JP2003183979A - 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料 - Google Patents

窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料

Info

Publication number
JP2003183979A
JP2003183979A JP2001379821A JP2001379821A JP2003183979A JP 2003183979 A JP2003183979 A JP 2003183979A JP 2001379821 A JP2001379821 A JP 2001379821A JP 2001379821 A JP2001379821 A JP 2001379821A JP 2003183979 A JP2003183979 A JP 2003183979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
silicon carbide
boron nitride
fibers
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001379821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3760855B2 (ja
Inventor
Michiyuki Suzuki
道之 鈴木
Yoshizumi Tanaka
吉積 田中
Yoshiyuki Inoue
良幸 井上
Mitsuhiko Sato
光彦 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2001379821A priority Critical patent/JP3760855B2/ja
Publication of JP2003183979A publication Critical patent/JP2003183979A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3760855B2 publication Critical patent/JP3760855B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な連続方式による窒化ホウ素の被覆方法
により、不純物濃度が低く、かつ繊維束の外周部と内部
の皮膜厚さの差が小さい窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セ
ラミックス繊維、及びこの繊維により強化されたセラミ
ックス基複合材料を提供する。 【解決手段】 直径7〜15μmの炭化ケイ素系セラミ
ックス繊維500〜1600本の繊維束からなり、該繊
維表面に厚さ0.2〜2μmで、不純物の酸素と炭素の
合計が平均で10原子%以下である窒化ホウ素が被覆さ
れており、前記繊維束の外周部の繊維の窒化ホウ素皮膜
と内部の繊維の窒化ホウ素皮膜の厚さの比(外周部皮膜
厚さ/内部皮膜厚さ)が5以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ホウ素を被覆
した炭化ケイ素系セラミックス繊維とその製造方法、さ
らにこの窒化ホウ素を被覆した炭化ケイ素系セラミック
ス繊維で強化されたセラミックス基複合材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】セラミックス繊維で強化されたセラミッ
クス基複合材料は金属にはない優れた耐熱性と従来の単
相のセラミックスにはない損傷許容性から次世代の耐熱
材料として開発が進められている。このセラミックス基
複合材料においては強化繊維とマトリックスとの界面の
結合を制御し、材料の破壊時に亀裂がこの界面で偏向
し、繊維がプルアウトしながら破壊が進行し、大きな破
壊エネルギーを示すことが大きな特徴である。この界面
の結合を制御するため開発の初期段階では炭素が用いら
れてきたが、耐酸化性に劣るため、耐酸化性の優れた窒
化ホウ素が用いられている。この窒化ホウ素は主に化学
蒸着法により繊維に被覆されており、たとえば米国特許
第4642271で開示されているような1000℃以
下で所望の形状に成形した繊維成形体を反応炉に設置し
て行うバッチ方式により被覆する方法と、たとえば、M
at.Res.Soc.Symp.Proc.250,
(1992)269−274に示されるように反応炉の
前後に繊維の送りだし部と巻き取り部を設け、連続的に
繊維を反応炉に送りながらバッチ方式よりも高温(〜1
400℃)で連続的に被覆する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】バッチ方式は連続方式
に比べコスト的に有利であるが、たとえば、J.Mat
er.Sci.33(1998)5277−5289に
示されているように炭素や酸素の不純物が合わせて20
原子%程度含まれており、Ceram.Eng.Sc
i.Proc.,18(3)(1997)525−53
4に示されているように連続方式に比べ耐酸化性に劣る
ことが指摘されている。
【0004】一方、連続方式は、バッチ方式に比べ、
J.Mater.Sci.33(1998)5277−
5289に示されているように炭素や酸素の不純物が合
わせて10原子%未満であり、高純度の窒化ホウ素の被
覆が可能である。しかしながら、Ceram.Eng.
Sci.Proc.,18(3)(1997)525−
534やMat.Res.Soc.Symp.Pro
c.250,(1992)269−274で示されてい
るように繊維束(通常500本から1600本を一束に
して供給されている。)の外周部が厚く被覆されるが内
部は薄くなり、その比(外周部皮膜厚さ/内部皮膜厚
さ)は6〜9になることが報告されている。このような
大きな比の値は、この被覆繊維で強化されたセラミック
ス基複合材料中の繊維とマトリックスの界面の状態が不
均一になることを示しており、材料の信頼性をそこなう
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明これらの問題を解
決するため、新規な連続方式による窒化ホウ素の被覆方
法により、不純物濃度が低く、かつ繊維束の外周部と内
部の皮膜厚さの差が小さい窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系
セラミックス繊維、及びこの繊維により強化されたセラ
ミックス基複合材料が提供される。
【0006】本発明によれば、直径7〜15μmの炭化
ケイ素系セラミックス繊維500〜1600本の繊維束
からなり、該繊維表面に厚さ0.2〜2μmで、不純物
の酸素と炭素の合計が平均で10原子%以下である窒化
ホウ素が被覆されており、前記繊維束の外周部の繊維の
窒化ホウ素皮膜と内部の繊維の窒化ホウ素皮膜の厚さの
比(外周部皮膜厚さ/内部皮膜厚さ)が5以下であるこ
とを特徴とする窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミック
ス繊維が提供される。
【0007】本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維は、直径7〜15μmの炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維500〜1600本の繊維束からなる。該
繊維表面には、厚さ0.2〜2μm、好ましくは0.5
〜1.5μmの窒化ホウ素が被覆されている。窒化ホウ
素皮膜における、不純物の酸素と炭素の合計は平均で1
0原子%以下である。
【0008】また、繊維束の外周部の繊維の窒化ホウ素
皮膜と内部の繊維の窒化ホウ素皮膜の厚さの比(外周部
皮膜厚さ/内部皮膜厚さ)が5以下である。本発明にお
いて、繊維束の外周部とは、繊維束の中心から表面に向
かって半径の2/3から表面までの範囲の領域を意味
し、繊維束の内部とは、繊維束の中心から表面に向かっ
て半径の1/3の範囲の領域を意味する。また、窒化ホ
ウ素皮膜厚さは、繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察して、繊維20本の皮膜厚さを測定し、その平均値で
表す。
【0009】本発明における炭化ケイ素系セラミックス
繊維としては、密度が2.7g/cm3以上であり、強度及
び弾性率が、それぞれ、2GPa以上及び250GPa以上
であり、重量割合で、Si:50〜70%、C:28〜
45%、Al:0.06〜3.8%、好ましくは0.1
3〜1.25%、及びB:0.06%〜0.5%、好ま
しくは0.06〜0.19%からなり、SiCの焼結構
造からなる結晶性炭化ケイ素繊維が用いられる。
【0010】前記結晶性炭化ケイ素繊維は、Alを0.
05〜3重量%、Bを0.05〜0.4重量%、及び余
剰の炭素を1重量%以上含有する非晶質炭化ケイ素繊維
を1600〜2100℃の範囲内の温度で、不活性ガス
中で加熱処理することにより得られる。前記非晶質炭化
ケイ素繊維は、酸素を8〜16重量%含むことが好まし
い。非晶質炭化ケイ素繊維を加熱する際に、この酸素は
前述の余剰の炭素をCOガスとして脱離させる。
【0011】上記の非晶質炭化ケイ素繊維は、例えば、
以下のような方法で調製することができる。まず、例え
ば、「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972
年)に記載の方法に従って、1種類以上のジクロロシラ
ンをナトリウムによって脱塩素反応させて鎖状又は環状
のポリシランを調製する。ポリシランの数平均分子量は
通常300〜1000である。本明細書において、ポリ
シランは、上記の鎖状又は環状のポリシランを400〜
700℃の範囲の温度に加熱することにより、あるいは
上記の鎖状又は環状のポリシランにフェニル基含有ポリ
ボロシロキサンを添加して250〜500℃の範囲の温
度に加熱することよにって得られる、一部にカルボシラ
ン結合を有するポリシランも包含する。ポリシランは、
ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、アリ
−ル基、フェニル基あるいはシリル基を有することがで
きる。
【0012】次いで、ポリシランに対して、アルミニウ
ムのアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カル
ボニル化合物、又はシクロペンタジエニル化合物の所定
量を添加し、不活性ガス中、通常250〜350℃の範
囲の温度で1〜10時間反応することにより、紡糸原料
であるアルミニウム含有有機ケイ素重合体を調製する。
アルミニウムの化合物の使用量は、ポリシラン1g当た
り、通常0.14〜0.86ミリモルである。
【0013】アルミニウム含有有機ケイ素重合体を、溶
融紡糸、乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって
紡糸して、紡糸繊維を調製する。次に、この紡糸繊維を
不融化処理して不融化繊維を調製する。不融化方法とし
ては、一般に行われている空気中での加熱、あるいは空
気中での加熱と不活性ガス中での加熱を組合せた方法が
好ましく採用されうる。
【0014】不融化繊維を、窒素、アルゴンのような不
活性ガス中、800℃から1500℃の範囲の温度で加
熱処理して、非晶質炭化ケイ素繊維が調製される。次い
で、非晶質炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃の範
囲の温度に加熱することによって、結晶質炭化ケイ素繊
維が調製される。
【0015】また、本発明における、炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維としては、2族、3族及び4族の金属原子
からなる群から選択され、その酸化物の炭素還元反応に
おける自由エネルギー変化が負の値になる温度が、酸化
ケイ素の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負
になる温度に比較して高温である金属元素を含有し、か
つ酸素含有量が1〜13重量%の範囲内である炭化ケイ
素系繊維が用いられる。
【0016】前記炭化ケイ素系繊維における構成元素の
重量割合は、酸素原子が1〜13%であり、ケイ素原子
は通常35〜70%、炭素原子は通常20〜40%であ
る。前記金属原子としては、Be、Mg、Ca、Sr、
Ba、Sc、Y、Th、U、Al、Zr及びHfが挙げ
られる。
【0017】また、金属原子の含有割合は、金属の配位
数により異なるが、繊維中に含有される酸素の少なくと
も5%以上を捕獲できる量であることが好ましい。この
割合の金属原子の量の計算方法をつぎに記載する。金属
原子をM、その配位数をWとし、Si:C:O:M=
a:b:c:d(モル比)とした場合、繊維中の酸素全
量の少なくとも5%以上を捕獲するに足る金属原子の量
はつぎの式で算出することができる。 d≧c×0.05/W(但し、d≦c/Wである。) ここで、Mの原子量をmとすると、Mの重量割合は下式
で表される。 M(重量%)=(d×m)/(a×28.09+b×1
2.01+c×16.00+d×m)
【0018】前記炭化ケイ素系繊維は、カルボシラン
(−Si−CH2 −)結合単位、及びポリシラン(−S
i−Si−)結合単位から主としてなり、ケイ素の側鎖
に水素原子、低級アルキル基、アリ−ル基、フェニル基
及びシリル基からなる群から選択される基を有する有機
ケイ素重合体に、2族、3族及び4族の金属原子からな
る群から選択され、その酸化物の炭素還元反応における
自由エネルギ−変化が負の値になる温度が、酸化ケイ素
の炭素還元反応における自由エネルギ−変化が負の値に
なる温度に比較して、高温である金属原子のアルコキシ
ド、アセチルアセトキシ化合物、カルボニル化合物、シ
クロペンタジエニル化合物及びアミン化合物からなる群
から選択される化合物を加熱反応して金属含有有機ケイ
素重合体を調製する第1工程、金属含有有機ケイ素重合
体を溶融紡糸して紡糸繊維を得る第2工程、紡糸繊維を
酸素含有雰囲気中50〜300℃で不融化して不融化繊
維を調製する第3工程、不融化繊維を不活性雰囲気中で
予備加熱して予備加熱繊維を調製する第4工程、予備加
熱繊維を不活性ガス雰囲気あるいは還元性ガス雰囲気で
高温焼成して炭化ケイ素系繊維を調製する第5工程から
製造される。
【0019】本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維は、直径7〜15μmの炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維500〜1600本からなる繊維束を、4
00〜800℃に保たれた炉に通して、繊維束の収束に
使用されている有機物の収束剤を除去した後、収束剤の
除去された繊維束を反応炉に送り、反応ガスとしてハロ
ゲン化ホウ素蒸気及びアンモニア、キャリアガスとして
アルゴン又は水素を用いて、温度1400〜1600
℃、圧力0.1〜2Torrで、連続的に炭化ケイ素系
セラミックス繊維に窒化ホウ素を被覆することにより製
造される。
【0020】また、前記の製造方法において連続的に被
覆される炭化ケイ素系セラミックス繊維にかかる張力
(荷重)を30g以下、さらに好ましくは10g以下に
制御することが望ましい。
【0021】セラミックス繊維は一般に直径7〜15μ
m繊がを500〜1600本合わせたものを一束とし
て、たとえば、ポリエチレンオキサイド(PEO)等の
有機物の収束剤により繊維束がばらけないようにして供
給されている。この繊維束をこのままの状態で30g以
上の張力をかけて反応炉に送りこまれると繊維束が十分
開かないまま反応炉中の蒸着ゾーンに送りこまれてしま
う。したがって、反応ガスが十分繊維束内部まで拡散し
ないため、内部の繊維の皮膜厚さが外周部に比べ非常に
小さくなってしまうが、本発明では、繊維張力を30g
以下、さらに好ましくは10g以下に制御し、繊維送り
だし部と反応炉の間に400〜800℃に保たれた炉を
設置しこの有機物の収束剤を除去することにより、繊維
束が開いた状態で反応炉に送りこむことができる。この
ため、繊維束内部まで反応ガスが十分拡散するため、繊
維束の外周部繊維の窒化ホウ素皮膜と内部繊維の窒化ホ
ウ素皮膜の厚さの比(外周部皮膜厚さ/内部皮膜厚さ)
を5以下にすることができる。
【0022】反応温度は高い方が好ましいが、温度は、
被覆される炭化ケイ素系セラミックス繊維の耐熱性に依
存する。たとえば、上記の結晶性炭化ケイ素繊維の場
合、繊維の耐熱性に優れるため、1500〜1600℃
が好ましい。また、Si−Zr−C−O繊維等の炭化ケ
イ素系繊維はやや耐熱性は劣るため、1400〜150
0℃が好ましい。圧力は0.1〜2Torr、さらに好
ましくは0.1〜1Torrの範囲であり、圧力が高く
なると繊維束の外周部繊維の窒化ホウ素皮膜と内部繊維
の皮膜厚さの差が大きくなるので好ましくない。ハロゲ
ン化ホウ素としては、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素及
び三しゅう化ホウ素の少なくとも1種が用いられる。
【0023】また、反応ガスとキャリアガスは、(アン
モニア流量/ハロゲン化ホウ素蒸気流量)が2〜4であ
り、(アルゴン又は水素流量/(アンモニア流量+ハロ
ゲン化ホウ素蒸気流量))を1〜3に制御して反応炉に
導入するが望ましい。(アンモニア流量/ハロゲン化ホ
ウ素蒸気流量)が2未満、4超になると窒化ホウ素皮膜
中のホウ素と窒素の元素比が化学量論組成の1:1から
大きく逸脱してしまうため好ましくない。(アルゴン又
は水素流量/(アンモニア流量+ハロゲン化ホウ素蒸気
流量))が1未満になると反応炉内の相対酸素分圧があ
がり、窒化ホウ素皮膜中の酸素の濃度があがるため好ま
しくない。また、3超になると炉内の圧力が上昇し、繊
維束の外周部繊維の窒化ホウ素皮膜と内部繊維の窒化ホ
ウ素皮膜の厚さの比(外周部皮膜厚さ/内部皮膜厚さ)
が大きくなるため好ましくない。
【0024】本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維の製造方法を図を用いて説明する。図1は
本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維
を製造するための装置の略図である。装置は化学蒸着に
より繊維に被覆する反応炉とその前後に繊維送りだし部
と巻き取り部が設置してある。また、巻き出し部と反応
炉の間には繊維収束剤除去用の炉を設置し、全体が気密
構造になっている。気密性については別段なくてもよい
が、あった方が好ましい。反応ガスとキャリアガスの導
入は反応炉と巻き取り部の間に設けてある。排気管は反
応炉と繊維収束剤除去用の炉の間に設けてある。これに
より、未反応ガスや生成物である反応ガスのハロゲン化
ホウ素蒸気とアンモニアとの生成物であるハロゲン化ア
ンモニウムと収束剤の分解ガスを効率よく排気すること
ができる。排気設備としては、ロータリーポンプに加え
メカニカルブースターポンプを設置して排気能力を高め
ることが望ましい。図1では繊維は水平方向に送り出さ
れるが、垂直方向に(上から下、又は下から上方向)送
り出されるように装置を設置してもよい。張力は送りだ
し部に張力制御装置を設けることが望ましい。また、図
2に示すように、全体が気密構造ではなく、繊維送りだ
し部と繊維巻取り部は大気圧で反応炉内部のみを作動排
気により減圧する装置を用いてもよい。図2の装置で
は、必要であれば作動排気部と反応炉の間に数個の圧力
勾配室を設けてもよい。
【0025】炭化ケイ素系繊維を送りだし部から巻き取
り部に通した後、図1の場合は装置全体を気密状態にし
て、図2の場合は反応炉の前後から作動排気により反応
炉内を減圧する。所定の圧力(0.1〜0.5Torr
が望ましい)になった後繊維収束剤除去用の炉と反応炉
を所定の温度(除去用の炉:400〜800℃、反応
炉:1400〜1600℃)に昇温する。繊維は昇温中
に長時間反応炉に滞留すると劣化して切れる可能性がる
ので、1200℃程度から送りだし、巻き取りをスター
トさせた方が望ましい。所定の温度になった後、反応ガ
スであるハロゲン化ホウ素蒸気とアンモニア、及びアル
ゴンまたは水素のキャリアガスを送り、被覆を開始す
る。この時、圧力は、0.1〜2Torr、さらに好ま
しくは0.1〜1Torrの範囲で、(アンモニア流量
/ハロゲン化ホウ素蒸気流量)が2〜4であり、(アル
ゴン又は水素流量/(アンモニア流量+ハロゲン化ホウ
素蒸気流量))が1〜3になるように、反応ガスとキャ
リアガスの流量を設定する。繊維の張力は張力制御装置
により、30g、好ましくは10g以下に制御し、送り
速度は、反応炉の蒸着ゾーンの30秒から1分滞留する
ように設定することが好ましい。
【0026】また、本発明によれば、上記の窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維を強化繊維とし、セ
ラミックスをマトリックスとするセラミックス基複合材
料が提供される。この窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維の形態については特に制限はなく、平織、
朱子織等の2次元あるいは3次元織物、又は一方向シー
ト状物又はその積層物であってもよい。また、連続繊維
を切断したチョップ状短繊維を使用した不織布であって
もよい。複合材料中の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラ
ミックス繊維の体積率については特別の制限はないが、
20〜50%が一般的である。
【0027】本発明のセラミックスマトリックスとして
は、結晶質又は非晶質の酸化物セラミックス、結晶質又
は非晶質の非酸化物セラミックス、ガラス、結晶化ガラ
ス、これらの混合物、これらのセラミックスを粒子分散
したものが好ましい。
【0028】酸化物セラミックスの具体例としては、ア
ルミニウム、マグネシウム、ケイ素、イットリウム、イ
ンジウム、ウラン、カルシウム、スカンジウム、タンタ
ル、ニオブ、ネオジウム、ランタン、ルテニウム、ロジ
ウム、ベリリウム、チタン、錫、ストロンチウム、バリ
ウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄のような元素の酸化物、
これら金属の複合酸化物が挙げられる。
【0029】非酸化物セラミックスの具体例としては、
炭化物、窒化物、硼化物を挙げることができる。炭化物
の具体例としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、ア
ルミニウム、ウラン、タングステン、タンタル、ハフニ
ウム、ホウ素、鉄、マンガンのような元素の炭化物、こ
れら元素の複合炭化物が挙げられる。この複合炭化物の
例としては、ポリチタノカルボシラン又はポリジルコノ
カルボシランを加熱焼成して得られる無機物が挙げられ
る。
【0030】窒化物の具体例としては、ケイ素、ホウ
素、アルミニウム、マグネシウム、モリブデンにような
元素の窒化物、これらの元素の複合酸化物、サイアロン
が挙げられる。硼化物の具体例としては、チタン、イッ
トリウム、ランタンのような元素の硼化物、CeCoB
,CeCo,ErRhのような硼化白金
族ランタノイドが挙げられる。
【0031】ガラスの具体例としては、ケイ酸塩ガラ
ス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスのような非晶質ガ
ラスが挙げられる。結晶化ガラスの具体例としては、主
結晶相がβ−スプジューメンであるLiO−Al2O
−MgO−SiO系ガラス及びLiO−Al
−MgO−SiO−Nb系ガラス、主結晶相
がコージェライトであるMgO−Al−SiO
系ガラス、主結晶相がバリウムオスミライトであるBa
O−MgO−Al−SiO系ガラス、主結晶相
がムライト又はヘキサセルシアンであるBaO−Al
−SiO系ガラス、主結晶相がアノーサイトであ
るCaO−Al−SiO系ガラスが挙げられ
る。これらの結晶化ガラスの結晶相にはクリストバライ
トが含まれることがある。本発明におけるセラミックス
として、上記の各種セラミックスの固溶体を挙げること
ができる。
【0032】セラミックスを粒子分散強化した具体例と
しては、上記のセラミックスマトリックス中に、窒化ケ
イ素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウ
ム、チタン酸カリウム、硼酸マグネシウム、酸化亜鉛、
硼化チタン及びムライトから選択される無機物質の球状
粒子、多面体粒子、板状粒子、棒状粒子、ウイスカを
0.1〜60体積%均一分散したセラミックスが挙げら
れる。球状粒子及び多面体粒子の粒径は0.1μm〜1
mm、板状粒子、棒状粒子及びウイスカのアスペクト比
は一般に1.5〜1000である。
【0033】複合化方法としては、特に制限はないが、
セラミックスの前駆体重合体、たとえば、ポリカルボシ
ラン、ポリメタロカルボシラン、ポリシラザン等を窒化
ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維の成形体に含
浸した後に加熱焼成することにより複合化を行うポリマ
ー含浸・焼成法、マトリックスの原料粉末のスラリーを
含浸し、ホットプレス等で高温で加圧燒結する方法やマ
トリックス元素のアルコキシドを原料にしたゾルゲル
法、又は反応ガスを用いた化学蒸着法や溶融金属を含浸
させ、反応によりセラミックス化させる反応燒結法があ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 図1の装置を用い、炭化ケイ素系繊維として、化学組成
が、Si:67%、C:31%、O:0.3%、Al:
0.8%、B:0.06%(原子比Si:C:O:Al
=1:1.08:0.008:0.012)の結晶性炭
化ケイ素繊維の長繊維(平均直径:7.5μm、160
0本/繊維束、収束剤:ポリエチレンオイサイド(PE
O))に、反応ガスとして三塩化ホウ素蒸気、キャリア
ガスとしてアルゴンを用いて窒素ホウ素を下記の条件で
連続的に被覆した。 ・反応炉の温度:1550℃ ・収束剤除去用炉の温度:700℃ ・アンモニア流量:300ml/分 ・三塩化ホウ素:100ml/分 ・アルゴンガス:800ml/分 ・圧力0.7Torr ・繊維送り速度:30cm/分 ・繊維張力:10g 得られた窒化ホウ素被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の外周
部(図3)と内部(図4)の被覆繊維の走査型電子顕微
鏡(SEM)写真を示す。これから皮膜厚さは、約0.7
μm〜1.5μmで繊維束の外周部繊維の窒化ホウ素皮
膜と内部繊維の窒化ホウ素の皮膜厚さの比(外周部皮膜
厚さ/内部皮膜厚さ)は2程度であり高い均一性の皮膜
が形成できていることがわかる。また、図5には皮膜の
オージェ分析による深さ方向の元素プロファイルを示
す。これからホウ素と窒素はほぼ1:1で、窒化ホウ素
の化学量論組成にきわめて近くなっていることがわか
る。また、不純物である酸素と炭素の量は合わせても約
5原子%であり、高純度で厚さの均一性の高い窒化ホウ
素の皮膜が形成できていることがわかった。
【0035】実施例2 炭化ケイ素系繊維として、化学組成がSi:55.5
%、O:9.8%、C:34.1%、Zr:0.6%の
Si−Zr−C−O繊維(平均直径:11μm、800
本/繊維束、収束剤:ポリエチレンオイサイド)に、反
応ガスとして三塩化ホウ素蒸気、キャリアガスとしてア
ルゴンを用いて窒素ホウ素を下記の条件で連続的に被覆
した。 ・反応炉の温度:1450℃ ・収束剤除去用炉の温度:700℃ ・アンモニア流量:330ml/分 ・三塩化ホウ素:110ml/分 ・アルゴンガス:850ml/分 ・圧力0.8Torr ・繊維送り速度:30cm/分 ・繊維張力:10g 得られた窒化ホウ素被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の外周
部と内部の被覆繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察
したところ、約0.5μm〜1μmで繊維束の外周部繊
維の窒化ホウ素皮膜と内部繊維の窒化ホウ素の皮膜厚さ
の比(外周部皮膜厚さ/内部皮膜厚さ)は2程度であり
高い均一性の皮膜が形成できていることがわかった。ま
た、図6は皮膜のオージェ分析による深さ方向の元素プ
ロファイルを示す。これからホウ素と窒素はほぼ1:1
で、窒化ホウ素の化学量論組成にきわめて近くなってい
ることがわかる。また、不純物である不純物である酸素
と炭素の量は界面近傍では合わせて10原子%近くであ
るが、平均では約5原子%であり、高純度で厚さの均一
性の高い窒化ホウ素の皮膜が形成できていることがわか
った。
【0036】比較例1 実施例1における収束剤除去用炉の使用をやめ、また張
力を50gにして他の条件は同じにして連続的に被覆を
行った。得られた窒化ホウ素被覆炭化ケイ素繊維の繊維
束の外周部(図7)と内部(図8)の被覆繊維の走査型
電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これから皮膜厚さは、
約0.1μm〜1.5μmで内部の皮膜厚さは非常に薄
くなっており、繊維束の外周部繊維の窒化ホウ素皮膜と
内部繊維の窒化ホウ素の皮膜厚さの比(外周部皮膜厚さ
/内部皮膜厚さ)は15程度と大きくなり、皮膜厚さが
非常に不均一になっていた。
【0037】実施例3 実施例1の窒化ホウ素を被覆した結晶性炭化ケイ素繊維
を3次元織物(繊維割合は、X:Y:Z=1:1:0.
2)に成形した。ついで、ポリチタノカルボシラン10
0部をキシレン100部に溶解させた溶液に浸漬し、ア
ルゴン雰囲気中5気圧で含浸させた。さらに、アルゴン
気流中に150℃に加熱してキシレンを蒸発除去した
後、1200℃で焼成し、無機化を行った。引き続き、
前記浸漬、含浸、焼成を8回繰り返して、繊維体積率4
0%の結晶性炭化ケイ素強化複合材料を得た。得られた
複合材料の引張強度は室温で350MPaであった。この
複合材料の大気中での高温強度を測定したところ、12
00℃で330MPa、1400℃で300MPaと優れた特
性を示した。
【0038】比較例2 比較例1の窒化ホウ素を被覆した結晶性炭化ケイ素繊維
を実施例3と同様に3次元織物(繊維割合は、X:Y:
Z=1:1:0.2)に成形した。ついで、実施例3と
同様にポリチタノカルボシラン100部をキシレン10
0部に溶解させた溶液に浸漬し、アルゴン雰囲気中5気
圧で含浸させた。さらに、アルゴン気流中に150℃に
加熱してキシレンを蒸発除去した後、1200℃で焼成
し、無機化を行った。引き続き、前記浸漬、含浸、焼成
を8回繰り返して、繊維体積率40%の結晶性炭化ケイ
素強化複合材料を得た。得られた複合材料の引張強度は
室温で340MPaであった。この複合材料の大気中での
高温強度を測定したところ、1200℃で200MPa、
1400℃で150MPaと実施例1に比べ大気中高温で
の強度は大きく低下した。破面を観察したところ、被覆
厚さの薄い繊維束内部の繊維とマトリックスが酸化によ
り強固に接着していることが認められた。
【0039】実施例4 実施例2の窒化ホウ素を被覆したSi−Zr−C−O繊
維をMgO−Al −SiOのガラス粉末の水ス
ラリーに連続的に通しながらドラムに巻き取った。その
後、一箇所を切断して一方向のシートを作製した。この
一方向シートを繊維配向が一方向になるように20枚積
層して、ホットプレス装置を用いてアルゴン中1300
℃、150kg/cmの圧力で成形し、繊維体積率4
5%のSi−Zr−C−O繊維強化複合材料を得た。得
られた複合材料の曲げ強度は室温で1100MPaであっ
た。この複合材料の大気中での高温強度を測定したとこ
ろ、1200℃で1000MPaと優れた特性を示した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、不純物濃度が低く、か
つ繊維束の外周部と内部の皮膜厚さの差が小さい窒化ホ
ウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維が提供できる。
これにより、耐酸化性に優れ、皮膜厚さの均一性の高い
窒化ホウ素皮膜を被覆した炭化ケイ素系セラミックス繊
維が提供できる。また、本発明により、この繊維により
強化されたセラミックス基複合材料が提供される。これ
により、高温での耐酸化性に優れ、皮膜厚さが過度の薄
いために起こる繊維とマトリックスの界面の劣化や皮膜
厚さの不均一性による信頼性の低下がない優れたセラミ
ックス基複合材料が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セ
ラミックス繊維を製造するための装置の略図である。
【図2】図2は本発明の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セ
ラミックス繊維を製造するための他の装置の略図であ
る。
【図3】図3は本発明の実施例1で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の外周部の被覆繊維の形状
を示す図面に代える走査型電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。
【図4】図4は本発明の実施例1で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の内部の被覆繊維の形状を
示す図面に代える走査型電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。
【図5】図5は本発明の実施例1で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の皮膜のオージェ分析による深さ方
向の元素プロファイルを示す図である。
【図6】図6は本発明の実施例2で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の皮膜のオージェ分析による深さ方
向の元素プロファイルを示す図である。
【図7】図7は本発明の比較例1で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の外周部の被覆繊維の形状
を示す図面に代える走査型電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。
【図8】図8は本発明の比較例1で得られた窒化ホウ素
被覆炭化ケイ素繊維の繊維束の内部の被覆繊維の形状を
示す図面に代える走査型電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 光彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4L031 AA24 AA27 AA29 BA05 CA08 DA00 4L037 AT02 CS30 CS38 FA01 FA05 FA06 FA12 PA49 PS11 UA10 4L048 AA02 AA48 AA53 AB07 AC09 AC14 BA22 CA01 CA06 DA41 EB00 EB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径7〜15μmの炭化ケイ素系セラミッ
    クス繊維500〜1600本の繊維束からなり、該繊維
    表面に厚さ0.2〜2μmで、不純物の酸素と炭素の合
    計が平均で10原子%以下である窒化ホウ素が被覆され
    ており、前記繊維束の外周部の繊維の窒化ホウ素皮膜と
    内部の繊維の窒化ホウ素皮膜の厚さの比(外周部皮膜厚
    さ/内部皮膜厚さ)が5以下であることを特徴とする窒
    化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維。
  2. 【請求項2】炭化ケイ素系セラミックス繊維が、密度が
    2.7g/cm3以上であり、強度及び弾性率が、それぞ
    れ、2GPa以上及び250GPa以上であり、重量割合
    で、Si:50〜70%、C:28〜45%、Al:
    0.06〜3.8%及びB:0.06%〜0.5%から
    なり、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維
    であることを特徴とする請求項1記載の窒化ホウ素被覆
    炭化ケイ素系セラミックス繊維。
  3. 【請求項3】炭化ケイ素系セラミックス繊維が、2族、
    3族及び4族の金属原子からなる群から選択され、その
    酸化物の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負
    の値になる温度が、酸化ケイ素の炭素還元反応における
    自由エネルギー変化が負になる温度に比較して高温であ
    る金属元素を含有し、かつ酸素含有量が1〜13重量%
    の範囲内である炭化ケイ素系繊維であることを特徴とす
    る請求項1記載の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミッ
    クス繊維。
  4. 【請求項4】直径7〜15μmの炭化ケイ素系セラミッ
    クス繊維500〜1600本からなる繊維束を、400
    〜800℃に保たれた炉に通して、繊維束の収束に使用
    されている有機物の収束剤を除去した後、収束剤の除去
    された繊維束を反応炉に送り、反応ガスとしてハロゲン
    化ホウ素蒸気及びアンモニア、キャリアガスとしてアル
    ゴン又は水素を用いて、温度1400〜1600℃、圧
    力0.1〜2Torrで、連続的に炭化ケイ素系セラミ
    ックス繊維に窒化ホウ素を被覆することを特徴とする窒
    化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維の製造方
    法。
  5. 【請求項5】炭化ケイ素系セラミックス繊維にかかる張
    力を30g以下に制御することを特徴とする請求項4記
    載の窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維の製
    造方法。
  6. 【請求項6】(アンモニア流量/ハロゲン化ホウ素蒸気
    流量)を2〜4、(アルゴン又は水素流量/(アンモニ
    ア流量+ハロゲン化ホウ素蒸気流量))を1〜3に制御
    して反応炉に導入することを特徴とする請求項4記載の
    窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1〜3記載の窒化ホウ素被覆炭化ケ
    イ素系セラミックス繊維を強化繊維とし、セラミックス
    をマトリックスとするセラミックス基複合材料。
  8. 【請求項8】窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス
    繊維の形態が2次元あるいは3次元織物、又は一方向シ
    ート状物又はその積層物、又は不織布であることを特徴
    とする請求項7記載のセラミックス基複合材料。
JP2001379821A 2001-12-13 2001-12-13 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料 Expired - Fee Related JP3760855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001379821A JP3760855B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001379821A JP3760855B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003183979A true JP2003183979A (ja) 2003-07-03
JP3760855B2 JP3760855B2 (ja) 2006-03-29

Family

ID=27591175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001379821A Expired - Fee Related JP3760855B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3760855B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003176182A (ja) * 2001-12-07 2003-06-24 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材
JP2011094260A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Ube Industries Ltd 複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びにこの繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
CN102803589A (zh) * 2010-03-19 2012-11-28 宇部兴产株式会社 纤维束用无机纤维及其制造方法、由这种纤维束用无机纤维构成的复合材料用无机纤维束、以及用这种纤维束强化的陶瓷基复合材料
CN107326655A (zh) * 2017-07-11 2017-11-07 湖南金戈新材料有限责任公司 一种碳纤维表面改性的方法
JP2018138710A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 三菱重工業株式会社 セラミックス被覆繊維の製造方法及びセラミックス基複合材の製造方法
JP2018150210A (ja) * 2017-03-14 2018-09-27 株式会社Ihiエアロスペース 炭化ケイ素系複合体及びその製造方法
JP2019001706A (ja) * 2017-06-15 2019-01-10 ロールス−ロイス ハイ テンペラチャー コンポジッツ,インコーポレーテッド 炭化ケイ素繊維上に湿度耐性コーティングを形成する方法
JP2019518147A (ja) * 2016-06-02 2019-06-27 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 認定及び修復ステーション
WO2020032067A1 (ja) * 2018-08-06 2020-02-13 宇部興産株式会社 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材
JP2020513391A (ja) * 2016-11-28 2020-05-14 サフラン・セラミックス アルミニウムドープ窒化ホウ素の相間層を含む複合材料部品
JP2021042100A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 日立金属株式会社 SiC基複合材料、BN被覆SiC繊維、およびSiC基複合材料の製造方法
EP3808716A1 (de) * 2019-10-16 2021-04-21 FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur herstellung mit bornitrid beschichteter verstärkungsfasern und/oder mit bornitrid beschichteter verstärkungsfaserbündel, mit dem verfahren herstellbare verstärkungsfasern oder verstärkungsfaserbündel sowie deren verwendung
CN114890795A (zh) * 2022-06-01 2022-08-12 湖南博翔新材料有限公司 一种碳化硅纤维增强玻璃陶瓷复合材料及其制备方法
CN115161997A (zh) * 2022-07-28 2022-10-11 广东湾区交通建设投资有限公司 一种桥梁抗火用多组分气凝胶复合纤维毡的制备方法
CN115928264A (zh) * 2022-11-29 2023-04-07 湖南泽睿新材料有限公司 一种含金属近化学计量比连续碳化硅纤维的制备方法
CN116239367A (zh) * 2022-12-28 2023-06-09 湖南聚能陶瓷材料有限公司 一种高导热氧化铝陶瓷材料及陶瓷电路基板
CN116289225A (zh) * 2021-12-20 2023-06-23 四川大学 一种基于聚联硼硅氧烷改性的纤维及其制备方法

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003176182A (ja) * 2001-12-07 2003-06-24 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材
JP2011094260A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Ube Industries Ltd 複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びにこの繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
CN102803589A (zh) * 2010-03-19 2012-11-28 宇部兴产株式会社 纤维束用无机纤维及其制造方法、由这种纤维束用无机纤维构成的复合材料用无机纤维束、以及用这种纤维束强化的陶瓷基复合材料
EP2549001A1 (en) * 2010-03-19 2013-01-23 Ube Industries, Ltd. Inorganic fibers for fiber bundles, process for production of the inorganic fibers, inorganic fiber bundles for composite material produced using the inorganic fibers, and ceramic-based composite material reinforced by the fiber bundles
JPWO2011114810A1 (ja) * 2010-03-19 2013-06-27 宇部興産株式会社 繊維束用無機繊維及びその製造方法、その繊維束用無機繊維から構成される複合材料用無機繊維束、並びにその繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
EP2549001A4 (en) * 2010-03-19 2013-10-30 Ube Industries INORGANIC FIBERS FOR FIBER BEAMS, PROCESS FOR PRODUCING INORGANIC FIBERS, INORGANIC FIBER BEAMS FOR COMPOSITE MATERIAL MANUFACTURED USING INORGANIC FIBERS, AND COMPOSITE MATERIAL BASED ON CERAMIC BASED REINFORCED BY FIBER BEAMS
JP2019518147A (ja) * 2016-06-02 2019-06-27 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 認定及び修復ステーション
JP7061973B2 (ja) 2016-06-02 2022-05-02 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 認定及び修復ステーション
JP7134961B2 (ja) 2016-11-28 2022-09-12 サフラン・セラミックス アルミニウムドープ窒化ホウ素の相間層を含む複合材料部品
JP2020513391A (ja) * 2016-11-28 2020-05-14 サフラン・セラミックス アルミニウムドープ窒化ホウ素の相間層を含む複合材料部品
JP2018138710A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 三菱重工業株式会社 セラミックス被覆繊維の製造方法及びセラミックス基複合材の製造方法
JP2018150210A (ja) * 2017-03-14 2018-09-27 株式会社Ihiエアロスペース 炭化ケイ素系複合体及びその製造方法
JP2019001706A (ja) * 2017-06-15 2019-01-10 ロールス−ロイス ハイ テンペラチャー コンポジッツ,インコーポレーテッド 炭化ケイ素繊維上に湿度耐性コーティングを形成する方法
JP7126872B2 (ja) 2017-06-15 2022-08-29 ロールス-ロイス ハイ テンペラチャー コンポジッツ,インコーポレーテッド 炭化ケイ素繊維上に湿度耐性コーティングを形成する方法
CN107326655A (zh) * 2017-07-11 2017-11-07 湖南金戈新材料有限责任公司 一种碳纤维表面改性的方法
JP7318650B2 (ja) 2018-08-06 2023-08-01 Ube株式会社 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材
JPWO2020032067A1 (ja) * 2018-08-06 2021-08-10 宇部興産株式会社 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材
WO2020032067A1 (ja) * 2018-08-06 2020-02-13 宇部興産株式会社 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材
JP7347045B2 (ja) 2019-09-11 2023-09-20 株式会社プロテリアル BN被覆SiC繊維、およびSiC基複合材料の製造方法
JP2021042100A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 日立金属株式会社 SiC基複合材料、BN被覆SiC繊維、およびSiC基複合材料の製造方法
EP3808716A1 (de) * 2019-10-16 2021-04-21 FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur herstellung mit bornitrid beschichteter verstärkungsfasern und/oder mit bornitrid beschichteter verstärkungsfaserbündel, mit dem verfahren herstellbare verstärkungsfasern oder verstärkungsfaserbündel sowie deren verwendung
CN116289225A (zh) * 2021-12-20 2023-06-23 四川大学 一种基于聚联硼硅氧烷改性的纤维及其制备方法
CN116289225B (zh) * 2021-12-20 2024-04-02 四川大学 一种基于聚联硼硅氧烷改性的纤维及其制备方法
CN114890795A (zh) * 2022-06-01 2022-08-12 湖南博翔新材料有限公司 一种碳化硅纤维增强玻璃陶瓷复合材料及其制备方法
CN115161997A (zh) * 2022-07-28 2022-10-11 广东湾区交通建设投资有限公司 一种桥梁抗火用多组分气凝胶复合纤维毡的制备方法
CN115928264A (zh) * 2022-11-29 2023-04-07 湖南泽睿新材料有限公司 一种含金属近化学计量比连续碳化硅纤维的制备方法
CN115928264B (zh) * 2022-11-29 2024-02-20 湖南泽睿新材料有限公司 一种含金属近化学计量比连续碳化硅纤维的制备方法
CN116239367A (zh) * 2022-12-28 2023-06-09 湖南聚能陶瓷材料有限公司 一种高导热氧化铝陶瓷材料及陶瓷电路基板
CN116239367B (zh) * 2022-12-28 2024-01-09 湖南聚能陶瓷材料有限公司 一种高导热氧化铝陶瓷材料及陶瓷电路基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3760855B2 (ja) 2006-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3760855B2 (ja) 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料
JP5458915B2 (ja) 複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びに該繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
WO2011114810A1 (ja) 繊維束用無機繊維及びその製造方法、その繊維束用無機繊維から構成される複合材料用無機繊維束、並びにその繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
JP3979311B2 (ja) 炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法
JP2016188439A (ja) 結晶性炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法
JP7318650B2 (ja) 結晶性炭化ケイ素繊維、及びその製造方法、並びにセラミックス複合基材
JP2003113537A (ja) 窒化ホウ素層を繊維表面に有する炭化珪素繊維及びその製造方法
JP3557939B2 (ja) 高性能セラミックス基複合材料用マトリックス
JP5370084B2 (ja) 複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びにこの繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
JP5668550B2 (ja) 繊維束用無機繊維、及びその繊維束用無機繊維から構成される複合材料用無機繊維束、並びにその繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
JP5668575B2 (ja) 繊維束用無機繊維、及びその繊維束用無機繊維から構成される複合材料用無機繊維束、並びにその繊維束で強化されたセラミックス基複合材料
JP3374169B2 (ja) セラミックス複合材料
JPH10120472A (ja) 無機繊維強化セラミックス複合材料
JP2001181046A (ja) 無機繊維結合セラミックス及びその製造方法並びにそれを用いた高表面精度部材
JP3193911B2 (ja) 高温耐久性に優れたセラミックス基複合材料
JP3417459B2 (ja) 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法
JP3097894B2 (ja) 無機繊維強化セラミック複合材料の製法
JP2004197249A (ja) 酸化物摺動界面被覆炭化ケイ素系繊維およびこの繊維で強化されたセラミックス基複合材料
JPH09157051A (ja) C/B/Si系無機コーティング並びにこれを含む繊維及び複合材料
JPH11171658A (ja) 結晶性炭化ケイ素系繊維強化セラミック複合材料
EP1043293A1 (en) Ceramics-based composite material excellent in high-temperature durability
JPH0977570A (ja) 繊維強化セラミックス系複合体
JP2004067481A (ja) 高耐熱性無機繊維結合セラミックス及びその製造方法
JP2000007453A (ja) 高耐熱性繊維強化セラミックス複合材料
JP2004277213A (ja) セラミックス表面の不純物の除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3760855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140120

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees