化に、真空蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使
用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構
造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温
度50〜450℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着速
度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300
℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望まし
い。
【0155】これらの層の形成後、その上に陰極用物質
からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200n
mの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリ
ングなどの方法により形成させ、陰極を設けることによ
り、所望の有機EL素子が得られる。
【0156】この有機EL素子の作製は、一回の真空引
きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ま
しいが、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、発光
層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能であ
る。このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧
を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として
電圧5〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。
また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光
は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合に
は、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光す
る。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0157】又、陰極4を含む有機EL層3の表面全体
には、保護膜を設けてもよい。無機保護膜は、例えば、
CeO2中にSiO2を分散したものからなっている。無
機保護膜の形成は、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、蒸着法等によって行い、膜厚は1〜1000
00Å好ましくは500〜10000Åとする。この場
合、無機保護膜の形成は、陰極4を形成した後、大気中
に戻すことなく真空中で連続して形成するか、或いは窒
素ガスまたは不活性ガス雰囲気中での搬送が可能な搬送
系で搬送して再度真空中において形成することができ
る。
【0158】陰極4を含む有機EL層3の上面には、こ
こにおいては、対向基板5として、やはり両面にSiO
N層を塗設したポリエチレンテレフタレート等のプラス
チックシートが重ねられている。即ち、酸素原子と窒素
原子の少なくともいずれか一方とケイ素原子とを含有す
る膜5b(ブロック層)が設けられている。
【0159】該対向基板5については、ガラス、樹脂、
セラミック、金属、金属化合物、またはこれらの複合体
等で形成してもよい。JIS Z−0208に準拠した
試験において、その厚さが1μm以上で水蒸気透過率が
1g/m2・1atm・24hr(25℃)以下である
ことが望ましく、これらの基材から選択してもよいが、
前記ブロック層を有するものが好ましく、可撓性のある
樹脂基材を用いることが好ましい。又、対向基板5とし
て本発明に係わるアルカリ金属酸化物又はアルカリ土類
金属酸化物を含有する膜及び酸素原子と窒素原子の少な
くともいずれか一方とケイ素原子とを含有する膜を有す
る基板を用いてもよい。
【0160】この様にして、透明基板1上に積層された
有機EL素子を構成する各層或いは膜は、透明基板1と
対向基板5と対向基板5の下面の周辺部に塗布法や転写
法等によって設けられたほぼ枠状のシール材7を介して
互いに貼り合わされ封止されている。シール材7は、熱
硬化型エポキシ系樹脂、紫外線硬化型エポキシ系樹脂、
または反応開始剤をマイクロカプセル化して加圧するこ
とにより反応が開始する常温硬化型エポキシ系樹脂等か
らなっている。この場合、シール材7の所定の箇所には
空気逃げ用開口部等を設け(図省略)封止を完全にす
る。空気逃げ用開口部は、真空装置内において減圧雰囲
気(真空度1.33×10-2MPa以下が好ましい)或
いは窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、上記
硬化型エポキシ系樹脂のいずれか、或いは紫外線硬化型
樹脂等で封止される。
【0161】この場合のエポキシ系樹脂は、ビスフェノ
ールA形、ビスフェノールF形、ビスフェノールAD
形、ビスフェノールS形、キシレノール形、フェノール
ノボラック形、クレゾールノボラック形、多官能形、テ
トラフェニロールメタン形、ポリエチレングリコール
形、ポリプロピレングリコール形、ヘキサンジオール
形、トリメチロールプロパン形、プロピレンオキサイド
ビスフェノールA形、水添ビスフェノールA形、または
これらの混合物を主剤としたものである。シール材7を
転写法により形成する場合には、フィルム化されたもの
が好ましい。
【0162】以上のように構成された有機EL素子で
は、透明基板1と対向基板5とを枠状のシール材7を介
して互いに貼り合わせているので、対向基板5およびシ
ール材7によって透明基板1上に設けられた有機EL素
子、陰極4等を封止することができ、内部を低湿度の状
態で素子を封止出来ると同時に、基板を通しての水分の
浸透が抑えられ、有機EL表示装置の耐湿性がより一層
向上し、ダークスポットの発生、成長をより一層抑制す
ることができる。
【0163】又、対向基板5上に更に、前記のような水
蒸気吸着層をもうけてもよく(図7)、基板からの吸収
による水蒸気吸収層そのものの劣化も防止でき、効果が
長時間にわたって持続させることができる。
【0164】尚、本発明の基材及び上記有機EL素子に
よる前記構成は本発明の1つの態様であり、有機EL素
子構成及び本発明の基材を含めた構成はこれらに限られ
るものではない。
【0165】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0166】実施例1 基板K(比較例)の作製 厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムに、ターゲットとして窒化珪素(SiN)
を用い、アルゴンガス及び酸素ガスの雰囲気下で高周波
スパッタリング法(1.0Paの圧力下、周波数13.
56MHz)によって酸窒化珪素膜を片面200nmず
つ、両面に形成した。尚、形成した酸化窒素膜のx/
(x+y)は、XPS表面分析装置(VGサイエンティ
フィック社製ESCALAB−200R)により測定し
た結果0.6であった。x:yは膜中の酸素原子と窒素
原子の比である。
【0167】又、以下の方法で図9に示すようなフィル
ム基材1cの一方の面に、基材1cに近い側から水蒸気
吸着膜1a、酸窒化珪素膜1bの順に2層の膜を形成
し、他方の面に酸窒化珪素膜1b′を形成した本発明の
基板A〜Fを作製した。
【0168】基板Aの作製 厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム基材1cの片面に図4に示すプラズマ放電
処理容器により、プラズマ発生に用いる使用電源とし
て、日本電子(株)製、高周波電源JRF−10000
を用い周波数13.56MHzの電圧で、且つ20W/
cm2の電力を供給し水蒸気吸着膜1aとして酸化バリ
ウム膜(膜厚500nm)を形成した。
【0169】酸化バリウム膜形成時に導入した混合ガス
は次のものである。 不活性ガス:アルゴン 98.7体積% 反応性ガス1:酸素 1体積% 反応性ガス2:Ch−1 0.3体積% 尚、Ch−1は、Ch−1固体を160℃に加熱した容
器に入れ、160℃に加熱したアルゴンガスを流し気化
させて用いた。
【0170】又、Ch−1はアルドリッチ社製バリウム
アセチルアセトナート水和物を予め1.0×10-2Pa
の雰囲気下で80℃6時間加熱したものを使用した。
【0171】酸化バリウム膜1a形成後、比較例と同様
の高周波スパッタリング法(1.0Paの圧力下、周波
数13.56MHz)にて、先ず酸化バリウム膜1a上
に酸窒素化珪素膜1b(膜厚200nm)を形成し、更
に、その裏面のPETフィルム上に同様の高周波スパッ
タリング法によって酸窒化珪素膜1b′(膜厚200n
m)を形成し、本発明の基板Aをえた。尚、形成した酸
窒化珪素膜のx/(x+y)は、前記XPS表面分析装
置により測定した結果、1b、1b′とも0.6であっ
た。但しここにおいてx:y=酸素:窒素の比を表す。
【0172】基板Bの作製 酸窒化珪素膜1b、1b′形成を、図4に示すプラズマ
放電容器を用い、プラズマ発生に用いる使用電源として
日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を用い
高周波13.56MHz、且つ、20W/cm2の電力
を供給し、次の組成の混合ガスを導入し、 不活性ガス;アルゴン 98.7体積% 反応性ガス1;窒素 1.0体積% 反応性ガス2;酸素 0.1体積% 反応性ガス3;水素 0.05体積% 反応性ガス4;ヘキサメチルジシラザン蒸気 0.3体積% (尚、ヘキサメチルジシラザンは60℃に加熱した該液
体にアルゴンガスをバブリングして蒸発させた)酸化バ
リウム膜1aに続いて、その上に、更にポリエチレンフ
タレートフィルムのもう一方の面に連続的に形成した以
外は基板Aと同様にして基板Bを作製した。
【0173】基板Cの作製 基板Bにおいて、酸化バリウム膜形成時に導入した混合
ガスのCh−1をCh−2(予めアルドリッチ社製カル
シウムアセチルアセトナート水和物を1.0×10-2
aの雰囲気下で80℃6時間加熱したものを使用した)
に代え酸化バリウム膜に代えて酸化カルシウム層とした
以外は同様にして、本発明の基板Cを作製した。
【0174】基板Dの作製 基板Bにおいて、酸化バリウム膜形成時に導入した混合
ガスのCh−1をCh−4(予めアルドリッチ社製ソデ
ィウムアセチルアセトナート水和物を1.0×10-2
aの雰囲気下で80℃6時間加熱したものを使用した)
に代え酸化ナトリウム層とした以外は同様にして、本発
明の基板Dを作製した。
【0175】基板Eの作製 基板Bにおいて、酸化バリウム膜形成時に導入した混合
ガスのCh−1をCh−5に代え酸化ナトリウム層とし
た以外は同様にして、本発明の基板Eを作製した。
【0176】基板Fの作製 基板Bにおいて、酸化バリウム膜形成時に導入した混合
ガスのCh−1をCh−18に代えて酸化バリウム膜を
形成した以外は、同様にして、本発明の基板Fを作製し
た。
【0177】有機EL表示装置OLED−Aの作製 図10に示すような構成のEL素子積層体を作製した。
先ず、透明基板1として前記で作製した基板Aを用い
て、基板の酸窒化珪素膜1b上(アルカリ金属酸化物膜
1aがある側)に、スパッタリングターゲットとして酸
化インジウムと酸化亜鉛との混合物(Inの原子比In
/(In+Zn)=0.8)からなる焼結体を用いたD
Cマグネトロンスパッタリング法にてインジウム元素及
び亜鉛元素を主要カチオン元素として含有する膜厚25
0nmの非晶質酸化物膜を形成した。このときのDCマ
グネトロンスパッタリングは、上記の基板をDCマグネ
トロンスパッタリング装置に装着して真空槽内を1×1
-3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガス(純度99.
99%)と酸素ガス(純度99.99%)との混合ガス
(体積比で1000:2.8)を真空圧が1×10-1
aになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加
電圧420V、基板温度60℃の条件で行った。形成し
たIZO膜に、パターニングを行い陽極(アノード)2
とした後、この陽極2を設けた透明支持基板をi−プロ
ピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥
し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
【0178】この透明導電膜上に方形穴あきマスクを介
して真空蒸着法により、図10における有機EL層3と
して、 α−NPD層(膜厚25nm) (正孔輸送層) CBPとIr(ppy)の蒸着速度の比が100:6の共蒸着層(膜厚35nm )、 (発光層) BC層(膜厚10nm) (正孔阻止・電子輸送層) Alq3層(膜厚40nm) (電子輸送層) フッ化リチウム層(膜厚0.5nm) (陰極バッファー層) を順次積層した(図2は詳細に示していないが)。更に
別のパターンで穴が形成されたマスクを介して、膜厚1
00nmのアルミニウムからなる陰極4を形成した。
【0179】
【化8】
【0180】このように得られた積層体に、乾燥窒素気
流下、両面に酸窒化珪素膜5bを200nm形成したP
ETフィルム5c(基板K)を重ね、有機EL表示装置
OLED−Aを得た。尚、図10では基板と有機層を同
じ横幅で示したが、実際には上下の基板はもっと幅広く
形成され、基板1及び5の周囲が、透明電極及びアルミ
ニウム陰極の一部を端子として取り出せるように光硬化
型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629
B)によって封止された構造になっている。
【0181】同様の方法で、前記基板1として比較の基
板K及び本発明の基板B、C、D、E及びFを用いた有
機EL素子OLED−K,B,C,D,E,Fを作製し
た。更に温度80℃下で1000時間保存後発光部につ
いての50倍の拡大写真を撮影した。
【0182】これらの拡大写真を比較しダークスポット
の面積の増加率をOLED−Kを100として評価し表
1に纏めた。ダークスポットの面積の増加率は小さい方
が好ましい。表1において ◎ 20未満 ○ 20〜50 × 80〜100である
【0183】
【表1】
【0184】これらの結果から、本発明の基板A、B、
C、D、E及びFを用いて作製した有機EL表示装置は
比較例の基板Kを用いて作製した表示装置に比べて、長
期間安定した発光を維持出来ることが明らかとなった。
【0185】これは、基板中のPETフィルムが水分を
含有しており、比較例の基板においてはその水分が経時
により次第に表示装置内部に進入し寿命を劣化させてお
り、本発明の基板においては水蒸気吸着膜である酸化バ
リウム、酸化カルシウム、酸化カリウム或いは酸化ナト
リウムの膜からなる層がPETフィルムからしみ出る水
分の素子内部への浸入を防いでいる為と考えられる。
【0186】又、本発明の基板B、C、D及びEを用い
て作製した有機EL表示装置は、本発明の基板Aを用い
て作製した有機EL装置より好ましいことが判る。これ
は大気圧プラズマ法で形成した酸窒化珪素膜が真空下で
形成した膜より緻密であり、水分の浸入を、より効果的
に抑えるためと考えられる。
【0187】又、製造時において、酸窒化珪素膜の形成
スピードは、大気圧プラズマ法の方が高周波スパッタリ
ング法(真空下)に比べ15倍以上速く、生産性の観点
から好ましいことが判った。
【0188】実施例2 上記実施例1の基板Bの酸化バリウム膜1aと酸窒化珪
素膜1bの積層膜の炭素含有率を、XPS表面分析装置
を用いて測定した。XPS表面分析装置は、特に限定さ
れるものではなく、いかなる機種も使用することが出来
るが、本実施例においては、VGサイエンティフィック
ス社製ESCALAB−200Rを用いた。X線アノー
ドにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、
エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分
解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定し
たとき、1.5〜1.7eVとなるように設定した。測
定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄膜の膜
厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチング
除去する必要がある。表面層の除去には、希ガスイオン
が利用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン
種としては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが利用
できる。本測定においては、Arイオンエッチングを用
いて表面層を除去した。
【0189】先ず、結合エネルギー0eVから1100
eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで設定
し、如何なる元素が検出されるかを求めた。次に、検出
された、エッチングイオン種を除く全ての元素につい
て、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最
大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを
行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペク
トルは、測定装置、或いは、コンピュータの違いによる
含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、V
AMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DA
TA PROCESSING SYSTEM(Ver.
2.3以降が好ましい)上に転送した後、同プログラム
で処理を行い、炭素含有率の値を原子数濃度(atom
ic concentration)として求めた。
【0190】又、定量処理を行う前に、各元素について
Count Scaleのキャリブレーションを行い、
5ポイントのスムージング処理を行った。定量処理で
は、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(c
ps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、S
hirleyによる方法を用いた。Shirley法に
ついては、D.A.Shirley,Phys.Re
v.,B5,4709(1972)を参考にすることが
出来る。
【0191】実施例1で作製した基板Bにおいて、使用
電源を変更し、印加する高周波電圧及び供給電力を変更
して、炭素含有率を変化させた以外は基板Bと同様にし
て酸化バリウム膜と酸窒化珪素膜を有する基板G、H、
I、Jをそれぞれ作製し、それぞれの基板について、以
下の耐傷性の測定を行った結果を表2に示す。
【0192】《耐傷性の測定》1×1cmの面にスチー
ルウールを貼り付けたプローブを、各基板の薄膜面に2
50gの荷重をかけて押し付け10回往復運動させた
後、スリ傷のはいる本数を測定した。
【0193】
【表2】
【0194】膜中の炭素含有量が0.2〜5質量%にあ
るものは、耐傷性において特に優れた性能を有し、好ま
しいことが判る。
【0195】又、膜の形成方法の点で、炭素含有率が
0.2〜5質量%となるような200kHz以上の高周
波で2W/cm2以上の高い電力で製膜することがより
好ましいことが判る。
【0196】実施例3 実施例1における、基板Bにおいて、酸化バリウム膜の
みを形成した基板を取り出し基板Lとした。又、使用電
源を変更し、印加する高周波電圧及び供給電力を変更し
て、炭素含有率を変化させた以外は、実施例1の酸化バ
リウム膜の作製と同様にして酸化バリウム膜を有する基
板M、N、P、Qをそれぞれ作製した。
【0197】それぞれの基板について、前記の耐傷性の
測定を行った結果を表3に示す。
【0198】
【表3】
【0199】膜中の炭素含有量が0.2〜5質量%にあ
るものは、耐傷性において特に優れた性能を有し、好ま
しいことがわかる。
【0200】又、膜の形成方法の点で、炭素含有率が
0.2〜5質量%となるような200kHz以上の高周
波で2W/cm2以上の高い電力で製膜することがより
好ましいことがわかる。
【0201】
【発明の効果】有機エレクトロルミネッセンス表示装
置、液晶表示装置などの表示装置に用いる含水率の低
い、且つ、水蒸気の遮蔽性に優れた基板及び該基板を有
する前記装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ放電処理室の一例を示す図である。
【図2】ロール電極の一例を示す図である。
【図3】固定電極の概略斜視図である。
【図4】角型の固定電極をロール電極の周りに配設した
プラズマ放電処理室を示す図である。
【図5】プラズマ放電処理室が設けられたプラズマ製膜
装置を示す図である。
【図6】プラズマ製膜装置の別の一例を示す図である。
【図7】有機EL素子の劣化を防止するべく検討された
構成の一例を示す図である。
【図8】本発明のEL素子の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の基板の一例を示す断面図である。
【図10】本発明のEL素子積層体の別の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 陽極 3 有機EL層 4 陰極 5 対向基板 6 水蒸気吸着層 7 シール材 10、30 プラズマ放電処理室 25、25c、25C ロール電極 26、26c、26C、36、36c、36C 電極 25a、25A、26a、36a 金属等の導電性母材 25b、26b、36b セラミック被覆処理誘電体 25B ライニング処理誘電体 41 電源 51 ガス発生装置 12 給気口 13 排気口 55 電極冷却ユニット FF 元巻き基材 15、16 ニップローラ 24、27 ガイドローラ F 基材フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB11 AB13 BA07 CA06 DB03 4F100 AA17B AA17K AA18 AA18B AA18K AA37B AA37C AD03C AD04C AD05 AD05C AK01A AK42 AR00C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10C EJ61B EJ61C GB41 JD04 JD05 JD15 YY00B YY00C 4K030 AA11 BA27 BA29 BA42 BA53 BB13 CA07 CA17 FA03 GA14 JA06 JA16 JA18 LA18

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にアルカリ金属酸化物又はアルカ
    リ土類金属酸化物を含有する膜が形成されていることを
    特徴とする基板。
  2. 【請求項2】 基材がプラスチックのシートであること
    を特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金
    属酸化物を含有する膜が、大気圧又は大気圧近傍の圧力
    下における、対向する電極間の放電により、アルカリ金
    属化合物又はアルカリ土類金属化合物を含有する反応性
    ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガス
    に基材を曝すことによって形成されることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の基板。
  4. 【請求項4】 反応性ガスがアルカリ金属或いはアルカ
    リ土類金属の塩又は錯体から選ばれることを特徴とする
    請求項3に記載の基板。
  5. 【請求項5】 反応性ガスが下記一般式(1)で表され
    る化合物のアルカリ金属或いはアルカリ土類金属塩、又
    は、該化合物を配位子として有するアルカリ金属錯体或
    いはアルカリ土類金属錯体から選ばれることを特徴とす
    る請求項4に記載の基板。 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原
    子又は炭素数1〜20の一価の有機基から選ばれ、R1
    とR2、R2とR3は縮合して環を形成してもよい。)
  6. 【請求項6】 前記アルカリ金属酸化物又はアルカリ土
    類金属酸化物を含有する膜が、炭素を含有することを特
    徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の基板。
  7. 【請求項7】 炭素含有率が、0.2〜5質量%である
    ことを特徴とする請求項6に記載の基板。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金
    属酸化物を含有する膜の上に、酸素原子と窒素原子の少
    なくともいずれか一方とケイ素原子とを含有する膜を有
    することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の基板。
  9. 【請求項9】 酸素原子と窒素原子の少なくともいずれ
    か一方とケイ素原子とを含有する膜が大気圧又は大気圧
    近傍の圧力下において、対向する電極間の放電により珪
    素化合物を含有する反応性ガス又は珪素化合物及び酸素
    又は窒素を含有する反応性ガスをプラズマ状態とし、該
    プラズマ状態の反応性ガスに基材を曝すことによって形
    成されることを特徴とする請求項8に記載の基板。
  10. 【請求項10】 前記酸素原子と窒素原子の少なくとも
    いずれか一方とケイ素原子とを含有する膜を構成する酸
    素原子と窒素原子の比をx:yとしたときにx/(x+
    y)が0.95以下であることを特徴とする請求項8又
    は9に記載の基板。
  11. 【請求項11】 x/(x+y)が0.8以下であるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の基板。
  12. 【請求項12】 前記酸素原子と窒素原子の少なくとも
    いずれか一方とケイ素原子とを含有する膜が、炭素を含
    有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項
    に記載の基板。
  13. 【請求項13】 炭素含有率が0.2〜5質量%である
    ことを特徴とする請求項12に記載の基板。
  14. 【請求項14】 前記放電を、100kHzを越えた高
    周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給する
    ことにより行うことを特徴とする請求項3〜13のいず
    れか1項に記載の基板。
  15. 【請求項15】 前記放電を、200kHzを越えた高
    周波電圧で、且つ、2W/cm2以上の電力を供給する
    ことにより行うことを特徴とする請求項3〜13のいず
    れか1項に記載の基板。
  16. 【請求項16】 高周波電圧が連続したサイン波である
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の基板。
  17. 【請求項17】 基材が長尺なフィルムであり、電極間
    を搬送されながら、プラズマ状態の反応性ガスに晒され
    ることを特徴とする請求項3〜16のいずれか1項に記
    載の基板。
  18. 【請求項18】 電極間に反応性ガスを、不活性ガスを
    ガス全体の90.0〜99.9体積%混合した、混合ガ
    スとして供給してプラズマ状態とすることを特徴とする
    請求項3〜17のいずれか1項に記載の基板。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか1項に記載
    の基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
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