JP2003261393A - 層間強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法 - Google Patents
層間強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法Info
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Abstract
つ高い積層方向の強度を要求される部材、たとえば、発
電用、又は航空機用ガスタービン、及び熱交換器などの
高温部材に適用出来る層間強化型無機繊維結合セラミッ
クス及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 主としてSiCの焼結構造からなり、0.01
〜1重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子から
なる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有す
る無機繊維であって、その大部分が最密充填に極めて近
い構造に結合しており、かつ大部分の無機繊維の表面に
は1〜100nmのCを主成分とする境界層が存在している無
機繊維の織物及び/又はシート状物からなる無機繊維積
層体と、前記無機繊維積層体の層間、及び前記無機繊維
の間隙の一部に存在する2〜40体積%の主にSiCからなる
層間強化相とから構成されてなることを特徴とする。
Description
料の繊維による強化がなされていない繊維の積層方向の
強度(層間強度)を必要とし、かつ1200℃以上の耐熱
性、及び高い緻密性が要求される部材に使用可能な層間
強化型無機繊維結合セラミックス及びその製造方法に関
する。特に、高い層間せん断強度、高い緻密性及び衝撃
特性を要求される部材、たとえば、発電用又は航空機用
エンジンの静翼材及び熱交換器などの高温部材に適用で
きる。
どに代表される単体のセラミックス材料は、1300℃以上
の高温でも等方的に優れた強度を示すことから、高効率
ガスタービン用部材として期待されているが、単体セラ
ミックス固有の欠点である脆さを有しており、内在する
小さな気孔、或いはクラックに非常に敏感であることか
ら信頼性に劣る。このため、高耐熱性を有し、かつ信頼
性の高い高温材料が望まれている。
料(以下、C/C複合材料と記載する)、セラミックス繊
維強化セラミックス基複合材料(以下、CMCと記載す
る)並びに繊維結合型セラミックスは、上記の単体セラ
ミックスの脆さを改善した高い破壊エネルギーを有した
高温材料であり、盛んに研究が進められている。
向強化型(1D)、二方向強化型(2D)、又は三方向強化型
(3D)に分類することができる。このうち1D及び2D材料に
は、繊維による強化がなされていない繊維を積層した方
向が存在するため、その方向の強度は、繊維により強化
された方向に比べ著しく低くなる。
体の積層方向を繊維でステッチングした予備成形体を使
用することにより、1D及び2Dの積層方向に相当する方向
の強さを強化している。しかし、この材料は、主に化学
蒸着気相法(CVD法)、化学浸透気相法(CVI法)、又は
ポリマー含浸法(PIP法)により製造されるため、その製
法に由来して材料内部には気孔が残存している。そのた
め加工後の表面平滑性が悪く、表面平滑性を必要とする
部材へ適用する際は、コーティング等の二次処理が必要
となる。また、同材料は、高温大気中ではボイド内に酸
素が進入するため、耐酸化性が劣る。また、3DのCMCの
緻密性を高めるために加圧装置を用いて製造すると繊維
が破断するため、要求される特性を発揮することができ
ない。
あり耐酸化性に優れた高温材料ではあるが、1D又は2Dで
あり加圧装置を用いて製造される。そのため繊維強化が
なされていない層間方向が存在し、その層間強度は、強
化方向の強度に比して低い。これを解決する方法とし
て、本発明者等は、特願2001-49731において層間方向強
化型繊維結合型セラミックスを提案した。この発明は、
強度の弱い層間方向に強化体を部分的に配置したもので
あり、強化体がない部分の強度は従来材と変わらない。
そのため部品全体の層間強度の向上には有効であるが、
ミクロなクラックの発生を抑制することはできない。ま
た、層間方向の強化体を予め準備し、さらにその強化体
と繊維結合型セラミックスを結合させる工程が必要なた
め製造コストがかさむ。このようなことから、層間方向
をミクロ的に強化し、かつ製造工程を最小限にとどめた
緻密な高温材料の開発が望まれている。
間方向を強化した繊維結合型セラミックス材料及びその
製造方法を提供することであり、極めて高い緻密性、及
び高温特性を有し、かつ高い積層方向の強度を要求され
る部材、たとえば、発電用、又は航空機用ガスタービ
ン、及び熱交換器などの高温部材に適用出来る。
からなり、0.01〜1重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族
の金属原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金
属原子を含有する無機繊維であって、その大部分が最密
充填に極めて近い構造に結合しており、かつ大部分の無
機繊維の表面には1〜100nmのCを主成分とする境界層が
存在している無機繊維の織物及び/又はシート状物から
なる無機繊維積層体と、前記無機繊維積層体の層間、及
び前記無機繊維の間隙の一部に存在する2〜40体積%の主
にSiCからなる層間強化相とから構成されてなることを
特徴とする層間強化型無機繊維結合セラミックスが提供
される。さらに、本発明によれば、ケイ素原子に対する
炭素原子の割合がモル比で1.5以上であるポリシラン
或いはその加熱反応物に、2A族、3A族及び3B族の金属元
素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を
含有する化合物を添加し、不活性ガス中、加熱反応して
金属元素含有有機ケイ素重合体を調製する第1工程、金
属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を
得る第2工程、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中加熱して不
融化繊維を調製する第3工程、不融化繊維を不活性ガス
中で無機化する第4工程、無機化繊維を織物及び/又は
シート状物に成形後、それらの表層部分に主にSiC粉末
からなるセラミックス粉末を配置し、これらを積層した
予備形状物を真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化水素
からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気
中で、100MPa以下の圧力を加えて、1500〜2200℃に加熱
する第5工程からなることを特徴とする前記層間強化型
無機繊維結合セラミックスの製造方法が提供される。
ラミックスについて説明する。層間強化型無機繊維結合
セラミックスは、主としてSiCの焼結構造からなる無機
繊維の織物及び/又はシート状物からなる無機繊維積層
体と、前記無機繊維積層体の層間、及び前記無機繊維の
間隙の一部に存在する2〜40体積%の主にSiCからなる層
間強化相とから構成されている。
してSiCの焼結構造からなり、0.01〜1重量%のO、及び2
A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選ばれる
少なくとも1種の金属原子を含有している。繊維材を構
成する元素の割合は、通常、Si:55〜70重量%、C:30〜
45重量%、O:0.01〜1重量%、M(2A族、3A族及び3B族の
金属元素):0.05〜4.0重量%、好ましくは、0.1〜2.0重
量%である。2A族、3A族及び3B族の金属元素の中では、
特にBe、Mg、Y、Ce、B、Alが好ましく、これらはいずれ
もSiCの焼結助剤として知られているもので、また有機
ケイ素ポリマーのSi−H結合と反応し得るキレート化合
物やアルキシド化合物が存在するものである。この金属
の割合が過度に少ないと繊維材の十分な結晶性が得られ
ず、その割合が過度に高くなると、粒界破壊が多くなり
力学的特性の低下を招くことになる。
び/又は非晶質のCを含有する。この繊維材を構成する
β-SiC結晶は、粒界第2相を介すことなくβ-SiC結晶粒
子同士が直接焼結しており、SiC結晶間の結合は強固で
ある。しかし、繊維材が破壊する際に、少なくとも30%
以上の領域でSiCの結晶粒内で破壊が進行する場合は、
上述の2A族、3A族及び3B族の金属原子からなる群から選
ばれる少なくとも1種の金属原子を含む酸化物、及び/
又は、微結晶及び/又は乱層構造のCが部分的にSiC結晶
間の粒界破壊領域に混在してもかまわない。
形し、最密充填に極めて近い構造に結合している。ま
た、この繊維材の大部分の表面には非晶質及び/又は結
晶質の炭素が、1〜100nmの範囲、好ましくは10〜50nmの
厚さで境界層が形成されており、この構造を反映して、
仮に同材料中にクラックが発生しても脆性破壊、すなわ
ち線形破壊することなく、炭素層でクラックの偏向が起
こり、非線形的な破壊パターンを示す。
ラミックスの前記無機繊維積層体の層間、及び前記無機
繊維の間隙の一部には、2〜40体積%の主にSiCからなる
層間強化相が存在する。この層間強化相を介して無機繊
維を結合することによって、繊維強化がなされていない
層間方向が強化されている。この層間強化相は、体積率
が2体積%より低い場合は強化効果が発現しにくく、また
40体積%より高い場合は、繊維強化方向が脆性的な破壊
を示すことになるので好ましくない。さらに、層間強化
相と無機繊維との結合を強めるために、材料全体の破壊
靱性が損なわれない範囲で、これらの境界に限っては、
無機繊維の表面の炭素層が、薄いか或いは無くてもかま
わない。境界部の炭素層を減少させる手段としては、炭
素はSiCの焼結助剤となることから層間強化相を構成す
るSiCの焼結助剤に、この境界の炭素層を利用する方法
がある。
ラミックスの製造方法について説明する。本発明の層間
強化型無機繊維結合セラミックスの製造方法は、ケイ素
原子に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であ
るポリシラン或いはその加熱反応物に、2A族、3A族及び
3B族の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種
の金属元素を含有する化合物を添加し、不活性ガス中、
加熱反応して金属元素含有有機ケイ素重合体を調製する
第1工程、金属元素含有有機ケイ素重合体を溶融紡糸し
て紡糸繊維を得る第2工程、紡糸繊維を酸素含有雰囲気
中加熱して不融化繊維を調製する第3工程、不融化繊維
を不活性ガス中で無機化する第4工程、無機化繊維を織
物及び/又はシート状物に成形後、それらの表層部分に
主にSiC粉末からなるセラミックス粉末を配置し、これ
を積層した予備形状物を真空、不活性ガス、還元ガス及
び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種から
なる雰囲気中で、100MPa以下の圧力を加えて、1500〜22
00℃に加熱する第5工程からなる。
素重合体を調整する。ポリシランは、例えば「有機ケイ
素化合物の化学」化学同人(1972年)に記載の方法に従
い、1種類以上のジクロロシランを、ナトリウムを用い
た脱塩素反応させることにより得られる、鎖状又は環状
の重合体であり、その数平均分子量は通常300〜1000で
ある。本発明におけるポリシランは、ケイ素の側鎖とし
て、水素原子、低級アルキル基、フェニル基又はシリル
基を有することができるが、何れの場合も、ケイ素原子
に対する炭素原子の割合がモル比で1.5以上であること
が必要である。この条件を満足しないと、繊維中の炭素
の全てが不融化の際に導入された酸素と共に、焼結に至
るまでの昇温過程で炭酸ガスとして脱離し、繊維間の境
界炭素層が形成されないので好ましくない。
又は環状のポリシランを加熱して得られる、ポリシラン
結合単位に加えて一部にカルボシラン結合を含む有機ケ
イ素重合体を包含する。このような有機ケイ素合体はそ
れ自体公知の方法で調製することができる。調製法の例
としては、鎖状又は環状のポリシランを400〜700℃の比
較的高い温度で加熱反応する方法、このポリシランにフ
ェニル基含有ポリボロシロキサンを加えて250〜500℃の
比較的低い温度で加熱反応する方法を挙げることができ
る。こうして得られる有機ケイ素重合体の数平均分子量
は通常1000〜5000である。
昭53-42300号公報及び同53-50299号公報に記載の方法に
従って調製することができる。例えば、フェニル含有ポ
リボロシロキサンは、ホウ酸と1種類以上のジオルガノ
クロロシランとの脱塩酸縮合反応によって調製すること
ができ、その数平均分子量は通常500〜10000である。フ
ェニル基含有ポリボロシロキサンの添加量は、ポリシラ
ン100重量部に対して通常15重量部以下である。
の金属元素を含有する化合物の所定量を添加し、不活性
ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1〜10時間反応
することにより、原料である金属元素含有有機ケイ素重
合体を調製することができる。上記金属元素は、最終的
に得られる焼結SiC繊維結合体中の金属元素の含有割合
が0.05〜4.0重量%になる割合で使用され、具体的割合は
本発明の教示に従って当業者が適宜に決定することがで
きる。また、上記の金属元素含有有機ケイ素重合体は、
ポリシランのケイ素原子の少なくとも一部が、金属原子
と酸素原子を介してあるいは介さずに結合された構造を
有する、橋かけ重合体である。
の金属元素を含有する化合物としては、前記金属元素の
アルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カルボニ
ル化合物、シクロペンタジエニル化合物等を用いること
ができ、例えば、ベリリウムアセチルアセトナ−ト、マ
グネシウムアセチルアセトナ−ト、イットリウムアセチ
ルアセトナ−ト、セリウムアセチルアセトナ−ト、ほう
酸ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナ−ト等を
挙げることができる。これらはいずれも、ポリシラン或
いはその加熱反応物との反応時に生成する有機ケイ素ポ
リマ−中のSi-H結合と反応して、それぞれの金属元素が
Siと直接あるいは他の元素を介して結合した構造を生成
し得るものである。
紡糸繊維を得る。前駆重合体である金属元素含有有機ケ
イ素重合体を溶融紡糸及び乾式紡糸のようなそれ自体公
知の方法によって紡糸し、紡糸繊維を得ることができ
る。
70℃で加熱して不融化繊維を調製する。不融化の目的
は、紡糸繊維を構成するポリマ−間に酸素原子による橋
かけ点を形成させて、後続の無機化工程において不融化
繊維が溶融せず、かつ隣接する繊維同士が融着しないよ
うにすることである。酸素含有雰囲気を構成するガスと
しては、不融化時間は不融化温度に依存するが、通常、
数分から30時間である。不融化繊維中の酸素の含有量は
8〜16重量%になるようにコントロ−ルすることが望まし
い。この酸素の大部分は、次工程の無機化後も繊維中に
残存し、最終の焼結に至るまでの昇温過程において、無
機繊維中の余剰炭素をCOガスとして脱離させる重要な働
きをする。尚、酸素含有量が8重量%より少ない場合は、
無機繊維中の余剰炭素が必要以上に残存し、昇温過程に
おいてSiC結晶の回りに偏析して安定化するためβ-SiC
結晶同士が粒界第2相を介すことなく焼結することを阻
害し、また、16重量%よりも多い時は、無機繊維中の余
剰炭素が完全に脱離して繊維間の境界炭素層が生成しな
い。これらは、いずれも得られる材料の力学的特性に悪
影響を及ぼす。
で予備加熱することが好ましい。不活性雰囲気を構成す
るガスとしては、窒素、アルゴンなどを例示することが
できる。加熱温度は通常150〜800℃であり、加熱時間は
数分しかないし20時間である。不融化繊維を不活性雰囲
気中で予備加熱することによって、繊維への酸素の取り
込みを防止しつつ、繊維を構成するポリマ−の橋かけ反
応をより進行させ、前駆体重合体からの不融化繊維の優
れた伸びを維持しつつ、強度をより向上させることがで
きる、これにより、次工程の無機化を作業性よく安定に
行うことができる。
で、アルゴンのような不活性ガス雰囲気中、1000〜1700
℃の範囲内の温度で加熱処理して、無機化する。
シ−ト状物に成形後、それらの表層部分に主にSiC粉末
からなるセラミックス粉末を配置する。そして、これら
を積層した予備形状物を作製する。次いで、予備形状物
を型内に仕込み、真空、不活性ガス、還元ガス及び炭化
水素からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる雰
囲気中で、100MPa以下の圧力を加えて、1500〜2200℃の
温度範囲で加熱する。本発明における、織物及び/又は
シ−ト状物の表面に配置するセラミックス粉末として
は、SiC粉末とともにSiCの焼結助剤を添加することが好
ましい。焼結助剤としては、C、B、B4C、Al2O3、AlN、B
N等がある。また、無機繊維中の元素及び/又は無機繊
維表面の炭素層が層間強化相の焼結助剤として働く場合
は、SiC粉末中に焼結助剤を入れなくてもかまわない。
これによって層間強化相と無機繊維間の炭素が減少し結
合を強固にすることができる。セラミックス粉末の配置
方法としては、セラミックス粉末を溶液中に分散させ刷
毛で塗る方法が好まし。この時、乾燥後のセラミックス
粉末の飛散を防止するためにポリエチレンオキサイド、
ポリビニルアルコール等の有機バインダーを溶液中に入
れてもかまわない。尚、第5工程で加圧するまでの昇温
過程において、上記COの脱離速度に合わせた加圧プログ
ラムを組み込んでも良い。
し、所定形状に加工することにより、緻密化した層間方
向強化型無機繊維結合セラミックスが得られる。
施例及び比較例を示す。層間方向の力学的特性は、次の
ように測定した。 [層間せん断強さの評価]島津製オートグラフにより目
違いの切り欠き試験片を用いて層間せん断強さを求め
た。クロスヘッドの速度は0.5mm/minとした。
ガス気流下にキシレンを加熱環流させながら、ジメチル
ジクロロシラン1Lを滴下し、引き続き10時間加熱環流し
沈殿物を生成させた。この沈殿をろ過し、メタノール、
次いで水で洗浄して、白色のポリジメチルシラン420gを
得た。次に、ジフェニルジクロロシラン750g、及びホウ
酸124gを窒素ガス雰囲気下にn-ブチルエーテル中、100
〜120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空
中400℃で1時間加熱処理することによって、フェニル基
含有ポリボロシキサン530gを得た。前述で得られたポリ
ジメチルシラン100部にこのフェニル基含有ポリボロシ
ロキサン4部を添加し、窒素ガス雰囲気中、350℃で5時
間熱縮合して、高分子量の有機ケイ素重合体を得た。こ
の有機ケイ素重合体100部を溶解したキシレン溶液にア
ルミニウム-トリ-(sec-ブトキシド)を7部加え、窒素ガ
ス気流下、310℃で架橋反応させることによって、ポリ
アルミノカルボシランを合成した。これを245℃で溶融
紡糸し、空気中140℃で5時間加熱処理した後、更に窒素
中300℃で10時間加熱して不融化繊維を得た。この不融
化繊維を窒素中1500℃で連続焼成し、炭化ケイ素系連続
無機繊維を合成した。この繊維を織物形状に加工し、焼
結助剤としてC粉末、B粉末をそれぞれ1wt%添加したSiC
粉末をその表面に配置した。そして、このSiC粉末を配
置した織物形状物を積層した予備成型体を作製し、カー
ボンダイス内に仕込んだ後、圧力50MPa、温度1850℃で
成形した。得られた層間方向強化型無機繊維結合セラミ
ックスを所定形状に切断し、層間せん断試験を行った。
この層間方向強化型無機繊維結合セラミックスの層間せ
ん断強度は、50〜70MPaであった。得られた層間方向強
化型無機繊維結合セラミックスの構造の概略図を図1に
示す。
維の織物形状物を積層して予備成型体を製作し、カーボ
ンダイス内に仕込んだ後、圧力50MPa、温度1850℃で成
形した。得られた無機繊維結合セラミックスを所定形状
に切断し、比較材を製造した。比較材の層間せん断試験
を行ったところ、層間せん断強さは、20〜30MPaであっ
た。得られた無機繊維結合セラミックスの構造の概略図
を図2に示す。
向強化型無機繊維結合セラミックスの構造を示す概略図
である。
維結合セラミックスの構造を示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】主としてSiCの焼結構造からなり、0.01〜1
重量%のO、及び2A族、3A族及び3B族の金属原子からな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を含有する
無機繊維であって、その大部分が最密充填に極めて近い
構造に結合しており、かつ大部分の無機繊維の表面には
1〜100nmのCを主成分とする境界層が存在している無機
繊維の織物及び/又はシート状物からなる無機繊維積層
体と、前記無機繊維積層体の層間、及び前記無機繊維の
間隙の一部に存在する2〜40体積%の主にSiCからなる層
間強化相とから構成されてなることを特徴とする層間強
化型無機繊維結合セラミックス。 - 【請求項2】ケイ素原子に対する炭素原子の割合がモル
比で1.5以上であるポリシラン或いはその加熱反応物
に、2A族、3A族及び3B族の金属元素からなる群から選ば
れる少なくとも1種の金属元素を含有する化合物を添加
し、不活性ガス中、加熱反応して金属元素含有有機ケイ
素重合体を調製する第1工程、金属元素含有有機ケイ素
重合体を溶融紡糸して紡糸繊維を得る第2工程、紡糸繊
維を酸素含有雰囲気中加熱して不融化繊維を調製する第
3工程、不融化繊維を不活性ガス中で無機化する第4工
程、無機化繊維を織物及び/又はシート状物に成形後、
それらの表層部分に主にSiC粉末からなるセラミックス
粉末を配置し、これらを積層した予備形状物を真空、不
活性ガス、還元ガス及び炭化水素からなる群から選ばれ
る少なくとも1種からなる雰囲気中で、100MPa以下の圧
力を加えて、1500〜2200℃に加熱する第5工程からなる
ことを特徴とする請求項1記載の層間強化型無機繊維結
合セラミックスの製造方法。
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