JP4427914B2 - 層間方向強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

層間方向強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックス複合材料の繊維による強化がなされていない層間方向の強度を必要とし、かつ1200℃以上の耐熱性、及び高い緻密性が要求される部材に使用可能な層間方向強化型無機繊維結合セラミックス、及びその製造方法に関する。特に、高い層間せん断強さ、高い緻密性及び衝撃特性を要求される部材、たとえば、発電用又は航空機用エンジンの静翼材及び熱交換器などの高温部材に適用できる。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
炭化ケイ素、窒化ケイ素などに代表される単体のセラミックス材料は、1300℃以上の高温で優れた強度を示すことから、高効率ガスタービン用部材として期待されているが、単体セラミックス固有の欠点である脆さを有しており、内在する小さな気孔、或いはクラックに非常に敏感であることから信頼性に劣る。
このため、高耐熱性を有し、かつ信頼性の高い高温材料が望まれている。
【0003】
一方、カーボン繊維強化カーボン基複合材料(以下、C/C複合材料と記載する)、並びにセラミックス繊維強化セラミックス基複合材料(以下、CMCと記載する)は、上記の単体セラミックスの脆さを改善した高い破壊エネルギーを有した材料であり、高温材料として盛んに研究が進められている。
【0004】
これら種々の複合材料は、繊維の強化方向により一方向強化型(1D)、二方向強化型(2D)、又は三方向強化型(3D)に分類することができる。このうち1D及び2D複合材料には、繊維による強化がなされていない層間方向が存在するため、その方向の強度は、強化方向に比べ著しく低くなる。
【0005】
3D複合材料は、三次元織物又は織物積層体の層間を繊維でステッチングした予備成形体を使用することにより、1D及び2Dの層間方向に相当する方向の強さを強化している。しかし、これら種々の複合材料は、主に化学蒸着気相法(CVD法)、化学浸透気相法(CVI法)、又はポリマー含浸法(PIP法)により製造されるため、その製法に由来して材料内部には気孔が残存している。そのため加工後の表面平滑性が悪く、表面平滑性を必要とする部材へ適用する際は、コーティング等の二次処理が必要となる。また、3D複合材料の緻密性を高めるためにホットプレス製造を行うとプレス軸方向の繊維が破断するため、その方向の強度が低下し、要求される特性を発揮することができない。従って、緻密性が高く、かつ層間方向を強化した複合材料の開発が必要である。
【0006】
【課題を解決する技術的手段】
本発明の目的は、緻密性が高く、かつ層間方向を強化した複合材料及びその製造方法を提供することであり、極めて高い緻密性、及び高い層間方向の強度を要求される部材、たとえば、発電用、又は航空機用ガスタービン、及び熱交換器などの高温部材に適用出来る。
【0007】
本発明によれば、(A)(i)下記(a)及び/又は(b)からなる無機繊維の積層体と、(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質(MはTi又はZrを示す)、(b)イ)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、ロ)SiO及びMOの非晶質物質との集合体、(ii)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(c)及び/又は(d)からなり、場合により(e)が分散した無機物質と、(c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、(d)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質物質、(e)100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子無機物質、(iii)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする、場合により100nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散した、1から100nmの境界層、から構成されてなる無機繊維結合セラミックスからなる被強化体、又は(B)主としてSiCの焼結構造からなる無機繊維であって、0.01〜1重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する無機繊維の積層体が最密充填に極めて近い構造に結合し、繊維間には1〜100nmのCを主成分とする境界層が形成されている無機繊維結合セラミックスからなる被強化体が、(C)無機繊維を有する無機系複合材からなる強化体により、前記被強化体の無機繊維の層間方向が強化されてなる層間方向強化型無機繊維結合セラミックスであって、前記強化体は、前記被強化体を貫通しているかあるいは前記被強化体の表面に配置され、前記被強化体と焼成により結合しており、前記強化体の無機繊維の層間方向が、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なることを特徴とする層間方向強化型無機繊維結合セラミックスが提供される。前記無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)は、被強化体(A)を構成する無機繊維が、85〜91体積%(ただし、85は除く)存在することが好ましい。さらに本発明によれば、前記強化体又はその前駆体、あるいは加熱により強化体となる原料粉末を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体を貫通するように、あるいは前記被強化体の表面に配置し、酸化雰囲気、不活性ガス雰囲気、又は真空中、無加圧、又は50MPa以下の圧力を加えて、1000〜2000℃に加熱し、結合させることを特徴とする上記層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの製造方法が提供される。さらに本発明によれば、セラミックス繊維を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体の表面に配置し、有機ケイ素重合体を含浸後、1000〜1500℃で焼成し、結合させることを特徴とする上記層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの製造方法が提供される。
【0008】
本発明では、材料内部の微細構造が異なる2種類の無機繊維結合セラミックスからなる被強化体を用いた層間方向強化型無機繊維結合セラミックスを提案している。
まず、無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)について説明する。
【0009】
無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)は、(i)下記(a)及び/又は(b)からなる無機繊維の積層体と、(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質(MはTi又はZrを示す)、(b)イ)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、ロ)SiO2及びMO2の非晶質物質との集合体、(ii)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(c)及び/又は(d)からなり、場合により(e)が分散した無機物質と、(c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、(d)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質物質、(e)100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子無機物質、(iii)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする、場合により100nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散した、1から100nmの境界層、から構成される。
【0010】
無機繊維(i)は、(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質、及び/又は(b)イ)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、ロ)SiO及びMOの非晶質物質との集合体、から構成される。結晶質微粒子におけるβ−SiCとMCとはそれらの固溶体として存在することもでき、またMCは炭素欠損状態であるMC1−x(xは0以上で1未満の数である。)として存在することもできる。無機繊維を構成する各元素の割合は、通常、Si:30〜60重量%、M:0.5〜35重量%、好ましくは1〜10重量%、C:25〜40重量%、O:0.01〜30重量%である。無機繊維の相当直径は一般に5〜20μmである。
【0011】
無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)を構成する無機繊維(i)は、80体積%以上、好ましくは85〜91体積%存在する。それぞれの無機繊維の表面には、非晶質及び結晶質の炭素が、1〜100nmの範囲、好ましくは10〜50nmの厚さで境界層として非整合的に層状に生成している。また、場合により境界層には、100nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散している。そして、この無機繊維の間隙を充填するように緻密に、(c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、及び/又は(d)結晶質のSiO2及びMO2からなる結晶質物質が存在している。また、場合により、無機質物質には(e)100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子無機物質が分散している。
即ち、無機繊維同士の境界、及び無機質物質と無機繊維の境界に非晶質及び/又は結晶質の炭素が非整合に層状に存在している。
【0012】
次に、無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(B)について説明する。無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(B)を構成する繊維材は、主としてSiCの焼結構造からなる無機繊維であって、0.01〜1重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有し、最密充填に極めて近い構造に結合している。
SiCの焼結構造からなる無機繊維は、主としてβ-SiCの多結晶焼結構造からなり、あるいはさらに、β-SiC及びCの結晶質微粒子からなる。Cの微結晶及び/又は極微量のOを含有する、β-SiC結晶粒子同士が粒界第2相を介すことなく焼結した領域ではSiC結晶間の強固な結合が得られる。仮に被強化体中で破壊が起こる場合は、少なくとも30%以上の領域でSiCの結晶粒内で進行する。場合によっては、SiC結晶間の粒界破壊領域と粒内破壊領域が混在する。
【0013】
前記繊維材は、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する。繊維材を構成する元素の割合は、通常、Si:55〜70重量%、C:30〜45重量%、O:0.01〜1重量%、M(2A族、3A族及び3B族の金属元素):0.05〜4.0重量%、好ましくは、0.1〜2.0重量%である。2A族、3A族及び3B族の金属元素の中では、特にBe、Mg、Y、Ce、B、Alが好ましく、これらはいずれもSiCの焼結助剤として知られているもので、また有機ケイ素ポリマーのSi−H結合と反応し得るキレート化合物やアルキシド化合物が存在するものである。この金属の割合が過度に少ないと繊維材の十分な結晶性が得られず、その割合が過度に高くなると、粒界破壊が多くなり力学的特性の低下を招くことになる。
【0014】
上記被強化体の繊維材同士の境界には非晶質及び結晶質の炭素が、1〜100nmの範囲、好ましくは10〜50nmの厚さで境界層が形成されており、上記に示した構造を反映して、1600℃における強度が室温強度の80%以上の極めて高い力学的特性を発現する。
【0015】
本発明における前記無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)及び(B)を構成する繊維材は、1方向に引き揃えられたシート状物の積層状態と同様の配向状態、2次元織物の積層状態と同様の配向状態からなることができる。これらは、目的とする形状物に要求される力学的特性により暫時選択されるものである。
【0016】
本発明においては、これらの被強化体の無機繊維の層間方向が、(C)無機系複合材からなる強化体により強化されている。ここで、無機繊維の層間方向とは、無機繊維が積層されている面を含む方向を意味する。この方向は、繊維による強化がなされていないため、強化方向に比べ強度が劣っている。この強化体は、前記被強化体と直接、又は酸化物、窒化物、炭化物又は金属から選ばれる少なくとも1種の中間層を介して間接的に結合している。この強化体の材質及び被強化体に対する体積割合は、目的とする形状物に要求される力学的特性により暫時選択されるものである。
【0017】
前記強化体は、通常、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体を貫通しているか、あるいは前記被強化体の表面に結合している。被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向としては、強化効果の面からは、層間方向と直交する方向が好ましいが、目的に応じて層間方向と適度の角度を持たせればよい。強化体が被強化体の表面と結合する場合、被強化体の周りを囲むように配置させることが好ましいが、強化効果が得られれば、被強化体の表面の一部が強化体と結合していない状態でもかまわない。
【0018】
本発明において、強化体としては、無機系複合材が用いられる。例えば、無機系複合材としては、炭素繊維強化炭素基複合材(C/C)、SiC/SiC等が挙げられる。
【0019】
また、強化体として、前記被強化体(A)又は(B)と同一の無機繊維結合セラミックスを用いることもできる。この場合、強化体の無機繊維の層間方向と被強化体の無機繊維の層間方向が異なる方向となるように、強化体を配置する。
前記強化体を構成する繊維材は、前記被強化体(A)又は(B)と同様に、1方向に引き揃えられたシート状物の積層状態と同様の配向状態、2次元織物の積層状態と同様の配向状態からなるものが好ましいが、3次元織物の状態と同様の配向状態、或いはランダム配向状態からなるものや、これらの複合組織からなるものでもよい。これらは、目的とする形状物に要求される力学的特性により暫時選択されるものである。
【0020】
次に、本発明の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスに用いられる無機繊維結合セラミックスからなる被強化体の製造法について説明する。
まず、被強化材(A)の製造法について説明する。
本発明の被強化体(A)の原料として使用される無機繊維は、例えば特開昭62-289641号公報に記載の方法に従って、無機繊維を酸化性雰囲気下に500〜1600℃の範囲の温度で加熱することによって調製することができる。この無機繊維(M:Ti)は宇部興産株式会社からチラノ繊維(登録商標)として市販されている。無機繊維の形態については特別に制限はなく、連続繊維、連続繊維を切断したチョップ状短繊維、或いは連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物又は織物であることができる。
【0021】
上記の繊維を空気、純酸素、オゾン、水蒸気、炭酸ガスなどの酸化性雰囲気で加熱処理することによって無機繊維の表面層が形成される。無機繊維の表面層の厚さT(μm)が、T=aD(ここで、aは0.023〜0.053の範囲内の数値であり、Dは無機繊維の直径(単位μm)である。)を満足するように、加熱処理条件を選択することが必要である。表面層の厚さを上記範囲に厳密に制御することにより、気孔率が2%以下の極めて緻密な無機繊維結合セラミックスを調製することが可能になる。
【0022】
本発明においては、上記の内面層と表面層からなる無機繊維からなる積層物を作製し、カーボンダイスにセットし、1500〜2000℃の範囲の温度で、1〜100MPaの範囲の圧力によりホットプレスすることにより、完全に緻密化した被強化体(A)が得られる。
【0023】
次に、被強化体(B)の製造方法について説明する。
まず、ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であるポリシラン又はその加熱反応物に、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素含有有機ケイ素重合体を調製する第1工程、金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を得る第2工程、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調製する第3工程、不融化繊維を不活性ガス中で無機化する第4工程、無機化繊維から予備形状物を製作し、これを型内に仕込み、真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気中で、1700〜2200℃の温度範囲で加圧する第5工程からなる。
【0024】
第1工程
第1工程では、前駆重合体である金属含有有機ケイ素重合体を調整する。
ポリシランは、例えば「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972年)に記載の方法に従い、1種類以上のジクロロシランを、ナトリウムを用いた脱塩素反応させることにより得られる、鎖状又は環状の重合体であり、その数平均分子量は通常300〜1000である。本発明におけるポリシランは、ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、フェニル基又はシリル基を有することができるが、何れの場合も、ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であることが必要である。この条件を満足しないと、繊維中の炭素の全てが不融化の際に導入された酸素と共に、焼結に至るまでの昇温過程で炭酸ガスとして脱離し、繊維間の境界炭素層が形成されないので好ましくない。
【0025】
本発明におけるポリシランは、上記の鎖状又は環状のポリシランを加熱して得られる、ポリシラン結合単位に加えて一部にカルボシラン結合を含む有機ケイ素重合体を包含する。このような有機ケイ素合体はそれ自体公知の方法で調製することができる。調製法の例としては、鎖状又は環状のポリシランを400〜700℃の比較的高い温度で加熱反応する方法、このポリシランにフェニル基含有ポリボロシロキサンを加えて250〜500℃の比較的低い温度で加熱反応する方法を挙げることができる。こうして得られる有機ケイ素重合体の数平均分子量は通常1000〜5000である。
【0026】
フェニル含有ポリボロシロキサンは、特開昭53-42300号公報及び同53-50299号公報に記載の方法に従って調製することができる。例えば、フェニル含有ポリボロシロキサンは、ホウ酸と1種類以上のジオルガノクロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製することができ、その数平均分子量は通常500〜10000である。フェニル基含有ポリボロシロキサンの添加量は、ポリシラン100重量部に対して通常15重量部以下である。
【0027】
ポリシランに対して、2A族、3A族及び3B族の金属元素を含有する化合物の所定量を添加し、不活性ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1〜10時間反応することにより、原料である金属元素含有有機ケイ素重合体を調製することができる。上記金属元素は、最終的に得られる焼結SiC繊維結合体中の金属元素の含有割合が0.05〜4.0重量%になる割合で使用され、具体的割合は本発明の教示に従って当業者が適宜に決定することができる。
また、上記の金属元素含有有機ケイ素重合体は、ポリシランのケイ素原子の少なくとも一部が、金属原子と酸素原子を介してあるいは介さずに結合された構造を有する、橋かけ重合体である。
【0028】
第1工程で添加される2A族、3A族及び3B族の金属元素を含有する化合物としては、前記金属元素のアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カルボニル化合物、シクロペンタジエニル化合物等を用いることができ、例えば、ベリリウムアセチルアセトナ−ト、マグネシウムアセチルアセトナ−ト、イットリウムアセチルアセトナ−ト、セリウムアセチルアセトナ−ト、ほう酸ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナ−ト等を挙げることができる。
これらはいずれも、ポリシラン或いはその加熱反応物との反応時に生成する有機ケイ素ポリマ−中のSi-H結合と反応して、それぞれの金属元素がSiと直接あるいは他の元素を介して結合した構造を生成し得るものである。
【0029】
第2工程
第2工程においては、金属元素含有有機ケイ素重合体の紡糸繊維を得る。
前駆重合体である金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸及び乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって紡糸し、紡糸繊維を得ることができる。
【0030】
第3工程
第3工程においては、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中50〜170℃で加熱して不融化繊維を調製する。
不融化の目的は、紡糸繊維を構成するポリマ−間に酸素原子による橋かけ点を形成させて、後続の無機化工程において不融化繊維が溶融せず、かつ隣接する繊維同士が融着しないようにすることである。
酸素含有雰囲気を構成するガスとしては、不融化時間は不融化温度に依存するが、通常、数分から30時間である。
不融化繊維中の酸素の含有量は8〜16重量%になるようにコントロ−ルすることが望ましい。この酸素の大部分は、次工程の無機化後も繊維中に残存し、最終の焼結に至るまでの昇温過程において、無機繊維中の余剰炭素をCOガスとして脱離させる重要な働きをする。
尚、酸素含有量が8重量%より少ない場合は、無機繊維中の余剰炭素が必要以上に残存し、昇温過程においてSiC結晶の回りに偏析して安定化するためβ-SiC結晶同士が粒界第2相を介すことなく焼結することを阻害し、また、16重量%よりも多い時は、無機繊維中の余剰炭素が完全に脱離して繊維間の境界炭素層が生成しない。これらは、いずれも得られる材料の力学的特性に悪影響を及ぼす。
【0031】
前記不融化繊維は、さらに不活性雰囲気中で予備加熱することが好ましい。
不活性雰囲気を構成するガスとしては、窒素、アルゴンなどを例示することができる。加熱温度は通常150〜800℃であり、加熱時間は数分しかないし20時間である。不融化繊維を不活性雰囲気中で予備加熱することによって、繊維への酸素の取り込みを防止しつつ、繊維を構成するポリマ−の橋かけ反応をより進行させ、前駆体重合体からの不融化繊維の優れた伸びを維持しつつ、強度をより向上させることができる、これにより、次工程の無機化を作業性よく安定に行うことができる。
【0032】
第4工程
第4工程においては、不融化繊維を、連続式又は回分式で、アルゴンのような不活性ガス雰囲気中、1000〜1700℃の範囲内の温度で加熱処理して、無機化する。
【0033】
第5工程
第5工程においては、まず、無機化繊維をシ−ト形状物、織物形状物又はチョップ形状物に成形後、それらの少なくとも1種からなる予備形状物を作製する。次いで、予備形状物を型内に仕込み真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気中で、1700〜2200℃の温度範囲で加圧する。
尚、第5工程で加圧するまでの昇温過程において、上記COの脱離速度に合わせた加圧プログラムを組み込んでも良い。
【0034】
第5工程終了後、型内より結合体を取り出し、所定形状に加工することにより、完全に緻密化した被強化材(B)が得られる。
【0035】
本発明の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスは、前記強化体又はその前駆体、あるいは加熱により強化体となる原料粉末を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体を貫通するように、あるいは前記被強化体の表面に配置し、酸化雰囲気、不活性ガス雰囲気、又は真空中、無加圧、又は50MPa以下、好ましくは10〜30MPaの圧力を加えて、1000〜2000℃、好ましくは1400〜1800℃に加熱し、結合させることにより製造される。
【0036】
また、本発明においては、前記被強化体の製造と前記強化体の製造を同時に行ってもかまわない。
例えば、金属間化合物においては、金属元素を所定の化合物なるように調製し、金属間化合物の合成と前記被強化体の無機繊維結合セラミックスの合成を同時に行ってもかまわない。
また、強化体は、中間材を介して結合してもよい。中間材としては酸化物、珪化物、窒化物等のセラミックス金属間化合物、及び金属等が挙げられる。
【0037】
さらに、本発明においては、セラミックス繊維を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体の表面、好ましくは周囲に配置し、有機ケイ素重合体を含浸、乾燥後、1000〜1500℃、好ましくは1200〜1400℃で焼成し、結合させることにより、層間方向強化型無機繊維結合セラミックスを製造することができる。
【0038】
セラミックス繊維としては、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が用いられるが、前記被強化体の無機繊維と同じ無機繊維が好ましい。また、セラミックス繊維の表面に、炭素、又はBN層を被覆したものを用いることが好ましい。
有機ケイ素重合体としては、ポリチタノカルボシラン、ポリジルコノカルボシラン等が挙げられるが、前記被強化体に用いた無機繊維の原料の有機ケイ素重合体が好ましい。
含浸、乾燥、焼成行程は4〜10回繰り返し層間強化体の緻密性を高めることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を更に詳しく説明するために実施例及び比較例を示す。層間方向の力学的特性は、次のように測定した。
[層間せん断強さの評価]
島津製オートグラフにより図1に示すような目違いの切り欠き試験片を用いて層間せん断強さを求めた。クロスヘッドの速度は0.5mm/minとした。
[層間方向引張強さの評価]
テンシロン試験機により図2に示すような円管試験片を用いて層間方向の引張強さを求めた。クロスヘッドの速度は1mm/minとした。
【0040】
実施例1
繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)を950℃の空気中で15時間加熱処理し表面層と内面層からなる無機質繊維を作製した。繊維表面にはa=0.030に相当する平均約300nmの均一な表面層が形成されていた。次に、この無機質繊維の繻子織物シートを作製し、100mm*100mmに切断した後、50枚を積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、無機繊維結合セラミックスの被層間方向強化体、及び層間方向強化体を得た。これを図1に示す形状に加工し、被層間方向強化体、及び層間方向強化体を別々に空気中、1300℃で処理し、表面に酸化膜を付与した。その後、被層間方向強化体中に層間方向強化体を配置し、更に空気中、1300℃で処理し、これらを強化し、層間方向強化型無機繊維結合セラミックスを得た。そして、得られた層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの層間せん断試験を行った。
【0041】
得られた層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの層間せん断強度は、50〜60MPaであった。
【0042】
比較例1
実施例1で得られた層間方向を強化する前のホットプレス処理後の無機繊維結合セラミックスを図2の形状に加工して層間せん断試験を行った。比較例1の層間せん断強さは、20〜30MPaであった。
【0043】
実施例2
繊維径10μmのチラノ繊維(登録商標:宇部興産株式会社製)を950℃の空気中で15時間加熱処理し表面層と内面層からなる無機質繊維を作製した。繊維表面にはa=0.030に相当する平均約300nmの均一な表面層が形成されていた。次に、この無機質繊維の繻子織物シートを作製し、100mm*100mmに切断した後、400枚を積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、無機繊維結合セラミックスの被層間方向強化体を得た。これを円柱状に加工し、その周囲にチラノ繊維を巻き付けて前駆体を得た。この前駆体に有機ケイ素重合体を含浸し、乾燥、焼成することにより層間方向強化型無機繊維結合セラミックスを得た。なお、含浸、乾燥、焼成は6回繰り返し行った。得られた層間方向強化型無機繊維結合セラミックスを図3の形状に加工し、引張試験を行った。
【0044】
得られた層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの引張強度は、40〜100MPaであった。
【0045】
比較例2
実施例2で得られた層間方向を強化する前のホットプレス処理後の無機繊維結合セラミックスを図4の形状に加工して層間方向の引張試験を行った。比較例2の層間方向の引張強さは、5〜20MPaであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの層間せん断強度の評価方法を示す図である。
【図2】図2は、比較例1の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの層間せん断強度の評価方法を示す図である。
【図3】図3は、実施例2における層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの引張強度の評価方法を示す図である。
【図4】図4は、比較例2における層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの引張強度の評価方法を示す図である。

Claims (5)

  1. (A)(i)下記(a)及び/又は(b)からなる無機繊維の積層体と、
    (a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質(MはTi又はZrを示す)、
    (b)イ)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、ロ)SiO及びMOの非晶質物質との集合体、
    (ii)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(c)及び/又は(d)からなり、場合により(e)が分散した無機物質と、
    (c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、
    (d)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質物質、
    (e)100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子無機物質、
    (iii)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする、場合により100nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散した、1から100nmの境界層、から構成されてなる無機繊維結合セラミックスからなる被強化体、
    又は(B)主としてSiCの焼結構造からなる無機繊維であって、0.01〜1重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する無機繊維の積層体が最密充填に極めて近い構造に結合し、繊維間には1〜100nmのCを主成分とする境界層が形成されている無機繊維結合セラミックスからなる被強化体が、(C)無機繊維を有する無機系複合材からなる強化体により、前記被強化体の無機繊維の層間方向が強化されてなる層間方向強化型無機繊維結合セラミックスであって、前記強化体は、前記被強化体を貫通しているかあるいは前記被強化体の表面に配置され、前記被強化体と焼成により結合しており、
    前記強化体の無機繊維の層間方向が、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なることを特徴とする層間方向強化型無機繊維結合セラミックス。
  2. 前記無機繊維結合セラミックスからなる被強化体(A)は、被強化体(A)を構成する無機繊維が、85〜91体積%(ただし、85は除く)存在することを特徴とする請求項1記載の層間方向強化型無機繊維結合セラミックス。
  3. 前記強化体が、前記被強化体(A)又は(B)と同一の無機繊維結合セラミックスからなることを特徴とする請求項1または2記載の層間方向強化型無機繊維結合セラミックス。
  4. 前記強化体又はその前駆体、あるいは加熱により強化体となる原料粉末を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体を貫通するように、あるいは前記被強化体の表面に配置し、酸化雰囲気、不活性ガス雰囲気、又は真空中、無加圧、又は50MPa以下の圧力を加えて、1000〜2000℃に加熱し、結合させることを特徴とする請求項1または2記載の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの製造方法。
  5. セラミックス繊維を、前記被強化体の無機繊維の層間方向とは異なる方向で、前記被強化体の表面に配置し、有機ケイ素重合体を含浸後、1000〜1500℃で焼成し、結合させることを特徴とする請求項1または2記載の層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの製造方法。
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