JP3097894B2 - 無機繊維強化セラミック複合材料の製法 - Google Patents

無機繊維強化セラミック複合材料の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度、靱性及び耐熱性
が高い無機繊維強化セラミック複合材料の製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特公平2−39468号公報には、ケイ
素、炭素、チタン及び/又はジルコニウム、及び酸素か
ら構成される無機繊維を強化材とし、炭化物、窒化物、
酸化物又はガラスセラミックスをマトリックスとする複
合材料が記載されている。この複合材料は優れた機械的
特性を示すが、高温での使用中に無機繊維とマトリック
スとが反応して無機繊維が劣化し、複合材料の特性が低
下するという問題を有している。
【0003】特開昭63−123874号公報には、表
面にケイ素酸化物並びにチタン及び/又はジルコニウム
の酸化物層を有するケイ素、炭素、チタン及び/又はジ
ルコニウム、及び酸素から構成される無機繊維を強化材
とし、セラミックスをマトリックスとする複合材料が開
示されている。この複合材料は機械的特性が充分ではな
いという解決すべき問題を有している。
【0004】特開平5−148045号公報には、ケイ
素、炭素、チタン及び/又はジルコニウム、及び酸素か
らなる無機繊維を強化材とし、セラミックスをマトリッ
クスとする複合材料が記載されている。上記無機繊維
は、内層部と表層部とから構成されており、表層部にお
いて炭素の割合が繊維表面に向かって連続的に増大する
傾斜した組成分布を有している。
【0005】上記公報に開示された複合材料において
は、無機繊維の表面に炭素に富む層を有しているため、
無機繊維とマトリックスとの間に炭素に富む界面層が形
成される。この界面層の存在によって無機繊維とマトリ
ックスとの反応が抑制される結果、上記複合材料は室温
から比較的高温にいたるまでの温度範囲で優れた機械的
特性を示す。
【0006】反面、この複合材料は、無機繊維とマトリ
ックスとの間に炭素に富む層を有しているため、空気の
ような酸素含有雰囲気中における高温での実使用時に炭
素が燃焼して界面層が破壊され、その結果、複合材料の
機械的特性が損なわれるという問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ケイ
素、炭素、チタン及び/又はジルコニウム、及び酸素か
ら構成される無機繊維の優れた特性を複合材料において
有効に発揮させることのできる複合材料の製法を提供す
ることにある。別の観点からすると、本発明の目的は、
酸素含有雰囲気中での高温での使用時に、機械的特性の
低下が少ない複合材料の製法を提供することにある。
【0008】本発明の上記目的は、ケイ素、炭素、チタ
ン及び/又はジルコニウム、及び酸素から構成され、さ
らに内層部、繊維表面に形成される第一表層部、内層部
と第一表層部との間に形成される第二表層部とを有し、
内層部の組成がケイ素40〜60重量%、炭素20〜4
0重量%、チタン及び/又はジルコニウム0.5〜10
重量%、及び酸素2〜30重量%であり、第二表層部に
おいて構成元素の中で炭素の割合が内層部に比較して5
重量%以上多く、かつ炭素の全割合が90重量%以下で
あり、第一表層部において構成元素の中で酸素の割合が
内層部に比較して5重量%以上多く、かつ酸素の全割合
が50重量%以下である無機繊維と、セラミック粉末と
の配合物、あるいは無機繊維にセラミック前駆重合体を
含浸させた含浸物を加熱処理することによって達成され
る。
【0009】本発明における無機繊維はケイ素、炭素、
チタン及び/又はジルコニム、及び/又は酸素から構成
されており、繊維径は一般に5〜20μmである。そし
て、この無機繊維は、(1)ケイ素、炭素、チタン及び
/又はジルコニウム、及び/又は酸素からなる非晶質物
質、(2)結晶質物質の集合体であって、β−SiC、
C、MC、並びにβ−SiCとMCとの固溶体及び/又
はMC1-x とから構成され、各結晶質物質の粒径が50
nm以下である結晶質物質、又は(3)上記(1)の非
晶質物質と上記(2)の結晶質物質との混合物(上式
中、MはTi又はZrを示し、xは0より大きく1未満
の数である。)で構成されている。
【0010】本発明における無機繊維は上述したよう
に、内層部、第二表層部、及び第一表層部から形成され
ている。第二表層部は第一表層部から通常50nm以下
の領域を構成しており、第一表層部は繊維表面から通常
50nm以下の領域を構成している。第二表層部におい
ては、構成元素である炭素が内層部に比較して5重量%
以上多く、炭素の全割合は90重要%以下である。ま
た、第一表層部においては、構成元素である酸素が内層
部に比較して5重量%以上多く、酸素の全割合は50重
量%以下である。
【0011】図1は後述する実施例1で使用された無機
繊維の繊維表面からの深さと構成元素の割合(重量%)
との関係を示している。図1からわかるように、繊維表
面から約15〜40nmの領域を構成する第二表層部に
おいては、炭素の割合は最高60重量%であり、内層部
における炭素の割合33重量%より27重量%多くなっ
ていることがわかる。第二表層部においては、ケイ素の
割合は逆に低下している。
【0012】繊維表面から約15nm以下の領域を構成
する第一表層部においては、内層部における酸素の割合
が10重量%であるのに対して、酸素の割合が最高39
重量%であって、29重量%多くなっているとが理解さ
れる。
【0013】図1に示されるように、第二表層部におけ
る炭素は内層部と第二表層部との境界から第二表層部と
第一表層部に向けて濃度が漸増しており、また、第一表
層部における酸素は第二表層部と第一表層部との境界か
ら繊維表面に向けて濃度が連続的に増大していることが
わかる。
【0014】本発明における無機繊維において、上記の
ように炭素及び酸素の濃度が漸増することが必須ではな
いが、内層部と第二表層部との親和性、さらに第二表層
部と第一表層部との親和性を高めるためには、図1にお
けるように、炭素及び酸素の濃度が、それぞれ、第二表
層部及び第一表層部において連続的に増大していること
が好ましい。
【0015】本発明における無機繊維は、宇部興産
(株)からチラノ繊維(登録商標)として市販されてい
るSi−C−Ti又はZr−Oからなる無機繊維を、一
酸化炭素雰囲気中で1200〜1500℃の範囲の温度
で加熱処理することによって調製することができる。
【0016】上記のSi−C−Ti又はZr−Oからな
る無機繊維は、特公昭61−49335号公報、同62
−60414号公報、同63−37139号公報、同6
3−49691号公報に記載の、前駆重合体であるポリ
チタノカルボシラン又はポリジルコノカルボシランを溶
融紡糸し、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中で不融化し、不
融化繊維を加熱焼成することによって得ることができ
る。
【0017】上記の前駆重合体は、(1)ポリカルボシ
ランとポリチタノシロキサン又はポリジルコノシロキサ
ンを反応させることによって、ポリカルボシランのケイ
素原子と上記シロキサン重合体のケイ素原子、又はチタ
ン原子あるいはジルコニウム原子とを、酸素原子を介し
て結合させた重合体、及び(2)ポリカルボシランとチ
タンあるいはジルコニウムのアルコキシドとを反応させ
ることによって、ポリカルボシランのケイ素原子をチタ
ン原子又はジルコニウム原子とを酸素原子を介して結合
させた重合体を包含する。
【0018】無機繊維の形態については特別の制限はな
く、連続繊維又は連続繊維を切断したチョップ状短繊維
であってもよく、連続繊維から編織された平織、朱子
織、多軸織、三次元織、不織布であってもよく、さらに
連続繊維を一方向に引き揃えたシ−ト状物であってもよ
い。
【0019】本発明においてマトリックスを形成するセ
ラミックスとしては、結晶質又は非晶質の酸化物セラミ
ックス、結晶質又は非晶質の非酸化物セラミックス、ガ
ラス、結晶化ガラス、これらの混合物、これらのセラミ
ックスを粒子分散強化したセラミック複合材料を例示す
ることができる。
【0020】酸化物セラミックスの具体例としては、ア
ルミニウム、マグネシウム、ケイ素、イットリウム、イ
ンジウム、ウラン、カルシウム、スカンジウム、タンタ
ル、ニオブ、ネオジム、ランタン、ルテニウム、ロジウ
ム、ベリリウム、チタン、錫、ストロンチウム、バリウ
ム、亜鉛、ジルコニウム、鉄のような元素の酸化物、こ
れら金属の複合酸化物が挙げられる。
【0021】非酸化物セラミックスの具体例としては、
炭化物、窒化物、ホウ化物を挙げることができる。炭化
物の具体例としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、
アルミニウム、ウラン、タングステン、タンタル、ハフ
ニウム、ホウ素、鉄、マンガンのような元素の炭化物、
これら元素の複合炭化物が挙げられる。この複合炭化物
の例としては、ポリチタノカルボシラン又はポリジルコ
ノカルボシランを加熱焼成して得られる無機物が挙げら
れる。
【0022】窒化物の具体例としては、ケイ素、ホウ
素、アルミニウム、マグネシウム、モリブデンのような
元素の窒化物、これら元素の複合酸化物、サイアロンが
挙げられる。
【0023】ホウ化物の具体例としては、チタン、イッ
トリウム、ランタンのような元素のホウ化物、CeCo
3 2 、CeCo4 4 、ErRh4 4 のようなホウ
化白金族ランタノイドが挙げられる。
【0024】ガラスの具体例としては、ケイ酸塩ガラ
ス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラスのような非晶質ガ
ラスが挙げられる。結晶化ガラスの具体例としては、主
結晶相がβ−スプジュ−メンであるLiO2 −Al2
3 −MgO−SiO2 系ガラス及びLiO2 −Al2
3 −MgO−SiO2 −Nb2 5 系ガラス、主結晶相
がコ−ジェライトであるMgO−Al2 3 −SiO2
系ガラス、主結晶相がバリウムオスミライトであるBa
O−MgO−Al2 3 −SiO2 系ガラス、主結晶相
がムライト又はヘキサセルシアンであるBaO−Al2
3 −SiO2 系ガラス、主結晶相がアノ−サイトであ
るCaO−Al2 3 −SiO2 系ガラスが挙げられ
る。これらの結晶化ガラスの結晶相にはクルストバライ
トが含まれることがある。本発明におけるセラミックス
として、上記の各種セラミックスの固溶体を挙げること
ができる。
【0025】セラミックスを粒子分散強化したセラミッ
クス複合材料の具体例としては、窒化ケイ素、炭化ケイ
素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、チタン酸カ
リウム、ホウ酸マグネシウム、酸化亜鉛、ホウ化チタン
及びムライトから選択される無機物質の球状粒子、多面
体粒子、板状粒子、棒状粒子を0.1〜60体積%均一
分散したセラミックスが挙げられる。球状粒子及び多面
体粒子の粒径は一般に0.1μm〜1mm、板状粒子及
び棒状粒子のアスペクト比は一般に1.5〜1000で
ある。
【0026】本発明においては、無機繊維とセラミック
原料粉末との配合物を加熱処理することにより、あるい
は無機繊維にセラミックスの前駆体重合体、例えばポリ
カルボシラン、ポリチタノカルボシラン、ポリジルコノ
カルボシランを含浸した後に加熱処理ことにより、複合
材料を調製する。
【0027】前者の方法においては、無機繊維がチョッ
プ状であるときは、チョップ状無機繊維とセラミック原
料粉末とを混合した混合物とし、無機繊維が長繊維、織
物、不織布又はシ−ト状物であるときは、これらの繊維
層とセラミック原料粉末層とを交互に積層した積層物と
し、所望の形状に成形した後に、あるいは成形と同時に
加熱処理してセラミック原料粉末を焼結することによっ
て、複合材料を得ることができる。
【0028】後者の方法においては、セラミックスの前
駆重合体を通常はトルエン、キシレンのような芳香族炭
化水素溶媒に溶解した溶液を無機繊維に含浸し、含浸物
から溶媒を除去した後に加熱処理することによって、複
合材料が調製される。この方法においては、内部に空孔
のない複合材料を得るために、前駆重合体の含浸、溶媒
の除去、及び加熱処理のサイクルを複数回繰り返すこと
が好ましい。この方法においては、前駆重合体の無機化
と焼結とが進行する。
【0029】加熱処理温度は通常800〜1500℃で
ある。加熱処理は窒素、アルゴン、一酸化炭素のような
不活性ガス雰囲気中で行われる。加熱処理温度は、得ら
れる複合材料が実際に使用される温度より高いことが好
ましい。
【0030】本発明で得られる複合材料が優れた機械的
特性及び高温において優れた耐酸化性を有する理由は定
かではないが、第一表層部が酸素に富むために充分な高
温での耐酸化性を有すると共に、第二表層部が炭素に富
んでいるために、この層が外力が加えられたときの滑り
層として作用するためであると推定される。しかし、本
発明はこの推測になんら拘束されるものではない。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示す。以下において、「部」
及び「%」は、特別の断りのない限り、それぞれ「重量
部」及び「重量%」を示す。
【0032】参考例1 ナトリウム400gを含有する無水キシレンに、窒素ガ
ス気流下にキシレンを加熱還流させながら、ジメチルジ
クロロシラン1リッタ−を滴下し、引き続き10時間加
熱還流し沈澱物を生成させた。この沈澱をろ過し、メタ
ノ−ル、ついで水で洗浄して、白色のポリジメチルシラ
ン420gを得た。
【0033】これとは別に、ジフェニルジクロロシラン
750g及びホウ酸124gを窒素ガス雰囲気下にn−
ブチルエ−テル中、100〜120℃で加熱し、生成し
た白色樹脂状物をさらに真空中400℃で1時間加熱す
ることによって、フェニル基含有ポリボロシロキサン5
30gを得た。
【0034】上記のポリジメチルシラン250gに上記
のポリボロジフェニルシロキサン8.27gを添加して
混合し、還流管を備えた石英管中で窒素ガス流通下に3
50℃に加熱し、同温度で6時間重合し、シロキサン結
合を一部含むポリカルボシランを得た。生成物を放冷の
後、キシレンを加えて溶液として取り出し、ろ過した
後、キシレンを蒸発させて、固体状有機ケイ素重合体1
40gを得た。
【0035】得られた有機ケイ素重合体40g及びチタ
ンテトラブトキシド7.3gに、キシレン0.3リッタ
−を加え、窒素ガス気流下で120℃で0.5時間攪拌
しながら還流反応を行った。キシレンを除去した後、得
られた中間生成物をさらに300℃で窒素ガス気流下で
1時間重合して、ポリチタノカルボシランを得た。
【0036】参考例2 参考例1で得られたポリチタノカルボシランを210℃
で溶融紡糸し、紡糸繊維を無張力で空気中、室温から1
5℃/時間の昇温速度で180℃まで昇温し、同温度に
4時間保持して不融化繊維を得た。不融化繊維をアルゴ
ンガス気流下で1300℃で連続的に焼成して繊維径1
1μmの無機長繊維とした後、この無機長繊維を一酸化
炭素ガス気流下、無張力で400℃/時間の昇温速度で
1350℃まで昇温し、同温度で4時間保持した。この
無機長繊維から三次元織物[糸密度(束/25mm):
X方向16、Y方向16、Z方向16]を作製した。
【0037】この無機繊維の構成元素の割合は、Si:
53%、C:33%、Ti:4%、O:16%であっ
た。この無機繊維のオ−ジェ分析結果を示す図1からわ
かるように、第二表層部において炭素の濃度が内層部の
濃度より最高27%高く、第一表層部において酸素の濃
度が内層部の濃度より最高39%高くなっており、第二
表層部及び第一表層部において、炭素及び酸素の濃度
は、繊維表面に向けて連続的に増大したいた。
【0038】実施例1 参考例1で得られたポリチタノカルボシラン100部及
びキシレン100部の混合溶液に、参考例2で得られた
三次元織物を浸漬し、アルゴン雰囲気中5気圧で三次元
織物中に上記の混合溶液を含浸させた後、アルゴン気流
下に150℃に加熱してキシレンを蒸発除去した。つい
で、含浸物を電気炉に挿入して加熱処理した。
【0039】上記のポリチタノカルボシランの含浸、キ
シレン除去及び加熱焼成を8回繰り返した。加熱焼成は
1回目から6回目までは、アルゴン気流下、200℃/
時間の昇温速度で1000℃まで昇温し、同温度に1時
間保持して行った。7回目及び8回目は、一酸化炭素気
流下、200℃/時間の昇温速度で1400℃まで昇温
し、同温度で1時間保持して行った。
【0040】得られた複合体の引張強度は48kg/mm2
あり、空気中1250℃で100時間熱処理した後の引
張強度は39kg/mm2であった。
【0041】実施例2 平均粒径0.4μmのアルミナ粉末にバインダ−として
のポリエチレンオキサイドを10%添加した後、エタノ
−ルと水との混合溶媒中で40時間ボ−ルミル混合し
て、マトリックス原料のスラリ−を調製した。上記マト
リックス原料のスラリ−を参考例2の無機繊維織物に含
浸した後、乾燥してプリプレグシ−トを作成した。この
プリプレグシ−トを5cm×5cm×5cmの正方形に
切断した後、離型剤として窒化ホウ素を塗布した黒鉛ダ
イス中に積層し、アルゴン雰囲気中で温度1400℃、
圧力500kg/cm2 でホットプレスして、アルミナ
をマトリックスとする複合材料を得た。複合材料中の無
機繊維の割合は50体積%であった。
【0042】この複合材料の曲げ強度は170kg/mm2
あり、空気中1250℃で100時間熱処理した後の曲
げ強度は150kg/mm2であった。
【0043】参考比較例1 宇部興産(株)から市販されているチラノ繊維(登録商
標)のうち、繊維表層部において炭素の割合が繊維表面
に向けて連続的に増大する傾斜した組成分布を有する繊
維(F1グレ−ド)を用いて、参考例2と同構成の三次
元織物を作製した。
【0044】上記繊維の径は11μmであり、図2に示
すオ−ジェ分析結果からわかるように、内層部と繊維表
面から約20nmの地点から形成される表層部とから構
成されている。内層部を構成する元素の割合は、ケイ素
51%、炭素29%、酸素18%及びチタン2%であっ
た。表層部においては、上記の繊維表面から約20nm
の地点から繊維表面に向けて炭素の割合が最表面におけ
る80%まで増加している一方で、ケイ素、酸素及びチ
タンの割合が漸減していた。
【0045】比較例1 三次元織物として参考比較例1で得られた三次元織物を
使用した以外は、実施例1を繰り返して、複合体を得
た。得られた複合体の引張強度は36kg/mm2であり、空
気中1250℃で100時間熱処理した後の引張強度は
8kg/mm2であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は参考例2で得られた無機繊維のオ−ジェ
分析図である。
【図2】図2は比較参考例1で得られた無機繊維のオ−
ジェ分析図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機繊維とセラミック粉末との配合物、あ
    るいは無機繊維にセラミックス前駆重合体を含浸させた
    含浸物を加熱処理する無機繊維強化セラミック複合材料
    の製法であって、無機繊維はケイ素、炭素、チタン及び
    /又はジルコニウム、及び酸素から構成され、さらに無
    機繊維は内層部、繊維表面に形成される第一表層部、内
    層部と第一表層部との間に形成される第二表層部とから
    構成され、内層部の組成がケイ素40〜60重量%、炭
    素20〜40重量%、チタン及び/又はジルコニウム
    0.5〜10重量%、及び酸素2〜30重量%であり、
    第二表層部において構成元素の中で炭素の割合が内層部
    に比較して5重量%以上多く、かつ炭素の全割合が90
    重量%以下であり、第一表層部において構成元素の中で
    酸素の割合が内層部に比較して5重量%以上多く、かつ
    酸素の全割合が50重量%以下であることを特徴とする
    無機繊維強化セラミック複合材料の製法。
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