JP5458915B2 - 複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びに該繊維束で強化されたセラミックス基複合材料 - Google Patents

複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びに該繊維束で強化されたセラミックス基複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックス複合材料の強化繊維用の無機繊維束とその製造方法、並びにこの繊維束で強化されたセラミックス基複合材料に関するものである。
無機繊維で強化されたセラミックス基複合材料は金属にはない優れた耐熱性と従来の単相のセラミックスにはない損傷許容性から次世代の耐熱材料として開発が進められている。このセラミックス基複合材料においては強化繊維とマトリックスとの界面の結合を制御し、材料の破壊時に亀裂がこの界面で偏向し、繊維がプルアウトしながら破壊が進行するため、大きな破壊エネルギーを示すことが大きな特徴である。中でも非酸化物系の炭化ケイ素や窒化ケイ素をマトリックスとして、炭化ケイ素系セラミックス繊維で強化したセラミックス基複合材料は特に注目されている。これらのセラミックス複合材料の期待されている用途としては、ガスタービン分野等があり、高温・酸化性雰囲気下での耐久性が要求されている。
セラミックス基複合材料の製造方法としては、強化材である無機繊維の織物等を所望の形状に成形したプリフォームを製作する。ついで、繊維束の収束に使用されているサイジング剤を600℃以上の高温、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気中で分解除去した後、マトリックスとの界面の結合を制御するための界面層を、化学気相蒸着法(CVD法、CVI法)により繊維表面に形成する。界面層としては、主に炭素や窒化ホウ素が選択される。次いで、マトリックスを、同様に、化学気相蒸着法や、あるいは、マトリックス原料となる無機あるいは有機高分子の融液、あるいは溶液に含浸したのち、焼成し、必要であればこの工程を繰り返す方法(含浸・焼成法)により形成させ、セラミックス基複合材料を得る方法等がある。
この製造過程において、繊維束中の各繊維が接触すると接触点では、均一な界面層が形成されず、複合材料の特性に悪影響を及ぼす問題が指摘されている。例えば,J.Am.Ceram. Soc.,83[6] 1441−49(2000)には、炭化ケイ素系繊維で強化された炭化ケイ素マトリックスのセラミックス基複合材料において、繊維束中の繊維の接触点では、窒化ホウ素の界面層が均一に形成されず、材料が高温・酸化雰囲気下で応力を受けた際に、この繊維接触点が優先的に酸化されて、酸化物のガラス層が形成されることが示されている。このガラス層により繊維同士が強固に結合して、応力集中の原因となり、脆性的な破壊を起こし、期待される耐久性が得られないことが指摘されている。したがって、繊維束中の各繊維を、界面層を繊維表面に均一に形成できるように離すことが、セラミックス基複合材料の耐久性を確保する上で重要であるとしている。
このような問題を解決するため、繊維表面に耐熱性物質の短繊維、粉末、あるいはウイスカに付着させることが提案されている(特許文献1、2、非特許文献2)。これらの耐熱性物質を繊維表面に付着させることにより、繊維束中の繊維同士の接触は回避できるが、耐熱性物質は無機繊維同様に高硬度であり、また異形状でエッジ状の形状もあるため、繊維表面への付着工程、あるいは、繊維を織物等に製織する工程で、ガイド、ローラー等との摩擦により、耐熱性物質が繊維にダメージを与えて繊維強度が低下するため、得られる複合材料の強度も低下する問題があった。
特開昭63−59473号公報 特開昭62−299568号公報
J.Am.Ceram. Soc.,83[6] 1441−49(2000) Mater.Trans.,44[6] 1172−80(2003)
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みて、十分な強度と破壊エネルギー、および高温・酸化雰囲気下で応力を受けた際に優れた耐久性を示すセラミックス基複合材料を得るため、複合材料用開繊無機繊維束の製造中の繊維の損傷による繊維強度の低下を抑制し、かつ、複合材料製造中の繊維束中の繊維同士の接触を回避して、繊維の表面全体にマトリックスとの界面層を形成できる複合材料用開繊無機繊維束及びその製造方法、並びに該繊維束で強化されたセラミックス基複合材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、このような条件を満たす複合材料用開繊無機繊維束について鋭意検討した結果、特定の無機粉末と樹脂粉末を繊維表面に付着させ、特定のサイジング方法により繊維束を収束させることにより、上記の本発明の目的を達成できることを見出した。
本発明によれば、繊維束を構成する無機繊維の表面に、不活性雰囲気中1000℃以下で実質的に分解し消失する樹脂粉末が付着しており、樹脂性サイジング剤とカップリング剤により前記無機繊維束が収束されており、前記樹脂粉末の平均粒子径が、前記無機粉末の平均粒子径よりも3倍以上大きい複合材料用開繊無機繊維束であり、前記無機繊維は、炭化ケイ素系セラミックス繊維であり、前記無機粉末の平均粒子径が、前記無機繊維直径の0.5%以上であり、前記樹脂粉末は、球形で、平均粒子径が前記無機繊維直径の10〜100%であり、粒子径の標準偏差が平均粒子径の10〜50%であることを特徴する複合材料用開繊無機繊維束が提供される。
また、本発明によれば、前記無機繊維は、密度が2.7g/cm以上であり、引張強度が2GPa以上、弾性率が250GPa以上であり、Si:50〜70質量%、C:28〜45質量%、Al:0.06〜3.8質量%及びB:0.06〜0.5質量%からなり、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維であることを特徴とする複合材料用開繊無機繊維束が提供される。
また、本発明によれば、前記の無機繊維が、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Th、U、Al、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属原子を含有し、酸素含有量が1〜13質量%である炭化ケイ素系セラミックス繊維である複合材料開繊用無機繊維束が提供される。
また、本発明によれば、無機繊維束を、樹脂性サイジング剤とカップリング剤を溶解させた、水、有機溶媒、または、水と有機溶媒の混合液に無機粉末と樹脂粉末を懸濁させた処理液に連続的に浸漬し、その後乾燥させることを特徴とする複合材料用開繊無機繊維束の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記の複合材料用開繊無機繊維束を使用して、繊維間にセラミックスをマトリックスとして形成したことを特徴とするセラミックス基複合材料が提供される。
また、本発明によれば、前記の複合材料用開繊無機繊維束の形態が2次元あるいは3次元織物、又は一方向シート状物又はその積層物であることを特徴とするセラミックス基複合材料が提供される。
本発明の複合材料用開繊無機繊維束は、無機繊維束中の繊維にダメージを与えることなく繊維同士の接触を回避して、各繊維の表面全体に界面層を形成できるため、十分な強度と破壊エネルギー、および高温・酸化雰囲気下で応力を受けた際に優れた耐久性を示すセラミックス基複合材料を得ることができる。
本発明の複合材料用開繊無機繊維束の製造装置の一例の概略図 (a)実施例1と、(b)参考例2、(c)比較例1、の各走査型電子顕微 鏡写真 (a)実施例1と、(b)参考例2、(c)比較例1、(g)参考例1、の 各繊維束の断面の光学顕微鏡写真
本発明の複合材料用開繊無機繊維束に用いられる無機繊維としては、炭素繊維、炭化ケイ素系繊維、窒化珪素系繊維又はアルミナ繊維が使用できるが、耐熱性、耐酸化性から炭化ケイ素系繊維が特に好ましい。
本発明に用いられる炭化ケイ素系セラミックス繊維としては、密度が2.7g/cm以上であり、強度が2GPa以上、弾性率が250GPa以上であり、Si:50〜70質量%、C:28〜45質量%、Al:0.06〜3.8質量%、好ましくは0.13〜1.25質量%、及びB:0.06%〜0.5質量%、好ましくは0.06〜0.19質量%からなり、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維が好ましい。アルミニウムの割合が過度に少ないと、結晶性炭化ケイ素繊維の耐アルカリ性が低下し、その割合が過度に高くなると高温における力学的特性が低下するようになる。ホウ素の割合が過度に少ないと、充分に焼結した結晶性繊維とならず、繊維の密度が低下するようになり、逆に、その割合が過度に高いと、繊維の耐アルカリ性が低下するようになる。これにより、高い強度及び弾性率と、アルミニウムの存在により、優れた耐アルカリ性を示す、結晶性炭化ケイ素繊維が得られ、これを強化繊維とすることにより、優れた特性のセラミックス基複合材料が得られる。
前記結晶性炭化ケイ素繊維は、Alを0.05〜3質量%、Bを0.05〜0.4質量%、及び余剰の炭素を1質量%以上含有する非晶質炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃の範囲内の温度で、不活性ガス中で加熱処理することにより得られる。前記非晶質炭化ケイ素繊維は、酸素を8〜16質量%含むことが好ましい。非晶質炭化ケイ素繊維を加熱する際に、この酸素は前述の余剰の炭素をCOガスとして脱離させ、SiとCの比をSiCの化学量論比に近づけて、結晶性の炭化ケイ素繊維を得ることができる。
上記の非晶質炭化ケイ素繊維は、例えば、以下のような方法で調製することができる。まず、例えば、「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972年)に記載の方法に従って、1種類以上のジクロロシランをナトリウムによって脱塩素反応させて鎖状又は環状のポリシランを調製する。ポリシランの数平均分子量は通常300〜1000である。本明細書において、ポリシランは、上記の鎖状又は環状のポリシランを400〜700℃の範囲の温度に加熱することにより、あるいは上記の鎖状又は環状のポリシランにフェニル基含有ポリボロシロキサンを添加して250〜500℃の範囲の温度に加熱することによって得られる、一部にカルボシラン結合を有するポリシランも包含する。ポリシランは、ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、アリ−ル基、フェニル基あるいはシリル基を有することができる。
次いで、ポリシランに対して、アルミニウムのアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カルボニル化合物、又はシクロペンタジエニル化合物の所定量を添加し、不活性ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1〜10時間反応することにより、紡糸原料であるアルミニウム含有有機ケイ素重合体を調製する。アルミニウムの化合物の使用量は、ポリシラン1g当たり、通常0.14〜0.86ミリモルである。
アルミニウム含有有機ケイ素重合体を、溶融紡糸、乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって紡糸して、紡糸繊維を調製する。次に、この紡糸繊維を不融化処理して不融化繊維を調製する。不融化方法としては、一般に行われている空気中での加熱、あるいは空気中での加熱と不活性ガス中での加熱を組合せた方法が好ましく採用されうる。
不融化繊維を、窒素、アルゴンのような不活性ガス中、800℃から1500℃の範囲の温度で加熱処理して、非晶質炭化ケイ素繊維が調製される。次いで、非晶質炭化ケイ素繊維を1600〜2100℃の範囲の温度に加熱することによって、結晶質炭化ケイ素繊維が調製される。
また、本発明における、炭化ケイ素系セラミックス繊維としては、上記の結晶質炭化ケイ素繊維の他に、2族、3族及び4族の金属原子からなる群から選択され、その酸化物の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負の値になる温度が、酸化ケイ素の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負になる温度に比較して高温である金属元素を含有し、かつ酸素含有量が1〜13質量%の範囲内である炭化ケイ素系繊維も好適に用いられる。
前記炭化ケイ素系繊維における構成元素の割合は、酸素原子が1〜13質量%であり、ケイ素原子は通常35〜70質量%、炭素原子は通常20〜40質量%である。前記金属原子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Th、U、Al、Zr及びHfが挙げられる。これらの酸化物の安定な金属元素を添加することにより、高温での安定性を決定する分解反応である、繊維中のSiO2とCとの反応を抑制することができ、耐熱性に優れた繊維が得られ、特にZrを添加することにより耐酸化性、アルカリ性も改善することができる。これを強化繊維とすることにより、優れた特性のセラミックス基複合材料が得られる。
また、金属原子の含有割合は、金属の配位数により異なるが、繊維中に含有される酸素の少なくとも5%以上を捕獲できる量であることが好ましい。この割合の金属原子の量の計算方法をつぎに記載する。金属原子をM、その配位数をWとし、Si:C:O:M=a:b:c:d(モル比)とした場合、繊維中の酸素全量の少なくとも5%以上を捕獲するに足る金属原子の量はつぎの式で算出することができる。
d≧c×0.05/W(但し、d≦c/Wである。)
ここで、Mの原子量をmとすると、Mの質量割合は下式で表される。
M(質量%)=(d×m)/(a×28.09+b×12.01+c×16.00+d×m)
前記炭化ケイ素系繊維は、以下の工程で製造される。第1工程は、カルボシラン(−Si−CH2 −)結合単位、及びポリシラン(−Si−Si−)結合単位から主としてなり、ケイ素の側鎖に水素原子、低級アルキル基、アリ−ル基、フェニル基及びシリル基からなる群から選択される基を有する有機ケイ素重合体に、2族、3族及び4族の金属原子からなる群から選択され、その酸化物の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負の値になる温度が、酸化ケイ素の炭素還元反応における自由エネルギー変化が負の値になる温度に比較して、高温である金属原子のアルコキシド、アセチルアセトキシ化合物、カルボニル化合物、シクロペンタジエニル化合物及びアミン化合物からなる群から選択される化合物を加熱反応して金属含有有機ケイ素重合体を調製する。第2工程で、金属含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を得て、第3工程で紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜300℃で不融化して不融化繊維を調製する。そして、不融化繊維を不活性雰囲気中で予備加熱して予備加熱繊維を調製する第4工程を経て、予備加熱繊維を不活性ガス雰囲気あるいは還元性ガス雰囲気で高温焼成して炭化ケイ素系繊維を調製する第5工程で製造される。
本発明によれば、前記の無機繊維の表面に無機粉末と無機粉末より平均粒子径の大きい樹脂粉末、さらに好ましくは、3倍以上大きい平均粒子径の樹脂粉末を付着させることにより、樹脂粉末付着による繊維間隔が無機粉末の粒子径より大きくなるため、粉末付着工程や製織工程での、無機粉末による無機繊維へのダメージを抑制し、さらに、樹脂粉末を界面層とマトリックスを形成する過程で消失させ、残存する無機粉末により、繊維束中の繊維同士の接触を回避することができ、繊維の表面全体にマトリックスとの界面層を形成できる。樹脂粉末が消失することにより、セラミックス基複合材料の耐熱性や耐酸化性に悪影響を及ぼす、耐熱性に劣る樹脂成分や耐酸化性に劣る残渣の炭素質物質が残存しない。
無機粉末の付着量は、無機繊維に対して、0.5〜10体積%であることが好ましく、さらには、1〜7体積%であることが好ましい。0.5体積%未満では、繊維束中の繊維同士の接触の割合が増え好ましくない。10体積%より多く付着させても、繊維束中の繊維同士の接触の回避の効果がさらに向上する訳ではないので、実用できではない。樹脂粉末の付着量は、無機繊維に対して、3〜20体積%であることが好ましく、さらには、5〜10体積%であることが好ましい。3体積%未満では、繊維束中の繊維間隔が不十分となる傾向がある。20体積%より多く付着させても繊維束の周辺繊維に過剰に付着させることになり、繊維束中の繊維間隔の増大効果のさらなる向上はないので、実用的ではない。無機粉末と樹脂粉末の体積割合は、無機粉末が、10〜60体積%、さらに好ましくは、20〜50体積%が好ましい。無機粉末の体積率が10体積%よりも少なくなると、樹脂粉末を消失させた後の、無機粉末による繊維束中の繊維同士の接触の回避の効果が少なくなり、60%よりも多くなると、粉末付着工程や製織工程での、樹脂粉末による繊維束中の繊維同士の接触の回避の効果が少なくなる。
無機粉末としては、セラミックス粉末または炭素粉末が挙げられる。セラミックス粉末は、酸化物、炭化物、窒化物、硼化物をあげることができる。酸化物セラミックスの具体例としては、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、イットリウム、ジルコニウム、鉄のような元素の酸化物、これら金属の複合酸化物が挙げられる。炭化物の具体例としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、タングステン、タンタル、ハフニウム、ホウ素、鉄、マンガンのような元素の炭化物、これら元素の複合炭化物が挙げられる。窒化物の具体例としては、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン等の元素の窒化物、これらの元素の複合酸化物、サイアロンが挙げられる。硼化物の具体例としては、チタン、イットリウム、ランタンのような元素の硼化物が挙げられる。セラミックス粉末は、使用される無機繊維と同等の特性を有するセラミックスが好ましく、炭化ケイ素系繊維であれば、炭化ケイ素、窒化ケイ素粉末が好ましい。
樹脂粉末は、不活性雰囲気中1000℃以下で実質的に分解し消失することが好ましく、さらに、不活性雰囲気中600℃で実質的に分解し消失することが特に好ましい。実質的に分解し消失するとは、分解して残渣がほとんど残らないことを示し、分解残存率としては2%以下であることが好ましい。分解残存率は、例えば、TG−DTA法により、窒素中、昇温速度10℃/分で測定することにより得られる。これにより、複合材料の製造工程で、製織したプリフォームのサイジング剤を600℃以上の高温、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気中で分解除去する過程で、ほぼ消失させることができる。このため、繊維表面に残渣の炭素質付着物が残存しない。樹脂粉末としては、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂)、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、メラニン樹脂等が好ましく、特に、不活性雰囲気中600℃で実質的に分解するポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂)、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂が好ましい。
また、無機粉末の平均粒子径は、無機繊維直径の0.5〜50%であることが好ましく、さらに、1〜30%であることが好ましい。0.5%未満では、繊維束中の繊維同士の間隔が不十分であり、50%より大きいと、無機粉末は、得られるセラミック複合材料中に残存するため、大きな粒子は欠陥として作用し、力学特性に悪影響を及ぼすため好ましくない。また、樹脂粉末の平均粒子径は前記無機繊維直径の10〜100%であることが好ましく、さらに、30〜70%であることが好ましい。10%未満では、繊維同士の間隔が不十分であり、無機粉末による無機繊維へのダメージが起こりやすくなり、100%より大きいと、付着工程で繊維束中に粉末が十分侵入しないため、無機粉末による無機繊維へのダメージが起こりやすくなる。
樹脂粉末の形状は球形であることが好ましい。これにより、繊維表面への付着工程、あるいは、繊維を織物等に製織する工程で、ガイド、ローラー等との摩擦による繊維へのダメージを防止することができる。さらに付着工程で、樹脂粉末が繊維束内部まで侵入しやすくなり、繊維束中の繊維同士の間隔を広げ、無機粉末による無機繊維へのダメージを抑制することができる。また、樹脂粒子径の標準偏差が平均粒子径の10〜50%であることが好ましく、さらに、25〜40%であることが好ましい。これは、平均粒子径よりも小さい粉末が存在すれば、繊維束中の狭い隙間にも侵入して間隔を広げ、平均粒子径近傍の粉末の侵入を補助するが、標準偏差が10%より小さいと、平均粒子径近傍の粉末の侵入を補助する小さい粉末がないため、付着工程で粉末が繊維束内部に十分侵入しない。そのため、繊維束の中心付近の繊維が無機粉末によるダメージを受ける可能性が高くなり、好ましくない。また、50%よりも大きくなると粗大な粉末が、その他の小さい粒子径の粉末の繊維束への侵入を妨害するため好ましくない。
本発明では、前記の無機繊維の表面に上記の無機粉末と樹脂粉末を付着させた繊維束を樹脂性サイジング剤とカップリング剤により収束する。無機粉末と樹脂粉末を付着させない無機繊維のみの繊維束であれば、樹脂サイジング剤のみで収束し、繊維束を製織等により加工することは可能であるが、無機粉末と樹脂粉末を付着させると、樹脂性サイジング剤のみでは収束が不十分で、製織工程で繊維束が、ばらけたり、付着粒子が脱落し、繊維同士が接触しやすくなり、また、無機粉末による無機繊維へのダメージが発生しやすくなる。しかし、カップリング剤を付与することで、繊維束の収束性が向上し、繊維と無機粉末および樹脂粉末との接着が強くなるため、製織工程においても繊維束の収束を維持しつつ、無機粉末による無機繊維へのダメージを抑制し、かつ繊維同士の接触を回避できる。
樹脂性サイジング剤としては、それ自体公知の樹脂を全て使用することができ、その具体例としては、ポバール樹脂、ポリエチレンオキサイド、エポキシ樹脂、編成エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ボイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ボリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂、炭化水素系樹脂、含ハロゲン系樹脂、アクリル酸系樹脂及びABS樹脂が挙げられる。特に、ポバール樹脂、ポリエチレンオキサイドは、市販されている無機繊維に使用されており、特に好ましい。付着量としては、特に、制限はないが、無機繊維に対して、0.01〜10質量%、特に、0.1〜5質量%が好ましい。0.01質量%未満では、繊維束が収束せず、10質量%より多くしても収束の程度は変わらず、サイジング剤を無駄に使用することになる。
カップリング剤としては、有機・無機材料の表面改質等に用いられる通常のカップリング剤が使用でき、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、トリステアラトチタニウムイソプロビレートなどのチタニウム系カップリング剤などが挙げられる。付着量としては、特に、制限はないが、無機繊維に対して、0.001〜1質量%、特に、0.01〜0.5質量%が好ましい。0.001質量%未満では、繊維束が収束せず、1質量%より多くしても収束の程度は変わらず、カップリング剤を無駄に使用することになる。
繊維表面に無機粉末と樹脂粉末を付着させる方法としては、樹脂性サイジング剤とカップリング剤を溶解させた、水、有機溶媒または両者の混合液に、無機粉末と不活性雰囲気中1000℃以下で実質的に分解し消失する樹脂粉末を懸濁させた処理液を準備し、無機繊維束をこの処理液に連続的に浸漬し、無機粉末と樹脂粉末の付着と、樹脂性サイジング剤とカップリング剤による無機繊維束の収束を同時に行うことが好ましい。
図1に本発明の複合材料用開繊無機繊維束の製造装置の一例の概略図を示すが、特に限定するものではない。無機繊維束1は巻き出しボビン2から巻き戻され、樹脂性サイジング剤を分解除去する電気炉3中を通過させ、樹脂性サイジング剤とカップリング剤を溶解させた、水、有機溶媒または両者の混合液に前記無機粉末と樹脂粉末を懸濁させた処理液を入れた処理槽4に供給される。無機繊維束1が樹脂性サイジング剤で収束されていないときは、直接に処理槽4に供給することができる。処理液中を通過させて、繊維表面に無機粉末と樹脂粉末を付着させ、乾燥炉5を通過させて水分を除去して、サイジング剤とカップリング剤により無機繊維束を収束させ、巻き取りボビン6に巻き取ることにより、本発明の複合材料用開繊無機繊維束が得られる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノールのようなアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。溶媒は、水、前記有機溶媒あるいは両者の混合液が使用できるが、使用する樹脂性サイジング剤とカップリング剤が溶解し、かつ、樹脂粉末が溶解しない溶媒を選択することが好ましい。樹脂性サイジング剤の処理液中の濃度は、0.05〜5質量%であることが好ましい。これにより、無機粉末と樹脂粉末付着後の繊維束中の付着量をそれぞれ、前記の0.01〜10質量%、特に、0.1〜5質量%に制御することができる。カップリング剤の処理液中の濃度は、0.005〜0.5質量%であることが好ましい。これにより、無機粉末と樹脂粉末付着後の繊維束中の付着量を前記の0.001〜1質量%、特に、0.01〜0.5質量%に制御することができる。無機粉末と樹脂粉末の処理液中の濃度は、それぞれ0.1〜20質量%であることが好ましい。これにより、無機粉末と樹脂粉末付着後の繊維束中の付着量を、無機粉末は前記の0.5〜10体積%、特に、1〜7体積%、樹脂粉末は前記の3〜20体積%、特に、5〜10体積%に制御することができる。
処理液をいれる処理槽は、無機粉末と樹脂粉末を均一に分散させるため、スターラーやマグネティックスターラーによって処理液を攪拌することが好ましい。また、分散剤を添加してもよい。分散剤としては、オレイン酸ソーダ、樹脂酸ソーダ、ラウリル硫酸ナトリウムなどの低分子分散剤あるいはナフタリンスルホン酸、ポリカルボン酸またはその塩、ポリアクリル酸またはその塩などの高分子分散剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、溶媒に対して0.1〜5質量%の範囲が好ましい。
本発明のセラミックス基複合材料は、上記のようにして得られた無機粉末と樹脂粉末を付着させた複合材料用開繊無機繊維束を使用して、繊維間にセラミックスをマトリックスとして形成したことを特徴とする。この複合材料用開繊無機繊維束の形態には特に制限はなく、平織、朱子織等の2次元、あるいは3次元織物、又は一方向シート状物又はその積層物であってもよい。繊維表面の樹脂粉末は複合材料の製造工程で、製織したプリフォームのサイジング剤を600℃以上の高温、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気中で分解除去する過程で、ほぼ消失する。消失後に繊維同士の空間の間隔は残存する無機粉末により保持される。複合材料中の無機繊維の体積率については特別の制限はないが、10〜50%が一般的である。
複合化方法としては、特に制限はないが、無機繊維を製織したプリフォームに、界面層として窒化ホウ素、あるいは炭素を被覆させた後、セラミックスの前駆体重合体、たとえば、ポリカルボシラン、ポリメタロカルボシラン、ポリシラザン等をキシレン等の溶媒に溶解させた溶液に含浸・乾燥した後に加熱焼成することにより複合化を行うポリマー含浸・焼成法、マトリックスの原料粉末のスラリーを含浸し、ホットプレス等により高温で加圧燒結する方法や、マトリックス元素のアルコキシドを原料にしたゾルゲル法、又は高温で反応ガスの反応によりマトリックスを形成させる化学気相蒸着法や、高温で溶融金属を含浸させ、反応によりセラミックス化させる反応焼結法が利用できる。また、化学気相蒸着法でマトリックスの一部を形成させた後、残りの空間を反応焼結法やポリマー含浸・焼成法により緻密化する方法もある。中でも、製織したプリフォームのサイジング剤を600℃以上の高温中、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気中で分解除去後に、プリフォームに圧力が加わらず、無機粉末による無機繊維へのダメージの発生しない、化学気相蒸着法や、化学気相蒸着法と反応焼結法、あるいはポリマー含浸・焼成法と組み合わせた方法が好ましい。
本発明のセラミックスマトリックスとしては、結晶質又は非晶質の酸化物セラミックス、結晶質又は非晶質の非酸化物セラミックス、ガラス、結晶化ガラス、これらの混合物、これらのセラミックスを粒子分散したものが好ましい。
酸化物セラミックスの具体例としては、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、イットリウム、インジウム、ウラン、カルシウム、スカンジウム、タンタル、ニオブ、ネオジウム、ランタン、ルテニウム、ロジウム、ベリリウム、チタン、錫、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄のような元素の酸化物、これら金属の複合酸化物が挙げられる。
非酸化物セラミックスの具体例としては、炭化物、窒化物、硼化物を挙げることができる。炭化物の具体例としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ウラン、タングステン、タンタル、ハフニウム、ホウ素、鉄、マンガンのような元素の炭化物、これら元素の複合炭化物が挙げられる。この複合炭化物の例としては、ポリチタノカルボシラン又はポリジルコノカルボシランを加熱焼成して得られる無機物が挙げられる。
窒化物の具体例としては、ケイ素、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン等の元素の窒化物、これらの元素の複合酸化物、サイアロンが挙げられる。硼化物の具体例としては、チタン、イットリウム、ランタンのような元素の硼化物、CeCoB,CeCo,ErRhのような硼化白金族ランタノイドが挙げられる。
ガラスの具体例としては、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスのような非晶質ガラスが挙げられる。結晶化ガラスの具体例としては、主結晶相がβ−スプジューメンであるLiO−Al2O−MgO−SiO系ガラス及びLiO−Al−MgO−SiO−Nb系ガラス、主結晶相がコージェライトであるMgO−Al−SiO系ガラス、主結晶相がバリウムオスミライトであるBaO−MgO−Al−SiO系ガラス、主結晶相がムライト又はヘキサセルシアンであるBaO−Al−SiO系ガラス、主結晶相がアノーサイトであるCaO−Al−SiO系ガラスが挙げられる。これらの結晶化ガラスの結晶相にはクリストバライトが含まれることがある。本発明におけるセラミックスとして、上記の各種セラミックスの固溶体を挙げることができる。
セラミックスを粒子分散強化した具体例としては、上記のセラミックスマトリックス中に、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、硼酸マグネシウム、酸化亜鉛、硼化チタン及びムライトから選択される無機物質の球状粒子、多面体粒子、板状粒子、棒状粒子、ウイスカを0.1〜60体積%均一分散したセラミックスが挙げられる。球状粒子及び多面体粒子の粒径は0.1μm〜1mm、板状粒子、棒状粒子及びウイスカのアスペクト比は一般に1.5〜1000である。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
化学組成が、質量割合で、Si:55.5%、O:9.8%、C:34.1%、Zr:0.6%のSi−Zr−C−O繊維(平均直径:11μm、800本/繊維束、収束剤:ポリエチレンオイサイド)の炭化ケイ素系繊維を図1に示す装置を用いて、以下の条件で繊維表面に無機粉末と樹脂粉末を付着させた複合材料用開繊無機繊維束を作製した。
即ち、前記無機繊維束1を巻き出しボビン2から巻き戻し、温度500℃の電気炉3中を通過させて樹脂性サイジング剤を一旦分解除去し、樹脂性サイジング剤とカップリング剤を溶解させた水溶液に無機粉末と樹脂粉末を懸濁させた処理液を入れた処理槽4に供給した。処理槽はスターラーで攪拌した。
ここで、処理液の組成は次のとおりである。
処理液の組成:炭化ケイ素粉末(平均粒子径;0.3μm(繊維直径の3%)、標準偏差;0.15μm(平均粒子径の50%));5質量%、アクリル樹脂粉末(球形、平均粒子径;4.5μm(繊維直径の41%)、標準偏差;1.6μm(平均粒子径の36%));3質量%、ポリエチレンオキサイド(樹脂性サイジング剤、以下、「PEO」と記載);0.5質量%、シランカップリング剤;0.1質量%、溶媒;水。なお、粒子径の測定は、JISR1629のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法により測定した。
処理液中を通過させることにより、繊維表面に無機粉末と樹脂粉末を付着させた。この繊維束を温度200℃の乾燥炉5を通過させて水分を除去して、サイジング剤とカップリング剤により無機繊維束を収束させ、巻き取りボビン6に巻き取ることにより、本発明の複合材料用開繊無機繊維束を得た。ボビンの巻き取り速度は4m/分であった。
得られた複合材料用開繊無機繊維束中の炭化ケイ素粉末の付着量は、4.5体積%、アクリル樹脂粉末の付着量は、8.5体積%、PEOの付着量は、0.5質量%、シランカップリング剤の付着量は、0.2質量%であった。また、上記アクリル樹脂粉末をTG−DTA法により、窒素中1000℃での分解率を測定したところ、99.7%であり、600℃においても、同じ99.7%の分解率であり、実質的に樹脂粉末は分解し消失していた。
このようにして得られた複合材料用開繊無機繊維束中の繊維表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。そのSEM写真を図2の(a)に示す。また、繊維束の断面を光学顕微鏡により観察した。その顕微鏡写真を図3の(a)に示す。また、得られた繊維束の引張強度をJISR7601樹脂含浸ストランド法により測定し、その結果を表1に示す。
参考例2
実施例1と同じ繊維を使用し、処理液中のアクリル樹脂粉末として、球形、平均粒子径;0.4μm(繊維直径の4%)、標準偏差;0.02μm(平均粒子径の5%)の粉末を用い、残りの条件は実施例1と同様にして複合材料用開繊無機繊維束を作製した。得られた複合材料用開繊無機繊維束中の炭化ケイ素粉末の付着量は、4.1体積%、アクリル樹脂粉末の付着量は、8.1体積%、PEOの付着量は、0.6質量%、シランカップリング剤の付着量は、0.2質量%であった。
このようにして得られた複合材料用開繊無機繊維束中の繊維表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。そのSEM写真を図2の(b)に示す。また、繊維束の断面を光学顕微鏡により観察した。その顕微鏡写真を図3の(b)に示す。また、得られた繊維束の引張強度をJISR7601樹脂含浸ストランド法により測定し、その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同じ繊維を使用し、処理液中に樹脂粉末は添加せず、炭化ケイ素粉末(平均粒子径;0.3μm(繊維直径の3%))を5質量%のみを添加し、残りの条件は実施例1と同様にして複合材料用開繊無機繊維束を作製した。得られた複合材料用開繊無機繊維束中のSiC粉末の付着量は、4.5体積%、PEOの付着量は、0.5質量%、シランカップリング剤の付着量は、0.2質量%であった。
このようにして得られた複合材料用開繊無機繊維束中の繊維表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。そのSEM写真を図2の(c)に示す。また、繊維束の断面を光学顕微鏡により観察した。その顕微鏡写真を図3の(c)に示す。また、得られた繊維束の引張強度をJISR7601樹脂含浸ストランド法により測定し、その結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、シランカップリング剤は添加せず、残りの条件は実施例1と同様にして複合材料用開繊無機繊維束を作製した。得られた複合材料用開繊無機繊維束中の炭化ケイ素粉末の付着量は、4.3体積%、アクリル樹脂粉末の付着量は、8.5体積%、PEOの付着量は、0.6質量%であった。
得られた繊維束の繊維強度を表1に示す。比較例2で得られた繊維束は、繊維強度も低くなく、繊維束の広がりも大きいが、シランカップリング剤を使用していないため、後述する比較例4に示すように、本比較例の複合材料用開繊無機繊維束は収束が不十分で、複合材料を製造する過程の製織工程で繊維束が、ばらけて付着粒子の脱落や、一部繊維が切れて製織機にからみ、最終的に繊維束が切断して、製織のできない繊維束であった。
参考例1
上記の実施例、比較例と対比させるために、図3(d)と表1には参考例1として無機粉末と樹脂粉末を付着させる前の未処理のSi−Zr−C−O繊維の結果も示した。
Figure 0005458915
実施例1,参考例2および比較例1、参考例1で得られた結果について、以下説明する。図2から、実施例1、参考例2、比較例1ともに粉末が繊維表面に比較的均一に付着していることがわかる。比較例2は、実施例1と同等であった。図3から、実施例1、参考例2、比較例1ともに、参考例1の未処理繊維束よりも繊維束は広がっている。比較例2は、それぞれ実施例1と同等であった。実施例1は、繊維束が特に大きく広がっており、次に参考例2が大きく広がっている。次に、比較例1が広がっているが、その程度は小さくなっている。また表1から、実施例1の繊維強度は参考例1の未処理繊維束とほとんど変化はないが、樹脂粉末の平均粒子径が、繊維直径の4%と小さい参考例2では、約5%低下している。セラミック粉末のみを使用した比較例1では10%以上低下している。これは付着させたSiC粉末により繊維表面がダメージを受けて強度が低下したものと考えられる。このように、本発明では、無機粉末と樹脂粉末を付着させることにより、無機粉末による無機繊維へのダメージを抑制しつつ、繊維束中の繊維間隔を大きくかつ適度に広げることが可能であることがわかる。
実施例3
炭化ケイ素系繊維として、密度が3.0g/cm3、引張強度が2.8GPa、弾性率が390GPaであり、化学組成が、質量割合で、Si:67%、C:31%、O:0.3%、Al:0.8%、B:0.06%(原子比Si:C:O:Al=1:1.08:0.008:0.012)の結晶性炭化ケイ素繊維(平均直径:7.5μm、1600本/繊維束、収束剤:PEO)を用いて、実施例1と同じ条件で複合材料用開繊無機繊維束を作製した。得られた複合材料用開繊無機繊維束の繊維束断面は実施例1と同様に大きく広がっており、繊維強度も、未処理の繊維強度が、2.8GPaに対し、本実施例の繊維強度は、2.7GPaであり、ほとんど低下のないことが確認された。
実施例4
実施例1の複合材料用開繊無機繊維束を3次元織物(繊維割合は、X:Y:Z=1:1:0.2)に製織した。ついで、アルゴン中、1000℃でサイジング剤と樹脂製粒子を分解除去後、化学気相蒸着法により窒化ホウ素の界面層、および炭化ケイ素のマトリックスを形成して、セラミックス基複合材料を作製した。界面層は、三塩化ホウ素とアンモニアを原料ガス、アルゴンをキャリアガスとして、減圧下、1000℃で約0.5μmの厚さとした。マトリックスはメチルトリクロロシランを原料ガス、ヘリウムをキャリアガスとして、減圧下、1000℃で緻密化を行った。マトリックス形成後の空隙率は約10%であった。
複合化する前の3次元織物の一部をほぐして、繊維束を抽出し、JISR7601樹脂含浸ストランド法により繊維強度を測定した。また、作製したセラミックス基複合材料から引張試験片を加工して、室温での引張強度と破断ひずみを測定した。また、大気中1000℃で、それぞれの室温での引張強度の60%の応力をかけて破断までの時間を測定し、耐久性を評価した。表2に3次元織物から抽出した繊維の強度、作製したセラミックス基複合材料の室温での引張強度と破断ひずみ、及び、大気中1000℃で、それぞれの室温での引張強度の60%の応力をかけた状態での破断までの時間を示す。
参考例5
参考例2の複合材料用開繊無機繊維束を用いて、実施例4と同じ方法で、セラミックス基複合材料を作製した。
表2に3次元織物から抽出した繊維の強度、作製したセラミックス基複合材料の室温での引張強度と破断ひずみ、及び、大気中1000℃で、それぞれの室温での引張強度の60%の応力をかけた状態での破断までの時間を示す。
比較例3
比較例1の複合材料用開繊無機繊維束を用いて、実施例4と同じ方法で、セラミックス基複合材料を作製した。表2に3次元織物から抽出した繊維の強度、作製したセラミックス基複合材料の室温での引張強度と破断ひずみ、及び、大気中1000℃で、それぞれの室温での引張強度の60%の応力をかけた状態での破断までの時間を示す。
比較例4
比較例2の複合材料用開繊無機繊維束を用いて、実施例4と同じ方法で、セラミックス基複合材料の作製を試みたが、3次元織物に製織する際に繊維束がばらけて、製織できず、セラミックス基複合材料の作製は不可能であった。
比較例5
未処理のSi−Zr−C−O繊維を用いて、実施例4と同じ方法で、セラミックス基複合材料を作製した。表2に3次元織物から抽出した繊維の強度、作製したセラミックス基複合材料の室温での引張強度と破断ひずみ、及び、大気中1000℃で、それぞれの室温での引張強度の60%の応力をかけた状態での破断までの時間を示す。
実施例4、参考例5、比較例3、5で得られた結果について以下説明する。繊維の強度については、実施例4は表1の強度と変化はないが、参考例5では、さらに約3%、比較例3では、さらに10%強度が低下していることがわかる。これから、本発明では、3次元織物のような複雑な製織を行っても、未処理の繊維と同じ強度、あるいはわずかな低下に抑制できることがわかる。
Figure 0005458915
セラミックス基複合材料の室温での引張強度と破断ひずみについては、実施例4、参考例5のセラミックス基複合材料は強度、破断ひずみともに、比較例3、5よりも高い値を示しており、特に実施例4のセラミックス基複合材料は高い強度、破断ひずみを示している。破面観察から、実施例4では、繊維束中の繊維同士の接触はなく、窒化ホウ素の界面層も炭化ケイ素粉末が付着した各繊維表面に均一に形成されていることが確認され、繊維のプルアウトも顕著に観察され、界面層が有効に機能していることが確認された。これが、高い強度、破断ひずみが得られた原因と考えられる。参考例5では、実施例4に比較的似た破面であったが、繊維束中の一部に、繊維同士の間隔が不十分で、界面層同士がつながっている箇所が観察され、これらの領域では、繊維のプルアウトが少なくなっていた。このように、不均一な界面層と、3次元織物に加工するまでの繊維の強度低下が、実施例4よりも低い強度、破断ひずみが得られた原因と考えられる。これは、参考例5では、付着させた樹脂粒子が小さいため、繊維間隔が不十分な箇所があり、また、無機粉末とほぼ同じ平均粒子径であるため、無機粉末による無機繊維へのダメージの抑制効果が、実施例4に比べ低くなったことが原因と考えられる。
比較例3においては、繊維束中の繊維同士の接触はないが、間隔が不十分で、界面層同士がつながっている箇所が参考例5よりも多く観察され、これらの領域では、繊維のプルアウトも少ない状態であった。このように、不均一な界面層と3次元織物に加工するまでの繊維の大きな強度低下が、低い強度と破断ひずみの原因と考えられる。
比較例5においては、繊維束中のほとんどの繊維同士が互いに接触しており、接触箇所では界面層が形成されていなかった。また、繊維のプルアウトも少なく、繊維の破断が繊維同士の接触点から発生しており、接触点が応力集中の原因であることが確認された。このように、3次元織物に加工するまでの繊維強度の低下はないが、繊維同士の接触点による応力集中と不均一な界面層が、低い強度と破断ひずみを示す原因と考えられる。
セラミックス基複合材料の大気中1000℃、それぞれの室温での引張強度の60%の応力下での破断時間については、実施例4、参考例5のセラミックス基複合材料は、比較例3、5よりも長い破断時間を示している。特に実施例4のセラミックス基複合材料は長い破断時間を示しており、優れた耐久性を示している。実施例4の破面観察では、繊維のプルアウトが、室温での引張試験後の破面に比べて少ないものの、顕著に観察され、繊維や界面層の酸化によるガラス層形成はわずかであった。参考例5では、実施例4に比較的似た破面であったが、一部に、繊維同士の接触と間隔が不十分で、界面層同士がつながっている箇所があり、これらの箇所ではガラス層の形成が観察され、これらの領域では、繊維のプルアウトがほとんど観察されなかった。これらの優先的なガラス層の形成により、繊維同士が強固に結合して、応力集中の原因となり、脆性的な破壊を起こしたことが、実施例4より破断時間を短くした原因と考えられる。
比較例3の破面観察では、繊維束中の繊維間隔が不十分で界面層同士がつながっている箇所が多く確認され、この領域の繊維のプルアウトはほんど観察されなかった。これらの優先的なガラス層の形成により、繊維同士が強固に結合して、応力集中の原因となり、脆性的な破壊を起こし、破断時間を短くした原因と考えられる。
比較例5は最も破断時間が短い。破面観察では、繊維束中のほとんどの繊維同士が接触しており、接触点近傍にガラス層が顕著に観察され、比較例3よりも多く観察された。これらの大量の優先的なガラス層の形成により、繊維同士が強固に結合して、応力集中の原因となり、脆性的な破壊を起こし、破断時間を最も短くした原因と考えられる。
本発明は、セラミックス複合材料の強化繊維用の無機繊維とこの繊維で強化されたセラミックス基複合材料の製造に利用することが可能である。
1 無機繊維束
2 巻き出しボビン
3 電気炉
4 処理槽
5 乾燥炉
6 巻き取りボビン

Claims (6)

  1. 繊維束を構成する無機繊維の表面に、不活性雰囲気中1000℃以下で実質的に分解し消失する樹脂粉末が付着しており、樹脂性サイジング剤とカップリング剤により前記無機繊維束が収束されており、前記樹脂粉末の平均粒子径が、前記無機粉末の平均粒子径よりも3倍以上大きい複合材料用開繊無機繊維束であり、
    前記無機繊維は、炭化ケイ素系セラミックス繊維であり、
    前記無機粉末の平均粒子径が、前記無機繊維直径の0.5%以上であり、
    前記樹脂粉末は、球形で、平均粒子径が前記無機繊維直径の10〜100%であり、粒子径の標準偏差が平均粒子径の10〜50%であることを特徴する複合材料用開繊無機繊維束。
  2. 前記無機繊維は、密度が2.7g/cm以上であり、引張強度が2GPa以上、弾性率が250GPa以上であり、Si:50〜70質量%、C:28〜45質量%、Al:0.06〜3.8質量%及びB:0.06〜0.5質量%からなり、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料用開繊無機繊維束。
  3. 前記無機繊維は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Th、U、Al、Zr及びHfからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属原子を含有し、酸素含有量が1〜13質量%である炭化ケイ素系セラミックス繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合材料用開繊無機繊維束。
  4. 無機繊維束を、樹脂性サイジング剤とカップリング剤を溶解させた、水、有機溶媒、または、水と有機溶媒の混合液に無機粉末と樹脂粉末を懸濁させた処理液に連続的に浸漬し、その後乾燥させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の複合材料用開繊無機繊維束の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複合材料用開繊無機繊維束を使用して、繊維間にセラミックスをマトリックスとして形成したことを特徴とするセラミックス基複合材料。
  6. 前記複合材料用開繊無機繊維束の形態が2次元あるいは3次元織物、又は一方向シート状物又はその積層物であることを特徴とする請求項記載のセラミックス基複合材料。
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